JP5129911B2 - 水分除去装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、フッ素系溶剤、アルコールやグリコールエーテル系溶剤が混入されたフッ素系溶剤に対して空気中の水分が溶け込んだ水分含有溶剤から水分を除去するような水分除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、HFE(ハイドロ フルオロ エーテル)などのフッ素系溶剤を用いてワークを、洗浄、または、すすぎ処理する装置においては、上述のフッ素系溶剤の再利用が図られている。
【0003】
従来、フッ素系溶剤を再生して再利用に供するには、ワークの乾燥用にフッ素系溶剤を沸騰させて、溶剤蒸気層を形成し、この溶剤蒸気層の溶剤蒸気を冷却ジャケットおよび冷却コイル等の冷却手段により凝縮液化させ、液化した溶剤を再利用すべく構成していた。
【0004】
しかし、上述の溶剤蒸気を凝縮液化させる時、空気中の水分も凝縮して、フッ素系溶剤に空気中の水分が溶け込み、ワークの乾燥時にワークに乾燥シミ(水シミ)が発生する問題点があった。
【0005】
従来、このような乾燥シミの発生を防止するために、上述の冷却手段で凝縮液化した溶剤を一旦、比重分離槽に導いて、水の比重=1.0と、溶剤の比重(例えば溶剤としてHFEを用いた場合には、比重=1.52)との比重差により、水を分離して、水が分離された溶剤を、ワーク洗浄装置またはワークすすぎ装置の溶剤液相部に還流していたが、溶剤中の水濃度が約200〜300ppmと高いため、充分に乾燥をシミを抑制するには至っていない。
【0006】
このことは、上述のフッ素系溶剤に化学式C2H5OHで示されるエタノール(エチルアルコールのこと)やIPA(イソプロピルアルコール)などのアルコールが所定量混入された水切り乾燥用のフッ素系溶剤に溶け込んだ空気中の水分が少量存在していても、乾燥シミとして悪影響を及ぼす問題点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、フッ素系溶剤または、アルコールまたはグリコールエーテル系溶剤が混入されたフッ素系溶剤に対して、空気中の水分が溶け込んだ水分含有溶剤を加熱手段にて溶剤の沸点前後に加熱して、溶け込んだ水分を可及的除去することができ、溶剤中の水濃度(水分値)を極度に低下減少させることができ、ワークに対する乾燥シミ(水シミ)の発生を顕著に抑制することができる水分除去装置の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明による水分除去装置は、フッ素系溶剤または、アルコールまたはグリコールエーテル系溶剤が混入されたフッ素系溶剤の溶剤蒸気の凝縮液化時に、該フッ素系溶剤に対して空気中の水分が溶け込んだ水分含有溶剤から水分を除去する水分除去装置であって、上記水分含有溶剤を貯溜する周囲が囲繞されたタンクと、上記タンク内の水分含有溶剤を該溶剤の沸点前後に加熱して水蒸気と溶剤蒸気の蒸気層を生成する加熱手段と、上記タンク上部に設けられて上記蒸気層の水分および溶剤の蒸気を冷却液化する冷却手段と、冷却液化された冷却液を受ける受け手段とを備え、上記タンクの前段に、水と溶剤とを比重分離し、分離された水を排出除去する比重分離手段が設けられ、上記受け手段の冷却液を比重分離手段に流入すると共に、水が比重分離された溶剤を上記タンクに流出し、かつ比重分離、沸点前後の加熱、冷却液化の繰返しにより溶剤中の水分を低減させるように上記タンクと比重分離手段とを閉ループ状の循環路で接続し、さらに、上記タンクの蒸気層上部は、上記フッ素系溶剤を用いてワークの蒸気洗浄またはワークすすぎを行なうワーク処理装置側の溶剤蒸気層と連通ラインで接続されたものである。
【0009】
上記構成のフッ素系溶剤としては、HFE(ハイドロ フルオロ エーテル)その他を用いることができ、フッ素系溶剤に混入するアルコールとしてはエタノールやIPAなどを用いることができる。
【0010】
上記構成によれば、フッ素系溶剤、または、アルコール、または、グリコールエーテル系溶剤が混入されたフッ素系溶剤に対して、空気中の水分が溶け込んだ水分含有溶剤は上記タンクに貯溜され、加熱手段はこのタンク内の水分含有溶剤を上記溶剤(フッ素系溶剤)の沸点前後に加熱し、溶剤の沸騰によって、該溶剤に溶け込んだ水分を除去する。
【0011】
また、冷却手段は、水分および溶剤の蒸気を冷却し、冷却により液化された冷却液は受け手段で受け止められる。
この結果、上述のフッ素系溶剤に溶け込んだ水分を可及的除去して、溶剤中の水濃度(水分値)を極度に低下減少させることができて、ワークに対する乾燥シミ(水シミ)の発生を顕著に抑制することができる。
【0012】
さらに、上記タンクの前段に、水と溶剤とを比重分離する比重分離手段が設けられたものであり、このように、タンクの前段に比重分離手段を設けたので、水分除去装置による水分除去効率の大幅な向上を図ることができる。
【0013】
加えて、上記タンクと比重分離手段とを循環路で接続したものであり、このように、前段の比重分離手段と次段のタンクとを循環路で接続することにより、比重分離、沸点前後の加熱、冷却による凝縮液化を繰り返すことができ、溶剤中の水濃度(水分値)をより一層良好に低減させることができる。
【0014】
この発明の一実施態様においては、上記タンクは上記ワーク処理装置としての、蒸気層を備えたワーク洗浄装置、または、蒸気層を備えたワークすすぎ装置に接続されたものである。
上記構成によれば、水分が極度に低減した溶剤をワークの洗浄またはワークのすすぎに再利用することができ、ワークに対する乾燥シミ(水シミ)の発生を可及的抑止することができる。
【0015】
【実施例】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は水分除去装置を示すが、この実施例の水分除去装置はワークすすぎ装置1に接続されているので、まず、ワークすすぎ装置1の構成について説明する。
【0016】
図1に示すように、ワークすすぎ装置1は、上部を開放してワーク出入口2が形成された有底筒状のタンク本体3を設け、このタンク本体3の下部にはフッ素系溶剤Aの蒸気を形成する蒸留槽4と、この蒸留槽4に仕切部5を介して隣接された超音波槽6と、凝縮液の受け部7とを形成している。
【0017】
また、上述のタンク本体3の上下方向中間部の周囲には冷却ジャケット8を配設する一方、受け部7の上方部には冷却コイル9を配置している。
さらに、超音波槽6には超音波振動子10を設けている。
【0018】
そして、蒸留槽4の液面および超音波槽6の液面と冷却ジャケット8との間には、フッ素系溶剤Aの蒸気層Bを形成する一方、受け部7では冷却ジャケット8で冷却した溶剤と、蒸気層Bの蒸気を冷却コイル9で冷却再生した液C(フッ素系溶剤Aに空気中の水分が溶け込んだ液)を貯溜すべく構成している。
【0019】
また、超音波槽6において、そのアウトレットポートとインレットポートとの間にはポンプ11およびフィルタ12を介設した循環ライン13を接続して、フッ素系溶剤Aを循環すべく構成している。
ここで、上述のフッ素系溶剤Aとしては、例えば、HFE(ハイドロ フルオロ エーテル)が用いられる。このHFEの物性は次の通りである。
【0020】
HFEの物性
化学式…C4F9OCH3
沸点…60℃
表面張力…13.6dynes/cm
比熱…0.28cal/g/℃
引火点…なし
比重…1.52
なお、上述の各槽4,6には必要に応じてヒータ等の加熱手段を設けてもよく、また図中の矢印aはオーバフローを示す。
【0021】
さらに、上述の蒸気層Bと連通するインレットポート14には外部装置としての溶剤蒸気発生槽(図示せず)で発生した溶剤蒸気が供給される一方、蒸留槽4の液相上部と連通するアウトレットポート15はライン16を介して上述の溶剤蒸気発生槽に接続されている。
【0022】
HC(ハイドロ カーボン・炭化水素溶剤のこと)その他の洗浄液で洗浄処理済みのワークは、図1のすすぎ装置1に搬送され、超音波槽6におけるフッ素系溶剤Aの液中にワークを浸漬して、ワークに付着した洗浄液をHFEにて除去(リンス)し、次に、液中から一旦蒸気層Bまで持ち上げて、ワークを蒸気洗浄し、蒸気洗浄後のワークを乾燥エリア17まで持ち上げて乾燥処理した後に、ワークは次工程に向けて搬出されるが、特に、蒸気層Bのフッ素系溶剤Aの蒸気を冷却ジャケット8および冷却コイル9にて凝縮液化させる時、空気中の水分も凝縮するので、受け部7にはフッ素系溶剤Aに空気中の水分が溶け込んだ水分含有溶剤C(つまりHFEとH2O)が貯溜されることになる。
【0023】
この実施例の水分除去装置は、上述の水分含有溶剤Cから水分を除去するための装置であって、この水分除去装置18は、ワークすすぎ装置1における受け部7に比重分離装置19を介して接続されている。なお、上述の水分除去装置18はワークすすぎ装置1に代えて他のワーク処理装置としてのワーク洗浄装置や水切り乾燥装置に接続してもよいことは勿論である。
【0024】
上述の水分除去装置18は、水分含有溶剤Cを貯留する水分除去槽としてのタンク20と、このタンク20内の水分含有溶剤Cをフッ素系溶剤Aの沸点前後、望ましくは、沸点に加熱する加熱手段としてのヒータ21と、タンク20内部の上部に設けられて水分および溶剤の蒸気Dを冷却する冷却手段としての冷却コイル22と、この冷却コイル22により冷却された凝縮液(HFEの液とH2O)dを受ける受け手段としての樋23と、複数の液面レベルセンサ24…とを備えている。
【0025】
この水分除去装置18の前段に設けられた比重分離装置19は、比重分離槽としてのタンク25と、このタンク25内に設けられた2つの仕切板26,27とを備えている。ここで、一方の仕切板27はタンク内底部に当接し、他方の仕切板26はタンク内底部と非接触に構成され、これら両仕切板26,27間にはオーバフロー用の通路28が形成されている。
また、上述の通路28を隔てて仕切板26側が前位比重分離部29に設定され、通路28を隔てて仕切板27側が後位比重分離部30に設定されている。
【0026】
さらに、上述の前位比重分離部29の底部には、タンク25の内底部と接触せず所定間隔を有するようにフィルタ31が設けられ、後位比重分離部30にはアウトレット部32をタンク25外へ臨設させたパイプ部材33が立設状に配置されている。
【0027】
すなわち、上述の比重分離装置19は二重分離構造に形成されており、各比重分離部29,30においては、フッ素系溶剤Aの比重(HFEを用いた場合には比重=1.52)と、水の比重=1.0との比重差により、下部にフッ素系溶剤Aが位置し、上部に水eが位置するように比重分離される。
【0028】
そして、比重分離された水eの層と対応して、タンク25側壁部には水抜きポートが形成されており、これらの水抜きポートは手動開閉弁などのバルブ34が介設された水抜きライン35に接続され、バルブ34の開時に水抜きポート、水抜きライン35を介して上部の水eをタンク25外へ排出除去する水抜き手段が構成されている。
【0029】
ところで、ワークすすぎ装置1の凝縮液の受け部7におけるアウトレットポート7aと、前位比重分離部29のインレットポート29aとの間はライン36で接続され、受け部7に貯溜された凝縮液、つまり、水分含有溶剤Cを水位の差によって前位比重分離部29に供給すべく構成している。
【0030】
また、比重分離装置19におけるパイプ部材33上部のアウトレット部32と水分除去装置18の下域部とをライン37で接続し、比重分離後の水分含有溶剤Cをタンク20内に供給すべく構成している。
【0031】
さらに、水分除去装置18の樋23の部位と、前位比重分離部29のインレットポート29aとの間をライン38で接続し、上述の各ライン37,38により循環路39を構成している。なお、これらの各ライン37,38には必要に応じて送液手段に設けてもよい。
【0032】
一方、水分除去装置18のタンク20下部に形成されたアウトレットポート40と、超音波槽6の下部に形成されたインレットポート41との間は、ポンプ42、フィルタ43、逆止弁44が介設された還流ライン45で接続されている。
また、ワークすすぎ装置1における受け部7の上方と、水分除去装置18のタンク20上部とを仮想線で示すように連通ライン46で接続してもよい。
【0033】
このように構成した水分除去装置の作用を以下に詳述する。
ワークすすぎ装置1の受け部7には、溶剤Aに空気中の水分が溶け込んだ液、つまり、水分含有溶剤Cが貯溜されるので、まず水位の差を利用して、この水分含有溶剤Cをライン36を介して比重分離装置19の前位比重分離部29に供給する。
【0034】
この比重分離装置19では、水eとフッ素系溶剤Aとが上述の前位比重分離部29と後位比重分離部30との双方により二段階に比重分離され、フッ素系溶剤Aの上部に浮遊する水eはバルブ34操作によって水抜きライン35からタンク25の外部へ排出除去される。
【0035】
しかし、この二重分離構造の比重分離装置19により二段階に比重分離された液の中には、ある程度の水分が溶剤Aに溶け込んだ状態で残っている。
このため、該比重分離装置19のパイプ部材33上部のアウトレット部32からライン37を介して水分含有溶剤Cを水分除去装置18に供給する。
【0036】
この水分除去装置18では、ヒータ21に通電して、タンク20の水分含有溶剤Cをフッ素系溶剤Aの沸点前後、望ましくは、沸点に加熱して、水分含有溶剤C中のフッ素系溶剤Aを沸騰させて蒸気化すると共に、このフッ素系溶剤Aに溶け込んだ水分を気化させて、該水分をフッ素系溶剤Aから除去する。
【0037】
上述の水分含有溶剤Cの液面上方には、水蒸気およびフッ素系溶剤Aの蒸気Dが生成されるので、この蒸気Dを、冷却コイル22により冷却液化して、凝縮液d(HFEの液とH2O)がタンク下部の溶剤C液中に再流入しないように樋23で受け止める。
【0038】
樋23で受け止めた上述の凝縮液dは、ライン38を介して比重分離装置19に循環され、以下同様にして比重分離、水抜き、沸点前後の加熱、冷却による凝縮液化を繰返すことで、フッ素系溶剤A中の水濃度(水分値)を従前の200〜300ppmから50ppm程度に極度に低下減少させることができた。
【0039】
このようにして、水濃度(水分値)の大幅な低減を図った水分含有溶剤C(ほぼフッ素系溶剤Aと同等の再生溶剤)は還流ライン45を介してワークすすぎ装置1の所定部に還流されて、再利用に供される。
【0040】
このように、上記実施例の水分除去装置は、フッ素系溶剤Aまたはアルコールが混入されたフッ素系溶剤に対して、空気中の水分が溶け込んだ水分含有溶剤Cから水分を除去する水分除去装置であって、上記水分含有溶剤Cを貯溜するタンク20と、上記タンク20内の水分含有溶剤Cを溶剤Aの沸点前後に加熱する加熱手段(ヒータ21参照)と、上記タンク20上部に設けられて水分および溶剤Aの蒸気Dを冷却する冷却手段(冷却コイル22参照)と、冷却液(凝縮液d参照)を受ける受け手段(樋23参照)とを備えたものである。
【0041】
この構成によれば、フッ素系溶剤Aまたはアルコールが混入されたフッ素系溶剤に対して、空気中の水分が溶け込んだ水分含有溶剤Cは上記タンク20に貯溜され、加熱手段(ヒータ21参照)はこのタンク20内の水分含有溶剤Cを上記溶剤Aの沸点前後に加熱し、溶剤Aの沸騰によって、該溶剤Aに溶け込んだ水分を除去する。
【0042】
また、冷却手段(冷却コイル22参照)は水分および溶剤Aの蒸気Dを冷却し、冷却により液化された冷却液(凝縮液d参照)は、受け手段(樋23参照)で受け止められる。
この結果、上述のフッ素系溶剤Aに溶け込んだ水分を除去して、溶剤A中の水濃度(水分値)を極度に低下減少させることができて、ワークに対する乾燥シミ(水シミ)の発生を顕著に抑制することができる。
【0043】
また、上記タンク20の前段に、水eと溶剤Aとを比重分離する比重分離手段(比重分離装置19参照)が設けられたものである。
この構成によれば、タンク20の前段に比重分離手段を設けたので、水分除去装置18による水分除去効率の大幅な向上を図ることができる。
【0044】
さらに、上記タンク20と比重分離手段(比重分離装置19参照)とを循環路39で閉ループ状に接続したものである。
この構成によれば、前段の比重分離手段(比重分離装置19参照)と次段のタンク20とを循環路39で接続することにより、比重分離、沸点前後の加熱、冷却による凝縮液化を繰返すことができ、溶剤A中の水濃度(水分値)をより一層良好に低減させることができる。
【0045】
加えて、上記タンク20は、ワーク洗浄装置またはワークすすぎ装置1に接続されたものである。
この構成によれば、水分が極度に低減した再生溶剤を、ワークの洗浄またはワークのすすぎに再利用することができ、ワークに対する乾燥シミ(水シミ)の発生を抑止することができる。
【0046】
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明の加熱手段は、実施例のヒータ21に対応し、
以下同様に、
冷却手段は、冷却コイル22に対応し、
冷却液は、凝縮液dに対応し、
受け手段は、樋23に対応し、
比重分離手段は、比重分離装置19に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
【0047】
例えば、上記実施例においては、フッ素系溶剤AとしてHFE(ハイドロ フルオロ エーテル)を用いたが、これはアルコールが混入された他のフッ素系溶剤であってもよい。
【0048】
上述のアルコールが混入されたフッ素系溶剤としては、HFEフッ素系不活性液体共沸混合物がある。この混合物はHFE95wt%と、イソプロピルアルコール(いわゆるIPA)5wt%を混合したもので、その物性は次の通りである。
沸点……54.5℃
引火点…なし
KB値…10
【0049】
また、フッ素系溶剤AとしてはHFEに代えて、HFC(ハイドロフルオロカーボン)を用いてもよい。このHFCの物性は次の通りである。
化学式…C5H2F10
沸点……55℃
引火点…なし
【0050】
さらに、上述のHFC90wt%に対してイソプロパノール(isopropanol、2-プロパノール、イソプロピルアルコールと同意)を10wt%混合した水切り乾燥溶剤を用いてもよい。
沸点……54℃
液密度…1.42g/cm3
引火点…なし
【0051】
さらには、上述のHFC90wt%に対してエタノール(化学式C2H5OHで示されるエチルアルコールのこと)を10wt%混合した混合溶剤を用いてもよい。この混合溶剤の物性は次の通りである。
沸点……53℃
液密度…1.44g/cm3
引火点…なし
【0052】
このように、フッ素系溶剤Aとしては、HFEやHFCのように単体溶剤を用いてもよく、或は、所定量のアルコール(IPA、イソプロパノール、エタノール参照)が混入された混合溶剤であってもよく、ヒータ21による加熱温度は、使用溶剤の沸点に対応して設定すればよい。
【0053】
【発明の効果】
この発明によれば、フッ素系溶剤、または、アルコール、または、グリコールエーテル系溶剤が混入されたフッ素系溶剤に対して、空気中の水分が溶け込んだ水分含有溶剤を加熱手段にて溶剤の沸点前後に加熱して、溶け込んだ水分を除去することができ、溶剤中の水濃度(水分値)を極度に低下減少させることができ、ワークに対する乾燥シミ(水シミ)の発生を顕著に抑制することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の水分除去装置を示す系統図。
【符号の説明】
1…ワークすすぎ装置(ワーク処理装置)
18…水分除去装置
19…比重分離装置(比重分離手段)
20…タンク
21…ヒータ(加熱手段)
22…冷却コイル(冷却手段)
23…樋(受け手段)
39…循環路
46…連通ライン
Claims (2)
- フッ素系溶剤または、アルコールまたはグリコールエーテル系溶剤が混入されたフッ素系溶剤の溶剤蒸気の凝縮液化時に、該フッ素系溶剤に対して空気中の水分が溶け込んだ水分含有溶剤から水分を除去する水分除去装置であって、
上記水分含有溶剤を貯溜する周囲が囲繞されたタンクと、
上記タンク内の水分含有溶剤を該溶剤の沸点前後に加熱して水蒸気と溶剤蒸気の蒸気層を生成する加熱手段と、
上記タンク上部に設けられて上記蒸気層の水分および溶剤の蒸気を冷却液化する冷却手段と、
冷却液化された冷却液を受ける受け手段とを備え、
上記タンクの前段に、水と溶剤とを比重分離し、分離された水を排出除去する比重分離手段が設けられ、
上記受け手段の冷却液を比重分離手段に流入すると共に、水が比重分離された溶剤を上記タンクに流出し、かつ比重分離、沸点前後の加熱、冷却液化の繰返しにより溶剤中の水分を低減させるように上記タンクと比重分離手段とを閉ループ状の循環路で接続し、
さらに、上記タンクの蒸気層上部は、上記フッ素系溶剤を用いてワークの蒸気洗浄またはワークすすぎを行なうワーク処理装置側の溶剤蒸気層と連通ラインで接続された
水分除去装置。 - 上記タンクは上記ワーク処理装置としての、蒸気層を備えたワーク洗浄装置、または、蒸気層を備えたワークすすぎ装置に接続された
請求項1記載の水分除去装置。
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