JP6526858B2 - 洗浄液蒸留再生装置、部品洗浄装置、及び、洗浄液の蒸留再生方法 - Google Patents

洗浄液蒸留再生装置、部品洗浄装置、及び、洗浄液の蒸留再生方法 Download PDF

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本発明は、機械部品やメッキ部品等の洗浄に使用した洗浄液を蒸留再生する洗浄液蒸留再生装置、部品洗浄装置、及び、洗浄液の蒸留再生方法に関する。
金属製機械部品、メッキ部品、電子部品等の各種部品には、その製造工程や組立工程等において、切削油等の工作油脂、フラックス、塵埃等をはじめとして様々な汚れが付着する。このような汚れが付着した機械部品や電子部品等の被処理物を洗浄する部品洗浄装置としては、被処理物の洗浄に使用された洗浄剤を再度使用できるように、汚れ成分を含む洗浄剤を蒸留する蒸留釜等からなる再生装置を備えたものが開発されている(例えば、特許文献1)。また、近年、切削油等の工作油脂やフラックス等を洗浄する洗浄液として、引火性を有さない洗浄液、すなわち非引火性の洗浄液が開発されている(例えば、特許文献2)。このような、非引火性の洗浄液を用いる場合、防爆、防火等の対策が不要になり、消防法に規定されているような管理も不要になる。
特開2006−51502号公報 特開2013−129815号公報
ところで、上記の洗浄液は、洗浄液中に一定の水分を含有することで非引火性を有する。しかしながら、上記した部品洗浄装置では、部品洗浄装置内において水分の揮発等により水分濃度が減少する虞があった。その結果、洗浄に使用された洗浄液を再び使用する際に、この再生された洗浄液から非引火性が消失する虞があった。換言すると、再生使用される洗浄液に引火点が出現する虞があった。
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、洗浄液内の水分濃度を調整できる洗浄液蒸留再生装置、部品洗浄装置、及び、洗浄液の蒸留再生方法を提供しようとするものである。
本発明は、上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1に記載のものは、水分を含む洗浄液を気化させる蒸留釜と、
気化された洗浄液の蒸気を凝縮すると共に減圧機構によって減圧された状態の洗浄液の水分濃度を調整する調整機構と、
前記調整機構内に水分を補充する水分補充機構と、
前記水分補充機構の前記調整機構内への水分の補充を制御する制御装置と、を備え、
前記調整機構は、
蒸留釜により気化された前記洗浄液の蒸気を凝縮して液化するコンデンサと、
液化した前記洗浄液を貯留するタンクと、を備え、
前記水分補充機構は、前記コンデンサに接続され、
前記制御装置は、前記蒸留釜へ導入される洗浄液の水分濃度又は蒸留された洗浄液の水分濃度が所定の値よりも低い場合、前記水分補充機構から前記コンデンサ内の減圧された状態の洗浄液に水分を補充する制御を実行することを特徴とする洗浄液蒸留再生装置である。
請求項2に記載のものは、蒸留された洗浄液の水分濃度を検出する水分濃度検出機構を備え、
前記制御装置は、前記水分濃度検出機構により検出された前記洗浄液の水分濃度が所定の値よりも低い場合、前記水分補充機構から前記調整機構内に水分を補充する制御を実行することを特徴とする請求項1に記載の洗浄液蒸留再生装置である。
請求項3に記載のものは、前記洗浄液は、含有される水分の濃度が少なくとも所定の最低水分濃度以上の場合において非引火性を有し、
前記制御装置は、前記水分濃度検出機構により検出された前記洗浄液の水分濃度が前記最低水分濃度よりも低い場合、前記水分補充機構から前記調整機構内に水分を補充する制御を実行することを特徴とする請求項2に記載の洗浄液蒸留再生装置である。
請求項4に記載のものは、前記調整機構は、
蒸留釜により気化された前記洗浄液の蒸気を凝縮して液化するコンデンサと、
液化した前記洗浄液を貯留するタンクと、
前記コンデンサ内を負圧にする減圧機構と、を備え、
前記水分補充機構は、
水分が流れる水分流路と、
前記水分流路の途中に設けられた水分補充弁と、を備え、
前記制御装置は、前記水分補充弁を開状態にして前記コンデンサ以降の減圧された状態の洗浄液に水分を補充する制御を実行することを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の洗浄液蒸留再生装置である。
請求項5に記載のものは、請求項1から請求項4の何れか一項に記載の洗浄液蒸留再生装置を備えたことを特徴とする部品洗浄装置である。
請求項6に記載のものは、水分を含む洗浄液を蒸留釜内で気化させ、気化された洗浄液の蒸気をコンデンサ内で凝縮させると共に減圧された状態を維持する洗浄液の蒸留再生方法であって、
前記蒸留釜へ導入される洗浄液の水分濃度又は蒸留された洗浄液の水分濃度を水分濃度検出機構により検出し、
前記水分濃度検出機構により検出された前記洗浄液の水分濃度を制御装置により監視し、
前記水分濃度検出機構により検出された前記洗浄液の水分濃度が所定の値よりも低い場合、前記コンデンサ内に水分を供給する水分補充機構を作動させて、前記コンデンサ内の減圧された状態の洗浄液に水分を補充することを特徴とする洗浄液の蒸留再生方法である。
本発明によれば、以下のような優れた効果を奏する。
すなわち、洗浄液の水分濃度を調整でき、洗浄液に引火点が出現することを抑制できる。
部品洗浄装置の構成を示す概略図である。 蒸留再生装置の構成を示す概略図である。 制御装置の概略ブロック図である。
以下、本発明を実施するための形態として、洗浄液蒸留再生装置24を備えた部品洗浄装置1を例に挙げて説明する。図1は、本発明に係る部品洗浄装置1の構成を示す概略図、図2は、部品洗浄装置1に組み込まれた洗浄液蒸留再生装置24の構成を示す概略図である。図3は部品洗浄装置1及び洗浄液蒸留再生装置24を制御する制御装置50の概略ブロック図である。なお、図2における白抜き矢印は、洗浄溶剤の流れを表し、破線で表された白抜き矢印は、冷却水の流れを表している。また、図2において、冷却水が流れる冷却系は破線で表している。
図1に示すように、工作油脂等の汚れが付着した機械部品や電子部品等の被処理物2の洗浄及び乾燥は、洗浄乾燥槽3内にバスケット4に入れた複数の被処理物2を収容して行われる。この洗浄乾燥槽3内では、非引火性の洗浄液(以下、洗浄溶剤、又は、単に溶剤という。)を使用して被処理物2の洗浄が行われる。本実施形態では、洗浄溶剤に浸漬して超音波による振動を与えて洗浄する浸漬洗浄工程を行ない、次に洗浄溶剤の蒸気を導入して被処理物2の洗浄を行う蒸気洗浄工程を行ない、さらに蒸気洗浄後の被処理物2を乾燥させる真空乾燥工程を行う。
本実施形態における洗浄溶剤は、水分を含むことで、非引火性を有する溶剤が用いられる。例えば、水を10%〜20%、アルコール類を60%〜80%、及び、水溶性溶剤を10%〜20%含有するものであって、非引火性(クリーブランド解放式測定法において引火点なし)を有するものが用いられる。このような組成の洗浄溶剤は、水分を含有させることにより、引火点を消失させている。換言すると、含有される水分の濃度が所定の水分濃度(例えば、10%)以上の場合において非引火性を有する。
なお、水分は、洗浄溶剤の引火点を消失させられれば、不純物を含んでいても良い。例えば、蒸留水やイオン交換水のほか、水道水も使用できる。また、アルコール類としては、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、及び、これらを混合したもの等が用いられる。さらに、水溶性溶剤としては、油分の溶解性の良いものが望ましく、例えば、1−(2−メトキシ―2−メチルエトキシ)−2−プロパノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、及び、これらを混合したもの等が用いられる。
洗浄乾燥槽3は、上部が開閉可能な中空箱体状の耐圧容器であり、上部開口の縁に形成されたシール材6を介して当該開口を密閉する開閉蓋7が設けられている。この開閉蓋7は、洗浄乾燥槽3の上部開口に対して開閉自在に設けられており、少なくともその天井面(下面)7aが傾斜されている。このように開閉蓋7の天井面7aを傾斜させることで、この天井面7aに溶剤ガスが結露した場合に、溶剤液滴を当該天井面7a及び洗浄乾燥槽3の側壁面3bを伝って底面3aへ流下させることができる。したがって、結露した溶剤滴が被処理物2に付着してシミが発生することを防止できる。
また、洗浄乾燥槽3の底部3aには、後述する溶剤タンク13に至る排液管8が接続されており、該排液管8にはこれを開閉する排液弁9が介設されている。このため、漬洗浄工程の完了後、洗浄乾燥槽3内の洗浄溶剤は、排液弁9を開放して両者を連通させることにより、洗浄乾燥槽3の傾斜底部3aの最下部に接続された排液管8を通じて溶剤タンク13へと排液される。さらに、上記の浸漬洗浄工程、蒸気洗浄工程、及び、真空乾燥工程は、被処理物2を収容する洗浄乾燥槽3内を減圧して行われるため、洗浄乾燥槽3には、真空ポンプ10に至る排気管11が接続されている。この排気管11の途中には、洗浄乾燥槽真空弁12が設けられており、洗浄乾燥槽3と真空ポンプ10との間を開閉する。なお、排気管11の洗浄乾燥槽真空弁12よりも上流側(洗浄乾燥槽側)には、洗浄乾燥槽3の内部圧力を大気開放して調整するための洗浄乾燥槽大気開放弁18が分岐介設されている。
また、洗浄乾燥槽3には、その内部に洗浄溶剤を流入させて被処理物2を浸漬洗浄するために、溶剤タンク13に至る浸漬洗浄管14が接続されている。この浸漬洗浄管14にはこれを開閉する浸漬洗浄弁15が介設されている。さらに、洗浄乾燥槽3には、浸漬洗浄工程において、洗浄溶剤に浸漬された被処理物2を超音波による振動を与えて洗浄するための超音波発生装置3cが備えられている。その他、洗浄乾燥槽3には、その内部に流入された洗浄溶剤のレベルを検出するためのレベルスイッチ16、その内部圧力を検出する洗浄乾燥槽圧力センサ51(図3参照)、及び、内部圧力表示する洗浄乾燥槽内圧力計17等が備えられている。
溶剤タンク13は、上部が覆われた密閉容器であり、排液管8を介して洗浄乾燥槽3と接続されている。本実施形態では、溶剤タンク13から洗浄乾燥槽3への洗浄溶剤の流入、及び洗浄乾燥槽3から溶剤タンク13への排液は、溶剤タンク13と洗浄乾燥槽3との圧力差により行われる。このため、溶剤タンク13は、分岐排気管19を介して真空ポンプ10に接続されている。具体的には、排気管11の洗浄乾燥槽真空弁12よりも下流側(真空ポンプ10側)を分岐させて分岐排気管19に接続し、この分岐排気管19の排気管11とは反対側の端部を溶剤タンク13に接続している。そして、分岐排気管19にはこれを開閉する溶剤タンク減圧弁20が介設されている。このように、真空ポンプ10に至る排気管11から分岐された分岐排気管19を溶剤タンク13に接続したので、洗浄乾燥槽3との相対関係において溶剤タンク13の内部圧力を調整することができる。
また、溶剤タンク13には、その内部圧力を検出する溶剤タンク圧力センサ52、内部圧力を表示する溶剤タンク圧力計21、及び、溶剤タンク13内の洗浄溶剤の温度を検出して温度管理を行うための溶剤タンク温度センサ53が備えられている。さらに、溶剤タンク13の内部には、溶剤タンクヒータ13aが設けられており、溶剤タンク温度センサ53からの信号により洗浄溶剤が所定の温度よりも低下すると、制御装置50が溶剤タンクヒータ13aに通電して洗浄溶剤を加熱する。なお、溶剤タンク13には、その内部圧力を大気開放して調整するための溶剤タンク大気開放弁22が備えられている。
ここで、浸漬洗浄工程の完了後、排液弁9を開放して両者を連通することにより、洗浄乾燥槽3内の使用済み洗浄溶剤が排液管8を通じて溶剤タンク13へと排液されるが、洗浄に使用した洗浄溶剤には被処理物2に付着していた各種の汚れが混入している。これらの汚れ成分は洗浄乾燥槽3や排液管8に設けるフィルタ等を通しただけでは除去しきれず、省資源および環境保護の観点から洗浄溶剤を再生して使用する。このため、本実施形態における部品洗浄装置1は、使用済み溶剤を蒸留して凝縮する洗浄液蒸留再生装置24が設けられている。すなわち、溶剤タンク13には、洗浄液蒸留再生装置24が接続されている。
洗浄液蒸留再生装置24は、図2に示すように、洗浄溶剤を蒸発(気化)させる蒸留釜25(蒸留器の一種)と、気化された洗浄溶剤の蒸気を凝縮(液化)及び調整する調整機構34と、調整機構34内における洗浄溶剤(換言すると、蒸留された洗浄溶剤)の水分濃度を検出する水分センサ35(本発明における水分濃度検出機構に相当)と、調整機構34内に水分を補充する水分補充機構36と、を備えている。蒸留釜25は、例えば耐熱・耐圧性を有する概略円筒体状の竪型容器であり、本実施形態では蒸留釜25の下部を収納する状態で、加熱機構25aが備えられている。この加熱機構25aは、例えばオイル加熱ユニットであり、熱源として電気ヒータを備えている。この電気ヒータにより加熱媒体としての耐熱オイルを加熱し、この加熱オイルを介して蒸留釜25を加熱する。これにより、この蒸留釜25内を流通する汚れ成分を含む洗浄溶剤を加熱して蒸発(気化)させることができる。
なお、蒸留釜25内は、後述する減圧機構37により減圧されている。これにより、洗浄溶剤の沸点を低下させることができる。また、溶剤タンク13と蒸留釜25との間には、蒸留再生弁49が設けられている。溶剤タンク13から蒸留釜25への汚れ成分を含む溶剤の流入は、蒸留再生弁49を開放した状態で、溶剤タンク13と蒸留釜25との圧力差により行われる。そして、蒸留釜25にて蒸留分離された洗浄溶剤は、溶剤蒸気として蒸留釜25の上部から取り出され、調整機構34側(後述するコンデンサ26)に送られる。一方、蒸留分離された汚れ成分は、蒸留釜25の下部から取り出される。
本実施形態では、蒸留釜25から取り出された汚れ成分は、排出管38を介して蒸留釜25と接続されたスラッジタンク40に送られる。このスラッジタンク40内には、冷却水を通す冷却細管40aが設けられており、スラッジタンク40内の蒸気を含む汚れ成分を冷却する。そして、スラッジタンク40内で冷却された液体状の汚れ成分は、廃液管41を介して廃液を処理する廃液出口に排出される。なお、蒸留釜25とスラッジタンク40との間の排出管38にはこれを開閉する排出弁39が介設されている。また、スラッジタンク40と蒸留釜25との間には、排出弁39を開放した状態で、蒸留釜25からスラッジタンク40に汚れ成分を排出させる排出機構(図示せず)が設けられている。さらに、スラッジタンク40と廃液出口との間の廃液管41にはこれを開閉する廃液弁42が介設されている。
蒸留釜25から洗浄溶剤が送られる調整機構34は、蒸留釜25により気化された洗浄溶剤の蒸気を凝縮して液化するコンデンサ26と、液化した洗浄溶剤を貯留する循環用タンク27(本発明におけるタンクに相当)と、コンデンサ26内を負圧にする減圧機構37と、を備えている。コンデンサ26は、蒸留釜25と接続された熱交換器である。このコンデンサ26の本体は、例えば概略円筒体状の縦型または横型の容器であり、その内部に冷却水を通す冷却細管26aが収納されている。蒸留釜25にて蒸留分離された溶剤蒸気は、まずコンデンサ26に送られ、コンデンサ26を通過する際に冷却細管26aに接触して凝縮(液化)される。そして、この液化した再生溶剤が、コンデンサ26の下流側に接続された溶剤供給管43及び後述するエゼクタ28を介して循環用タンク27に送られる。
本実施形態では、コンデンサ26に水分補充機構36が接続されている。水分補充機構36は、例えば、別途設けられた、蒸留水等の水が排出される蛇口や給水タンクの流出口等の給水口に接続され、水分を給水口からコンデンサ26に送る機構である。水分補充機構36は、水分が流れ水分補充管44(本発明における水分流路に相当)とこれを開閉する水分補充弁45とを備えている。水分補充管44により給水口とコンデンサ26との間が接続され、該水分補充管44の途中に設けられた水分補充弁45を開状態にすることで、給水口からの水分をコンデンサ26内へ補充できるように構成されている。ここで、コンデンサ26内は、蒸留釜25と同様に、後述する減圧機構37により減圧されている。このため、水分補充弁45を開状態にするだけで、給水口からの水分をコンデンサ26内に取り込むことができ、コンデンサ26以降の洗浄溶剤に水分を補充できる。
また、本実施形態における減圧機構37は、循環用タンク27から出て当該循環用タンク27に戻る循環流路46と、循環流路46の途中に設けられたエゼクタ28と、循環流路46内の洗浄溶剤を循環させる循環ポンプ29(本発明におけるポンプに相当)と、を備えている。循環用タンク27には、その内部に冷却水を通す冷却細管27aが収納されている。このため循環する洗浄溶剤は、循環用タンク27内で冷却され、液体状態が維持される。また、循環用タンク27の循環流路46側とは反対側には、リザーブタンク23(図1参照)へ向けて洗浄溶剤を排出する溶剤出口が設けられている。リザーブタンク23内に貯留されている洗浄溶剤の量に応じて、再生された洗浄溶剤が循環用タンク27から排出される。なお、リザーブタンク23内に不純物を取り除くフィルタ等を設けても良い。
循環ポンプ29は、循環用タンク27から出てエゼクタ28に向かう循環流路46の途中に設けられている。この循環ポンプ29を駆動することで、循環用タンク27から当該循環ポンプ29及びエゼクタ28を経て再び循環用タンク27に戻る洗浄溶剤の流れを発生させることができる。そして、この循環により再生溶剤と補充された水分との攪拌混合を確実に行うことができ、再生溶剤の均質化を図ることができる。なお、循環ポンプ29は、洗浄溶剤を循環させることができれば、循環用タンク27及び循環流路46内の何れの場所に設けても良い。また、水分センサ35は、循環ポンプ29の下流側であって、エゼクタ28よりも上流側の循環流路46に設けられている。すなわち、水分センサ35は、エゼクタ28と循環流路46との間に設けられ、循環流路46内の循環ポンプ29から排出された洗浄溶剤の水分濃度を測定する。そして、エゼクタ28には、溶剤供給管43を介してコンデンサ26が接続されている。循環ポンプ29を駆動させて循環流路46内の洗浄溶剤を循環させた状態において、コンデンサ26からの洗浄溶剤はエゼクタ28を介して循環流路46内に吸引される。このように、エゼクタ28により洗浄溶剤が吸引されるため、コンデンサ26内が減圧され、さらにコンデンサ26に接続された蒸留釜25内が減圧される。
なお、本実施形態では、循環用タンク27内に設けられた冷却細管27a、コンデンサ26内に設けられた冷却細管26a、及び、スラッジタンク40内に設けられた冷却細管40aは、冷却水が流れる冷却流路47により接続されている。すなわち、冷却水入口から流入した冷却水は、冷却流路47内を流下しつつ、循環用タンク27内に設けられた冷却細管27a、コンデンサ26内に設けられた冷却細管26a、及び、スラッジタンク40内に設けられた冷却細管40aを通過して、冷却水出口から流出するように構成されている。このように、各冷却細管26a、27a、40aを一つの流路で接続することで、各冷却細管26a、27a、40aへの冷却水の供給を容易にすることができる。
洗浄液蒸留再生装置24により蒸留再生された洗浄剤は、図1に示すように、リザーブタンク23に貯留される。このリザーブタンク23内には、貯留された洗浄溶剤のレベルを検出するためのリザーブタンクレベルスイッチ48が設けられている。本実施形態においては、リザーブタンク23内の洗浄剤は、浄乾燥槽3内に収容された被処理物2を蒸気洗浄する蒸気洗浄工程に使用される。このため、リザーブタンク23から浄乾燥槽3に至る導入管33の途中には、該リザーブタンク23から導入される再生溶剤を溶剤蒸気として気化させるための熱交換器30が介設されている。この熱交換器30の本体は、例えば概略円筒体状の縦型または横型の容器であり、その内部に加熱媒体を通す加熱細管30aが収納されている。これにより熱交換器30を通過する再生溶剤は、加熱細管30aに接触して気化され、溶剤蒸気として洗浄乾燥槽3に導入される。なお、熱交換器30の加熱細管30aに通す加熱媒体としては、電気ヒータ等の加熱手段により加熱したオイルが挙げられる。また、本実施形態では、リザーブタンク23から熱交換器30への再生溶剤の導入、及び熱交換器30から洗浄乾燥槽3への溶剤蒸気の導入は、リザーブタンク23と洗浄乾燥槽3との圧力差により行われる。このため、熱交換器30よりも上流側の導入管33にはこれを開閉するための蒸気洗浄補助弁31が介設され、熱交換器30よりも下流側の導入管33にはこれを開閉するための蒸気洗浄弁32が介設されている。
前記した各機器、即ち各種ポンプ、各種の弁、及び各種センサは、制御装置50に電気的に接続され、この制御装置50の制御の下で予め設定した手順と条件で作動する。なお、制御装置50は、洗浄液蒸留再生装置24を制御する制御装置としても機能する。
本実施形態における制御装置50は、図3に示すように、CPU、ROM、RAMなどを備えたコンピュータにより構成され、タイマ54を備えている。そして、この制御装置50の入力側には、操作パネル55に設けた電源スイッチ56、スタートスイッチ57、減圧洗浄時間設定スイッチ58、復圧洗浄時間設定スイッチ59、低圧真空乾燥時間設定スイッチ60、復圧真空乾燥時間設定スイッチ61、水分濃度設定スイッチ64の他に、洗浄乾燥槽圧力センサ51、洗浄乾燥槽レベルスイッチ16、溶剤タンク温度センサ53、溶剤タンク圧力センサ52、リザーブタンクレベルスイッチ48、水分センサ35などが接続される。また、制御装置50の出力側には、操作パネル55に設けた表示器62の他に、真空ポンプ10、洗浄乾燥槽真空弁12、排液弁9、浸漬洗浄弁15、溶剤タンクヒータ13a、洗浄乾燥槽大気開放弁18、分岐排気弁19、溶剤タンク減圧弁20、溶剤タンク大気開放弁22、蒸気洗浄補助弁31、蒸気洗浄弁32、蒸留再生弁49、加熱機構25a、排出弁39、廃液弁42、水分補充弁45、循環ポンプ29などが接続されている。
なお、復圧洗浄時間設定スイッチ59、復圧真空乾燥時間設定スイッチ61は、被処理物2の重量、表面積、微細孔や微細隙間の有無や数などの特質に応じて、復圧時間をタイマ54に設定する入力手段として機能する。また、減圧洗浄時間設定スイッチ58、低圧真空乾燥時間設定スイッチ60は、被処理物2に応じて所望する時間をタイマ54に設定する入力手段として機能するものである。さらに、水分濃度設定スイッチ64は、洗浄溶剤の種類に応じて、コンデンサ26内に水分を補充する最低水分濃度を設定する入力手段として機能するものである。例えば、含有される水分の濃度が10%未満で引火性となる洗浄溶剤の場合、最低水分濃度は、10%或いはある程度のマージンをとって11%〜15%程度に設定される。すなわち、最低水分濃度は、洗浄液蒸留再生装置24内において管理される洗浄溶剤の水分濃度の値である。このため、洗浄溶剤は、少なくとも最低水分濃度以上の場合において非引火性を有するようになる。
そして、本実施形態における制御装置50は、浸漬洗浄工程において、上記洗浄乾燥槽内を200Pa以下に減圧して減圧洗浄を行うと共に、該減圧洗浄を行った後、200Paを超え所定の圧力まで復圧し、この復圧状態で復圧洗浄を行う制御を実行する。この減圧洗浄及び復圧洗浄は繰り返し行われる。すなわち、制御装置50は、減圧洗浄を所定の時間行い、該減圧洗浄を行った後、所定の時間復圧洗浄を行う操作を洗浄工程中で複数回繰り返す制御を実行する。なお、繰り返し回数は、予め設定した固定回数でもよいが、操作パネル55の図示していない操作部(外部入力手段)を操作することにより設定できるようにしてもよい。
また、制御装置50は、真空乾燥工程において、上記洗浄乾燥槽3内を真空ポンプ10の限界値まで減圧して低圧真空乾燥を行うと共に、該低圧真空乾燥を行った後、真空ポンプ10の限界値を開放し所定の圧力まで復圧し、この復圧状態で復圧真空乾燥を行う制御を実行する。この低圧真空乾燥及び復圧真空乾燥は繰り返し行われる。すなわち、制御装置50は、低圧真空乾燥を所定の時間行い、該低圧真空乾燥を行った後、所定の時間復圧真空乾燥する操作を乾燥工程中で複数回繰り返す制御を実行する。なお、この繰り返し回数は、予め設定した固定回数でもよいが、操作パネル55の操作部(外部入力手段)を操作することにより設定できるようにしてもよい。
さらに、制御装置50は、水分補充機構36の調整機構34内への水分の補充を制御する制御装置として機能する。すなわち、制御装置50は、水分センサ35から送信された調整機構34内の洗浄溶剤の水分濃度を監視し、該水分濃度が所定の値よりも低い場合、水分補充機構36から調整機構34内に水分を補充する制御を実行する。より具体的には、制御装置50は、水分センサ35により測定された循環流路46内における洗浄溶剤の水分濃度が最低水分濃度よりも低い場合、水分補充弁45を開状態にして給水口からコンデンサ26に水分を導入する制御を実行する。このようにすることで、洗浄液蒸留再生装置24の調整機構34内における洗浄溶剤が非引火性を有する最低水分濃度以上を保持でき、洗浄溶剤に引火点が出現することを抑制できる。
次に、本実施形態における部品洗浄装置1の操作を具体的に説明する。
準備段階として、洗浄乾燥槽大気開放弁18を開放した後、洗浄乾燥槽3の開閉蓋7を開放して、機械部品等の被処理物2を複数個入れたバスケット4を載置部上に載置する。被処理物2を洗浄乾燥槽3内に収容したならば、シール部材6を介して開閉蓋7を密閉状態で閉成する。そして、スタートスイッチ57を操作すると、制御装置50が洗浄乾燥槽大気開放弁18を閉成する。
このような準備が整ったら、まず、洗浄乾燥槽3へ洗浄溶剤の給液を行う。給液操作は、制御装置50が溶剤タンク大気開放弁22を開放して溶剤タンク13の内部圧力を大気方向へと戻す。そして、溶剤タンク13の内部圧力が所定の圧力(例えば500Pa)になったことが溶剤タンク圧力センサ52により検出されると、制御装置50が溶剤タンク大気開放弁22を閉成し、浸漬洗浄管14の浸漬洗浄弁15、及び排気管11の洗浄乾燥槽真空弁12を開放すると共に真空ポンプ10を駆動する。すると、浸漬洗浄弁15が洗浄乾燥槽3と溶剤タンク13との間を連通し、洗浄乾燥槽3と溶剤タンク13との圧力差により、溶剤タンク13内から洗浄溶剤が洗浄乾燥槽3へと給液される。このとき、制御装置50の制御により、溶剤タンク減圧弁20、蒸気洗浄弁32、蒸気洗浄補助弁31、排液弁9、及び蒸留再生弁49は閉成されている。そして、洗浄乾燥槽3のレベルスイッチ16の上限レベルスイッチが上限レベルを検出して制御装置50に信号を送ると、これにより、制御装置50が浸漬洗浄弁15及び洗浄乾燥槽真空弁12を閉成すると共に、真空ポンプ10を停止する。
そして、浸漬洗浄工程を行う。この浸漬洗浄工程では被処理物2が加熱溶剤内に浸漬している状態で、超音波発生装置3cにより超音波振動を与えて浸漬洗浄(超音波洗浄)を行う。具体的には、真空ポンプ10により排気管11を通じて洗浄乾燥槽3内を洗浄乾燥槽圧力センサ51が所定の値(例えば200Pa)以下を検出するまで減圧して減圧洗浄を行う。この減圧洗浄を行った後に制御装置50が洗浄乾燥槽大気開放弁18を開放し、洗浄乾燥槽圧力センサ51による検出圧力が所定の圧力(例えば500Pa以下の圧力)を指示するまで大気圧方向へと復圧して、この復圧状態で復圧洗浄を行う。この復圧洗浄を所定の時間行った後に洗浄乾燥槽大気開放弁18を閉成し、再度、真空ポンプ10により排気管11を通じて洗浄乾燥槽3内を減圧して減圧洗浄を行う。このように、減圧洗浄と復圧洗浄を繰り返し行う。
このように復圧洗浄を実施する理由は、被処理物2に微細な空間、例えば微細な孔(特に直径に比較して深い孔)が存在する場合には、洗浄溶剤中に浸漬しても微細な孔の中に空気が残留して抜け難く、すなわち孔内に洗浄溶剤が浸入し難く、超音波洗浄を施しても孔内部へ洗浄溶剤が浸透していかない。また、一度減圧しただけでは、孔内の空気が膨張して、膨張した分の空気が抜けたとしても洗浄溶剤が孔内に浸透していかない。そこで、孔の中の空気を減圧して膨張させて希薄にして膨張分は排出し、その後の復圧操作により残った空気を収縮させることによりこの収縮分の洗浄溶剤を浸透させ、この減圧と復圧とを繰り返すことにより、孔の中から空気を抜け出し易くさせるものである。これにより、孔内部へ洗浄溶剤を浸透させることができ、浸透した洗浄溶剤を介して孔の内周面に超音波を伝播して超音波洗浄を効率良く行うことができる。なお、減圧洗浄の時間及び復圧洗浄の時間の調整は、操作パネル55の減圧洗浄時間設定スイッチ58、復圧洗浄時間設定スイッチ59の操作により、被処理物2に応じて設定することができる。
浸漬洗浄の完了後に、洗浄乾燥槽3内の汚れ成分を含む洗浄溶剤を排液する。排液操作は、制御装置50からの信号により洗浄乾燥槽大気開放弁18を開放し、洗浄乾燥槽3の内部圧力を洗浄乾燥槽圧力センサ51が所定の圧力(例えば500Pa以下の圧力)を検出するまで大気方向へと戻す。その後、洗浄乾燥槽大気開放弁18を閉成し、排液管8の排液弁9、及び分岐排気管19の溶剤タンク減圧弁20を開放すると共に真空ポンプ10を駆動する。すると、排液弁9の開放により洗浄乾燥槽3と溶剤タンク13とが連通し、洗浄乾燥槽3と溶剤タンク13との圧力差により、洗浄乾燥槽3内から汚れ成分を含む洗浄溶剤が溶剤タンク13へと排液される。そして、洗浄乾燥槽3のレベルスイッチ16の下限レベル検出により、排液弁9及び溶剤タンク減圧弁20を閉成する。
ここで、溶剤タンク13へと排液され汚れ成分を含む洗浄溶剤は、洗浄液蒸留再生装置24により蒸留再生される。蒸留再生工程では、まず、溶剤タンク大気開放弁22を開放して溶剤タンク13の内部圧力を大気方向へと戻す。また、循環ポンプ29を駆動すると共に、蒸留再生弁49を開放する。そして、溶剤タンク13と蒸留釜25との圧力差により洗浄溶剤を蒸留釜25へ流入させる。次に、加熱機構25aにより蒸留釜25内の洗浄溶剤を加熱して蒸発させる。その後、所定時間が経過したならば、蒸留再生弁49を閉成して蒸留釜25への溶剤の流入を遮断し、蒸留釜25内の残留溶剤を蒸留する。そして、排出弁39を開放し、図示しない排出機構により蒸留分離された蒸気を含む汚れ成分をスラッジタンク40に排出する。この蒸気を含む汚れ成分は、スラッジタンク40内において冷却細管40aと接触し、冷却され、液化される。排出弁39の開放後、所定時間が経過したならば、排出弁39を閉成すると共に、廃液弁42を開放し、汚れ成分を廃液出口から排出する。
一方、蒸留分離された溶剤蒸気は、順次コンデンサ26内に流入し、液化される。具体的には、コンデンサ26内において、溶剤蒸気は冷却細管26aと接触し、凝縮(液化)される。そして、液化したコンデンサ26内の再生溶剤(洗浄溶剤)は、循環ポンプ29が駆動されている状態で、エゼクタ28に吸引される。エゼクタ28に吸引された再生溶剤は、循環用タンク27側に送られると共に、循環流路46内を循環して攪拌され、均質化される。ここで、循環流路46内を循環する再生溶剤の水分濃度は、水分センサ35により測定されると共に、電気信号として制御装置50に送信される。制御装置50は、この水分濃度を監視し、最低水分濃度以下になった場合、水分補充弁45を開放してコンデンサ26内に水分を補充する。この水分濃度の監視は、少なくとも洗浄溶剤が蒸留釜25内で蒸留されている間行われる。なお、最低水分濃度は、上記したように、洗浄溶剤の種類に応じて別途設定される。
このように、洗浄液蒸留再生装置24は、調整機構34内(本実施形態では、循環流路46内)における洗浄溶剤(換言すると、蒸留された洗浄溶剤)の水分濃度を検出する水分センサ35と、調整機構34内(本実施形態では、コンデンサ26内)に水分を補充する水分補充機構36と、水分補充機構36の調整機構34内への水分の補充を制御する制御装置50と、を備え、制御装置50が、水分センサ35により検出された洗浄溶剤の水分濃度が所定の値よりも低い場合、水分補充機構36から調整機構34内に水分を補充する制御を実行するので、洗浄溶剤の水分濃度を調整できる。すなわち、部品洗浄装置1内において、洗浄溶剤の水分濃度が減少したとしても、水分を補うことができる。これにより、洗浄溶剤の水分濃度を所定の濃度以上に保つことができる。その結果、含有される水分の濃度が所定の水分濃度よりも低い場合に非引火性が消失する洗浄溶剤を蒸留再生する際に、当該洗浄溶剤に引火点が出現することを抑制できる。その結果、洗浄液蒸留再生装置24に防火、防爆対策を施すこと無く、洗浄液蒸留再生装置24の構成、ひいては部品洗浄装置1の構成を簡単にできる。
また、調整機構34は、蒸留釜25により気化された洗浄溶剤の蒸気を凝縮して液化するコンデンサ26と、液化した洗浄溶剤を貯留する循環用タンク27と、コンデンサ26内を負圧にする減圧機構37と、を備え、水分補充機構36は、水分が流れる水分流路と、水分流路の途中に設けられた水分補充弁45と、を備え、制御装置50は、水分補充弁45を開状態にしてコンデンサ26以降の洗浄溶剤に水分を補充する制御を実行するので、水分補充弁45の開閉を制御するだけで、水分の補充を制御できる。このため、水分を供給する際に別途ポンプ等を設ける必要が無く、洗浄液蒸留再生装置24の構成、ひいては部品洗浄装置1の構成を一層簡単にできる。また、本実施形態では、コンデンサ26内に水分を供給するため、この水分によりコンデンサ26内の洗浄溶剤を冷却でき、コンデンサ26による冷却効率を向上させることができる。さらに、減圧機構37は、タンクから出て当該タンクに戻る循環流路46と、循環流路46の途中に設けられたエゼクタ28と、循環流路46内の洗浄溶剤を循環させる循環ポンプ29と、を備え、コンデンサ26は、エゼクタ28と接続され、エゼクタ28によりコンデンサ26内の洗浄溶剤が循環流路46内に吸引されるので、循環ポンプ29の他に、コンデンサ26から洗浄溶剤を排出させるポンプを別途設ける必要が無く、洗浄液蒸留再生装置24の構成、ひいては部品洗浄装置1の構成を一層簡単にできる。また、循環流路46内の洗浄溶剤を循環させることで、洗浄溶剤中に含まれる水分やアルコール類等の成分濃度のムラや、洗浄溶剤の温度ムラを無くすことができる。さらに、この循環により、洗浄溶剤と補充された水分との攪拌混合を確実に行うことができる。その結果、洗浄溶剤の均質化を図ることができる。
そして、蒸留釜25による蒸留を開始してから所定の時間が経過した後、循環する再生溶剤が循環用タンク27からリザーブタンク23に向けて排出される。なお、循環用タンク27からリザーブタンク23への排出は、図示しない再生溶剤排出機構により行われる。この再生溶剤排出機構は、例えば、循環用タンク27とリザーブタンク23との間を開閉する弁やポンプ等により構成される。そして、リザーブタンク23に貯留された再生溶剤は、浸漬洗浄工程の後に行われる蒸気洗浄工程に使用される。
蒸気洗浄工程では、真空ポンプ10が駆動されている状態で、排気管11の洗浄乾燥槽真空弁12を開放した後、導入管33の蒸気洗浄弁32及び蒸気洗浄補助弁31を開放する。蒸気洗浄弁32及び蒸気洗浄補助弁31の開放タイミングは、洗浄乾燥槽3の洗浄乾燥槽圧力センサ51が所定の圧力(例えば、100Pa以下の圧力)を検出したときである。これにより、洗浄乾燥槽3とリザーブタンク23との圧力差により、再生溶剤がリザーブタンク23から熱交換器30に導入され、入口に設けられた噴霧ノズル(図示せず)から再生溶剤が霧状に噴出される。この霧状溶剤が溶加熱媒体の通過する加熱細管30aと熱交換してガス化し、溶剤ガスとして洗浄乾燥槽3に導入される。これにより、熱交換器30を大型化することなく、洗浄乾燥槽3に導入する溶剤蒸気への溶剤液滴の混入を防止でき、被処理物2へのシミの付着を抑制できる。
蒸気洗浄を所定の時間行った後、制御装置50が蒸気洗浄弁32及び蒸気洗浄補助弁31を閉成して蒸気洗浄工程を完了し、真空乾燥工程へと移行する。移行した時点では、真空ポンプ10は継続して駆動状態であり、また、排気管11の洗浄乾燥槽真空弁12は開放されたままである。そして、真空ポンプ10の限界値まで減圧する。なお、真空ポンプ10は、真空乾燥に理想的な圧力である約7Pa以下まで減圧する能力を備えている。そして、限界値に達したならば、この状態を所定時間維持して低圧真空乾燥を行う。その後、所定時間経過後に制御装置50が洗浄乾燥槽大気開放弁18を開放して、即ち真空ポンプ10の限界値を開放し、洗浄乾燥槽圧力センサ51が所定の圧力(例えば、500Pa)を検出するまで大気方向へと戻す。すなわち、復圧する。そして、この復圧状態を所定時間だけ維持して復圧真空乾燥を行い、その後、再度洗浄乾燥槽大気開放弁18を閉成して真空ポンプ限界値まで再び減圧する。このように、低圧真空乾燥と復圧真空乾燥を繰り返し行う。これにより、すなわち所定時間ごとに復圧を行うことにより、溶剤の蒸発を抑制し、気化熱が奪われて冷却されることを一時的に抑制することができる。そして、この間に被処理物2が保有する芯熱(内部の熱)を表面に呼び戻して表面温度を高めることができ、この表面温度上昇後に、再び真空方向へと減圧することにより被処理物2の表面からの蒸発を促進させることができる。その結果、乾燥効率を向上させることができる。
真空乾燥工程が完了したら、制御装置50が洗浄乾燥槽大気開放弁18を開放して、洗浄乾燥槽3の内部圧力を大気開放し、全工程の終了を報知する。そして、洗浄乾燥槽3の開閉蓋7を開放すれば、バスケット4と共に洗浄乾燥された複数の被処理物2を取り出すことができる。
そして、以上では、部品洗浄装置1に組み込まれた洗浄液蒸留再生装置24を説明したが、これには限られず、部品洗浄装置1以外のものに組み込まれた洗浄液蒸留再生装置24にも本発明を適用できる。また、他の装置に組み込まれず、溶剤を蒸留再生する装置として単独で使用される洗浄液蒸留再生装置にも本発明を適用できる。さらに、上記実施形態では、洗浄液蒸留再生装置により蒸留再生された再生溶剤は、蒸気洗浄工程で使用されたが、これには限られず、その他の工程で使用されても良い。
また、上記の洗浄液蒸留再生装置24では、循環流路46内における循環ポンプ29の下流側に水分センサ35が設けられていたが、これには限られず、調整機構34内であればどの位置に設けられていても良い。さらに、上記実施形態では、洗浄液蒸留再生装置24に水分センサ35が設けられていたが、これには限られず、洗浄液蒸留再生装置以外に水分センサが設けられる構成を採用することもできる。例えば、部品洗浄装置の洗浄乾燥槽内や溶剤タンク内に水分センサが設けられる構成を採用することもできる。この場合、水分センサは、蒸留釜へ導入される洗浄溶剤の水分濃度を事前に検出し、その検出した値を制御装置に送信する。そして、制御装置は、この値を監視し、水分濃度が所定の値よりも低い場合、水分補充機構から調整機構内に水分を補充する制御を実行する。
さらに、上記の洗浄液蒸留再生装置24では、コンデンサ26に水分補充機構36が接続されていたが、これには限られず、調整機構34におけるコンデンサ26よりも下流側であればどの位置に接続されていても良い。また、上記の水分補充機構36では、水分補充管44の途中に水分補充弁45のみが設けられていたが、これには限られず、より積極的に水分を送れるように、水分補充弁45の他にポンプ等の送液機構を設けても良い。さらに、上記の部品洗浄装置1では、リザーブタンク23が設けられていたが、これには限られず、リザーブタンク23が設けられずに、循環用タンク27と熱交換器30とが直接接続されてもよい。
なお、前記減圧洗浄時間設定スイッチ58、復圧洗浄時間設定スイッチ59、低圧真空乾燥時間設定スイッチ60、復圧真空乾燥設定スイッチ61、及び水分濃度設定スイッチ64は、公知のスイッチを適宜選択して構成することができ、テンキー、或いは表示器62と一体化したタッチパネルスイッチでもよい。
1 部品洗浄装置
2 被処理物
3 洗浄乾燥槽
3a 底部
3b 側壁面
3c 超音波発生装置
4 バスケット
6 シール材
7 開閉蓋
7a 天井面
8 排液管
9 排液弁
10 真空ポンプ
11 排気管
12 洗浄乾燥槽真空弁
13 溶剤タンク
13a 溶剤タンクヒータ
14 浸漬洗浄管
15 浸漬洗浄弁
16 レベルスイッチ
17 洗浄乾燥槽内圧力計
18 洗浄乾燥槽大気開放弁
19 分岐排気管
20 溶剤タンク減圧弁
21 溶剤タンク圧力計
22 溶剤タンク大気開放弁
23 リザーブタンク
24 洗浄液蒸留再生装置
25 蒸留釜
25a 加熱機構
26 コンデンサ
26a 冷却細管
27 循環用タンク
27a 冷却細管
28 エゼクタ
29 循環ポンプ
30 熱交換器
30a 加熱細管
31 蒸気洗浄補助弁
32 蒸気洗浄弁
33 導入管
34 調整機構
35 水分センサ
36 水分補充機構
37 減圧機構
38 排出管
39 排出弁
40 スラッジタンク
40a 冷却細管
41 廃液管
42 廃液弁
43 溶剤供給管
44 水分補充管
45 水分補充弁
46 循環流路
47 冷却流路
48 リザーブタンクレベルスイッチ
49 蒸留再生弁
50 制御装置
51 洗浄乾燥槽圧力センサ
52 溶剤タンク圧力センサ
53 溶剤タンク温度センサ
54 タイマ
55 操作パネル
56 電源スイッチ
57 スタートスイッチ
58 減圧洗浄時間設定スイッチ
59 復圧洗浄時間設定スイッチ
60 低圧真空乾燥時間設定スイッチ
61 復圧真空乾燥時間設定スイッチ
62 表示器

Claims (6)

  1. 水分を含む洗浄液を気化させる蒸留釜と、
    気化された洗浄液の蒸気を凝縮すると共に減圧機構によって減圧された状態の洗浄液の水分濃度を調整する調整機構と、
    前記調整機構内に水分を補充する水分補充機構と、
    前記水分補充機構の前記調整機構内への水分の補充を制御する制御装置と、を備え、
    前記調整機構は、
    蒸留釜により気化された前記洗浄液の蒸気を凝縮して液化するコンデンサと、
    液化した前記洗浄液を貯留するタンクと、を備え、
    前記水分補充機構は、前記コンデンサに接続され、
    前記制御装置は、前記蒸留釜へ導入される洗浄液の水分濃度又は蒸留された洗浄液の水分濃度が所定の値よりも低い場合、前記水分補充機構から前記コンデンサ内の減圧された状態の洗浄液に水分を補充する制御を実行することを特徴とする洗浄液蒸留再生装置。
  2. 蒸留された洗浄液の水分濃度を検出する水分濃度検出機構を備え、
    前記制御装置は、前記水分濃度検出機構により検出された前記洗浄液の水分濃度が所定の値よりも低い場合、前記水分補充機構から前記調整機構内に水分を補充する制御を実行することを特徴とする請求項1に記載の洗浄液蒸留再生装置。
  3. 前記洗浄液は、含有される水分の濃度が少なくとも所定の最低水分濃度以上の場合において非引火性を有し、
    前記制御装置は、前記水分濃度検出機構により検出された前記洗浄液の水分濃度が前記最低水分濃度よりも低い場合、前記水分補充機構から前記調整機構内に水分を補充する制御を実行することを特徴とする請求項2に記載の洗浄液蒸留再生装置。
  4. 前記調整機構は、
    蒸留釜により気化された前記洗浄液の蒸気を凝縮して液化するコンデンサと、
    液化した前記洗浄液を貯留するタンクと、
    前記コンデンサ内を負圧にする減圧機構と、を備え、
    前記水分補充機構は、
    水分が流れる水分流路と、
    前記水分流路の途中に設けられた水分補充弁と、を備え、
    前記制御装置は、前記水分補充弁を開状態にして前記コンデンサ以降の減圧された状態の洗浄液に水分を補充する制御を実行することを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の洗浄液蒸留再生装置。
  5. 請求項1から請求項4の何れか一項に記載の洗浄液蒸留再生装置を備えたことを特徴とする部品洗浄装置。
  6. 水分を含む洗浄液を蒸留釜内で気化させ、気化された洗浄液の蒸気をコンデンサ内で凝縮させると共に減圧された状態を維持する洗浄液の蒸留再生方法であって、
    前記蒸留釜へ導入される洗浄液の水分濃度又は蒸留された洗浄液の水分濃度を水分濃度検出機構により検出し、
    前記水分濃度検出機構により検出された前記洗浄液の水分濃度を制御装置により監視し、
    前記水分濃度検出機構により検出された前記洗浄液の水分濃度が所定の値よりも低い場合、前記コンデンサ内に水分を供給する水分補充機構を作動させて、前記コンデンサ内の減圧された状態の洗浄液に水分を補充することを特徴とする洗浄液の蒸留再生方法。
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