JP2003305417A - 溶剤洗浄機 - Google Patents

溶剤洗浄機

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JP2003305417A JP2002114140A JP2002114140A JP2003305417A JP 2003305417 A JP2003305417 A JP 2003305417A JP 2002114140 A JP2002114140 A JP 2002114140A JP 2002114140 A JP2002114140 A JP 2002114140A JP 2003305417 A JP2003305417 A JP 2003305417A
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豊一 中山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 OA機器等製造工場の生産ラインにおいて発
生する中間品である各種部品や部品組立体(ワーク)を
溶剤を用いて短時間に洗浄、乾燥させることができ、し
かも、溶剤の回収効率が高くて、溶剤の消費量が少な
く、環境を汚染することのない溶剤洗浄機を提供する。 【解決手段】 ワークを溶剤で洗浄して、ワークに付着
する油分やパーティクルを除去するとともに、ワークを
乾燥させる溶剤洗浄機1が、ワークを溶剤液に浸漬させ
て、ワークを洗浄する複数の洗浄槽21〜24と、複数の洗
浄槽21〜24のうちの最終段洗浄槽24を経たワークを温風
乾燥させる温風乾燥槽31、32と、温風乾燥槽31、32を含
む温風の閉鎖循環路41、42と、閉鎖循環路41、42に接続
され、閉鎖循環路41、42を流れる物質を吸引して回収す
る回収装置80と、回収装置80に接続され、回収装置80で
回収された液体から水を分離して、得られた溶剤を最終
段洗浄槽24に戻す水分離器90とを備えている。複数の洗
浄槽21〜24の多くは、槽内の溶剤液に振動を与える超音
波発振器64を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願の発明は、溶剤洗浄機に関
し、特にOA機器等精密機器の製造工場の生産ラインに
おいて発生する中間品である各種部品や部品組立体(ワ
ーク)を溶剤を用いて洗浄して、これらのワークに付着
する油分やパーティクル除去し、これらのワークを乾燥
させる溶剤洗浄機に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の部品や部品組立体は、高い加工
精度と組立精度とが求められるため、それらの表面に付
着する切削用冷却油等の油分や切削屑(切粉)、一般ゴ
ミ等のパーティクルについても、それらの完全な除去が
求められる。一般に、機械の部品や部品組立体を洗浄す
る方法としては、従来、水洗浄機と溶剤洗浄機とが使用
されている。
【0003】水洗浄機は、洗浄液として純水や超純水を
使用するので、洗浄液となる水自体の入手が比較的容易
であり、メンテナンスも、洗浄槽の構成段数を増すこと
も、容易であり、設備コストが比較的安価で、環境に優
しい等のメリットがある反面、錆び易く、乾燥処理が時
間を要して難しい、タクトタイムが長く、生産性が悪
い、油分の除去には洗剤を使用しなければならず、油分
汚れに加えて洗剤も除去する必要が生ずる等のデメリッ
トがあり、純水設備は必要であるが、現在では、専らパ
ーティクルやイオン汚れ除去を目的として、半導体部
品、電子部品、電気機械部品の最終洗浄用にしか使用さ
れていない。
【0004】これに対して、これらの部品や部品組立体
に付着する油分やパーティクルを除去するためには、一
般に、溶剤洗浄機が使用される。この場合の溶剤には、
油分分解能が高く、水に比較してぬれ性が高く、蒸発性
(乾燥性)が良い等の性質を兼ね備えていることが求め
られ、臭素系溶剤(ブロム)、代替フロン、トリクレ
ン、トリクロロエタン、炭化水素系溶剤等が使用されて
いる。図2には、このような溶剤洗浄機の一般的な構成
が図示されている。
【0005】図2において、従来の溶剤洗浄機01は、複
数の洗浄槽021 、022 、023 ・・・、ベーパー槽031 を
備えている。また、複数の洗浄槽021 、022 、023 ・・
・の多くは、その底部に超音波発振器064 を備えてい
る。そこで、所定の生産工程を経て製造された中間品で
ある各種部品や部品組立体等のワーク(W)は、図3に
図示されるように、それらのまとまった数量が籠061 に
入れられ、該籠061 がハンガー062 により吊持、搬送さ
れて、順次、これらの洗浄槽021 、022 、023 ・・・お
よびベーパー槽031 を通される(矢印A1〜A4参
照)。
【0006】先ず、ワークは、第1の洗浄槽021 に搬入
され、そこに浸漬されて、超音波発振器064 により励起
された溶剤液の振動を受けながら、該ワークに付着した
油分やパーティクルが物理的および化学的に分離され
る。ここで、物理的分離とは、溶剤液の振動により発生
するキャビテーション(空洞破壊)に起因する物理的な
力および溶剤のぬれ性に起因する物理的な力による分離
であり、化学的分離とは、溶剤の物質分解能に起因する
化学変化による分離である。そして、このような油分や
パーティクルの分離作用が、複数段の洗浄槽において複
数回繰り返される。
【0007】このようにして複数の洗浄槽021 、022 、
023 ・・・を通過したワークは、最後に、ベーパー槽03
1 に搬入されて、溶剤蒸気による洗浄と乾燥とが行なわ
れる。このベーパー槽031 においては、槽底部の液槽に
貯留された溶剤液がヒーター033 により溶剤蒸気圧温度
以上に加熱されて、発生した蒸気がワークを加熱し、ワ
ーク自体は冷却されているためにワーク表面に溶剤が凝
縮し、この溶剤の凝縮液がワーク表面になお付着して残
っている油分やパーティクル等の汚れを洗い落として分
離する。
【0008】ベーパー槽031 の上部内周壁には、冷却管
が複数回巻回されてなる冷却器034が取り付けられてお
り、ワークにより凝縮された溶剤の気化溶剤やベーパー
液槽から上昇して来る溶剤蒸気がこの冷却器034 により
冷却されて凝縮し、冷却器034 の下方の樋035 に集めら
れる。このように、ベーパー槽031 内においてワークに
より凝縮された溶剤が気化されてしまうことがワークの
乾燥となるのである。
【0009】樋035 に集められた凝縮液は、そこから槽
外の水分離器090 に導かれ、この水分離器090 において
水が分離されて得られた溶剤液は、再び最終段洗浄槽02
N に戻される。このようにして再生された溶剤液を受け
入れて液面高さを増した洗浄槽02N からは、溶剤液が溢
れて、順次、前段の洗浄槽02N-1 、02N-2 ・・・に流入
し(矢印B1、B2参照)、これらの洗浄槽内の溶剤液
がより新鮮な溶剤液により入れ換えられる。なお、この
ような溢れた溶剤液の前段洗浄槽への戻りを容易にする
ために、複数の洗浄槽021 、022 、023 ・・・は、図2
に図示されるように、前段の洗浄槽程、その液面が低く
なるようにされている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の溶剤洗浄機01にあっては、一般に、溶剤の消
費量が多い上に、ベーパー槽031 のみによりワークを乾
燥させることが困難である。その理由は、ワークの比熱
が一般に小さく、このため、ワークに付着する溶剤の蒸
発潜熱でワークが直ぐに冷却されて溶剤の蒸発性が悪く
なり、ワークに付着する溶剤が蒸発し切れないままに残
り、特に凹形状部や盲孔に溜まる溶剤が蒸発し切れない
うちにワークが冷却されて、溶剤が残留して残ったま
ま、ワークがベーパー槽031 から搬出されてしまうから
である。
【0011】このように、決められた洗浄機内でワーク
を乾燥し切れないとなると、洗浄機からワークが搬出さ
れた後、洗浄機外でワークを自然蒸発・乾燥させざるを
得なくなる。しかしながら、このような洗浄機外でのワ
ークの自然蒸発・乾燥は、溶剤が大気に発散されること
になり、環境汚染の原因にもなりかねず、また、大気放
出のために溶剤が回収されず、溶剤消費量のさらなる増
大を招くことにもなる。これらの問題の発生を回避する
ためにも、ワークの乾燥は、あくまでも洗浄機内で済ま
せることが鉄則である。
【0012】本願の発明は、従来の溶剤洗浄機が有する
前記のような問題点を解決して、OA機器等精密機器の
製造工場の生産ラインにおいて発生する中間品である各
種部品や部品組立体(ワーク)を溶剤洗浄機内で短時間
に十分に洗浄、乾燥させることができ、これにより、ワ
ークに付着する油分やパーティクルを略完全に除去し
て、しかも、溶剤の回収効率が高くて、溶剤の消費量が
少なく、環境を汚染することのない、溶剤洗浄機を提供
することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段および効果】本願の発明
は、前記のような課題を解決した溶剤洗浄機に係り、こ
の溶剤洗浄機においては、ワークの乾燥方式が、従来の
ベーパー槽乾燥方式から、ベーパー槽を使用しない温風
乾燥方式に転換されている。以下に、このような溶剤洗
浄機に係る本願の各請求項に記載された発明について、
詳細に説明する。
【0014】本願の請求項1に記載された発明は、ワー
クを溶剤で洗浄して、前記ワークに付着する油分やパー
ティクルを除去するとともに、前記ワークを乾燥させる
溶剤洗浄機が、前記ワークを溶剤液に浸漬させて、前記
ワークを洗浄する複数の洗浄槽と、複数の前記洗浄槽の
うちの最終段洗浄槽を経た前記ワークを温風乾燥させる
温風乾燥槽と、前記温風乾燥槽を含む温風の閉鎖循環路
と、前記閉鎖循環路に接続され、前記閉鎖循環路を流れ
る物質を吸引して回収する回収装置と、前記回収装置に
接続され、前記回収装置で回収された液体から水を分離
して、得られた溶剤を前記最終段洗浄槽に戻す水分離器
とを備えてなることを特徴とする溶剤洗浄機である。
【0015】請求項1に記載された発明は、前記のよう
に構成されているので、次のような効果を奏することが
できる。複数の洗浄槽を経て溶剤により洗浄されて、油
分やパーティクルのほとんどが除去されたワークは、次
いで、温風乾燥槽に入り、ここで、閉鎖循環路を循環す
る温風により連続的に加熱される。これにより、ワーク
の表面、とりわけ、凹形状部や盲孔等の汲み出しにくい
所になお付着して残っている溶剤は、ゴミと共に蒸発さ
せられて、略完全に乾燥される。このようにして、ワー
クを略完全に洗浄し、乾燥させることができる。なお、
温風乾燥槽に搬入されたワークになお付着して残ってい
る微量の油分も、溶剤とともに蒸発するか、もしくは温
風により吹き飛ばされ、また、パーティクルも、温風に
より吹き飛ばされて、分離される。そして、温風ととも
に閉鎖循環路を循環する。これにより、ワークをさらに
完全に洗浄し、乾燥させることができる。
【0016】しかも、このようにしてワークから溶剤、
油分、パーティクルを略完全に分離して除去した温風
は、それらの成分を含みつつ、閉鎖循環路を循環する間
に、その一部が回収装置により吸引されて回収されるの
で、温風および該温風に含まれるそれらの成分が温風乾
燥槽から直接外部に排出されることがなく、環境を汚す
虞がない。また、このように温風が閉鎖循環路を循環す
る過程においては、その中に含まれる溶剤成分が次第に
濃縮されて濃度を増し、回収装置へのガス吸引濃度(溶
剤蒸気吸引濃度)も高くなる。これにより、溶剤の回収
効率を向上させることができる。
【0017】さらに、回収装置においては、吸引された
物質(温風、該温風に含まれる溶剤蒸気、油分、パーテ
ィクル)から分離される気体成分(温風)、油分、パー
ティクルを除去し、その他の液体成分(溶剤液、水)を
次段の水分離器に導いて、そこにおいて水を分離し、得
られた溶剤液を最終段洗浄槽に戻すようにすることがで
きる。したがって、最後の工程段である乾燥槽において
新たに溶剤が消費されないことに加えて、最後までワー
クに付着して温風乾燥槽まで運ばれた溶剤は、回収装置
および水分離器を通して回収されるので、溶剤の消費量
を大幅に低減することができる。
【0018】加えて、温風の循環量、例えば、温風の風
速、循環時間、風向等を適切に調節すれば、温風の温度
をそれほど上げなくても、ワークの洗浄・乾燥時間を短
縮することができるので、作業効率を損なうこともな
い。この際、温風に冷たい高圧のエアーを併用して、温
風速度を加速する等の調整を行なうことも可能である。
【0019】また、その請求項2に記載された発明は、
請求項1に記載の溶剤洗浄機において、その複数の洗浄
槽の多くが、槽内の溶剤液を振動させてキャビテーショ
ンを発生させる超音波発振器を備えていることを特徴と
している。
【0020】これにより、洗浄槽に浸漬されたワーク
は、超音波発振器により励起される溶剤液のキャビテー
ション振動を受けるので、浸漬による洗浄作用にキャビ
テーション振動による空洞破壊力を利用した超音波洗浄
作用が加わって、ワークに付着した油分やパーティクル
をさらに効果的に分離することができる。
【0021】また、その請求項3に記載された発明は、
請求項1または請求項2に記載の溶剤洗浄機において、
その閉鎖循環路には、ヒーターとフィルターとが付設さ
れていることを特徴としている。
【0022】この結果、ヒーターにより温風を再加熱
し、フィルターにより温風を浄化することにより、きわ
めて容易に温風の再生を図ることができ、これにより、
温風乾燥槽におけるワークへのパーティクル等の汚れ再
付着を防止し、ワーク乾燥の省電力化を図ることができ
る。
【0023】さらに、その請求項4に記載された発明
は、請求項3に記載の溶剤洗浄機において、ヒーターの
表面温度は、溶剤の熱分解温度よりも低くなるように制
御されていることを特徴としている。
【0024】これにより、閉鎖循環路を循環する溶剤の
熱分解が防がれるので、溶剤の成分変質を無くして、不
良溶剤を低減し、良質な溶剤の回収率を向上させること
ができ、溶剤の消費量をさらに低減することができる。
【0025】また、その請求項5に記載された発明は、
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の溶剤洗浄機
において、複数の洗浄槽の各々は、そのワークの出入口
がシャッターで開閉自在に閉じられ、最終段洗浄槽の雰
囲気と温風乾燥槽とを連通させる配管が設けられてお
り、複数の洗浄槽の各々の雰囲気中の蒸発成分が、当該
洗浄槽のワークの出口側シャッターが開けられたとき、
隣接する後続の洗浄槽の雰囲気中もしくは温風乾燥槽中
に順次流れ込んで行くことができるようにされているこ
とを特徴としている。
【0026】この結果、複数の洗浄槽の各々の内部にお
いて発生した溶剤蒸気は、後続の洗浄槽の雰囲気中に順
次流れ込み、最終的には、温風乾燥槽中に流れ込んで、
回収装置による吸引相当量を補充しつつ、閉鎖循環路を
流れて、該閉鎖循環路に接続された回収装置、該回収装
置に接続された水分離器を通して溶剤液として回収され
ることができる。これにより、溶剤の回収効率をさらに
上げて、溶剤の消費量をさらに低減することができる。
【0027】また、その請求項6に記載された発明は、
請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の溶剤洗浄機
において、複数の洗浄槽のうちの第1段洗浄槽の前段
に、入口側冷却予備槽が設けられ、該入口側冷却予備槽
は、そのワークの出入口がシャッターで開閉自在に閉じ
られていることを特徴としている。
【0028】この結果、ワークを入口側冷却予備槽から
後続の洗浄槽に搬入するに際して、入口側冷却予備槽と
第1段洗浄槽との間を仕切るシャッターが開けられて、
第1段洗浄槽から溶剤蒸気が入口側冷却予備槽側へ逆流
漏出したとしても、入口側冷却予備槽で冷却されて、蒸
気は沈降し、直接外部に漏出するのを防止することがで
き、有害蒸気の漏洩からの安全を図ることができる。ま
た、沈降蒸気は、回収装置で回収されるようにすること
により、溶剤の消費量の低減に資することができる。
【0029】さらに、その請求項7に記載された発明
は、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の溶剤洗
浄機において、温風乾燥槽の後段に、出口側冷却予備槽
が設けられ、該出口側冷却予備槽は、そのワークの出入
口がシャッターで開閉自在に閉じられ、該出口側冷却予
備槽には、回収装置が接続されていることを特徴として
いる。
【0030】この結果、温風乾燥槽において温風により
高温に加熱されたワークを出口側冷却予備槽において冷
却して、外部に搬出することができる。また、ワークを
温風乾燥槽から出口側冷却予備槽に搬入するに際して、
温風乾燥槽と出口側冷却予備槽との間を仕切るシャッタ
ーが開けられたとしても、温風乾燥槽から溶剤を含む温
風が直接外部に漏出することが防がれ、有害蒸気の漏洩
からの安全をさらに図ることができるとともに、これを
回収装置で回収することができ、溶剤の消費量の低減に
さらに資することができる。
【0031】さらに、また、その請求項8に記載された
発明は、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の溶
剤洗浄機において、その温風の閉鎖循環路は、その複数
台が並設されていることを特徴としている。
【0032】この結果、1台の閉鎖循環路(温風乾燥槽
を含む)の補修中に残りの閉鎖循環路を作動させること
ができ、また、これらを同時に作動させることもできる
ので、ワーク量および各温風乾燥槽の処理能力に応じて
適切な組合せで運転することにより、溶剤洗浄機の作業
効率、生産効率を大きく向上させることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】次に、図1に図示される本願の請
求項1ないし請求項8に記載された発明の一実施形態に
ついて説明する。図1は、本実施形態における溶剤洗浄
機の基本構成を示す概略側断面図である。この溶剤洗浄
機1は、特にOA機器等精密機器の製造工場の生産ライ
ンにおいて発生する中間品である各種部品や部品組立体
(以下、これらを総称して「ワーク」という。)を溶剤
で洗浄して、これらのワークに付着する切削用冷却油等
の油分や切削屑(切粉)、一般ゴミ等のパーティクルを
除去するとともに、これらのワークを乾燥させるために
使用される。
【0034】その全体構成は、概略、図1に図示される
ように、入口側冷却予備槽10と、第1段ないし第4段の
洗浄槽21〜24と、第4段の洗浄槽24に続く第1段および
第2段の温風乾燥槽31、32と、これらの温風乾燥槽31、
32をそれぞれ含む第1段および第2段の温風の閉鎖循環
路41、42と、出口側冷却予備槽50と、閉鎖循環路41、42
に接続され、これらの内部を流れる物質を吸引して溶剤
を回収するための回収装置80と、水分離器90等からなっ
ている。
【0035】入口側冷却予備槽10と第1段洗浄槽21との
間、隣接する洗浄槽21と22、22と23、23と24との各間、
第4段洗浄槽24と第1段温風乾燥槽31との間、第2段温
風乾燥槽32と出口側冷却予備槽50との間は、それぞれの
仕切壁の上半がシャッター60により仕切られ、また、入
口側冷却予備槽10の入口、出口側冷却予備槽50の出口
も、それぞれの仕切壁の上半がシャッター60により閉じ
られている。これらのシャッター60は、各洗浄槽におい
て行なわれるワークの洗浄作業により溶剤が隣接する槽
に飛散するのを防ぐとともに、仕切壁の高さを高くする
のと同等の効果を生じて、溶剤の蒸発を抑えるのに役立
つ。これらにより、溶剤の消費量を低減することができ
る。これらのシャッター60は、図示されない搬送機構に
より、各槽にワークが出入りするときには開けられる。
【0036】各槽の天井空間は閉鎖されているが、その
天井壁とシャッター壁との交差部分等から各槽内の溶剤
蒸気が漏れることがあり、このようにして漏れた溶剤蒸
気を冷却して回収するために、天井壁の上方の室内に
は、それらの槽に跨がるようにして、長大な多数の冷却
管の組立体からなる冷却器101 が横設されている。溶剤
蒸気の漏れ量が無視し得る場合には、この冷却器101
は、省略されてもよい。
【0037】各槽内には、ワークを入れた籠61(図3の
籠061 と同様のもの) を搬送するための複数のローラ62
が配設されており、これらのローラ62は、全体としてロ
ーラコンベアを構成している。各洗浄槽内において、籠
61が載置される中央の3本のローラ62は、詳細には図示
されないが、一体として昇降動可能にされており、その
上に載置される籠61を下方の洗浄液(溶剤液)中に浸
し、また、そこから引き上げることができる。
【0038】籠61は、このようにして構成されるローラ
コンベアにより搬送されて、先ず、入口側冷却予備槽10
に搬入される。この入口側冷却予備槽10内の雰囲気は、
冷却器102 により冷却されている。このため、後述する
ように、ワークが入口側冷却予備槽10から第1段洗浄槽
21に搬入されるに際して、入口側冷却予備槽10と第1段
洗浄槽21との間を仕切るシャッター60が開けられて、第
1段洗浄槽21から溶剤蒸気が入口側冷却予備槽10側へ逆
流漏出したとしても、入口側冷却予備槽10の雰囲気で冷
却されて、蒸気は沈降し、直接外部に漏出するのを防止
することができ、有害蒸気の外部への漏洩からの安全が
図られている。なお、この沈降蒸気は、配管79を介して
回収装置80で回収されており、これにより、溶剤の消費
量の低減に役立っている。
【0039】このようにして、所要の温度にまで冷却さ
れた籠61内のワークは、次いで、第1段洗浄槽21に搬入
される。この搬入に際しては、入口側冷却予備槽10と第
1段洗浄槽21との間を仕切るシャッター60が開けられ
る。第1段洗浄槽21に搬入された籠61は、該籠61を支持
する中央の3本のローラ62の組立体が、該籠61を支持し
つつ、一体となって下降して、該籠61を当該洗浄槽21の
溶剤液中に浸漬させる。同時に、超音波発振器64が作動
して、溶剤液を振動させ、キャビテーションを生起させ
る。これにより、ワークは、溶剤液中への浸漬による洗
浄作用に加え、溶剤液のキャビテーション振動に基づく
空洞破壊力を利用した超音波洗浄作用を受けて、ワーク
に付着する油分やパーティクルが効果的に分離される。
なお、この場合、超音波振幅による定在波幅以上のアッ
プダウン揺動をワークに行なわせて、超音波強弱帯域を
網羅させるようにしながら、洗浄効果を上げている。
【0040】同様の洗浄処理が、後続の第2段ないし第
4段の洗浄槽22〜24においても繰り返し行なわれる。但
し、第2段洗浄槽22においては、超音波発振器64が備え
られていない。代わりに、この槽においては、詳細には
図示されないが、ワークに溶剤液のシャワーを浴びさせ
て洗浄するシャワー洗浄の工程が加えられている。ワー
クは、このシャワー洗浄により、超音波洗浄による効果
が十分に行き届かなかった部分に存在する油分やパーテ
ィクルを分離することができる。同様のシャワー洗浄
は、超音波発振器64を備える第4段洗浄槽24においても
行なわれている。これは、シャワー液がフィルターでパ
ーティクルを濾過した綺麗な液体であるので、ワークが
最終段洗浄槽24を出て行くに際して、ワークに付着した
槽液を洗い落とすのに好都合であるからである。このよ
うに、超音波洗浄に続いてシャワー洗浄を実行すること
が、超音波洗浄では分離できない油分やパーティクルを
分離させる上で有効であると同時に、次の洗浄槽への汚
れの持ち込みを少なくする効果をも発揮するものであ
る。なお、このシャワー洗浄は、超音波洗浄に先立って
行なわれてもよい。
【0041】最終段洗浄槽である第4段洗浄槽24に隣接
して、第1段温風乾燥槽31と、該第1段温風乾燥槽31を
含む第1段閉鎖循環路41とが設置されている。この第1
段温風乾燥槽31内においては、ローラコンベアにより搬
入された籠61内に収容された多数のワークに対して上方
から温風が吹き付けられ、これらのワークが加熱、乾燥
される。
【0042】4段の洗浄槽21〜24を経て、溶剤を用いた
浸漬洗浄、溶剤を介した超音波洗浄、溶剤を用いたシャ
ワー洗浄等の洗浄処理を受けたワークは、その表面に付
着する油分やパーティクルのほとんどが除去されてい
る。このようなワークが、第1段温風乾燥槽31に入り、
第1段閉鎖循環路41を循環する温風により連続的に加熱
されと、ワークの表面、とりわけ、凹形状の溜り孔や盲
孔等の汲み出しにくい所になお付着して残っている溶剤
は、汚れと共に蒸発させられて、略完全に乾燥される。
このようにして、ワークは、略完全に洗浄され、乾燥さ
れる。
【0043】なお、温風乾燥槽31に搬入されたワークに
なお付着して残っている微量の油分も、溶剤とともに蒸
発するか、もしくは温風により吹き飛ばされる。また、
同様にして残っている微量のパーティクルも、温風によ
り吹き飛ばされる。
【0044】このようにしてワークから分離された溶剤
蒸気、油分、パーティクルは、第1段閉鎖循環路41を循
環する過程において、それらの一部が、一部の温風とと
もに、回収装置80により吸引されて回収される。同様の
洗浄・乾燥処理が、次の第2段温風乾燥槽32、第2段閉
鎖循環路42においても反復実行される。なお、第2段温
風乾燥槽32、第2段閉鎖循環路42は、予備のために休止
させておくこともできる。
【0045】第1段温風乾燥槽31と第2段温風乾燥槽32
との間は連通状にされており、ワークを収容する籠61
は、それらの間をローラコンベアに搬送されて自由に通
過することができる。第1段温風乾燥槽31、第2段温風
乾燥槽32をそれぞれ含む第1段閉鎖循環路41、第2段閉
鎖循環路42の各中途には、送風機65、ヒーター66、温度
センサー67、高性能フィルター(ヘッパーフィルター)
68がそれぞれ設けられている。したがって、各段におけ
る閉鎖循環路の運転は、相互に独立的に行なうことがで
きる。
【0046】第1段閉鎖循環路41、第2段閉鎖循環路42
の各中途に設けられる温度センサー67は、ヒーター66を
出た後の温風の温度を測定する。この測定結果は、ヒー
ター66の加熱量を制御する制御装置にフィードバックさ
れて、ヒーター66の表面温度が、常時、溶剤の熱分解温
度よりも低くなるように自動制御される。これにより、
そこの温風の温度も、常時、溶剤の熱分解温度以下の温
度に維持される。
【0047】第1段閉鎖循環路41、第2段閉鎖循環路42
の各中途に設けられる高性能フィルター68は、これらの
循環路41、42を流れる物質のうち、回収装置80により回
収されなかった油分、パーティクルを高性能で捕捉し
て、ヒーター66による温風の再加熱作用とともに、温風
を再生する役割を果たす。
【0048】ここで、第1段温風乾燥槽31と最終段(第
4段)洗浄槽24とは、配管74を介して連通されており、
最終段洗浄槽24の雰囲気中、閉鎖循環路41、42から回収
装置80により吸引される風量に丁度見合う風量の体積容
量が、この配管74を通って温風乾燥槽31内に、常時、吸
入されている。これにより、入口側冷却予備槽10および
第1段ないし第4段の洗浄槽21〜24の各々の雰囲気中の
蒸発成分(溶剤蒸気)は、当該槽のワークの出口側シャ
ッター60が開けられたとき、隣接する後続の洗浄槽の雰
囲気中もしくは温風乾燥槽31中に順次流れ込んで行くこ
とができる。なお、第4段の洗浄槽24の雰囲気中の蒸発
成分は、当該槽のワークの出口側シャッター60が開けら
れたとき、この開放通路を通って隣接する後続の第1段
温風乾燥槽31中に流れ込んで行くことができることは言
うまでもない。
【0049】このようにして、前段各槽から収集され、
第1段温風乾燥槽31内に吸入された溶剤蒸気は、第1段
および第2段温風乾燥槽31、32内の温風とともに、第1
段および第2段閉鎖循環路41、42を流れる。
【0050】第1段および第2段閉鎖循環路41、42の各
中途には、それらの循環路の内部を流れる温風その他の
物質を吸引するための配管71、72の各一端部がそれぞれ
接続されており、これらの配管71、72の各他端部は、回
収装置80に接続されている。実際には、これらの配管7
1、72の各一端部は、第1段および第2段温風乾燥槽3
1、32よりも後流側で、各送風機65よりも上流側の循環
路部分の所定個所に接続されている。
【0051】これら2本の配管71、72は、第1段および
第2段の閉鎖循環路41、42が同時に運転されるときに
は、同時に使用されるが、何れかの段の閉鎖循環路のみ
が運転される場合には、その閉鎖循環路に接続される配
管のみが使用される。例えば、第1段閉鎖循環路41のみ
が運転される場合には、その閉鎖循環路41に接続される
配管71のみが使用される。
【0052】また、出口側冷却予備槽50にも、その雰囲
気内の物質を吸引するための配管73の一端部が接続され
ており、この配管73の他端部は、回収装置80に接続され
ている。したがって、後述するように、第1段温風乾燥
槽31および第2段温風乾燥槽32を経たワークが出口側冷
却予備槽50に搬入されるとき、これらの間を仕切るシャ
ッター60が開けられて、両温風乾燥槽31、32から温風
(溶剤蒸気、油分、パーティクルを含む)が出口側冷却
予備槽50に流入するが、この温風は、回収装置80により
吸引されて回収されることができる。
【0053】これら3本の配管71〜73と、前記した配管
79とを介して抽出される物質には、当然のことながら、
温風のほかに、溶剤の蒸発成分、ワークから分離された
微量の油分やパーティクルが含まれている。これらは、
回収装置80内において冷却されて、油分とパーティクル
は回収装置80内のフィルターにより捕獲され、気体成分
(空気)は廃棄され、残った液体成分は、配管76を通し
て次段の水分離器90に送られる。
【0054】水分離器90においては、送り込まれた液体
成分から水を分離し、得られた溶剤液を配管77を通して
最終段洗浄槽24に戻す。したがって、最後の工程段であ
る温風乾燥槽31、32においては、ワークの洗浄・乾燥の
ために新たに溶剤が消費されることはなく、各洗浄工程
において発生した溶剤蒸気は収集され、冷却されて、溶
剤液として回収される。この結果、従来の溶剤洗浄機01
が、溶剤1ドラム(200リットル入り)を0.5〜
1.0日で消費していたのに対して、本実施形態におけ
る溶剤洗浄機1は、同量の溶剤を3日以上で消費するよ
うになり、溶剤の消費量を略1/6に低減することがで
きた。
【0055】再生溶剤液を受け入れる最終段洗浄槽24
は、次第に液面高さを増し、溢れた溶剤液は、前段の第
3段洗浄槽23に流入する。このようにして、液面高さを
増した洗浄槽からは溶剤液が溢れて、順次、前段の洗浄
槽に流入し、これらの洗浄槽内の溶剤液がより新鮮な溶
剤液により置き換えられる。後段の洗浄槽から前段の洗
浄槽への溶剤液のオーバーフローを容易にするために、
第1段ないし第4段洗浄槽21〜24の各液面は、図1に図
示されるように、前段に行く程低くなるようにされてい
る。
【0056】このようにして再生溶剤液を受け入れた各
洗浄槽は、相対的に第1段洗浄槽21が最も汚れた洗浄槽
となっている。そこで、この第1段洗浄槽21には、配管
75を介して蒸留器110 が接続されている。この蒸留器11
0 内においては、第1段洗浄槽21から抽出された液体が
油分と溶剤を含むその他の液体成分とに分離され、その
他の液体成分は、配管78を通して水分離器120 に導か
れ、ここにおいて水が分離され、最終的に得られた溶剤
液が、配管77を通って最終段洗浄槽24に戻されるように
なっている。
【0057】第1段温風乾燥槽31および第2段温風乾燥
槽32を出たワークは、一旦、出口側冷却予備槽50に入れ
られて、冷却器103 により所要の温度にまで冷却され
る。次いで、該槽の出口側シャッター60が開けられて、
冷却されたワークは、次の工程へと運び出される。
【0058】本実施形態の溶剤洗浄機1は、前記のよう
に構成されているので、次のような効果を奏することが
できる。複数の洗浄槽21〜24を経て溶剤により洗浄され
て、油分やパーティクルのほとんどが除去されたワーク
は、次いで、温風乾燥槽31、32に入り、閉鎖循環路41、
42を循環する温風により連続的に加熱される。これによ
り、ワークの表面、とりわけ、凹形状部や盲孔等の汲み
出しにくい所になお付着して残っている溶剤は蒸発させ
られて、略完全に分離される。このようにして、ワーク
を略完全に洗浄し、乾燥させることができる。なお、温
風乾燥槽31、32に搬入されたワークになお付着して残っ
ている微量の油分も、溶剤とともに蒸発するか、もしく
は温風により吹き飛ばされ、また、パーティクルも、温
風により吹き飛ばされて、分離される。そして、温風と
ともに閉鎖循環路41、42を循環しながら、回収装置80に
吸引されなかったパーティクルは、フィルター68によっ
て捕獲される。このようにして、ワークをさらに完全に
洗浄し、乾燥させることができる。
【0059】しかも、このようにしてワークから溶剤、
油分、パーティクルを略完全に分離して除去した温風
は、それらの成分を含みつつ閉鎖循環路41、42を循環す
る間に、その一部が回収装置80により吸引されて回収さ
れるとともに、パーティクルの残部は、前記のとおり、
フィルター68によっても捕獲されるので、温風および該
温風に含まれるそれらの成分が温風乾燥槽31、32から直
接外部に排出されることがなく、環境を汚染する虞がな
い。
【0060】さらに、回収装置80においては、吸引され
た温風から回収された液体成分(溶剤液、水)を次段の
水分離器90に導いて、ここにおいて水を分離し、得られ
た溶剤液を最終段洗浄槽24に戻すようにすることができ
る。したがって、最後の工程段である乾燥槽において新
たに溶剤が消費されないことに加えて、最後までワーク
に付着して温風乾燥槽31、32まで運ばれた溶剤は、回収
装置80および水分離器90を通して回収されるので、溶剤
の消費量を大幅に低減することができる。
【0061】また、温風の循環量、例えば、温風の風
速、循環時間、風向等を適切に調節すれば、温風の温度
をそれほど上げなくても、ワークの洗浄・乾燥時間を短
縮することができるので、作業効率を損なうこともな
い。この際、温風に冷たい高圧のエアーを併用して、温
風速度を加速する等の調整を行なうことも可能である。
【0062】また、複数の洗浄槽21〜24の多くが、槽内
の溶剤液を振動させてキャビテーションを発生させる超
音波発振器64を備えており、洗浄槽に浸漬されたワーク
は、超音波発振器64により励起される溶剤液のキャビテ
ーション振動を受けるので、浸漬による洗浄作用にキャ
ビテーション振動に基づく空洞破壊力を利用した超音波
洗浄作用が加わって、ワークに付着した油分やパーティ
クルをさらに効果的に分離することができる。加えて、
超音波洗浄の前または後にシャワー洗浄が行なわれるの
で、それらの分離を一層助長することができる。
【0063】さらに、閉鎖循環路41、42には、ヒーター
66とフィルター68とが付設されているので、ヒーター66
により温風を再加熱し、フィルター68により温風を浄化
することにより、きわめて容易に温風の再生を図ること
ができ、これにより、温風乾燥槽31、32におけるワーク
へのパーティクル等の汚れ再付着を防止し、ワーク乾燥
の省電力化を図ることができる。
【0064】しかも、ヒーター66の表面温度は、溶剤の
熱分解温度よりも低くなるように制御されているので、
閉鎖循環路41、42を循環する溶剤の熱分解が防がれ、溶
剤の成分変質を無くして、不良溶剤を低減し、良質な溶
剤の回収率を向上させることができ、溶剤の消費量をさ
らに低減することができる。
【0065】また、複数の洗浄槽21〜24の各々は、その
ワークの出入口がシャッター60で開閉自在に閉じられ、
最終段洗浄槽24の雰囲気と温風乾燥槽31とを連通させる
配管74が設けられており、複数の洗浄槽21〜24の各々の
雰囲気中の蒸発成分が、当該洗浄槽のワークの出口側シ
ャッター60が開けられたとき、隣接する後続の洗浄槽の
雰囲気中もしくは温風乾燥槽31中に順次流れ込んで行く
ことができるようにされているので、複数の洗浄槽21〜
24の各々の内部において発生した溶剤蒸気は、後続の洗
浄槽の雰囲気中に順次流れ込み、最終的には、温風乾燥
槽31中に流れ込んで、回収装置80による吸引相当量を補
充しつつ、閉鎖循環路41、42を流れ、該閉鎖循環路41、
42に接続された回収装置80、該回収装置80に接続された
水分離器90を通して溶剤液として回収されることができ
る。これにより、溶剤の消費量をさらに大幅に低減する
ことができる。
【0066】また、複数の洗浄槽21〜24のうちの第1段
洗浄槽21の前段に、入口側冷却予備槽10が設けられ、該
入口側冷却予備槽10は、そのワークの出入口がシャッタ
ー60で開閉自在に閉じられているので、ワークを入口側
冷却予備槽10から後続の洗浄槽に搬入するに際して、入
口側冷却予備槽10と第1段洗浄槽21との間を仕切るシャ
ッターが開けられて、第1段洗浄槽21から溶剤蒸気が入
口側冷却予備槽側10へ逆流漏出したとしても、入口側冷
却予備槽10で冷却されて、蒸気は沈降し、直接外部に漏
出するのを防止することができ、有害蒸気の漏洩からの
安全を図ることができる。また、沈降蒸気は、配管79を
介して回収装置80で回収されているので、溶剤の消費量
の低減に資することができる。
【0067】さらに、温風乾燥槽32の後段に、出口側冷
却予備槽50が設けられ、該出口側冷却予備槽50は、その
ワークの出入口がシャッター60で開閉自在に閉じられ、
該出口側冷却予備槽50には、配管73を介して回収装置80
が接続されているので、温風乾燥槽31、32において温風
により高温に加熱されたワークを出口側冷却予備槽50に
おいて冷却して、外部に搬出することができる。また、
ワークを温風乾燥槽31、32から出口側冷却予備槽50に搬
入するに際して、温風乾燥槽32と出口側冷却予備槽50と
の間を仕切るシャッター60が開けられたとしても、温風
乾燥槽31、32から溶剤を含む温風が直接外部に漏出する
ことが防がれ、有害蒸気の漏洩からの安全をさらに図る
ことができるとともに、これを回収装置80で回収するこ
とができ、溶剤の消費量の低減にさらに資することがで
きる。
【0068】さらに、また、温風乾燥槽31、32を含む温
風の閉鎖循環路41、42は、その複数台が並設されている
ので、1台の閉鎖循環路の補修中に残りの閉鎖循環路を
作動させることができ、また、これらを同時に作動させ
ることもでき、ワーク量および各温風乾燥槽31、32の処
理能力に応じて適切な組合せで運転することにより、溶
剤洗浄機1の作業効率、生産効率を大きく向上させるこ
とができる。以上のとおり、本実施形態の溶剤洗浄機1
は、種々の効果を奏することができる。
【0069】本実施形態において、洗浄槽は4槽とされ
たが、これに限定されず、必要に応じて適宜増減するこ
とができる。また、温風乾燥槽の設置台数についても、
同様である。その他、本願の発明は、以上の実施形態に
限定されずに、その要旨を逸脱しない範囲において、種
々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願の請求項1ないし請求項8に記載された発
明の一実施形態における溶剤洗浄機の基本構成を示す概
略側断面図である。
【図2】従来の溶剤洗浄機の概略構成を示す概略側断面
図である。
【図3】同従来の溶剤洗浄機に使用されるワーク持ち運
び具の斜視図である。
【符号の説明】
1…溶剤洗浄機、10…入口側冷却予備槽、21〜24…第1
段〜第4段洗浄槽、31、32…第1段、第2段温風乾燥
槽、41、42…第1段、第2段閉鎖循環路、50…出口側冷
却予備槽、60…シャッター、61…籠、62…ローラ、64…
超音波発振器、65…送風機、66…ヒーター、67…温度セ
ンサー、68…高性能フィルター、71〜79…配管、80…回
収装置、90…水分離器、101 〜103 …冷却器、110 …蒸
留器、120…水分離器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 今朝雄 長野県北佐久郡御代田町御代田4106−73 ミネベア株式会社軽井沢製作所内 (72)発明者 中山 豊一 神奈川県相模原市田名3039−15 ソニック フェロー株式会社内 Fターム(参考) 3B201 AA46 AB02 AB45 BB02 BB82 BB83 BB95 CB15 CC12 CD22 CD33 4K053 PA02 PA17 QA04 RA31 RA64 SA06 XA11 XA24 XA26 XA31 YA02 YA17

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワークを溶剤で洗浄して、前記ワークに
    付着する油分やパーティクルを除去するとともに、前記
    ワークを乾燥させる溶剤洗浄機が、 前記ワークを溶剤液に浸漬させて、前記ワークを洗浄す
    る複数の洗浄槽と、 複数の前記洗浄槽のうちの最終段洗浄槽を経た前記ワー
    クを温風乾燥させる温風乾燥槽と、 前記温風乾燥槽を含む温風の閉鎖循環路と、 前記閉鎖循環路に接続され、前記閉鎖循環路を流れる物
    質を吸引して回収する回収装置と、 前記回収装置に接続され、前記回収装置で回収された液
    体から水を分離して、得られた溶剤を前記最終段洗浄槽
    に戻す水分離器とを備えてなることを特徴とする溶剤洗
    浄機。
  2. 【請求項2】 複数の前記洗浄槽の多くは、槽内の溶剤
    液を振動させてキャビテーションを発生させる超音波発
    振器を備えていることを特徴とする請求項1に記載の溶
    剤洗浄機。
  3. 【請求項3】 前記閉鎖循環路には、ヒーターとフィル
    ターとが付設されていることを特徴とする請求項1また
    は請求項2に記載の溶剤洗浄機。
  4. 【請求項4】 前記ヒーターの表面温度は、溶剤の熱分
    解温度よりも低くなるように制御されていることを特徴
    とする請求項3に記載の溶剤洗浄機。
  5. 【請求項5】 複数の前記洗浄槽の各々は、そのワーク
    の出入口がシャッターで開閉自在に閉じられ、 前記最終段洗浄槽の雰囲気と前記温風乾燥槽とを連通さ
    せる配管が設けられており、 複数の前記洗浄槽の各々の雰囲気中の蒸発成分が、当該
    洗浄槽のワークの出口側シャッターが開けられたとき、
    隣接する後続の洗浄槽の雰囲気中もしくは前記温風乾燥
    槽中に順次流れ込んで行くことができるようにされてい
    ることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか
    に記載の溶剤洗浄機。
  6. 【請求項6】 複数の前記洗浄槽のうちの第1段洗浄槽
    の前段に、入口側冷却予備槽が設けられ、 前記入口側冷却予備槽は、そのワークの出入口がシャッ
    ターで開閉自在に閉じられていることを特徴とする請求
    項1ないし請求項5のいずれかに記載の溶剤洗浄機。
  7. 【請求項7】 前記温風乾燥槽の後段に、出口側冷却予
    備槽が設けられ、 前記出口側冷却予備槽は、そのワークの出入口がシャッ
    ターで開閉自在に閉じられ、 前記出口側冷却予備槽には、前記回収装置が接続されて
    いることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれ
    かに記載の溶剤洗浄機。
  8. 【請求項8】 前記温風の閉鎖循環路は、その複数台が
    並設されていることを特徴とする請求項1ないし請求項
    7のいずれかに記載の溶剤洗浄機。
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