JP2024045301A - 操舵補助装置 - Google Patents

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淳 為永
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Abstract

【課題】減速機において無駄な熱及び振動の発生を抑制できる操舵補助装置を提供する。【解決手段】この操舵補助装置は、ステアリングホイールの操作に応じて駆動力を出力するモータと、モータにより駆動される偏心体、偏心体により揺動される外歯歯車、外歯歯車が噛合する内歯歯車、及び、ステアリングホイールに与えられた回転操作に応じて車輪の向きを変える操舵機構に操舵補助力を出力する出力部材、を含む減速機とを備える。そして、外歯歯車と内歯歯車との歯数差が1であり、偏心体の反偏心方向に最も近い外歯歯車の歯先と内歯歯車の歯先との間の距離(L1)が0.03mm~0.2mmである構成とした。【選択図】図7

Description

本発明は、操舵補助装置に関する。
特許文献1には、モータの出力トルクを減速機により増大させ、自動車の操舵機構に伝達することで、運転者のステアリング操作を補助する電動式の操舵補助装置が示されている。この操舵補助装置に適用されている減速機は、偏心揺動型減速機であり、内歯歯車(複数の内歯ピン520)と噛合する外歯歯車(トロコイド歯車710、720)を揺動させて、入力されたトルクを増大する。
特開2017-109599
特許文献1の操舵補助装置においては、減速機の発熱と振動の対策が十分でないという課題があった。自動車の運転において、操舵補助装置は高い頻度で動作する。このため、操舵補助装置の熱又は振動の発生は十分に抑制したいという要求がある。
本発明は、減速機において無駄な熱及び振動の発生を抑制できる操舵補助装置を提供することを目的とする。
本発明に係る操舵補助装置は、
ステアリングホイールの操作に応じて駆動力を出力するモータと、
前記モータにより駆動される偏心体と、前記偏心体により揺動される外歯歯車と、前記外歯歯車が噛合する内歯歯車と、ステアリングホイールに与えられた回転操作に応じて車輪の向きを変える操舵機構に操舵補助力を出力する出力部材と、を含む減速機と、
を備え、
前記外歯歯車と前記内歯歯車との歯数差が1であり、
前記外歯歯車の反偏心方向に最も近い前記外歯歯車の歯先と前記内歯歯車の歯先との間の距離が0.03mm~0.2mmである構成とした。
本発明に係るもう一つの操舵補助装置は、
ステアリングホイールの操作に応じて駆動力を出力するモータと、
前記モータにより駆動される偏心体と、前記偏心体により揺動される外歯歯車と、前記外歯歯車が噛合する内歯歯車と、ステアリングホイールに与えられた回転操作に応じて車輪の向きを変える操舵機構に操舵補助力を出力する出力部材と、を含む減速機と、
を備え、
前記外歯歯車と前記内歯歯車との歯数差が2であり、
前記外歯歯車の反偏心方向における前記外歯歯車の外接円と前記内歯歯車の内接円との間の距離が0.5mm~2.0mmである構成とした。
本発明によれば、減速機において無駄な熱及び振動の発生を抑制できる操舵補助装置を提供できるという効果が得られる。
本発明の実施形態1に係る操舵補助装置が組み込まれた操舵機構を示す構成図である。 実施形態1に係る操舵補助装置を示す部分断面図である。 実施形態1に係る操舵補助装置の減速機の内部を軸方向に見た正面図である。 外歯歯車と内歯歯車との反偏心方向の箇所を示した拡大図である。 実施形態2に係る操舵補助装置の減速機を示す断面図である。 実施形態2に係る操舵補助装置の減速機の内部を軸方向に見た正面図である。 外歯歯車と内歯歯車との反偏心方向の箇所を示した拡大図である。 外歯歯車の貫通孔と外周面との最小肉厚箇所を示す拡大図である。
以下、本発明の各実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る操舵補助装置が組み込まれた操舵機構を示す構成図である。
実施形態1の操舵機構100は、ステアリングホイール101、ステアリングシャフト102、トルクセンサ103、ピニオン104、ラック105、車輪109、110の舵角を変更するリンク機構107、操舵補助装置10及び制御装置108を備える。操舵補助装置10は、ステアリングホイール101の操作に応じて駆動力を出力するモータ12、減速機14及びピニオン16を備える。
このような構成によれば、自動車の運転者がステアリングホイール101を回転操作すると、ステアリングシャフト102が回転し、ピニオン104及びラック105を介してリンク機構107に運動が伝達される。このとき、トルクセンサ103は、ステアリングシャフト102に伝達されたトルクを検出し、制御装置108にトルク信号を出力する。制御装置108は、トルク信号に応じた大きさ及び回転方向の駆動力を発生させる駆動信号を生成し、操舵補助装置10のモータ12へ出力する。この駆動信号によりモータ12はステアリングシャフト102に加わる操舵力に応じた駆動力を減速機14に出力し、減速機14を介して増大されたトルクがピニオン16及びラック105を介してリンク機構107に伝達される。そして、運転者からステアリングシャフト102に入力されたトルクと操舵補助装置10のトルクとが合わさってリンク機構107を動かす運動に変換される。そして、リンク機構107が動作することで、車輪109、110の舵角が変わる。このように、運転者のステアリングホイール101の操作に応じて操舵補助装置10からリンク機構107を動かす力が補助され、運転者は小さな力で車輪109、110の舵角を変更することができる。
図2は、実施形態1に係る操舵補助装置を示す部分断面図である。図3は、実施形態1に係る操舵補助装置の減速機の内部を軸方向に見た正面図である。本実施形態においては、中心軸O1に沿った方向を軸方向、中心軸O1から垂直な方向を径方向、中心軸O1を中心とする回転方向を周方向と定義する。
操舵補助装置10は、モータ12と、偏心揺動型の減速機14と、減速機14の出力軸45に設けられたピニオン16とを備える。
モータ12は、トルクが出力されるモータ軸21に、伝達歯車22が設けられている。モータ軸21は中心軸O1を中心に回転する。
減速機14は、所謂振り分け型の偏心揺動型歯車機構であり、複数(本実施形態では3本)の偏心遊星軸41と、偏心遊星軸41を保持するキャリア44A、44Bと、複数(本実施形態では2枚)の外歯歯車46A、46Bと、歯車機構の径方向外方を覆う筒状のケーシング47とを備える。各偏心遊星軸41には、偏心体42a、42bと、偏心遊星軸歯車43とが設けられている。筒状のケーシング47の内周部には外歯歯車46A、46Bと噛合する内歯歯車47gが設けられている。さらに、減速機14は、出力軸45、偏心遊星軸用軸受け49a、49b、偏心体用軸受け49c、49d及び主軸受け51a、51bを備える。上記の構成要素のうちキャリア44A、44Bが、本発明に係る出力部材の一例に相当する。
出力軸45は、キャリア44Bと一体化されており、モータ軸21と同心に配置され、中心軸O1を中心に回転する。
キャリア44A、44Bは、中心軸O1からオフセットされ、かつ、周方向に離間した複数の位置で、複数の偏心遊星軸41を回転自在に支持する。具体的には、キャリア44A、44Bの該当の位置には貫通孔が設けられ、この貫通孔に偏心遊星軸41の両端部が通され、この貫通孔の内周面と偏心遊星軸41との間に偏心遊星軸用軸受け49a、49bが配置される。モータ12側に配置されるキャリア44Aと出力軸45側に配置されるキャリア44Bとは、複数のキャリアピン44cを介して結合される。複数のキャリアピン44cは、中心軸O1からオフセットされ、かつ、周方向に離間した複数の位置において、一方のキャリア44Bからピン状に膨出して設けられ、ボルト及び連結ピン等の連結部材を介して他方のキャリア44Aと連結されている。キャリア44A、44Bは主軸受け51a、51bを介してケーシング47に回転自在に支持されている。
偏心体42a、42bは、偏心遊星軸41の軸心に直交する断面外形が円形の外周面を有し、偏心遊星軸41の軸心から偏心され、偏心遊星軸41と一体的に回転する。偏心体42aと偏心体42bは偏心位相が180度ずれている(互いに反対方向に偏心している)。また、各偏心遊星軸41の偏心体42a同士は偏心位相が同じであり、偏心体42b同士も偏心位相が同じである。偏心遊星軸歯車43は、偏心遊星軸41に相対回転しないように連結され、伝達歯車22と噛合する。
外歯歯車46A、46Bは、中心軸O1からオフセットされ、かつ、周方向に離間した複数の位置に、偏心遊星軸41を通す貫通孔46cと、キャリアピン44cを通す貫通孔46dとを有する(図3を参照)。貫通孔46cの内側には、偏心体用軸受け49c、49dを介して偏心体42a、42bが配置される。これにより、外歯歯車46A、46Bの貫通孔46cの内側で、偏心体42a、42bが相対的に回転自在にされる。
内歯歯車47gは、内歯となる複数の外ピンp1と、外ピンp1が配置されるピン溝が設けられた内歯歯車本体とを含む。内歯歯車47gは、外歯歯車46A、46Bの偏心した側の外歯と噛合する。
<減速動作>
次に、減速機14の動作について説明する。モータ軸21が回転すると、伝達歯車22と偏心遊星軸歯車43との噛合により、これらの歯数比率でモータ軸21の回転運動が減速されて偏心遊星軸41に伝達される。偏心遊星軸41が回転すると、偏心体42a、42bが回転して外歯歯車46A、46Bが揺動し、外歯歯車46A、46Bと内歯歯車47gとの噛合位置が変化する。偏心体42a、42bが1回転するごとに、この噛合位置が1周する。噛合位置が1周すると、外歯歯車46A(又は46B)と内歯歯車47gとの歯数差分、外歯歯車46A、46Bが自転する。すなわち、偏心体42a、42bの回転運動は、”内歯歯車47gと外歯歯車46Aとの歯数差/外歯歯車46Aの総歯数”の比率で減速されて外歯歯車46A、46Bの自転に変換される。なお、複数の外歯歯車46A、46Bの各歯数は互いに同数である。外歯歯車46A、46Bの自転運動は、偏心遊星軸41を介してキャリア44A、44B及び出力軸45に伝達される。これにより、モータ軸21に入力された回転運動が減速されて出力軸45から取り出すことができる。すなわち、モータ軸21に入力されたトルクが増大されて出力軸45に伝達される。
<反偏心方向の内歯と外歯との間隔>
図4は、外歯歯車と内歯歯車との反偏心方向の箇所を示した拡大図である。
実施形態1の減速機14においては、内歯歯車47gと外歯歯車46A、46Bとの歯数差は「2」に設定され、各外歯歯車46A、46Bの反偏心方向(最も偏心した方向の逆方を意味する)では、外歯の歯先と内歯の歯底とが対向する。具体的には、外歯歯車46A(46B)は、偏心体42a(42b)に嵌合しているため、外歯歯車46A(46B)の中心(軸心)は、内歯歯車47gの軸心に対して偏心体42a(42b)の偏心量だけ偏心する。図3の例では、外歯歯車46Aは、左方向へ偏心している。そして、この外歯歯車46Aの反偏心方向、つまり、外歯歯車46Aの偏心方向に対して外歯歯車(内歯歯車)の軸心を挟んだ反対方向では、外歯の歯先と内歯の歯底とが対向する。
実施形態1の減速機14においては、外歯歯車46Aの反偏心方向において、外歯歯車46Aの外接円C1(外歯の歯先に接触する円)と内歯歯車47gの内接円C2(外ピンp1に接触する円)との間の距離L1は、0.5mm~2.0mmの範囲内の値に設定されている。もう一方の外歯歯車46Bについても同様に設定されている。距離L1は、反偏心方向において最大となるので、距離L1の最大値が、0.5mm~2.0mmの範囲内の値に設定されているということもできる。
距離L1の調整は、外歯歯車46A、46Bの歯型修整工程で歯の山側を理論歯形よりも径方向に小さく削るか、あるいは、外歯歯車46A、46Bの加工時に歯の径方向の追い込み量を増やすことで達成される。
距離L1の作用は、次のように説明される。偏心側で外歯歯車46A、46Bと内歯歯車47gとが噛み合う瞬間において、外歯歯車46A、46Bの反偏心側(図3の右方)の外歯はトルク伝達に寄与しない。このため、反偏心側の外歯は、内歯歯車47g(外ピンp1)と接触しないのが理想である。また、外歯歯車46A、46Bの歯先と、内歯歯車47gの歯先(外ピンp1の内周側の先端)とが対向する範囲(図3の斜め右上方向の周辺と斜め右下方向の周辺)においても、両者はトルク伝達に寄与しないため、両者の歯先は接触しない方がよい。
しかしながら、偏心側の外歯の歯面には噛合い反力が生じ、外歯歯車46A、46Bの貫通孔46cと偏心体用軸受け49a、49bとの間に僅かな隙間がある。このため、減速動作中、外歯歯車46A、46Bは反偏心方向へ微小変位する場合がある。そして、距離L1が小さいと、外歯歯車46A、46Bの微小変位により、外歯歯車46A、46Bと内歯歯車47gとの噛合い範囲以外、すなわち反偏心方向あるいは外歯の歯先と内歯の歯先とが対向する範囲において、歯先同士が接触する。そして、このようなトルク伝達に寄与しない歯の接触により、外歯歯車46A、46Bの円滑な回転が阻害され、減速機14の内部で無駄な熱と振動が発生する。
そこで、本実施形態では、反偏心方向における距離L1を0.5mm以上に設定している。これにより、外歯歯車46A、46Bが微小変位した場合でも、噛合い範囲以外の外歯歯車46A、46Bと内歯歯車47gとの接触が回避または抑制される。そして、外歯歯車46A、46Bを円滑に回転させ、無駄な熱と振動の発生を抑制することができる。
一方、距離L1が大きくなると、その分、外歯歯車46A、46Bの歯丈が低くなる。この場合、外歯歯車46A、46Bと内歯歯車47g(外ピンp1)との噛合い範囲において、歯当たり面の面積が小さくなり、その面圧が高くなる。そして、面圧が過度に高くなると、外歯歯車46A、46Bが劣化しやすくなり、あるいは、トルクの伝達に支障が生じるという課題が生じる。
そこで、本実施形態では、反偏心方向における距離L1を2.0mm以下に設定している。これにより、外歯歯車46A、46Bの歯当たり面の面積が過度に小さくなることが抑制される。そして、十分な大きさのトルク伝達を行うことができかつ外歯歯車46A、46Bの劣化が抑制される。
<外歯歯車の最小肉厚と歯丈との比率>
実施形態1の減速機14においては、歯数差が2の振り分け型の偏心揺動型減速機が採用されている。さらに、実施形態1の減速機14では、外歯歯車46Aの貫通孔46c、46dと外歯の歯底との最小距離L2と、外歯の歯丈H1との比「L2/H1」が1.4~3の範囲内の値に設定されている。もう一方の外歯歯車46Bについても同様である。
一般に、外歯歯車46A、46Bの直径は、伝達トルクの定格値によって変化する。一方、外歯歯車46A、46Bの直径が変化する場合、歯丈、貫通孔46c、46dの径の各パラメータも、同等の比率で変化する。例えば、伝達トルクを大きくするために外歯歯車46A、46Bの直径を大きくした場合、貫通孔46c、46dの径も同じ割合で大きくする必要が生じる。加えて、大きなトルク伝達に耐えるため外歯の歯丈を高くして外歯の接触歯面の面積を大きくする必要が生じる。
伝達トルクの定格値が或る値に設計された外歯歯車に注目したとき、最小距離L2を大きくすると、その分、貫通孔46dを小さくするか、貫通孔46dを中心寄りの配置にする必要が生じる。このため、キャリア44A、44Bへのトルク伝達の最大値が低下する。そして、トルク伝達の最大値を低下させないためには、外歯歯車の径を大きくするなど、減速機14が大型化し、部品コストが増大してしまう。
一方、最小距離L2を小さくすると、その部分の剛性が低下する。そして、この周辺の外歯に外ピンp1から荷重が加わったときに、その部分の変形量が大きくなる。これにより、外歯の最小距離L2の肉厚を有する部分が金属疲労しやすくなり、自動車部品としての長期の寿命を十分に満たすことが難しくなる。
そこで、本実施形態に係る減速機14は、上記のように、最小距離L2が適正な値に設定されることで、減速機14の大型化を回避しつつ自動車部品としての寿命を満たすように構成されている。また、大型車から小型車まで必要な伝達トルクが異なり、それに応じて最適な減速機のサイズも異なるため、歯丈H1で規格化したパラメータ「L2/H1」を用いて、最小距離L2の設定値を示している。このパラメータによれば、伝達トルクの定格値が異なる複数の減速機において共通の値を示すことができる。
以上のように、実施形態1の操舵補助装置10によれば、モータ12のトルクを増大してリンク機構107に伝える減速機14が、偏心揺動型減速機であり、揺動される外歯歯車46A、46Bと内歯歯車47gとの歯数差が2である。そして、外歯歯車46A、46Bの各々の反偏心方向において、外歯歯車46A、46Bの外接円C1と内歯歯車47gの内接円C2との間の距離L1が0.5mm~2.0mmの値に設定されている。これにより、十分な大きさのトルク伝達を可能としつつ、外歯歯車46A、46Bを円滑に回転させて無駄な熱及び振動の発生の抑制が図られる。
また、実施形態1の操舵補助装置10によれば、外歯歯車46A、46Bに設けられた貫通孔46c、46dと外歯の歯底との最小距離L2を、歯丈H1で規格化したパラメータ「L2/H1」が、1.4~3に設定されている。これにより、減速機14の大型化及び部品コストの増大を抑制しつつ、自動車部品としての寿命の要求を十分に満たすことができる。
(実施形態2)
図5は、実施形態2に係る操舵補助装置の減速機を示す断面図である。図6は、実施形態2に係る操舵補助装置の減速機の内部を軸方向に見た正面図である。
実施形態2の操舵補助装置は、減速機の構成のみ実施形態1と異なり、他の構成要素は実施形態1と同様である。以下、異なる点のみ詳細に説明する。
実施形態2の減速機18は、モータ12から入力したトルクを増大してピニオン16に出力する。図5では省略しているが、モータ軸21は偏心体軸81に連結され、偏心体軸81と一体的に回転する。ピニオン16はキャリア87Bに連結されて、キャリア87Bと一体的に回転する。
減速機18は、所謂センタークランク式の偏心揺動型減速機であり、複数の偏心体81a、81b、81cを有し中心軸O1上に配置された偏心体軸81と、揺動する複数の外歯歯車82A、82B、82Cと、歯車機構の径方向外方を覆うケーシング83とを備える。また、減速機18は、ケーシング83の内周部に設けられた内歯歯車83gと、外歯歯車82A、82B、82Cの自転運動と同期してケーシング83に対して相対回転するキャリア87A、87Bとを備える。さらに、減速機18は、主軸受け84a、84bと、偏心体軸受け85a、85b、85cと、偏心体軸用軸受け85d、85eとを備える。上記の構成要素のうちキャリア87A、87Bが、本発明に係る出力部材の一例に相当する。
偏心体81a、81b、81cは、中心軸O1に垂直な断面外形が円形であり、中心軸O1に対して互いに異なる方向に偏心している。具体的には、偏心体81a、81b、81cは、偏心位相が互いに120度ずれている。偏心体81a、81b、81cは、外歯歯車82A、82B、82Cに対して相対回転可能に、これらの中央の貫通孔の内側に偏心体軸受け85a、85b、85cを介して配置されている。
外歯歯車82A、82B、82Cには、中心軸O1からオフセットされ、かつ、周方向に互いに離間した複数の位置に、複数の貫通孔82eが設けられている。複数の貫通孔82eには、それぞれ複数の内ピン87cが通されている。また、外歯歯車82A、82B、82Cの各歯数は互いに同数であり、偏心側において外歯歯車82A、82B、82Cと内歯歯車83gとは噛合する。内歯歯車83gは、複数の外ピンp2と、複数の外ピンp2を保持する複数のピン溝を有する内歯歯車本体とを有する。
キャリア87A、87Bは、モータ12側と負荷側とにそれぞれ配置され、複数の内ピン87cを介して連結されている。キャリア87A、87Bは、主軸受け84a、84bを介して相対回転可能にケーシング83に支持されている。また、キャリア87A、87Bは、偏心体軸用軸受け85d、85eを介して偏心体軸81を相対回転可能に支持している。
<減速動作>
モータ軸21が回転して偏心体軸81が回転すると、偏心体81a、81b、81cが外歯歯車82A、82B、82Cの貫通孔の内側で相対的に偏心回転する。これにより、外歯歯車82A、82B、82Cが互いに異なる位相で揺動し、揺動により外歯歯車82A、82B、82Cと内歯歯車83gとの噛合位置が変化する。この噛合位置は、偏心体81a、81b、81cが1回転するごとに、周方向に1周する。噛合位置が1周すると、外歯歯車82A、82B、82Cと内歯歯車83gとの歯数差分、外歯歯車82A、82B、82Cが自転する。すなわち、偏心体81a、81b、81cの回転運動は、”内歯歯車83gと外歯歯車82Aとの歯数差/外歯歯車82Aの総歯数”の比率で減速されて外歯歯車82A、82B、82Cの自転に変換される。外歯歯車82A、82B、82Cの自転運動は、内ピン87cを介してキャリア87A、87Bに伝達される。これにより、モータ軸21に入力された回転運動が減速されてキャリア87Bから取り出すことができる。すなわち、モータ軸21に入力されたトルクが増大されてキャリア87Bに伝達される。
<反偏心方向の内歯と外歯との間隔>
図7は、外歯歯車と内歯歯車との反偏心方向の箇所を示した拡大図である。
実施形態2の減速機18においては、内歯歯車83gと外歯歯車82A、82B、82Cとの歯数差は「1」に設定され、各外歯歯車82A、82B、82Cの反偏心方向(最も偏心した方向の逆方を意味する)では、外歯の歯先と内歯の歯先とが対向する。
外歯歯車82Aの反偏心方向(最も偏心した方向の逆側を意味する)において、反偏心方向に最も近い外歯の歯先と内歯(外ピンp2)の歯先との間の距離L11は、0.03mm~0.2mmの範囲内の値に設定されている。別の2つの外歯歯車82B、82Cについても同様に設定されている。
この距離L11の調整は、外歯歯車82A、82B、82Cの歯型修整工程で歯の山側を理論歯形よりも径方向に小さく削るか、あるいは、外歯歯車82A、82B、82Cの加工時に歯の径方向の追い込み量を増やすことで達成される。
外歯歯車82A、82B、82Cの反偏心側の外歯は、トルク伝達に寄与しないので、内歯歯車83gの内歯と接触しない方がよい。しかし、前述したように、外歯歯車82A、82B、82Cは反偏心方向へ微小変位するため、距離L11が小さいと、外歯歯車82A、82B、82Cの反偏心方向において外歯の歯先と内歯の歯先とが接触する。この場合、トルクの伝達に寄与しない歯の接触により、外歯歯車82A、82B、82Cの円滑な回転が阻害され、無駄な熱と振動が発生する。
そこで、本実施形態では、距離L11を0.03mm以上に設定している。これにより、外歯歯車82A、82B、82Cが微小変位した場合でも、噛合い範囲以外で外歯歯車82A、82B、82Cと内歯歯車83gとの接触が回避または抑制される。そして、外歯歯車82A、82B、82Cを円滑に回転させ、無駄な熱と振動の発生を抑制することができる。
一方、距離L11が大きくなると、その分、外歯歯車82A、82B、82Cの歯丈が低くなる。この場合、内歯歯車83g(外ピンp1)と外歯歯車82A、82B、82Cとの噛合い範囲において、歯当たり面の面積が小さくなり、その面圧が高くなる。そして、面圧が過度に高くなると、外歯歯車82A、82B、82Cが劣化しやすくなり、あるいは、トルクの伝達に支障が生じるという課題が生じる。
そこで、本実施形態では、距離L11を0.2mm以下に設定している。これにより、外歯歯車82A、82B、82Cの歯当たり面の面積が過度に小さくならず、十分な大きさのトルク伝達を行うことができかつ外歯歯車82A、82B、82Cの劣化が抑制される。
<外歯歯車の最小肉厚と歯丈との比率>
図8は外歯歯車の貫通孔と外周面との最小肉厚箇所を示す拡大図である。
実施形態2の減速機18においては、歯数差が1のセンタークランク式の偏心揺動型減速機が採用されている。さらに、実施形態2の減速機18では、外歯歯車82Aの貫通孔82eと外歯の歯底との最小距離L12と、外歯の歯丈H11との比「L12/H11」が0.5~4の範囲内の値に設定されている。別の2つの外歯歯車82B、82Cについても同様である。
先に説明したように、最小距離L12を大きくすると、外歯歯車82A、82B、82Cからキャリア87A、87Bへのトルク伝達の最大値が低下する。あるいは、トルク伝達の最大値を低下させないために、外歯歯車82A、82B、82Cの径を増大する必要が生じ、減速機18の大型化及び部品コストの増大を招く。一方、最小距離L12を小さくすると、その部分の剛性が低下し、外歯歯車82A、82B、82Cの自動車部品としての寿命を十分に満たすことが難しくなる。
そこで、上記のように最小距離L12の値を設定することで、減速機18の大型化とコストの増大を抑制しつつ、自動車部品として要求される寿命を十分に確保することが可能になっている。ここでも、前述のように、外歯歯車82A、82B、82Cの歯丈H11で規格化したパラメータ「L12/H11」を用いて、最小距離L12の設定値を表わしている。このパラメータによれは、伝達トルクの定格値が異なる複数の減速機において共通の値を示すことができる。
以上のように、実施形態2の操舵補助装置によれば、モータ12のトルクを増大する減速機18が、偏心揺動型減速機であり、揺動される外歯歯車82A、82B、82Cと内歯歯車83gとの歯数差が1である。そして、このような減速機18において、外歯歯車82A、82B、82Cの反偏心方向の外歯の歯先と、内歯の歯先との間の距離が0.03mm~0.2mmの値に設定されている。これにより、十分な大きさのトルク伝達を可能としつつ、外歯歯車82A、82B、82Cを円滑に回転させて無駄な熱及び振動の発生を抑制することができる。
また、実施形態2の操舵補助装置によれば、外歯歯車82A、82B、82Cに設けられた貫通孔82eと外歯の歯底との最小距離L12を、歯丈H11で規格化したパラメータ「L12/H11」が、0.5~4に設定されている。これにより、減速機18の大型化及び部品コストの増大を抑制しつつ、自動車部品としての寿命の要求を十分に満たすことができる。
以上、本発明の各実施形態について説明した。しかし、本発明は上記の実施形態に限られない。例えば、上記実施形態では、自動車の操舵機構として、ラックとリンク機構とを用いた構成を示したが、その他、車輪109、110の舵角を変更できればどのような機構が用いられてもよい。また、上記実施形態では、外ピンが全てのピン溝に保持された内歯歯車を示したが、外ピンは1本ごとに又は2本ごとに間引かれていてもよい。この場合でも、内歯歯車と外歯歯車との歯数差とは、間引きが無い場合の内歯歯車の歯数と、外歯歯車の歯数との差を意味する。また、上記実施形態では、操舵補助力となるトルクの出力を行う出力部材として、減速機のキャリアが適用される構成を示した。しかし、本発明に係る減速機は、出力部材としてケーシングが適用され、キャリアが固定され、ケーシングが回転して操舵補助力となるトルクの出力を行う構成であってもよい。
また、実施形態1においては歯数差が2の振り分け型の偏心揺動型減速機が示され、実施形態2においては歯数差が1のセンタークランク式の偏心揺動型減速機が示された。しかし、本発明は、これに限定されるものではなく、歯数差が1の振り分け型の偏心揺動型減速機や歯数差が2のセンタークランク式の偏心揺動型減速機に適用してもよい。その他、実施形態で示した細部は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
10 操舵補助装置
12 モータ
14、18 減速機
16 ピニオン
41 偏心遊星軸
42a、42b 偏心体
44A、44B キャリア(出力部材)
44c キャリアピン
46A、46B 外歯歯車
46c、46d 貫通孔
47g 内歯歯車
81 偏心体軸
81a、81b、81c 偏心体
82A、82B、82C 外歯歯車
82e 貫通孔
83g 内歯歯車
87A、87B キャリア(出力部材)
87c 内ピン
100 操舵機構
101 ステアリングホイール
102 ステアリングシャフト
103 トルクセンサ
105 ラック
107 リンク機構
108 制御装置
p1,p2 外ピン

Claims (4)

  1. ステアリングホイールの操作に応じて駆動力を出力するモータと、
    前記モータにより駆動される偏心体と、前記偏心体により揺動される外歯歯車と、前記外歯歯車が噛合する内歯歯車と、ステアリングホイールに与えられた回転操作に応じて車輪の向きを変える操舵機構に操舵補助力を出力する出力部材と、を含む減速機と、
    を備え、
    前記外歯歯車と前記内歯歯車との歯数差が1であり、
    前記外歯歯車の反偏心方向に最も近い前記外歯歯車の歯先と前記内歯歯車の歯先との間の距離が0.03mm~0.2mmである操舵補助装置。
  2. ステアリングホイールの操作に応じて駆動力を出力するモータと、
    前記モータにより駆動される偏心体と、前記偏心体により揺動される外歯歯車と、前記外歯歯車が噛合する内歯歯車と、ステアリングホイールに与えられた回転操作に応じて車輪の向きを変える操舵機構に操舵補助力を出力する出力部材と、を含む減速機と、
    を備え、
    前記外歯歯車と前記内歯歯車との歯数差が2であり、
    前記外歯歯車の反偏心方向における前記外歯歯車の外接円と前記内歯歯車の内接円との間の距離が0.5mm~2.0mmである操舵補助装置。
  3. 前記外歯歯車に設けられた貫通孔と前記外歯歯車の歯底との間の最小距離と、前記外歯歯車の歯丈との比率が0.5~4である、
    請求項1記載の操舵補助装置。
  4. 前記外歯歯車に設けられた貫通孔と前記外歯歯車の歯底との間の最小距離と、前記外歯歯車の歯丈との比率が1.4~3である、
    請求項2記載の操舵補助装置。
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