JP5176749B2 - 耐擦傷性樹脂板及びその用途 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂基板の少なくとも一方の面に耐擦傷性(ハードコート性)の硬化被膜が形成されてなる耐擦傷性樹脂板に関する。また、本発明は、この耐擦傷性樹脂板からなるディスプレイ保護板、特に携帯型情報端末の表示窓保護板に関する。
耐擦傷性樹脂板として、例えば特許文献1〜6には、アクリル樹脂板を基板とし、その少なくとも一方の面に硬化被膜が形成されてなる、携帯型情報端末の表示窓保護板として好適な耐擦傷性樹脂板が開示されている。このアクリル樹脂板を基板とする耐擦傷性樹脂板は、耐衝撃性が十分でないことがある。このため、例えば特許文献7、8には、ポリカーボネート樹脂層の一方の面にアクリル樹脂層を積層してなる積層板を基板とすることで耐衝撃性を向上させ、そのアクリル樹脂層上に硬化被膜を形成して、液晶ディスプレイカバーに用いることが開示されている。
特開2004−143365号公報 特開2004−299199号公報 特開2007−190794号公報 特開2008−6811号公報 特開2008−36927号公報 特開2008−49697号公報 特開2006−103169号公報 特開2007−237700号公報
本発明の目的は、さらに耐衝撃性に優れ、かつ押圧しても割れ難い耐擦傷性樹脂板を提供することにある。そして、この耐擦傷性樹脂板からなるディスプレイ保護板、特に携帯型情報端末の表示窓保護板を提供することにある。
本発明者は、鋭意検討の結果、ポリカーボネート樹脂層の少なくとも一方の面にゴム粒子を含有するアクリル樹脂層が積層されてなる積層板を基板とし、その少なくとも一方の面に硬化被膜が形成されてなる耐擦傷性樹脂板が、上記目的に適うことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ポリカーボネート樹脂層の少なくとも一方の面にゴム粒子を含有するアクリル樹脂層が積層されてなる基板の少なくとも一方の面に、硬化被膜が形成されてなることを特徴とする耐擦傷性樹脂板を提供する。また、本発明は、この耐擦傷性樹脂板からなるディスプレイ保護板、特に携帯型情報端末の表示窓保護板を提供する。
本発明の耐擦傷性樹脂板は、耐衝撃性に優れ、かつ押圧しても割れ難いので、この耐擦傷性樹脂板をディスプレイ保護板、特に携帯型情報端末の表示窓保護板として用いることにより、その表示窓を効果的に保護することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の耐擦傷性樹脂板は、ポリカーボネート樹脂層の少なくとも一方の面にゴム粒子を含有するアクリル樹脂層が積層されてなる積層板を基板とし、その少なくとも一方の面に硬化被膜が形成されてなるものである。
ポリカーボネート層を構成するポリカーボネート樹脂としては、例えば、二価フェノールとカルボニル化剤とを界面重縮合法や溶融エステル交換法などで反応させることにより得られるもの、カーボネートプレポリマーを固相エステル交換法などで重合させることにより得られるもの、環状カーボネート化合物を開環重合法で重合させることにより得られるものが挙げられる。
二価フェノールとしては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(3−イソプロピル−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−フェニル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}フルオレン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−o−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジメチルアダマンタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエステルが挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。
中でも、ビスフェノールA、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン及びα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼンからなる群から選ばれる二価フェノールを単独で又は2種以上用いるのが好ましく、特に、ビスフェノールAの単独使用や、ビスフェノールAと1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンと、ビスフェノールA、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン及びα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼンからなる群から選ばれる1種以上の二価フェノールとの併用が好ましい。
カルボニル化剤としては、例えば、ホスゲンの如きカルボニルハライド、ジフェニルカーボネートの如きカーボネートエステル、二価フェノールのジハロホルメートの如きハロホルメートが挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。
アクリル樹脂層を構成するアクリル樹脂としては、一般的にメタクリル樹脂が用いられる。メタクリル樹脂は、メタクリル酸メチル単位を主成分とするもの、具体的にはメタクリル酸メチル単位を通常50重量%以上、好ましくは70重量%以上含むメタクリル酸メチル樹脂であるのが好ましく、メタクリル酸メチル単位100重量%のメタクリル酸メチル単独重合体であってもよいし、メタクリル酸メチルと他の単量体との共重合体であってもよい。
メタクリル酸メチルと共重合しうる他の単量体の例としては、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルの如きメタクリル酸メチル以外のメタクリル酸エステル類や、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチルの如きアクリル酸エステル類が挙げられる。また、スチレンや置換スチレン類、例えば、クロロスチレン、ブロモスチレンの如きハロゲン化スチレン類や、ビニルトルエン、α−メチルスチレンの如きアルキルスチレン類も挙げられる。さらに、メタクリル酸、アクリル酸の如き不飽和酸類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、無水マレイン酸、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミドも挙げられる。これらメタクリル酸メチルと共重合しうる他の単量体は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アクリル樹脂は、ゴム粒子とブレンドして用いる。ゴム粒子の例としては、アクリル系多層構造重合体や、5〜80重量部のゴム状重合体にアクリル系不飽和単量体の如きエチレン性不飽和単量体20〜95重量部をグラフト重合させてなるグラフト共重合体が挙げられる。アクリル系多層構造重合体は、エラストマーの層を20〜60重量%程度内在するものであるのがよく、最外層として硬質層を有するものであるのがよく、さらに最内層として硬質層を有するものでもよい。
エラストマーの層は、ガラス転移点(Tg)が25℃未満のアクリル系重合体の層であるのがよく、具体的には、低級アルキルアクリレート、低級アルキルメタクリレート、低級アルコキシアルキルアクリレート、シアノエチルアクリレート、アクリルアミド、ヒドロキシ低級アルキルアクリレート、ヒドロキシ低級アルキルメタクリレート、アクリル酸及びメタクリル酸からなる群から選ばれる1種以上の単官能単量体を、アリルメタクリレートの如き多官能単量体で架橋させてなる重合体の層であるのがよい。
硬質層は、Tgが25℃以上のアクリル系重合体の層であるのがよく、具体的には、炭素数1〜4個のアルキル基を有するアルキルメタクリレートを単独で又は主成分として重合させたものであるのがよい。アルキルメタクリレートを主成分として共重合体とする場合、共重合成分としては、他のアルキルメタクリレートやアルキルアクリレート、スチレン、置換スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリルの如き単官能単量体を用いてもよいし、さらに多官能単量体を加えて架橋重合体としてもよい。
アクリル系多層構造重合体は、例えば、特公昭55−27576号公報、特開平6−80739号公報、特開昭49−23292号公報に記載されている。
5〜80重量部のゴム状重合体にエチレン性不飽和単量体20〜95重量部をグラフト重合させてなるグラフト共重合体において、ゴム状重合体としては、例えば、ポリブタジエンゴム、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体ゴム、スチレン/ブタジエン共重合体ゴムの如きジエン系ゴム、ポリブチルアクリレート、ポリプロピルアクリレート、ポリ−2−エチルヘキシルアクリレートの如きアクリル系ゴム、エチレン/プロピレン/非共役ジエン系ゴムなどが用いられる。また、このゴム状重合体にグラフト共重合させるのに用いられるエチレン性単量体としては、例えば、スチレン、アクリロニトリル、アルキル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらのグラフト共重合体は、例えば、特開昭55−147514号公報、特公昭47−9740号公報に記載されている。
ゴム粒子の使用量は、アクリル樹脂100重量部に対して、通常3〜150重量部、好ましくは4〜50重量部、より好ましくは5〜9重量部である。ゴム粒子の使用量が多い程、耐擦傷性樹脂板の耐衝撃性が向上し、また耐擦傷性樹脂板が押圧しても割れ難くなる傾向にあるが、ゴム粒子の使用量があまり多いと、耐擦傷性樹脂板の表面硬度が低下して好ましくない。
なお、ポリカーボネート樹脂層及びアクリル樹脂層には、それぞれ、必要に応じて、光拡散剤、艶消剤、染料、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、離型剤、難燃剤、帯電防止剤などの添加剤を1種又は2種以上、添加してもよい。
本発明の耐擦傷性樹脂板の基板は、ポリカーボネート樹脂層とアクリル樹脂層を共押出成形で積層一体化することにより、好適に製造される。この共押出成形は、2基又は3基の一軸又は二軸の押出機を用いて、ポリカーボネート樹脂層の材料とアクリル樹脂層の材料をそれぞれ溶融混練した後、フィードブロックダイやマルチマニホールドダイなどを介して積層することにより行うことができ、積層一体化された溶融積層樹脂体は、例えば、ロールユニットを用いて冷却固化すればよい。共押出成形により製造した基板は、粘着剤や接着剤を用いた貼合により製造した基板に比べて、二次成形し易い点で好ましい。
基板は、通常、シート状ないしフィルム状であり、その厚みは、通常0.3〜3mm、好ましくは0.3〜2mm、さらに好ましくは0.4〜1.5mmである。そして、基板において、アクリル樹脂層の厚みは、通常50〜120μm、好ましくは60〜110μm以上、より好ましくは70〜100μmである。アクリル樹脂層の厚みが小さい程、耐擦傷性樹脂板の耐衝撃性が向上し、また耐擦傷性樹脂板が押圧しても割れ難くなる傾向にあるが、アクリル樹脂層の厚みがあまり小さいと、耐擦傷性樹脂板の表面硬度が低下して好ましくない。
基板は、ポリカーボネート樹脂層の片面のみにアクリル樹脂層が積層されてなる2層構造のものであってもよいし、ポリカーボネート樹脂層の両面にアクリル樹脂層が積層されてなる3層構造のものであってもよい。耐擦傷性樹脂板の耐環境性、例えば高温下や高湿下に曝したときの反り難さの点からは、ポリカーボネート樹脂層の両面にアクリル樹脂層が積層されてなる基板が好ましい。なお、3層構造の場合、両アクリル層の組成や厚みは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、例えば、一方がゴム粒子を含有すれば、他方はゴム粒子不含とすることも可能である。
基板の少なくとも一方の面には耐擦傷性の硬化被膜が形成される。つまり、硬化被膜は、基板の両面に形成されていてもよいし、片面にのみ形成されていてもよい。したがって、耐擦傷性樹脂板の層構成の例として、(1):硬化被膜/アクリル樹脂層/ポリカーボネート樹脂層、(2):硬化被膜/アクリル樹脂層/ポリカーボネート樹脂層/硬化被膜、(3):アクリル樹脂層/ポリカーボネート樹脂層/硬化被膜、(4):硬化被膜/アクリル樹脂層/ポリカーボネート樹脂層/アクリル樹脂層、(5):硬化被膜/アクリル樹脂層/ポリカーボネート樹脂層/アクリル樹脂層/硬化被膜を挙げることができる。ポリカーボネート樹脂層の片面のみにアクリル樹脂層が形成されてなる基板を用いる場合は、少なくともアクリル樹脂層上に硬化被膜が形成されているのが好ましく、すなわち、上記(1)〜(3)では(1)、(2)が好ましい。なお、基板の両面に硬化被膜を形成する場合、両硬化被膜の組成や厚みは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
硬化被膜を形成するのに用いられる硬化性塗料は、耐擦傷性をもたらす硬化性化合物を必須成分とし、必要に応じて、硬化触媒、導電性粒子、溶媒、レベリング剤、安定化剤、酸化防止剤、着色剤などを含有するものである。
硬化性化合物としては、例えば、アクリレート化合物、ウレタンアクリレート化合物、エポキシアクリレート化合物、カルボキシル基変性エポキシアクリレート化合物、ポリエステルアクリレート化合物、共重合系アクリレート化合物、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルエーテルエポキシ樹脂、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物が挙げられる。中でも、硬化被膜の耐擦傷性の点から、多官能アクリレート化合物、多官能ウレタンアクリレート化合物、多官能エポキシアクリレート化合物の如きラジカル重合系の硬化性化合物や、アルコキシシラン、アルキルアルコキシシランの如き熱重合系の硬化性化合物が好ましく用いられる。これらの硬化性化合物は、電子線、放射線、紫外線などのエネルギー線を照射することにより硬化するものであるか、加熱により硬化するものであるのがよい。これらの硬化性化合物は、それぞれ単独で用いてもよいし、複数の化合物を組み合わせて用いてもよい。
特に好ましい硬化性化合物は、分子中に少なくとも3個の(メタ)アクロイルオキシ基を有する化合物である。ここで、(メタ)アクリロイルオキシ基とは、アクリロイルオキシ基又はメタクロイルオキシ基をいい、その他、本明細書において、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸などというときの「(メタ)」も同様の意味である。
分子中に少なくとも3個の(メタ)アクロイルオキシ基を有する化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタグリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ−又はテトラ−(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ−、テトラ−、ペンタ−又はヘキサ−(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールテトラ−、ペンタ−、ヘキサ−又はヘプタ−(メタ)アクリレートのような、3価以上の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート;分子中にイソシアナト基を少なくとも2個有する化合物に、水酸基を有する(メタ)アクリレートを、イソシアナト基に対して水酸基が等モル以上となる割合で反応させて得られ、分子中の(メタ)アクリロイルオキシ基の数が3個以上となったウレタン(メタ)アクリレート〔例えば、ジイソシアネートとペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートの反応により、6官能のウレタン(メタ)アクリレートが得られる〕;トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸のトリ(メタ)アクリレートが挙げられる。なお、ここには単量体を例示したが、これら単量体のままで用いてもよいし、例えば2量体、3量体などのオリゴマーの形になったものを用いてもよい。また、単量体とオリゴマーを併用してもよい。これらの(メタ)アクリレート化合物はそれぞれ単独又は2種以上を混合して用いられる。
分子中に少なくとも3個の(メタ)アクロイルオキシ基を有する化合物の市販品としては、例えば、新中村化学工業(株)の“NKハ−ド M101”(ウレタンアクリレート系)、“NKエステル A−TMM−3L”(ペンタエリスリトールトリアクリレート)、“NKエステル A−TMMT”(ペンタエリスリトールテトラアクリレート)、“NKエステル A−9530”(ジペンタエリスリトールペンタアクリレート)及び“NKエステル A−DPH”(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)、日本化薬(株)の“KAYARAD DPCA”(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)、サンノプコ(株)の“ノプコキュア 200”シリーズ、大日本インキ化学工業(株)の“ユニディック”シリーズが挙げられる。
なお、硬化性化合物として分子中に少なくとも3個の(メタ)アクロイルオキシ基を有する化合物を用いる場合、必要に応じて、他の硬化性化合物、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートのような、分子中に2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物を併用してもよいが、その使用量は、分子中に少なくとも3個の(メタ)アクロイルオキシ基を有する化合物100重量部に対して、通常20重量部までである。
硬化性塗料を紫外線で硬化させる場合は、硬化触媒として光重合開始剤を使用するのがよい。光重合開始剤としては、例えば、ベンジル、ベンゾフェノンやその誘導体、チオキサントン類、ベンジルジメチルケタール類、α−ヒドロキシアルキルフェノン類、ヒドロキシケトン類、アミノアルキルフェノン類、アシルホスフィンオキサイド類が挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。光重合開始剤の使用量は、硬化性化合物100重量部に対して、通常0.1〜5重量部である。
光重合開始剤の市販品としては、例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)の“IRGACURE 651”、“IRGACURE 184”、“IRGACURE 500”、“IRGACURE 1000”、“IRGACURE 2959”、“DAROCUR 1173”、“IRGACURE 907”、“IRGACURE 369”、“IRGACURE 1700”、“IRGACURE 1800”、“IRGACURE 819”、“IRGACURE 784”の如き、IRGACURE(イルガキュア)シリーズ及びDAROCUR(ダロキュア)シリーズ、日本化薬(株)の“KAYACURE ITX”、“KAYACURE DETX−S”、“KAYACURE BP−100”、“KAYACUREBMS”、“KAYACURE 2−EAQ”の如き、KAYACURE(カヤキュア)シリーズが挙げられる。
硬化性塗料に導電性粒子を含有させることにより、硬化被膜に帯電防止性を付与することができる。導電性粒子としては、アンチモン−スズ複合酸化物、リンを含有する酸化錫、酸化アンチモン、アンチモン−亜鉛複合酸化物、酸化チタン、インジウム−錫複合酸化物(ITO)のような無機粒子が好ましく用いられる。
導電性粒子の粒子径は、通常0.5μm以下であり、硬化被膜の帯電防止性や透明性の点からは、平均粒子径で表して、好ましくは0.001μm以上であり、また好ましくは0.1μm以下、より好ましくは0.05μm以下である。導電性粒子の平均粒子径が小さい程、耐擦傷性樹脂板のヘイズを低くすることができ、透明性を高めることができる。
導電性粒子の使用量は、硬化性化合物100重量部に対して、通常2〜50重量部、好ましくは3〜20重量部である。導電性粒子の使用量が多い程、硬化被膜の帯電防止性が向上する傾向にあるが、導電性粒子の使用量があまり多いと、硬化被膜の透明性が低下して好ましくない。
導電性粒子は、例えば、気相分解法、プラズマ蒸発法、アルコキシド分解法、共沈法、水熱法により製造することができる。また、導電性粒子の表面は、例えば、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、シリコン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤で表面処理されていてもよい。
硬化性塗料には、その粘度調整などを目的として、溶媒を含有させるのがよく、特に導電性粒子が含まれる場合、その分散のために溶媒を含有させるのがよい。導電粒子及び溶媒を含有する硬化性塗料を調製する場合、例えば、導電性粒子及び溶媒を混合して、溶媒に導電性粒子を分散させた後、この分散液を硬化性化合物と混合してもよいし、硬化性化合物と溶媒を混合した後、この混合液に導電性粒子を分散させてもよい。
溶媒は、硬化性化合物を溶解することができ、かつ塗布後に容易に揮発しうるものであるのがよく、また塗料成分として導電性粒子を用いる場合は、それを分散させることができるものであるのがよい。溶媒の例としては、ジアセトンアルコール、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノールのようなアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジアセトンアルコールのようなケトン類、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチルのようなエステル類、水が挙げられる。溶媒の使用量は、硬化性化合物の性状などに合わせて、適宜調整すればよい。
硬化性塗料にレベリング剤を含有させる場合、シリコーンオイルが好ましく用いられ、その例としては、ジメチルシリコーンオイル、フェニルメチルシリコーンオイル、アルキル・アラルキル変性シリコーンオイル、フルオロシリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、脂肪酸エステル変性シリコーンオイル、メチル水素シリコーンオイル、シラノール基含有シリコーンオイル、アルコキシ基含有シリコーンオイル、フェノール基含有シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、カルボン酸変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイルが挙げられる。これらのレベリング剤は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種類以上混合して用いることもできる。レベリング剤の使用量は、硬化性化合物100重量部に対して、通常0.01〜5重量部である。
レベリング剤の市販品としては、例えば、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)の“SH200−100cs”、“SH28PA”、“SH29PA”、“SH30PA”、“ST83PA”、“ST80PA”、“ST97PA”及び“ST86PA”、ビック・ケミー・ジャパン(株)の“BYK−302”、“BYK−307”、“BYK−320”及び“BYK−330”が挙げられる。
こうして得られる硬化性塗料を、前記基板の少なくとも一方の面に塗布して、硬化性塗膜とし、次いで硬化させて、硬化被膜とすることにより、本発明の耐擦傷性樹脂板が得られる。
硬化性塗料の塗布は、バーコート法、マイクログラビアコート法、ロールコート法、フローコート法、ディップコート法、スピンコート法、ダイコート法、スプレーコート法などのコート法により行えばよい。硬化性塗膜の硬化は、硬化性塗料の種類に応じて、エネルギー線の照射や加熱により行えばよい
エネルギー線の照射により硬化させる場合、エネルギー線としては、例えば、紫外線、電子線、放射線が挙げられ、その強度や照射時間などの条件は、硬化性塗料の種類に応じて適宜選択される。また、加熱により硬化させる場合、その温度や時間などの条件は、硬化性塗料の種類に応じて適宜選択されるが、加熱温度は、基板が変形を起こさないよう、一般的には100℃以下であるのが好ましい。硬化性塗料が溶媒を含有する場合は、塗布後、溶媒を揮発させた後に硬化性塗膜を硬化させてもよいし、溶媒の揮発と硬化性塗膜の硬化とを同時的に行ってもよい。
硬化被膜の厚みは、好ましくは0.5〜50μmであり、より好ましくは1〜20μmである。硬化被膜の厚みが小さい程、亀裂が生じ難くなる傾向にあるが、あまり小さいと、耐擦傷性が不十分になり好ましくない。
得られた耐擦傷性樹脂板には、必要に応じて、その表面に、コート法やスパッタ法、真空蒸着法などにより反射防止処理を施してもよい。また、別途作製した反射防止性のシートを耐擦傷性樹脂板の片面又は両面に貼合して、反射防止効果を付与してもよい。
かくして得られる耐擦傷性樹脂板は、耐衝撃性に優れ、かつ押圧しても割れ難いため、各種用途に用いることができるが、中でもディスプレイ保護板として好適に用いられる。保護されるディスプレイの種類としては、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、ELディスプレイが挙げられる。また、保護されるディスプレイの用途としては、例えば、テレビやコンピューターのモニター、携帯電話やPHS(Personal Handy-phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)などの携帯型情報端末の表示窓、デジタルカメラやハンディ型ビデオカメラのファインダー部、携帯型ゲーム機の表示窓が挙げられる。本発明の耐擦傷性樹脂板は、特に液晶ディスプレイやELディスプレイなどによる携帯型情報端末の表示窓保護板として好適に用いられ、とりわけ、携帯電話、特に表示窓を含む表示部が、不使用時には折りたたまれて操作ボタン部を覆う構造となった携帯電話の表示窓保護板として、有利な効果を発揮する。
本発明の耐擦傷性樹脂板から、ディスプレイ保護板を作製するには、まず必要に応じ、印刷、穴あけなどの加工を行い、必要な大きさに切断処理すればよい。しかるのちに、ディスプレイにセットすれば、ディスプレイを効果的に保護することができる。その際、基板の片面のみに硬化被膜が形成されてなる耐擦傷性樹脂板であれば、硬化被膜が形成された側が表側(視認者側)、硬化被膜が形成されていない側が裏側(ディスプレイ側)になるようにセットするのがよい。また、ポリカーボネート樹脂層の片面のみにアクリル樹脂層が形成されてなる基板の両面に硬化被膜が形成されてなる耐擦傷性樹脂板であれば、アクリル樹脂層側が表側、ポリカーボネート樹脂層側が裏側になるようにセットするのがよい。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。例中、含有量ないし使用量を表す%及び部は、特記ないかぎり重量基準である。
メタクリル樹脂として、メタクリル酸メチル97.8%とアクリル酸メチル2.2%とからなる単量体のバルク重合により得られた熱可塑性重合体(ガラス転移温度104℃)のペレットを用いた。なお、このガラス転移温度は、JIS K7121:1987に従い、示差走査熱量測定により加熱速度10℃/分で求めた補外ガラス転移開始温度である。
ゴム粒子として、最内層がメタクリル酸メチル93.8%とアクリル酸メチル6%とメタクリル酸アリル0.2%とからなる単量体の重合により得られた硬質重合体であり、中間層がアクリル酸ブチル81%とスチレン17%とメタクリル酸アリル2%とからなる単量体の重合により得られた弾性重合体であり、最外層がメタクリル酸メチル94%とアクリル酸メチル6%とからなる単量体の重合により得られた硬質重合体である、乳化重合法によるゴム粒子を用いた。
実施例1〜7、比較例1〜2
(基板の作製)
メタクリル樹脂とゴム粒子とを、表1に示す割合でスーパーミキサーで混合し、二軸押出機にて溶融混錬して、メタクリル樹脂組成物をペレットとして得た(実施例1〜7)。次いで、メタクリル樹脂組成物(実施例1〜7)又はメタクリル樹脂(比較例1、2)を65mmφ一軸押出機〔東芝機械(株)〕で、ポリカーボネート樹脂〔住友ダウ(株)の“カリバー 301−10”〕を45mmφ一軸押出機〔東芝機械(株)〕で、それぞれ溶融させ、両者をフィードブロックを介して積層し、設定温度265℃のT型ダイスを介して押し出し、得られるフィルム状物を、一対の表面が平滑な金属製のロールの間に挟み込んで成形・冷却して、厚み430μmのポリカーボネート樹脂層の片面に厚み70μmのメタクリル樹脂層が積層されてなる総厚み500μmの2層構成の基板(実施例1〜4、比較例1)又は厚み360μmのポリカーボネート樹脂層の両面に厚み70μmのメタクリル樹脂層が積層されてなる総厚み500μmの3層構成の基板(実施例5〜7、比較例2)を作製した。
(硬化性塗料の調製)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート〔新中村化学工業(株)の“NKエステル A−DPH”〕28部、光重合開始剤〔チバスペシャリティーケミカルズ(株)の“IRGACURE 184”〕1部、5酸化アンチモン微粒子ゾル〔触媒化成工業(株)の“ELCOM−7514”;固形分濃度20%〕8部、1−メトキシ−2−プロパノール32部、イソブチルアルコール32部及び、及びシリコーンオイル〔東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)の“SH28PA”〕0.045部を混合して硬化性塗料を調製した。
(耐擦傷性樹脂板の製造)
基板を100mm×60mmの大きさに切断し、ディッピング法にて両面に硬化性塗料の塗膜を形成した。次いで、室温で1分間乾燥し、さらに45℃の熱風オーブン内で3分間乾燥して溶媒を揮発させた後、この塗膜に、120Wの高圧水銀ランプを用いて、0.5J/cm2の紫外線を照射して硬化させ、耐擦傷性樹脂板を得た。この耐擦傷性樹脂板について、以下の評価を行い、結果を表1に示した。
〔押圧強度〕
外寸60mm×100mm、内寸30mm×50mmの金属製の枠に、55mm×85mmの試験片を配置し(2層構成の基板を用いた実施例1〜4、比較例1では、メタクリル樹脂層側を上側(押圧側)、ポリカーボネート樹脂層側を下側とした。)、直径10mmの球状先端を有する金属棒で、試験片の中央を10mm/min.の速度で押圧し、試験片が破壊する強度を測定した。試験は3回実施し、その平均値を測定結果とした。
〔落球強度〕
外径60mmφ、内径50mmφ、深さ5mmの金属製の円筒型枠に、60mm×60mmの試験片を配置し(2層構成の基板を用いた実施例1〜4、比較例1では、メタクリル樹脂層側を上側(落球側)、ポリカーボネート樹脂層側を下側とした。)、重量36gで直径20mmφの金属球を、試験片の中央に高さを変えながら落下させた。試験片の50%が破壊する高さを、落球強度として評価した。
〔鉛筆硬度〕
JIS K5600従って測定した(2層構成の基板を用いた実施例1〜4、比較例1では、メタクリル樹脂層側について測定した。)。
〔耐久反り〕
70mm×50mmの試験片を、85℃の環境下に3日間放置した後、水平な面上に4角が浮き上がる様に配置し、その高さを測定し、試験前に同様に測定した値との差の最大値を反り量とした。
Figure 0005176749

Claims (12)

  1. ポリカーボネート樹脂層の少なくとも一方の面にゴム粒子を含有するアクリル樹脂層が積層されてなる基板の少なくとも一方の面に、耐擦傷性の硬化被膜が形成されてなることを特徴とする耐擦傷性樹脂板。
  2. 基板が、ポリカーボネート樹脂層の両面にアクリル樹脂層が積層されてなるものである請求項1に記載の耐擦傷性樹脂板。
  3. ゴム粒子の使用量が、アクリル樹脂層を構成するアクリル樹脂100重量部に対して、3〜150重量部である請求項1又は2に記載の耐擦傷性樹脂板。
  4. ゴム粒子が、多層構造アクリル系重合体である請求項1〜3のいずれかに記載の耐擦傷性樹脂板。
  5. 基板の厚みが0.3〜3mmであり、アクリル樹脂層の厚みが50〜120μmである請求項1〜4のいずれかに記載の耐擦傷性樹脂板。
  6. 硬化被膜が、分子中に少なくとも3個の(メタ)アクロイルオキシ基を有する化合物を含有する硬化性塗料により形成されたものである請求項1〜5のいずれかに記載の耐擦傷性樹脂板。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の耐擦傷性樹脂板からなるディスプレイ用保護板。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の耐擦傷性樹脂板からなる携帯型情報端末の表示窓保護板。
  9. ポリカーボネート樹脂層の両面にゴム粒子を含有するアクリル樹脂層が積層されてなり、少なくとも一方の面に耐擦傷性の硬化被膜が形成されてなる耐擦傷性樹脂板用の3層構造の基板。
  10. ゴム粒子の使用量が、アクリル樹脂層を構成するアクリル樹脂100重量部に対して、3〜150重量部である請求項9に記載の基板。
  11. 基板の厚みが0.3〜3mmであり、アクリル樹脂層の厚みが50〜120μmである請求項9〜10のいずれかに記載の基板。
  12. ポリカーボネート樹脂層とアクリル樹脂層が共押出成形で積層一体化されてなる請求項9〜11のいずれかに記載の基板。
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