JP2018095209A - 舵角比可変装置 - Google Patents

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Koichi Shibata
晃一 柴田
前田 篤志
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Abstract

【課題】内接式遊星歯車機構および等速度内歯車機構からなる減速(増速)機と中空の補助軸とを備えた舵角比可変装置の、等速度内歯車機構によるトルク伝達効率を向上させる。
【解決手段】中空の補助軸5は、第一軸2に対して同軸に回転自在に外挿された本体部51と、本体部の軸方向一端に形成され本体部の回転中心から偏芯した偏芯部52と、を有する。電動モータ4のロータ41が本体部51に同軸に外嵌され、等速度内歯車機構6は、内接式遊星歯車機構3の外歯歯車32と第一軸2の軸方向一端との間に形成された、ピン穴33とピン穴33に入るピン21とからなる。内接式遊星歯車機構の内歯歯車31が第二軸1と一体に回転可能に配置され、外歯歯車32が偏芯部52に転がり軸受55を介して回転自在に設置され、内接式遊星歯車機構3と転がり軸受55と等速度内歯車機構6とが、軸の径方向で重なる位置に配置されている。
【選択図】図1

Description

この発明は、舵角比可変装置に関する。
車両のステアリング装置としては、一般的には、ステアリングホイールの回転角と車輪(操舵輪)の回転角との関係を1:1に対応させた(いわゆるステアリングギア比を固定した)ステアリング装置が使用されている。この固定されたステアリングギア比は、車両の高速安定性を確保するために、大きく設定されることが多い。しかし、その場合、例えば、車庫入れなどの低速走行時に、ステアリングホイールを多く回転させる必要があり、操作が煩雑になる。
このような問題に対し、差動減速(増速)機構による舵角比可変機構を設け、車速等に応じて舵角比(ここでは、「舵角比可変機構の出力軸の回転角÷入力軸の回転角」を意味する)を調整することが提案されている。
舵角比可変機構に用いられる差動減速(増速)機構としては、様々な種類のものが提案されているが、車両搭載レイアウトの観点から、電動モータと減速機を操舵系に同軸に配置することが好ましい。このような舵角比可変機構としては、平歯車、はすば歯車、かさ歯車が用いられている遊星歯車機構や、波動歯車機構を採用したものがある。しかし、いずれを採用した場合でも、トルク伝達効率が低いため、電動モータの大型化や大電力化、これに伴う重量増、コスト増の問題がある。
これに対して、特許文献1には、入力軸を挿入する中空の補助軸(中間回転筒)に電動モータのロータが外嵌され、内接式遊星歯車機構および等速度内歯車機構からなる減速(増速)機を備えた舵角比可変装置が記載されている。
特許文献1に記載された舵角比可変装置を構成する内接式遊星歯車機構は、入力軸と出力軸との間に介装されて、入力軸から出力軸への回転伝達比を変化させる。補助軸は、入力軸に対して同軸に回転自在に外挿された本体部と、本体部の軸方向一端に形成されて、 本体部の回転中心から偏芯した偏芯部と、を有する。
この舵角比可変装置において、等速度内歯車機構は、外歯歯車の径方向中央部に形成された複数のピン穴と、入力軸の軸方向一端から突出して複数のピン穴にそれぞれ入るピンとからなる。また、偏芯部と内接式遊星歯車機構を構成する外歯歯車とが、転がり軸受により相対回転自在に支持され、内接式遊星歯車機構を構成する内歯歯車が出力軸に固定されている。
そして、内接式遊星歯車機構と等速度内歯車機構は補助軸の径方向で重なる位置に配置されているが、転がり軸受は、内接式遊星歯車機構および等速度内歯車機構と補助軸の径方向で重ならない位置に配置されている。
また、この舵角比可変装置は、偏芯部の外周に形成された凹凸係合部と、ハウジングから進退するストッパとからなる補助軸のロック機構を有する。これにより、故障時およびイグニッションオフ時には、補助軸の回転をロックすることで、操舵輪に対して必要な舵角を付与できる。
特開2008−174213号公報
しかし、特許文献1に記載された舵角比可変装置の差動減速(増速)機構には、内接式遊星歯車機構の噛合い反力のモーメントにより、補助軸とこれに内挿された入力軸との相対的な倒れが生じ易くなり、等速度内歯車機構によるトルク伝達効率が低下するという問題点がある。
この発明の課題は、内接式遊星歯車機構および等速度内歯車機構からなる減速(増速)機と、電動モータのロータを外嵌する本体部と内接式遊星歯車機構を構成する外歯歯車に転がり軸受を介して回転自在に設置される偏芯部とを有する中空の補助軸と、を備えた舵角比可変装置の、等速度内歯車機構によるトルク伝達効率を向上させることである。
上記課題を解決するために、この発明の一態様の舵角比可変装置は、下記の構成要件(1) 〜(6) を有する。
(1) 運転者の操舵操作で回転する入力軸と、操舵輪に舵角を付与する出力軸であって、前記入力軸と同軸に配置された出力軸と、前記入力軸と前記出力軸との間に介装されて、前記入力軸から前記出力軸への回転伝達比を変化させる内接式遊星歯車機構とを有する。
(2) 中空の補助軸であって、前記入力軸および前記出力軸の一方である第一軸に対して同軸に、且つ、回転自在に外挿された本体部と、前記本体部の軸方向一端に形成され、前記本体部の回転中心から偏芯した偏芯部と、を有する補助軸を有する。
(3) 前記補助軸を回転させる電動モータであって、ロータが前記本体部に同軸に外嵌された電動モータと、複数のピン穴と前記複数のピン穴にそれぞれ入る複数のピンとによる等速度内歯車機構であって、前記内接式遊星歯車機構を構成する外歯歯車と前記第一軸の軸方向一端との間に形成された等速度内歯車機構と、を有する。
(4) 前記内接式遊星歯車機構を構成する内歯歯車が、前記入力軸および前記出力軸の他方である第二軸と一体に回転可能に配置されている。
(5) 前記外歯歯車が、前記偏芯部に転がり軸受を介して回転自在に設置されている。
(6) 前記内接式遊星歯車機構と前記転がり軸受と前記等速度内歯車機構とが、軸の径方向で重なる位置に配置されている。
この発明の一態様の舵角比可変装置は、内接式遊星歯車機構および等速度内歯車機構からなる減速(増速)機と、電動モータのロータを外嵌する本体部と内接式遊星歯車機構を構成する外歯歯車に転がり軸受を介して回転自在に設置される偏芯部とを有する中空の補助軸と、を備えた舵角比可変装置であって、等速度内歯車機構によるトルク伝達効率を従来よりも向上させることが可能となる。
実施形態の舵角比可変装置を示す断面図である。 実施形態の舵角比可変装置を構成する主要な構成部品を別々に示す斜視図である。 図1のA−A断面図である。 実施形態の舵角比可変装置を構成する等速度内歯車機構の好ましい形態の一例(ニードルとケージのみからなるニードル軸受をピンの外周面に取り付けた例)を説明する図である。 実施形態の舵角比可変装置を構成する等速度内歯車機構の好ましい形態の一例(ニードルとケージと外輪とからなるニードル軸受をピンの外周面に取り付けた例)を説明する図である。 実施形態の舵角比可変装置を構成する等速度内歯車機構の好ましい形態の一例(ニードルとケージと内輪とからなるニードル軸受をピン穴の内周面に取り付けた例)を説明する図である。 実施形態の舵角比可変装置の出力軸トルクとトルク伝達効率との関係を示すグラフである。
以下、この発明の実施形態について説明するが、この発明は以下に示す実施形態に限定されない。以下に示す実施形態では、この発明を実施するために技術的に好ましい限定がなされているが、この限定はこの発明の必須要件ではない。
[全体構成について]
図1〜図3に示すように、この実施形態の舵角比可変装置は、入力軸(第二軸)1と、出力軸(第一軸)2と、内接式遊星歯車機構3と、電動モータ4と、補助軸5と、等速度内歯車機構6と、ハウジング7と、センサ8と、レゾルバ9を有する。
入力軸1は、運転者の操舵操作で回転する回転軸であり、ステアリングホイールに連結されている。入力軸1は中空軸であって、ハウジング7に転がり軸受を介して回転自在に支持されている。
出力軸2は、操舵輪に舵角を付与する出力軸であって、入力軸1と同軸に配置されている。出力軸2の軸方向一端面から六本のピン21が突出している。六本のピン21は、出力軸2の周方向に等間隔で配置されている。六本のピン21のピッチ円中心は、入力軸1および出力軸2の回転の中心O1と同じである。
出力軸2の軸方向他端側の部分に、ラック軸25と噛み合うピニオン22が形成されている。ラック軸25の両端には、リンク機構を介して操舵輪が接続されている。つまり、出力軸2の回転がラック&ピニオン機構を介して操舵輪に伝達され、出力軸2の回転速度に応じて操舵輪の舵角が変化する。
内接式遊星歯車機構3は内歯歯車31と外歯歯車32とからなる。内歯歯車31の軸方向一端部に円板部31aが形成され、円板部31aの軸方向一端から円筒部31bが突出している。円筒部31bが、ハウジング7に転がり軸受を介して回転自在に支持されている。内歯歯車31と入力軸1が、円筒部31bおよび入力軸1に内挿されたトーションバー11で結合されている。
外歯歯車32は、外周面に歯が形成された外筒部(歯車部)32aと、外筒部32aの径方向中央部に配置された円柱部32bと、これらを軸方向一端で連結する円板部32cと、が一体に形成されたものである。つまり、外歯歯車32は、外筒部32aと円柱部32bとの間にリング状の空間32dを有し、この空間32dの軸方向一端が円板部32cで塞がれている。
外歯歯車32の円柱部32bに六個のピン穴33が形成されている。六個のピン穴33本のピッチ円中心は、外歯歯車32の自転の中心O2と同じである。
補助軸5は中空軸であって、本体部51と偏芯部52を有する。本体部51は、出力軸2に対して同軸に外挿され、出力軸2に対して回転自在に支持されている。偏芯部52は、本体部51の軸方向一端に形成されている。また、本体部51の偏芯部52との境界部512の外周面に、周方向に沿って複数個の凹部53が形成されている。
図1および図2に示すように、本体部51の回転中心は、入力軸1および出力軸2の回転の中心O1と同じである。図1〜図3に示すように、偏芯部52の回転中心は、外歯歯車32の自転の中心O2と同じである。
偏芯部52の内周面をなす円の中心は、入力軸1および出力軸2の回転の中心O1と同じであり、偏芯部52の外周面をなす円の中心は、外歯歯車32の自転の中心O2と同じである。つまり、偏芯部52の厚さは周方向で一定ではなく変化している。
電動モータ4はブラシレスモータであり、補助軸5の本体部51に、電動モータ4のロータ41が同軸に外嵌され、電動モータ4のステータ42がハウジング7に固定されている。つまり、補助軸5の偏芯部52の中心は、ロータ41の回転中心(入力軸および出力軸の回転の中心O1)から偏芯している。この偏芯量をδで示す。
補助軸5の偏芯部52は、外歯歯車32の空間32d内の外筒部32a側に配置されている。偏芯部52の外周に転がり軸受55の内輪55aが固定され、外筒部32aの内周面に転がり軸受55の外輪55bが固定されている。内輪55aおよび外輪55bの間に転動体55cが転動自在に設置されている。つまり、偏芯部52は、外歯歯車32の外筒部32aに対して、転がり軸受55により回転自在に支持されている。なお、図2では転がり軸受55の表示が省略され、図1および3では、転がり軸受55の転動体55cを回転自在に保持する保持器は省略されている。
等速度内歯車機構6は、出力軸2の軸方向一端面から突出した六本のピン21が、それぞれ、外歯歯車32の円柱部32bに形成された六個の各ピン穴33に入ることで形成されている。
そして、図1に示すように、内接式遊星歯車機構3と転がり軸受55と等速度内歯車機構6とが、補助軸5の径方向で重なる位置に配置されている。
センサ8は、操舵トルクおよび操舵角を検出できるセンサであり、入力軸1に設置されている。センサ8で運転者の操舵操作で入力されたトルクおよび操舵角が検出され、その検出値が制御装置に入力される。運転者がステアリングホイールを操作するとトーションバー11が捩れ、この捩れをセンサ8が検知する。
レゾルバ9は、制御用回転角センサであり、補助軸5の本体部51の軸方向他端部側に設置されている。レゾルバ9で検出された回転角度が制御装置に入力されることで、電動モータ4の回転速度が適切に制御された状態で、回転角を駆動自在としている。
なお、センサ8、電動モータ4、レゾルバ9のケーブル、モータの駆動回路、および制御装置は図示されていない。
また、この実施形態の舵角比可変装置は、補助軸5のロック機構を有する。このロック機構は、ハウジング7に固定された本体71と、本体71から進退するストッパ72と、補助軸5に設けた複数個の凹部53と、からなる。このロック機構により、電動モータ4の故障時およびイグニッションオフ時に、本体71から進出させたストッパ72が凹部53に係合することで、補助軸5の回転を停止できる。
[差動減速(増速)機構の動作について]
この実施形態の舵角比可変装置において、内接式遊星歯車機構3により舵角比可変を行わない場合は、制御装置からのオフ信号により、またはロック信号によりロック機構を作動させることで、補助軸5を回転させない。そのため、入力軸1の回転に伴って、内歯歯車31と噛み合う外歯歯車32が、公転しながら自転する(公転の中心はO1、自転の中心はO2)。この自転の回転数が、等速度内歯車機構6でピン21とピン穴33とによる荷重伝達が行われることで、出力軸2に取り出される。内歯歯車31の歯数をZ1、外歯歯車32の歯数をZ2とすると、この場合には、入力軸1が一回転する毎に出力軸2はZ1/Z2回転する。
内接式遊星歯車機構3による舵角比可変を行う場合には、制御装置からの制御信号に応じた速度で電動モータ4を回転させて補助軸5を回転させる。増速方向に舵角比を変える際には、補助軸5を入力軸1とは逆向きに回転させる。減速方向に舵角比を変える際には、補助軸5を入力軸1と同じ向きに回転させる。補助軸5を回転させることで得られる可変比はZ1/(Z2−Z1)である。
[作用、効果について]
この実施形態の舵角比可変装置において、外歯歯車32が受ける歯車の噛み合い反力とピン穴33からピン21への伝達荷重の向きは、図1で軸方向に垂直な下向きである。また、噛み合い位相である偏芯位相の向きは図1で軸方向に垂直な上向きである。そして、歯車の噛み合い位置とピン−ピン穴の位置とが軸の径方向で重なっている。つまり、内接式遊星歯車機構3と等速度内歯車機構6とが、補助軸5の径方向で重なる位置に配置されている。よって、ピン21とピン穴33との間に過剰な押付力が発生しないため、トルク伝達効率の低下が抑制される。
これに加えて、この実施形態の舵角比可変装置では、内接式遊星歯車機構3および等速度内歯車機構6と軸の径方向で重なる位置で、転がり軸受55により偏芯部52および外歯歯車3が相対回転自在に支持されている。
そのため、外歯歯車32が受ける歯車の噛み合い反力に起因するモーメントが発生しない。よって、補助軸5と出力軸2との相対的な倒れが防止されるため、ピン21とピン穴33の接触不良が防止される。その結果、この実施形態の舵角比可変装置は、特許文献1の舵角比可変装置よりも等速度内歯車機構によるトルク伝達効率が高いものとなる。
また、内接式遊星歯車機構3と等速度内歯車機構6が軸方向にコンパクトに配置されることで、舵角比可変装置の軸方向寸法を小さくでき、舵角比可変装置の小型化が図れる。
[ピンとピン穴との接触関係]
上述のように、この実施形態の舵角比可変装置では、等速度内歯車機構6でピン21とピン穴33とによる荷重(トルク)伝達が行われることにより、外歯歯車32の自転の回転数が出力軸2に取り出される。このトルク伝達効率を向上するためには、ピン21の外周面またはピン穴33の内周面に転がり軸受を取り付けることが好ましい。
その場合、ニードル(針状ころ)軸受を用いると、転がり軸受を設けることに伴う寸法の増大を小さくできるという点で有利である。特に、図4に示す例では、ニードル81とケージ(保持器)82のみからなるニードル軸受80を、ピン21の外周面に取り付けているため、転がり軸受を設けることに伴う寸法の増大を最小限に抑えることができる。但し、この場合、ピン21の公転運動中に、ニードル81がピン穴33に接触する接触点とピン21の中心との距離(ピンの接触半径)が変動するため、ピン21およびピン穴33の回転を滑らかにするという点では好ましくない。
これに対して、図5の例では、ニードル81とケージ82と外輪83とからなるニードル軸受80Aをピン21の外周面に取り付けている。この例は、転がり軸受を設けることに伴う寸法の増大を小さくするという点では図4の例より不利であるが、外輪83がピン穴33に接触することでピンの接触半径が変動しにくくなるため、ピン21の回転を滑らかにするという点で有利である。
図6の例は、ニードル81とケージ82と内輪84とからなるニードル軸受80Bをピン穴33の内周面に取り付けた例である。この例は、ニードル81とケージ82のみからなるニードル軸受をピン穴33の内周面に取り付けた場合と比較して、寸法の増大を小さくするという点では不利であるが、ピン21およびピン穴33の回転を滑らかにするという点では有利である。
また、ニードル、ケージ、内輪、および外輪からなるニードル軸受を、ピン21の外周面またはピン穴33の内周面に取り付けると、ピン21およびピン穴33の回転を滑らかにするという点で図5および図6の例よりも有利になる。しかし、転がり軸受を設けることに伴う寸法の増大を小さくするという点では不利である。
つまり、ピン21およびピン穴33の回転を滑らかにするためには、内輪および外輪を有する転がり軸受がピン21の外周面またはピン穴33の内周面に取り付けられた構成、外輪を有し内輪を有さない転がり軸受がピン21の外周面に取り付けられた構成、および内輪を有し外輪を有さない転がり軸受がピン穴33の内周面に取り付けられた構成のいずれかとすることが好ましい。
ピン21およびピン穴33の回転を滑らかにしながら、転がり軸受を設けることに伴う寸法の増大を小さくするためには、外輪を有し内輪を有さないニードル軸受がピン21の外周面に取り付けられた構成、または、内輪を有し外輪を有さないニードル軸受がピン穴33の内周面に取り付けられた構成とすることが好ましい。
なお、ピン21の外周面およびピン穴33の内周面のうち転がり軸受の転動体と接触する面は、焼入れ処理されている必要がある。
[トルク伝達効率の試験結果]
内歯歯車31および外歯歯車32をインボリュート平歯歯車とし、ピン21とピン穴33を摺動関係(図3の状態)として、この実施形態の舵角比可変装置のトルク伝達効率を測定した。その結果の一例を図7に示す。図7のグラフにおいて、プロットは測定値であり、破線は机上での計算値の範囲を示している。
図7のプロットから、この実施形態の舵角比可変装置によれば、66〜70%程度(平均値68.9%)のトルク伝達効率が得られることが分かる。また、机上計算では、μ=0.05〜0.1の設定で、63〜79%のトルク伝達効率が得られた。
なお、ピン21の外周面またはピン穴33の内周面に転がり軸受を取り付けた場合、90%以上のトルク伝達効率を得ることが期待できる。
[その他の効果]
この実施形態の舵角比可変装置は、さらに以下の効果を有する。
操舵系に対して電動モータと差動減速(増速)機構が同軸配置されているため、左右対称形状となり、車両搭載レイアウト性が良好になる。
差動減速(増速)機構が、比較的簡単な構造(内歯歯車、外歯歯車、ピンおよびピン穴)であるため、組立性も良好となり、製造コストの低減が図れる。
トルク伝達機構の効率が高いので、電動モータの小型化や省電力化が可能となる。
舵角比可変を行わない場合でも、操舵輪に対して必要な舵角を付与できるとともに、ロック時のステアリングギア比は限りなく1に近いため、操舵フィーリングに殆ど影響を与えない。
[備考]
この実施形態の舵角比可変装置では、出力軸2を、補助軸5の本体部51に外挿される第一軸とし、入力軸1を、内歯歯車31が固定される第二軸としているが、入力軸を第一軸とし出力軸を第二軸としてもよい。
この実施形態の舵角比可変装置では、ピン21を第一軸である出力軸2に設け、ピン穴33を外歯歯車32に設けているが、ピン21を外歯歯車32に設け、ピン穴33を第一軸に設けてもよい。
この実施形態の舵角比可変装置は、ステアリング装置のピニオン軸で舵角比を変更するものであるが、ステアリングコラム部で舵角比を変更するものであってもよい。
内歯歯車と外歯歯車の歯数は、伝達トルクや装置全体のサイズを考慮したうえで、なるべく歯数を多くすることが好ましい。これにより、噛合いによるトルク変動を低減することができる。
内歯歯車と外歯歯車の歯数差を大きくすると、設定偏芯量を大きくする必要が生じる。そのため、この実施形態の舵角比可変装置のように、歯車噛合い直下にピンおよびピン穴を設ける場合は、歯数差を小さくすることが好ましい。また、歯数差を小さくすることにより、結果的に舵角可変比をより大きくすることができる。
この実施形態の舵角比可変装置では、インボリュート歯車を用いているが、トロコイド歯車や、円弧歯車を用いてもよい。また、平歯車を使用しているが、はすば歯車を使用してもよい。
各歯車は鉄鋼製でもよいし、樹脂製でもよい。いずれかの歯車を樹脂製歯車とすることで、歯車の歯打ち音を低減することができる。
ピン穴の内周面およびピンの外周面のいずれかは、必要に応じて熱処理されていることが好ましい。これにより、ピンとピン穴との接触が転がり接触およびすべり接触のいずれであっても、耐久性が良好になる。
この実施形態の舵角比可変装置では、六対のピンとピン穴で等速度内歯車機構を構成しているが、ピンとピン穴の対数は、機構上は三対以上あればよく、伝達トルクやバックラッシに応じて設定すればよい。
1 入力軸(第二軸)
2 出力軸(第一軸)
21 ピン
22 ピニオン
25 ラック軸
3 内接式遊星歯車機構
31 内歯歯車
32 外歯歯車
32a 外歯歯車の外筒部(歯車部)
32b 円柱部
32c 円板部
32d 空間
33 ピン穴
4 電動モータ
41 ロータ
42 ステータ
5 補助軸
51 本体部
52 偏芯部
53 ロック機構を構成する凹部
55 転がり軸受
55a 内輪
55b 外輪
55c 転動体
6 等速度内歯車機構
71 ロック機構を構成する本体
72 ロック機構を構成するストッパ
7 ハウジング
8 センサ
9 レゾルバ
80 ニードル軸受(転がり軸受)
80A ニードル軸受(転がり軸受)
80B ニードル軸受(転がり軸受)
81 ニードル(転動体)
82 ケージ(保持器)
83 外輪
84 内輪
O1 入力軸および出力軸の回転の中心
O2 外歯歯車の自転の中心

Claims (2)

  1. 運転者の操舵操作で回転する入力軸と、
    操舵輪に舵角を付与する出力軸であって、前記入力軸と同軸に配置された出力軸と、
    前記入力軸と前記出力軸との間に介装されて、前記入力軸から前記出力軸への回転伝達比を変化させる内接式遊星歯車機構と、
    中空の補助軸であって、前記入力軸および前記出力軸の一方である第一軸に対して同軸に、且つ、回転自在に外挿された本体部と、前記本体部の軸方向一端に形成され、前記本体部の回転中心から偏芯した偏芯部と、を有する補助軸と、
    前記補助軸を回転させる電動モータであって、ロータが前記本体部に同軸に外嵌された電動モータと、
    複数のピン穴と前記複数のピン穴にそれぞれ入る複数のピンとによる等速度内歯車機構であって、前記内接式遊星歯車機構を構成する外歯歯車と前記第一軸の軸方向一端との間に形成された等速度内歯車機構と、
    を有し、
    前記内接式遊星歯車機構を構成する内歯歯車が、前記入力軸および前記出力軸の他方である第二軸と一体に回転可能に配置され、
    前記外歯歯車が、前記偏芯部に転がり軸受を介して回転自在に設置され、
    前記内接式遊星歯車機構と前記転がり軸受と前記等速度内歯車機構とが、軸の径方向で重なる位置に配置されている舵角比可変装置。
  2. 前記ピンの外周面または前記ピン穴の内周面に転がり軸受が取り付けられている請求項1記載の舵角比可変装置。
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JP2020122500A (ja) * 2019-01-29 2020-08-13 住友重機械工業株式会社 偏心揺動型減速装置、外歯歯車の製造方法

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