JP5146792B2 - 定着装置、及び、画像形成装置 - Google Patents

定着装置、及び、画像形成装置 Download PDF

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この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の画像形成装置と、そこに設置される定着装置と、に関するものである。
従来から、複写機、プリンタ等の画像形成装置において、複数のローラ部材に張架された定着ベルトを定着部材として用いる技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
このような定着ベルトを用いた装置は、定着部材としての定着ベルト(無端状ベルト)、定着ベルトを張架・支持する複数のローラ部材、複数のローラ部材のうち1つのローラ部材に内設されたヒータ、加圧ローラ(加圧部材)、等で構成されている。ヒータは、ローラ部材を介して定着ベルトを加熱する。そして、定着ベルトと加圧ローラとの間に形成されたニップ部に向けて搬送された記録媒体上のトナー像は、ニップ部にて熱と圧力とを受けて記録媒体上に定着される。
一方、特許文献2等には、ウォームアップ時間が短いオンデマンド方式の定着装置が開示されている。
オンデマンド方式の定着装置は、定着部材としての定着フィルム(エンドレスフィルム)、加圧ローラ(加圧部材)、セラミックヒータ等のヒータ、等で構成されている。ヒータは、定着フィルムの内部に設置され、定着フィルムを介して加圧ローラに当接してニップ部を形成するとともに、定着フィルムを加熱する。そして、ニップ部に向けて搬送された記録媒体上のトナー像は、ニップ部にて熱と圧力とを受けて記録媒体上に定着される。
上述した特許文献1等の定着装置は、定着ローラを用いた装置に比べて装置の高速化に適しているものの、ウォームアップ時間(プリント可能な温度に達するまでに要する時間である。)やファーストプリント時間(プリント要求を受けた後にプリント準備を経てプリント動作をおこない排紙が完了するまでの時間である。)の短縮化に限界があった。
これに対して、特許文献2等の定着装置は、低熱容量化によりウォームアップ時間やファーストプリント時間の短縮化が可能になるとともに、装置の小型化も可能になる。しかし、このような定着装置は、定着フィルムのニップ部のみが局所的に加熱されて、定着フィルムのその他の部分は充分に加熱されていなかった。そのため、定着フィルムの回転によりニップ部の入口側で定着フィルムが最も冷えた状態になってしまい、定着不良が発生しやすくなるという問題があった。このような問題は、装置を高速化した場合に、定着フィルムの回転が速くなってニップ部以外の位置での定着フィルムの放熱が多くなってしまうため、特に無視できない問題になっていた。
このような問題を解決するために、定着ベルト、定着フィルム等の無端状の定着部材の内周面に対向するようにパイプ状の金属熱伝導体からなる加熱部材を設置して、加熱部材を直接的又は間接的に加熱して定着部材の全体を充分かつ均一に加熱する方策が考えられる。
その場合、定着部材の加熱効率を向上させるために、パイプ状の加熱部材(金属熱伝導体)をできるだけ薄肉化する必要がある。しかし、薄肉パイプ状の加熱部材を切削加工で高精度に製造するには限界があって、切削加工が進むうちに加熱部材の剛性が低下して加工装置のチャッキングによる変形が生じたり、切削加工時に加熱部材に撓みが生じて均一な肉厚での加工ができなかったりする。
特に、ニップ部から送出される記録媒体の分離性を向上させるために、加熱部材におけるニップ部に対応する位置を平面状又は凹状に形成する場合には、切削加工で高精度に製造するには限界があるとともに、2次的な後工程も必要になって製造コストが増加してしまう。すなわち、切削加工によって加熱部材を薄肉パイプ状に形成した後に、ニップ部を所望の形状にするための2次的な切削加工をおこなう必要があって、加熱部材の薄肉化が進むほど、高精度かつ安価な加工が難しくなる。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、製造コストが比較的安価であって、定着部材の加熱効率が高くてウォームアップ時間やファーストプリント時間が短く、装置を高速化した場合であっても定着不良等の不具合が生じない、定着装置、及び、画像形成装置を提供することにある。
この発明の請求項1記載の発明にかかる定着装置は、所定方向に走行してトナー像を加熱して溶融するとともに、可撓性を有する無端状の定着部材と、前記定着部材の内周面に対向するように固設されて当該定着部材を加熱する加熱部材と、前記定着部材に圧接して記録媒体が搬送されるニップ部を形成する加圧部材と、前記定着部材の内周面側に固設されて当該定着部材を介して前記加圧部材に当接してニップ部を形成する当接部材と、前記当接部材と前記定着部材との間に配設されるとともに、潤滑剤を保持した潤滑剤保持部材と、を備え、前記定着部材と前記加熱部材との隙間に前記潤滑剤保持部材によって供給された潤滑剤の循環経路を形成し、前記循環経路は、前記隙間が前記ニップ部の入口側において当該ニップ部に向けて漸減するように形成されたものである。
また、請求項2記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項1に記載の発明において、前記循環経路は、前記ニップ部の入口側から上流側に10mm以上の範囲で角度が2度以下になるように楔状に形成されたものである。
また、請求項3記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記当接部材は、前記加熱部材とは別に備えられ、前記加熱部材は、前記ニップ部を除く位置で前記定着部材の内周面に対向するように形成されたものである。
また、請求項4記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項1〜請求項3のいずれかに記載の発明において、前記加熱部材は、金属板を曲げ加工して形成されたものである。
また、請求項5記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項1〜請求項4のいずれかに記載の発明において、前記潤滑剤保持部材は、多孔質状に形成されたものである。
また、請求項6記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項5に記載の発明において、前記潤滑剤保持部材は、フッ素繊維を編み込んだメッシュ状のシート部材であって、前記ニップ部で前記定着部材の内周面に当接するものである。
また、請求項7記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項6に記載の発明において、前記メッシュ状のシート部材は、その繊維方向の1つが前記定着部材の走行方向に沿うように配設されたものである。
また、請求項8記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項1〜請求項7のいずれかに記載の発明において、前記潤滑剤保持部材は、前記当接部材と一体化されたものである。
また、請求項9記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項1〜請求項8のいずれかに記載の発明において、前記加熱部材は、熱源の輻射熱によって加熱されるものである。
また、請求項10記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項1〜請求項8のいずれかに記載の発明において、前記加熱部材は、電磁誘導によって加熱されるものである。
また、請求項11記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項1〜請求項8のいずれかに記載の発明において、前記加熱部材は、抵抗発熱体の熱によって加熱されるものである。
また、請求項12記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項1〜請求項8のいずれかに記載の発明において、前記加熱部材を、抵抗発熱体としたものである。
また、請求項13記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項1〜請求項12のいずれかに記載の発明において、前記定着部材を、定着ベルト又は定着フィルムとしたものである。
また、請求項14記載の発明にかかる画像形成装置は、請求項1〜請求項13のいずれかに記載の定着装置を備えたものである。
本発明は、定着部材の内周面に対向して定着部材を加熱する加熱部材を、薄肉の金属板を曲げ加工して形成している。これにより、製造コストが比較的安価であって、定着部材の加熱効率が高くてウォームアップ時間やファーストプリント時間が短く、装置を高速化した場合であっても定着不良等の不具合が生じない、定着装置、及び、画像形成装置を提供することができる。


この発明の実施の形態1における画像形成装置を示す全体構成図である。 図1の画像形成装置に設置された定着装置を示す構成図である。 図2の定着装置を幅方向にみた図である。 加熱部材の製造工程を示す概略図である。 この発明の実施の形態2における定着装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態3における定着装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態4における定着装置に設置される加熱部材を示す斜視図である。 図7の加熱部材の加工前の金属板を示す平面図である。 この発明の実施の形態5における定着装置を示す構成図である。 図9の定着装置のニップ部の近傍を示す拡大図である。 潤滑剤保持部材を示す平面図である。 別の形態の定着装置を示す構成図である。
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
実施の形態1.
図1〜図4にて、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
まず、図1にて、画像形成装置全体の構成・動作について説明する。
図1に示すように、本実施の形態1における画像形成装置1は、タンデム型カラープリンタである。画像形成装置本体1の上方にあるボトル収容部101には、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した4つのトナーボトル102Y、102M、102C、102Kが着脱自在(交換自在)に設置されている。
ボトル収容部101の下方には中間転写ユニット85が配設されている。その中間転写ユニット85の中間転写ベルト78に対向するように、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部4Y、4M、4C、4Kが並設されている。
各作像部4Y、4M、4C、4Kには、それぞれ、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kが配設されている。また、各感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの周囲には、それぞれ、帯電部75、現像部76、クリーニング部77、除電部(不図示である。)等が配設されている。そして、各感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上で、作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程)がおこなわれて、各感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上に各色の画像が形成されることになる。
感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kは、不図示の駆動モータによって図1中の時計方向に回転駆動される。そして、帯電部75の位置で、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面が一様に帯電される(帯電工程である。)。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、露光部3から発せられたレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での露光走査によって各色に対応した静電潜像が形成される(露光工程である。)。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、現像装置76との対向位置に達して、この位置で静電潜像が現像されて、各色のトナー像が形成される(現像工程である。)。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、中間転写ベルト78及び第1転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上のトナー像が中間転写ベルト78上に転写される(1次転写工程である。)。このとき、感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上には、僅かながら未転写トナーが残存する。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、クリーニング部77との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上に残存した未転写トナーがクリーニング部77のクリーニングブレードによって機械的に回収される(クリーニング工程である。)。
最後に、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、不図示の除電部との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上の残留電位が除去される。
こうして、感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上でおこなわれる、一連の作像プロセスが終了する。
その後、現像工程を経て各感光体ドラム上に形成した各色のトナー像を、中間転写ベルト78上に重ねて転写する。こうして、中間転写ベルト78上にカラー画像が形成される。
ここで、中間転写ユニット85は、中間転写ベルト78、4つの1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79K、2次転写バックアップローラ82、クリーニングバックアップローラ83、テンションローラ84、中間転写クリーニング部80、等で構成される。中間転写ベルト78は、3つのローラ82〜84によって張架・支持されるとともに、1つのローラ82の回転駆動によって図1中の矢印方向に無端移動される。
4つの1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kは、それぞれ、中間転写ベルト78を感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kとの間に挟み込んで1次転写ニップを形成している。そして、1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kに、トナーの極性とは逆の転写バイアスが印加される。
そして、中間転写ベルト78は、矢印方向に走行して、各1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上の各色のトナー像が、中間転写ベルト78上に重ねて1次転写される。
その後、各色のトナー像が重ねて転写された中間転写ベルト78は、2次転写ローラ89との対向位置に達する。この位置では、2次転写バックアップローラ82が、2次転写ローラ89との間に中間転写ベルト78を挟み込んで2次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト78上に形成された4色のトナー像は、この2次転写ニップの位置に搬送された記録媒体P上に転写される。このとき、中間転写ベルト78には、記録媒体Pに転写されなかった未転写トナーが残存する。
その後、中間転写ベルト78は、中間転写クリーニング部80の位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト78上の未転写トナーが回収される。
こうして、中間転写ベルト78上でおこなわれる、一連の転写プロセスが終了する。
ここで、2次転写ニップの位置に搬送された記録媒体Pは、装置本体1の下方に配設された給紙部12から、給紙ローラ97やレジストローラ対98等を経由して搬送されたものである。
詳しくは、給紙部12には、転写紙等の記録媒体Pが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ97が図1中の反時計方向に回転駆動されると、一番上の記録媒体Pがレジストローラ対98のローラ間に向けて給送される。
レジストローラ対98に搬送された記録媒体Pは、回転駆動を停止したレジストローラ対98のローラニップの位置で一旦停止する。そして、中間転写ベルト78上のカラー画像にタイミングを合わせて、レジストローラ対98が回転駆動されて、記録媒体Pが2次転写ニップに向けて搬送される。こうして、記録媒体P上に、所望のカラー画像が転写される。
その後、2次転写ニップの位置でカラー画像が転写された記録媒体Pは、定着部20の位置に搬送される。そして、この位置で、定着ベルト21及び加圧ローラ31による熱と圧力とにより、表面に転写されたカラー画像が記録媒体P上に定着される。
その後、記録媒体Pは、排紙ローラ対99のローラ間を経て、装置外へと排出される。排紙ローラ対99によって装置外に排出された被転写Pは、出力画像として、スタック部100上に順次スタックされる。
こうして、画像形成装置における、一連の画像形成プロセスが完了する。
次に、図2〜図4にて、画像形成装置本体1に設置される定着装置20の構成・動作について詳述する。
図2は、定着装置20を示す構成図である。図3は、定着装置20を幅方向にみた図である。図4は、定着装置20に設置される加熱部材22の製造工程を示す概略図である。
図2に示すように、定着装置20は、定着部材としての定着ベルト21、加熱部材22、補強部材23、断熱部材27、熱源としてのヒータ25、加圧部材としての加圧ローラ31、温度センサ40、等で構成される。
ここで、定着部材としての定着ベルト21は、薄肉で可撓性を有する無端状ベルトであって、図2中の矢印方向(反時計方向)に回転(走行)する。定着ベルト21は、基材上に弾性層、離型層が順次積層されていて、その全体の厚さが1mm以下に設定されている。
定着ベルト21の基材は、層厚が30〜50μmであって、ニッケル、ステンレス等の金属材料やポリイミド等の樹脂材料で形成されている。
定着ベルト21の弾性層は、層厚が100〜300μmであって、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム、フッ素ゴム、等のゴム材料で形成されている。弾性層を設けることで、ニップ部における定着ベルト21表面の微小な凹凸が形成されなくなり、記録媒体P上のトナー像Tに均一に熱が伝わりユズ肌画像の発生が抑止される。
定着ベルト21の離型層は、層厚が10〜50μmであって、PFA(4フッ化エチレンバーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂)、PTFE(4フッ化エチレン樹脂)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、PES(ポリエーテルサルファイド)、等の材料で形成されている。離型層を設けることで、トナーT(トナー像)に対する離型性(剥離性)が担保される。
また、定着ベルト21の直径は15〜120mmになるように設定されている。なお、本実施の形態1では、定着ベルト21の直径が30mmに設定されている。
定着ベルト21の内部(内周面側)には、ヒータ25(熱源)、加熱部材22、補強部材23、断熱部材27、等が固設されている。定着ベルト21は、補強部材23によって補強された加熱部材22に押圧されて、加圧ローラ31との間にニップ部を形成する。
ここで、補強部材23と加熱部材22との間には、断熱部材27が設けられている。これにより、加熱部材22の熱が補強部材23側に移動して加熱部材22の加熱効率が低下する不具合が抑止される。なお、断熱部材27の材料としては、耐熱・高断熱性材料であって、ゴム、樹脂、フェルト、セラミックシート等を用いることができる。
加熱部材22は、定着ベルト21の内周面に対向するように固設されていて、定着ベルト21を介して加圧ローラ31に当接してニップ部を形成する。図3を参照して、加熱部材22は、その幅方向両端部が定着装置20の側板43に固定支持されている。
ここで、加熱部材22は、ニップ部に対応する位置が平面状になるように形成されている。すなわち、ニップ部における加熱部材22の対向面(加圧ローラ31に対向する面である。)が平面形状になるように形成している。これにより、ニップ部の形状が記録媒体Pの画像面に対して略平行になって、定着ベルト21と記録媒体Pとの密着性が高まるために定着性が向上する。さらに、ニップ部の出口側における定着ベルト21の曲率が大きくなるために、ニップ部から送出された記録媒体Pを定着ベルト21から容易に分離することができる。
なお、本実施の形態1では、加熱部材22の断面形状が略円形になるように形成したが、加熱部材22の断面形状が多角形になるように形成することもできるし、加熱部材22の周面にスリットを設けることもできる。
また、本実施の形態1では、ニップ部における加熱部材22の形状を平面状に形成したが、ニップ部における加熱部材22の形状を凹状に形成することもできる。すなわち、加熱部材22における、加圧ローラ31との対向面を、加圧ローラ31の曲率にならうように形成することもできる。その場合にも、記録媒体Pは加圧ローラ31の曲率にならうようにニップ部から送出されるために、定着工程後の記録媒体Pが定着ベルト21に吸着して分離しない不具合を抑止することができる。
ここで、本実施の形態1では、ニップ部における加熱部材11の強度を補強する補強部材23が、定着ベルト21の内周面側に固設されている。図3を参照して、補強部材23は、幅方向の長さが加熱部材22と同等になるように形成されていて、その幅方向両端部が定着装置20の側板43に固定支持されている。そして、補強部材23が加熱部材22及び定着ベルト21を介して加圧ローラ31に当接することで、ニップ部において加熱部材22が加圧ローラ31の加圧力を受けて大きく変形する不具合を抑止している。
すなわち、補強部材23を設けない場合には、加熱部材22は加圧ローラ31から加圧力を受けて撓んでしまう(加熱部材22の幅方向両端部にかかる加圧力によって幅方向中央部が大きく撓む。)。特に、定着ベルト21の加熱効率を向上させるために加熱部材22を薄肉化した場合には、その不具合が顕著になる。
ところが、本実施の形態1では、加熱部材22の変形を制限する位置に補強部材23が設置されているために、加熱部材22を薄肉化した場合であっても、加熱部材22の撓みを軽減することができる。これにより、加熱部材22が撓んで定着ベルト21の内周面が強くこすれる不具合や、加熱部材22が撓んで定着ベルト21の駆動トルクが増加する不具合等が抑止される。
なお、補強部材23は、上述した機能を満足するために、ステンレスや鉄等の機械的強度が高い金属材料で形成することが好ましい。さらには、加圧ローラ31による加圧方向に沿って横長の断面を有するように補強部材23を形成することで、断面係数が大きくなって補強部材23の機械的強度を高めることができる。
また、補強部材23における、ヒータ25に対向する面の一部又は全部に、断熱部材を設けたり、鏡面処理を施したりすることもできる。これにより、ヒータ25から補強部材23に向かう熱(補強部材23を加熱する熱)が加熱部材22の加熱に用いられることになるために、定着ベルト21(加熱部材22)の加熱効率がさらに向上することになる。
熱源としてのヒータ25は、ハロゲンヒータやカーボンヒータであって、その両端部が定着装置20の側板43に固定されている(図3を参照できる。)。そして、装置本体1の電源部により出力制御されたヒータ25の輻射熱によって、加熱部材22が加熱される。さらに、加熱部材22によって定着ベルト21が全体的に加熱されて、加熱された定着ベルト21の表面から記録媒体P上のトナー像Tに熱が加えられる。なお、ヒータ25の出力制御は、定着ベルト21表面に対向するサーミスタ等の温度センサ40によるベルト表面温度の検知結果に基いておこなわれる。また、このようなヒータ25の出力制御によって、定着ベルト21の温度(定着温度)を所望の温度に設定することができる。
図2を参照して、加熱部材22は、ニップ部の位置を含む定着ベルト21の内周面全域に対向するように固設されていて、ヒータ25の輻射熱により加熱されて定着ベルト21を加熱する(熱を伝える。)。加熱部材22の材料としては、アルミニウム、鉄、ステンレス等の金属熱伝導体(熱伝導性を有する金属である。)を用いることができる。
このように、本実施の形態1における定着装置20は、定着ベルト21の一部のみが局所的に加熱されることなく、加熱部材22によって定着ベルト21が周方向にわたってほぼ全体的に加熱されることになるために、装置を高速化した場合であっても定着ベルト21が充分に加熱されて定着不良の発生を抑止することができる。すなわち、比較的簡易な構成で効率よく定着ベルト21を加熱できるために、ウォームアップ時間やファーストプリント時間が短縮化されるとともに、装置の小型化が達成される。なお、本実施の形態1において特徴的な、加熱部材22の製造方法については、後で図4を用いて詳述する。
ここで、定着ベルト21と加熱部材22とのギャップδ(ニップ部を除く位置のギャップである。)は、0mmより大きく1mm以下とすることが好ましい(0mm<δ≦1mmである。)。これにより、加熱部材22と定着ベルト21とが摺接する面積が大きくなって定着ベルト21の磨耗が加速する不具合を抑止するとともに、加熱部材22と定着ベルト21とが離れ過ぎて定着ベルト21の加熱効率が低下する不具合を抑止することができる。さらに、加熱部材22が定着ベルト21に近設されることで、可撓性を有する定着ベルト21の円形姿勢がある程度維持されるため、定着ベルト21の変形による劣化・破損を軽減することができる。
また、加熱部材22と定着ベルト21とが摺接しても定着ベルト21の磨耗が軽減されるように、加熱部材22の摺接面を摩擦係数の低い材料で形成したり、双方の部材21、22の間にシリコーンオイルやフッ素グリス等の潤滑剤を塗布したりすることもできる。
図2を参照して、加圧部材としての加圧ローラ31は、直径が30mmであって、中空構造の芯金32上に弾性層33を形成したものである。加圧ローラ31の弾性層33は、発泡性シリコーンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の材料で形成されている。なお、弾性層33の表層にPFA、PTFE等からなる薄肉の離型層を設けることもできる。加圧ローラ31は定着ベルト21に圧接して、双方の部材間に所望のニップ部を形成する。また、図3を参照して、加圧ローラ31には不図示の駆動機構の駆動ギアに噛合するギア45が設置されていて、加圧ローラ31は図2中の矢印方向(時計方向)に回転駆動される。また、加圧ローラ31は、その幅方向両端部が定着装置20の側板43に軸受42を介して回転自在に支持されている。なお、加圧ローラ31の内部に、ハロゲンヒータ等の熱源を設けることもできる。
なお、加圧ローラ31の弾性層33を発泡性シリコーンゴム等のスポンジ状の材料で形成した場合には、ニップ部に作用する加圧力を減ずることができるために、加熱部材22に生じる撓みをさらに軽減することができる。さらに、加圧ローラ31の断熱性が高められて、定着ベルト21の熱が加圧ローラ31側に移動しにくくなるために、定着ベルト21の加熱効率が向上する。
また、本実施の形態1では、定着ベルト21の直径が加圧ローラ31の直径と同等になるように形成したが、定着ベルト21の直径が加圧ローラ31の直径よりも小さくなるように形成することもできる。その場合、ニップ部における定着ベルト21の曲率が加圧ローラ31の曲率よりも小さくなるために、ニップ部から送出される記録媒体Pが定着ベルト21から分離され易くなる。
以下、上述のように構成された定着装置20の動作について簡単に説明する。
装置本体1の電源スイッチが投入されると、ヒータ25に電力が供給されるとともに、加圧ローラ31の図2中の矢印方向の回転駆動が開始される。これにより、加圧ローラ31との摩擦力によって、定着ベルト21も図2中の矢印方向に従動(回転)する。
その後、給紙部12から記録媒体Pが給送されて、2次転写ローラ89の位置で、記録媒体P上に未定着のカラー画像が担持(転写)される。未定着画像T(トナー像)が担持された記録媒体Pは、不図示のガイド板に案内されながら図2の矢印Y10方向に搬送されて、圧接状態にある定着ベルト21及び加圧ローラ31のニップ部に送入される。
そして、加熱部材22(ヒータ25)によって加熱された定着ベルト21による加熱と、補強部材23によって補強された加熱部材22と加圧ローラ31との押圧力とによって、記録媒体Pの表面にトナー像Tが定着される。その後、ニップ部から送出された記録媒体Pは、矢印Y11方向に搬送される。
以下、図4を用いて、本実施の形態1において特徴的な、加熱部材22の製造方法について詳述する。
本実施の形態1では、薄肉であって略パイプ状の加熱部材22が、切削加工ではなく、金属板を曲げ加工して形成されている。
詳しくは、まず、図4(A)に示すように、薄肉の金属板120が用意される。この金属板120は、加熱部材22の展開図に相当するように裁断(切断加工)されたものである。そして、この金属板120をプレス加工機(曲げプレス型)に載置して、曲げ加工(曲げプレス加工)によって、図4(B)に示すような所望の形状の加熱部材22を成形する。具体的には、金属板120の両端部120a、120bを合わせるように、さらにニップ部に対応する位置22bが平面状になるように、略パイプ状の加熱部材22を形成する。
このように、本実施の形態1では、定着ベルト21の加熱効率を向上させるためにパイプ状の加熱部材22をできるだけ薄肉化する必要がある場合であっても、金属板120に曲げ加工を施すことによって加熱部材22を形成しているために、薄肉パイプ状の加熱部材22を高精度かつ安価に製造することができる。
さらに詳しくは、本実施の形態1では、パイプ状の加熱部材22が金属板120を曲げて形成されるため、円筒曲げとニップ部の形成とを同時に加工することができる。そのため、加熱部材22の加工費が比較的安価になる。
また、薄肉パイプ状の加熱部材22を形成する場合、ニップ部22bの形状を削り出しにより形成するのは難しい。特に、ニップ部の形状が自由曲線である場合には、ニップ部を切削加工により形成することは極めて難しい。これに対して、本実施の形態1では、金属板120に対するプレス加工でニップ部形状を形成しているため、ニップ部形状が自由曲線であっても精度よく安価に形成することができる。
このような効果は、加熱部材22の肉厚を1mm以下に設定する場合に顕著になる。すなわち、肉厚が1mm以下のパイプ状の加熱部材を切削加工で形成する場合、ニップ部を円筒形の金属管から削り出すときに、加工器具のチャッキングによる変形や、加工時の撓みが発生しやすい。また、薄肉の円筒形の金属管からニップ部を削り出しにより形成する場合、削りシロが得られずに、所望のニップ幅を得ることができにくい。さらに、パイプ状金属体の製造方法としては押し出し加工も考えられるが、肉厚1mm以下のパイプ状の加熱部材を形成するのは難しい。
これに対して、本実施の形態1では、加熱部材22の肉厚を1mm以下に設定する場合、板厚が1mm以下の金属板120を曲げ加工して加熱部材22を形成することになるために、2次加工が不要である上に、上述した不具合が発生しない。
さらに、上述した効果は、加熱部材22を肉厚が0.4mm以下のアルミニウム又はその合金で形成する場合に特に顕著になる。すなわち、アルミニウム材料の性質から、切削加工にて、肉厚が0.4mm以下のアルミニウム又はその合金からなるパイプ状の加熱部材22を加工するのは難しい。
これに対して、本実施の形態1では、上述の条件の加熱部材22を形成する場合、板厚が0.4mm以下のアルミニウム又はその合金からなる金属板120を曲げ加工することにより、不具合なく加熱部材22を形成することができる。なお、肉厚が0.4mm以下のアルミニウム又はその合金で形成された加熱部材22を用いることで、定着ベルト21(加熱部材22)の加熱効率がさらに高まり、定着装置のウォームアップ時間がさらに短縮される。
ここで、本実施の形態1では、金属板120の両端部120a、120bが向き合うように曲げ加工されて、成形後の両端部22aに僅かな隙間が生じているが、成形後の両端部22aに隙間が生じないように成形してもよい。また、本実施の形態1のように、両端部22aに僅かな隙間が生じていても、定着ベルト21に対する加熱部材22の加熱効率にはほとんど影響しない。
なお、本願において、「定着部材の内周面に対向する」状態とは、定着部材の内周面の全域に対向している状態のほか、定着部材の内周面のほとんどに対向している状態も含むものとする。したがって、本実施の形態1のように、両端部21aに僅かな隙間がある場合も、「定着部材の内周面に対向する」状態であるものとする。
また、本実施の形態1において、成形後の両端部22aに隙間が生じないように成形して、さらにその両端部22aを溶接等により接合することもできる。このような場合、加熱部材22に接合によるつなぎ目ができてしまうことになるが、定着装置20において加熱部材22は回転せずに固定されているために、つなぎ目がニップ部に達して記録媒体Pの定着画像に影響を及ぼす不具合や、つなぎ目の強度が持たず破壊してしまう不具合が生じることはない。
また、上述のように、金属板120の両端120a、120bが当接するように曲げ加工をおこなった後に両端120a、120bを接合して加熱部材22を形成する場合、その接合位置(溶接位置)が定着ベルト21から離間するように形成することが好ましい。これにより、接合加工により加熱部材22の外周面に僅かな突起が形成されてしまっても、その突起に定着ベルト21が摺接して定着ベルト21の内周面が損傷する不具合が抑止される。
以上説明したように、本実施の形態1においては、定着ベルト21(定着部材)の内周面に対向して定着ベルト21を加熱する加熱部材22を、薄肉の金属板120を曲げ加工して形成している。これにより、製造コストが比較的安価であって、定着ベルト21の加熱効率が高くてウォームアップ時間やファーストプリント時間が短く、装置を高速化した場合であっても定着不良等の不具合が生じるのを抑止することができる。
なお、本実施の形態1では、加圧部材として加圧ローラ31を用いた定着装置に対して本発明を適用したが、加圧部材として加圧ベルトや加圧パッドを用いた定着装置に対しても本発明を適用することができる。そして、その場合にも、本実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態1では、定着部材として複層構造の定着ベルト21を用いたが、定着部材としてポリイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、金属等からなる無端状の定着フィルムを用いることもできる。そして、その場合にも、本実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
実施の形態2.
図5にて、この発明の実施の形態2について詳細に説明する。
図5は、実施の形態2における定着装置を示す構成図であって、前記実施の形態1における図2に相当する図である。本実施の形態2における定着装置は、主として、ニップ部を形成する当接部材26を加熱部材22とは別に設けている点と、ニップ部の形状が凹状になるように形成している点と、が前記実施の形態1のものとは相違する。
図5に示すように、本実施の形態2における定着装置20も、前記実施の形態1のものと同様に、定着ベルト21(定着部材)、加熱部材22、補強部材23、ヒータ25(熱源)、加圧ローラ31(加圧部材)、等で構成されている。さらに、本実施の形態2における定着装置20も、前記実施の形態1のものと同様に、加熱部材22が金属板の曲げ加工により形成されている。
ここで、本実施の形態2における定着装置20には、定着ベルト21の内周面側に固設されて定着ベルト21を介して加圧ローラ31に当接してニップ部を形成する当接部材26(ニップ部形成部材)が、加熱部材22とは別に設置されている。そして、加熱部材22は、ニップ部を除く位置で定着ベルト21の内周面に対向するように形成され、ニップ部の位置では断熱部材27を介して当接部材26を保持するように形成されている。
また、図5を参照して、当接部材26は、加圧ローラ31との対向面が、加圧ローラ31の曲率にならうように凹状に形成されている。これにより、記録媒体Pは加圧ローラ31の曲率にならうようにニップ部から送出されるために、定着工程後の記録媒体Pが定着ベルト21に吸着して分離しないような不具合を抑止することができる。
また、当接部材26を形成する材料としては、加圧ローラ31による加圧力を受けても大きく撓むことがないように、ある程度剛性のある材料(例えば、高剛性の金属やセラミック等である。)で形成されている。
金属板を曲げ加工することにより形成する略パイプ状の加熱部材22は、その肉厚を薄くすることができるために、ウォームアップ時間を短縮することができる。しかし、加熱部材22自身の剛性は小さくなっているため、加圧ローラ31の加圧力に抗しきれずに、撓んだり、変形することがある。パイプ状の加熱部材22が変形してしまうと所望のニップ幅が得られずに、定着性が低下するという問題が生じる。これに対して、本実施の形態2では、薄肉の加熱部材22とは別に高剛性の当接部材26を設置してニップ部を形成しているために、そのような問題が生じるのを未然に防止することができる。
ここで、本実施の形態2では、当接部材26が、定着装置20に対して着脱自在に設置されている。具体的に、当接部材26は、その幅方向両端部が定着装置20の側板に、ネジやスナップフィット等によって着脱自在に固定されている。これにより、長時間の使用にともない定着ベルト21との摺接により当接部材26の磨耗が大きくなっても、当接部材26のみを効率的に交換(メンテナンス)することができる。
なお、当接部材26と定着ベルト21とが摺接しても定着ベルト21の磨耗が軽減されるように、当接部材26の摺接面を摩擦係数の低い材料で形成したり、当接部材26と定着ベルト21との間に潤滑剤を塗布したりすることが好ましい。具体的に、当接部材26の摺接面に、テフロン(登録商標)、メッキ、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)、ガラスコート等の表面コートを施すことにより、摺接面の表面粗さをRz=64μm以下にすることが望ましい。
また、本実施の形態2では、当接部材26と加熱部材22との間に断熱部材27が設置されている。断熱部材27の材料としては、断熱性に優れたスポンジゴムや、空包を有するセラミック、等を用いることができる。
本実施の形態2では、定着ベルト21と加熱部材22とがほぼ全周にわたって近接しているため、加熱待機時(プリント動作待機時)においても定着ベルト21を周方向に温度ムラなく加熱できる。したがって、プリント要求を受けた後、速やかにプリント動作をおこなうことができる。このとき、特許文献2等のオンデマンド方式の定着装置では、ニップ部で加熱待機時に加圧ローラを変形させたまま熱を与えてしまうと、加圧ローラのゴムの材質によっては、熱劣化を起こして加圧ローラの寿命が短くなってしまったり、加圧ローラに圧縮永久ひずみが発生してしまったりする(ゴムの圧縮永久ひずみは、ゴムの変形に加熱が加わることにより増大する。)。そして、加圧ローラに圧縮永久ひずみが発生すると、加圧ローラの一部が凹んだ状態になり、所望のニップ幅が得られないため、定着不良が発生したり、回転時に異音が生じたりする。
これに対して、本実施の形態2では、当接部材26と加熱部材22との間に断熱部材27が設置されているために、加熱待機時に加熱部材22の熱が当接部材26に達しにくくなる。したがって、加熱待機時に加圧ローラ31が変形した状態で高温加熱される不具合が軽減されて、上述の問題が生じるのを抑止することができる。
さらに、当接部材26と定着ベルト21との摩擦を低減するために双方の部材間にグリス等の潤滑剤を塗布する場合には、ニップ部における高圧条件に加えて高温条件により、潤滑剤が劣化して、定着ベルト21のスリップが生じてしまう可能性がある。
これに対して、本実施の形態2では、当接部材26と加熱部材22との間に断熱部材27が設置されているために、加熱部材22の熱がニップ部の潤滑剤に達しにくくなる。したがって、潤滑剤の高温による劣化が軽減されて、上述の問題が生じるのを抑止することができる。
また、本実施の形態2では、当接部材26と加熱部材22との間に断熱部材27が設置されているために、当接部材26が断熱されて、ニップ部では積極的に定着ベルト21は加熱されないことになる。そのため、ニップ部に送入された記録媒体Pの温度がニップ部から送出されるときには低くなる。すなわち、ニップ部出口では、記録媒体P上に定着されたトナー像の温度が低くなって、トナーの粘性が低下して、定着ベルト21に対するトナー接着力が小さくなった状態で、記録媒体Pは定着ベルト21から分離される。したがって、定着工程直後の記録媒体Pが定着ベルト21に巻き付いてジャムになる不具合が防止されるとともに、定着ベルト21に対するトナー固着も抑制される。
また、本実施の形態2では、曲げ加工により形成される加熱部材22の両端部22a(僅かな隙間)が、定着ベルト21の内周面に対向する位置ではなく、当接部材26(断熱部材27)に対向する位置に設けられている。これにより、
加熱部材22は、ニップ部を除く位置で、定着ベルト21の内周面の全域に対向することになる。
以上説明したように、本実施の形態2においても、前記実施の形態1と同様に、定着ベルト21の内周面に対向して定着ベルト21を加熱する加熱部材22を、薄肉の金属板120を曲げ加工して形成している。これにより、製造コストが比較的安価であって、定着ベルト21の加熱効率が高くてウォームアップ時間やファーストプリント時間が短く、装置を高速化した場合であっても定着不良等の不具合が生じるのを抑止することができる。
実施の形態3.
図6にて、この発明の実施の形態3について詳細に説明する。
図6は、実施の形態3における定着装置を示す構成図であって、前記実施の形態2における図5に相当する図である。本実施の形態3における定着装置は、加熱部材22が電磁誘導によって加熱される点が、前記実施の形態2のものとは相違する。
図6に示すように、本実施の形態3における定着装置20も、前記実施の形態2のものと同様に、定着ベルト21、加熱部材22、加圧ローラ31、当接部材26、断熱部材27、等で構成されている。さらに、本実施の形態2における定着装置20も、前記実施の形態2のものと同様に、加熱部材22が金属板の曲げ加工により形成されている。
ここで、本実施の形態3における定着装置20は、熱源としてのヒータ25の代わりに、誘導加熱部50が設置されている。そして、本実施の形態3における加熱部材22は、熱源25の輻射熱によって加熱される前記実施の形態2のものとは異なり、誘導加熱部50による電磁誘導によって加熱される。
誘導加熱部50は、励磁コイル、コア、コイルガイド、等で構成される。励磁コイルは、定着ベルト21の一部を覆うように、細線を束ねたリッツ線を幅方向(図6の紙面垂直方向である。)に延設したものである。コイルガイドは、耐熱性の高い樹脂材料等からなり、励磁コイルやコアを保持する。コアは、フェライト等の強磁性体(比透磁率が1000〜3000程度である。)からなる半円筒状部材であって、加熱部材22に向けて効率のよい磁束を形成するためにセンターコアやサイドコアが設けられている。コアは、幅方向に延設された励磁コイルに対向するように設置されている。
このように構成された定着装置20は、次のように動作する。
定着ベルト21が図6中の矢印方向に回転駆動されると、定着ベルト21は誘導加熱部50との対向位置で加熱される。詳しくは、励磁コイルに高周波の交番電流を流すことで、加熱部材22の周囲に磁力線が双方向に交互に切り替わるように形成される。このとき、加熱部材22表面に渦電流が生じて、加熱部材22自身の電気抵抗によってジュール熱が発生する。このジュール熱によって、加熱部材22が電磁誘導加熱されて、さらに加熱された加熱部材22によって定着ベルト21が加熱される。
なお、加熱部材22を効率的に電磁誘導加熱するためには、誘導加熱部50を加熱部材22の周方向全域に対向するように構成することが好ましい。また、加熱部材22の材料としては、ニッケル、ステンレス、鉄、銅、コバルト、クロム、アルミニウム、金、白金、銀、スズ、パラジウム、これらのうち複数の金属からなる合金、等を用いることができる。
以上説明したように、本実施の形態3においても、前記各実施の形態と同様に、定着ベルト21の内周面に対向して定着ベルト21を加熱する加熱部材22を、薄肉の金属板120を曲げ加工して形成している。これにより、製造コストが比較的安価であって、定着ベルト21の加熱効率が高くてウォームアップ時間やファーストプリント時間が短く、装置を高速化した場合であっても定着不良等の不具合が生じるのを抑止することができる。
なお、本実施の形態2では、加熱部材22を電磁誘導加熱により加熱したが、加熱部材22を抵抗発熱体の熱によって加熱することもできる。具体的に、加熱部材22の内周面の一部又は全部に抵抗発熱体を当接させる。抵抗発熱体は、セラミックヒータ等の面状発熱体であって、その両端部に電源部が接続されている。そして、抵抗発熱体に電流が流されると、抵抗発熱体自身の電気抵抗によって抵抗発熱体が昇温して、当接する加熱部材22を加熱する。さらに、加熱された加熱部材22によって定着ベルト21が加熱されることになる。
さらに、加熱部材22自身を抵抗発熱体とすることもできる。具体的に、加熱部材22を薄肉の抵抗発熱体で形成して、その両端部に電源部を接続する。そして、加熱部材(抵抗発熱体)に電流が流されると、加熱部材自身の電気抵抗によって抵抗発熱体が昇温して、定着ベルト21が加熱されることになる。
これらの場合にも、加熱部材22を金属板の曲げ加工により形成することで、各実施の形態と同様の効果を得ることができる。
実施の形態4.
図7及び図8にて、この発明の実施の形態4について詳細に説明する。
図7は、実施の形態4における定着装置に設置される加熱部材22を示す斜視図であって、前記実施の形態1における図4(B)に相当する図である。図8は、図7の加熱部材22の加工前の金属板120を示す平面図である。
本実施の形態4における加熱部材は、その表面に複数の孔22cに形成されている点が、前記実施の形態1のものとは相違する。
本実施の形態4における定着装置は、前記実施の形態1のものと同様に、定着ベルト21、加熱部材22、加圧ローラ31、ヒータ25、断熱部材27、補強部材23、等で構成されている。
そして、図7に示すように、本実施の形態4における加熱部材22は、その表面の全域にわたって複数の孔22cが設けられている。詳しくは、図8を参照して、本実施の形態4における加熱部材22は、複数の孔120cを有する金属板120を曲げ加工して形成したものである。本実施の形態4では、複数の孔120c(22c)は円形であって、その直径が3mmに設定されている。なお、複数の孔の形状、大きさ、数は、本実施の形態4のものに限定されることはない。
このように、加熱部材22の表面に複数の孔22cを設けることで、ヒータ25の光が孔22cを介して定着ベルト21に直接照射する領域ができて、定着ベルト21の昇温特性が向上する。すなわち、同じ肉厚であっても、複数の孔22cを設けることで、加熱部材22の剛性をそれ程低下させることなく、装置のウォームアップ時間をさらに短くすることができる。そして、本実施の形態4では、予め複数の孔120cが打ち抜き加工された金属板120を曲げ加工して、複数の孔22cを有する加熱ローラ22を形成しているために、加工上の制約がほとんどない。
ただし、定着ベルト21において、孔22cの位置に対応する領域と、孔22cの位置に対応しない領域と、では熱伝導によりそれ程大きな温度差が生じることはないが、さらに温度差をなくしたい場合には定着ベルト21を回転させながら加熱するのが好ましい。
また、複数の孔22cが形成された加熱部材22を用いる場合には、定着ベルト21と加熱部材22との間に潤滑剤を塗布しないほうがよい。これは、定着ベルト21の内周面が急速に加熱されるために、潤滑剤が耐熱温度を超えて劣化しやすくなるためである。
また、加熱部材22における複数の孔22cは、定着ベルト21における幅方向の温度分布が均一になるように配列され形成されることが好ましい。
これは、加熱部材22に孔22cを開けることにより、孔22cの開いた部分では熱源25による熱エネルギーが定着ベルト21に直接照射されて急速に温度が上昇し、孔22cの開いていない部分では加熱部材22からの受熱により間接的に定着ベルト21が加熱されるためである。このとき、定着ベルト21は周方向に回転するので、周方向の温度分布はほぼ均一化されるが、幅方向には開口が大きい領域ほど早く昇温してしまう。したがって、加熱部材22の幅方向断面(金属板120の展開図に相当する。)において、複数の孔22c(120c)の面積をそれぞれ同一にするとともに、複数の孔22cを斜め方向(本実施の形態4では、約45度である。)に格子状に規則正しく配列することで、定着ベルト21における幅方向の温度ムラを低減することができる。なお、定着ベルト21の幅方向の温度分布が不均一になると、温度の高い部分ではホットオフセットが発生し、温度の低い部分では定着不良が生じることになる。
以上説明したように、本実施の形態4においても、前記各実施の形態と同様に、定着ベルト21の内周面に対向して定着ベルト21を加熱する加熱部材22を、薄肉の金属板120を曲げ加工して形成している。これにより、製造コストが比較的安価であって、定着ベルト21の加熱効率が高くてウォームアップ時間やファーストプリント時間が短く、装置を高速化した場合であっても定着不良等の不具合が生じるのを抑止することができる。
実施の形態5.
図9〜図12にて、この発明の実施の形態5について詳細に説明する。
図9は、実施の形態5における定着装置を示す構成図であって、前記実施の形態2における図5に相当する図である。図10は、図9の定着装置のニップ部の近傍を示す拡大図である。図11は、潤滑剤保持部材を示す平面図である。さらに、図12は、別の形態の定着装置を示す構成図である。
本実施の形態5における定着装置は、当接部材26に多孔質状の潤滑剤保持部材29が設置されている点が、前記実施の形態2のものとは相違する。
図9及び図10を参照して、本実施の形態5における定着装置は、前記実施の形態2のものと同様に、定着ベルト21、加熱部材22、加圧ローラ31、ヒータ25、当接部材26、断熱部材27、補強部材23、等で構成されている。また、加熱部材22は、前記各実施の形態と同様に、薄肉の金属板を曲げ加工して形成したものである。
ここで、本実施の形態5では、当接部材26に多孔質状の潤滑剤保持部材29が設置されている。詳しくは、潤滑剤保持部材29は、フッ素繊維を編み込んだメッシュ状のシート部材であって、シリコーンオイルやフッ素グリス等の潤滑剤が保持(含浸)されている。そして、潤滑剤保持部材29は、ニップ部において定着ベルト21の内周面に当接するように配設されている。すなわち、潤滑剤保持部材29は、当接部材26と定着ベルト21との間に配設されている。
このような構成により、潤滑剤保持部材29から定着ベルト21の内周面に潤滑剤が供給されて、当接部材26と定着ベルト21との摺動抵抗や、加熱部材22と定着ベルト21との摺動抵抗が低減されて、それらの部材の磨耗が軽減されることになる。また、潤滑剤保持部材29の周りには断熱部材27が設置されていて、潤滑剤保持部材29は加熱部材22によって直接的に加熱されにくいために、潤滑剤保持部材29に保持された潤滑剤が熱によって揮発・劣化する不具合が抑止される。すなわち、経時においても、潤滑剤保持部材29から定着ベルト21の内周面に潤滑剤が安定的に供給されることになる。さらに、ニップ部に多孔質状の潤滑剤保持部材29を設置することで、不図示の接離機構によって定着ベルト21に対して加圧ローラ31の接離がおこなわれるたびに、潤滑剤保持部材29が伸縮して潤滑剤の染み出し(供給性)が活性化される。
なお、本実施の形態5では、断熱部材27によって覆われたニップ部にのみ潤滑剤保持部29を設置しているために、ニップ部以外の位置であって定着ベルト21と加熱部材22との間に潤滑剤保持部材を設置する場合に比べて、加熱部材22による定着ベルト21の加熱を妨げることなく双方の部材21、22間の潤滑性を向上させることができる。
また、本実施の形態5では、潤滑剤保持部材29から定着ベルト21の内周面に潤滑剤が供給されると、定着ベルト21の回転(走行)によって、定着ベルト21と加熱部材22との隙間に潤滑剤の循環経路が形成される。すなわち、定着ベルト21と加熱部材22との隙間に、全周にわたって潤滑剤が流動することになる。
ここで、上述した潤滑剤の循環経路は、定着ベルト21と加熱部材22との隙間が、ニップ部の入口側(図10のA部である。)においてニップ部に向けて漸減するように形成されている。すなわち、図10に示すように、ニップ部の入口側において、定着ベルト21と加熱部材22との隙間が楔状に形成されている。
このような構成により、ニップ部の入口側に搬送されてきた潤滑剤は、定着ベルト21と加熱部材22との隙間において、楔効果によって図10の白矢印方向の動圧を受ける。これにより、定着ベルト21や加圧部材22の摺動面に油膜が形成されて、定着ベルト21や加圧部材22の摺動抵抗がさらに低下してこれらの部材の耐久性が向上する。
また、動圧を受けた潤滑剤は、ニップ部に設けられた多孔質状の潤滑剤保持部29に供給される。そして、流し込まれた潤滑剤の圧力によって、潤滑剤保持部材29に保持された潤滑剤が定着ベルト21の内周面に均質に染み出させることになる。したがって、ニップ部における定着ベルト21の内周面に均質な油膜が形成されて、定着ベルト21の摺動劣化に対する耐久性が向上する。
なお、加熱部材22が加熱された状態であれば、金属材料で形成された加熱部材22の表面の潤滑剤粘度が上昇することがないため、潤滑剤の流動性が低下してニップ部に潤滑剤が流入しにくくなり油膜がうまく形成されなくなる不具合が抑止される。したがって、加熱部材22は、少なくとも定着ベルト21の温度と同等に加熱されていることが好ましい。
また、上述した循環経路を潤滑剤が円滑に流動するために、加熱部材22の外周面は凹凸が少なく平滑であることが好ましい。
さらに、上述した循環経路は、ニップ部の入口側から上流側に10mm以上の範囲Hで角度θが2度以下になるように楔状に形成することが好ましい。このような構成により、上述した油膜形成(耐久性)の効果が確実に達成されることになる。
ここで、本実施の形態5では、多孔質状の潤滑剤保持部材29として、フッ素繊維を編み込んだメッシュ状のシート部材を用いている(図11をも参照できる。)。このような構成により、PFA等で皮膜されたガラスクロスやオイルを含浸させたアラミド繊維等を用いた場合に比べて、定着ベルト21の内周面を削ったり潤滑剤が枯渇する不具合が生じることなく、潤滑剤の供給性を向上させることができる。詳しくは、潤滑剤保持部29から染み出た潤滑剤がフッ素繊維を編み込んだメッシュ状のシートのメッシュ部を通過して定着ベルト21の内周面に供給されるときに、メッシュの繊維自体がPFAやPTFEによって形成されているため、メッシュが削れてもその摺動性は衰えない。また、フッ素繊維そのものが滑りやすいので潤滑剤が枯渇してしまったとしても滑り性を維持することができる。さらに、PFAやPTFEが削れた粒子が潤滑剤の循環路を周回することにより、定着ベルト21と加圧部材22(又は当接部材26)の潤滑性がさらに向上する。
また、本実施の形態5では、図11に示すように、メッシュ状の潤滑剤保持部材29(シート部材)は、その繊維方向の1つ(直交する2つの繊維方向のうちの1つである。)が、白矢印で示す定着部材ベルトの回転方向(走行方向)に沿うように配設されている。これにより、潤滑剤保持部材29に対する定着ベルト29の負荷抵抗が低減されて、定着ベルト21がスリップする不具合を防止することができる。
なお、本実施の形態5では、当接部材26と潤滑剤保持部材29とを別々の部品で構成したが、図12に示すように、当接部材26と潤滑剤保持部材29とを1つの部品で一体的に構成することもできる。
具体的に、潤滑剤保持部材としても機能する当接部材26を形成する材料としては、加圧ローラ31による加圧力を受けても大きく撓むことがないようにある程度剛性のある多孔質材料であって、潤滑剤を保持(含浸)する材料を用いることができる。潤滑剤保持部材としても機能する当接部材26としては、例えば、発泡シリコンゴム等の耐熱性多孔質体を用いることが可能である。
なお、本実施の形態5では、当接部材26を断面形状が矩形状になるように形成したが、当接部材26の形状はこれに限定されることなく、例えば、当接部材26を断面形状が半円状になるように形成することもできる。
以上説明したように、本実施の形態5においても、前記各実施の形態と同様に、定着ベルト21の内周面に対向して定着ベルト21を加熱する加熱部材22を、薄肉の金属板120を曲げ加工して形成している。これにより、製造コストが比較的安価であって、定着ベルト21の加熱効率が高くてウォームアップ時間やファーストプリント時間が短く、装置を高速化した場合であっても定着不良等の不具合が生じるのを抑止することができる。
なお、本発明が前記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、前記各実施の形態の中で示唆した以外にも、前記各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は前記各実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
1 画像形成装置本体(装置本体)、
20 定着装置、
21 定着ベルト(定着部材)、
22 加熱部材、
22a 両端部、 22c 孔、
23 補強部材、
25 ヒータ(熱源)、
26 当接部材、
27 断熱部材、
29 潤滑剤保持部材、
31 加圧ローラ(加圧部材)、
50 誘導加熱部、
120 金属板、
120a、120b 端部、 120c 孔、 P 記録媒体。
特開平11−2982号公報 特開2002−6656号公報

Claims (14)

  1. 所定方向に走行してトナー像を加熱して溶融するとともに、可撓性を有する無端状の定着部材と、
    前記定着部材の内周面に対向するように固設されて当該定着部材を加熱する加熱部材と、
    前記定着部材に圧接して記録媒体が搬送されるニップ部を形成する加圧部材と、
    前記定着部材の内周面側に固設されて当該定着部材を介して前記加圧部材に当接してニップ部を形成する当接部材と、
    前記当接部材と前記定着部材との間に配設されるとともに、潤滑剤を保持した潤滑剤保持部材と、
    を備え、
    前記定着部材と前記加熱部材との隙間に前記潤滑剤保持部材によって供給された潤滑剤の循環経路を形成し
    前記循環経路は、前記隙間が前記ニップ部の入口側において当該ニップ部に向けて漸減するように形成されたことを特徴とする定着装置。
  2. 前記循環経路は、前記ニップ部の入口側から上流側に10mm以上の範囲で角度が2度以下になるように楔状に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記当接部材は、前記加熱部材とは別に備えられ、
    前記加熱部材は、前記ニップ部を除く位置で前記定着部材の内周面に対向するように形成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記加熱部材は、金属板を曲げ加工して形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の定着装置。
  5. 前記潤滑剤保持部材は、多孔質状に形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の定着装置。
  6. 前記潤滑剤保持部材は、フッ素繊維を編み込んだメッシュ状のシート部材であって、前記ニップ部で前記定着部材の内周面に当接することを特徴とする請求項5に記載の定着装置。
  7. 前記メッシュ状のシート部材は、その繊維方向の1つが前記定着部材の走行方向に沿うように配設されたことを特徴とする請求項6に記載の定着装置。
  8. 前記潤滑剤保持部材は、前記当接部材と一体化されたことを特徴とする請求項1〜請求項7に記載の定着装置。
  9. 前記加熱部材は、熱源の輻射熱によって加熱されることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の定着装置。
  10. 前記加熱部材は、電磁誘導によって加熱されることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の定着装置。
  11. 前記加熱部材は、抵抗発熱体の熱によって加熱されることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の定着装置。
  12. 前記加熱部材は、抵抗発熱体であることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の定着装置。
  13. 前記定着部材は、定着ベルト又は定着フィルムであることを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれかに記載の定着装置。
  14. 請求項1〜請求項13のいずれかに記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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