JP5117047B2 - フォーカルプレーンシャッタ - Google Patents
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Description
詳しくは、遮光性の羽根とアームとを回転可能に連結し、このアームの回転により羽根に開口部の開閉作動をさせるフォーカルプレーンシャッタに関する。
また、このような傾きや撓みや捩じれを生じる現象(以下、あばれ現象という)は、露光作動中においてのみならず、露光作動終了時に、各シャッタ羽根がストッパに当接したときにも発生する。このときに受ける衝撃は極めて大きく、羽根間に隙間が生じて露光むらを生じさせてしまうことがあるほかに、あばれ現象が生じて、各羽根が裂けたり、地板に対するアームの枢着部が破壊されたりすることもある。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明の構成において、前記第一のアームを往復回動させるための軸が、前記駆動部材の駆動ピンであって、前記第一の挟み込み部材は、前記一方の地板に形成された長孔を貫通する前記駆動部材の駆動ピンに対し、前記アームに形成された連結孔を連結させると共に、該駆動ピンの先端側に固着された止め部材であって、前記第二の挟み込み部材は、前記アームの連結孔の周縁部と摺接するよう前記駆動ピンに形成された係止部であって、該係止部と前記止め部材のアーム側面とでアームの連結孔の周縁部を摺接し、前記駆動ピンの軸方向へ両側から挟み込んだこととしたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明の構成に、前記駆動ピンの先端部を前記止め部材に圧入嵌合して一体化した構成を加えたことを特徴とする。
そして、請求項4に記載の発明は、前記第二のアームを往復回動させるための軸が、該アームに形成された支持孔に挿通され前記第二のアームを回動自在に枢着するため前記一方の地板に固定配置された支軸であり、前記第一および第二の挟み込み部材は、前記支持孔の周縁部と前記各地板との間に夫々設けられた摺接リングであって、該摺接リングで前記アームの支持孔の周縁部を摺接し、前記支軸の軸方向へ位置決めしたことを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明の構成に、前記摺接リングを低摩擦材料で表面処理した構成を加えたことを特徴とする。
従って、アーム及び羽根の光軸方向へのあばれ現象を抑制可能なフォーカルプレーンシャッタを提供することができる。
その結果、スリット形成羽根のあばれ現象を抑制するためにアームから羽根に亘る箇所の光軸方向への動きを抑制した従来構造に追加すれば、シャッタ羽根のアームの動作をより確実に維持させることができて、羽根全体のあばれ現象を更に軽減させることができる。
従って、アームと駆動ピンの連結部のガタツキをより一層防止して更にあばれ現象の抑制機能を向上させることができる。
従って、駆動ピンに対する止め部材の連結構造を簡素化することができる。
その結果、極薄な板状のアームの支持構造を高精度で実現でき、更に耐衝撃性能にも優れて、長期に亘り駆動ピンとアームの連結部のガタツキを抑制できると共に、小型化も可能なので、シャッタの小型化を損なわずに実施できる。
従って、アーム及び羽根の光軸方向へのあばれ現象を抑制可能なフォーカルプレーンシャッタを提供することができる。
その結果、スリット形成羽根のあばれ現象を抑制するためにアームから羽根に亘る箇所の光軸方向への動きを抑制した従来構造に追加すれば、シャッタ羽根のアームの動作をより確実に維持させることができて、羽根全体のあばれ現象を更に軽減させることができる。
従って、アームの往復回動をスムーズにして更にあばれ現象の抑制機能を向上させることができる。
図1〜図4は本発明の第1実施例を示したものであって、図1は本発明のフォーカルプレーンシャッタにおいて、シャッタ羽根A,A′の露光作動終了直後の状態を示し、図2は図1と同様にして視たシャッタ羽根A,A′のセット完了状態を示し、図3は図1の(3)−(3)線に沿える部分的な縦断面図であり、図4は駆動ピンとアームとの連結部を示す斜視図である。
更に、図5〜図8は本発明の第2実施例を示したものであって、図5は本発明のフォーカルプレーンシャッタにおいて、シャッタ羽根A,A′の露光作動終了直後の状態を示し、図6は図5と同様にして視たシャッタ羽根A,A′のセット完了状態を示し、図7は図5の(7)−(7)線に沿える部分的な縦断面図であり、図8は補助地板Dの部分拡大図である。
この第1実施例では、本発明のフォーカルプレーンシャッタが、シャッタ地板Bの背面側に、周知の中間板Cと補助地板Dが夫々所定の間隔をあけて順に取り付けられており、これら板部材の間に二つの羽根室を形成し、それらの羽根室内には、遮光性の羽根1とアーム2,2′とからなるシャッタ羽根Aを先羽根とし、シャッタ羽根A′を後羽根として夫々羽根1が三枚ずつ個別に配置された場合を示している。
また、図4では中間板Cと補助地板Dの図示が省略されている。
シャッタ地板Bの被写体側には、駆動部材3,3′を支持するための支軸B2,B3と、セット部材Eの取付軸E1が立設されると共に、円弧状の二つの長孔B4,B5が開穿され、それらの下方端部には、平面形状が略C字状に形成した緩衝部材B6,B7が取り付けられている。
更に、これらアーム2,2には、前記先羽根用駆動部材3の駆動ピン3aが挿通する連結孔2bを開穿して連結させている。
これら先羽根Aと後羽根A′の各々の羽根1の中、各アーム2,2′の先端側で連結された羽根がスリット形成羽根である。
第1実施例の場合には、該あばれ現象抑制手段が、図3及び図4に示す如く、上記先羽根用駆動部材3の駆動ピン3a及び後羽根用駆動部材3′の駆動ピン3a′に、前記先羽根A及び後羽根A′の各アーム2,2に開穿された連結孔2b,2bを夫々光軸O方向へ挿通させて係止させると共に、これら連結孔2b,2bの径よりも大きな第一の挟み込み部材としての止め部材4,4を夫々固着し、各止め部材4,4のアーム側面4a,4aと連結孔2b,2bの周縁部を夫々摺接させることで、先羽根A及び後羽根A′の各アーム2,2を各駆動ピン3a,3a′の軸方向へ位置決めしている。
また図示例では、直線のみで囲まれた矩形にしているが、その他の例として円弧状曲線と直線で囲まれた小判形やそれ以外の多角形や半円形などに形成することも可能であり、更にこれら小径部3c,3c′と止め部材4,4の嵌合穴4b,4bとを圧入嵌合以外の接合方法で連結させることも可能である。
尚、図3において、前記シャッタ地板B、中間板C及び補助地板Dの開口部B1,C1,D1の被写体と反対側には、カメラ本体側部材Fに取り付けられた撮像素子F1と、それを覆う光学フィルタF2とを配置して臨ませている。
図1に示す露光作動終了直後の停止状態において、先羽根用駆動部材3は、図3に示す先羽根用駆動ばね3eの付勢力によって時計方向へ回転し、上記当接部3dを緩衝部材B6に接触させて、この停止状態が維持され、この時、先羽根Aの羽根1は重畳されて、前記開口部B1,C1,D1の下方位置に格納されている。
また、後羽根用駆動部材3′は、後羽根用駆動ばね(図示しない)の付勢力によって時計方向へ回転し、上記当接部3d′をストッパの緩衝部材B7に接触させて、この停止状態が維持され、この時、後羽根A′の羽根1は展開されて開口部B1,C1,D1を覆っている。
図2は、そのようにして行われたセット作動の完了状態を示したものである。
そこで、先ず、先羽根用電磁石のコイルに対する通電が断たれて保持力が解除されると、先羽根用駆動部材3が、先羽根用駆動ばね3eの付勢力によって時計方向へ急速に回転させられ、その駆動ピン3aで先羽根Aのアーム2を時計方向へ回動させるので、先羽根Aの3枚の羽根1は相互の重なり量を大きくしつつ下方へ移動し、スリット形成羽根のスリット形成縁(上辺)によって開口部B1,C1,D1を開放していく。
そして、露光作動を終了した直後の状態が、図1に示された状態であり、これにより1回の撮影が終了する。
更に、デジタルカメラに採用された場合には、各羽根1と接近して配置される光学フィルタF2との接触を防止できるので、走行中の羽根1のあばれ現象により光学フィルタF2に傷が付くことを防止できるという利点もある。
この第2実施例は、上述したあばれ現象抑制手段として、前記先羽根A及び後羽根A′の各アーム2,2と駆動ピン3a,3a′の連結部におけるアーム2,2の光軸O方向へのガタツキ抑制に代え、図7及び図8に示す如く、先羽根A及び後羽根A′の各アーム2,2′と支軸B2′,B8,B3′,B9との枢着部におけるアーム2,2′の光軸O方向へのガタツキを抑制した構成が、前記図1〜図4に示した第1実施例とは異なり、それ以外の構成は図1〜図3に示した第1実施例と同じものである。
また、図8において符号D2,D3は、前記長孔B4,B5と対応して補助地板Dに開穿された長孔である。
更に、デジタルカメラに採用された場合には、上述した第1実施例と同様な利点もある。
これらのように構成しても同等の作用効果が得られる。従って、そのように作動させるようにしたものは本発明に含まれる。
B1 開口部 B2′,B8,B3′,B9 支軸
D 地板(補助地板) D1 開口部
1 羽根 2,2′ アーム
2a,2a′ 支持孔 2b 連結孔
3,3′ 駆動部材 3a,3a′ 駆動ピン
3b,3b′ 係止部 3c,3c′ 先端部(先端小径部)
4,4′ 止め部材 4a,4a′ アーム側面
5 摺接リング
Claims (5)
- 各々が露光用の開口部を有していて両者間に少なくとも一つの羽根室を構成している二つの地板と、
前記二つの地板のうち一方の地板に回転自在に取り付けられた第一および第二のアームと、
該第一および第二のアームに各々回転可能に連結された少なくとも一枚の羽根とで構成された少なくとも一組のシャッタ羽根と、
前記第一のアームを往復回動させることによって前記シャッタ羽根に前記開口部の開閉作動を行わせるため連結された少なくとも一つの駆動部材と、
前記第一および第二のアームには、該アームを往復回動させるための軸が挿通される孔が設けられ、
該孔を介して、前記軸に沿う方向へ前記第一または第二のアームを両側から挟み込む第一および第二の挟み込み部材により、前記アームが前記軸方向へ位置決めされていることを特徴とするフォーカルプレーンシャッタ。 - 前記第一のアームを往復回動させるための軸が、前記駆動部材の駆動ピンであって、
前記第一の挟み込み部材は、前記一方の地板に形成された長孔を貫通する前記駆動部材の駆動ピンに対し、前記アームに形成された連結孔を連結させると共に、該駆動ピンの先端側に固着された止め部材であって、
前記第二の挟み込み部材は、前記アームの連結孔の周縁部と摺接するよう前記駆動ピンに形成された係止部であって、
該係止部と前記止め部材のアーム側面とでアームの連結孔の周縁部を摺接し、前記駆動ピンの軸方向へ両側から挟み込んだことを特徴とする請求項1に記載のフォーカルプレーンシャッタ。 - 前記駆動ピンの先端部を前記止め部材に圧入嵌合して一体化したことを特徴とする請求項2に記載のフォーカルプレーンシャッタ。
- 前記第二のアームを往復回動させるための軸が、該アームに形成された支持孔に挿通され前記第二のアームを回動自在に枢着するため前記一方の地板に固定配置された支軸であり、
前記第一および第二の挟み込み部材は、前記支持孔の周縁部と前記各地板との間に夫々設けられた摺接リングであって、
該摺接リングで前記アームの支持孔の周縁部を摺接し、前記支軸の軸方向へ位置決めしたことを特徴とする請求項1に記載のフォーカルプレーンシャッタ。 - 前記摺接リングを低摩擦材料で表面処理したことを特徴とする請求項4に記載のフォーカルプレーンシャッタ。
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