JP2003262256A - 揺動内接噛合遊星歯車装置及びその外歯歯車の組込み方法 - Google Patents

揺動内接噛合遊星歯車装置及びその外歯歯車の組込み方法

Info

Publication number
JP2003262256A
JP2003262256A JP2002064352A JP2002064352A JP2003262256A JP 2003262256 A JP2003262256 A JP 2003262256A JP 2002064352 A JP2002064352 A JP 2002064352A JP 2002064352 A JP2002064352 A JP 2002064352A JP 2003262256 A JP2003262256 A JP 2003262256A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gear
external
phase difference
external gears
central axis
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2002064352A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Tsurumi
洋 鶴身
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Heavy Industries Ltd filed Critical Sumitomo Heavy Industries Ltd
Priority to JP2002064352A priority Critical patent/JP2003262256A/ja
Priority to KR10-2003-0014247A priority patent/KR100472826B1/ko
Priority to CN03119899A priority patent/CN1443954A/zh
Priority to US10/383,225 priority patent/US20030224893A1/en
Publication of JP2003262256A publication Critical patent/JP2003262256A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H1/00Toothed gearings for conveying rotary motion
    • F16H1/28Toothed gearings for conveying rotary motion with gears having orbital motion
    • F16H1/32Toothed gearings for conveying rotary motion with gears having orbital motion in which the central axis of the gearing lies inside the periphery of an orbital gear

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Retarders (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置の小型化及び伝達容量の増大を実現しつ
つ、同時に、モーメントの合理的な相殺により、装置の
振動、脈動の低減が可能な揺動内接噛合遊星歯車装置を
提供する。 【解決手段】 遊星運動をする外歯歯車を有し、且つ、
装置の中心軸が前記外歯歯車の周囲の内側に存在する揺
動内接噛合遊星歯車装置において、2n(nは2以上の
整数)枚の外歯歯車を、その1枚1枚が前記中心軸の円
周方向Rにおいて360/2n(度)の位相差を有し、
且つ、該2n枚の外歯歯車の中で180度の位相差を有
する2枚の外歯歯車が前記中心軸の軸線方向Vに隣接す
るように配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、産業用ロボットの
関節等の制御装置として使用される減速機に適用するの
に好適な、揺動内接噛合遊星歯車装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、揺動内接噛合遊星歯車装置に関す
る技術として、例えば図6、図7に示すようなものが知
られている。図示の例は、遊星運動をする外歯歯車を複
数枚(この例では3枚)有し、且つ、装置の中心軸が前
記外歯歯車の周囲の内側に存在する揺動内接噛合遊星歯
車装置を減速機に適用したものである。
【0003】図において、ケーシング101内の中心部
には、図示しないモータによって回転駆動される入力軸
103が配設されている。入力軸103の軸心は装置全
体の中心軸01と一致している。
【0004】ケーシング101内には、軸方向において
厚肉円板状の第1の支持ブロック(図6中左側)104
と、第2の支持ブロック(図6中右側)105とが互い
に対向して配置されている。ケーシング101が固定さ
れている場合、これら第1、第2の支持ブロック10
4、105は出力軸に相当する。
【0005】両支持ブロック104、105は、入力軸
103と平行に配した3本のキャリアボルト150によ
り、キャリアスペーサ154を介して所定の間隔で一体
に連結・固定され、全体でキャリアを構成している。
【0006】第1の支持ブロック104、第2の支持ブ
ロック105には、それぞれ中心孔114、115が形
成されており、それら中心孔114、115の内周に入
力軸103が軸受109a、109bを介して回転自在
に支持されている。入力軸103は貫通孔103aを有
する中空軸により構成され、入力軸103の軸受109
a、109bの間の外周には、所定位相差(この例では
120°)をもって偏心体117a、117b、117
cが一体に形成されている。それぞれの偏心体117
a、117b、117cには、軸受120a、120
b、120cを介して3枚の外歯歯車118a、118
b、118cが取り付けられている。
【0007】又、外歯歯車118a、118b、118
cには内ローラ孔128a、128b、128cが複数
個設けられ、内ピン107及び内ローラ108が、内ロ
ーラ孔128a、128b、128cを貫通している。
これら外歯歯車118a、118b、118cを貫通す
る内ピン107は、キャリアボルト150と同一ピッチ
円上に配されており、各内ピン107の両端は、第1、
第2の支持ブロック104、105の内ピン保持孔11
0に嵌合固定されている。
【0008】又、前記外歯歯車118a、118b、1
18cは外周に、トロコイド歯形や円弧歯形等の外歯1
24を有しており、この外歯歯車118a、118b、
118cの外周側には、外歯歯車118a、118b、
118cが噛合する内歯歯車125が配設されている。
内歯歯車125はケーシング101の内周に、ケーシン
グ101と一体に形成されており、外ピン126からな
る内歯を有している。
【0009】入力軸103が1回転すると偏心体117
a、117b、117cが1回転する。この偏心体11
7a、117b、117cの1回転により、外歯歯車1
18a、118b、118cも入力軸103の周りで揺
動回転を行なおうとするが、内歯歯車125によってそ
の自転が拘束されているため、外歯歯車118a、11
8b、118cは、この内歯歯車125に内接しながら
ほとんど揺動のみを行なうことになる。
【0010】今、例えば外歯歯車118a、118b、
118cの歯数をN、内歯歯車125の歯数をN+1と
した場合、その歯数差は1である。そのため、入力軸1
03の1回転毎に外歯歯車118a、118b、118
cはケーシング101に固定された内歯歯車125に対
して1歯分だけずれる(自転する)ことになる。これは
入力軸103の1回転が外歯歯車の−1/Nの回転に減
速されたことを意味する。
【0011】この外歯歯車118a、118b、118
cの回転は内ローラ孔128a、128b、128c及
び内ピン107の隙間によってその揺動成分が吸収さ
れ、自転成分のみが該内ピン107を介して出力軸へと
伝達される。
【0012】この結果、結局減速比−1/Nの減速が達
成される。
【0013】なお、この従来例のように外歯歯車を3枚
とすることで、外歯歯車を1枚にした場合に比べ、約3
倍の伝達容量を得ることができる。
【0014】この揺動内接噛合遊星歯車装置は、遊星運
動する外歯歯車118a、118b、118cを有し、
又、装置の中心軸01が外歯歯車118a、118b、
118cの周囲の内側に存在するため、いわゆる国際分
類F16H1/32に属する。この種の装置は、入力軸
103の1回転毎に外歯歯車118a、118b、11
8cの揺動に起因した偏心荷重(ラジアル荷重)が不可
避的に発生する。
【0015】前記3枚の外歯歯車118a、118b、
118cを位相差120°で配置しているのは、この各
外歯歯車118a、118b、118cの偏心重量の影
響をできるだけ相殺し、より振動の少ない円滑な動力伝
達を行なおうとしているためである。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】近年、この種の減速機
においては、小型化及び高出力化がますます要求される
ようになってきているため、4枚以上の外歯歯車を有す
る揺動内接噛合遊星歯車装置を減速機に適用することも
考えられるが、従来、4枚以上の歯車装置は、具体的に
は、製品化に至っていない。
【0017】これは、4枚以上の歯車装置は、構造上、
各歯車の製造誤差や組付誤差が大きいと装置全体の円滑
回転が困難となる一方、誤差の低減を加工精度の向上に
よって実現しようとすると、極めてコスト高になるとい
う問題があるためである。
【0018】又、4枚以上の装置においては、各外歯歯
車の装架される軸方向スパンが大きくなり、(前述し
た)各々の外歯歯車の偏心運動によって発生する偏心荷
重の影響、特に軸受からの距離の要素を持つモーメント
の影響が無視できなくなる。
【0019】本発明は、これらの事情を考慮し、4枚以
上の外歯歯車を有する揺動内接噛合遊星歯車装置につい
て、装置の小型化及び伝達容量の増大を実現しつつ、同
時に、モーメントの合理的な相殺により、装置の振動、
脈動の低減が可能な装置を提供することを目的としてい
る。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は、遊星運動をす
る外歯歯車を有し、且つ、装置の中心軸が前記外歯歯車
の周囲の内側に存在する揺動内接噛合遊星歯車装置にお
いて、前記2n枚の外歯歯車を、その1枚1枚が前記中
心軸の円周方向において360/2n(度)の位相差を
有し、且つ、該2n枚(nは2以上の整数)の外歯歯車
の中で180度の位相差を有する2枚の外歯歯車が前記
中心軸の軸線方向に隣接するように配置することによ
り、上記課題を解決したものである。
【0021】本発明によれば、2n枚(偶数枚)の外歯
歯車を、前記中心軸の円周方向において360/2n
(度)の位相差を有するように配置したことにより、ま
ず中心軸周りの発生荷重に対してこれを装置内で相殺
し、バランスさせることができる。
【0022】なお、このバランスのさせ方については、
例えば、4枚の外歯歯車を有する場合に、(単に荷重を
バランスさせるためだけならば)180°の位相差を2
対持たせることも考えられるが、後述するように、誤
差、あるいは誤差に起因したトルク変動の平準化を意図
し、本発明では、敢えてこの形態は採用しない。
【0023】又、各荷重の軸方向の作用点が異なること
によって発生するモーメントについては、該2n枚の外
歯歯車の中で、180度の位相差を有する2枚の外歯歯
車を前記中心軸の軸線方向に隣接して配置することによ
り、各外歯歯車の偏心によって発生するモーメントの相
殺効果を高めている。
【0024】なお、この構成を有する関係上、外歯歯車
の数はこの構成では偶数に設定される。
【0025】又、本発明を視点を変えてより一般化して
捉えると、次のような組込み方法と考えることもでき
る。即ち、遊星運動をする外歯歯車を有し、且つ、装置
の中心軸が前記外歯歯車の周囲の内側に存在する揺動内
接噛合遊星歯車装置の外歯歯車の組込み方法において、
前記m枚(mは4以上の整数)の外歯歯車を、その1枚
1枚が前記中心軸の円周方向において360/m(度)
の位相差を有し、且つ、直前に組込まれた外歯歯車の偏
心位置から見て位相差が最大になる偏心位置を順次選択
し、該選択された位置に外歯歯車を順に配置してゆくと
いう方法である。
【0026】この構成では、外歯歯車の枚数は必ずしも
偶数でなくてもよく、5以上の奇数であってもよい。外
歯歯車が奇数枚の場合は、前記中心軸の円周方向におい
て360/m(度)の位相差を有するように配置した場
合に、180度の位相差を有する2枚の外歯歯車は存在
しないが、常に直前に組込まれた(隣接する)外歯歯車
と位相差が最大になる態様で外歯歯車を中心軸の軸線方
向に配置することにより、各外歯歯車の偏心によって発
生するモーメントの相殺効果を高めることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態の例を図
面に基づいて説明する。
【0028】図1は、本発明が適用されている揺動内接
噛合遊星歯車装置(減速機)の実施形態を示す、前記図
6に相当する側断面図である。
【0029】この図1に示した減速機は、4枚(n=
2)の外歯歯車118a〜118dを用いた構造(以下
4枚式歯車装置という)になっている以外は、前記図6
に示した3枚式歯車装置と実質的に同一である。従っ
て、同一又は類似する部分については、図中で同一の符
号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0030】入力軸103の軸受109a、109bの
間の外周には、所定位相差をもって偏心体117a〜1
17dが一体に形成されている。それぞれの偏心体11
7a〜117dには、軸受120a〜120dを介して
4枚の外歯歯車118a〜118dが取付けられてい
る。
【0031】又、図2は、4枚式歯車装置の外歯歯車1
18a〜118d及び揺動内接噛合遊星歯車装置の中心
軸01(入力軸103の中心に一致)付近を模式的に示
したものである。
【0032】4枚の外歯歯車118a〜118dは、図
示しない偏心体を介して入力軸103の円周方向Rにお
いて90度(360/(2×2)(度))の位相差を有
するように配置されている。又、4枚の外歯歯車118
a〜118dの中で180度の位相差を有する118a
と118b及び118cと118dは、入力軸103の
軸線方向Vに隣接して配置されている。
【0033】入力軸103が1回転すると、外歯歯車1
18a〜118dは入力軸103の周りを90度の位相
差を維持して揺動回転し、各外歯歯車118a〜118
dにはそれぞれの偏心荷重F(F1〜F4)が加わること
となる。
【0034】次に、入力軸103の軸線方向から見た軸
受109aに対する各外歯歯車118a、118b、1
18c、118dにより生ずるモーメントM118a、
M118b、M118c、M118dを考える。
【0035】まず、入力軸103の図中左側の軸受10
9aを中心とするモーメントのx成分Mxに着目する
と、モーメントM118aのx成分Mx118aは、外
歯歯車118aに加わる偏心重量Fのx成分に軸受10
9aから外歯歯車118aの設置位置までの距離lを掛
けたものであるから、 Mx118a=F×l=F・l となる。以下同様に、 Mx118b=−F×2l=−2F・l Mx118c=0×3l=0 Mx118d=0×4l=0 となり、軸受109aに加わるモーメントのx成分Mx
は、 Mx=Mx118a+Mx118b+Mx118c+Mx118d =F・l+−2F・l+0+0 =−F・l となる。
【0036】又、同様に軸受109aを中心とするモー
メントのy成分Myについて考えると、 My118a=0×l=0 My118b=0×2l=0 My118c=F×3l=3F・l My118d=−F×4l=−4F・l となり、軸受109aに加わるモーメントのy成分My
は、 My=My118a+My118b+My118c+My118d =0+0+3F・l−4F・l =−F・l となる。
【0037】即ち、本発明の実施形態に係る4枚式歯車
装置の入力軸103の一方の軸受109aには、この状
態(瞬間)において該軸受109aを中心に入力軸10
3を水平方向に回転させようとするモーメントF・l
(x)と鉛直方向に回転させようとするモーメントF・
l(y)が存在することになると共に、次の瞬間にはこ
のモーメントの方向が噛合位置の回転と共に、回転して
ゆくことになる。
【0038】図3は、従来の3枚式歯車装置及び各種の
4枚式歯車装置について、各外歯歯車の偏心方向、軸線
方向の配置を変化させた場合における軸受109aを中
心とするモーメント、及び反対側の軸受109bの軸受
反力の理論値を示したものである。
【0039】図中のa〜dの符号は、各外歯歯車を、矢
印は、(ある瞬間の)該外歯歯車a〜dの偏心方向をそ
れぞれ示している。
【0040】図中のAは、外歯歯車aとbを、軸の円周
方向に外歯歯車cとdに対して180度の位相差を有す
るように配置し、且つ、同じ偏心方向の(位相差のな
い)外歯歯車aとb及びcとdがそれぞれ軸線方向に隣
接するように配置したものである。
【0041】図中のBは、外歯歯車a〜dを、その1枚
1枚が軸の円周方向において90度(360/(2×
2)(度))の位相差を有するように順次配置したもの
である。
【0042】図中Cは、本発明の実施形態に係る4枚式
歯車装置に相当するものであり、外歯歯車a〜dを、そ
の1枚1枚が軸の円周方向において90度(360/
(2×2)(度))の位相差を有し、且つ、180度の
位相差を有する外歯歯車aとb及びcとdがそれぞれ軸
線方向に隣接するように配置したものである。
【0043】図中のDは、外歯歯車aとcを、軸の円周
方向において外歯歯車bとdに対して180度の位相差
を有するように配置し、且つ、180度の位相差を有す
る外歯歯車aとb及びcとdがそれぞれ軸線方向に隣接
するように配置したものである。
【0044】図中のEは、外歯歯車aとdを軸の円周方
向において外歯歯車bとcに対して180度の位相差を
有するように配置し、且つ、180度の位相差を有する
外歯歯車aとb及びcとdがそれぞれ軸線方向に隣接す
るように配置したものである。
【0045】図中のFは、従来例の3枚式歯車装置に相
当するものであり、各外歯歯車を軸の円周方向に120
度の位相差を有するように配置したものである。
【0046】図3から分かるとおり、A、Bに示す外歯
歯車の配置を有する4枚式歯車装置は、従来の3枚式歯
車装置よりもモーメント及び軸受反力が増大するため、
むしろ、従来の3枚式歯車装置に比べて起振力が大きく
なる。一方、従来の3枚式歯車装置であるFに比べて、
モーメント(あるいは反対側の軸受反力)が低減される
のは、C、D、Eに示す外歯歯車の配置を有する4枚式
歯車装置である。
【0047】この中で、Eの配置は、モーメント、及び
偏心荷重の双方が「零」であり、数値としては最良の結
果が得られている。
【0048】しかしながら、発明者の追試験によれば、
全体評価として優れているのは、Eではなく、むしろC
の方であった。
【0049】この理由は、必ずしも明らかではないが、
次のように推察される。
【0050】Eの例を含め、図3のA及びDに示す外歯
歯車の配置を有する4枚式歯車装置は、2枚の外歯歯車
を同じ偏心方向に、又、残りの2枚の外歯歯車を180
度の位相差で組み付けている。
【0051】従って、運転時には2枚ずつが、円周方向
の同一の方向に対して、モーメントの影響を及ぼしなが
ら回転することになる。即ち、軸断面から見た場合、こ
の組付けでは、常に円周方向の2点でしか、外歯歯車と
内歯歯車は接触していないことになる。
【0052】今、各外歯歯車において、加工誤差によっ
て、回転時に生じる偏心荷重が、F±ΔFの範囲で変化
する可能性があるとする。この場合、一方側に偏心して
いる2枚の外歯歯車が共にF+ΔF側にずれ、反対側に
偏心している2枚の外歯歯車が、共にF−ΔF側にずれ
た場合を考えると、装置は全体として4・ΔFに相当す
る性能悪化の影響を受けることになる。
【0053】これが最大の影響であり、結局図3のA、
D、Eは、うまく誤差の影響が相殺されて性能悪化が
「零」となる状態と、4・ΔF相当分にまで誤差の影響
が増幅された状態との間で運転されることになる。
【0054】一方、図3のBとCに示す外歯歯車の配置
を有する4枚式歯車装置にあっては、外歯歯車の1枚1
枚が円周方向に90度の位相差を有するように配置され
ている。
【0055】従って、運転時には、4枚それぞれが円周
方向の均等方向(ばらばらの方向)に対してモーメント
の影響を及ぼしながら回転することになる。即ち、軸断
面から見た場合、この組付けでは常に円周方向の4点で
外歯歯車と内歯歯車が接触していることになる。
【0056】前述と同様の考察を行なうならば、各外歯
歯車において、加工誤差によって回転時に生じる偏心荷
重がF±ΔFの範囲で変化する可能性があるとすると、
最悪でも2・ΔF分に相当する影響しか受けないことに
なる。即ち、図3のBとCでは、うまく誤差の影響が相
殺されて性能悪化が「零」となる状態と、2・ΔFに相
当分にまで誤差の影響が増幅された状態との間で運転さ
れることになる。言うまでもなく、影響は半減されてお
り、換言すると、図3のB、Cの方が、A、D、Eに比
べて誤差の平準化機能がより優れることになる。
【0057】しかも発明者の追試験によれば、この機能
の効果は大きく、計算上は偏心荷重もモーメントも零で
あるEよりも、むしろCの方が優れており、且つ、この
定性的な傾向には再現性があるという知見が得られたも
のである。
【0058】この実施形態では、この知見に基づき、図
3のCの配置で外歯歯車を組付けるようにしている。
【0059】次に、6枚(n=3)の外歯歯車を有する
揺動内接噛合遊星歯車装置を考えると、図4に示すよう
に、6枚の外歯歯車118a〜118fをその1枚1枚
が入力軸103の円周方向Rに60度(360/(2×
3)(度))の位相差を有し、且つ、6枚の外歯歯車1
18a〜118fの中で、180度の位相差を有する1
18aと118b、118cと118d、118eと1
18fがそれぞれ入力軸103の軸線方向Vに隣接する
ように配置すればよい。
【0060】その結果、180度の位相差を有する外歯
歯車118aと118b、118cと118d、118
eと118fの偏心によるモーメントがそれぞれ打ち消
し合うように作用し、6枚の外歯歯車の偏心によって生
ずるモーメントの相殺効果を高めることができると共
に、伝達容量の増大をも実現することができる。
【0061】又、上記の実施形態においては、外歯歯車
の枚数を4枚若しくは6枚、即ち2n枚(nは2以上の
整数)としたが、本発明をより一般的な揺動内接噛合遊
星歯車装置における外歯歯車の組み込み方法として捉え
るならば、m枚の外歯歯車を、その1枚1枚が前記中心
軸の円周方向において360/m(度)の位相差を有
し、且つ、直前に組込まれた外歯歯車の偏心位置から見
て位相差が最大になる偏心位置を順次選択し、該選択さ
れた偏心位置に外歯歯車を順に配置してゆく方法と考え
ることができる。
【0062】例えば、5枚(m=5)の外歯歯車を有す
る揺動内接噛合遊星歯車装置を考えると、図5に示すよ
うに、入力軸103の円周方向Rにおいては、5枚の外
歯歯車118a〜118eを、その1枚1枚が72度
(360/5(度))の位相差を有するよう配置する。
【0063】又、入力軸103の軸線方向Vにおいて
は、まず外歯歯車118aを配置した後、外歯歯車11
8bを、その直前に組込まれた外歯歯車118aの偏心
位置E1から見て位相差が最大になる偏心位置E2又は
E5を選択(この例ではE2を選択)し、その偏心方向
E2に配置する。その他の外歯歯車118c、118
d、118eも同様にして、それぞれ直前に組込まれた
外歯歯車の偏心位置から見て位相差が最大になる偏心方
向E3、E4、E5に配置してゆく。
【0064】このような配置にすることにより、隣接・
配置された外歯歯車の偏心によるモーメントが打ち消し
合うように作用し、5枚の外歯歯車の偏心によって生ず
るモーメントの相殺効果を高めることができると共に、
伝達容量の増大も実現することができる。
【0065】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、
4枚以上の外歯歯車を有する揺動内接噛合遊星歯車装置
において、装置の小型化及び伝達容量の増大を実現しつ
つ、同時に、モーメントの合理的な相殺により、装置の
振動、脈動の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の揺動内接噛合遊星歯車構造
が適用された減速機の側断面図
【図2】上記揺動内接噛合遊星歯車構造の外歯歯車と入
力軸の模式図
【図3】上記揺動内接噛合遊星歯車構造における各外歯
歯車の偏心方向、軸線方向の配置と、モーメント及び軸
受反力の関係を示す説明図
【図4】6枚式歯車装置の外歯歯車と入力軸の模式図
【図5】5枚式歯車装置の外歯歯車と入力軸の模式図
【図6】従来の揺動内接噛合遊星歯車構造を有する減速
機の側断面図
【図7】図6におけるV−V線に沿う断面図
【符号の説明】
101…ケーシング 103…入力軸 103a…貫通孔 104…第1支持ブロック 105…第2支持ブロック 107…内ピン 108…内ローラ 109a、109b…軸受 114、115…中心孔 117a、117b、117c、117d…偏心体 118a、118b、118c、118d…外歯歯車 120a、120b、120c、120d…軸受 124…外歯 125…内歯歯車 126…外ピン 128a、128b、128c、128d…内ローラ孔 150…キャリアボルト 154…キャリアスペーサ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】遊星運動をする外歯歯車を有し、且つ、装
    置の中心軸が前記外歯歯車の周囲の内側に存在する揺動
    内接噛合遊星歯車装置において、 2n(nは2以上の整数)枚の外歯歯車を、その1枚1
    枚が前記中心軸の円周方向において360/2n(度)
    の位相差を有し、且つ、該2n枚の外歯歯車の中で18
    0度の位相差を有する2枚の外歯歯車が前記中心軸の軸
    線方向に隣接するように配置したことを特徴とする揺動
    内接噛合遊星歯車装置。
  2. 【請求項2】遊星運動をする外歯歯車を有し、且つ、装
    置の中心軸が前記外歯歯車の周囲の内側に存在する揺動
    内接噛合遊星歯車装置の外歯歯車の組込み方法におい
    て、 m(mは4以上の整数)枚の外歯歯車を、その1枚1枚
    が前記中心軸の円周方向において360/m(度)の位
    相差を有し、且つ、直前に組み込まれた外歯歯車の偏心
    位置から見て位相差が最大になる偏心位置を順次選択
    し、該選択された偏心位置に外歯歯車を順に配置してゆ
    くことを特徴とする揺動内接噛合遊星歯車装置の外歯歯
    車の組込み方法。
  3. 【請求項3】遊星運動をする外歯歯車を有し、且つ、装
    置の中心軸が前記外歯歯車の周囲の内側に存在する揺動
    内接噛合遊星歯車装置において、 m(mは4以上の整数)枚の外歯歯車を、その1枚1枚
    が前記中心軸の円周方向において360/m(度)の位
    相差を有する位置に、隣接する外歯歯車同士の位相差が
    最大になる態様で配置したことを特徴とする揺動内接噛
    合遊星歯車装置。
JP2002064352A 2002-03-08 2002-03-08 揺動内接噛合遊星歯車装置及びその外歯歯車の組込み方法 Withdrawn JP2003262256A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002064352A JP2003262256A (ja) 2002-03-08 2002-03-08 揺動内接噛合遊星歯車装置及びその外歯歯車の組込み方法
KR10-2003-0014247A KR100472826B1 (ko) 2002-03-08 2003-03-07 요동내접맞물림 유성기어장치 및 그 외치기어의 설치방법
CN03119899A CN1443954A (zh) 2002-03-08 2003-03-07 摆动内接啮合行星齿轮装置及其外齿齿轮的装配方法
US10/383,225 US20030224893A1 (en) 2002-03-08 2003-03-07 Wobbling inner gearing planetary gear system and method of assembling external gears

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002064352A JP2003262256A (ja) 2002-03-08 2002-03-08 揺動内接噛合遊星歯車装置及びその外歯歯車の組込み方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003262256A true JP2003262256A (ja) 2003-09-19

Family

ID=28034871

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002064352A Withdrawn JP2003262256A (ja) 2002-03-08 2002-03-08 揺動内接噛合遊星歯車装置及びその外歯歯車の組込み方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US20030224893A1 (ja)
JP (1) JP2003262256A (ja)
KR (1) KR100472826B1 (ja)
CN (1) CN1443954A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007023783A1 (ja) * 2005-08-22 2007-03-01 Nabtesco Corporation センタークランク式偏心揺動型減速機
CN102753859A (zh) * 2010-02-15 2012-10-24 株式会社捷太格特 摆动内接式行星齿轮装置以及旋转驱动装置
JP2013152005A (ja) * 2012-01-26 2013-08-08 Seiko Epson Corp 減速機およびロボット
JP2016142395A (ja) * 2015-02-04 2016-08-08 住友重機械工業株式会社 駆動装置

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004286044A (ja) * 2003-03-19 2004-10-14 Sumitomo Heavy Ind Ltd 内歯揺動型内接噛合遊星歯車装置
US7258642B2 (en) 2004-06-16 2007-08-21 Epi-Energy, Ltd. Simultaneous multiple rotation interface
JP4484741B2 (ja) * 2005-03-24 2010-06-16 住友重機械工業株式会社 ロボット手首駆動用動力伝達装置及び動力伝達装置
EP1988307B1 (en) * 2005-09-26 2011-11-09 Nabtesco Corporation Speed reducer
JPWO2008041496A1 (ja) * 2006-09-25 2010-02-04 ナブテスコ株式会社 偏心揺動型減速機および該偏心揺動型減速機を用いたスタビライザ軸の回転装置
WO2008075598A1 (ja) * 2006-12-21 2008-06-26 Nabtesco Corporation 歯車装置
JP5270462B2 (ja) * 2009-06-15 2013-08-21 ナブテスコ株式会社 偏心揺動型歯車装置および偏心揺動型歯車装置におけるクランク軸の組み付け方法
CN103201535B (zh) * 2010-11-10 2016-09-21 株式会社捷太格特 行星齿轮减速器
DE102013102996A1 (de) * 2013-03-25 2014-09-25 Spinea S.R.O. Getriebe
CN105020348A (zh) * 2014-04-29 2015-11-04 亚杩拓精密机械(上海)有限公司 一种内接啮合型齿轮装置
JP6614805B2 (ja) * 2015-05-25 2019-12-04 川崎重工業株式会社 歯車機構の組立装置および組立方法
TWI664364B (zh) * 2017-02-23 2019-07-01 台達電子工業股份有限公司 減速機
DE202024102854U1 (de) 2023-09-04 2024-06-27 Bernhardt Brehm Hochleistungsgetriebe

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3129611A (en) * 1960-10-14 1964-04-21 Lee Engineering Company Speed reducers
US3994187A (en) * 1975-02-14 1976-11-30 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Navy Epicyclic transmission
GB2138098A (en) * 1983-03-18 1984-10-17 Coop Goizper S Planetary torque wrench
DE3878023T2 (de) * 1987-05-14 1993-06-09 Sumitomo Heavy Industries Planetengetriebesystem.
SK277969B6 (en) * 1992-12-31 1995-09-13 Jozef Herstek Multisatelit gearbox
DE19537227A1 (de) * 1995-10-06 1997-04-10 Spinea Sro Getriebe

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007023783A1 (ja) * 2005-08-22 2007-03-01 Nabtesco Corporation センタークランク式偏心揺動型減速機
US8029400B2 (en) 2005-08-22 2011-10-04 Nabtesco Corporation Center crank eccentrically oscillating speed reducer
KR101243990B1 (ko) 2005-08-22 2013-03-13 나부테스코 가부시키가이샤 센터 크랭크식 편심 요동형 감속기
CN102753859A (zh) * 2010-02-15 2012-10-24 株式会社捷太格特 摆动内接式行星齿轮装置以及旋转驱动装置
JP2013152005A (ja) * 2012-01-26 2013-08-08 Seiko Epson Corp 減速機およびロボット
JP2016142395A (ja) * 2015-02-04 2016-08-08 住友重機械工業株式会社 駆動装置

Also Published As

Publication number Publication date
CN1443954A (zh) 2003-09-24
KR20030074293A (ko) 2003-09-19
US20030224893A1 (en) 2003-12-04
KR100472826B1 (ko) 2005-03-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2003262256A (ja) 揺動内接噛合遊星歯車装置及びその外歯歯車の組込み方法
US8757029B2 (en) Strain wave gearing and robotic arm
JP5122450B2 (ja) 減速装置
US20100199796A1 (en) Gear device and turning portion structure of industrial robot using the gear device
JP2866246B2 (ja) 内接噛合式遊星歯車構造を採用した増減速機シリーズ
US5222922A (en) Inscribed meshing planetary gear construction
JP2001221298A (ja) 偏心揺動型減速機
JP2002188693A (ja) 単純遊星歯車機構の遊星歯車の支持構造及び同機構の製造方法
JP2019148308A (ja) 偏心揺動型減速装置
JPH06241284A (ja) 内接噛合遊星歯車構造を採用した変速機のシリーズ
JP2003262257A (ja) 揺動内接噛合遊星歯車装置の角度伝達誤差の低減方法及び揺動内接噛合遊星歯車変速機
JP5348182B2 (ja) 減速機付きモータ
JPS63254251A (ja) 遊星歯車増減速機
JP6629106B2 (ja) ロボットの関節駆動構造
JPH06241282A (ja) 内接噛合遊星歯車構造を採用したギヤドモータ及びそのシリーズ
JP4610108B2 (ja) 揺動内接噛合遊星歯車機構、及び角度伝達誤差低減方法
JP4818535B2 (ja) 偏心揺動型内接噛合遊星歯車構造を採用した変速機
CN104154185B (zh) 一种内置行星传动高刚度少齿差齿轮传动装置
JPH0763243A (ja) 差動型内接噛合遊星歯車構造
JP2888674B2 (ja) 内接噛合遊星歯車構造
JP2012149741A (ja) 偏心揺動型減速機
JP2002122190A (ja) 偏心差動型減速機
CN204127213U (zh) 一种内置行星传动高刚度少齿差齿轮传动装置
JP3963587B2 (ja) 内歯揺動型内接噛合遊星歯車装置
JP3919350B2 (ja) 内歯揺動型内接噛合遊星歯車装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040510

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20051116