JP2009137496A - 舵角比可変ステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】入力軸に対する出力軸の回転数を増減させる増減速機構部に対し、軸方向にモータを設けると装置が軸方向に長くなる。
【解決手段】ステアリングホィールに連結された入力軸2と操舵機構のピニオン軸に連結された出力軸3とを同軸に配置し、両者の対向部に増減速機構部4を設け、該増減速機構部4を制御するモータ5を増減速機構部4を囲繞するようにして設け、該モータ5を増減速機構部4に連結する。入力軸2,出力軸3が軸受18を介して支持され、夫々の軸受18の端面に入力歯車6,出力歯車7の端面が当接し、入力歯車6に出力歯車7へ向かって突出する外筒2aが一体形成され、該外筒2aの内部に挿通される内筒3aが出力歯車7に一体形成され、該内筒3aの内部には入力歯車6と出力歯車7とを相互に離反する方向へ付勢するばね21が設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、舵角比可変ステアリング装置に関し、舵角比可変ステアリング装置の軸方向の長さを小形化し、かつ入力軸,出力軸のガタ抑え機構を設けたものである。
車両には、ステアリングホィールの回転角に対する車輪の操舵角度の比率を、車両の走行速度に応じて増減させるため、舵角比可変ステアリング装置が設けられる。
従来の舵角比可変ステアリング装置としては、例えば特許文献1に記載のものが知られている。これは、ステアリングホィールの設けられたステアリングシャフトと操舵機構のピニオン軸とを連結する中間軸に、舵角比可変ステアリング装置を設けたものである。
この舵角比可変ステアリング装置は、操舵機構のピニオン軸(出力軸)に内歯を有する保持リングを設ける一方、ステアリングシャフト(入力軸)には前記内歯よりも歯数の少ない外歯を外周面に形成した弾性変形可能な薄い筒状のフレクスプラインを連結し、前記フレクスプラインの内部に楕円形状のカムを設け、該カムを駆動モータにより回転させることで、円周方向の180度の間隔を有する2箇所で前記フレクスプラインを前記内歯に噛み合わせ、フレクスプラインと内歯との噛み合い位置を円周方向に移動させるものである。駆動モータにより楕円形状のカムを回転させると、フレクスプラインの外周面の歯が夫々の内歯に押圧されて生じる噛み合い部が移動し、カムが1回転することでステアリングシャフト側の外歯とピニオン軸側の内歯との歯数の差分だけステアリングシャフトに対してピニオン軸が相対的に回転する。カムの1回転によりピニオン軸に対してステアリングシャフトが歯数差分だけカムの回転方向と反対方向へ回転することから、カムの回転方向と回転数を変えることにより、ステアリングシャフトに対するピニオン軸の相対的な回転数の差を増減させることができる。つまり、モータの回転方向と回転数とを変えることにより、ステアリングシャフトの回転数に対してピニオン軸の回転数を増減させることができる。
特開2000−211541号公報
ところが、特許文献1に記載の舵角比可変ステアリング装置は、ステアリングシャフトを構成する係止軸に連結した筒状のハウジングの内部に、軸方向に沿ってアシスト用の駆動モータと増減速機構部とを配置するため、舵角比可変ステアリング装置がステアリングシャフトの軸方向に沿って長くなり、車両への搭載性が悪くなってしまう。
そこで本発明は、上記の課題を解決した舵角比可変ステアリング装置を提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、操舵部材に連結された入力軸と操舵機構のピニオン軸に連結された出力軸とが同軸に配置され、前記入力軸の端部と前記出力軸の端部とが対向する対向部に、前記入力軸の回転数に対する前記出力軸の回転数を増減させる増減速機構部が設けられ、該増減速機構部は、前記入力軸の前記対向部に入力歯車が設けられる一方、前記出力軸の前記対向部には出力歯車が設けられ、前記入力歯車と前記出力歯車との対向する側の内周面に第1内歯と第2内歯が形成され、前記第1内歯に噛み合う第1外歯が形成されると共に該第1外歯の数が前記第1内歯の数よりも1歯または2歯少ない第1遊星歯車と、該第1遊星歯車と一体形成され、前記第2内歯に噛み合う第2外歯が形成されると共に該第2外歯の数が前記第2内歯の数よりも1歯または2歯少ない第2遊星歯車とが設けられ、前記第1内歯と前記第1外歯との間の第1減速比と、前記第2内歯と前記第2外歯との間の第2減速比との大きさが異なる値に設定され、前記第1遊星歯車と前記第2遊星歯車との間に形成された円柱部と、前記第1遊星歯車と前記第2遊星歯車との間に配置され前記入力歯車および前記出力歯車の中心に対して偏心した位置に中心を有する偏心孔が形成されたリング状であって該偏心孔に前記円柱部が嵌め込まれ回転駆動されることにより前記第1内歯および前記第2内歯の中心を中心とする円弧を描いて前記第1遊星歯車および前記第2遊星歯車を旋回させ前記第1外歯が前記第1内歯に噛合する第1噛合部と前記第2外歯が前記第2内歯に噛合する第2噛合部とを円周方向へ移動させる回転カムとが設けられ、
前記増減速機構部を制御するモータが前記増減速機構部の半径方向外側に配置され、該モータにより駆動される筒状の駆動軸が前記増減速機構部を囲繞して設けられ、該駆動軸に前記回転カムが一体回転可能に設けられ、前記入力軸および前記出力軸が夫々軸受を介して回転自在に支持され、夫々の軸受の端面に前記入力歯車または前記出力歯車の端面が当接可能に配置され、前記入力歯車と前記出力歯車との対向する面の軸心位置のいずれか一方に他方へ向かって突出する外筒が一体形成され、該外筒の内部に挿通される内筒が他方に一体形成され、前記外筒と前記内筒との間に軸受が設けられ、前記内筒の内部には前記入力歯車と前記出力歯車とを相互に離反する方向へ付勢する付勢手段が設けられていることを特徴とする。
この発明によれば、モータにより回転カムを回転させると、該回転カムの回転により、回転カムの偏心孔に嵌め込まれた円柱部を有する第1遊星歯車および第2遊星歯車の中心が円を描いて旋回する。このため、第1遊星歯車の第1外歯が入力歯車の第1内歯に噛み合う第1噛合部と、第2遊星歯車の第2外歯が出力歯車の第2内歯に噛み合う第2噛合部とが円周方向の同じ位置となり、同じ位置のままで、第1噛合部,第2噛合部が円周方向へ移動する。このとき、第1遊星歯車,第2遊星歯車の歯数が入力歯車,出力歯車の歯数に対して少ない分だけ、第1遊星歯車,第2遊星歯車が回転カムの回転方向と反対の方向へ回転する。ここで、第1内歯と第1外歯との間の減速比と、第2内歯と第2外歯との間の減速比とが異なる値に設定されているので、第1遊星歯車と第2遊星歯車との回転量が異なることになるが、第1遊星歯車と第2遊星歯車とは一体に設けられているため、この回転量の差の分だけ第1内歯に対して第2内歯が回転することになる。即ち、モータにより回転カムを正逆回転させて回転カムの回転量を増減させることにより、入力歯車に対する出力歯車の回転量を増減させることができる。
入力軸と出力軸との対向する面の一方に他方へ向かって突出する外筒が一体形成され、該外筒には、他方に一体形成された内筒が軸受を介して回転自在に支持されているので、入力軸と出力軸とが相互に同軸に保持され半径方向への移動が規制される。また、付勢手段により入力歯車と出力歯車とが相互に離反する方向へ付勢されているので、入力歯車と出力歯車との端面が軸受の端面に当接した状態が保持され、入力歯車,出力歯車と軸受との間にガタが生じない。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の舵角比可変ステアリング装置において、前記内筒の内部に配置され、一端が前記付勢手段に付勢され他端が前記一方の端面の軸心位置に点接触する摺動部材を設けたことを特徴とする。
この発明によれば、内筒の内部に配置された摺動部材が一方の端面の軸心位置と点接触するので、相互に摺動する部分の面積が小さい。従って、回転抵抗が小さいだけでなく、相対回転する部分の摩耗も少ない。
請求項1に係る舵角比可変ステアリング装置によれば、操舵部材に連結された入力軸と操舵機構のピニオン軸に連結された出力軸とを同軸に配置し、前記入力軸の端部と前記出力軸の端部とが対向する対向部に前記入力軸の回転数に対する前記出力軸の回転数を増減させる増減速機構部を設け、該増減速機構部を制御するモータおよび該モータによって駆動される筒状の駆動軸を増減速機構部の半径方向外側に配置し、該駆動軸を増減速機構部の回転カムに連結して一体回転可能にしたので、軸方向に沿ってモータと増減速機構部とを配置した従来の構成と比べ、舵角比可変ステアリング装置が軸方向に沿って短くなり、車両への搭載性が良好になる。
入力軸と出力軸との対向する面の一方に他方へ向かって突出する外筒が一体形成され、該外筒には、他方に一体形成された内筒が軸受を介して回転自在に支持されているので、入力軸と出力軸とが相互に同軸に保持され半径方向への移動が規制される。また、付勢手段により入力歯車と出力歯車とが相互に離反する方向へ付勢されているので、入力歯車と出力歯車との端面が軸受の端面に当接した状態が保持され、入力歯車,出力歯車と軸受との間にガタが生じない。
請求項2に係る舵角比可変ステアリング装置によれば、内筒の内部に配置され摺動部材が一方の端面の軸心位置と点接触するので、相互に摺動する部分の面積が小さい。従って、回転抵抗が小さいだけでなく、相対回転する部分の摩耗も少ない。
以下、本発明による舵角比可変ステアリング装置の実施の形態を説明する。
舵角比可変ステアリング装置の断面図を図1に示し、一部破断した斜視図を図2に示し、分解斜視図を図3に示す。図1に示す舵角比可変ステアリング装置1の構成を以下に説明する。操舵部材としての図示しないステアリングホィールに連結された入力軸2と、ラックとピニオンとからなる操舵機構におけるピニオン軸に連結された出力軸3とが同軸に配置されている。前記入力軸2の端部と前記出力軸3の端部とが対向する対向部には、該対向部を囲繞するようにして入力軸2の回転数に対する出力軸3の回転数を増減させる増減速機構部4が設けられている。そして、該増減速機構部4を制御するモータ5および該モータ5によって駆動される駆動軸16が該増減速機構部4の半径方向外側に、該増減速機構部4を囲繞するようにして設けられている。
前記増減速機構部4の構成を説明する。前記入力軸2の前記対向部に入力歯車6が一体形成される一方、前記出力軸3の前記対向部に出力歯車7が一体形成されており、入力歯車6と出力歯車7との対向する面には凹部が形成され、該凹部の内周面には第1内歯6a,第2内歯7aが形成されている。そして、入力歯車6,出力歯車7を覆うようにしてハウジング8が設けられている。ハウジング8は略有底円筒形のハウジング本体8aと略円盤形の蓋体8bとにより構成されており、ハウジング8は車体に結合されている。前記入力軸2,前記出力軸3は一対の軸受18を介してハウジング8に回転自在に支持され、夫々の軸受18の内輪の端面に前記入力歯車6,前記出力歯車7の端面が当接している。
軸方向における入力歯車6と出力歯車7との間には、前記第1内歯6aに噛み合う第1外歯9aが形成された第1遊星歯車9と、前記第2内歯7aに噛み合う第2外歯10aが形成された第2遊星歯車10とが設けられ、該第1遊星歯車9と該第2遊星歯車10とが該第1遊星歯車9,第2遊星歯車10と同心に形成された円柱部11aを介して一体化されて軸方向に長い遊星歯車11が構成されている。この遊星歯車11は、入力歯車6と出力歯車7との間に、小径の樹脂カラー29を介して挟み込まれている。前記第1内歯6aの歯数は32であり、第1外歯9aの数歯はこれよりも2つ少ない30となっている。一方、前記第2内歯7aの歯数は25であり、第2外歯10aの数歯はこれよりも2つ少ない23である。
前記のように遊星歯車11は軸方向における入力歯車6と出力歯車7との間に配置されており、該遊星歯車11の円柱部11aがリング状の第1カム12と第2カム13とからなる回転カム14の内部に嵌め込まれた状態で設けられている。即ち、以下のように構成されている。回転カム14は、図7(b)に示すように該回転カム14を回転させることにより、第1内歯6a,第2内歯7aの中心「O」を中心として遊星歯車11の中心「P」を旋回移動させ、遊星歯車11の第1外歯9aを第1内歯6aに噛合させた第1噛合部Aと、図6(b)に示すように第2外歯10aを第2内歯7aに噛合させた第2噛合部Bとを円周方向に沿って移動させるものであり、図3に示すように第1カム12,第2カム13はいずれも円弧形状の外周面を有する円板に、該外周面の中心に対して同じ量だけ偏心させた位置を中心とする偏心孔12c,13cを形成したものである。第1カム12,第2カム13の相互に対向する面には、夫々円周方向に沿って長孔12a,13aが形成され、該長孔12a,13aで形成される収容空間には付勢手段としての単一のばね15が収容されている。これらの第1カム12,第2カム13は、入力歯車6と出力歯車7との間であって外周部側に、大径の樹脂カラー28を介して挟み込まれている。
遊星歯車11の中心「P」が円弧を描くように該遊星歯車11を旋回駆動するため、第1カム12と第2カム13とを回転させる目的で、ハウジング8の内部であって外周部側には、前記モータ5が収容されている。モータ5は、リング状の固定子5bとコイル5aとリング状の回転子5cとにより構成されている。そして、回転子5cの内側には駆動軸としての筒状のロックホルダ16が圧入嵌合されている。該ロックホルダ16は、その内側の両端部に設けた一対の軸受17を介してハウジング8に回転自在に支持されている。ロックホルダ16の内周面であって軸方向の中間位置には、半径方向内側へ向かって突出する凸部としてのキー部16aが形成される一方、前記回転カム14を構成する第1カム12と第2カム13との外周面には凹部としてのキー溝12b,13bが形成され、図5に示すように該キー溝12b,13bに前記キー部16aが遊嵌されている。図6,図7に示すように、キー溝12b,13bの円周方向の長さは、キー部16aの幅寸法よりも大きくに形成されている。これは、ばね15の作用により第1カム12,第2カム13が互いに逆回転する方向へ付勢されて相互のなす角度である位相角がずれて回転カム14の偏心量が増えるため、該回転カム14が第1内歯6a,第2内歯7aへ押し付けられて第1噛合部A,第2噛合部Bのバックラッシュが無くなる一方、モータ15を回転させてロックホルダ16を回転させた際にキー部16aが第1カム12,第2カム13のキー溝12b,13bの一方側の端面を押圧することにより第1カム12,第2カム13のキー溝12b,13bの位置が一致する方向へ移動して重なり、これにより回転カム14の偏心量が減少して第1噛合部A,第2噛合部Bにバックラッシュが生じ、第1噛合部A,第2噛合部Bの移動が円滑に行われるようにしたものである。このような作用が円滑に行われるように、第1カム12,第2カム13の外周面とロックホルダ16の内周面との間には、第1カム12,第2カム13の位相角のずれを可能にする隙間が形成されている。
第1噛合部Aを構成する第1内歯6aの歯数が32で第1外歯9aの歯数が30であるのに対し、第2噛合部Bを構成する第2内歯7aの歯数が25で第2外歯10aの歯数が23であって、第1噛合部Aを構成する歯車よりも第2噛合部Bを構成する歯車の歯数が少ないので、第1内歯6aと第1外歯9aとの間の第1減速比G1は32/(32−30)=16であるのに対し、第2内歯7aと第2外歯10aとの間の第2減速比G2は25/(25−23)=12.5であり、異なる値に設定されている。
入力軸2の回転数に対する出力軸3の回転数を増減させるためのロックホルダ16を回転しないようにロックするロック手段が設けられている。図4に示すように、ハウジング8の内部にはロック手段としてのソレノイド19が、入力軸2,出力軸3と直角に配置されて収容されている。ソレノイド19は、ロッド19aと該ロッド19aを引き出す方向へ付勢するばね19bと、該ばね19bの付勢力に抗してロッド19aを引き込むコイル19cとを備えている。ハウジング8の内部にはロックレバー20が蓋体8bと一体の軸部8cを介して回動自在に支持されており、ロックレバー20の一端がピン19dを介してロッド19aの先端に回動自在に連結されている。該ロックレバー20の他端はロックホルダ16の半径方向に沿って曲げられており、ロックレバー20によりロックホルダ16の回転を拘束するため、ロックホルダ16の端部にはロック溝16bが円周方向に沿って等間隔に複数形成されている。
図1に示すように、前記入力歯車6の前記出力歯車7と対向する端面の中心部には、前記出力歯車7へ向かって突出する外筒2aが一体形成され、該外筒2aの内部に挿通される内筒3aが前記出力歯車7の端面に一体形成されている。そして、該内筒3aの内部には、前記入力歯車6と前記出力歯車7とを相互に離反する方向へ付勢する付勢手段としてのばね21と、該ばね21により一端が付勢され他端が前記入力軸2の端面の軸心位置に点接触する摺動部材22とが設けられている。該摺動部材22の先端部は入力歯車6の端面と点接触させるため球面状に形成され、基端部には小径部22aが形成されている。そして、該小径部22aがばね21の内部に嵌め込まれている。また、外筒2aと内筒3aとの間には筒状のニードル軸受23が設けられている。
次に、舵角比可変ステアリング装置1の作用を説明する。
図示しないステアリングホィールを回転させると、入力軸2が回転する。このとき、モータ5を駆動しなければ、回転カム14は回転しないので遊星歯車11の中心「P」は移動しない。そのため、入力歯車6の回転によって遊星歯車11は公転(旋回)することなく自転し、同様にして遊星歯車11の自転によって出力歯車7が回転することになる。つまり、入力軸2の回転がそのままへ出力軸3伝わることになる。一方、この時にモータ5に通電して回転子5cおよびロックホルダ16を回転させると、該ロックホルダ16のキー部16aがキー溝12b,13bに遊嵌されていることから、第1カム12と第2カム13とが回転する。第1カム12と第2カム13とからなる回転カム14の内周面を形成する偏心孔12c,13cの中心「P」は回転カム14の外周面を形成する円弧の中心「O」に対して偏心しているため、回転カム14が回転すると、遊星歯車11を構成する第1遊星歯車9,第2遊星歯車10が入力歯車6の第1内歯6aと出力歯車7の第2内歯7aとに噛み合うことによって生じる噛合部A,Bが円周方向へ移動する。
図6(a),(b)および図7(a),(b)は入力歯車6の第1内歯6aおよび出力歯車7の第2内歯7aの内径中心「O」に対して遊星歯車11の中心「P」が上方へ偏心したことにより、第1遊星歯車9,第2遊星歯車10が第1内歯6a,第2内歯7aの上部へ移動し、噛合部A,Bで噛み合うことを示している。図7(b)に示す第1噛合部Aと、図6(b)に示す第2噛合部Bとが円周方向の同じ位置を占めており、この位置から遊星歯車11が時計方向へ旋回することにより第1噛合部A,第2噛合部Bが時計方向へ1回りしたとする。このとき、第1遊星歯車9,第2遊星歯車10の歯数が入力歯車6,出力歯車7の歯数に対して少ない分だけ、第1遊星歯車9,第2遊星歯車10が遊星歯車11の旋回方向と反対の反時計方向へ僅かに回転する。このことは、見方を変えると、逆に第1遊星歯車9の回転数に対して入力歯車6は歯数が多い分だけ遊星歯車11の旋回方向と同じ時計方向へ僅かに回転すると同時に、第2遊星歯車10に対して出力歯車7は歯数が多い分だけ遊星歯車11の旋回方向と同じ時計方向へ僅かに回転することになる。即ち、第1内歯6aと第1外歯9aとの間の減速比G1を「16」にし、第2内歯7aと第2外歯10aとの間の減速比G2を「12.5」に設定しているため、遊星歯車11を時計方向へ1回転旋回させると、入力歯車6は時計方向へα=(1/16)回転し、出力歯車7も時計方向へβ=(1/12.5)回転する。ここで、入力歯車6と出力歯車7との回転量が異なるため、この回転量の差が入力歯車6に対する出力歯車7の相対的な回転量となる。
具体的に説明すると、図7(b)において、遊星歯車11が時計方向へ1回転旋回すると、入力歯車6の(Q)点と円周方向の同じ位置を占めていた第1遊星歯車9の(R)点は、入力歯車6に対して第1遊星歯車9の歯数が足りない歯2つ分(32−30=2)だけ反時計方向へ「α」だけへ回転した(R´)点の位置へ移動する。このとき、図6(b)に示すように図7(b)の(Q)点と円周方向で対応する出力歯車7の(S)点と同じ位置を占める(T)点が第2遊星歯車10上に存在し、遊星歯車11が時計方向へ1回転旋回した際には、この(T)点は、出力歯車7に対して第2遊星歯車10の歯数が足りない歯2つ分(25−23=2)だけ反時計方向へ「β」だけ回転した(T´)点の位置を占めることになる。ここで、第1遊星歯車9と第2遊星歯車10とは一体化されて遊星歯車11を構成しているので、(R´)点と(T´)点とは遊星歯車11上の同一点である。従って、前記のように遊星歯車11に対して入力歯車6が時計方向へ「α」だけ回転し、遊星歯車11に対して出力歯車7が時計方向へ「β」だけ回転したのと同等であり、入力歯車6が時計方向へ「α」だけ回転し、出力歯車7が時計方向へ「β」だけ回転したとして置き換えることができる。
「β−α」=(1/12.5)−(1/16)≒(1/57)
であるから、遊星歯車11が入力歯車6,出力歯車7に対して時計方向へ1回転旋回すると、出力歯車7は入力歯車6に対して相対的に時計方向へ(1/57)回転だけ回転することになる。
つまり、入力歯車6の回転数に対して出力歯車7の回転数が増加する。また、モータ5の回転数を増減させることにより増加量は変化する。モータ5の回転方向を逆にすれば入力歯車6の回転数に対して出力歯車7の回転数は減少し、モータ5の回転数を増減させることにより減少量は変化する。
一方、タイヤに外力が加わることにより逆に出力軸3側から出力歯車7が回転駆動されたとすると、図6(b)において出力歯車7が内側の遊星歯車11を回転駆動しようとするが、モータ5の慣性,減速比,回転カム14のカム角の関係から遊星歯車11を介して回転カム11が逆駆動されることはない。また、歯の剛性が大きいため、歯跳びすることもない。つまり、一対の第1カム12と第2カム13とに回転力が伝わることはなく、モータ5が外部から駆動されることはない。
エンジン停止や電気系統の故障によりモータ5が回転しない場合は、ソレノイド19への通電が停止される。このため、ばね19bの付勢力によりロッド19aが突出し、ロックレバー20の先端部がロックホルダ16のロック溝16bへ入り込む。これにより、モータ5の回転子5cがロックされ、入力歯車6の回転が遊星歯車11を介してそのまま出力歯車7へ伝達される。従って、入力歯車6と出力歯車7とが回転数の比で略1:1(本実施の形態では1:0.98となる)の割合で同一方向へ回転する。
この実施の形態は増減速機構部の半径方向外側に、増減速機構部を囲繞するモータを設けたものであるが、増減速機構部の半径方向外側に、入力軸,出力軸とは直角にモータを配置し、該モータの出力軸に取り付けたウォームホイルをロックホルダと一体に形成したウォームに噛み合わせる構成を採用することもできる。
この発明によれば、入力軸2に出力軸3へ向かって突出する外筒2aが一体形成され、該外筒2aには、出力軸3に一体形成された内筒3aが軸受を介して回転自在に支持されているので、入力軸2と出力軸3とが相互に同軸に保持され半径方向への移動が規制される。また、ばね21により入力歯車6と出力歯車7とが相互に離反する方向へ付勢されているので、入力歯車6と出力歯車7との端面が軸受18の端面に当接した状態が保持され、入力歯車6,出力歯車7と軸受18との間にガタが生じない。
この発明によれば、内筒3aの内部に配置された摺動部材22の先端部が球面状に形成されて入力軸2の端面の軸心位置と点接触するので、相互に摺動する部分の面積が小さい。従って、回転抵抗が小さいだけでなく、相対回転する部分の摩耗も少ない。
なお、この実施の形態では入力歯車とばねとの間に摺動部材を設けたが、摺動部材を省略してもよい。また、入力歯車に外筒を設け出力歯車に内筒を設けたが、出力歯車に外筒を設け入力歯車に内筒を設けるようにしてもよい。更に、実施の形態では回転カムを第1カムと第2カムとばねとから構成したが、第1カムまたは第2カムと同じ形状の1枚の回転カムを用いるようにしてもよい。また更に、実施の形態1,2では、第1内歯と第1外歯との間の第1減速比G1を、第2内歯と第2外歯との間の第2減速比G2よりも大きくしたが、逆に小さくすることもできる。
舵角比可変ステアリング装置の断面図(実施の形態)。 舵角比可変ステアリング装置を一部破断して示す斜視図(実施の形態)。 舵角比可変ステアリング装置の分解斜視図(実施の形態)。 図1のE矢視図(実施の形態)。 舵角比可変ステアリング装置の要部を一部破断して示す斜視図(実施の形態)。 (a)は図1のB−B矢視図、(b)は図1のA−A矢視図(実施の形態)。 (a)は図1のC−C矢視図、(b)は図1のD−D矢視図(実施の形態)。
符号の説明
1…舵角比可変ステアリング装置
2…入力軸
2a…外筒
3…出力軸
3a…内筒
4…増減速機構部
5…モータ
6…入力歯車
6a…第1内歯
7…出力歯車
7a…第2内歯
9…第1遊星歯車
9a…第1外歯
10…第2遊星歯車
10a…第2外歯
12…第1カム
12c,13c…円形孔
13…第2カム
14…回転カム
15…ばね
18…軸受
21…ばね(付勢手段)
22…摺動部材
A…第1噛合部
B…第2噛合部

Claims (2)

  1. 操舵部材に連結された入力軸と操舵機構のピニオン軸に連結された出力軸とが同軸に配置され、前記入力軸の端部と前記出力軸の端部とが対向する対向部に、前記入力軸の回転数に対する前記出力軸の回転数を増減させる増減速機構部が設けられ、
    該増減速機構部は、前記入力軸の前記対向部に入力歯車が設けられる一方、前記出力軸の前記対向部には出力歯車が設けられ、前記入力歯車と前記出力歯車との対向する側の内周面に第1内歯と第2内歯が形成され、前記第1内歯に噛み合う第1外歯が形成されると共に該第1外歯の数が前記第1内歯の数よりも1歯または2歯少ない第1遊星歯車と、該第1遊星歯車と一体形成され、前記第2内歯に噛み合う第2外歯が形成されると共に該第2外歯の数が前記第2内歯の数よりも1歯または2歯少ない第2遊星歯車とが設けられ、前記第1内歯と前記第1外歯との間の第1減速比と、前記第2内歯と前記第2外歯との間の第2減速比との大きさが異なる値に設定され、前記第1遊星歯車と前記第2遊星歯車との間に形成された円柱部と、前記第1遊星歯車と前記第2遊星歯車との間に配置され前記入力歯車および前記出力歯車の中心に対して偏心した位置に中心を有する偏心孔が形成されたリング状であって該偏心孔に前記円柱部が嵌め込まれ回転駆動されることにより前記第1内歯および前記第2内歯の中心を中心とする円弧を描いて前記第1遊星歯車および前記第2遊星歯車を旋回させ前記第1外歯が前記第1内歯に噛合する第1噛合部と前記第2外歯が前記第2内歯に噛合する第2噛合部とを円周方向へ移動させる回転カムとが設けられ、
    前記増減速機構部を制御するモータが前記増減速機構部の半径方向外側に配置され、該モータにより駆動される筒状の駆動軸が前記増減速機構部を囲繞して設けられ、該駆動軸に前記回転カムが一体回転可能に設けられ、
    前記入力軸および前記出力軸が夫々軸受を介して回転自在に支持され、夫々の軸受の端面に前記入力歯車または前記出力歯車の端面が当接可能に配置され、前記入力歯車と前記出力歯車との対向する面の軸心位置のいずれか一方に他方へ向かって突出する外筒が一体形成され、該外筒の内部に挿通される内筒が他方に一体形成され、前記外筒と前記内筒との間に軸受が設けられ、前記内筒の内部には前記入力歯車と前記出力歯車とを相互に離反する方向へ付勢する付勢手段が設けられていることを特徴とする舵角比可変ステアリング装置。
  2. 請求項1に記載の舵角比可変ステアリング装置において、
    前記内筒の内部に配置され、一端が前記付勢手段に付勢され他端が前記一方の端面の軸心位置に点接触する摺動部材を設けたことを特徴とする舵角比可変ステアリング装置。
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CN104565309A (zh) * 2015-01-02 2015-04-29 李响 夹层箱体零回差通用少齿差减速箱

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