JP5177280B2 - 潤滑装置 - Google Patents

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Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載されている変速機の摩擦クラッチを潤滑する潤滑装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載されているエンジンの駆動力を車輪側へ伝達する駆動力伝達装置では、潤滑装置により変速機などの摩擦クラッチが潤滑される。ここで、例えば、摩擦クラッチを潤滑する潤滑装置として、ジェットポンプを用いたものが提案されている。摩擦クラッチを潤滑する潤滑装置としてジェットポンプを用いたものの中には、摩擦クラッチを介して伝達されるトルクに応じて、ジェットポンプから摩擦クラッチへ吐出されるオイルの流量を変更するものがあり、その一例が下記の特許文献1に開示されている。
【0003】
特許文献1の潤滑装置では、摩擦クラッチを介して伝達されるトルクに応じて、トルクセンサによりジェットポンプの駆動ノズルに供給するオイルの流量が変更され、この結果、ジェットポンプから摩擦クラッチへ吐出されるオイルの流量が変更される。つまり、特許文献1の潤滑装置は、摩擦クラッチを介して伝達されるトルクに応じて、ジェットポンプから摩擦クラッチへ吐出するオイルの流量を変更する構成なので、トルクセンサが必要不可欠である。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−219267号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、例えばトルクセンサのように、摩擦クラッチから伝達されるトルクに応じてジェットポンプに供給するオイルの流量を調整するトルク/オイル流量変換機構を備えていない駆動力伝達装置において、ジェットポンプを用いて摩擦クラッチを潤滑しようとすると、潤滑装置は、ジェットポンプに供給するオイルの流量を調整するために、トルク/オイル流量変換機構が別途必要となる。つまり、潤滑装置は、ジェットポンプを用いて摩擦クラッチを潤滑しようとすると、ジェットポンプに供給するオイルの流量を調整するために、駆動力伝達装置が備えていなかったトルク/オイル流量変換機構が別途必要となる。このため、潤滑装置の構成要素が多くなり、潤滑装置の大型化に繋がってしまう。したがって、潤滑装置を小型化することは難しい。
[0006]
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、小型化を図ることができる潤滑装置を得ることを目的とする。
課題を解決するための手段
[0007]
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る潤滑装置は、クラッチ係合圧により係合可能な摩擦クラッチの潤滑部にオイルを供給する潤滑装置において、駆動ノズルから混合部に供給される高圧オイルと、前記高圧オイルが前記混合部に供給されることで吸入部から前記混合部に供給される低圧オイルとを吐出部より吐出し、前記潤滑部に供給するジェットポンプと、前記駆動ノズルと接続され、前記高圧オイルを供給する油圧制御回路と、前記吸入部と接続され、前記高圧オイルよりも圧力が低い前記低圧オイルを供給するオイル貯留部と、前記吸入部と前記オイル貯留部との間に設けられ、前記クラッチ係合圧の増加に応じて機械的に開度が大きくなる流量調整弁と、を備え、前記クラッチ係合圧の調整は、圧力調整弁により行われるものであり、前記圧力調整弁は、前記摩擦クラッチと前記油圧制御回路とを連通する係合油路に設けられ、前記流量調整弁および前記圧力調整弁は、1つの流量圧力調整連動弁であり、前記流量圧力調整連動弁は、内部で前記係合油路の摩擦クラッチ側と油圧制御回路側とを連通する弁筐体と、シフトレバーに連結され、運転者による前記シフトレバーの操作に連動して、前記弁筐体の内部で軸線方向に移動可能とされたスプールと、を備え、前記シフトレバーがニュートラルポジションである場合には、前記スプールにより、前記係合油路の摩擦クラッチ側と油圧制御回路側との連通が遮断されるとともに、前記吸入部と前記オイル貯留部とを連通する吸入油路のオイル貯留部側と吸入部側との連通が遮断され、前記シフトレバーが前記摩擦クラッチが前記クラッチ係合圧により係合されるポジションである係合ポジションである場合には、前記スプールにより、前記係合油路の摩擦クラッチ側と油圧制御回路側とが連通されるとともに、前記吸入油路のオイル貯留部側と吸入部側とが連通される、ことを特徴としている。
[0008]
また、本発明に係る潤滑装置は、クラッチ係合圧により係合可能な摩擦クラッチの潤滑部にオイルを供給する潤滑装置において、駆動ノズルから混合部に供給される高圧オイルと、前記高圧オイルが前記混合部に供給されることで吸入部から前記混合部に供給される低圧オイルとを吐出部より吐出し、前記潤滑部に供給するジェットポンプと、前記駆動ノズルと接続され、前記高圧オイルを供給する油圧制御回路と、前記吸入部と接続され、前記高圧オイルよりも圧力が低い前記低圧オイルを供給するオイル貯留部と、前記吸入部と前記オイル貯留部との間に設けられ、前記クラッチ係合圧の増加に応じて機械的に開度が大きくなる流量調整弁と、を備え、前記クラッチ係合圧の調整は、圧力調整弁により行われるものであり、前記圧力調整弁は、前記摩擦クラッチと前記油圧制御回路とを連通する係合油路に設けられ、前記流量調整弁および前記圧力調整弁は、1つの流量圧力調整連動弁であり、前記流量圧力調整連動弁は、内部で前記係合油路の摩擦クラッチ側と油圧制御回路側とを連通する弁筐体と、前記弁筐体の内部で軸線方向に移動可能とされたスプールと、前記スプールを前記軸線方向一方側に付勢する連動弁用付勢手段と、前記油圧制御回路から指示圧が導入されることで、前記スプールを前記軸線方向他方側に押圧する連動弁ピストン室と、を備え、前記スプールは、前記指示圧の増加に応じて前記軸線方向他方側に移動することで、前記クラッチ係合圧を増加するものであり、前記クラッチ係合圧が前記摩擦クラッチを係合できる圧力に達している場合には、前記スプールにより前記吸入油路のオイル貯留部側と吸入部側とが連通され、前記クラッチ係合圧が最低圧の場合には、前記スプールにより前記吸入油路のオイル貯留部側と吸入部側との連通が遮断される、ことを特徴としている。
[0009]
[0010]
[0011]
[0012]
[0013]
発明の効果
[0014]
本発明では、クラッチ係合圧が増大するに伴い、機械的に流量調整弁の開度が大きくなるので、このクラッチ係合圧が増大するに伴い、オイル貯留部からジェットポンプの吸入部に吸い込まれるオイルの流量が増大する。このため、クラッチ係合圧が増大するに伴い、ジェットポンプから吐出されるオイルの流量が増大する。つまり、クラッチ係合圧が増大するに伴い、摩擦クラッチの潤滑部を潤滑するオイルの流量が増大する。したがって、例えばトルクセンサのようなトルク/オイル流量変換機構を用いなくても、流量調整弁だけでジェットポンプから吐出されるオイルの流量を変更できる。これにより、装置の小型化を図ることができるという効果を奏する。
[0015]
また、本発明では、クラッチ係合圧が増大するに伴い、摩擦クラッチが解放状態から係合状態に移行し、この摩擦クラッチにおいて発生する熱量が増大する。一方、本発明では、クラッチ係合圧が増大するに伴い、摩擦クラッチの潤滑部を潤滑するオイルの流量が増大する。つまり、本発明では、摩擦クラッチにおいて発生する熱量が増大するに伴い、摩擦クラッチの潤滑部を潤滑するオイルの流量が増大することとなる。ここで、摩擦クラッチが係合される方向に動作すると、摩擦クラッチにおいて発生する熱量は増大するが、流量が増大されたオイルで摩擦クラッチの潤滑部が冷却され、これにより、摩擦クラッチの温度上昇を抑制できる。一方、摩擦クラッチが解放される方向に動作すると、摩擦クラッチの潤滑部に供給されるオイルの流量が減少するので、摩擦クラッチの潤滑部(例えば、摩擦クラッチにおける互いに係合可能な部材どうしの間)で生じる攪拌損失を抑制できる。したがって、摩擦クラッチが解放状態から係合状態に移行したり、摩擦クラッチが係合状態から解放状態に移行したりするまでの間に、摩擦クラッチの潤滑部に対して、潤滑および冷却するのに適した流量のオイルを供給できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
[0016]
[図1]図1は、実施の形態1に係る潤滑装置の概略を示す模式図である。
[図2]図2は、実施の形態2に係る潤滑装置の概略を示す模式図である。
[図3]図3は、調整弁用付勢手段の付勢力と、流量調整弁の開度と、吸入流量と、潤滑流量との温度変化に対する特性を表で示す図である。
【図4】図4は、実施の形態3に係る潤滑装置の概略を示す模式図である。
【図5】図5は、実施の形態4に係る潤滑装置の概略を示す模式図である。
【図6】図6は、実施の形態5に係る潤滑装置の概略を示す模式図である。
【符号の説明】
【0017】
1−1 潤滑装置
1−2 潤滑装置
1−3 潤滑装置
1−4 潤滑装置
1−5 潤滑装置
10 油圧制御回路
11 ジェットポンプ
11a 駆動ノズル
11b 吸入部
11c 混合部
11d 吐出部
12 オイルパン(オイル貯留部)
13 流量調整弁
131 弁筐体
132 スプール
133 コイルスプリング(調整弁用付勢手段)
134 調整用ピストン室
16 吸入油路
17 マニュアルバルブ(流量圧力調整連動弁)
171 弁筐体
172 スプール
18 クラッチコントロールバルブ(流量圧力調整連動弁)
181 弁筐体
182 スプール
183 コイルスプリング(連動弁用付勢手段)
184 連動弁ピストン室
19 逆止弁
20 摩擦クラッチ
20a 潤滑部
21 圧力調整弁
22 係合油路
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に、本発明に係る潤滑装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の各実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0019】
〔実施の形態1〕
以下、実施の形態1に係る潤滑装置について説明する。図1は、実施の形態1に係る潤滑装置の概略を示す模式図である。潤滑装置1−1は、クラッチ係合圧により係合可能な摩擦クラッチ20の潤滑部20aにオイルを供給するものである。摩擦クラッチ20は、例えば、車両に搭載されている変速機の内部に設けられたものである。この摩擦クラッチ20は、例えば、後述のクラッチ係合圧として最低圧が印加された場合には、完全に解放され、クラッチ元圧が印加された場合には、完全に係合する。潤滑装置1−1は、油圧制御回路10と、ジェットポンプ11と、オイルパン12と、流量調整弁13とを備えている。
【0020】
実施の形態1では、クラッチ係合圧の調整は、圧力調整弁21により行われる。この圧力調整弁21は、摩擦クラッチ20と、生成した元圧を一定にする機能を有する油圧制御回路10とを連通する係合油路22に設けられている。実施の形態1では、圧力調整弁21は、油圧制御回路10の内部に設けられている。圧力調整弁21は、車両の変速機を制御する制御装置からの指示に応じて駆動する例えばソレノイドにより、開度が調整される。圧力調整弁21は、後述の油圧制御回路10で生成されたクラッチ元圧を例えばソレノイドにより機械的に調整して、最低圧から摩擦クラッチ20が係合する最高圧、言い換えれば、最低圧からクラッチ元圧までの圧力範囲において所望のクラッチ係合圧を発生させ、このクラッチ係合圧を、係合油路22を介して摩擦クラッチ20に印加している。つまり、圧力調整弁21は、クラッチ係合圧を調整することで、摩擦クラッチ20の係合を制御するものである。
【0021】
油圧制御回路10は、オイルポンプ14により供給されたオイルの圧力を調整して、各吐出先に対して、印加するのに適切な元圧を生成するものである。より詳しく述べると、油圧制御回路10は、圧力調整弁21に対しては、摩擦クラッチ20が完全に係合できる元圧である一定のクラッチ元圧を生成し、供給するものである。また、油圧制御回路10は、ジェットポンプ11の駆動ノズル11aに対しては、一定圧の高圧オイルを生成し、供給するものである。油圧制御回路10のオイルが供給される側である供給側は、オイルポンプ14と接続されている。オイルポンプ14は、ストレーナ141を介してオイルパン15と接続されており、オイルパン15に貯留されているオイルを吸引する。オイルポンプ14により吸引されたオイルは加圧され、油圧制御回路10に吐出される。つまり、オイルポンプ14によりオイルパン15に貯留されているオイルが加圧され、油圧制御回路10に供給される。なお、ストレーナ141は、オイルポンプ14により吸引されるオイルから異物を除去するものである。また、油圧制御回路10の高圧オイルを供給する側である吐出側は、ジェットポンプ11の駆動ノズル11aと接続されている。つまり、油圧制御回路10は、オイルポンプ14により加圧されたオイルを調圧して一定圧の高圧オイルとし、この一定圧の高圧オイルをジェットポンプ11の駆動ノズル11aに供給する。
【0022】
ジェットポンプ11は、摩擦クラッチ20の潤滑部20aに混合オイルを供給するものである。ジェットポンプ11は、駆動ノズル11aと、吸入部11bと、混合部11cと、吐出部11dとから構成されている。
【0023】
駆動ノズル11aは、高圧オイルが供給されることで、ジェットポンプ11を駆動するものである。駆動ノズル11aの油圧制御回路10側である供給口は、油圧制御回路10に接続されている。つまり、駆動ノズル11aには、油圧制御回路10により一定圧の高圧オイルが供給される。また、駆動ノズル11aの油圧制御回路10と反対側である噴射口は、混合部11cに連通している。したがって、油圧制御回路10により駆動ノズル11aに供給された一定圧の高圧オイルは、駆動ノズル11aにより、混合部11cに噴射される。つまり、駆動ノズル11aは、油圧制御回路10により供給された一定圧の高圧オイルを、混合部11cに供給する。
【0024】
吸入部11bは、駆動ノズル11aが混合部11cに高圧オイルを供給することで、この高圧オイルよりも低圧とされた低圧オイルを混合部11cに供給する部分である。この吸入部11bは、駆動ノズル11aの噴射口を囲うように形成されている。吸入部11bの低圧オイルが供給される側である供給側は、ジェットポンプ11の吸入部11bとオイルパン12とを連通する吸入油路16を介して、オイルパン12と接続されている。吸入部11bのオイルパン12と反対側である吐出側は、混合部11cに連通している。ここで、駆動ノズル11aにより高圧オイルが混合部11cに供給されると、後述のように、混合部11cで負圧が発生する。この負圧により、吸入部11b内の低圧オイルが混合部11cに吸入される。つまり、駆動ノズル11aにより高圧オイルが混合部11cに供給されることで、吸入部11bから混合部11cに低圧オイルが供給される。なお、図1では、説明の都合上、オイルパン12とオイルパン15との2つのオイルパンを示しているが、これらの2つのオイルパン12、15は、互いに連通して、1つのオイルパンとされていてもよい。
【0025】
混合部11cは、駆動ノズル11aから供給される高圧オイルと、吸入部11bから供給される低圧オイルとを混合するものである。混合部11cは、駆動ノズル11aの噴射口よりも拡径された中空状の油路である。混合部11cの高圧オイル及び低圧オイルが供給される側である供給側は、駆動ノズル11aおよび吸入部11bと連通している。また、混合部11cの駆動ノズル11a及び吸入部11bと反対側である吐出側は、吐出部11dに連通している。混合部11cは、吐出側が供給側よりも縮径されている(図示省略)。混合部11cは、駆動ノズル11aにより高圧オイルが噴射されることで、駆動ノズル11aとの境界付近で負圧が発生し、この負圧により吸入部11b内の低圧オイルを吸入する。そして、混合部11cは、駆動ノズル11aから供給された高圧オイルと、吸入部11bから供給された低圧オイルとを混合し、これらの高圧オイルと低圧オイルとを混合したオイルである混合オイルを吐出部11dに供給する。
【0026】
吐出部11dは、混合部11cから供給されたオイルである混合オイルを、摩擦クラッチ20の潤滑部20aに対して吐出するものである。吐出部11dは、中空状の油路であり、混合部11c側である供給側が混合部11cの吐出側と連通している一方、混合部11cと反対側である吐出側が摩擦クラッチ20の潤滑部20aに連通している。吐出部11dは、例えば、その供給側から吐出側に向かうに伴い、中空部分の径寸法が増大するように形成されている。
【0027】
以上のように、ジェットポンプ11は、駆動ノズル11aに一定圧の高圧オイルが供給されることで駆動して、混合オイルを吐出し、この混合オイルを摩擦クラッチ20の潤滑部20aに供給する。なお、摩擦クラッチ20の潤滑部20aに供給された混合オイルは、図示しない油路などを介して、オイルパン12あるいはオイルパン15に戻ることとなる。つまり、潤滑装置1−1は、オイルパン12およびオイルパン15に貯留されているオイルを、摩擦クラッチ20の潤滑部20aを潤滑するために、繰り返し使用する。
【0028】
オイルパン12は、オイル貯留部である。オイルパン12は、吸入油路16を介して、ジェットポンプ11の吸入部11bと接続されている。オイルパン12に貯留されているオイルは、ジェットポンプ11において吸入部11b内のオイルが混合部11cに吸入されると、この吸入部11b内で負圧が発生し、この負圧により、吸入油路16を介して、ジェットポンプ11の吸入部11bに吸入される。オイルパン12から吸入油路16を介してジェットポンプ11の吸入部11bに供給されるオイルは、吸入部11bから混合部11cに供給されるオイルと圧力が等しくなる。つまり、オイルパン12は、ジェットポンプ11において駆動ノズル11aが混合部11cに供給する高圧オイルよりも圧力が低い低圧オイルを、吸入部11bに供給する。
【0029】
流量調整弁13は、クラッチ係合圧の増加に伴い、オイルパン12からジェットポンプ11の吸入部11bに供給される低圧オイルの流量を増大させるものである。流量調整弁13は、ジェットポンプ11の吸入部11bとオイルパン12との間に設けられている。実施の形態1では、流量調整弁13は、吸入油路16に設けられている。
【0030】
実施の形態1では、流量調整弁13は、弁筐体131と、スプール132と、コイルスプリング133と、調整用ピストン室134とを備えている。なお、図1において、スプール132およびコイルスプリング133は、本来、後述の軸線方向に対して、上下対称である。ここでは、説明の都合上、スプール132およびコイルスプリング133は、この軸線方向に対して、上側が摩擦クラッチ20が係合している状態である状態Aを示すものとし、下側が摩擦クラッチ20が解放されている状態である状態Bを示すものとしている。
【0031】
弁筐体131は、内部で吸入油路16の上流側であるオイルパン12側と下流側である吸入部11b側とを連通するものである。弁筐体131は、略筒状体とされており、内部にスプール132を収容している。
【0032】
スプール132は、外径が弁筐体131の内径と略同一の柱状に形成されるとともに、軸線方向の寸法が弁筐体131の内部の軸線方向の寸法よりも短く形成されている。このため、スプール132は、弁筐体131の内部で軸線方向に移動可能とされている。以下、弁筐体131の軸線方向およびスプール132の軸線方向を、単に軸線方向と称することとする。
【0033】
コイルスプリング133は、調整弁用付勢手段である。コイルスプリング133は、スプール132に対して、軸線方向に付勢力を付与するものである。コイルスプリング133は、弁筐体131の内部において、弁筐体131の軸線方向における1つの壁部と、スプール132との間に、常に、自然長よりも伸ばされないように配置されている。つまり、コイルスプリング133は、自然長と同じか、あるいは、自然長よりも縮められているかのいずれか一方となるように配置されており、自然長よりも縮められている場合には、スプール132を軸線方向一方側に付勢する。
【0034】
調整用ピストン室134は、クラッチ係合圧をスプール132に付与するためのものである。調整用ピストン室134は、弁筐体131の内部において、スプール132に対し、コイルスプリング133が配置されている側と反対側に形成される空隙である。調整用ピストン室134は、係合油路22と連通しており、係合油路22の内部のオイルを導入することで、係合油路22に印加されているクラッチ係合圧を導入可能である。調整用ピストン室134は、このクラッチ係合圧が導入されることで、クラッチ係合圧をスプール132の軸線方向一方側に印加し、スプール132を、クラッチ係合圧に基づく押圧力で軸線方向他方側に押圧する。このため、スプール132は、調整用ピストン室134によりコイルスプリング133の付勢力よりも大きな押圧力を受けると、この受けた押圧力とコイルスプリング133の付勢力とが等しくなるまで、コイルスプリング133の付勢力に抗しながら軸線方向他方側に移動する。つまり、スプール132は、クラッチ係合圧の増加に応じて軸線方向他方側に移動する。
【0035】
ここで、スプール132は、吸入開弁部132aと、吸入閉弁部132bと、係合閉弁部132cとを有しており、軸線方向他方側から軸線方向一方側に沿って、吸入閉弁部132bと、吸入開弁部132aと、係合閉弁部132cとが順番に並んでいる。スプール132は、軸線方向の中間部分が他の部分に対して縮径されており、この縮径された部分が吸入開弁部132aとされ、吸入閉弁部132bと係合閉弁部132cとに挟まれている。より詳しく述べると、実施の形態1では、スプール132の吸入開弁部132aは、軸線方向他方側から軸線方向一方側へ沿って、吸入閉弁部132bの外径と同じ外径から所定の外径となるまで次第に縮径された後、均一の外径のまま係合閉弁部132cに連続している。実施の形態1では、例えばクラッチ係合圧が摩擦クラッチ20を係合できる圧力に達している場合には、スプール132の軸線方向一方側がこのクラッチ係合圧を受けることで、係合閉弁部132cが弁筐体131の軸線方向一方側の内壁と離間し、吸入開弁部132aが吸入油路16のオイルパン12側と吸入部11b側との双方と対向することとなり、スプール132の吸入開弁部132aにより吸入油路16のオイルパン12側と吸入部11b側とが連通される。また、実施の形態1では、例えばクラッチ係合圧が最低圧の場合には、スプール132の軸線方向一方側がこの最低圧のクラッチ係合圧を受けることで、係合閉弁部132cが弁筐体131の軸線方向一方側の内壁に最も近づき、吸入閉弁部132bが吸入油路16のオイルパン12側と吸入部11b側との双方と対向することとなり、スプール132の吸入閉弁部132bにより吸入油路16のオイルパン12側と吸入部11b側との連通が遮断される。
【0036】
以上のように、スプール132は、弁筐体131の内部を、クラッチ係合圧の増加に応じて、吸入油路16のオイルパン12側と吸入部11b側とを連通させる方向に移動する。すなわち、流量調整弁13は、クラッチ係合圧の増加に応じて機械的に開度が大きくなる。
【0037】
次に、実施の形態1の潤滑装置1−1の動作について説明する。
【0038】
潤滑装置1−1では、圧力調整弁21によりクラッチ係合圧が増大するに伴い、係合油路22および調整用ピストン室134を介して、増大したクラッチ係合圧がスプール132の軸線方向他方側に印加される。このため、圧力調整弁21によりクラッチ係合圧が増大するに伴い、スプール132は、調整用ピストン室134内のオイルにより、コイルスプリング133の付勢力に抗して、軸線方向他方側に押圧される。これにより、圧力調整弁21によりクラッチ係合圧が増大するに伴い、スプール132は、軸線方向他方側に移動する。したがって、圧力調整弁21によりクラッチ係合圧が増大するに伴い、スプール132は、弁筐体131の内部において、吸入開弁部132aが吸入油路16のオイルパン12側と吸入部11b側との双方と対向する方向に移動することとなる。つまり、圧力調整弁21によりクラッチ係合圧が増大するに伴い、流量調整弁13は、機械的に開度が大きくなる。
【0039】
一方、ジェットポンプ11の駆動ノズル11aには、油圧制御回路10により一定圧の高圧オイルが供給されており、混合部11cでは、駆動ノズル11aとの境界付近に一定の負圧が発生している。したがって、流量調整弁13が開くと、混合部11cで発生している一定の負圧により吸入部11bの内部の低圧オイルが混合部11cに吸入される。これに伴い、吸入部11bには、吸入油路16を介して、オイルパン12に貯留されている低圧オイルが吸入されることとなる。つまり、流量調整弁13が開くと、混合部11cで発生している一定の負圧によりオイルパン12に貯留されている低圧オイルが吸入油路16および吸入部11bを経て混合部11cに吸入されることとなり、オイルパン12から吸入油路16および吸入部11bを介して混合部11cに吸入される低圧オイルの流量が変更される。これにより、一定の流量の高圧オイルと流量調整弁13により可変とされる流量の低圧オイルとが合わさり、ジェットポンプ11の吐出部11dにより混合オイルが摩擦クラッチ20の潤滑部20aに供給されることとなる。
【0040】
つまり、圧力調整弁21によりクラッチ係合圧が増大するに伴い、機械的に流量調整弁13の開度が大きくなるので、このクラッチ係合圧が増大するに伴い、オイルパン12からジェットポンプ11の吸入部11bに吸い込まれる低圧オイルの流量が増大する。このため、圧力調整弁21によりクラッチ係合圧が増大するに伴い、一定の流量の高圧オイルに対して合わせられる低圧オイルの流量が増大され、ジェットポンプ11の混合部11cにより混合オイルの流量が増大され、これにより、ジェットポンプ11の吐出部11dから吐出される混合オイルの流量が増大することとなる。つまり、圧力調整弁21によりクラッチ係合圧が増大するに伴い、摩擦クラッチ20の潤滑部20aを潤滑する混合オイルの流量が増大する。したがって、例えばトルクセンサのように、摩擦クラッチから伝達されるトルクに応じてジェットポンプに供給するオイルの流量を調整するトルク/オイル流量変換機構を用いなくても、流量調整弁13だけでジェットポンプ11の吐出部11dから吐出される混合オイルの流量を変更できる。これにより、装置の小型化を図ることができる。
【0041】
また、潤滑装置1−1では、ジェットポンプ11が持つ流量増幅機能により、油圧制御回路10からジェットポンプ11の駆動ノズル11aに供給する高圧オイルの流量が比較的小さくても、摩擦クラッチ20の潤滑部20aに対して、潤滑するのに十分な流量の混合オイルを供給できるので、小型のオイルポンプ14を利用することができる。これにより、オイルポンプ14を駆動するための駆動トルクを減少させることができる。このため、車両のエンジンは、オイルポンプ14を駆動するための駆動トルクを発生させる負担が小さくなる。したがって、車両の燃費を向上させることができる。
【0042】
また、潤滑装置1−1では、圧力調整弁21によりクラッチ係合圧が増大するに伴い、摩擦クラッチ20が状態Bから状態A、すなわち、解放状態から係合状態に移行する。つまり、潤滑装置1−1では、圧力調整弁21によりクラッチ係合圧が増大するに伴い、摩擦クラッチ20において発生する熱量が増大する。一方、潤滑装置1−1では、前述のように、圧力調整弁21によりクラッチ係合圧が増大するに伴い、摩擦クラッチ20の潤滑部20aを潤滑する混合オイルの流量が増大する。つまり、潤滑装置1−1では、圧力調整弁21によりクラッチ係合圧が増大するに伴い、摩擦クラッチ20の潤滑部20aを潤滑する混合オイルの流量が増大することとなる。すなわち、潤滑装置1−1により、摩擦クラッチ20の係合状態に応じて、摩擦クラッチ20の潤滑部20aを潤滑するのに適した流量の混合オイルが摩擦クラッチ20の潤滑部20aに供給されることとなる。
【0043】
ここで、例えば、摩擦クラッチ20が係合される方向に動作すると、摩擦クラッチ20において発生する熱量は増大するが、流量が増大された混合オイルで摩擦クラッチ20の潤滑部20aが冷却される。これにより、摩擦クラッチ20が係合される方向に動作した場合の摩擦クラッチ20の温度上昇を抑制でき、混合オイルの供給不足による潤滑部20aの焼付きを防止できる。一方、例えば、摩擦クラッチ20が解放される方向に動作すると、摩擦クラッチ20の潤滑部20aに供給される混合オイルの流量が減少するので、摩擦クラッチ20の潤滑部20a(ここでは、例えば、摩擦クラッチ20における互いに係合可能な部材どうしの間)に混合オイルを過剰に供給することがない。このため、例えば、摩擦クラッチ20が解放される方向に動作した場合に、混合オイルの供給過多による、摩擦クラッチ20の潤滑部20aで生じる攪拌損失を抑制できる。
【0044】
また、潤滑装置1−1では、ジェットポンプ11の駆動ノズル11aに供給される高圧オイルの流量を調整せずに、ジェットポンプ11の吸入部11bに吸入される低圧オイルの流量を調整する構成なので、ジェットポンプ11の効率を、例えば、最高点付近に設定することができる。つまり、ジェットポンプ11の効率を向上させることができる。このため、ジェットポンプ11が持つ流量増幅機能を有効活用して、摩擦クラッチ20の潤滑部20aを潤滑するのに最適な流量の混合オイルをジェットポンプ11の吐出部11dから吐出することができ、例えば、摩擦クラッチ20の潤滑部20aに対して、供給する混合オイルの流量不足による焼付き、あるいは、供給する混合オイルの流量過多による攪拌損失の増大をより一層抑制することができる。
【0045】
〔実施の形態2〕
以下、実施の形態2に係る潤滑装置について説明する。図2は、実施の形態2に係る潤滑装置の概略を示す模式図である。実施の形態2に係る潤滑装置1−2は、実施の形態1に係る潤滑装置1−1において、コイルスプリング133を形状記憶合金から構成されるものとし、仮にクラッチ係合圧に変化がなかったとしても、オイルの温度に変化があった場合には、オイルの温度上昇に伴い、摩擦クラッチ20の潤滑部20aに供給する混合オイルの流量を増大させるものである。なお、前述の実施の形態1と同様の構成要件については、同一符号を付してその説明を省略する。また、図2において、スプール132およびコイルスプリング133は、本来、後述の軸線方向に対して、上下対称である。ここでは、説明の都合上、スプール132およびコイルスプリング133は、この軸線方向に対して、上側が状態Aを示すものとし、下側が状態Bを示すものとしている。また、図2において、符号Fは、コイルスプリング133の付勢力を示している。また、同図において、符号Avは、流量調整弁13の開度に相当するものであり、流量調整弁13の吸入油路16に対する開口面積を示している。また、同図において、符号Q1は、油圧制御回路10からジェットポンプ11の駆動ノズル11aに供給される、高圧オイルの流量である供給流量を示している。また、同図において、符号Q2は、オイルパン12から吸入油路16を介してジェットポンプ11の吸入部11bに吸入される、低圧オイルの流量である吸入流量を示している。また、同図において、符号Q3は、ジェットポンプ11の吐出部11dから摩擦クラッチ20の潤滑部20aに供給される、混合オイルの流量である潤滑流量を示している。
【0046】
実施の形態2のコイルスプリング133は、温度上昇に伴い、ばね定数が小さくなる形状記憶合金から構成されている。つまり、実施の形態2のコイルスプリング133は、その長さが同じであっても、コイルスプリング133の温度が上昇するに伴い、スプール132を軸線方向一方側へ付勢する付勢力Fが弱くなるものである。
【0047】
図3は、調整弁用付勢手段の付勢力と、流量調整弁の開度と、吸入流量と、潤滑流量との温度変化に対する特性を表で示す図である。つまり、図3は、流量調整弁13の温度変化に対する付勢力Fの変化と、流量調整弁13の温度変化に対する開口面積Avの変化と、流量調整弁13の温度変化に対する吸入流量Q2の変化と、流量調整弁13の温度変化に対する潤滑流量Q3の変化とを表で示した図である。実施の形態2の潤滑装置1−2では、オイルパン12およびオイルパン15に貯留されている低圧オイルを、摩擦クラッチ20の潤滑部20aを潤滑するために、繰り返し使用する。このとき、流量調整弁13では、オイルの温度上昇に伴い、弁筐体131あるいはスプール132を介して、コイルスプリング133の温度も上昇する。これにより、開口面積Avと、吸入流量Q2と、潤滑流量Q3とは、オイルの温度上昇に伴い、増大することとなる。
【0048】
一方、混合オイルは、混合オイルの温度上昇に伴い、摩擦クラッチ20の潤滑部20aに対する冷却効果が低下する。このため、摩擦クラッチ20の潤滑部20aを潤滑するのに必要な混合オイルの流量は、温度上昇に伴い、多くなる。
【0049】
つまり、実施の形態2の潤滑装置1−2では、流量調整弁13の温度変化に対して、摩擦クラッチ20の潤滑部20aを潤滑するのに適した流量の混合オイルが潤滑部20aに供給されることとなる。これにより、摩擦クラッチ20の潤滑部20aに対して、混合オイルの供給過多による攪拌損失をより一層抑制できるとともに、混合オイルの供給不足による潤滑部20aの焼付きを防止できる。
【0050】
ところで、一般に、オイルは、その温度上昇に伴い、粘度が低下する。このため、例えば摩擦クラッチ20が変速機の内部に設けられたものである場合には、オイルの温度上昇に伴い、混合オイルが変速機の内部の壁面に付着する量である内壁面付着量が減少することとなる。したがって、オイルの温度上昇に伴い、変速機の内部にある摩擦クラッチ20の潤滑部20aからオイルパン12あるいはオイルパン15に戻されるオイルの量が増加し、これにより、オイルパン12およびオイルパン15に貯留されているオイルの総量であるオイル貯留量が増加する。一方、仮にクラッチ係合圧が同じであったとした場合でも、オイルの温度上昇に伴い、開口面積Avが大きくなるため、オイルパン12からジェットポンプ11の吸入部11bに供給される低圧オイルの流量が増大する。これにより、仮にクラッチ係合圧が同じであったとした場合でも、オイルの温度上昇に伴い、オイルパン12に貯留されている低圧オイルの量が減少し、オイル貯留量が減少する。つまり、2つのオイルパン12、15が互いに連通して実質的に1つのオイルパンとされているならば、仮にクラッチ係合圧が同じであった場合、オイルの温度上昇に伴うオイル貯留量の増加分と、オイルの温度上昇に伴うオイルパン12からジェットポンプ11の吸入部11bに供給される低圧オイルの増加分とは少なくとも一部が相殺されるので、オイルの温度変化に対する実オイル貯留量の変化が抑制される。したがって、例えば、低温時では、オイル貯留量の減少に起因するオイルポンプ14のエア吸いが発生することを防止できる。
【0051】
〔実施の形態3〕
以下、実施の形態3に係る潤滑装置について説明する。図4は、実施の形態3に係る潤滑装置の概略を示す模式図である。実施の形態3に係る潤滑装置1−3は、実施の形態1に係る潤滑装置1−1において、流量調整弁13及び圧力調整弁21を設ける代わりに、後述のマニュアルバルブ17を設け、運転者によるシフトレバーの操作に連動して、クラッチ係合圧を調整するとともに、オイルパン12からジェットポンプ11の吸入部11bに供給するオイルの流量を調整するものである。なお、前述の実施の形態1と同様の構成要件については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0052】
実施の形態3のマニュアルバルブ17は、1つの流量圧力調整連動弁であり、流量調整弁13と圧力調整弁21とが合わさったものである。このマニュアルバルブ17は、係合油路22に設けられている。このため、実施の形態3では、圧力調整弁が係合油路22に設けられていることとなる。実施の形態3のマニュアルバルブ17は、弁筐体171と、スプール172とを備えている。なお、図4において、スプール172は、本来、後述の軸線方向に対して、上下対称である。ここでは、説明の都合上、スプール172は、この軸線方向に対して、上側がシフトレバーがニュートラルポジションであるときの状態を示すものとし、下側がシフトレバーが摩擦クラッチ20がクラッチ係合圧により係合されるポジションである係合ポジションであるときの状態を示すものとしている。また、実施の形態3では、説明の都合上、係合ポジションとして、車両が前進可能な前進ポジションを例に挙げて説明するが、これに限定されず、車両が後進可能な後進ポジションであってもよい。
【0053】
弁筐体171は、内部で係合油路22の下流側である摩擦クラッチ20側と上流側である油圧制御回路10側とを連通するものである。弁筐体171は、軸線方向他方側が開口された略筒状体とされており、内部にスプール172の軸線方向一方側が挿入されている。
【0054】
スプール172は、外径が弁筐体171の内径と略同一の柱状に形成されている。また、スプール172は、軸線方向他方側が弁筐体171から露出しており、この露出部分が図示しないシフトレバーに連結されている。このため、スプール172は、運転者によるシフトレバーの操作に連動して、弁筐体171の内部で軸線方向に移動可能とされている。また、スプール172は、吸入開弁部172aと、吸入閉弁部172bと、係合閉弁部172cと、係合開弁部172dとを有しており、軸線方向他方側から軸線方向一方側に沿って、係合閉弁部172cと、係合開弁部172dと、吸入閉弁部172bと、吸入開弁部172aとが順番に並んでいる。吸入開弁部172aは、スプール172の軸線方向一方側において、テーパー状に形成された部分であり、弁筐体171に対する軸線方向の位置に応じて、マニュアルバルブ17の流量調整弁としての開度、すなわち、マニュアルバルブ17の吸入油路16に対する開口面積を変更する。以下、弁筐体171の軸線方向およびスプール172の軸線方向を、単に軸線方向と称することとする。
【0055】
ここで、スプール172は、軸線方向の中間部分が他の部分に対して縮径されており、この縮径された部分が係合開弁部172dとされ、係合閉弁部172cと吸入閉弁部172bとに挟まれている。より詳しく述べると、実施の形態3では、スプール172の係合開弁部172dは、軸線方向他方側から軸線方向一方側へ沿って、外径が均一となるように縮径された部分であり、係合閉弁部172cと、吸入閉弁部172bとに連続している。実施の形態3のマニュアルバルブ17では、シフトレバーがニュートラルポジションである場合には、係合閉弁部172cが係合油路22の摩擦クラッチ20側と対向するとともに、吸入閉弁部172bが吸入油路16のオイルパン12側と吸入部11b側との双方に対向することとなり、スプール172の係合閉弁部172cにより係合油路22の摩擦クラッチ20側と油圧制御回路10側との連通が遮断されるとともに、スプール172の吸入閉弁部172bにより吸入油路16のオイルパン12側と吸入部11b側との連通が遮断される。また、実施の形態3のマニュアルバルブ17では、シフトレバーが前進ポジションである場合には、係合開弁部172dが係合油路22の摩擦クラッチ20側と油圧制御回路10側との双方と対向するとともに、吸入開弁部172aが吸入油路16のオイルパン12側と吸入部11b側との双方に対向することとなり、スプール172の係合開弁部172dにより係合油路22の摩擦クラッチ20側と油圧制御回路10側とが連通されるとともに、スプール172の吸入開弁部172aにより吸入油路16のオイルパン12側と吸入部11b側とが連通される。
【0056】
実施の形態3の潤滑装置1−3では、シフトレバーがニュートラルポジションである場合に、スプール172の係合閉弁部172cが係合油路22の摩擦クラッチ20側と対向し、この係合閉弁部172cにより係合油路22の摩擦クラッチ20側と油圧制御回路10側との連通が遮断されるので、摩擦クラッチ20の係合圧は最低圧となり、摩擦クラッチ20は解放される。このとき、スプール172の吸入閉弁部172bが吸入油路16のオイルパン12側と吸入部11b側との双方に対向し、この吸入閉弁部172bにより吸入油路16のオイルパン12側と吸入部11b側との連通が遮断されるので、ジェットポンプ11の吐出部11dにより摩擦クラッチ20の潤滑部20aに供給される混合オイルの供給流量が最低流量となる。つまり、潤滑装置1−3では、シフトレバーがニュートラルポジションである場合に、摩擦クラッチ20の潤滑部20aに供給する混合オイルの流量を抑制し、摩擦クラッチ20の潤滑部20aで生じる攪拌損失を抑制できる。
【0057】
また、実施の形態3の潤滑装置1−3では、シフトレバーがニュートラルポジションから前進ポジションに切り替えられる場合に、スプール172の係合開弁部172dが係合油路22の摩擦クラッチ20側と油圧制御回路10側との双方と対向し、この係合開弁部172dにより係合油路22の摩擦クラッチ20側と油圧制御回路10側とが連通されるので、摩擦クラッチ20の係合圧は最低圧から上昇して、最終的には、クラッチ元圧となり、摩擦クラッチ20は完全に係合する。このため、シフトレバーがニュートラルポジションから前進ポジションに切り替えられる場合には、摩擦クラッチ20において発生する熱量が増大することとなる。このとき、運転者によるシフトレバーの操作に連動して、吸入閉弁部172bが軸線方向他方側へ移動するに伴い、スプール172の吸入開弁部172aが吸入油路16のオイルパン12側と吸入部11b側との双方に対向し、この吸入開弁部172aにより吸入油路16のオイルパン12側と吸入部11b側とが連通される。つまり、シフトレバーがニュートラルポジションから前進ポジションに切り替えられる場合に、スプール172の吸入開弁部172aにより、マニュアルバルブ17は、流量調整弁としての開度、すなわち、マニュアルバルブ17の吸入油路16に対する開口面積が次第に大きくなる。これにより、シフトレバーがニュートラルポジションから前進ポジションに切り替えられる場合に、スプール172の軸線方向他方側への移動に伴い、オイルパン12からジェットポンプ11の吸入部11bに供給される低圧オイルの流量が増大する。したがって、シフトレバーがニュートラルポジションから前進ポジションに切り替えられる場合に、スプール172の軸線方向他方側への移動に伴い、ジェットポンプ11の吐出部11dにより摩擦クラッチ20の潤滑部20aに供給される混合オイルの供給流量が最低流量から増大する。つまり、潤滑装置1−3では、シフトレバーがニュートラルポジションから前進ポジションに切り替えられる場合に、摩擦クラッチ20の潤滑部20aに供給する混合オイルの流量を増大させ、混合オイルによる摩擦クラッチ20の潤滑部20aの冷却を促進するとともに、混合オイルの供給不足による潤滑部20aの焼付きを防止できる。
【0058】
以上のように、潤滑装置1−3は、運転者によるシフトレバーの操作に応じて、摩擦クラッチ20が解放状態から係合状態に移行したり、摩擦クラッチ20が係合状態から解放状態に移行したりするまでの間に、摩擦クラッチ20の潤滑部20aに対して、潤滑および冷却するのに適した流量の混合オイルを供給できる。
【0059】
また、潤滑装置1−3では、実施の形態1の潤滑装置1−1が備えているような流量調整弁13が不要である。このため、例えば、スプールの軸線方向の移動により吸入油路16のオイルパン12側と吸入部11b側とを連通可能にするような変更を、車両に設けられている一般的な自動変速機の圧力調整弁に対して施すだけで、潤滑装置1−3を低コストで実現できる。
【0060】
〔実施の形態4〕
以下、実施の形態4に係る潤滑装置について説明する。図5は、実施の形態4に係る潤滑装置の概略を示す模式図である。実施の形態4に係る潤滑装置1−4は、実施の形態3に係る潤滑装置1−3において、マニュアルバルブ17の代わりにクラッチコントロールバルブ18を設け、車両の電子制御により生成される指示圧に基づいて、クラッチ係合圧を調整するとともに、ジェットポンプ11の吸入部11bに供給する低圧オイルの流量を調整するものである。実施の形態4では、図示しない指示圧調整弁が油圧制御回路10の内部に設けられており、車両の電子制御により例えばソレノイドが駆動され、指示圧調整弁の開度が調整されることで、指示圧が生成される。また、実施の形態4では、油圧制御回路10によりクラッチ元圧が係合油路22のうちクラッチコントロールバルブ18に対して油圧制御回路10側の内部に印加される。なお、前述の実施の形態1と同様の構成要件については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0061】
実施の形態4のクラッチコントロールバルブ18は、1つの流量圧力調整連動弁であり、実施の形態1の潤滑装置1−1における流量調整弁13と圧力調整弁21とが合わさったものである。実施の形態4のクラッチコントロールバルブ18は、弁筐体181と、スプール182と、コイルスプリング183と、連動弁ピストン室184とを備えている。なお、図5において、スプール182およびコイルスプリング183は、本来、後述の軸線方向に対して、左右対称である。ここでは、説明の都合上、スプール182およびコイルスプリング183は、この軸線方向に対して、右側が状態Bを示すものとし、左側が状態Aを示すものとしている。
【0062】
弁筐体181は、内部で係合油路22の下流側である摩擦クラッチ20側と上流側である油圧制御回路10側とを連通するものである。弁筐体181は、略筒状体とされており、内部にスプール182を収容している。弁筐体181の係合油路22に対する開口部分は、摩擦クラッチ20側の開口部分が油圧制御回路10側の開口部分よりも軸線方向一方側に位置しており、後述のように、スプール182が軸線方向に沿って移動することで、弁筐体181の係合油路22に対する開口面積を変更することができる。
【0063】
スプール182は、外径が弁筐体181の内径と略同一の柱状に形成されるとともに、軸線方向の寸法が弁筐体181の内部の軸線方向の寸法よりも短く形成されている。このため、スプール182は、弁筐体181の内部で軸線方向に移動可能とされている。スプール182の軸線方向一方側は、連動弁ピストン室184に導入されたオイルにより指示圧(指示圧調整弁によるパイロット圧)を受ける。以下、弁筐体181の軸線方向およびスプール182の軸線方向を、単に軸線方向と称することとする。
【0064】
コイルスプリング183は、連動弁用付勢手段である。コイルスプリング183は、スプール182に対して、軸線方向に付勢力を付与するものである。コイルスプリング183は、弁筐体181の内部において、弁筐体181の軸線方向における1つの壁部と、スプール182との間に、常に、自然長よりも伸ばされないように配置されている。つまり、コイルスプリング183は、自然長と同じか、あるいは、自然長よりも縮められているかのいずれか一方となるように配置されており、自然長よりも縮められている場合には、スプール182を軸線方向一方側に付勢する。
【0065】
連動弁ピストン室184は、指示圧をスプール182に付与するためのものである。連動弁ピストン室184は、弁筐体181の内部において、スプール182に対し、コイルスプリング183が配置されている側と反対側に形成される空隙である。連動弁ピストン室184は、指示油路184aを介して油圧制御回路10と連通しており、指示油路184aの内部のオイルを導入することで、油圧制御回路10により指示油路に印加されている指示圧を導入可能である。連動弁ピストン室184は、油圧制御回路10から指示圧が導入されることで、指示圧をスプール182の軸線方向他方側に印加し、スプール182を、指示圧に基づく押圧力である指示押圧力で軸線方向他方側に押圧する。このため、スプール182は、連動弁ピストン室184によりコイルスプリング183の付勢力よりも大きな指示押圧力を受けると、この受けた指示押圧力とコイルスプリング183の付勢力とが等しくなるまで、コイルスプリング183の付勢力に抗しながら軸線方向他方側に移動する。つまり、スプール182は、指示圧の増加に応じて軸線方向他方側に移動する。
【0066】
ここで、スプール182は、吸入開弁部182aと、吸入閉弁部182bと、係合閉弁部182cと、係合開弁部182dと、指示閉弁部182eとを有しており、軸線方向他方側から軸線方向一方側に沿って、吸入閉弁部182bと、吸入開弁部182aと、係合閉弁部182cと、係合開弁部182dと、指示閉弁部182eとが順番に並んでいる。スプール182は、軸線方向の中間部分が他の部分に対して縮径されており、この縮径された部分が係合開弁部182dとされ、係合閉弁部182cと指示閉弁部182eとに挟まれている。そして、係合閉弁部182cに対して係合開弁部182dと反対側は、係合閉弁部182cの外径に対して縮径されており、この縮径された部分が吸入開弁部182aとされている。さらに、吸入開弁部182aに対して軸線方向他方側の部分が吸入閉弁部182bとされている。より詳しく述べると、実施の形態4では、係合開弁部182dは、軸線方向他方側から軸線方向一方側へ沿って、外径が均一となるように縮径されており、係合閉弁部182cと、指示閉弁部182eとに連続している。また、吸入開弁部182aは、軸線方向一方側から軸線方向他方側へ沿って、均一の外径のまま延在した後、吸入閉弁部182bの外径と等しくなるまで拡径しながら延在し、吸入閉弁部182bに連続している。吸入閉弁部182bは、外径が係合閉弁部182dの外径と等しいまま延在し、スプール182の軸線方向他方側の端部となっている。
【0067】
実施の形態4のクラッチコントロールバルブ18では、スプール182の軸線方向一方側が指示圧を受けることで、係合開弁部182dが係合油路22の摩擦クラッチ20側と油圧制御回路10側との双方と対向することとなり、スプール182の係合開弁部182dにより係合油路22の摩擦クラッチ20側と油圧制御回路10側とが連通される。弁筐体181の係合油路22に対する開口部分は、摩擦クラッチ20側の開口部分が油圧制御回路10側の開口部分よりも軸線方向一方側に位置しているので、係合開弁部182dが軸線方向他方側へ移動するに伴い、クラッチコントロールバルブ18の係合油路22に対する開口面積が増大する。つまり、係合開弁部182dが軸線方向他方側へ移動するに伴い、クラッチ係合圧が増大する。したがって、クラッチコントロールバルブ18では、係合開弁部182dが軸線方向他方側へ移動するに伴い、摩擦クラッチ20を係合できる圧力のクラッチ係合圧を発生させることとなる。また、実施の形態4のクラッチコントロールバルブ18では、スプール182の軸線方向一方側が最低圧の指示圧を受けることで、軸線方向他方側の係合閉弁部182cが係合油路22の油圧制御回路10側と対向することとなり、スプール182の係合閉弁部182cにより係合油路22の摩擦クラッチ20側と油圧制御回路10側との連通が遮断される。したがって、クラッチコントロールバルブ18では、係合閉弁部182cが係合油路22の油圧制御回路10側と対向している場合、最低圧のクラッチ係合圧を発生させることとなる。
【0068】
また、実施の形態4のクラッチコントロールバルブ18では、指示圧がスプール182の軸線方向他方側に印加されることで、クラッチ係合圧が摩擦クラッチ20を係合できる圧力に達している場合には、吸入開弁部182aが吸入油路16のオイルパン12側と吸入部11b側との双方と対向することとなり、スプール182の吸入開弁部182aにより吸入油路16のオイルパン12側と吸入部11b側とが連通される。また、実施の形態4のクラッチコントロールバルブ18では、指示圧が最低圧でスプール182の軸線方向他方側に印加されることで、クラッチ係合圧が最低圧の場合には、吸入閉弁部182bが吸入油路16のオイルパン12側と吸入部11b側との双方と対向することとなり、スプール182の吸入閉弁部182bにより吸入油路16のオイルパン12側と吸入部11b側との連通が遮断される。
【0069】
以上のように、スプール182は、指示圧の増加に応じて軸線方向他方側に移動することで、クラッチ係合圧を増加するものであり、弁筐体181の内部を、指示圧の増加に応じて、吸入油路16のオイルパン12側と吸入部11b側とを連通させるとともに、係合油路22の摩擦クラッチ20側と油圧制御回路10側とを連通させる方向に移動する。すなわち、クラッチコントロールバルブ18は、指示圧の増加に応じて機械的に流量調整弁および圧力調整弁としての開度が大きくなる。言い換えれば、クラッチコントロールバルブ18は、指示圧の増加に応じて機械的に、弁筐体181の吸入油路16に対する開口面積および係合油路22に対する開口面積が大きくなる。
【0070】
実施の形態4の潤滑装置1−4では、車両の電子制御により油圧制御回路10で生成された指示圧が指示油路184aおよび連動弁ピストン室184を介して、スプール182の軸線方向他方側に印加される。このため、油圧制御回路10で生成される指示圧が増大するに伴い、スプール182は、連動弁ピストン室184内のオイルにより、コイルスプリング183の付勢力に抗して、軸線方向他方側に押圧される。これにより、油圧制御回路10で生成される指示圧が増大するに伴い、スプール182は、軸線方向他方側に移動する。したがって、スプール182は、弁筐体181の内部において、係合開弁部182dが係合油路22の摩擦クラッチ20側と油圧制御回路10側との双方と対向する方向に移動するとともに、吸入開弁部182aが吸入油路16のオイルパン12側と吸入部11b側との双方と対向する方向に移動することとなる。つまり、油圧制御回路10で生成される指示圧が増大するに伴い、クラッチコントロールバルブ18は、機械的に流量調整弁及び圧力調整弁としての開度、すなわち、弁筐体181の吸入油路16に対する開口面積および係合油路22に対する開口面積が大きくなる。
【0071】
ここで、実施の形態4の潤滑装置1−4では、指示圧が最低圧でスプール182の軸線方向他方側に印加される場合には、軸線方向他方側の係合閉弁部182cが係合油路22の油圧制御回路10側と対向するとともに、吸入閉弁部182bが吸入油路16のオイルパン12側と吸入部11b側との双方と対向し、これにより、スプール182の係合閉弁部182cにより係合油路22の摩擦クラッチ20側と油圧制御回路10側との連通が遮断されるとともに、スプール182の吸入閉弁部182bにより吸入油路16のオイルパン12側と吸入部11b側との連通が遮断される。このとき、摩擦クラッチ20の係合圧は最低圧となり、摩擦クラッチ20は解放される。またこのとき、つまり、クラッチ係合圧が最低圧の場合には、スプール182の吸入閉弁部182bにより係合油路22のオイルパン12側と吸入部11b側との連通が遮断されるので、ジェットポンプ11の吐出部11dにより摩擦クラッチ20の潤滑部20aに供給される混合オイルの供給流量が最低流量となる。つまり、潤滑装置1−4では、クラッチ係合圧が最低圧の場合に、摩擦クラッチ20の潤滑部20aに供給する混合オイルの流量を抑制し、摩擦クラッチ20の潤滑部20aで生じる攪拌損失を抑制できる。
【0072】
また、実施の形態4の潤滑装置1−4では、最低圧に対して増大した指示圧がスプール182の軸線方向他方側に印加される場合には、係合開弁部182dが係合油路22の摩擦クラッチ20側と油圧制御回路10側との双方と対向するとともに、吸入開弁部182aが吸入油路16のオイルパン12側と吸入部11b側との双方と対向し、これにより、スプール182の係合開弁部182dにより係合油路22の摩擦クラッチ20側と油圧制御回路10側とが連通されるとともに、スプール182の吸入開弁部182aにより吸入油路16のオイルパン12側と吸入部11b側とが連通される。このとき、摩擦クラッチ20の係合圧は最低圧から上昇して、最終的には、クラッチ元圧となり、摩擦クラッチ20は完全に係合する。このため、クラッチ係合圧が最低圧から摩擦クラッチ20を係合できる圧力に達した場合には、摩擦クラッチ20において発生する熱量が増大することとなる。またこのとき、つまり、クラッチ係合圧が最低圧から摩擦クラッチ20を係合できる圧力に達した場合には、吸入閉弁部182bが軸線方向他方側へ移動するに伴い、吸入開弁部182aにより吸入油路16のオイルパン12側と吸入部11b側とが連通されるので、吸入閉弁部182bが軸線方向他方側へ移動するに伴い、ジェットポンプ11の吐出部11dにより摩擦クラッチ20の潤滑部20aに供給される混合オイルの供給流量が増大することとなる。つまり、クラッチ係合圧が最低圧から摩擦クラッチ20を係合できる圧力に達した場合には、吸入閉弁部182bが軸線方向他方側へ移動するに伴い、スプール182の吸入開弁部182aにより、クラッチコントロールバルブ18は、流量調整弁としての開度、すなわち、弁筐体181の吸入油路16に対する開口面積が大きくなる。これにより、クラッチ係合圧が最低圧から摩擦クラッチ20を係合できる圧力に達した場合には、スプール182の軸線方向他方側への移動に伴い、オイルパン12からジェットポンプ11の吸入部11bに供給される低圧オイルの流量が増大する。したがって、クラッチ係合圧が最低圧から摩擦クラッチ20を係合できる圧力に達した場合には、スプール182の軸線方向他方側への移動に伴い、ジェットポンプ11の吐出部11dにより摩擦クラッチ20の潤滑部20aに供給される混合オイルの供給流量が最低流量から増大する。つまり、潤滑装置1−4では、クラッチ係合圧が最低圧から摩擦クラッチ20を係合できる圧力に達した場合には、摩擦クラッチ20の潤滑部20aに供給する混合オイルの流量を増大させ、混合オイルによる摩擦クラッチ20の潤滑部20aの冷却を促進し、混合オイルの供給不足による潤滑部20aの焼付きを防止できる。
【0073】
〔実施の形態5〕
以下、実施の形態5に係る潤滑装置について説明する。図6は、実施の形態5に係る潤滑装置の概略を示す模式図である。実施の形態5に係る潤滑装置1−5は、実施の形態1に係る潤滑装置1−1において、逆止弁19を流量調整弁13のオイルパン12側に設け、オイルパン12からジェットポンプ11の吸入部11bに供給される低圧オイルが逆流してしまうことを防止するものである。なお、前述の実施の形態1と同様の構成要件については、同一符号を付してその説明を省略する。また、図6において、スプール132およびコイルスプリング133は、本来、後述の軸線方向に対して、上下対称である。ここでは、説明の都合上、スプール132およびコイルスプリング133は、この軸線方向に対して、上側が状態Aを示すものとし、下側が状態Bを示すものとしている。
【0074】
逆止弁19は、流量調整弁13のオイルパン12側に設けられている。実施の形態5では、逆止弁19は、吸入油路16において、オイルパン12側の端部に設けられている。逆止弁19は、ジェットポンプ11の混合部11cにおいて負圧が発生している場合であって、流量調整弁13が開いているときに、この負圧に基づくオイルの吸引力で開弁する。なお、逆止弁19は、流量調整弁13が閉じている場合には、この流量調整弁13によりジェットポンプ11の混合部11cにおいて発生している負圧に基づく吸引力が作用しないため、閉弁することとなる。
【0075】
実施の形態5の潤滑装置1−5では、流量調整弁13が閉じている場合、逆止弁19は閉弁するので、逆止弁19により吸入油路16に空気が混入してしまうことを防止できる。つまり、流量調整弁13によりオイルパン12から吸入油路16を介してジェットポンプ11の吸入部11bに低圧オイルが吸入されない場合、逆止弁19により、吸入油路16の流量調整弁13に対してオイルパン12側に空気が混入してしまうことを防止できる。このため、流量調整弁13を開いてジェットポンプ11の吸入部11bに低圧オイルが吸入されても、ジェットポンプ11の内部に空気が混入することがない。つまり、摩擦クラッチ20の潤滑部20aに対して、ジェットポンプ11の吐出部11dにより混合オイルへの供給を開始する際に、速やかに混合オイルを供給することができる。また、逆止弁19によりジェットポンプ11の内部に空気が混入することがないので、ジェットポンプ11の空気の噛み込みによる異音の発生を防止できる。
【0076】
以上、実施の形態1〜5について説明したように、本発明では、クラッチ係合圧が最低圧である場合には、スプールにより吸入油路16が遮断される構成としたが、本発明はこれに限らない。本発明は、例えば、クラッチ係合圧が最低圧である場合であっても、スプールにより吸入油路16が遮断されない構成であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0077】
以上のように、本発明に係る潤滑装置は、車両の摩擦クラッチの潤滑部を潤滑するのに有用であり、特に、車両用の変速機を構成する摩擦クラッチの潤滑部を潤滑するのに有用である。

Claims (2)

  1. クラッチ係合圧により係合可能な摩擦クラッチの潤滑部にオイルを供給する潤滑装置において、
    駆動ノズルから混合部に供給される高圧オイルと、前記高圧オイルが前記混合部に供給されることで吸入部から前記混合部に供給される低圧オイルとを吐出部より吐出し、前記潤滑部に供給するジェットポンプと、
    前記駆動ノズルと接続され、前記高圧オイルを供給する油圧制御回路と、
    前記吸入部と接続され、前記高圧オイルよりも圧力が低い前記低圧オイルを供給するオイル貯留部と、
    前記吸入部と前記オイル貯留部との間に設けられ、前記クラッチ係合圧の増加に応じて機械的に開度が大きくなる流量調整弁と、
    を備え、
    前記クラッチ係合圧の調整は、圧力調整弁により行われるものであり、
    前記圧力調整弁は、前記摩擦クラッチと前記油圧制御回路とを連通する係合油路に設けられ、
    前記流量調整弁および前記圧力調整弁は、1つの流量圧力調整連動弁であり、
    前記流量圧力調整連動弁は、
    内部で前記係合油路の摩擦クラッチ側と油圧制御回路側とを連通する弁筐体と、
    シフトレバーに連結され、運転者による前記シフトレバーの操作に連動して、前記弁筐体の内部で軸線方向に移動可能とされたスプールと、
    を備え、
    前記シフトレバーがニュートラルポジションである場合には、前記スプールにより、前記係合油路の摩擦クラッチ側と油圧制御回路側との連通が遮断されるとともに、前記吸入部と前記オイル貯留部とを連通する吸入油路のオイル貯留部側と吸入部側との連通が遮断され、
    前記シフトレバーが前記摩擦クラッチが前記クラッチ係合圧により係合されるポジションである係合ポジションである場合には、前記スプールにより、前記係合油路の摩擦クラッチ側と油圧制御回路側とが連通されるとともに、前記吸入油路のオイル貯留部側と吸入部側とが連通される、
    ことを特徴とする潤滑装置。
  2. クラッチ係合圧により係合可能な摩擦クラッチの潤滑部にオイルを供給する潤滑装置において、
    駆動ノズルから混合部に供給される高圧オイルと、前記高圧オイルが前記混合部に供給されることで吸入部から前記混合部に供給される低圧オイルとを吐出部より吐出し、前記潤滑部に供給するジェットポンプと、
    前記駆動ノズルと接続され、前記高圧オイルを供給する油圧制御回路と、
    前記吸入部と接続され、前記高圧オイルよりも圧力が低い前記低圧オイルを供給するオイル貯留部と、
    前記吸入部と前記オイル貯留部との間に設けられ、前記クラッチ係合圧の増加に応じて機械的に開度が大きくなる流量調整弁と、
    を備え、
    前記クラッチ係合圧の調整は、圧力調整弁により行われるものであり、
    前記圧力調整弁は、前記摩擦クラッチと前記油圧制御回路とを連通する係合油路に設けられ、
    前記流量調整弁および前記圧力調整弁は、1つの流量圧力調整連動弁であり、
    前記流量圧力調整連動弁は、
    内部で前記係合油路の摩擦クラッチ側と油圧制御回路側とを連通する弁筐体と、
    前記弁筐体の内部で軸線方向に移動可能とされたスプールと、
    前記スプールを前記軸線方向一方側に付勢する連動弁用付勢手段と、
    前記油圧制御回路から指示圧が導入されることで、前記スプールを前記軸線方向他方側に押圧する連動弁ピストン室と、
    を備え、
    前記スプールは、前記指示圧の増加に応じて前記軸線方向他方側に移動することで、前記クラッチ係合圧を増加するものであり、
    前記クラッチ係合圧が前記摩擦クラッチを係合できる圧力に達している場合には、前記スプールにより前記吸入油路のオイル貯留部側と吸入部側とが連通され、
    前記クラッチ係合圧が最低圧の場合には、前記スプールにより前記吸入油路のオイル貯留部側と吸入部側との連通が遮断される、
    ことを特徴とする潤滑装置。
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