JP5950532B2 - 樹脂板 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂板、この樹脂板の少なくとも一方の面に硬化被膜を備える耐擦傷性樹脂板、この耐擦傷性樹脂板からなるディスプレイ用保護板、携帯型情報端末の表示窓用保護板、タッチパネル用保護板、および樹脂板の製造方法に関する。
ディスプレイ、タッチパネル、携帯型情報端末の表示窓などの保護板として、樹脂板が用いられている。
前記樹脂板には、耐衝撃性、耐擦傷性、高湿環境下での反り変形抑制などの向上が求められており、特許文献1には、耐擦傷性と高湿環境下での反り変形抑制を向上させた樹脂板として、ポリカーボネート(PC)樹脂層の一方の面にメタクリル酸メチル−スチレン(MS)樹脂層が積層され、そのMS樹脂層面に、所定構造の(メタ)アクリル酸エステル構成単位および脂肪族ビニル構成単位を含む熱可塑性樹脂層が積層された樹脂板であって、熱可塑性樹脂層の厚さが70μmである樹脂板が開示されている。
国際公開第2010/024217号
しかしながら、特許文献1に開示の樹脂板は、吸水反り変形抑制が十分ではなく、そのため湿度変化により反ってしまうなどの問題があった。
そこで、本発明の目的は、表面硬度と耐衝撃性に優れ、かつ吸水反り変形抑制に優れる樹脂板を提供することにある。そして、この樹脂板を基板とする耐擦傷性樹脂板、この耐擦傷性樹脂板からなるディスプレイ保護板、携帯型情報端末の表示窓用保護板、タッチパネル用保護板、および樹脂板の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下の構成からなる解決手段を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の構成からなる。
(1)ポリカーボネート樹脂層の一方の面に、メチルメタクリレート−スチレン共重合体樹脂層と、メタクリル樹脂層とが、この順に積層されてなる樹脂板であって、メタクリル樹脂層の厚さが60μm以下であることを特徴とする樹脂板。
(2)前記(1)に記載の樹脂板の少なくとも一方の面に硬化被膜を備える耐擦傷性樹脂板。
(3)前記(2)に記載の耐擦傷性樹脂板からなるディスプレイ用保護板。
(4)前記(2)に記載の耐擦傷性樹脂板からなるタッチパネル用保護板。
(5)前記(2)に記載の耐擦傷性樹脂板からなる携帯型情報端末の表示窓用保護板。
(6)ポリカーボネート樹脂層の一方の面に、メチルメタクリレート−スチレン共重合体樹脂層と、メタクリル樹脂層とが、この順に積層されてなるフィルム状物をダイから押出し、第1冷却ロールと第2冷却ロールとの間に挟み込み、第2冷却ロールに巻き掛けた後、第3冷却ロールに巻き掛けて、ポリカーボネート樹脂層の一方の面に、メチルメタクリレート−スチレン共重合体樹脂層と、メタクリル樹脂層とが、この順に積層され、メタクリル樹脂層の厚さが60μm以下である樹脂板を製造する方法であって、前記第1冷却ロール、前記第2冷却ロールおよび第3冷却ロールのうちの少なくとも一つは外周部に金属製薄膜を備えた弾性ロールであることを特徴とする樹脂板の製造方法。
本発明の樹脂板は、ポリカーボネート樹脂層の一方の面に、メチルメタクリレート−スチレン共重合体樹脂層と、メタクリル樹脂層とが、この順に積層されてなり、メタクリル樹脂層の厚さが60μm以下であるので、表面硬度と耐衝撃性に優れ、かつ吸水反り変形抑制に優れる。
本発明の樹脂板の製造の一実施形態を示す概略説明図である。
本発明の樹脂板は、ポリカーボネート樹脂層の一方の面に、メチルメタクリレート−スチレン共重合体(MS)樹脂層と、メタクリル樹脂層とが、この順に積層され、メタクリル樹脂層が所定の厚みであるものである。
<ポリカーボネート樹脂層>
ポリカーボネート樹脂層を構成するポリカーボネート樹脂としては、例えば、二価フェノールとカルボニル化剤とを界面重縮合法や溶融エステル交換法などで反応させることにより得られる樹脂、カーボネートプレポリマーを固相エステル交換法などで重合させることにより得られる樹脂、環状カーボネート化合物を開環重合法で重合させることにより得られる樹脂などが挙げられる。
二価フェノールとしては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(3−イソプロピル−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−フェニル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}フルオレン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−o−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジメチルアダマンタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエステルなどが挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上を用いてもよい。
中でも、ビスフェノールA、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンおよびα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼンからなる群より選ばれる二価フェノールを単独で、または2種以上用いるのが好ましく、特に、ビスフェノールAの単独使用や;ビスフェノールAと、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンと、ビスフェノールA、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパンおよびα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼンからなる群より選ばれる1種以上の二価フェノールとの併用が好ましい。
カルボニル化剤としては、例えば、ホスゲンなどのカルボニルハライド;ジフェニルカーボネートなどのカーボネートエステル;二価フェノールのジハロホルメートなどのハロホルメートなどが挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上を用いてもよい。
ポリカーボネート樹脂は、必要に応じて、例えば、光拡散剤、艶消剤、染料、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、離型剤、難燃剤、帯電防止剤などの添加剤を1種または2種以上を含有してもよい。
<メチルメタクリレート−スチレン共重合体(MS)樹脂>
本発明では、ポリカーボネート樹脂層の一方の面にMS樹脂層が積層される。これにより、得られる樹脂板の吸水反り変形を抑制することができる。
MS樹脂層を構成するMS樹脂としては、全単量体単位を基準として、通常、メチルメタクリレート単位を70重量%未満、スチレン単位を30重量%以上有するものが用いられ、メチルメタクリレート単位を1〜60重量%、スチレン単位を40〜99重量%有するものが好ましく用いられ、メチルメタクリレート単位を40〜60重量%、スチレン単位を40〜60重量%有するものがより好ましく用いられる。メチルメタクリレート単位の割合があまり小さいと、剛性が低下するおそれがあり、一方、メチルメタクリレート単位の割合があまり大きいと、吸水率が高くなるおそれがある。なお、MS樹脂は、必要に応じて、メチルメタクリレート単位及びスチレン単位以外の単量体単位を有していてもよく、該単量体単位としては、例えば、ジビニルベンゼン単位やアクリル酸アルキル単位などが挙げられるが、その量は、全単量体単位を基準として、通常10重量%以下である。
<メタクリル樹脂層>
本発明では、MS樹脂層上に、メタクリル樹脂層が積層される。これにより、得られる樹脂板に優れた表面硬度と耐衝撃性を付与することができる。
メタクリル樹脂層は、メタクリル樹脂を少なくとも含むメタクリル樹脂組成物(a)からなる。
メタクリル樹脂は、メタクリル酸メチル単位を主成分とする樹脂、具体的にはメタクリル酸メチル単位を通常70重量%以上、好ましくは80重量%以上含むメタクリル酸メチル樹脂であるのが好ましく、メタクリル酸メチル単位100重量%のメタクリル酸メチル単独重合体であってもよいし、メタクリル酸メチルと、該メタクリル酸メチルと共重合し得る他の単量体との共重合体であってもよい。
メタクリル酸メチルと共重合し得る他の単量体としては、例えば、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルなどのメタクリル酸メチル以外のメタクリル酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチルなどのアクリル酸エステル類;スチレン;クロロスチレン、ブロモスチレンなどのハロゲン化スチレン類;ビニルトルエン、α−メチルスチレンなどのアルキルスチレン類などの置換スチレン類;メタクリル酸、アクリル酸などの不飽和酸類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、無水マレイン酸、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミドなどが挙げられる。
これらメタクリル酸メチルと共重合し得る他の単量体は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
メタクリル樹脂組成物(a)は、必要に応じて、例えば、ゴム粒子、光拡散剤、艶消剤、染料、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、離型剤、難燃剤、帯電防止剤などの添加剤を1種または2種以上、添加してもよい。
<ゴム粒子>
メタクリル樹脂層は、メタクリル樹脂とゴム粒子とを含有するメタクリル樹脂組成物(a)からなるのが好ましい。ゴム粒子を含有することで、得られる樹脂板に、優れた耐衝撃性を付与することができる。
ゴム粒子としては、例えば、アクリル系ゴム粒子、ブタジエン系ゴム粒子、スチレン−ブタジエン系ゴム粒子などを用いることができるが、中でも、耐候性、耐久性の点から、アクリル系ゴム粒子が好ましい。
アクリル系ゴム粒子は、アクリル酸エステルを主体とする弾性重合体からなる層(弾性重合体層)を有するものであり、弾性重合体のみからなる単層の粒子であってもよいし、弾性重合体層と硬質重合体からなる層(硬質重合体層)とから構成される多層構造の粒子であってもよく、1種または2種以上を混合して用いてもよい。
アクリル系ゴム粒子が多層構造を有する場合には、その層構成としては、例えば、内層(弾性重合体層)/外層(硬質重合体層)からなる2層構造、内層(硬質重合体層)/外層(弾性重合体層)からなる2層構造、最内層(硬質重合体層)/中間層(弾性重合体層)/最外層(硬質重合体層)からなる3層構造、最内層(弾性重合体層)/中間層(硬質重合体層)/最外層(弾性重合体層)からなる3層構造、最内層(弾性重合体層)/内層側中間層(硬質重合体層)/外層側中間層(弾性重合体層)/最外層(硬質重合体層)からなる4層構造などが挙げられる。また、これら層構造のうち最も外側が硬質重合体層である構造において、さらにその外側が異なる組成の硬質重合体層で覆われた構造、具体的には、最内層(弾性重合体層)/中間層(硬質重合体層)/最外層(硬質重合体層)からなる3層構造、最内層(硬質重合体層)/内層側中間層(弾性重合体層)/外層側中間層(硬質重合体層)/最外層(硬質重合体層)からなる4層構造等であってもよい。
アクリル系ゴム粒子における弾性重合体部は、少なくとも弾性重合体を含む部分であり、アクリル系ゴム粒子が弾性重合体の単層構造からなる場合には、アクリル系ゴム粒子の全てを意味し、アクリル系ゴム粒子が多層構造からなる場合には、アクリル系ゴム粒子を構成する層のうち最も外側にある弾性重合体層と弾性重合体層に覆われる内部とを意味する。
アクリル系ゴム粒子を構成する弾性重合体層は、アクリル酸アルキルと多官能単量体とを含み、必要に応じてメタクリル酸アルキルや他の単官能単量体をも含む単量体成分を重合させてなる弾性重合体で形成されることが好ましい。
弾性重合体層を形成する際に用いられるアクリル酸アルキルとしては、通常、アルキル基の炭素数が1〜8、好ましくは1〜4であり、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルなどが挙げられ、これらは1種または2種以上を混合して用いてもよい。
弾性重合体層を形成する際に用いられる多官能単量体は、分子内にラジカル重合可能な二重結合を2個以上有する化合物であり、具体的には、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ブタンジオールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、1,2−プロピレングリコールジアクリレート、1,3−プロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートなどの多価アルコールのポリ不飽和カルボン酸エステル;アクリル酸アリル、メタクリル酸アリル、ケイ皮酸アリルなどの不飽和カルボン酸のアルケニルエステル;フタル酸ジアリル、マレイン酸ジアリル、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートなどの多塩基酸のポリアルケニルエステル;ジビニルベンゼンなどの芳香族ポリアルケニル化合物などが挙げられ、これらは1種または2種以上を混合して用いてもよい。
弾性重合体層を形成する際に任意に用いられるメタクリル酸アルキルとしては、通常、アルキル基の炭素数が1〜8、好ましくは1〜4であり、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシルなどが挙げられ、これらは1種または2種以上を混合して用いてもよい。
弾性重合体層を形成する際に任意に用いられる他の単官能単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族アルケニル化合物;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのアルケニルシアン化合物;アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、N−置換マレイミドなどが挙げられ、これらは1種または2種以上を混合して用いてもよい。
アクリル系ゴム粒子における弾性重合体層を形成する単量体成分の好ましい組成は、例えば、アクリル酸アルキル、多官能単量体、メタクリル酸アルキル、および他の単官能単量体の総量に対して、アクリル酸アルキルが50〜99.9重量%、多官能単量体が0.1〜10重量%、メタクリル酸アルキルが0〜49.9重量%、他の単官能単量体が0〜49.9重量%の割合である。
アクリル系ゴム粒子を構成する硬質重合体層は、通常、メタクリル酸アルキルを含み、必要に応じて、アクリル酸アルキル、他の単官能単量体や多官能単量体を含む単量体成分を重合させてなる硬質重合体で形成されることが好ましい。
硬質重合体層を形成する際に用いられるメタクリル酸アルキル、アクリル酸アルキル、他の単官能単量体および多官能単量体としては、弾性重合体層を構成するメタクリル酸アルキル、アクリル酸アルキル、他の単官能単量体および多官能単量体として例示したものと同様のものが挙げられる。
アクリル系ゴム粒子における硬質重合体層を形成する単量体成分の好ましい組成は、例えば、硬質重合体層が弾性重合体部の外側に存在する場合には、メタクリル酸アルキル、アクリル酸アルキル、他の単官能単量体、および多官能単量体の総量に対して、メタクリル酸アルキルが50〜100重量%、アクリル酸アルキルが0〜50重量%、他の単官能単量体が0〜50重量%、多官能単量体が0〜10重量%であり、硬質重合体層が弾性重合体部の内側に存在する場合(すなわち、弾性重合体部が硬質重合体層を含有する場合)には、メタクリル酸アルキル、アクリル酸アルキル、他の単官能単量体、および多官能単量体の総量に対して、メタクリル酸アルキルが70〜100重量%、アクリル酸アルキルが0〜30重量%、他の単官能単量体が0〜30重量%、多官能単量体が0〜10重量%の割合である。
アクリル系ゴム粒子が多層構造である場合の弾性重合体層と硬質重合体層との重量割合は、特に制限されず、例えば、隣り合って存在する弾性重合体層と硬質重合体層との割合は、弾性重合体100重量部に対して、硬質重合体が通常10〜400重量部、好ましくは20〜200重量部であるのが好ましい。
アクリル系ゴム粒子は、弾性重合体を形成する単量体成分を乳化重合法などにより、少なくとも1段の反応で重合させて調製することができる。
例えば、最内層(硬質重合体層)/中間層(弾性重合体層)/最外層(硬質重合体層)からなる3層構造のアクリル系ゴム粒子を調整する場合は、まず、この内層となる硬質重合体層を形成する単量体成分を乳化重合法などにより、少なくとも1段の反応で重合して硬質重合体を得、該硬質重合体の存在下で、弾性重合体を形成する単量体成分を乳化重合法などにより、少なくとも1段の反応で重合させて、硬質重合体にグラフトさせる。次いで、得られる弾性重合体層の存在下で、硬質重合体を形成する単量体成分を乳化重合法などにより、少なくとも1段の反応で重合させることにより、弾性重合体にグラフトさせればよい。なお、各層の重合を、それぞれ2段以上で行う場合、いずれも、各段の単量体組成ではなく、全体としての単量体組成が所定の範囲内にあればよい。
アクリル系ゴム粒子の粒径については、ゴム粒子中のアクリル酸エステルを主体とする弾性重合体の層の平均粒子径が、0.01〜0.4μmであるのが好ましく、より好ましくは0.05〜0.3μm、さらに好ましくは0.07〜0.25μmである。
なお、平均粒子径は、アクリル系ゴム粒子を上述したメタクリル樹脂と混合してフィルム化し、その断面において酸化ルテニウムによる弾性重合体の層の染色を施し、電子顕微鏡で観察して、染色された部分の直径から求めることができる。
すなわち、アクリル系ゴム粒子をメタクリル樹脂に混合し、その断面を酸化ルテニウムで染色すると、母相のメタクリル樹脂は染色されず、弾性重合体層の外側に硬質重合体層が存在する場合は、この硬質重合体層も染色されず、弾性重合体層のみが染色されるので、電子顕微鏡により、こうして染色された弾性重合体層のほぼ円形状に観察される部分の直径から、粒子径を求めることができる。弾性重合体層の内側に硬質重合体層が存在する場合は、この硬質重合体も染色されず、その外側の弾性重合体層が染色された2層構造の状態で観察されることになるが、この場合は、2層構造の外側、すなわち弾性重合体の層の外径で考えればよい。
樹脂板は、ポリカーボネート樹脂層の他方の面、すなわち、上述したMS樹脂層と、メタクリル樹脂層とがこの順で積層されたポリカーボネート樹脂層の面とは反対側の面には、メタクリル樹脂層(以下、ポリカーボネート樹脂層の一方の面側に設けられたメタクリル樹脂層をメタクリル樹脂層(A)と、ポリカーボネート樹脂層の他方の面側に設けられたメタクリル樹脂層をメタクリル樹脂層(B)と称する)、MS樹脂層、スチレン系樹脂層、塩化ビニル系樹脂層、オレフィン系樹脂層、ポリウレタン樹脂層、ポリエステル樹脂層などの透明樹脂層を1層、または2層以上積層して設けてもよく、なかでも、吸水反り変形を抑制する観点から、メタクリル樹脂層(B)を1層、またはMS樹脂層と、メタクリル樹脂層(B)とをこの順で積層して設けるのが好ましい。
<メタクリル樹脂層(B)>
メタクリル樹脂層(B)は、メタクリル樹脂組成物(b)からなる。メタクリル樹脂組成物(b)は、メタクリル樹脂を少なくとも含み、必要に応じてゴム粒子などの添加剤を含有してもよい。メタクリル樹脂やゴム粒子などの添加剤は、メタクリル樹脂組成物(a)で例示したものと同様のものを用いることができ、メタクリル樹脂組成物(b)は、メタクリル樹脂組成物(a)と同一組成であってもよい。
<メタクリル樹脂組成物(a)、(b)のゴム粒子の含有量>
メタクリル樹脂組成物(a)にゴム粒子を含有させる場合、メタクリル樹脂およびゴム粒子の合計100重量%を基準にしたゴム粒子の含有量は、好ましくは1〜30重量%であり、より好ましくは1〜20重量%であり、特に好ましく1〜15重量%である。
メタクリル樹脂組成物(b)にゴム粒子を含有させる場合、メタクリル樹脂およびゴム粒子の合計100重量%を基準にしたゴム粒子の含有量は、好ましくは1〜80重量%であり、より好ましくは3〜50重量%であり、特に好ましく5〜30重量%である。
<樹脂板の製造方法>
本発明の樹脂板の製造方法は、ポリカーボネート樹脂層の一方の面に、メチルメタクリレート−スチレン共重合体樹脂層と、メタクリル樹脂層(A)とが、この順に積層されてなるフィルム状物をダイから押出し、第1冷却ロールと第2冷却ロールとの間に挟み込み、第2冷却ロールに巻き掛けた後、第3冷却ロールに巻き掛けて、ポリカーボネート樹脂層の一方の面に、メチルメタクリレート−スチレン共重合体樹脂層と、メタクリル樹脂層(A)とが、この順に積層され、メタクリル樹脂層(A)が所定の厚さである樹脂板を製造する方法であって、第1冷却ロール、第2冷却ロールおよび第3冷却ロールが所定のロール構成からなる。
以下、本発明の樹脂板の製造方法の一実施形態を図面を参照して説明する。図1は、ポリカーボネート樹脂層の一方の面に、MS樹脂層と、メタクリル樹脂層(A)とが、この順に積層されてなる樹脂板10の製造方法の一実施形態を示す概略説明図である。
同図に示すように、一軸または二軸の押出機1〜3にそれぞれ投入された上述したポリカーボネート樹脂、MS樹脂およびメタクリル樹脂組成物(a)は溶融混錬され、それぞれ3種3層分配型フィードブロック4に供給されて3層構成となるように分配された後、T型ダイス5の先端からフィルム状物6となって押し出される。
次いで、押し出されたフィルム状物6は、第1冷却ロール7と第2冷却ロール8との間に挟み込まれ、第2冷却ロール8に巻き掛けられた後、第3冷却ロール9に巻き掛けられて冷却され、ポリカーボネート樹脂層の一方の面にMS樹脂層と、メタクリル樹脂層(A)とが、この順に積層された樹脂板10が得られる。
本実施形態では、溶融したポリカーボネート樹脂、MS樹脂およびメタクリル樹脂組成物(a)をフィードブロック4で3層構成に分配し、単層T型ダイス5に流入させて成形するダイ前積層方式を採用したが、溶融したポリカーボネート樹脂、MS樹脂およびメタクリル樹脂組成物(a)をマルチマニホールドダイにそれぞれ別々に流入させてリップ手前で3層構成に成形するダイ内積層方式を採用してもよいし、溶融したポリカーボネート樹脂、MS樹脂およびメタクリル樹脂組成物(a)をデュアルスロットダイにそれぞれ別々に流入させ、ダイ外で3層構成に成形するダイ外積層方式を採用してもよい。
また、ポリカーボネート樹脂層の他方の面に、メタクリル樹脂層(B)などの透明樹脂層を積層させた樹脂板を製造する場合には、その樹脂の数に応じて、押出機を増設し、所望する層構成となるようにフィードブロックを適宜選択するなどすればよい。
押出機1〜3、フィードブロック4およびT型ダイス5の温度設定は、ポリカーボネート樹脂を溶融混錬する押出機は200〜280℃、MS樹脂を溶融混錬する押出機は170〜270℃、メタクリル樹脂組成物(a)を溶融混錬する押出機は200〜270℃、フィードブロック4は240〜280℃、T型ダイス5は240〜280℃であるのが好ましい。
T型ダイス5のリップ間隔は、通常、Tダイスの幅方向に列設されているチョークバーボルトの開閉により調節することができ、樹脂板の厚みが後述する範囲内となるように、適宜調整すればよく、樹脂板10の厚みに対して、好ましくは1.01〜10倍、より好ましくは1.1〜5倍となるように調整するのがよい。リップ間隔は一端から他端にわたって均一にしてもよいが、幅方向にわたって分布を持たせてもよい。例えば、両端のリップ感覚を中央部のリップ間隔よりも狭くすると、ドローレゾナンス現象をより効果的に抑制することができる。
Tダイス5のリップ幅は、樹脂板10の幅方向の長さが後述する範囲内となるように、適宜調整すればよい。
<冷却ロール>
本発明では、第1冷却ロール7、第2冷却ロール8および第3冷却ロール9(以下、纏めて冷却ロールという場合がある)のうちの少なくとも一つは、外周部に金属製薄膜を備えた弾性ロール(以下、金属弾性ロールという場合がある。)であり、金属弾性ロール以外の冷却ロールとしては、例えば、金属ロールなどが挙げられる。例えば、冷却ロールがすべて金属ロールから構成される場合、冷却ロールに挟み込まれたフィルム状物には歪みが蓄積するため、得られる樹脂板は衝撃が加えられると割れやすくなるおそれがある。一方、冷却ロールのうち、少なくとも一の冷却ロールを金属弾性ロールとすることで、冷却ロールに挟み込まれたフィルム状物にかかる歪みの蓄積を抑制し、衝撃が加えられても割れにくく、表面硬度に優れた樹脂板10とすることができる。ロール構成は、特に限定されず、3つの冷却ロールのうちの1つが金属弾性ロールであるならば、2つないし3つ全部が金属弾性ロールであってもよい。とくに、第1冷却ロール7および第3冷却ロール9を外周部に金属弾性ロールとし、第2冷却ロール8を金属ロールとするロール構成であるのが好ましい。
金属弾性ロールは、例えば、略円柱状の回転自在に設けられた軸ロールと、この軸ロールの外周面を覆うように配置され、フィルム状物に接触する円筒形の金属製薄膜と、これら軸ロールおよび金属製薄膜の間に封入された流体とからなり、流体により金属弾性ロールは弾性を示す。
軸ロールは、特に限定されず、例えば、ステンレス鋼等からなる。
金属製薄膜は、例えば、ステンレス鋼などからなり、その厚みは2〜5mm程度であるのが好ましい。金属製薄膜は、屈曲性や可撓性等を有しているのが好ましく、溶接継ぎ部のないシームレス構造であるのが好ましい。このような金属製薄膜を備えた金属弾性ロールは、耐久性に優れると共に、金属製薄膜を鏡面化すれば通常の鏡面ロールと同様の取り扱いができ、金属製薄膜に模様や凹凸を付与すればその形状を転写できるロールになるので、使い勝手がよい。
金属ロールとしては、高剛性であれば特に限定されず、例えば、ドリルドロール、スパイラルロール等が挙げられる。金属ロールの表面状態は、特に限定されず、例えば、鏡面であってもよく、模様や凹凸等があってもよい。
冷却ロールの大きさは、通常、外径が200〜1000mm程度であるのが好ましい。
冷却ロールの表面温度(Tr)は、フィルム状物6のガラス転移温度(Th)に対して、(Th−20℃)≦Tr≦(Th+20℃)、好ましくは(Th−15℃)≦Tr≦(Th+10℃)、より好ましくは(Th−10℃)≦Tr≦(Th+5℃)の範囲とすることが望ましい。表面温度(Tr)が(Th−20℃)よりも低いと、フィルム状物が急激に冷却されることで樹脂板10に歪みが残りやすくなるおそれがあり、表面温度(Tr)が(Th+20℃)よりも高いと、フィルム状物6の冷却が不十分となり、フィルム状物6が冷却ロールに密着し巻き取られることがある。
なお、フィルム状物のガラス転移温度(Th)としては、ポリカーボネート樹脂、MS樹脂およびメタクリル樹脂のうち、ガラス転移温度(Th)が最も高い樹脂を基準とする。通常、該ガラス転移温度(Th)はポリカーボネート樹脂を基準とし、100〜180℃程度である。ポリカーボネート樹脂、MS樹脂およびメタクリル樹脂のガラス転移温度(Th)は、ASTM D−648に準拠して測定される温度である。
本実施形態では、冷却ロールの配置は横配列型配置を採用したが、縦配列型配置でも、傾斜配列型配置であってもよい。
樹脂板10は、第3冷却ロール9に巻き掛けられた後、引取りロールで引取られて巻き取られる。
引取りロールの引取速度は、特に限定されず、好ましくは0.5〜6m/秒、さらに好ましくは1〜5m/秒、とくに好ましくは2〜4m/秒である。
このようにして、ポリカーボネート樹脂層の一方の面に、MS樹脂層と、メタクリル樹脂層(A)とがこの順で積層された、表面硬度、耐衝撃性および吸水反り変形抑制に優れる樹脂板10が得られる。
樹脂板10の厚みは、通常0.3〜3mm、好ましくは0.4〜3mm、さらに好ましくは0.5〜2mmである。
本発明では、メタクリル樹脂層(A)の厚さが60μm以下であることが重要であり、好ましくは10〜50μmであり、より好ましくは10〜40μmであり、特に好ましくは10〜28μmである。メタクリル樹脂層(A)の厚さが60μm以下であれば、樹脂板の吸水反り変形に対してほとんど影響を与えず、得られる樹脂板に表面硬度および耐衝撃性を付与することができる。
MS樹脂層の厚みは、通常30〜90μmであり、好ましくは40〜80μmである。これにより、得られる樹脂板の吸水反り変形をより抑制することができる。
また、ポリカーボネート樹脂層の他方の面に、メタクリル樹脂層(B)を積層した樹脂板とする場合、メタクリル樹脂層(B)の厚みは、通常10〜50μmであり、好ましくは10〜30μmである。これにより、樹脂板を樹脂基板とする耐擦傷性樹脂板において、十分な耐衝撃性を得ることができる。係る場合、メタクリル樹脂層(A)とメタクリル樹脂層(B)の厚さの比(A/B)は、0.5〜5、好ましくは1〜3であるのがよい。
なお、上記厚さは、実施例に記載の評価方法と同様にして測定することができる。
また、メタクリル樹脂層(A)の厚さを60μm以下とするには、例えば、各層の樹脂を溶融混練する各押出機からの吐出量の比が、所望する樹脂板の層比と等しくなるようにして押出し、冷却ロールの回転速度を調整すればよい。
樹脂板10の幅方向の長さは、100〜1800mmであることが好ましく、300〜1600mmであることがより好ましく、500〜1400mmであることがさらに好ましい。幅方向の長さが1800mmを超えると、ロールの材料的な強度および加工精度が低くなる為、ロールギャップが均一に維持できない為に流れ方向の厚み精度が低下してしまうと共に、Tダイスのスリット状リップの材料的強度、加工精度が低くなり易く、リップ間隔の調整が困難になる為、樹脂板10の幅方向の厚み精度も低くなり易い。一方、幅方向の長さが100mm未満であると、生産効率が低い。
<耐擦傷性樹脂板>
本発明の耐擦傷性樹脂板は、上記のようにして得られた樹脂板10や、ポリカーボネート樹脂層の一方の面に、メチルメタクリレート−スチレン共重合体樹脂層と、メタクリル樹脂層(A)とが、この順に積層され、ポリカーボネート樹脂層の他方の面に、メタクリル樹脂層(B)などの透明樹脂層が積層されてなる樹脂板の少なくとも一方の面に硬化被膜を備えたものである。以下、ポリカーボネート樹脂層の他方の面に、透明樹脂層を積層した樹脂板を用いる場合は、透明樹脂板として、メタクリル樹脂層(B)のみからなる単層構成のもの、またはMS樹脂層とメタクリル樹脂層(B)とからなる2層構成のものを例示する。
耐擦傷性樹脂板の層構成としては、下記(i)〜(ix)が挙げられる。
(i)硬化被膜/メタクリル樹脂層(A)/MS樹脂層/ポリカーボネート樹脂層
(ii)メタクリル樹脂層(A)/MS樹脂層/ポリカーボネート樹脂層/硬化被膜
(iii)硬化被膜/メタクリル樹脂層(A)/MS樹脂層/ポリカーボネート樹脂層/硬化被膜
(iv)硬化被膜/メタクリル樹脂層(A)/MS樹脂層/ポリカーボネート樹脂層/メタクリル樹脂層(B)
(v)メタクリル樹脂層(A)/MS樹脂層/ポリカーボネート樹脂層/メタクリル樹脂層(B)/硬化被膜
(vi)硬化被膜/メタクリル樹脂層(A)/MS樹脂層/ポリカーボネート樹脂層/メタクリル樹脂層(B)/硬化被膜
(vii)硬化被膜/メタクリル樹脂層(A)/MS樹脂層/ポリカーボネート樹脂層/MS樹脂層/メタクリル樹脂層(B)
(viii)メタクリル樹脂層(A)/MS樹脂層/ポリカーボネート樹脂層/MS樹脂層/メタクリル樹脂層(B)/硬化被膜
(ix)硬化被膜/メタクリル樹脂層(A)/MS樹脂層/ポリカーボネート樹脂層/MS樹脂層/メタクリル樹脂層(B)/硬化被膜
なかでも、耐擦傷性樹脂板をディスプレイ用保護板や携帯型情報端末の表示窓用保護板、タッチパネル用保護板などとして用いる場合には、視認者側に高い表面硬度が要求されるため、表面硬度の観点から、上記(i)、(iii)、(iv)、(vi)、(vii)または(ix)に示す層構成の耐擦傷性樹脂板とするのが好ましい。
なお、上記(iii)、(vi)または(ix)に示す層構成の耐擦傷性樹脂板における硬化被膜は、その組成や厚みは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
<硬化被膜>
硬化被膜は、硬化性塗料組成物を硬化させて形成される。硬化性塗料組成物は、耐擦傷性をもたらす硬化性化合物を必須成分とし、必要に応じて、例えば、硬化触媒、導電性粒子、溶媒、レベリング剤、安定化剤、酸化防止剤、着色剤などを含有するものである。
硬化性化合物としては、例えば、多官能アクリレート化合物などのアクリレート化合物;多官能ウレタンアクリレート化合物などのウレタンアクリレート化合物;多官能エポキシアクリレート化合物などのエポキシアクリレート化合物;カルボキシル基変性エポキシアクリレート化合物、ポリエステルアクリレート化合物、共重合系アクリレート化合物、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルエーテルエポキシ樹脂、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物、アルコキシシランやアルキルアルコキシシランなどのアルコキシシラン化合物などが挙げられ、なかでも、硬化被膜の耐擦傷性の観点から、多官能アクリレート化合物、多官能ウレタンアクリレート化合物、多官能エポキシアクリレート化合物などのラジカル重合系の硬化性化合物;アルコキシシラン、アルキルアルコキシシランなどの熱重合系の硬化性化合物などが好ましく用いられる。
これらの硬化性化合物は、例えば、電子線、放射線、紫外線などのエネルギー線を照射することにより硬化するものであるか、加熱により硬化するものであるのがよい。これらの硬化性化合物は、それぞれ単独で用いてもよいし、複数の化合物を組み合わせて用いてもよい。
特に好ましい硬化性化合物は、分子中に少なくとも3個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物である。
ここで、(メタ)アクリロイルオキシ基とは、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基をいい、その他、本明細書において、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸などというときの「(メタ)」も同様の意味である。
分子中に少なくとも3個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタグリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ−またはテトラ−(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ−、テトラ−、ペンタ−またはヘキサ−(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールテトラ−、ペンタ−、ヘキサ−またはヘプタ−(メタ)アクリレートなどの3価以上の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート;分子中にイソシアナト基を少なくとも2個有する化合物に、水酸基を有する(メタ)アクリレートを、イソシアナト基に対して水酸基が等モル以上となる割合で反応させて得られ、分子中の(メタ)アクリロイルオキシ基の数が3個以上であるウレタン(メタ)アクリレート〔例えば、ジイソシアネートとペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートの反応により、6官能のウレタン(メタ)アクリレートが得られる〕;トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸のトリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。なお、ここには単量体を例示したが、これら単量体のままで用いてもよいし、例えば、2量体、3量体などのオリゴマーの形になったものを用いてもよい。また、単量体とオリゴマーを併用してもよい。これらの(メタ)アクリレート化合物は、それぞれ単独か、または2種以上を混合して用いられる。
分子中に少なくとも3個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物は、市販のものを用いることができ、その具体例としては、いずれも新中村化学工業(株)製の“NKハ−ド M101”(ウレタンアクリレート系)、“NKエステル A−TMM−3L”(ペンタエリスリトールトリアクリレート)、“NKエステル A−TMMT”(ペンタエリスリトールテトラアクリレート)、“NKエステル A−9530”(ジペンタエリスリトールペンタアクリレート)および“NKエステル A−DPH”(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)、日本化薬(株)製の“KAYARAD DPCA”(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)、サンノプコ(株)製の“ノプコキュア 200”シリーズ、大日本インキ化学工業(株)製の“ユニディック”シリーズなどが挙げられる。
硬化性化合物として分子中に少なくとも3個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物を用いる場合には、必要に応じて、他の硬化性化合物、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどの、分子中に2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物を併用してもよい。
他の硬化性化合物の使用量は、分子中に少なくとも3個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物100重量部に対して、通常20重量部までである。
硬化性塗料組成物を紫外線で硬化させる場合には、硬化触媒として光重合開始剤を使用するのがよい。
光重合開始剤としては、例えば、ベンジル、ベンゾフェノンやその誘導体、チオキサントン類、ベンジルジメチルケタール類、α−ヒドロキシアルキルフェノン類、ヒドロキシケトン類、アミノアルキルフェノン類、アシルホスフィンオキサイド類などが挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。
光重合開始剤の使用量は、硬化性化合物100重量部に対して、通常0.1〜5重量部である。
光重合開始剤は、市販のものを用いることができ、その具体例としては、いずれもチバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製の“IRGACURE 651”、“IRGACURE 184”、“IRGACURE 500”、“IRGACURE 1000”、“IRGACURE 2959”、“DAROCUR 1173”、“IRGACURE 907”、“IRGACURE 369”、“IRGACURE 1700”、“IRGACURE 1800”、“IRGACURE 819”、“IRGACURE 784”などの、IRGACURE(イルガキュア)シリーズおよびDAROCUR(ダロキュア)シリーズ、いずれも日本化薬(株)製の“KAYACURE ITX”、“KAYACURE DETX−S”、“KAYACURE BP−100”、“KAYACUREBMS”、“KAYACURE 2−EAQ”などの、KAYACURE(カヤキュア)シリーズなどが挙げられる。
硬化性塗料組成物は導電性粒子を含有してもよい。これにより、硬化被膜に帯電防止性を付与することができる。
導電性粒子としては、例えば、アンチモン−スズ複合酸化物、リンを含有する酸化錫、5酸化アンチモンなどの酸化アンチモン;アンチモン−亜鉛複合酸化物、酸化チタン、インジウム−錫複合酸化物(ITO)などの無機粒子が好ましく用いられる。
導電性粒子は、固形分濃度が10〜30重量%程度のゾルの形態で使用することもできる。
導電性粒子の粒子径は、通常0.5μm以下であり、硬化被膜の帯電防止性や透明性の観点からは、平均粒子径で表して、好ましくは0.001μm以上であり、また好ましくは0.1μm以下、より好ましくは0.05μm以下である。導電性粒子の平均粒子径が小さい程、耐擦傷性樹脂板のヘイズを低くすることができ、透明性を高めることができる。
導電性粒子の使用量は、硬化性化合物100重量部に対して、通常2〜50重量部、好ましくは3〜20重量部である。導電性粒子の使用量が多い程、硬化被膜の帯電防止性が向上する傾向にあるが、導電性粒子の使用量があまり多いと、硬化被膜の透明性が低下するので好ましくない。
導電性粒子の製造方法は、特に限定されず、例えば、気相分解法、プラズマ蒸発法、アルコキシド分解法、共沈法、水熱法などが挙げられる。
また、導電性粒子の表面は、例えば、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、シリコン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤などで表面処理されていてもよい。
硬化性塗料組成物には、その粘度調整などを目的として、溶媒を含有させるのがよく、特に導電性粒子が含まれる場合には、その分散のために溶媒を含有させるのがよい。
導電粒子および溶媒を含有する硬化性塗料組成物を調製する場合には、例えば、導電性粒子および溶媒を混合して、溶媒に導電性粒子を分散させた後、この分散液を硬化性化合物と混合してもよいし、硬化性化合物と溶媒を混合した後、この混合液に導電性粒子を分散させてもよい。
溶媒は、硬化性化合物を溶解することができ、かつ塗布後に容易に揮発し得るものであるのがよく、また硬化性塗料組成物に導電性粒子が含まれる場合には、それを分散させることができるものであるのがよい。
このような溶媒としては、例えば、ジアセトンアルコール、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノールなどのアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジアセトンアルコールなどのケトン類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;水などが挙げられる。
溶媒の使用量は、硬化性化合物の性状などに合わせて、適宜調整すればよい。
硬化性塗料組成物にはレベリング剤を含有させてもよい。
レベリング剤としては、シリコーンオイルが好ましく用いられ、その具体例としては、ジメチルシリコーンオイル、フェニルメチルシリコーンオイル、アルキル・アラルキル変性シリコーンオイル、フルオロシリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、脂肪酸エステル変性シリコーンオイル、メチル水素シリコーンオイル、シラノール基含有シリコーンオイル、アルコキシ基含有シリコーンオイル、フェノール基含有シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、カルボン酸変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイルなどが挙げられる。
これらのレベリング剤は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種類以上混合して用いることもできる。レベリング剤の使用量は、硬化性化合物100重量部に対して、通常0.01〜5重量部である。
レベリング剤は、市販のものを用いることができ、その具体例としては、いずれも東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製の“SH200−100cs”、“SH28PA”、“SH29PA”、“SH30PA”、“ST83PA”、“ST80PA”、“ST97PA”および“ST86PA”、いずれもビック・ケミー・ジャパン(株)製の“BYK−302”、“BYK−307”、“BYK−320”および“BYK−330” などが挙げられる。
こうして得られる硬化性塗料組成物を、樹脂板10の少なくとも一方の面に塗布して、硬化性塗膜とし、次いで硬化させて、硬化被膜とすることにより、耐擦傷性樹脂板が得られる。
硬化性塗料の塗布方法としては、例えば、バーコート法、マイクログラビアコート法、ロールコート法、フローコート法、ディップコート法、スピンコート法、ダイコート法、スプレーコート法などが挙げられる。
硬化性塗膜を硬化させるには、硬化性塗料組成物の種類に応じて、エネルギー線の照射や加熱などにより行えばよい。
エネルギー線の照射により硬化性塗膜を硬化させる場合のエネルギー線としては、例えば、紫外線、電子線、放射線などが挙げられ、その強度や照射時間などの条件は、硬化性塗料組成物の種類に応じて適宜選択される。
また、加熱により硬化性塗膜を硬化させる場合において、その温度や時間などの条件は、硬化性塗料組成物の種類に応じて適宜選択される。加熱温度は、樹脂基板が変形を起こさないよう、一般的には100℃以下であるのが好ましい。硬化性塗料組成物が溶媒を含有する場合には、塗布後、溶媒を揮発させた後に硬化性塗膜を硬化させてもよいし、溶媒の揮発と硬化性塗膜の硬化とを同時に行ってもよい。
硬化被膜の厚みは、好ましくは0.5〜50μmであり、より好ましくは1〜20μmである。硬化被膜の厚みが小さい程、亀裂が生じ難くなる傾向にあるが、あまり小さいと、耐擦傷性が不十分になり好ましくない。
得られた耐擦傷性樹脂板には、必要に応じて、その表面に、コート法、スパッタ法、真空蒸着法などにより反射防止処理を施してもよい。また、別途作製した反射防止性のシートを耐擦傷性樹脂板の片面または両面に貼合して、反射防止効果を付与してもよい。
かくして得られる耐擦傷性樹脂板は、耐衝撃性と表面硬度に優れるため、例えば、テレビ、コンピューターなどのディスプレイ;携帯電話、PHS(Personal Handy-phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)などの携帯型情報端末の表示窓;デジタルカメラ、ハンディ型ビデオカメラなどのファインダー部;携帯型ゲーム機の表示窓;自動車などのセンターコンソール、メーターパネルなどの保護板;カーナビゲーションシステム、携帯型情報端末の表示窓、銀行のATM(Automated Teller Machine)、産業機械等の操作パネル、テレビのディスプレイ、コンピューターのディスプレイ、携帯型ゲーム機などのタッチパネルなどの保護板として用いることができ、中でもディスプレイ用保護板、携帯型情報端末の表示窓用保護板、タッチパネル用保護板として好適に用いられる。
なお、ディスプレイとしては、例えば、ブラウン管(CRT)ディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、エレクトロ・ルミネッセンス(EL)ディスプレイなどが挙げられる。
ディスプレイ用保護板を作製するには、必要に応じて印刷、穴あけなどの加工を耐擦傷性樹脂板に行い、必要な大きさに切断処理すればよい。しかるのちに、ディスプレイにセットすれば、ディスプレイを効果的に保護することができる。その際、メタクリル樹脂層(A)が表側(視認者側)になるように設置するのがよい。
また、携帯型情報端末の表示窓用保護板も、同様にして作製することができる。その際、メタクリル樹脂層(A)が表側(視認者側)になるように設置するのがよい。
また、タッチパネル用保護板も、同様にして作製することができる。その際、メタクリル樹脂層(A)が表側(視認者側)になるように設置するのがよい。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。例中、含有量ないし使用量を表す%及び部は、特記ないかぎり重量基準である。
樹脂板の耐衝撃性、表面硬度および吸水反り量、並びに耐擦傷性樹脂板の密着性の評価は、下記条件で行った。
<樹脂板の耐衝撃性(落球強度)>
樹脂板を85mm×65mmの大きさに切断し、メタクリル樹脂層を上側(落球側)として、上側には外形85mm×65mm、内形47mm×35mm、厚さ1mmの金属製型枠を配置し、下側には外形85mm×65mm、内形47mm×35mm、厚さ2mmの金属製型枠を配置して、これら金属製型枠で該樹脂板を挟み、重量36gで直径20mmφの金属球を、該樹脂板の中央に50cmの高さから落下させた。
樹脂板が割れなかったものを「○」、樹脂板が割れたものを「×」として評価した。
<樹脂板の表面硬度(鉛筆硬度)>
JIS K5600に従い、得られた樹脂板のメタクリル樹脂層面について測定した。比較例2で得られた樹脂板は、MS樹脂層面について測定した。
<樹脂板の吸水反り量>
樹脂板を押出方向に200mm、押出方向と直交する方向に200mmの大きさに切断して試験片とした。試験片を吊るした状態で、温度を80℃とした恒温水槽に浸漬し、1時間保持した。その後、試験片を取り出して水分を拭き取り、吊るした状態で25℃雰囲気下で4時間保持した。その後、凸状に反っている面を接地面として、試験片を定盤の上に載置し、試験片を載置した定盤面からの試験片の4隅の浮き上がり量を位置センサで測定して平均値を算出し、当該平均値と、試験片を恒温水槽へ浸漬する前に同様に測定して算出した平均値との差を吸水反り量とした。
<耐擦傷性樹脂板の硬化被膜の密着性>
耐擦傷性樹脂板の硬化被覆層表面にカッターによって2mm×2mmのクロスハッチを100個入れ、その上にセロハンテープ(ニチバン(株)製)を貼り付けした後、該セロハンテープを剥がした。セロハンテープを貼り付けした後、該セロハンテープを剥がす操作をさらに2回繰り返し、全部で3回繰り返した後の硬化被膜が基板から剥がれた升目の数を計測し、剥がれた升目がなかったものを「○」、剥がれた升目があったものを「×」とした。
<樹脂板を構成する各樹脂層の厚みの測定>
得られた樹脂板における各樹脂層の厚みは、押出方向に対して垂直(幅方向)に樹脂板を切断し、断面をサンドペーパーを用いて研磨した後、目盛り付きの光学顕微鏡で断面を観察することによって測定した。
以下の実施例および比較例では、以下に示すポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂およびMS樹脂を使用した。
<ポリカーボネート樹脂>
ポリカーボネート樹脂として、住友ダウ(株)製の「カリバー 301−10」を用いた。
<メタクリル樹脂>
メタクリル樹脂として、メタクリル酸メチル97.8%とアクリル酸メチル2.2%とからなる単量体のバルク重合により得られた熱可塑性重合体(ガラス転移温度104℃)のペレットを用いた。なお、このガラス転移温度は、JIS K7121:1987に従い、示差走査熱量測定により加熱速度10℃/分で求めた補外ガラス転移開始温度である。
<MS樹脂>
MS樹脂として、新日鐵化学(株)製の「エスチレン(登録商標) MS−600」を用いた。このMS樹脂は、単量体単位としてメタクリル酸メチルを60重量%、およびスチレンを40重量%の割合で含む。
以下の実施例および比較例で使用した押出装置における冷却ロールの構成は、以下のとおりである。また、第1冷却ロール、第2冷却ロールおよび第3冷却ロールは、図1に示すように横配列で配置した。
第1冷却ロール:金属弾性ロール(表面温度:100℃)
第2冷却ロール:金属ロール (表面温度:125℃)
第3冷却ロール:金属弾性ロール(表面温度:110℃)
金属弾性ロールは、ステンレス鋼からなる軸ロールの外周部を覆うように、片面が鏡面化された厚さ2mmのステンレス鋼製薄膜を鏡面仕上げ面がロール外面になる様に配置し、軸ロールと金属性薄膜との間に熱媒油からなる流体を封入した、外径が250mmである金属弾性ロールであり、金属ロールは、表面を鏡面仕上げしたステンレス鋼からなり、外径250mmであるスパイラルロール金属ロールである。
なお、冷却ロールの表面温度は、いずれもロールの表面を実測した値である。
<実施例1>
(樹脂板の作製)
メタクリル樹脂を45mmφ一軸押出機〔日立造船(株)製〕、MS樹脂を45mmφ一軸押出機〔日立造船(株)製〕、ポリカーボネート樹脂を65mmφ一軸押出機〔東芝機械(株)〕で溶融させ、メタクリル樹脂層/MS樹脂層/ポリカーボネート樹脂層の層構成となるようにフィードブロック〔日立造船(株)製〕を介して積層し、リップ幅1400mm、リップ間隔1mmのT型ダイス〔日立造船(株)製〕から押し出した。
次いで、T型ダイから押出したフィルム状の溶融樹脂を、対向配置した第1冷却ロールと第2冷却ロールとの間に挟み込み、次いで第3冷却ロールに巻き掛けて、成形・冷却し、メタクリル樹脂層/MS樹脂層/ポリカーボネート樹脂層の3層構成であり、各層の厚さが表1に示す厚さである樹脂板を得た。なお、表1に示す各層の厚さとなるように押出機からの吐出量と冷却ロールの回転速度を調整した。
<比較例1>
(樹脂板の作製)
メタクリル樹脂層、MS樹脂層およびポリカーボネート樹脂層の厚さを、それぞれ表1に示す厚さとする以外は実施例1と同様の方法により、メタクリル樹脂層/MS樹脂層/ポリカーボネート樹脂層の層構成である樹脂板を得た。なお、表1に示す各層の厚さとなるように押出機からの吐出量と冷却ロールの回転速度を調整した。
<比較例2>
(樹脂板の作製)
MS樹脂を45mmφ一軸押出機〔日立造船(株)製〕、ポリカーボネート樹脂を65mmφ一軸押出機〔東芝機械(株)〕で溶融させ、MS樹脂層/ポリカーボネート樹脂層の層構成となるようにフィードブロック〔日立造船(株)製〕を介して積層し、リップ幅1400mm、リップ間隔1mmのT型ダイス〔日立造船(株)製〕から押し出した。
次いで、T型ダイから押出したフィルム状の溶融樹脂を、対向配置した第1冷却ロールと第2冷却ロールとの間に挟み込み、次いで第3冷却ロールに巻き掛けて、成形・冷却し、MS樹脂層/ポリカーボネート樹脂層の2層構成であり、各層の厚さが表1に示す厚さである樹脂板を得た。なお、表1に示す各層の厚さとなるように押出機からの吐出量と冷却ロールの回転速度を調整した。
<比較例3>
(樹脂板の作製)
メタクリル樹脂を45mmφ一軸押出機〔日立造船(株)製〕、ポリカーボネート樹脂を65mmφ一軸押出機〔東芝機械(株)製〕で溶融させ、メタクリル樹脂層/ポリカーボネート樹脂層の層構成となるようにフィードブロック〔日立造船(株)製〕を介して積層し、リップ幅1400mm、リップ間隔1mmのT型ダイス〔日立造船(株)製〕から押し出した。
次いで、T型ダイから押出したフィルム状の溶融樹脂を、対向配置した第1冷却ロールと第2冷却ロールとの間に挟み込み、次いで第3冷却ロールに巻き掛けて、成形・冷却し、メタクリル樹脂層/ポリカーボネート樹脂層の2層構成であり、各層の厚さが表1に示す厚さである樹脂板を得た。なお、表1に示す各層の厚さとなるように押出機からの吐出量と冷却ロールの回転速度を調整した。
実施例1、比較例1〜3で得られた樹脂板の耐衝撃性、表面硬度および吸水反り量の評価をし、その結果を表1に示した。
<実施例1、比較例1〜3>
(硬化性塗料の調製)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート〔新中村化学工業(株)製の“NKエステル A−DPH”〕25部、光重合開始剤〔チバスペシャリティーケミカルズ(株)製の“IRGACURE 184”〕2部、5酸化アンチモン微粒子ゾル〔触媒化成工業(株)製の“ELCOM V−4514”;固形分濃度20%〕10部、1−メトキシ−2−プロパノール24部、イソブチルアルコール24部、及びジアセトンアルコール15部を混合して硬化性塗料を調製した。
(耐擦傷性樹脂板の製造)
実施例1、比較例1〜3で得られた各樹脂板を100mm×80mmの大きさに切断し、ディッピング法にて両面に硬化性塗料の塗膜を形成した。次いで、室温で1分間乾燥し、さらに50℃の熱風オーブン内で3分間乾燥して溶媒を揮発させた後、この塗膜に、120Wの高圧水銀ランプを用いて、0.5J/cm2の紫外線を照射して硬化させ、両面に厚さが3.5μmの硬化被膜が形成された各耐擦傷性樹脂板を得た。
得られた各耐擦傷性樹脂板の硬化被膜の接着性を評価し、その結果を表1に示した。
Figure 0005950532
1、2、3 押出機
4 フィードブロック
5 T型ダイス
6 フィルム状物
7 第1冷却ロール
8 第2冷却ロール
9 第3冷却ロール
10 樹脂板

Claims (8)

  1. ポリカーボネート樹脂層の一方の面に、メチルメタクリレート−スチレン共重合体樹脂層と、メタクリル樹脂層とが、この順に積層されてなる樹脂板であって、
    メチルメタクリレート−スチレン共重合体樹脂層が、メチルメタクリレート単位を70重量%未満およびスチレン単位を30重量%以上含むメチルメタクリレート−スチレン共重合体樹脂で形成されており、
    メタクリル樹脂層が、メタクリル酸メチル単位を80重量%以上含むメタクリル酸メチル樹脂で形成され、
    メタクリル樹脂層の厚さが10〜40μmであることを特徴とする樹脂板。
  2. ポリカーボネート樹脂層の一方の面に、メチルメタクリレート−スチレン共重合体樹脂層と、メタクリル樹脂層とが、この順に積層されてなる樹脂板であって、
    メチルメタクリレート−スチレン共重合体樹脂層が、メチルメタクリレート単位を70重量%未満およびスチレン単位を30重量%以上含むメチルメタクリレート−スチレン共重合体樹脂で形成されており、
    メタクリル樹脂層の厚さが10〜40μmであり、
    メタクリル樹脂層が、下記の(i)または(ii)に示すメタクリル樹脂で形成されていることを特徴とする樹脂板。
    (i)メタクリル酸メチル単独重合体。
    (ii)メタクリル酸メチル単位を80重量%以上含む共重合体であって、メタクリル酸メチルと、メタクリル酸メチル以外のメタクリル酸エステル類、アクリル酸エステル類、スチレン、ハロゲン化スチレン類、アルキルスチレン類、不飽和酸類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、無水マレイン酸、フェニルマレイミドおよびシクロヘキシルマレイミドからなる群より選択される少なくとも1種の単量体との共重合体。
  3. 請求項1または2に記載の樹脂板の少なくとも一方の面に硬化被膜を備える耐擦傷性樹脂板。
  4. 請求項3に記載の耐擦傷性樹脂板からなるディスプレイ用保護板。
  5. 請求項3に記載の耐擦傷性樹脂板からなるタッチパネル用保護板。
  6. 請求項3に記載の耐擦傷性樹脂板からなる携帯型情報端末の表示窓用保護板。
  7. ポリカーボネート樹脂層の一方の面に、メチルメタクリレート−スチレン共重合体樹脂層と、メタクリル樹脂層とが、この順に積層されてなるフィルム状物をダイから押出し、第1冷却ロールと第2冷却ロールとの間に挟み込み、第2冷却ロールに巻き掛けた後、第3冷却ロールに巻き掛けて、ポリカーボネート樹脂層の一方の面に、メチルメタクリレート−スチレン共重合体樹脂層と、メタクリル樹脂層とが、この順に積層され、メチルメタクリレート−スチレン共重合体樹脂層が、メチルメタクリレート単位を70重量%未満およびスチレン単位を30重量%以上含むメチルメタクリレート−スチレン共重合体樹脂で形成されており、メタクリル樹脂層が、メタクリル酸メチル単位を80重量%以上含むメタクリル酸メチル樹脂で形成されており、メタクリル樹脂層の厚さが10〜40μmである樹脂板を製造する方法であって、
    前記第1冷却ロール、前記第2冷却ロールおよび第3冷却ロールのうちの少なくとも一つは外周部に金属製薄膜を備えた弾性ロールであることを特徴とする樹脂板の製造方法。
  8. ポリカーボネート樹脂層の一方の面に、メチルメタクリレート−スチレン共重合体樹脂層と、メタクリル樹脂層とが、この順に積層されてなるフィルム状物をダイから押出し、第1冷却ロールと第2冷却ロールとの間に挟み込み、第2冷却ロールに巻き掛けた後、第3冷却ロールに巻き掛けて、ポリカーボネート樹脂層の一方の面に、メチルメタクリレート−スチレン共重合体樹脂層と、メタクリル樹脂層とが、この順に積層され、メタクリル樹脂層の厚さが10〜40μmであり、メタクリル樹脂層が、下記の(i)または(ii)に示すメタクリル樹脂で形成されている樹脂板を製造する方法であって、
    メチルメタクリレート−スチレン共重合体樹脂層が、メチルメタクリレート単位を70重量%未満およびスチレン単位を30重量%以上含むメチルメタクリレート−スチレン共重合体樹脂で形成されており、
    前記第1冷却ロール、前記第2冷却ロールおよび第3冷却ロールのうちの少なくとも一つは外周部に金属製薄膜を備えた弾性ロールであることを特徴とする樹脂板の製造方法。
    (i)メタクリル酸メチル単独重合体。
    (ii)メタクリル酸メチル単位を80重量%以上含む共重合体であって、メタクリル酸メチルと、メタクリル酸メチル以外のメタクリル酸エステル類、アクリル酸エステル類、スチレン、ハロゲン化スチレン類、アルキルスチレン類、不飽和酸類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、無水マレイン酸、フェニルマレイミドおよびシクロヘキシルマレイミドからなる群より選択される少なくとも1種の単量体との共重合体。
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