JP4862830B2 - 流体伝動装置用の制御装置 - Google Patents

流体伝動装置用の制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4862830B2
JP4862830B2 JP2008014183A JP2008014183A JP4862830B2 JP 4862830 B2 JP4862830 B2 JP 4862830B2 JP 2008014183 A JP2008014183 A JP 2008014183A JP 2008014183 A JP2008014183 A JP 2008014183A JP 4862830 B2 JP4862830 B2 JP 4862830B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
pressure
oil passage
lockup clutch
signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008014183A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009174644A (ja
Inventor
倫生 吉田
勇仁 服部
謙大 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2008014183A priority Critical patent/JP4862830B2/ja
Publication of JP2009174644A publication Critical patent/JP2009174644A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4862830B2 publication Critical patent/JP4862830B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • General Details Of Gearings (AREA)

Description

この発明は、吸入した圧油を高速で噴射し、流体の巻き込み作用により他の流体を吸引するジェットポンプを有する制御装置に関するものである。
従来から、高速で噴射される第1の流体の巻き込み作用によって、第2の流体の輸送をおこなうジェットポンプ(噴流ポンプ)が知られており、そのジェットポンプの一例が特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載されたジェットポンプにおいては円筒形状のハウジングの内部に円筒形状のノズルが設けられている。このノズルには、通路面積が縮小するように先細テーパ部が設けられており、そのノズルの内部にニードルが挿入されている。このニードルは先端側に向かうほど断面積が縮小するようにテーパ形状に構成されている。このニードルと前記ノズルとの間に、第1の冷媒流路が形成されている。さらに、ニードルを軸方向に変位させるアクチュエータが設けられている。さらに、前記ハウジングと前記ノズルとの間に第2の冷媒通路が形成されている。なお、前記ハウジングには混合部が形成されている。そして、圧縮機から吐出された冷媒が、ノズル内の第1の冷媒通路を通過して噴射され、音速以上の速度で混合部に流入する。この混合部に流入した高速冷媒の巻き込み作用に伴うポンプ作用により、蒸発器内で蒸発した第2の冷媒が、第2の冷媒通路を経由して混合部内に吸引される。さらに、前記アクチュエータでニードルを軸方向に変位させると、ノズル出口の実質的な開度を可変制御することが可能である。具体的には、第1の冷媒の流量が多いときは第1の冷媒通路の断面積を拡大し、第2の冷媒の流量が少ない場合は、第1の冷媒通路の断面積を狭めることができるとされている。
特開2004−270460号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたジェットポンプにおいては、吐出流量を制御するために、ニードルを軸方向に駆動させるアクチュエータを設けており、ジェットポンプの部品点数が多くなり、かつ、ジェットポンプの製造コストが上昇する虞があった。
この発明は上記事情を背景としてなされたものであり、部品点数の増加および製造コストの上昇を招くことなく、ジェットポンプから吐出される圧油の流量を変更することの可能な、流体伝動装置用の制御装置を提供することを目的としている。
この発明は、被駆動部材を駆動する動力を発生する動力源と、この動力源から前記被駆動部材に至る動力伝達経路に配置され、かつ、入力部材と出力部材との間で流体の運動エネルギにより動力伝達をおこなうことの可能な流体伝動装置と、前記入力部材と出力部材との間で摩擦力により動力伝達をおこない、かつ、係合および解放が油圧制御されるロックアップクラッチと、このロックアップクラッチに供給される圧油の供給経路を切り替えることにより、前記ロックアップクラッチの係合および解放を制御するロックアップクラッチ用制御弁と、このロックアップクラッチ用制御弁の動作を制御する制御信号を発生する信号発生機構とを有する、流体伝動装置用の制御装置において、前記動力源から前記被駆動部材に至る動力伝達経路に設けられ、かつ、圧油により潤滑または冷却される潤滑油必要部と、この潤滑油必要部に通じる供給口と、この供給口の圧油を前記潤滑油必要部に吐出するジェットポンプと、前記供給口に供給される前の圧油が通る第1の油路と、前記供給口に供給される前の圧油が通り、かつ、前記第1の油路の油圧よりも高油圧である第2の油路と、前記信号発生機構から出力される制御信号により動作が切り替えられるとともに、前記ロックアップクラッチを解放させる制御信号が出力された場合は、前記第2の油路を前記供給口に接続する動作をおこなう一方、前記ロックアップクラッチを係合させる制御信号が出力された場合は、前記第1の油路を前記供給口に接続する動作をおこなう切替弁とを有する。
好ましくは、前記ロックアップクラッチの係合および解放を制御する圧油の温度が、予め定められた温度以下である場合に、前記ロックアップクラッチを解放させる制御信号を、前記信号発生機構から出力させる制御をおこなう。
この発明によれば、切替弁の動作を切り替えることにより、ジェットポンプの供給口に供給される圧油の油圧を変更でき、ジェットポンプの吐出流量を変更できる。また、切替弁の動作を切り替える制御信号は、ロックアップクラッチ用制御弁の動作を切り替える制御信号と共用化されており、切替弁を制御するために格別のアクチュエータを設けずに済む。したがって、部品点数の増加、製造コストの上昇を抑制できる。
この発明は、乗用車、運搬車、工作機械などに用いることが可能である。この発明を乗用車、運搬車に用いる場合、被駆動部材には車輪が含まれる。すなわち、動力源の動力が車輪に伝達されて駆動力が発生する。この場合、車輪は回転運動する。この発明を工作機械に用いる場合、被駆動部材には工具、刃物または工作物が含まれる。すなわち、動力源の動力が工具または刃物に伝達されて、工具または刃物が回転し、工作物を切削することができる。あるいは、動力源の動力が工作物に伝達されて工作物が回転し工作物を切削することができる。このように、この発明を工作機械に用いる場合、被駆動部材は回転運動または往復運動する。この発明において、動力源は被駆動部材に伝達する動力を発生する動力装置であり、エンジン、電動モータ、油圧モータ、フライホイールシステムなどのうち、少なくとも1つの動力源を用いることができる。これらは、動力の発生原理が異なる動力源である。すなわち、エンジンは熱エネルギを運動エネルギに変換する動力装置であり、電動モータは電気エネルギを運動エネルギに変換する動力装置であり、油圧モータは流体の運動エネルギを、回転部材の運動エネルギに変換する動力装置であり、フライホイールシステムは、回転部材の慣性エネエルギを運動エネルギに変換する動力装置である。
この発明において、信号発生機構は、ロックアップクラッチ用制御弁の動作、具体的には弁体の動作を制御する制御信号を発生する機構であり、信号発生機構には、制御信号を出力するソレノイドバルブ、このソレノイドバルブに対する通電電流値を制御する電子制御装置が含まれる。この発明において、潤滑油必要部は、動力源から被駆動部材に動力伝達がおこなわれた場合に、発熱、摺動、摩耗、焼き付きなどが発生する可能性がある機械要素もしくは部位であり、潤滑油必要部は圧油により潤滑または冷却される。ここで、潤滑または冷却とは、少なくとも一方という意味である。この発明において、第1の油路および第2の油路は圧油が通る通路であり、これらの油路には、ポート、バルブ内の通路、絞り部、貫通孔などが含まれる。またこの発明において、流体伝動装置の一部を構成する入力部材および出力部材は、動力伝達をおこなう回転要素であり、入力部材および出力部材には、回転軸、歯車、羽根車、コネクティングドラム、プーリ、スプロケットなどの要素が含まれる。この発明において、流体伝動装置は、入力部材と出力部材との間で伝達されるトルクを増幅する機能を有するトルクコンバータ、またはトルク増幅機能を備えていないフルードカップリングのいずれでもよい。この発明において、第2の油路の油圧の方が第1の油路の油圧よりも高圧であり、具体的な圧力は問わない。
この発明の好ましい具体例によれば、予め定められた温度以下である場合における圧油の粘度は、予め定められた温度を越えている場合における圧油の粘度よりも高くなるが、予め定められた温度以下である場合には、第2の油路よりも高圧の第1の油路の圧油がジェットポンプの供給口に供給される。したがって、ジェットポンプから吐出される圧油の流量の低下を抑制できる。
つぎに、この発明の具体例を図面に基づいて説明する。図2は、流体伝動装置を搭載した車両のパワートレーンの構成例を示す概念図である。図2に示す車両1においては、エンジン2と車輪3との間の動力伝達経路に、流体伝動装置4、ロックアップクラッチ5、前後進切換装置6、ベルト式無段変速機7などが設けられている。具体的には、エンジン2と流体伝動装置4とが動力伝達可能に接続され、流体伝動装置4と前後進切換装置6とが動力伝達可能に接続され、前後進切換装置6とベルト式無段変速機7とが動力伝達可能に接続されている。前記エンジン2は、燃料を燃焼させた場合に生じる熱エネルギを運動エネルギに変換する動力装置である。エンジン2としては内燃機関、例えば、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、LPGエンジンなどを用いることが可能である。また、流体伝動装置4およびロックアップクラッチ5は、エンジン2と前後進切換装置6との間の動力伝達経路に設けられており、流体伝動装置4とロックアップクラッチ5とは相互に並列に配置されている。
この流体伝動装置4は、図1に示すように、ポンプインペラ8およびタービンランナ9を有しており、前記エンジン2のクランクシャフト10に、ケーシング21を介してポンプインペラ8が動力伝達可能に接続され、インプットシャフト11にタービンランナ9が動力伝達可能に接続されている。ポンプインペラ8とタービンランナ9との間にはコンバータ油室24が形成されており、コンバータ油室24に供給される流体(作動油)の運動エネルギにより動力を伝達することの可能な伝動装置である。ロックアップクラッチ5は、ケーシング21とインプットシャフト11との間で、摩擦力により動力を伝達する装置である。このロックアップクラッチ5は、摩擦材がインプットシャフト11に対して軸線に沿った方向に動作可能に取り付けて構成されている。さらに、ロックアップクラッチ5の係合および解放が、油圧により制御されるように構成されている。具体的には、係合用油圧室23および解放用油圧室24が設けられている。また、ケーシング21の内部にはステータ22が設けられている。つまり、この流体伝動装置4は、ロックアップクラッチ5が解放されている場合、ポンプインペラ8のトルクを増幅してタービンランナ9に伝達することのできるトルクコンバータである。以下、流体伝動装置4を、便宜上「トルクコンバータ4」と記す。
さらに、前記インプットシャフト11が前後進切換装置6の回転要素(入力要素)に動力伝達可能に接続されている。この前後進切換装置6は、インプットシャフト11に対するプライマリシャフト12の回転方向を、正逆に切り換える装置である。この前後進切換装置6は、遊星歯車機構(図示せず)と、遊星歯車機構の回転要素同士の接続および遮断を制御するクラッチ(図示せず)と、遊星歯車機構の回転要素の回転および停止を制御するブレーキ(図示せず)とを有している。そして、この具体例では、クラッチやブレーキなどの摩擦係合装置の係合および解放が、油圧により制御されるように構成されている。具体的には、クラッチの係合および解放を制御するクラッチ用油圧室(図示せず)が設けられ、ブレーキの係合および解放を制御するブレーキ用油圧室(図示せず)が設けられている。前記ベルト式無段変速機7は、前後進切換装置6と車輪3との間の動力伝達経路に設けられている。ベルト式無段変速機7は、相互に平行に配置されたプライマリシャフト12およびセカンダリシャフト13を有している。このプライマリシャフト12にはプライマリプーリ14が設けられており、セカンダリシャフト13にはセカンダリプーリ15が設けられている。プライマリシャフト12が前後進切換装置6の回転要素(出力要素)に、動力伝達可能に接続されている。そして、プライマリプーリ14およびセカンダリプーリ15に、無端状のベルト16が巻き掛けられている。
この具体例では、プライマリプーリ14からベルト16に加えられる挟圧力、およびセカンダリプーリ15からベルト16に加えられる挟圧力を油圧により制御するように構成されている。すなわち、プライマリプーリ14からベルト16に加えられる挟圧力を制御するプライマリプーリ用油圧室(図示せず)が設けられ、セカンダリプーリ15からベルト16に加えられる挟圧力を制御するセカンダリプーリ用油圧室(図示せず)が設けられている。さらに、セカンダリシャフト13には、伝動装置17および終減速機18を介在させて車輪3が動力伝達可能に接続されている。前記伝動装置17は歯車伝動装置または巻き掛け伝動装置のいずれでもよい。上記の流体伝動装置4、ロックアップクラッチ5、前後進切換装置6、ベルト式無段変速機7、伝動装置17、終減速機18はいずれもケーシング19の内部に配置されている。
一方、車両1には油圧制御装置20が搭載されている。この油圧制御装置20は、ベルト式無段変速機7のプライマリプーリ用油圧室、セカンダリプーリ用油圧室、クラッチ用油圧室、ブレーキ用油圧室、流体伝動装置4のコンバータ油室24、係合用油圧室23および解放用油圧室24などに圧油を供給して、これらの装置および機構を制御するコントローラである。この油圧制御装置20の具体例を図1に基づいて説明する。まず、油圧制御装置20はオイルポンプ25を有している。オイルポンプ25はオイルパン26に貯留されたオイルを吸入して吐出する流体輸送装置である。オイルパン26は、ケーシング19の下部または内部に設けられている。また、オイルポンプ25は、動力源の動力により駆動される。この動力源は、エンジン2または電動モータ(図示せず)のいずれか一方でもよいし、両方でもよい。また、オイルポンプ25は、回転式または往復動式のいずれでもよい。
このオイルポンプ25は供給口27および吐出口28を有しており、その供給口27とオイルパン26とが油路29により接続されている。吐出口28には油路30が接続されており、その油路30は、圧油必要部31に接続されている。この圧油必要部31には、プライマリプーリ用油圧室、セカンダリプーリ用油圧室、ブレーキ用油圧室、クラッチ用油圧室などが含まれる。一方、油路30の油圧を制御する圧力制御弁32が設けられている。圧力制御弁32は入力ポート33およびドレーンポート34を有しており、入力ポート33が油路30に接続されている。また、ドレーンポート34には2方向に分岐された油路35,36が接続されている。圧力制御弁32は、油路30の圧油を油路35,36に排出する流量を制御することにより、油路30の油圧を制御する構成を有している。このため、油路35,36の油圧は油路30の油圧以下となる。また、油路36には減圧弁39が接続されている。この減圧弁39は入力ポート40およびドレーンポート41を有しており、入力ポート40が油路36に接続され、ドレーンポート41には油路42が接続されている。油路36の圧油の一部が油路42に排出されるため、油路42の油圧は油路36の油圧よりも低圧になる。
一方、前記コンバータ油室24には油路37が接続され、前記解放用油圧室24には油路38が接続されている。そして、前記油路36を前記油路37,38に接続するロックアップコントロールバルブ43が設けられている。このロックアップコントロールバルブ43は、前記ロックアップクラッチ5の係合および解放を制御するバルブである。このロックアップコントロールバルブ43は、3つの入力ポート44,45,46、2つの出カポート47,48、フィードバックポート49、2つのドレーンポート50,51、2つの信号圧ポート52,53、スプール54、バネ55などを有する公知のものである。前記スプール54は軸方向に動作可能に構成されており、前記油路36が、前記入カポート44,45およびフィードバックポート49に接続されている。前記出カポート47は前記油路37に接続され、前記出カポート48は前記油路38に接続されている。前記入カポート46は油路42に接続されている。また、前記信号圧ポート52には油路56を介してロックアップクラッチ制御用ソレノイドバルブ57が接続されている。このロックアップクラッチ制御用ソレノイドバルブ57は、前記ロックアップクラッチ5の係合および解放を制御するものであり、通電電流値に基づいた信号油圧(制御信号)を出力する。この信号油圧が前記信号圧ポート52に入力される。また、信号圧ポート53にも信号油圧が入力される。そして、バネ55の押圧力および信号圧ポート52の信号油圧に応じた押圧力と、信号圧ポート53の信号油圧に応じた押圧力とが、前記スプール54に対して逆向きに加わる構成を有している。
さらに、前記ドレーンポート50には油路58を介して潤滑油必要部59が接続されている。ここで、潤滑油必要部59には、ベルト式無段変速機7を構成する部品、前後進切換装置6を構成する部品、インプットシャフト11およびプライマリシャフト12およびセカンダリシャフト13を支持する軸受などのように、潤滑油により潤滑・冷却される機械要素および部位が含まれる。このように、ドレーンポート50から排出される圧油を、油路58を経由させて潤滑油必要部59に供給可能である。さらに、潤滑油必要部59に対して圧油を供給することの可能な他の経路を説明する。この具体例では、ジェットポンプ60から吐出された圧油を潤滑油必要部59に供給することが可能である。このジェットポンプ60は、ノズル61に接続された供給口62と、ノズル61に接続され合流油路73と、合流油路73に接続された吸入油路63と、合流油路73の出口である吐出口64とを有する。前記吸入油路63は前記油路29に接続され、吐出口64は油路58に接続されている。
さらに、供給口62には油路65が接続されており、油路65と油路35との間に逆止弁66が配置されている。この逆止弁66は、油路35の油圧が油路65の油圧よりも高い場合に開放され、油路65の油圧が油路35の油圧以上である場合は閉じられる構成を有している。さらに、油路30または油路35を選択的に供給口62に接続する切替弁67が設けられている。この切替弁67は、スプール68、スプール68を軸方向に押圧するばね69、入力ポート70、出力ポート71、信号圧ポート72を有している。この信号圧ポート72には油路56が接続されており、信号圧ポート72には、ロックアップクラッチ制御用ソレノイドバルブ57から出力される信号油圧が入力される。そして、ばね69からスプール68に加えられる押圧力と、信号圧ポート72の油圧によりスプール68に加えられる押圧力とに基づいて、軸方向におけるスプール68の動作が制御される。
一方、車両1の全体を制御するコントローラとして電子制御装置(図示せず)が設けられており、その電子制御装置には、エンジン回転数、車速、アクセル開度、インプットシャフト12の回転数、セカンダリシャフト13の回転数、油圧制御装置20内における圧油の温度、外気温、エンジン2を冷却する冷却水の温度、シフトポジションなどを示す信号が入力される。そして、電子制御装置に記憶されているデータ、および前記信号に基づいて、エンジン2を制御する信号、ロックアップクラッチ5の係合および解放を制御する信号、ベルト式無段変速機7の変速比を制御する信号、前後進切換装置6の摩擦係合装置を係合および解放させる信号が出力される。上記のようにして、エンジン2が運転されると、エンジン2のトルクがトルクコンバータ4、前後進切換装置6、ベルト式無段変速機7、終減速機18を経由して車輪3に伝達されて、駆動力が発生する。
つぎに、油圧制御装置20の作用を説明する。まず、オイルポンプ25が駆動されると、オイルパン26のオイルがオイルポンプ25により吸い込まれて、油路30に吐出される。油路30の圧油の一部が、圧力制御弁32により油路35,36に排出されて、油路30から圧油必要部31に供給される圧油の油圧が制御される。前記油路36に排出された圧油の一部は、ロックアップコントロールバルブ43の入力ポート44,45およびフィードバックポート49に供給される。また、油路36の圧油の一部は、減圧弁39を経由して油路42に排出される。この油路42の圧油は、ロックアップコントロールバルブ43の入力ポート46に供給される。
ここで、ロックアップクラッチ4の係合および解放制御について説明する。前記電子制御装置にはロックアップクラッチ4の係合および解放を制御するマップが記憶されている。このマップは、車速およびアクセル開度をパラメータとして、ロックアップクラッチ4の係合および解放を制御するものである。例えば、所定車速以上であり、所定のアクセル開度以下である場合に、ロックアップクラッチ4が係合される。これに対して、所定車速未満である場合、または、所定のアクセル開度を越えている場合は、ロックアップクラッチ4が解放される。また、このマップの他に、ロックアップクラッチ4を解放させる油温条件が電子制御装置に記憶されている。具体的には、油温が予め定められた温度以下である場合は、前記マップに定められたパラメータに関わりなく、ロックアップクラッチ4が常時解放される。このように、油温が予め定められた温度以下である場合に、ロックアップクラッチ4を常時解放する技術的意味は、「低油温時に、解放されているロックアップクラッチ4を係合させる時に生じるショックが発生すること」を防止し、かつ、「エンジン2が停止すること」を防止するためである。
まず、ロックアップクラッチ5を係合させる場合は、ロックアップクラッチ制御用ソレノイドバルブ57から出力される信号油圧が低圧に制御される。すると、図1でロックアップコントロールバルブ76の右半分に示すように、信号圧ポート53の信号圧により、スプール54がバネ55の押圧力に抗して下向きに動作し、入カポート44と出カポート47とが接続される。また、入カポート45が遮断され、かつ、出カポート48とドレーンポート51とが接続される。このため、油路36の圧油が、ロックアップコントロールバルブ43を経由して油路37に供給され、その油路37の圧油がコンバータ油室24および係合用油圧室23に供給される。また、解放用油圧室24のオイルが油路38を経由してドレ一ンポート51から排出される。このような作用により、係合用油圧室23の方が解放用油圧室24よりも高圧となり、ロックアップクラッチ5が係合される。さらに、スプール54が図1で右側半分で示すように動作した場合、入力ポート46と出力ポート50とが接続されるため、油路42の圧油が油路58を経由して潤滑油必要部59に供給される。
これに対して、前記した油温条件によりロックアップクラッチ5を解放させる場合は、ロックアップクラッチ制御用ソレノイドバルブ57から出力される信号油圧が高圧に制御される。すると、図1でロックアップコントロールバルブ43の左半分に示すように、信号圧ポート53の押圧力に抗してスプール54が上向きに動作し、入カポート45と出カポート48とが接続される。また、入カポート44が遮断され、かつ、出カポート47とドレーンポート50とが接続される。すると、油路36の圧油が、ロックアップコントロールバルブ43を経由して油路38に供給され、その油路38の圧油が解放用油圧室24に供給される。さらに、係合用油圧室23のオイルが油路37を経由してドレーンポート50から排出される。このような作用により、解放用油圧室24の方が係合用油圧室23よりも高圧となり、ロックアップクラッチ5が解放される。なお、ドレーンポート50から油路58に排出されたオイルは、潤滑油必要部59に供給される。
さらに、ジェットポンプ60を経由させて潤滑油必要部59に潤滑油を供給する作用を説明する。前記のように、油温が予め定められた温度以下であり、ロックアップクラッチ5を解放させる場合は、ロックアップクラッチ制御用ソレノイドバルブ57から出力される信号油圧が高圧に制御される。高圧の信号油圧が切替弁67の信号圧ポート72に入力されると、ばね69の押圧力に抗してスプール68が図1で下向きに動作する。すると、入力ポート70と出力ポート71とが接続され、油路30の圧油の一部が、切替弁67を経由して油路65に供給される。そして、油路65の圧油の方が油路35の圧油よりも高圧であるため、逆止弁66が閉じられる。したがって、油路65の圧油が供給口62に吸入されてノズル61から合流油路73へ噴射される。すると、油路29の圧油が吸入油路63を経由して合流油路73に吸入される。このようにして、合流油路73に供給された圧油が吐出口64から油路58に吐出され、油路58に吐出された圧油が潤滑油必要部59に供給される。
これに対して、ロックアップクラッチ5を係合させる場合は、ロックアップクラッチ制御用ソレノイドバルブ57から出力される信号油圧が低圧に制御される。低圧の信号油圧が切替弁67の信号圧ポート72に入力されると、ばね69の押圧力によりスプール68が図1で上向きに動作する。すると、入力ポート70が遮断され、油路65の油圧が油路35の油圧よりも低圧となり、逆止弁66が開放される。このようにして、油路35の圧油が油路65を経由してジェットポンプ60の供給口62に供給される。ジェットポンプ60における圧油の吐出作用は、前述と同様であるため省略する。
以上のように、この具体例によれば、切替弁67のスプール68の動作を切り替えることにより、ジェットポンプ60の供給口62に供給される圧油の油圧を変更でき、ジェットポンプ60から油路58に吐出される圧油の流量を変更できる。具体的には、高圧の圧油が供給口62に供給された場合の方が、低圧の圧油が供給口62に供給される場合に比べて、ジェットポンプ60から吐出される圧油の流量が増加する。特に、この具体例では、油温が予め定められた温度以下である場合に、ロックアップクラッチ制御用ソレノイドバルブ57から出力される信号油圧が高圧に制御され、高圧の圧油が供給口62に供給されるように制御される。したがって、油温が予め定められた温度以下であり、粘度が高まるような場合において、ジェットポンプ60から吐出される圧油の流量を増加することができ、潤滑油必要部59で潤滑油不足が生じることを回避できる。また、この具体例において、切替弁67のスプール68の動作を切り替える制御信号は、ロックアップクラッチコントロールバルブ43のスプール54の動作を切り替える制御信号と共用化されており、切替弁67を制御するために格別のアクチュエータを設けずに済む。したがって、部品点数の増加、製造コストの上昇を抑制できる。
ここで、具体例の構成と、この発明の構成との対応関係を説明すると、車輪3がこの発明の被駆動部材に相当し、エンジン2がこの発明の動力源に相当し、ポンプインペラ8およびクランクシャフト10が、この発明の入力部材に相当し、タービンランナ9およびインプットシャフト11が、この発明の出力部材に相当し、トルクコンバータ4が、この発明の流体伝動装置に相当し、ロックアップクラッチコントロールバルブ43が、この発明のロックアップクラッチ用制御弁に相当し、ソレノイドバルブ57および電子制御装置が、この発明の信号発生機構に相当し、油路35が、この発明の第1の油路に相当し、油路30が、この発明の第2の油路に相当し、油路37,38が、この発明における「圧油の供給経路」に相当する。
なお、上記具体例において、油温を判断する場合に、圧油の温度を直接検知する方法、外気温に基づいて油温を間接的に判断する方法、動力源を冷却する冷却水の温度に基づいて油温を推定する方法などのうち、いずれかの判断手法を用いることが可能である。また、上記の具体例では、エンジン2から車輪3に至る経路にベルト式無段変速機7が設けられているが、このほかの無段変速機、例えば、トロイダル型無段変速機が設けられた車両にも適用可能である。この場合、ディスクとパワーローラとの接触部分が潤滑油必要部59に含まれる。また、変速機として、有段変速機を有する車両にもこの発明を適用可能である。有段変速機としては、遊星歯車式変速機、選択歯車式変速機、常時噛み合い式変速機などのいずれでもよい。このように、有段変速機を用いる場合、その変速機を構成する歯車同士の噛み合い部分が、潤滑油必要部59に含まれる。また、車輪3に動力を伝達する動力源として、エンジンの他に電動モータを有する車両でもよい。さらには、動力源として、エンジンおよび電動モータを有する車両でもよい。さらに、この発明は、動力源の動力が前輪(車輪)または後輪(車輪)のいずれか一方に伝達される二輪駆動車、または、動力源の動力が前輪および後輪に伝達される四輪駆動車のいずれにも適用可能である。
この発明における流体伝動装置の制御装置を示す概念図である。 この発明の流体伝動装置を有する車両のパワートレーンの構成を示す概念図である。
符号の説明
1…車両、 2…エンジン、 3…車輪、 4…トルクコンバータ、 5…ロックアップクラッチ、 8…ポンプインペラ、 9…タービンランナ、 10…クランクシャフト、 11…インプットシャフト、 20…油圧制御装置、 30,35,37,38…油路、 43…ロックアップクラッチコントロールバルブ、 57…ソレノイドバルブ、 59…潤滑油必要部、 60…ジェットポンプ、 62…供給口、 64…吐出口、 67…切替弁。

Claims (2)

  1. 被駆動部材を駆動する動力を発生する動力源と、この動力源から前記被駆動部材に至る動力伝達経路に配置され、かつ、入力部材と出力部材との間で流体の運動エネルギにより動力伝達をおこなうことの可能な流体伝動装置と、前記入力部材と出力部材との間で摩擦力により動力伝達をおこない、かつ、係合および解放が油圧制御されるロックアップクラッチと、このロックアップクラッチに供給される圧油の供給経路を切り替えることにより、前記ロックアップクラッチの係合および解放を制御するロックアップクラッチ用制御弁と、このロックアップクラッチ用制御弁の動作を制御する制御信号を発生する信号発生機構とを有する、流体伝動装置用の制御装置において、
    前記動力源から前記被駆動部材に至る動力伝達経路に設けられ、かつ、圧油により潤滑または冷却される潤滑油必要部と、
    この潤滑油必要部に通じる供給口と、
    この供給口の圧油を前記潤滑油必要部に吐出するジェットポンプと、
    前記供給口に供給される前の圧油が通る第1の油路と、
    前記供給口に供給される前の圧油が通り、かつ、前記第1の油路の油圧よりも高油圧である第2の油路と、
    前記信号発生機構から出力される制御信号により動作が切り替えられるとともに、前記ロックアップクラッチを解放させる制御信号が出力された場合は、前記第2の油路を前記供給口に接続する動作をおこなう一方、前記ロックアップクラッチを係合させる制御信号が出力された場合は、前記第1の油路を前記供給口に接続する動作をおこなう切替弁と
    を有することを特徴とする流体伝動装置用の制御装置。
  2. 前記ロックアップクラッチの係合および解放を制御する圧油の温度が、予め定められた温度以下である場合に、前記ロックアップクラッチを解放させる制御信号を、前記信号発生機構から出力させる制御をおこなうことを特徴とする請求項1に記載の流体伝動装置用の制御装置。
JP2008014183A 2008-01-24 2008-01-24 流体伝動装置用の制御装置 Expired - Fee Related JP4862830B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008014183A JP4862830B2 (ja) 2008-01-24 2008-01-24 流体伝動装置用の制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008014183A JP4862830B2 (ja) 2008-01-24 2008-01-24 流体伝動装置用の制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009174644A JP2009174644A (ja) 2009-08-06
JP4862830B2 true JP4862830B2 (ja) 2012-01-25

Family

ID=41029939

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008014183A Expired - Fee Related JP4862830B2 (ja) 2008-01-24 2008-01-24 流体伝動装置用の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4862830B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102348904B (zh) 2009-03-11 2013-12-04 丰田自动车株式会社 润滑装置
CN104968976B (zh) * 2013-02-06 2017-08-08 本田技研工业株式会社 自动变速器的液压供应装置

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63140200A (ja) * 1986-12-03 1988-06-11 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 水素吸蔵合金貯蔵装置
JP3228030B2 (ja) * 1994-11-14 2001-11-12 トヨタ自動車株式会社 自動変速機における冷却および潤滑装置
DE19546293B4 (de) * 1994-12-15 2009-11-26 Luk Gs Verwaltungs Kg Antriebseinheit mit einem stufenlos einstellbaren Kegelscheibenumschlingungsgetriebe
JP3786753B2 (ja) * 1996-12-26 2006-06-14 富士重工業株式会社 無段変速装置の油圧制御回路
JP3635190B2 (ja) * 1997-07-09 2005-04-06 日産自動車株式会社 自動変速機の油圧制御装置
JP2005030484A (ja) * 2003-07-11 2005-02-03 Nissan Motor Co Ltd 自動変速機の制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009174644A (ja) 2009-08-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10124756B2 (en) Hybrid vehicle
JP5218303B2 (ja) 動力伝達装置
JP5177123B2 (ja) 動力伝達装置
WO2010082423A1 (ja) 動力伝達装置およびこれを搭載する車両
US8413437B2 (en) Transmission hydraulic control system having independently controlled stator cooling flow
JP5549565B2 (ja) 動力伝達装置
JP4811332B2 (ja) 油圧制御装置
JP5418486B2 (ja) 動力伝達装置
US9435428B2 (en) Electronic transmission range selection subsystem in a hydraulic control system for an automatic transmission
US9777830B2 (en) Power transmission device
JP4862830B2 (ja) 流体伝動装置用の制御装置
WO2020196348A1 (ja) 車両用駆動装置
JP4935343B2 (ja) 無段変速機用の油圧制御装置
JP2013217492A (ja) 自動変速機の油圧供給装置
JPWO2017163855A1 (ja) 油圧制御装置
CN100453855C (zh) 自动变速器的液压控制装置
JP4978185B2 (ja) 無段変速機用の油圧制御装置
JP5515974B2 (ja) 油圧制御装置
JP5375714B2 (ja) 自動変速機
JP2007085485A (ja) 油圧制御装置
JP5233693B2 (ja) 動力伝達装置およびこれを搭載する車両
JP2008274972A (ja) 油圧制御装置
JP4853275B2 (ja) 無段変速機用の油圧制御装置
JP5515973B2 (ja) 動力伝達装置
JP5447415B2 (ja) 自動変速機の流体圧制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100323

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110929

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111011

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111024

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141118

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141118

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees