JP5126428B2 - 揺動内接式遊星歯車装置および回転駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、揺動内接式遊星歯車装置、および、その歯車装置を用いた回転駆動装置に関するものである。
揺動内接式遊星歯車装置について、例えば、特開2002−266955号公報に記載されたものがある。この揺動内接式遊星歯車装置は、サイクロイド減速装置であって、入出力軸線回りに回転し入出力軸線に対して偏心した偏心軸線を中心とした偏心体と、入出力軸線を中心として複数の内歯が形成された内歯歯車と、偏心体に対して相対回転可能に支持され、偏心軸線を中心として複数の外歯が形成され、内歯歯車に噛合しながら内歯歯車に対して相対的に揺動回転する外歯歯車とを備えて構成される。このサイクロイド減速機構においては、内歯歯車の各内歯をピンとし、外歯歯車の各外歯をトロコイド歯形により形成している。
このように構成することで、内歯歯車と外歯歯車の歯数差を小さくすることができ、高い減速比を得ることができる。さらに、内歯歯車と外歯歯車との噛み合い率が高くなるため、高剛性の歯車として知られている。この構成において、さらに高減速比を得るためには、外歯歯車および内歯歯車の歯数を多くすることにより実現できる。しかしながら、ピンとトロコイド歯形による噛み合いでは、多数の歯を形成するには、大径化してしまうという問題がある。
ところで、多数の歯を形成することができる歯車としてインボリュート歯形が知られている。インボリュート歯形を適用した揺動内接式遊星歯車装置について、特開2009−8143号公報、特公平5−34537号公報、特開2007−24072号公報、特開平1−210642号公報、特開平10−227340号公報に記載されたものが公知となっている。
ただし、内歯歯車および外歯歯車をインボリュート歯形にすると、歯先の干渉を生じるために、内歯歯車と外歯歯車との歯数差を少なくする構成は容易ではない。さらに、インボリュート歯形では、噛み合い率が低くなり、噛み合う歯が受ける荷重が大きくなるため、大きなトルクを伝達するには、歯の剛性を高くする必要があった。
ところで、特開平1−210642号公報には、歯数のわずかに違う内歯歯車と外歯歯車の組合せなので、それぞれの歯面間距離が非常に近く、負荷トルクによる歯車のわずかな変形で実質的な噛み合い率が大きく、高トルクを伝達することが可能であると記載されている。
しかし、本発明者らは、内歯歯車の内歯および外歯歯車の外歯を変形させた場合には、内歯または外歯の先端角部が相手歯面に対して接触するおそれがあるという問題を見出した。そして、内歯または外歯の先端角部が相手歯面に接触すると、先端角部が接触している相手歯面に高い面圧が生じてしまう。つまり、当該相手歯面に生じる面圧を歯車の耐圧範囲内にするためには、結局のところ、伝達させるトルクを低下させざるを得なかった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、インボリュート歯形を適用した場合に高い噛み合い率を実現すると共に、高トルクの伝達ができる揺動内接式遊星歯車装置を提供することを目的とする。また、当該揺動内接式遊星歯車装置を用いた回転駆動装置を提供することを目的とする。
ところで、電動アシスト自転車の駆動装置として、例えば、特開2005−278234号公報に記載されたものがある。この駆動装置は、自転車の前輪のハブに設けられており、モータと減速機とにより構成される。この減速機には、遊星歯車減速機が適用されている。特に、電動自転車の駆動装置は、前輪のハブの部分に設けられるため小型であることが求められると共に、軽量化が求められる。そのため、特に電動自転車に適用する場合には、小型でありつつ、高減速比を得ることが望まれる。
そこで、本発明は、電動アシスト自転車などに好適な揺動内接式遊星歯車装置を提供することを目的とする。
(揺動内接式遊星歯車装置)
本発明に係る揺動内接式遊星歯車装置は、入出力軸線回りに回転し、前記入出力軸線に対して偏心した偏心軸線を中心とした偏心体と、環状の内歯本体および前記内歯本体の内周側に一体形成された複数の内歯を備え、前記入出力軸線を中心とした内歯歯車と、環状の外歯本体および前記外歯本体の外周側に一体形成された複数の外歯を備え、前記偏心体に対して相対回転可能に支持され、前記偏心軸線を中心とし、駆動状態において前記内歯歯車に噛合しながら前記内歯歯車に対して相対的に揺動回転する外歯歯車と、を備える揺動内接式遊星歯車装置において、前記内歯および前記外歯は、インボリュート歯形に形成され、駆動状態において、前記内歯本体および前記外歯本体の一方が周方向に伸張弾性変形し且つ他方が収縮弾性変形することにより、前記内歯と前記外歯の噛み合い数が、非駆動状態における前記内歯と前記外歯との噛み合い数よりも多くなるように設定される。
つまり、内歯および外歯の撓み変形ではなく、外歯本体および内歯本体の一方が周方向に伸張弾性変形するとともに、外歯本体および内歯本体の他方が周方向に収縮弾性変形することにより、内歯と外歯の噛み合い数を多くしている。
また、歯番号iを、非駆動状態において噛み合う前記内歯および前記外歯である基準噛合歯を1とし、前記基準噛合歯から遠ざかる前記内歯および前記外歯について1ずつ加算した値として定義し、前記歯番号iにおける前記内歯および前記外歯の一方の伸張方向の移動量をδ1,iとし、前記歯番号iにおける前記内歯および前記外歯の他方の収縮方向の移動量をδ2,iとし、前記歯番号iにおける前記内歯の歯面と前記外歯の歯先との隙間をδiとした場合に、前記内歯歯車および前記外歯歯車のモジュールは、式(1)を満たすように設定されたモジュールとするとよい。
Figure 0005126428
また、前記歯番号iにおける前記内歯および前記外歯の一方の伸張方向の移動量δ1,iを式(2)として定義し、前記歯番号iにおける前記内歯および前記外歯の他方の収縮方向の移動量δ2,iを式(3)として定義し、前記歯番号iにおける前記内歯の歯面と前記外歯の歯先との隙間δiを式(4)として定義するとよい。
Figure 0005126428
Figure 0005126428
Figure 0005126428
式(2)の第一項が、内歯本体および外歯本体の一方の周方向の伸張弾性変形量を表し、式(3)の第一項が、内歯本体および外歯本体の他方の周方向の収縮弾性変形量を表す。つまり、式(1)は、内歯本体および外歯本体が周方向に伸張弾性変形または収縮弾性変形した場合に、内歯および外歯の一方の伸張方向の移動量と他方の収縮方向の移動量の合計値が、当該外歯歯先と内歯歯面との隙間に一致する場合を意味している。当該式(1)を用いて、内歯歯車および外歯歯車の設計を行うことで、上述した効果を確実に奏することができるようになる。
また、前記内歯歯車および前記外歯歯車のモジュールは、前記式(1)においてi=2を満たすモジュール以下に設定されるようにしてもよい。式(1)においてi=2を満たす状態とは、基準噛合歯の隣の内歯および外歯が接触している状態を意味する。つまり、噛み合い数が少なくとも2となる。
また、外歯本体および内歯本体を周方向に弾性変形させつつ、噛み合い数を多くするためには、内歯歯車および外歯歯車のモジュールを可能な限り小さくすることが好ましい。モジュールを小さくすることにより、内歯および外歯の歯丈が低くなるため、内歯および外歯の撓みが小さくなる。これにより、内歯および外歯の先端角部が相手歯面に接触することを防止できる。つまり、先端角部の接触による高面圧化を防止できる。従って、外歯および内歯に生じる面圧が小さくなるため、外歯および内歯が受ける荷重を大きくすることができる。その結果、内歯歯車および外歯歯車の全体としてさらに高いトルクを伝達できるようになる。
ところで、非駆動状態において噛み合う内歯および外歯を基準噛合歯とした場合に、基準噛合歯から周方向に遠ざかるほど、内歯本体および外歯本体に生じる荷重が小さくなる。つまり、内歯本体および外歯本体において、基準噛合歯から周方向に近い位置ほど大きく伸張弾性変形または収縮弾性変形をする。そして、本発明によれば、モジュールを小さくすることになるため、言い換えると、外歯の数および内歯の数が多くなるということになる。つまり、隣り合う外歯のピッチ、および、隣り合う内歯のピッチが狭くなる。そうすると、基準噛合歯から周方向に近い位置に多くの内歯および外歯が存在する状態となる。従って、内歯本体および外歯本体が伸張弾性変形量または収縮弾性変形量が大きな位置に、多数の内歯および外歯が存在するため、多くの内歯および外歯が噛み合いに参加できる。このように、モジュールを小さくすることにより、結果として、多くの内歯および外歯が噛み合いに参加できる雰囲気を形成することができる。
さらに、モジュールを小さくすると、内歯および外歯のインボリュート歯面が、直線的になる。その結果、内歯と外歯の接触面積が大きくなり、このことからも内歯および外歯に生じる面圧が小さくなる。従って、内歯歯車および外歯歯車の全体としてさらに高いトルクを伝達できるようになる。さらに、モジュールを小さくすることにより、隣接する内歯と外歯の歯面間の隙間が小さくなる。このことからも、多くの内歯および外歯が噛み合いに参加できる可能性が高くなる。
さらに、各歯が受ける面圧が小さくなることにより、従来当然のように施していた熱処理を廃止することができる場合が出てくる。従来は耐圧を高めるために熱処理を施していたが、本発明においては、面圧低下に伴い、各歯に生じる面圧が、熱処理を施すことなく耐圧の範囲内となる場合がある。その結果、熱処理を不要とすることにより、低コスト化を図ることができる。そして、i=2を満たすモジュール以下のモジュールに設定することで、確実に噛み合い数が2以上となる。これにより、上記効果を確実に奏することができる。
(第一の回転駆動装置)
回転駆動装置は、円筒形状のロータと前記ロータの径方向外側に対向して配置された円筒形状のステータとを備えるモータと、上述した揺動内接式遊星歯車装置と、前記ロータの回転を前記揺動内接式遊星歯車装置の前記偏心体に伝達するシャフトとを備える。前記偏心体は、前記入出力軸線に対して偏心した第一偏心軸線を中心とした第一偏心体と、前記入出力軸線に対して前記第一偏心軸線とは異なる方向に偏心した第二偏心軸線を中心とした第二偏心体とを備える。前記外歯歯車は、前記第一偏心体に対して相対回転可能に支持される第一外歯歯車と、前記第二偏心体に対して相対回転可能に支持される第二外歯歯車と、を備える。前記シャフトは、別体に形成された前記ロータを外周面に嵌合するロータ嵌合部と、前記第一偏心体を一体的に形成する第一偏心体部と、前記第一偏心体部に対して前記ロータ嵌合部と軸方向反対側に前記第二偏心体を一体的に形成する第二偏心体部とを備える。前記第二偏心体部の外周面円形状は、前記第一偏心体部の外周面円形状の外径より小径に形成され、かつ、前記シャフトの軸方向から見た場合に、前記第一偏心体部の外周面円形状の内側に位置するように形成される。
回転駆動装置に上述した揺動内接式遊星歯車装置を適用しているため、上述した揺動内接式遊星歯車装置による効果を奏する。さらに、回転駆動装置における揺動内接式遊星歯車装置の偏心体と、ロータの回転駆動力を偏心体に伝達するシャフトとが一体的に形成されることにより、部品点数の削減および小型化を図ることができる。ところが、ロータのシャフトに偏心体を一体的に形成する場合であって、偏心体を複数(第一偏心体部と第二偏心体部)有する場合には、第一,第二偏心体部に軸受を組み付けることが容易ではない。
そこで、第二偏心体部の外径を第一偏心体部の外径より小径にして、シャフトの軸方向から見た場合に、第二偏心体部の外周面形状が第一偏心体部の外周面円形状の内側に位置するようにしている。これにより、第一偏心体部の外周面に組み付けるための軸受を、第二偏心体部を通過させて、第一偏心体部に嵌挿することができる。
(第二の回転駆動装置)
回転駆動装置、円筒形状のロータと前記ロータの径方向外側に対向して配置された円筒形状のステータとを備えるモータと、上述した揺動内接式遊星歯車装置と、前記ロータの回転を前記揺動内接式遊星歯車装置の前記偏心体に伝達するシャフトとを備える。前記偏心体は、前記入出力軸線に対して偏心した第一偏心軸線を中心とした第一偏心体と、前記入出力軸線に対して前記第一偏心軸線とは異なる方向に偏心した第二偏心軸線を中心とした第二偏心体とを備える。前記外歯歯車は、前記第一偏心体に対して相対回転可能に支持される第一外歯歯車と、前記第二偏心体に対して相対回転可能に支持される第二外歯歯車とを備える。前記シャフトは、別体に形成された前記ロータを外周面に嵌合するロータ嵌合部と、前記第一偏心体を一体的に形成する第一偏心体部と、前記第一偏心体部に対して前記ロータ嵌合部と軸方向反対側に前記第二偏心体を一体的に形成する第二偏心体部と、前記ロータ嵌合部と前記第一偏心体部の軸方向間に形成され、前記ロータ嵌合部の外径および前記第一偏心体部の外径より小径に形成され、かつ、前記第一偏心体部に対して前記第一外歯歯車を支持する第一軸受の軸方向幅より大きな軸方向幅を有する溝部とを備える。
また、上記とは異なる手段として、モータのロータを配置する部位において、ロータとロータ嵌合部とを別体にして、モータ側に位置する第一偏心体部の外周面に組み付ける軸受を、モータ側から挿入することができる。第一偏心体部とロータ嵌合部との間に適切な外径かつ軸方向幅の溝部を形成することで、軸受をモータ側から挿入して第一偏心体部の外周面に当該軸受を組み付けることができる。
第一実施形態:揺動内接式遊星歯車装置の軸方向断面図である。 図1のA−A断面図である。 内歯の一部と第一,第二外歯の位置を示し、非駆動状態にける両歯の噛み合い状態を示す。 内歯および第一,第二外歯の諸元を示す図である。 内歯および第一,第二外歯を展開した状態の部分図である。 基準噛合歯からの位相に対する各歯が受ける負荷の特性を示す図である。 FEM解析結果であり、第一,第二外歯の歯数と内歯のは数の比の値に対する噛み合い歯数を示す。 FEM解析結果であり、内歯の歯数に対する噛み合い歯数を示す。 FEM解析結果であり、噛み合い歯の位置に対する内歯と第一,第二外歯との周方向隙間を示す。 FEM解析結果であり、負荷トルクに対する噛み合い歯数を示す。 FEM解析結果であり、負荷トルクに対する最大面圧を示す。 第二実施形態:回転駆動装置の軸方向断面図である。 図12のB−B断面図である。 第三実施形態:回転駆動装置の軸方向断面図である。 第四実施形態:電動アシスト自転車を示す図である。 電動アシスト自転車の前輪を軸直交方向から見た拡大図である。 電動アシスト自転車の前輪のハブに設けられた車両用駆動装置の軸方向断面図である。 図17のC−C断面図である。
<1.第一実施形態>
(1−1.揺動内接式遊星歯車装置の構成)
本実施形態の揺動内接式遊星歯車装置1の構成について、図1および図2を参照して説明する。揺動内接式遊星歯車装置1は、入力シャフト20と出力シャフト30とが同軸上に設けられ、入力シャフト20の回転を減速して出力シャフト30に伝達する減速機として機能する。なお、入力シャフト20と出力シャフト30との入出力を逆転させることで、増速機として機能する。
揺動内接式遊星歯車装置1の概要は、ハウジング10の内周面に内歯歯車11を形成し、入力シャフト20の回転によって第一,第二外歯歯車40,50がハウジング10に対して揺動回転することにより、内歯歯車11と第一,第二外歯歯車40,50との相対回転差に相当する分が、出力シャフト30に出力される。
この揺動内接式遊星歯車装置1の詳細について説明する。揺動内接式遊星歯車装置1は、ハウジング10と、入力シャフト20と、出力シャフト30と、第一,第二外歯歯車40,50と、複数の内ピン60とを備えて構成される。
ハウジング10は、例えば有底円筒状に形成されている。ハウジング10は、入力シャフト20の先端側と、出力シャフト30の基端側と、第一,第二外歯歯車40,50を収容している。ハウジング10の底面には、入出力軸線X1を中心とした円形孔が形成され、第四軸受74を嵌挿している。
ハウジング10の円筒状部分の内周面には、内歯歯車11が設けられている。内歯歯車11は、ハウジング10と一体形成されるようにしてもよいし、ハウジング10とは別体に形成されハウジング10に一体的に取り付けられるようにしてもよい。この内歯歯車11は、環状の内歯本体11aと、内歯本体11aの内周側に一体形成された複数の内歯11bとを備える。そして、内歯歯車11は、入出力軸線X1を中心とした歯車である。つまり、内歯11bのピッチ円の中心位置は、入出力軸線X1に一致する。さらに、内歯11bは、インボリュート歯形に形成されている。また、内歯歯車11は、鋼材により形成されて、通常、熱処理を施すことによって成形される。ただし、内歯歯車11の内歯11bに生じる面圧を十分に小さくできる構成の場合には、熱処理を施さないようにもできる。
入力シャフト20は、ハウジング10の円形孔に嵌挿された第四軸受74によって、入出力軸線X1を中心にハウジング10に対して相対回転可能に支持されている。そして、入力シャフト20は、モータまたは内燃機関などの回転駆動源に連結され、回転駆動力を入力する。この入力シャフト20は、基端側(図1の右側)から順に、基端部21と、第一,第二偏心体23,24と、先端部22とを備え、一体的に成形されている。
基端部21は、入出力軸線X1を中心軸とする円筒状または円柱状に形成され、ハウジング10に対して入出力軸線X1回りに回転可能に支持される。この基端部21が、回転駆動源に連結される。先端部22は、入力シャフト20の先端側(図1の左側)、すなわち、出力シャフト30側に設けられている。この先端部22は、基端部21と同様に、入出力軸線X1を中心軸とする円筒状または円柱状に形成されている。この先端部22の外周面には第三軸受73が配置され、後述するように、先端部22は出力シャフト30を相対回転可能に支持している。
第一偏心体23は、中空軸状または中実軸状に形成され、入出力軸線X1に対して偏心した第一偏心軸線X2を中心とした円形外周面を有している。この第一偏心体23の外径は、本実施形態においては、基端部21の外径よりも大きく設定されている。第一偏心体23は、軸方向において、ハウジング10に形成される内歯歯車11のうち軸方向中央より基端側(図1の右側)に位置している。
第二偏心体24は、第一偏心体23よりも入力シャフト20の先端側(図1の左側)に設けられている。この第二偏心体24は、中実軸状または中空軸状に形成され、入出力軸線X1に対して偏心した第二偏心軸線X3を中心とした円形外周面を有している。この第二偏心体24は、第一偏心体23と同径に形成されている。第二偏心軸線X3は、入出力軸線X1に対して第一偏心軸線X2とは位相を180°ずれた方向に、第一偏心軸線X2の偏心量と同量偏心している。第二偏心体24は、軸方向において、ハウジング10に形成される内歯歯車11のうち軸方向中央より先端側(図1左側)に位置している。従って、入力シャフト20が入出力軸線X1回りに回転すると、入力シャフト20の第一,第二偏心体23,24が、入出力軸線X1回りに公転することになる。
出力シャフト30は、ハウジング10に嵌挿された軸受(図示せず)および入力シャフト20の先端部22の外周面に嵌挿された第三軸受73によって、ハウジング10および入力シャフト20に対して、入出力軸線X1回りに回転可能に支持されている。この出力シャフト30は、入力シャフト20よりも図1の左側に位置し、フランジ部31と、軸部32とを備えている。フランジ部31は、中央に円形孔がある円盤状に形成されており、フランジ部31の内周面が第三軸受73を介して入力シャフト20の先端部22に回転可能に支持されている。また、フランジ部31の一方の端面には、入出力軸線X1を中心とした周方向に等間隔に複数の円形凹部31aが形成されている。つまり、それぞれの円形凹部31aの円形中心位置は、入出力軸線X1を中心とした同一円上に位置する。なお、本実施形態においては、10個の円形凹部31aを形成したものを例に挙げている。出力シャフト30の軸部32は、フランジ部31の他方の端面(図1の左端面)にフランジ部31と同軸上に一体的に形成されている。この軸部32は、入出力軸線X1を中心とした円筒状または円柱状に形成されている。
第一外歯歯車40は、中央に円形孔がある円盤状に形成されている。第一外歯歯車40の内周面が、入力シャフト20の第一偏心体23の外周側に、第一軸受71を介して嵌挿されている。つまり、第一外歯歯車40は、第一偏心体23に対して、第一偏心軸線X2を中心に回転可能に支持されている。そして、第一偏心体23が入出力軸線X1に対して偏心しているため、第一外歯歯車40は、ハウジング10内において、入出力軸線X1回りに公転すると共に第一偏心軸線X2回りに自転するように設けられている。
この第一外歯歯車40は、環状の第一外歯本体41と、第一外歯本体41の外周側に一体形成された複数の第一外歯42とを備える。つまり、第一外歯歯車40は、第一偏心軸線X2を中心とした歯車である。従って、第一外歯42のピッチ円の中心位置は、第一偏心軸線X2に一致する。さらに、第一外歯42は、インボリュート歯形に形成されている。この第一外歯歯車40のピッチ円直径は、ハウジング10に形成される内歯歯車11のピッチ円直径よりも、第一偏心軸線X2の入出力軸線X1に対する偏心量の分、小さく設定されている。従って、第一外歯歯車40は、内歯歯車11の一部分に内接して噛合する関係となる。つまり、第一外歯歯車40は、内歯歯車11に噛合しながら内歯歯車に対して相対的に揺動回転することになる。
また、第一外歯歯車40の軸方向幅は、内歯歯車11の軸方向幅の半分に形成されている。そして、第一外歯歯車40は、内歯歯車11の軸方向一方側(図1の右側)半分に噛合する。また、第一外歯歯車40は、内歯歯車11と同一材質により形成されている。また、第一外歯歯車40は、通常、内歯歯車11と同様に熱処理が施されている。ただし、第一外歯歯車40は、内歯歯車11と同様に、第一外歯歯車40の第一外歯42に生じる面圧を十分に小さくできる構成の場合には、熱処理を施さないようにもできる。
さらに、第一外歯本体41の径方向中央には、第一偏心軸線X2を中心とした周方向に等間隔に円形貫通孔41aが複数形成されている。つまり、それぞれの円形貫通孔41aの円形中心位置は、第一偏心軸線X2を中心とした同一円上に位置する。また、円形貫通孔41aは、出力シャフト30のフランジ部31に形成された円形凹部31aと同数形成されている。円形貫通孔41aの内径は、出力シャフト30のフランジ部31に形成された円形凹部31aの内径よりも大きく形成されている。そして、入出力軸線X1の軸方向から見た場合に、それぞれの円形貫通孔41aは、フランジ部31に形成されたそれぞれに対応する円形凹部31aの全体を視認できるような位置および形状に形成されている。
第二外歯歯車50は、第一外歯歯車40と同一材質により同一形状に形成され、かつ、同一熱処理が施されている。すなわち、第二外歯歯車50は、環状の第二外歯本体51と、第二外歯本体51の外周側に一体形成された複数の第二外歯52とを備える。第二外歯本体51の内周面が、入力シャフト20の第二偏心体24の外周側に、第二軸受72を介して嵌挿されている。つまり、第二外歯歯車50は、第二偏心体24に対して、第二偏心軸線X3を中心に回転可能に支持されている。そして、第二偏心体24が入出力軸線X1に対して偏心しているため、第二外歯歯車50は、ハウジング10内において、入出力軸線X1回りに公転すると共に第二偏心軸線X3回りに自転するように設けられている。つまり、第二外歯歯車50は、第二偏心軸線X3を中心とした歯車である。従って、第二外歯52のピッチ円の中心位置は、第二偏心軸線X3に一致する。
そして、第二外歯歯車50は、内歯歯車11の一部分に内接して噛合する関係となる。つまり、第二外歯歯車50は、内歯歯車11に噛合しながら内歯歯車に対して相対的に揺動回転することになる。また、第二外歯歯車50の軸方向幅は、内歯歯車11の軸方向幅の半分に形成されている。そして、第二外歯歯車50は、内歯歯車11の軸方向他方側(図1の左側)半分に噛合する。
さらに、第二外歯本体51の径方向中央には、第二偏心軸線X3を中心とした周方向に等間隔に円形貫通孔51aが複数形成されている。つまり、それぞれの円形貫通孔51aの円形中心位置は、第二偏心軸線X3を中心とした同一円上に位置する。また、円形貫通孔51aは、出力シャフト30のフランジ部31に形成された円形凹部31aと同数形成されている。円形貫通孔51aの内径は、出力シャフト30のフランジ部31に形成された円形凹部31aの外径よりも大きく形成されている。そして、入出力軸線X1の軸方向から見た場合に、それぞれの円形貫通孔51aは、フランジ部31に形成されたそれぞれに対応する円形凹部31aの全体を視認できるような位置および形状に形成されている。
この内ピン60は、円柱状に形成されるピン本体61と、ピン本体61の外周に嵌挿される円筒状のすべり軸受62とから構成される。ピン本体61は、出力シャフト30のフランジ部31に形成されるそれぞれの円形凹部31aに嵌合され、フランジ部31の一方端面(図1の右端面)から軸方向に突出するように設けられている。そして、ピン本体61は、第一,第二外歯本体41,51に形成される円形貫通孔41a,51aを貫通している。また、すべり軸受62は、ピン本体61の外周に嵌挿されている。このすべり軸受62の外径は、円形貫通孔41a,51aの内径よりも小さく設定されている。ここで、図1および図2に示すように、すべり軸受62の外周面の一部が、円形貫通孔41a,51aの内周面の一部に当接している。入力シャフト20の回転に伴って、すべり軸受62と円形貫通孔41a,51aとの接触部位が移動する。
(1−2.揺動内接式遊星歯車装置の動作)
このように構成される揺動内接式遊星歯車装置1の動作を説明する。まずモータまたは内燃機関などの回転駆動源から回転駆動力が入力シャフト20に伝達されて、入力シャフト20が入出力軸線X1回りに回転する。この回転に伴って、第一,第二偏心体23,24は、入出力軸線X1回りに公転する。そうすると、第一外歯歯車40が第一偏心体23の公転に伴って、入出力軸線X1回りに公転する。このとき、第一外歯歯車40は、内歯歯車11に噛合することによって、第一外歯42と内歯11bとの歯数差に対応する分、第一偏心軸線X2回りに自転する。一方、第二偏心体24の公転に伴って、第二外歯歯車50が入出力軸線X1回りに公転する。このとき、第二外歯歯車50は、内歯歯車11に噛合することによって、第二外歯52と内歯11bとの歯数差に対応する分、第二偏心軸線X3回りに自転する。
ここで、第一,第二外歯本体41,51の円形貫通孔41a,51aには、内ピン60が貫通されている。そして、すべり軸受62が円形貫通孔41a,51aの内周面にすべり接触している。従って、第一,第二外歯歯車40,50がハウジング10に対して相対回転する際に、第一,第二外歯歯車40,50の第一,第二偏心軸線X2,X3回りの自転の成分が出力シャフト30に伝達される。
(1−3.内歯歯車と第一,第二外歯歯車の構成の考え方)
次に、内歯歯車11と第一,第二外歯歯車40,50の概要構成について図3を参照して詳細に説明する。内歯11bおよび第一,第二外歯42,52は、上述したように、インボリュート歯形を適用している。インボリュート歯形を適用する場合には、噛み合い数が少なくなるため、動力を伝達する際に、噛み合っている歯に応力が集中するという問題があった。この点について、本発明者等が鋭意、内歯11bと第一,第二外歯42,52の噛み合い状態について研究し、適切な内歯歯車11と第一,第二外歯歯車40,50の構成について検討した。
重要なことは、回転駆動力を伝達している状態(本発明の「駆動状態」に相当する)において、内歯歯車11と第一,第二外歯歯車40,50を弾性変形させて、噛み合う歯数を増加させることとした点である。より詳細には、内歯本体11aおよび第一,第二外歯本体41,51の周方向への伸張弾性変形または収縮弾性変形により、噛み合う歯数を増加させた。つまり、回転駆動力を内歯歯車11と第一,第二外歯歯車40,50との間で伝達する際に、その回転駆動力に応じて、内歯本体11aおよび第一,第二外歯本体41,51を周方向に弾性変形させることで、理論上噛み合っていない歯を噛み合う歯に変化させることができる。そして、駆動状態において、内歯本体11aおよび第一,第二外歯本体41,51の両者が弾性変形することにより、内歯11bと第一,第二外歯42,52の噛み合い数が、回転駆動力が伝達されていない状態(本発明の「非駆動状態」に相当する)における内歯11bと第一,第二外歯42,52との噛み合い数よりも多くなるように設定されている。
そのためには、図3に示すように、非駆動状態において、噛み合っていない内歯11bの歯面と第一,第二外歯42,52の歯面との周方向隙間Wを小さく設定することが必要となる。内歯11bの歯面と第一,第二外歯42,52の歯面との周方向隙間Wが、駆動状態における内歯11bの周方向収縮方向への移動量と第一,第二外歯42,52の周方向伸張方向への移動量との合計値よりも小さくなる場合に、駆動状態において当該内歯11bと第一,第二外歯42,52とが接触して噛み合う歯に変化することになる。
(1−4.内歯歯車および外歯歯車の詳細設計)
次に、上述した内歯歯車11および第一,第二外歯歯車40,50の構成を設計するための具体的な設計手法概念について、図4〜図6を参照して説明する。ここで、以下の説明において、説明の容易化のため、内歯歯車11と第一外歯歯車40の設計について説明する。なお、第二外歯歯車50は、第一外歯歯車40と同一である。
まずは、各歯の諸元について図4を参照して説明する。各歯の諸元は下記のように定義される。ここで、第一外歯42について各記号の添え字を1とし、内歯11bについて各記号の添え字を2とする。また、図4において、内歯11bのピッチ円をC2aとし、基礎円をC2bとし、第一外歯42のピッチ円をC1aとし、基礎円をC1bとする。
Figure 0005126428
上記の諸元を用いて、以下の歯諸元は、式(5)〜式(9)のように表される。
Figure 0005126428
Figure 0005126428
Figure 0005126428
Figure 0005126428
Figure 0005126428
Figure 0005126428
次に、内歯歯車11と第一外歯歯車40とが噛み合う際に隣接する内歯11bと第一外歯42の歯面間の隙間δを算出する理論について図4および図5を参照して説明する。ここで、図5は、説明を容易にするために、内歯11bおよび第一外歯42を水平に展開した図とし、かつ、各歯面をインボリュート形状ではなく直線形状として図示している。また、内歯11bおよび第一外歯42の位置を、歯番号としての添え字のiで表す。歯番号i=1となる内歯11bおよび第一外歯42は、非駆動状態において接触する内歯11bと第一外歯42であり、基準噛合歯と称する。そして、歯番号iの値は、基準噛合歯から周方向に遠ざかる順に1加算した値とする。
まず、基準噛合歯からi番目の歯における、内歯11bと第一外歯42との噛み合い線上の各歯面の圧力角(噛み合い圧力角)αを式(10)に従って算出する。
Figure 0005126428
次に、第一外歯42の基礎円C1bから第一外歯42の歯先までの任意円上であって、第一外歯42が噛み合いに参加する可能性がある点の座標を算出する。まずは、第一外歯歯車40の中心oを基準とするo−xy座標系における、第一外歯42の噛み合い点の座標(x,y)を式(11)に従って算出する。
Figure 0005126428
この第一外歯42の噛み合い点の座標(x,y)を、内歯歯車11の中心Oを基準とするO−XY座標系における座標(X,Y)に座標変換すると、式(12)にて表される。
Figure 0005126428
続いて、式(12)にて算出した第一外歯42の噛み合い点の座標(x,y)を用いて、各第一外歯42に対応する内歯11bの圧力角a2,iを式(13)に従って算出する。さらに、内歯11bの中心Oを基準とするO−XY座標系における、内歯11bの噛み合い点の座標(X1,i,Y2,i)を式(14)に従って算出する。
Figure 0005126428
Figure 0005126428
そして、式(12)と式(14)により、基準噛合歯からi番目の内歯11bの歯面と第一外歯42の歯先との隙間δは式(15)のように表される。このようにして、当該隙間δを算出する。従って、当該隙間δは、モジュールm、基準圧力角α、歯数z,z、転位係数x,x、中心間距離aを変数とする関数で表される。
Figure 0005126428
次に、第一外歯歯車40と内歯歯車11との間で伝達される力がT[N]のときに、各歯が受ける力によって各歯の移動する量を算出する。ここで、図5に示すように、基準噛合歯である第一外歯42と内歯11bとが噛み合っている場合に、第一外歯本体41の基準噛合歯近傍の領域は、伝達力Tによって周方向に伸張する方向に弾性変形する。一方、内歯本体11aの基準噛合歯近傍の領域は、伝達力Tによって周方向に収縮する方向に弾性変形する。さらに、第一外歯42の基準噛合歯近傍の領域は、対応する内歯11bから受ける力によって撓み変形する。一方、内歯11bの基準噛合歯近傍の領域は、対応する第一外歯42から受ける力によって撓み変形する。
つまり、第一外歯42の周方向伸張方向への移動量δ1,iおよび、内歯11bの周方向収縮方向への移動量δ2,iは、式(16)に従って算出される。ここで、式(16)の第一式における第一項が、第一外歯本体41の周方向伸張方向への弾性変形量に相当し、第二項が、第一外歯42の撓み変形量に相当する。また、式(16)の第二式における第一項が、内歯本体11aの周方向収縮方向への弾性変形量に相当し、第二項が、内歯11bの撓み変形量に相当する。
Figure 0005126428
ここで、図6に示すように、基準噛合歯からの位相に対する各歯が受け得る負荷の特性は、基準噛合歯から遠ざかるほど負荷は小さくなる関係を有する。また、式(16)における基準噛合歯からi番目の第一外歯42の有効断面積S1,iおよび基準噛合歯からi番目の内歯11bの有効断面積S2,iは、式(17)に従って算出される。
Figure 0005126428
最後に、式(15)および式(16)により、式(18)の関係を満たすような、諸元を設定する。
Figure 0005126428
式(18)において、i=1である基準噛合歯においては、既に接触しているため、当然に式(18)の関係を満たす。そして、少なくともi=2としたときの式(18)の関係を満たすように、各歯の諸元を設定する。具体的には、モジュールmを設定することになる。i=2としたときに式(18)の関係を満たす場合には、少なくとも基準噛合歯の隣の歯が噛み合っている状態となる。
また、i=2としたときに式(18)の関係を満たすように設定されたモジュールmよりも小さなモジュールmとすることで、式(18)の関係を満たすiの値が大きくなる。つまり、式(18)により、モジュールmの上限値が決定される。そして、他の条件を満たす範囲内で、より小さなモジュールmを選択することにより、多数の歯が噛み合いに参加する状態となる。
式(16)(18)から分かるように、第一外歯本体41および内歯本体11aの基準噛合歯近傍の領域がそれぞれ周方向に伸張弾性変形または収縮弾性変形することにより、第一外歯42と内歯11bの噛み合い数を多くなるような諸元を設定している。そして、このように第一外歯本体41および内歯本体11aの基準噛合歯近傍の領域を周方向に弾性変形させつつ、噛み合い数を多くするためには、上述したように、内歯歯車11および第一外歯歯車40のモジュールmを可能な限り小さくすることになる。
(1−5.内歯および外歯の具体的構成)
このことを実現するために、内歯11bの数および第一,第二外歯42,52の数を、いずれも100以上に設定する。特に、歯数が100より多ければ多いほど、上述した周方向隙間が小さくなる内歯11bと第一,第二外歯42,52とが多く存在することになる。さらに、第一,第二外歯42,52の数Naと内歯11bの数Nbとの比の値(Na/Nb)が、0.9以上であって1未満に設定する。特に、当該歯数比の値(Na/Nb)が、1に近づくほど、上述した周方向隙間が小さくなる内歯11bと第一,第二外歯42,52とが多く存在することになる。
(1−6.内歯および外歯に生じる応力解析)
以下に、FEM解析を行った結果について説明する。第一,第二外歯42,52の数と内歯11bの数の比の値(Na/Nb)を0.975〜0.995の範囲で変化させ、且つ、内歯11bの数が50〜200に変化させた場合について、回転駆動力を付与した場合に、内歯11bと第一,第二外歯42,52にかかる応力についてFEM解析を行った。
図7には、横軸を第一,第二外歯42,52の数と内歯11bの数の比の値(Na/Nb)とし、縦軸を噛み合い歯数として表示し、内歯11bの歯数を120,200に変化させた場合について示す。また、図8には、横軸を内歯11bの歯数とし、縦軸を噛み合い歯数として表示し、歯数比の値(Na/Nb)を0.975,0.991,0.995に変化させた場合について示す。
図7および図8に示すように、内歯11bの数が同一の場合において、歯数比の値(Na/Nb)が大きくなるに従って、噛み合い歯数も増加している。特に、歯数比の値(Na/Nb)を0.975以上で、歯数120以上とすることで、噛み合い歯数を4箇所以上にできる。すなわち、非駆動状態(理論上)における噛み合い歯数の2倍以上にすることができる。また、内歯11bの歯数が多いほど、噛み合い歯数が増加している。特に、内歯11bの歯数および第一,第二外歯42,52の歯数が100以上で、噛み合い歯数を4箇所以上にできる。すなわち、非駆動状態(理論上)における噛み合い歯数の2倍以上にすることができる。
また、非駆動状態において内歯11bと第一,第二外歯42,52の噛み合う歯を基準噛合歯とした場合に、駆動状態において、どの位置にある内歯11bと第一,第二外歯42,52が噛み合うかについて、FEM解析を行った。具体的には、内歯11bと第一,第二外歯42,52との周方向隙間を解析することによって把握できる。図9には、歯数比の値0.975、外歯117個、内歯120個の場合、歯数比の値0.991、外歯119個、内歯120個の場合、歯数比の値0.995、外歯199個、内歯200個の場合について、基準噛合歯の近傍に位置する内歯11bと第一,第二外歯42,52との周方向隙間について、横軸に基準噛合歯を中心(0)として周方向一側と周方向他側に位置する歯を示し、縦軸に周方向隙間を示す。なお、横軸において、周方向一側をプラスとし、周方向他側をマイナスとして示す。
図9に示すように、基準噛合歯から周方向一側および周方向他側のそれぞれ遠ざかるほど、周方向隙間が大きくなっていることが分かる。さらに、基準噛合歯から遠ざかった歯において、歯数比の値が大きいほど、周方向隙間が小さいことが分かる。また、何れの解析結果においても、基準噛合歯から周方向一側と周方向他側とで周方向隙間が同じように変化している。従って、回転駆動力が伝達されることによって、基準噛合歯から周方向一側における内歯11bと第一,第二外歯42,52との噛み合い数と、基準噛合歯から周方向他側における内歯11bと第一,第二外歯42,52との噛み合い数は、同数となる。
また、図10および図11に、負荷トルクを変化させた場合に、減速比を39、99、199のそれぞれについて、噛み合い歯数と最大面圧についての解析結果を示す。つまり、モジュールを小さくして減速比を大きくすることにより、負荷トルクが大きくなった場合でも、最大面圧が低減されていることが分かる。
(1−7.効果)
モジュールmを小さくすることにより、内歯11bおよび第一外歯42の歯丈が低くなるため、内歯11bおよび第一外歯42の撓みが小さくなる。つまり、式(16)の第二項の値が小さくなる。仮に、内歯11bおよび第一外歯42の撓みが大きくなると、内歯11bおよび第一外歯42の先端角部が相手歯面に接触するおそれがある。この接触により、接触する歯面における面圧が高くなるという問題が生じる。しかし、モジュールmを小さくすることにより、内歯11bおよび第一外歯42の撓みを小さくできることにより、内歯11bおよび第一外歯42の先端角部が相手歯面に接触することを防止できる。つまり、先端角部の接触による高面圧化を防止できる。第一外歯42および内歯11bに生じる面圧が小さくなるため、第一外歯42および内歯11bが受ける荷重を大きくすることができる。その結果、内歯歯車11および第一外歯歯車40の全体としてさらに高いトルクを伝達できるようになる。
ところで、図6に示すように、基準噛合歯から周方向に遠ざかるほど、内歯本体11aおよび第一外歯本体41に生じる荷重が小さくなる。つまり、内歯本体11aおよび第一外歯本体41において、基準噛合歯から周方向に近い位置ほど大きく伸張弾性変形または収縮弾性変形をする。そして、上述したように、モジュールmを小さくすることになるため、言い換えると、同径の場合には、第一外歯42の数および内歯11bの数が多くなるということになる。つまり、隣り合う第一外歯42のピッチP1,i、および、隣り合う内歯11bのピッチP2,iが狭くなる。そうすると、基準噛合歯から周方向に近い位置に多くの内歯11bおよび第一外歯42が存在する状態となる。従って、内歯本体11aおよび第一外歯本体41の基準噛合歯近傍の領域における伸張弾性変形量または収縮弾性変形量が大きな位置に多数の内歯11bおよび第一外歯42が存在するため、多くの内歯11bおよび第一外歯42が噛み合いに参加できる。このように、モジュールmを小さくすることにより、結果として、多くの内歯11bおよび第一外歯42が噛み合いに参加できる雰囲気を形成することができる。
さらに、モジュールmを小さくすると、内歯11bおよび第一外歯42のインボリュート歯面が、直線的になる。その結果、内歯11bと第一外歯42の接触面積が大きくなり、このことからも内歯11bおよび第一外歯42に生じる面圧が小さくなる。従って、内歯歯車11および第一外歯歯車40の全体としてさらに高いトルクを伝達できるようになる。さらに、モジュールmを小さくすることにより、隣接する内歯11bと第一外歯42の歯面間の隙間が小さくなる。このことからも、多くの内歯11bおよび第一外歯42が噛み合いに参加できる可能性が高くなる。
さらに、各歯が受ける面圧が小さくなることにより、従来当然のように施していた熱処理を廃止することができる場合が出てくる。つまり、面圧低下に伴い、各歯に生じる面圧が、熱処理を施すことなく耐圧の範囲内となる場合がある。その結果、熱処理を不要とすることにより、低コスト化を図ることができる。
そして、インボリュート歯形を揺動内接式遊星歯車装置1に適用することができるため、小型で高い減速比の装置を実現できる。また、基準噛合歯から周方向一側と周方向他側の両方向に同数の内歯11bと第一,第二外歯42,52が噛み合っているようにすると、安定して駆動トルクの伝達がされる。さらには、駆動状態において内歯11bと第一,第二外歯42,52との噛み合う位置が周方向に移動していく際に、それぞれの内歯本体11aおよび第一,第二外歯本体41,51の基準噛合歯近傍の領域の弾性変形量が、徐々に大きくなっていき、ピークに達すると、その後徐々に小さくなっていき、接触しない状態へと移行する。その結果、駆動トルクの伝達が確実に行うことができ、各内歯11bおよび各外歯42,52に急激な負荷をかけることがない。従って、耐久性も優れている。
<2.第二実施形態>
次に、揺動内接式遊星歯車装置101を用いた回転駆動装置100について図12および図13を参照して説明する。
回転駆動装置100は、モータ180と、揺動内接式遊星歯車装置101とを備えて構成される。つまり、モータ180の回転駆動力が揺動内接式遊星歯車装置101に伝達されて減速される。
モータ180は、円筒形状のロータ181と、ロータ181の径方向外側に対向して配置された円筒形状のステータ182とを備える。円筒形状のロータ181は、例えば、ロータヨークと磁石とを備えて構成されている。また、ステータ182は、ステータコアと当該ステータコアに巻回されたコイルとを備えて構成される。
揺動内接式遊星歯車装置101は、第一実施形態にて説明した揺動内接式遊星歯車装置1と基本的な構成は共通する。ただし、両者は、ハウジング110、入力シャフト120および第一外歯歯車140が相違する。その他の構成は、同一である。相違点のみについて説明する。
ハウジング110は、底面の中心に円形孔が形成された有底円筒状に形成されており、揺動内接式遊星歯車装置101の他の構成およびモータ180を収容している。ハウジング110の内周面には、ステータ182が固定されている。
入力シャフト120(本発明の「シャフト」に相当する)は、ハウジング110の円形孔に嵌挿された第四軸受74によって、入出力軸線X1を中心にハウジング110に対して回転可能に設けられている。そして、入力シャフト120は、モータ180のロータ181を嵌合することにより、ロータ181と一体的に固定される。つまり、入力シャフト120は、ロータ181の回転駆動力の入力を受ける。この入力シャフト120は、基端側(図7の右側)から順に、基端部121と、ロータ嵌合部122と、溝部123と、第一偏心体部124と、第二偏心体部125と、先端部126とを備え、これらが一体的に成形されている。
基端部121は、入出力軸線X1を中心軸とする円筒状または円柱状に形成されている。基端部121の外周面に第四軸受74が嵌挿され、入力シャフト120は、当該第四軸受74を介してハウジング110に対して入出力軸線X1回りに相対回転可能に支持される。
ロータ嵌合部122は、入出力軸線X1を中心軸とする円筒状または円柱状に形成されている。ロータ嵌合部122の外径は、基端部121の外径より大径に形成されている。ロータ嵌合部122の外周面には、入力シャフト120と別体に形成されたロータ181を外周面に圧入により嵌合する。ここで、ロータ181を確実に固定するためには、ロータ181の内周面とロータ嵌合部122の外周面との接触面積が広いことが望ましい。つまり、ロータ嵌合部122の外径は、ロータ181を確実に固定するためには、大きいほど良い。ただし、回転駆動装置100全体の大きさの制約、ロータの181の外径の制約により、ロータ嵌合部122の外径は制約を受ける。従って、ロータ嵌合部122の外径は、上記制約条件を満たす範囲で、最大となるようにすることが望ましい。
第一偏心体部124は、第一実施形態の第一偏心体23を一体的に形成した部分である。ただし、第一偏心体部124の外径は、上述した第一実施形態の第一偏心体23の外径よりも大きくしている。そして、第一偏心体部124は、中空軸状または中実軸状に形成され、入出力軸線X1に対して偏心した第一偏心軸線X2を中心とした円形外周面を有している。
第二偏心体部125は、第一実施形態の第二偏心体24を一体的に形成した部分である。 第二偏心体部125は、第一偏心体部124よりも入力シャフト220の先端側に設けられている。この第二偏心体部125は、中空軸状または中実軸状に形成され、入出力軸線X1に対して偏心した第二偏心軸線X3を中心とした円形外周面を有している。第二偏心軸線X3は、入出力軸線X1に対して第一偏心軸線X2とは位相を180°ずれた方向に、第一偏心軸線X2の偏心量と同量偏心している。この第二偏心体部125の外径は、第一偏心体部124の外径よりも小径に形成されている。図13に示すように、軸方向から見た場合に、第二偏心体部125の外周面円形状(図13の破線にて示す)は、第一偏心体部124の外周面円形状の内側に位置するように形成されている。また、第二偏心体部125は、軸方向において、ハウジング110に形成される内歯歯車11のうち軸方向中央より先端側に位置している。従って、入力シャフト120が入出力軸線X1回りに回転すると、入力シャフト120の第一,第二偏心体部124,125が、入出力軸線X1回りに公転することになる。
溝部123は、ロータ嵌合部122と第一偏心体部124の軸方向間に形成され、ロータ嵌合部122の外径および第一偏心体部124の外径より小径に形成されている。先端部126は、入力シャフト120の先端側、すなわち、出力シャフト30側に設けられている。この先端部126は、基端部121と同様に、入出力軸線X1を中心軸とする円筒状または円柱状に形成されている。この先端部126の外周面には第三軸受73が配置され、入力シャフト120は、出力シャフト30を相対回転可能に支持している。
第一外歯歯車140は、中央に円形孔がある円盤状に形成されている。第一外歯歯車140の内周面が、入力シャフト120の第一偏心体部124の外周側に、第一軸受71を介して嵌挿されている。この第一外歯歯車140の内径は、第一実施形態の第一外歯歯車40の内径よりも大径に形成されている。また、第一外歯歯車140は、第一外歯本体141と、第一実施形態の第一外歯42と同様の第一外歯42を備える。また、第一外歯本体141には、第一実施形態の複数の円形貫通孔41aと同様の複数の円形貫通孔141aが形成されている。
ここで、上述したように、第二偏心体部125の外周面円形状は、第一偏心体部124の外周面円形状の内側に位置するように形成されている。そして、上述においては、第一偏心体部124の第一偏心軸線X2と第二偏心体部125の第二偏心軸線X3とは、入出力軸線X1を中心として位相180°ずれたものとしている。この場合、第二偏心体部125の外周面円形状が第一偏心体部124の外周面円形状の内側に位置することを満たすための条件は、式(19)である。
Figure 0005126428
ここで、上記においては、第一偏心体部124の第一偏心軸線X2と第二偏心体部125の第二偏心軸線X3とは、入出力軸線X1を中心として位相180°ずれたものとしている。位相ずれをθとした場合には、第二偏心体部125の外周面円形状が第一偏心体部124の外周面円形状の内側に位置することを満たすための条件は、式(20)となる。
Figure 0005126428
本実施形態によれば、回転駆動装置100に上述した揺動内接式遊星歯車装置101を適用しているため、上述した揺動内接式遊星歯車装置101による効果を奏する。さらに、回転駆動装置100における揺動内接式遊星歯車装置101の第一,第二偏心体部124,125と、ロータ181の回転駆動力を第一,第二偏心体部124,125に伝達するシャフトとが、入力シャフト120として一体的に形成されることにより、部品点数の削減および小型化を図ることができる。ところが、入力シャフト120に第一,第二偏心体部124,125を一体的に形成する場合には、第一偏心体部124に第一軸受71を組み付けることが容易ではない。
そこで、第二偏心体部125の外径を第一偏心体部124の外径より小径にして、入力シャフト120の軸方向から見た場合に、第二偏心体部125の外周面形状が第一偏心体部124の外周面円形状の内側に位置するようにしている。これにより、第一偏心体部124の外周面に組み付ける第一軸受71を、第二偏心体部125を通過させて、第一偏心体部124に嵌挿することができる。
<3.第三実施形態>
次に、揺動内接式遊星歯車装置201を用いた回転駆動装置200について図14を参照して説明する。回転駆動装置200は、第二実施形態と同一構成のモータ180と、第一実施形態の揺動内接式遊星歯車装置1とほぼ同一構成からなる揺動内接式遊星歯車装置201とを備え、ハウジング210も、第二実施形態のハウジング110と同一構成である。ただし、入力シャフト220は、第二実施形態の入力シャフト120と相違する。以下、第一実施形態および第二実施形態との相違点のみについて説明する。
入力シャフト220は、基端側(図14の右側)から順に、基端部221と、ロータ嵌合部222と、溝部223と、第一偏心体部224と、第二偏心体部225と、先端部226とを備え、これらが一体的に成形されている。基端部221、ロータ嵌合部222、第二偏心体部225および先端部226のそれぞれは、第二実施形態の入力シャフト120の基端部121、ロータ嵌合部122、第二偏心体部125および先端部126とそれぞれ同一の構成である。
ただし、第一軸受71を第一偏心体部224の外周面に取り付けるために、第一軸受71がロータ嵌合部222の外周面を通過できるようにする必要となる。そのため、ロータ嵌合部222は、第一軸受71の内径よりも小径にせざるを得ない。従って、ロータ嵌合部222の外径は、第一軸受71の内径より小径である範囲で、最大となるようにすることが望ましい。
第一偏心体部224は、第一実施形態の第一偏心体23を一体的に形成した部分である。つまり、第一偏心体部224は、中空軸状または中実軸状に形成され、入出力軸線X1に対して偏心した第一偏心軸線X2を中心とした円形外周面を有している。この第一偏心体部224の直径は、本実施形態においては、基端部221の外径よりも大きく設定されている。この第一偏心体部224は、第二偏心体部225と同径に形成されている。第一偏心体部224は、軸方向において、ハウジング210に形成される内歯歯車11のうち軸方向中央から基端側に位置している。
溝部223は、ロータ嵌合部222と第一偏心体部224の軸方向間に形成され、ロータ嵌合部222の外径より小径に形成され、第一偏心体部224の外径より小径に形成されている。さらに、溝部223の軸方向幅は、第一偏心体部224に対して第一外歯歯車40を支持する第一軸受71の軸方向幅より大きな軸方向幅を有するように形成されている。
本実施形態によれば、モータ180のロータ181を配置する部位において、ロータ181とロータ嵌合部222とを別体にして、モータ180側に位置する第一偏心体部224の外周面に組み付ける第一軸受71を、モータ180側から挿入することができる。第一偏心体部224とロータ嵌合部222との間に適切な外径かつ軸方向幅の溝部223を形成することで、第一軸受71をモータ180側から挿入して第一偏心体部224の外周面に当該第一軸受71を組み付けることができる。特に、上述したように第一偏心体部224の外径と第二偏心体部225の外径が同一である場合には、第一偏心体部224の外周面に組み付ける第一軸受71を、モータ180側から挿入することが有効である。
<4.第四実施形態>
(4−1.電動アシスト自転車の構成)
図15および図16を参照して、本発明の車両用駆動装置を電動アシスト自転車の補助駆動装置に適用した場合を説明する。図15に示すように、電動アシスト自転車は、フレーム体311、フロントフォーク312、ハンドル313、サドル314、前輪315、後輪316、主駆動装置317、補助駆動装置318を備えて構成される。
フレーム体311は、電動アシスト自転車の土台となる部分である。フロントフォーク312のコラム(ステアリングコラム)が、フレーム体311のヘッドチューブに軸受を介して回転可能に支持されており、フロントフォーク312の左右一対のブレード(下端側の部材)がコラムに連結されている。
前輪315は、フロントフォーク312のブレードの下端(フロントエンド)に回転可能に支持される。後輪316は、フレーム体311のリヤエンドに回転可能に支持される。前輪315および後輪316は、ハブ315a、スポーク315b、リム315c、タイヤ315d(前輪315の構成部品のみに符号を付す)を備えて構成される。主駆動装置317は、人間の脚力によって後輪316を駆動する公知の駆動装置である。
補助駆動装置318は、駆動装置本体320と、電源装置330とを備えて構成される。駆動装置本体320は、図15および図16に示すように、前輪315のハブ315aに設けられ、モータ340と、揺動内接式遊星歯車装置を適用した減速機360とを備えて構成される。電源装置330は、モータ340を駆動するための電源であり、フレーム体311のシートチューブに固定される。電源装置330は、電源ケーブル(図示せず)によりモータ340に対する電力供給を行う。さらに、電源装置330は、モータ340が発電機として機能する場合には、回生エネルギーにより充電される。
(4−2.補助駆動装置の駆動装置本体の詳細構成)
次に、補助駆動装置318の駆動装置本体320の詳細構成について図17および図18を参照して説明する。図17に示すように、駆動装置本体320は、モータ340と、減速機360とを備えて構成される。
モータ340は、ステータ341とロータ342とを備えて構成される。このモータ340は、前輪315の筒状のハブ315aの径方向内側に収容されるように配置される。ステータ341は、筒状に形成され、コイルが巻回されている。ステータ341は、後述する固定筒部材453、固定カバー454および第一固定軸451を介して、フロントフォーク312のブレードの下端(フロントエンド)に支持されて固定される。そして、ステータ341は、前輪315の回転軸に同軸的に配置される。
ロータ342は、ステータ341の径方向内側に所定のギャップを介して、ステータ341の内周面に対向するようにかつ同軸的に、ステータ341に対して相対回転可能に配置されている。つまり、ステータ341のコイルに電力を供給することにより、ロータ342がステータ341に対して入出力軸線X1を中心に相対回転する。
減速機360は、第一実施形態の揺動内接式遊星歯車装置1を適用している。そのため、同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。ただし、電動アシスト自転車における駆動装置本体320に適用した場合には、上述した動作とは異なる動作であるため、以下に詳細に説明する。
減速機360は、モータ340と同軸的に配置され、モータ340の駆動力を減速して前輪315を駆動する。減速機360は、入力シャフト410と出力外輪420とが同軸上に設けられ、入力シャフト410の回転を減速して出力外輪420に伝達する減速機として機能する。そして、出力外輪420が前輪315のハブ315aに固定されることにより、出力外輪420の駆動力が前輪315のハブ315aに伝達される。なお、電動アシスト自転車にブレーキがかけられた場合、電源装置330からモータ340への電力供給が停止するとともに、減速機360は、前輪315に固定された出力外輪420の回転を増速して入力シャフト410に伝達する増速機として機能し、モータ340は、発電機として機能する。
減速機360の概要は、出力外輪420の内周面に第一実施形態と同一の内歯歯車11を形成し、入力シャフト410の回転によって、第一実施形態と同一の第一,第二外歯歯車40,50が固定部材450に対して揺動回転する。これにより、内歯歯車11と第一,第二外歯歯車40,50との相対回転差に相当する分が、出力外輪420に出力される。つまり、第一実施形態におけるハウジング10および出力シャフト30を、第四実施形態では、それぞれ出力外輪420および固定部材450とした。
次に、減速機360の詳細構成について説明する。減速機360は、入力シャフト410と、出力外輪420と、固定部材450と、第一外歯歯車40と、第二外歯歯車50と、第一実施形態と同一の構成を有する複数の内ピン60とを備える。
入力シャフト410は、基端側(図17の左側)から順に、基端部411と、第一偏心体412と、第二偏心体413とを備え、これらが一体的に成形されている。基端部411は、入出力軸線X1を中心軸とする円筒状または円柱状に形成され、ロータ342の中心孔に嵌め込まれ、固定カバー454に対して入出力軸線X1回りに相対回転可能に支持される。第一偏心体412および第二偏心体413は、第一実施形態の第一偏心体23および第二偏心体24と同一構成である。
出力外輪420は、第一実施形態のハウジング10とほぼ同一の構成を備えており、出力外輪420の内周面には、第一実施形態の内歯歯車11が形成されている。
固定部材450は、フロントフォーク312のブレードの下端(フロントエンド)に固定される。固定部材450は、第一固定軸451と、第二固定軸452と、固定筒部材453と、固定カバー454とを備えて構成される。
第一固定軸451は、ほぼ円柱状に形成され、フロントフォーク312の一方のブレードに挿通されて固定される。この第一固定軸451は、入出力軸線X1と同軸的に設けられている。第二固定軸452は、軸部452aと、軸部452aの端部に一体的に設けられた円盤部452bとを備える。第二固定軸452の軸部452aは、フロントフォーク312の他方のブレードに挿通されて固定され、第一固定軸451と同軸的に設けられている。この軸部452aは、軸受を介して、出力外輪420を相対回転可能に支持している。また、円盤部452bは、軸部452aのうち第一固定軸451側の端部に位置している。さらに、円盤部452bには、入出力軸線X1を中心とした周方向に等間隔に、複数の円形凹部452cが形成されている。つまり、それぞれの円形凹部452cの円形中心位置は、入出力軸線X1を中心とした同一円上に位置する。なお、本実施形態においては、10個の円形凹部452cを形成したものを例に挙げている。
固定カバー454は、円盤状に形成され、入出力軸線X1を中心とした円形孔が形成される。この固定カバー454の円形孔には、第一固定軸451が嵌挿され、固定カバー454は、第一固定軸451に固定される。固定カバー454の外周面は、軸受を介して前輪315のハブ315aを回転可能に支持している。さらに、固定カバー454の内周面は、軸受を介して入力シャフト410の基端部411の一端側(図17の左側)を回転可能に支持している。
固定筒部材453は、有底筒状に形成され、筒部453aと、筒部453aの一端(図17の右端)に一体的に設けられた円盤部453bとを備えて構成される。固定筒部材453の筒部453aの一端(図17の左端)が、固定カバー454の外周縁に固定される。つまり、固定筒部材453は、固定カバー454および第一固定軸451を介して、フロントフォーク312に固定される。この固定筒部材453の筒部453aの内周面には、上述したステータ341が固定されている。
固定筒部材453の円盤部453bには、入出力軸線X1を中心とした円形孔が形成されている。さらに、固定筒部材453の円盤部453bには、入出力軸線X1を中心とした周方向に等間隔に、複数の円形凹部453cが形成されている。つまり、それぞれの円形凹部453cの円形中心位置は、入出力軸線X1を中心とした同一円上に位置する。そして、固定筒部材453の円盤部453bに形成されるそれぞれの円形凹部453cは、第二固定軸452の円盤部452bに形成されるそれぞれの円形凹部452cと同軸的にかつ同形状に形成されている。さらに、固定筒部材453の円形孔の内周面は、軸受を介して入力シャフト410の基端部411の他端側(図17の右側)を回転可能に支持している。また、モータ340は、固定筒部材453の円盤部453bと固定カバー454との軸方向間に配置されている。さらに、第一,第二外歯歯車40,50は、第二固定軸452の円盤部452bと固定筒部材453の円盤部453bとの軸方向間に配置されている。
それぞれの内ピン60は、第二固定軸452の円盤部452bの円形凹部452cおよび固定筒部材453の円盤部453bの円形凹部453cに嵌合され、且つ、第一,第二外歯本体41,51に形成される円形貫通孔41a,51aを貫通している。
(4−3.補助駆動装置の駆動装置本体の動作)
このように構成される補助駆動装置318の駆動装置本体320の動作を説明する。まずモータ340のロータ342が駆動することにより、ロータ342の駆動力が入力シャフト410に伝達されて、入力シャフト410が入出力軸線X1回りに回転する。この回転に伴って、第一,第二偏心体412,413は、入出力軸線X1回りに公転する。そうすると、第一外歯歯車40が第一偏心体412の公転に伴って、入出力軸線X1回りに公転する。同様に、第二外歯歯車50が第二偏心体413の公転に伴って、入出力軸線X1回りに公転する。
ここで、第一,第二外歯本体41,51の円形貫通孔41a,51aには、内ピン60が貫通されている。この内ピン60は、固定部材450を介してフロントフォーク312に固定されている。従って、第一,第二外歯歯車40,50は、フロントフォーク312に対して自転することが規制されている。つまり、入力シャフト410が入出力軸線X1回りに回転することにより、第一,第二外歯歯車40,50は、入出力軸線X1回りに公転しつつ、第二偏心軸線X2,X3回りの自転はしない。ただし、第一,第二外歯歯車40,50は、入力シャフト410から見た場合には、相対的に公転および自転している。
このように、第一,第二外歯歯車40,50が自転規制されつつ公転することにより、第一,第二外歯歯車40,50のうち出力外輪420の内歯歯車11に噛合する位相が徐々に移動していく。その結果、第一,第二外歯歯車40,50と内歯歯車11との歯数差に対応する分だけ、出力外輪420が入出力軸線X1回りに回転する。つまり、入力シャフト410が1回転したときには、出力外輪420は、内歯歯車11の各歯間位相に、第一,第二外歯歯車40,50と内歯歯車11との歯数差を乗じた角度だけ回転する。従って、内歯歯車11の各歯間位相が小さいほど、かつ、第一,第二外歯歯車40,50と内歯歯車11との歯数差が少ないほど、減速比が高くなることになる。
そして、出力外輪420は、前輪315のハブ315aに固定されている。従って、出力外輪420は、減速されたモータ340の駆動力をハブ315aに伝達して、前輪315を補助駆動する。一方、例えば、電動アシスト自転車がブレーキをかけることによって減速している際には、減速機360の出力外輪420が前輪315の回転を入力して、入力シャフト410を増速回転させる。そして、ロータ342を駆動することによって、モータ340を発電させ、電源装置330に電力を充電することができる。
(その他)
上記実施形態においては、車両用駆動装置を電動アシスト自転車の補助駆動装置に適用した場合について説明した。この他に、電動自転車の主駆動装置として、車両用駆動装置を適用することもできる。自転車の他に、自動二輪車の駆動装置にも適用できる。また、電動車いすの駆動装置にも適用できる。これらにおいても上記と同様の効果を奏する。
1,101,201:揺動内接式遊星歯車装置
11:内歯歯車、 11a:内歯本体、 11b:内歯
20,120,220:入力シャフト、 23:第一偏心体、 24:第二偏心体
122,222:ロータ嵌合部、 123,223:溝部
124,224:第一偏心体部、 125,225:第二偏心体部
40,140:第一外歯歯車、 41,141:第一外歯本体、 42:第一外歯
50:第二外歯歯車、 51:第二外歯本体、 52:第二外歯
180:モータ、 181:ロータ、 182:ステータ
340:モータ、 341:ステータ、 342:ロータ、 360:減速機
410:入力シャフト、 412:第一偏心体、 413:第二偏心体
X1:入出力軸線、 X2:第一偏心軸線、 X3:第二偏心軸線

Claims (5)

  1. 入出力軸線回りに回転し、前記入出力軸線に対して偏心した偏心軸線を中心とした偏心体と、
    環状の内歯本体および前記内歯本体の内周側に一体形成された複数の内歯を備え、前記入出力軸線を中心とした内歯歯車と、
    環状の外歯本体および前記外歯本体の外周側に一体形成された複数の外歯を備え、前記偏心体に対して相対回転可能に支持され、前記偏心軸線を中心とし、駆動状態において前記内歯歯車に噛合しながら前記内歯歯車に対して相対的に揺動回転する外歯歯車と、
    を備える揺動内接式遊星歯車装置において、
    前記内歯および前記外歯は、インボリュート歯形に形成され、
    駆動状態において、前記内歯本体および前記外歯本体の一方が周方向に伸張弾性変形し且つ他方が収縮弾性変形することにより、前記内歯と前記外歯の噛み合い数が、非駆動状態における前記内歯と前記外歯との噛み合い数よりも多くなるように設定され、
    歯番号iを、非駆動状態において噛み合う前記内歯および前記外歯である基準噛合歯を1とし、前記基準噛合歯から遠ざかる前記内歯および前記外歯について1ずつ加算した値として定義し、
    前記歯番号iにおける前記内歯および前記外歯の一方の伸張方向の移動量をδ1,iとし、
    前記歯番号iにおける前記内歯および前記外歯の他方の収縮方向の移動量をδ2,iとし、
    前記歯番号iにおける前記内歯の歯面と前記外歯の歯先との隙間をδiとした場合に、
    前記内歯歯車および前記外歯歯車のモジュールは、式(1)を満たすように設定されたモジュールである揺動内接式遊星歯車装置。
    Figure 0005126428
  2. 請求項1において、
    前記歯番号iにおける前記内歯および前記外歯の一方の伸張方向の移動量δ1,iを式(2)として定義し、
    前記歯番号iにおける前記内歯および前記外歯の他方の収縮方向の移動量δ2,iを式(3)として定義し、
    前記歯番号iにおける前記内歯の歯面と前記外歯の歯先との隙間δiを式(4)として定義した揺動内接式遊星歯車装置。
    Figure 0005126428
    Figure 0005126428
    Figure 0005126428
  3. 請求項3において、
    前記内歯歯車および前記外歯歯車のモジュールは、前記式(1)においてi=2を満たすモジュール以下に設定される揺動内接式遊星歯車装置。
  4. 円筒形状のロータと前記ロータの径方向外側に対向して配置された円筒形状のステータとを備えるモータと、
    請求項1,3,4の何れか一項の揺動内接式遊星歯車装置と、
    前記ロータの回転を前記揺動内接式遊星歯車装置の前記偏心体に伝達するシャフトと、
    を備え、
    前記偏心体は、
    前記入出力軸線に対して偏心した第一偏心軸線を中心とした第一偏心体と、
    前記入出力軸線に対して前記第一偏心軸線とは異なる方向に偏心した第二偏心軸線を中心とした第二偏心体と、
    を備え、
    前記外歯歯車は、
    前記第一偏心体に対して相対回転可能に支持される第一外歯歯車と、
    前記第二偏心体に対して相対回転可能に支持される第二外歯歯車と、
    を備え、
    前記シャフトは、
    別体に形成された前記ロータを外周面に嵌合するロータ嵌合部と、
    前記第一偏心体を一体的に形成する第一偏心体部と、
    前記第一偏心体部に対して前記ロータ嵌合部と軸方向反対側に前記第二偏心体を一体的に形成する第二偏心体部と、
    を備え、
    前記第二偏心体部の外周面円形状は、前記第一偏心体部の外周面円形状の外径より小径に形成され、かつ、前記シャフトの軸方向から見た場合に、前記第一偏心体部の外周面円形状の内側に位置するように形成される回転駆動装置。
  5. 円筒形状のロータと前記ロータの径方向外側に対向して配置された円筒形状のステータとを備えるモータと、
    請求項1,3,4の何れか一項の揺動内接式遊星歯車装置と、
    前記ロータの回転を前記揺動内接式遊星歯車装置の前記偏心体に伝達するシャフトと、
    を備え、
    前記偏心体は、
    前記入出力軸線に対して偏心した第一偏心軸線を中心とした第一偏心体と、
    前記入出力軸線に対して前記第一偏心軸線とは異なる方向に偏心した第二偏心軸線を中心とした第二偏心体と、
    を備え、
    前記外歯歯車は、
    前記第一偏心体に対して相対回転可能に支持される第一外歯歯車と、
    前記第二偏心体に対して相対回転可能に支持される第二外歯歯車と、
    を備え、
    前記シャフトは、
    別体に形成された前記ロータを外周面に嵌合するロータ嵌合部と、
    前記第一偏心体を一体的に形成する第一偏心体部と、
    前記第一偏心体部に対して前記ロータ嵌合部と軸方向反対側に前記第二偏心体を一体的に形成する第二偏心体部と、
    前記ロータ嵌合部と前記第一偏心体部の軸方向間に形成され、前記ロータ嵌合部の外径および前記第一偏心体部の外径より小径に形成され、かつ、前記第一偏心体部に対して前記第一外歯歯車を支持する第一軸受の軸方向幅より大きな軸方向幅を有する溝部と、
    を備える回転駆動装置。
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