JP4450493B2 - カメラ用フォーカルプレンシャッタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮影に際して、先羽根と後羽根とを同一方向へ順次作動させ、その両者間に形成されたスリットにより、露光を行なうようにしたカメラ用のフォーカルプレンシャッタに関する。
【0002】
【従来の技術】
最近のフォーカルプレンシャッタの多くは、夫々が複数のアームと1枚以上の羽根とで構成された先羽根と後羽根とを有していて、露光作動に際しては、先羽根用電磁石と後羽根用電磁石に対する通電が順に断たれたとき、それによって直接又は間接に保持力を解除された先羽根用駆動部材と後羽根用駆動部材によって作動させられるようになっている。そして、次の露光作動が行なわれる前までには、セット部材が初期位置から作動して、各駆動部材をセット位置へ作動させるようにしている。しかし、その後、セット部材を初期位置へ復帰させる時機については二つのタイプが知られており、次の撮影に際してレリーズ操作が行なわれる前に復帰させてしまうものと、レリーズ操作が行なわれてから復帰させるようにしたものとがある。そして、前者のタイプの場合には、各駆動部材をセット位置で係止しておく部材が必要になるが、設計仕様によってはそのような部材を後者のタイプのものに設けることも可能となっている。
【0003】
ところが、この種のフォーカルプレンシャッタにおいては、上記のように、撮影時において、電磁石が各駆動部材の作動の開始時機を制御しているため、断線等があって電磁石に通電されなかったり、電池の消耗によって所定の電流が供給されなかったり、電磁石の吸着面にゴミや汚れが付いていたり、電磁石と被吸着部材との組立精度が悪かったりすると、電磁石による所定の吸着保持機能が得られず、各駆動部材が、所定の作動開始時機を待たずに作動を開始してしまうことがある。そのため、シャッタの中には、従来からそのようにして行なわれる異常作動を的確に検出できるようにした構成を備えたものが知られている。そして、その代表的なものの一つとして、各々が二つの接点部材からなるスイッチを二つ設け、一方のスイッチを先羽根用駆動部材の作動軌跡内に配置し、他方のスイッチを後羽根用駆動部材の作動軌跡内に配置するようにしたものが知られている。
【0004】
また、上記のように二つのスイッチを設けず、一つのスイッチを設けるだけで、先羽根用駆動部材の異常作動と後羽根用駆動部材の異常作動の両方を検出できるようにしたものが、特開平8−304876号公報で知られている。そして、その構成は、撮影時に、先羽根用電磁石の吸引力不足によって先羽根用駆動部材が所定のタイミングよりも早く作動を開始した場合には、そのタイミングが早かったことを検出して、異常作動が行なわれたことを認識できるようにし、後羽根用電磁石の吸引力不足によって、後羽根用駆動部材が先羽根用駆動部材よりも先に作動を開始してしまった場合には、後羽根用駆動部材によって作動させられる後羽根のアームが先羽根用駆動部材を押し、所定のタイミングよりも早く先羽根用駆動部材を作動させることによって、異常作動が行なわれたことを認識できるようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した二つの従来例のうち前者の従来例は、スイッチを二つ設けることにより独立した接点部材を四つも必要としているため、部品点数のうえで改善の余地がある。また、それらの接点部材を一つ一つプリント配線板等に手作業でハンダ付けしなければならないため、作業工数の点からも問題である。その点、後者の従来例は、スイッチを一つ設けるだけであるから、接点部材が二つでよく、その点だけを比較した場合には、前者の従来例よりも明らかに有利である。しかしながら、その反面、そのほかの点で、性能的,コスト的に配慮しなければならないこともないわけではない。
【0006】
即ち、後者の従来例の場合には、後羽根用電磁石の吸引力不足によって後羽根用駆動部材が所定のタイミングより早く作動を開始した場合、薄くて軽い材料で製作されているアームが、先羽根用駆動部材を強制的に作動させるようにしているため、アームが変形したり破損してしまう可能性がある。そして、もし、そのようなことが生じた場合には、単に電磁石の吸引力不足の原因を取り除けばよいだけでなく、後羽根の修理,交換まで余儀なくさせられる可能性が生じてくる。また、後羽根の一方のアームの面積を大きくする必要があるため、その分だけ、露光作動時における後羽根の走行速度が遅くなり、先羽根とのバランス調整が面倒になる。更に、この種のシャッタの場合には、仕様上の特別な要求がない限り、共通部品化を図るべく先羽根と後羽根のリンク構成を同じにし、地板への組み付けに際しては、向きを変えて取り付ければよいようにしているが、そのような構成にしたい場合でもそれができなくなる分だけコスト面で不利になる。
【0007】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、接点部材の部品点数が最小限で済み、且つ設計上特に先羽根及び後羽根のリンク機構の構成を変えることなく、先羽根用駆動部材と後羽根用駆動部材の異常作動を個別の接点部によって検出できるようにしたカメラ用フォーカルプレンシャッタを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタは、第1接点部を有していてシャッタ地板に対して所定の間隔を空けて取り付けられている金属製の支持板と、第2接点部と前記支持板に対して接触している接触部とを有していて電源に接続されている第1接点部材と、前記第1接点部に接離可能な第3接点部と前記第2接点部に接離可能な第4接点部とを有していて電源に接続されており該第3接点部と前記第1接点部とで第1スイッチを構成し該第4接点部と前記第2接点部とで第2スイッチを構成している第2接点部材と、前記シャッタ地板と前記支持板との間に配置されていてレリーズ後に先羽根用電磁石に対する通電が断たれると先羽根に露光作動を行なわせるための作動を開始しその後前記二つのスイッチの一方を操作する先羽根用駆動部材と、前記シャッタ地板と前記支持板との間に配置されていてレリーズ後に後羽根用電磁石に対する通電が断たれると後羽根に露光作動を行なわせるための作動を開始しその後前記二つのスイッチの他方を操作する後羽根用駆動部材と、を備えていて、前記二つの駆動部材の少なくとも一方が所定の時機より早く前記の作動を開始したときだけ、前記二つのスイッチの少なくとも一方が、その作動を異常作動として検出するようにする。
【0009】
また、本発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタにおいては、前記第1接点部材が前記接触部を有しておらず、前記第1接点部が前記第1接点部材に設けられているようにしてもよい。
【0010】
また、本発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタにおいては、前記二つのスイッチのうち後羽根用駆動部材によって操作されるスイッチが、仲介部材を介して操作されるようにすると、好適な構成となる。
【0011】
更に、本発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタにおいては、前記二つの駆動部材が前記の所定の時機に作動を開始した場合、前記二つのスイッチのうち先羽根用駆動部材によって操作されるスイッチが、フラッシュ発光用のスイッチとして機能し得るようにすると、従来と同様な兼用スイッチが得られる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図1〜図4に示した第1実施例と、図5〜図8に示した第2実施例と、図9〜図12に示した第3実施例とによって説明する。尚、各図は、カメラに組み込まれた状態において被写体側から視たときの左側の一部分だけを示した平面図であって、図1,図5,図9は、露光作動終了直後の状態を示したものであり、図2,図6,図10は、セット状態を示したものであり、図3,図7,図11は、先羽根群の露光作動は終了したが後羽根群は未だ露光作動を開始していない状態を示したものであり、図4,図8,図12は、後羽根用駆動部材の異常作動の検出状態を示したものである。
【0013】
また、各実施例において共通する部材及び部位には、夫々の図面において同じ符号を用いている。また、各実施例の構成の説明にあたっては、被写体側を表面側と称し、フィルム面等の結像面側を背面側と称することにする。更に、各実施例においては、先羽根と後羽根が、各々二つのアームと、それらに枢支された複数枚の羽根とで構成されている。従って、各実施例の説明に際しては、それらの先羽根と後羽根を、先羽根群,後羽根群と称することにする。
【0014】
[第1実施例]
先ず、本実施例の構成を説明する。図1において、シャッタ地板1の略中央部には長方形を横長にした開口部1aが形成されている。しかし、上記したように、図1はシャッタを被写体側から視て左側の部分だけを示したものであるから、その開口部1aについても、左側の一部だけが示されている。また、図示していないが、シャッタ地板1の背面側には、所定の間隔を空けて、中間板と補助地板が順に取り付けられており、シャッタ地板1と中間板との間に先羽根群の羽根室を形成し、中間板と補助地板との間に後羽根群の羽根室を形成している。そして、中間板と補助地板にも、開口部1aと類似の開口部が形成されていて、通常は、それらの三つの開口部を重ね合わせて露光開口を規制するようにしているが、本実施例においては、開口部1aの形状が露光開口を規制しているものとして説明する。
【0015】
開口部1aの左側には、円弧状の二つの長孔1b,1cが形成されており、それらの下方端部には、平面形状が略C字状をした周知の緩衝部材2,3が取り付けられている。また、シャッタ地板1の表面側には、軸1d,1e,1f,1g,1hが立設され、背面側には、軸1i,1jが立設されているが、それらのうち、軸1d,1eは背面側に突き出ていて、そこにも軸部を形成している。また、表面側に立設されている軸1d,1e,1f,1g,1hの先端部は小径部となっていて、それらのうち、軸1g,1hの先端面には、ねじ孔1g1,1h1が形成されている。そして、一点鎖線で示した支持板4と二点鎖線で示したプリント配線板5とは、支持板4をシャッタ地板1側にして重ね、それらに形成されている位置決め孔を、軸1d,1e,1f,1g,1hの小径部に嵌合させ、ねじ孔1g1,1h1に、図示していないビスを夫々螺合させることによって取り付けられている。
【0016】
その支持板4は、比較的薄い導電性の金属板で製作されており、上記した位置決め孔のほかにも、シャッタ地板1側に折り曲げられた沢山の折曲部が設けられている。そして、それらの折曲部の一部には、特開平9−133944号公報に記載されている方法に準じて、先羽根用電磁石と後羽根用電磁石が取り付けられているが、各図においては、夫々の電磁石の鉄芯部材6,7のみが一点鎖線で示されている。また、その鉄芯部材6,7は、上記の公報の記載からも分かるように、実際にはコ字状をしていて、二つの磁極部の一方にはボビンに巻回されたコイルを嵌装している。更に、二つの折曲部がラチェット爪4a,4bとして形成されており、一つの折曲部がスイッチ用の接点部4cとして形成されている。
【0017】
また、上記のプリント配線板5には、その背面側に二つの接点部材8,9が取り付けられているが、便宜上、それらの接点部材8,9についても、プリント配線板5と同様に二点鎖線で示してある。そして、一方の接点部材8は、一部を折り曲げてスイッチ用の接点部8aを形成し、且つ軸1hの近傍で支持板4に接触させた接触部8bを有している。また、もう一つの接点部材9には、二つの折曲部がスイッチ用の接点部9a,9bとして形成されており、接点部9aは上記の接点部8aと第1スイッチを構成し、接点部9bは上記の接点部4cと第2スイッチを構成している。そして、その第1スイッチは、後述の説明から分かるように、フラッシュ用のシンクロスイッチと異常作動検出用のスイッチの両方を兼ねるようになっている。
【0018】
シャッタ地板1の表面側において、軸1dには、シャッタ地板1側から、先羽根用駆動部材10と、ラチェット部材11とが、個々に回転可能に取り付けられている。先羽根用駆動部材10は、合成樹脂製であって、被押動部10aと、駆動ピン10bと、取付部10cと、その取付部10cの表面側に形成された押動部10dとを有している。それらのうち、駆動ピン10bは、背面側に設けられており、根元部の断面形状がD字形をし、先端部の断面形状が小判型をしている。そして、その根元部は緩衝部材2に当接し得るようになっていて、先端部は長孔1bを貫通し、シャッタ地板1の背面側に突き出ている。また、取付部10cの内部には、図示していないばねを介在させて鉄片部材12が取り付けられているが、その具体的な取付け構成は周知であって、且つ本発明とは直接関係がないので、その詳細な説明を省略する。更に、押動部10dは、上記の接点部9aを押し、接点部8aに接触させ得るようになっている。
【0019】
また、周知であるため図示していないが、先羽根用駆動部材10とラチェット部材11の間には、先羽根用駆動ばねが掛けられている。そして、その先羽根用駆動ばねは、先羽根用駆動部材10を時計方向へ回転させるように付勢している。従って、その付勢力は、ラチェット部材11に対しては反時計方向へ回転させるように作用しているが、その回転は、上記したラチェット爪4aの先端が、ラチェット部材11の外周面に形成されたラチェット歯に係合し、阻止されるようになっている。尚、このような構成は周知であって、製作時において、ラチェット爪4aを撓ませ、それに係合するラチェット歯を選択することによって、先羽根用駆動ばねの付勢力が調整できるようになっている。
【0020】
シャッタ地板1の表面側において、軸1eには、シャッタ地板1側から、後羽根用駆動部材13と、ラチェット部材14とが、個々に回転可能に取り付けられている。そして、後羽根用駆動部材13は、合成樹脂製であって、被押動部13aと、駆動ピン13bと、取付部13cと、その取付部13cの表面側に設けられた押動部13dとを有している。それらのうち、駆動ピン13bは、断面が円形をしている根元部が緩衝部材3に当接し得るようになっていて、小判型をしている先端部が長孔1cを貫通している。また、取付部13cの内部には、鉄片部材15が、周知のようにして、図示していないばねを介在させて取り付けられている。更に、押動部13dは、上記の接点部9bを押し、接点部4cに接触させ得るようになっている。
【0021】
更に、後羽根用駆動部材13とラチェット部材14との間には、図示していない後羽根用駆動ばねが掛けられていて、後羽根用駆動部材13を時計方向へ回転させるように付勢している。そして、ラチェット部材14の外周面に形成されたラチェット歯には、支持板4のラチェット爪4bが、上記したラチェット部材11とラチェット爪4aの場合と同様にして、係合している。
【0022】
シャッタ地板1の軸1fには、合成樹脂製のセット部材16が回転可能に取り付けられている。このセット部材16は、図示していない復帰ばねの付勢力によって、反時計方向へ回転するように付勢されているが、図1においては、その回転を図示していないストッパによって阻止されている。以下、セット部材16については、この位置を初期位置と称することにする。また、このセット部材16は、押動部16a,16bと、被押動部16cとを有していて、図1において時計方向へ回転したとき、押動部16aは先羽根用駆動部材10の被押動部10aを押し、押動部16bは後羽根用駆動部材13の被押動部13aを押すようになっている。
【0023】
次に、シャッタ地板1の背面側に配置されている先羽根群と後羽根群の構成を説明する。先ず、先羽根群は、軸1dの背面側の軸部と軸1iとに対して回転可能に取り付けられている二つのアーム17,18と、それらの先端部に向けて順に枢支された複数枚の羽根とで構成されている。しかし、その具体的な枢支構成は周知であるため、本実施例においては、図面を見易くするために、それらのアーム17,18の最先端部に枢支されたスリット形成羽根19だけを示している。そして、アーム17に形成された孔には、上記の駆動ピン10bが嵌合している。他方、後羽根群は、軸1eの背面側の軸部と軸1jとに対して回転可能に取り付けられた二つのアーム20,21と、それらの先端部に向けて順に枢支された複数枚の羽根とで構成されているが、本実施例においては、アーム20,21の最先端部に枢支されたスリット形成羽根22だけを示している。そして、アーム20に形成された孔には、上記の駆動ピン13bが嵌合している。
【0024】
次に、本実施例の作動を説明する。図1は、露光作動終了直後の状態を示している。従って、先羽根用駆動部材10は、図示していない先羽根用駆動ばねの付勢力によって時計方向へ回転されていて、駆動ピン10bを緩衝部材2に当接させることにより、この停止状態が維持されている。また、第1スイッチを構成している二つの接点部8a,9aは、接点部9aが先羽根用駆動部材10の押動部10dに押されることによって接触させられている。そして、スリット形成羽根19しか示していない先羽根群の複数枚の羽根は、重畳されて開口部1aの下方位置に格納されている。
【0025】
他方、後羽根用駆動部材13は、図示していない後羽根用駆動ばねの付勢力によって時計方向へ回転されていて、駆動ピン13bを緩衝部材3に当接させることにより、停止状態が維持されている。このとき、第2スイッチを構成している二つの接点部4c,9bは、接点部9bが後羽根用駆動部材13の押動部13dに押されることによって接触させられている。そして、スリット形成羽根22しか示していない後羽根群の複数枚の羽根は、展開されて開口部1aを覆っている。
【0026】
本実施例のセット作動は、図示していないカメラ本体側の部材がセット部材16を時計方向へ回転させることによって行なわれる。即ち、カメラ本体側の部材がセット部材16の被押動部16cを押し、図示していない復帰ばねの付勢力に抗して時計方向へ回転させると、先ず、セット部材16の押動部16aが先羽根用駆動部材10の被押動部10aを押し、先羽根用駆動ばねの付勢力に抗して反時計方向へ回転させていく。また、この回転によって、接点部9aに対する押動部10dによる押圧力が解かれていくので、接点部9aが自己の弾性によって接点部8aから離れていく。他方、先羽根用駆動部材10の駆動ピン10bがアーム17を反時計方向へ回転させるので、先羽根群の複数枚の羽根は展開されつつ上方へ移動していく。
【0027】
その後、先羽根群のスリット形成羽根19と、後羽根群のスリット形成羽根22との重なり量が所定量に達すると、セット部材16の押動部16bが被押動部13aを押し、後羽根用駆動部材13を反時計方向へ回転させていく。そのため、この回転によって、接点部9bに対する押動部13dによる押圧力が解かれていくので、接点部9bが自己の弾性によって接点部4cから離れていく。他方、駆動ピン13bがアーム20を反時計方向へ回転させるので、後羽根群の複数枚の羽根は重なり量を大きくしつつ上方へ移動されていく。
【0028】
そして、その後、各駆動部材10,13に取り付けられた鉄片部材12、15が、各電磁石の鉄芯部材6,7に接触すると、その直後にセット部材16の回転が停止される。その停止状態が、図2に示されたセット状態であり、このとき、後羽根群の複数枚の羽根は重畳状態となって開口部1aの上方位置に格納されており、先羽根群の複数枚の羽根は展開状態となって開口部1aを覆っている。そして、セット部材16は、次の撮影が行なわれるまで、その状態を維持されている。
【0029】
次の撮影に際して、カメラのレリーズボタンが押されると、先ず、各電磁石のコイルに通電され、鉄片部材12,15が鉄芯部材6,7に吸着保持される。次に、図示していないカメラ本体側の部材が、セット部材16の被押動部16cに対する押圧力を解いていくので、セット部材16は、図示していない復帰ばねの付勢力によって反時計方向へ回転され、初期位置へ復帰する。その後、最初に先羽根用電磁石のコイルに対する通電が断たれ、所定時間後には後羽根用電磁石に対する通電が断たれることになるが、先ずは、フラッシュ撮影モードで行なわれる露光作動を説明する。
【0030】
先羽根用電磁石のコイルに対する通電が断たれると、鉄片部材12に対する鉄芯部材6の吸引力が失われ、先羽根用駆動部材10は、図示していない先羽根用駆動ばねの付勢力によって時計方向へ急速に回転させられる。そのため、駆動ピン10bがアーム17を時計方向へ回転させるので、先羽根群の複数枚の羽根は下方へ移動し、スリット形成羽根19の上端縁によって開口部1aを開放していく。そして、開口部1aを全開にした段階になると、先羽根用駆動部材10の押動部10dが接点部材9の接点部9aを押し、接点部材8の接点部8aに接触させる。そのため、第1スイッチがオン状態となってフラッシュを発光させる。そして、略同時に、駆動ピン10bが緩衝部材2に当接し、先羽根用駆動部材10と先羽根群の作動が停止する。その状態が図3に示されている。
【0031】
その後、後羽根用電磁石のコイルに対する通電が断たれると、鉄片部材15に対する鉄芯部材7の吸引力が失われ、後羽根用駆動部材13は、図示していない後羽根用駆動ばねの付勢力によって時計方向へ急速に回転させられる。それによって、駆動ピン13bがアーム20を時計方向へ回転させるので、後羽根群の複数枚の羽根は、重なり量を小さくしつつ下方へ移動し、スリット形成羽根22の下端縁によって開口部1aを覆っていく。そして、開口部1aを完全に覆った段階になると、後羽根用駆動部材13の押動部13dが接点部材9の接点部9bを押し、支持板4の接点部4cに接触させるが、この場合には、レリーズ後の予め決められている時間を既に経過してしまっているので、そのようにして第2スイッチがオン状態になっても、そのオン信号は無視される。そして、その直後には、駆動ピン13bが緩衝部材3に当接して、後羽根用駆動部材13と後羽根群の作動が停止し、撮影が終了する。その状態が図1に示されている。
【0032】
フラッシュ撮影モードでなく、通常の撮影モードで撮影する場合は、先羽根群が開口部1aを開放(全開)状態にする前に後羽根群の露光作動を開始させるようにする場合が多い。従って、その場合には、先羽根用駆動部材10と後羽根用駆動部材13が、図示していない先羽根用駆動ばねと後羽根用駆動ばねの付勢力によって、相次いで急速に時計方向へ回転させられ、各駆動ピン10b,13bによって、各アーム17,20を時計方向へ回転させることになる。そのため、先羽根群のスリット形成羽根19と後羽根群のスリット形成羽根22とで形成されるスリットにより、結像面の露光が行なわれていく。
【0033】
そして、露光作動の終了段階になると、先ず、先羽根用駆動部材10が、その押動部10dで第1スイッチをオン状態にしてから、駆動ピン10bを緩衝部材2に当接させて停止し、続いて、後羽根用駆動部材13が、その押動部13dで第2スイッチをオン状態にしてから、駆動ピン13bを緩衝部材3に当接させて停止する。但し、この場合には、第1スイッチがオン状態となっても、フラッシュ撮影モードではなく、しかも、レリーズ後の予め決められている時間を既に経過してしまっているので、そのオン信号は無視される。また、第2スイッチもオン状態になるが、フラッシュ撮影モードの場合と同様に、レリーズ後の予め決められている時間を既に経過してしまっているので、そのオン信号も無視される。
【0034】
次に、各駆動部材10,13が異常作動を行なった場合を説明するが、先ずは、先羽根用駆動部材10のみが異常作動を行なった場合について説明する。図2の状態において、カメラのレリーズボタンが押されると、各電磁石に対して通電が行なわれる。その後、上記したようにして、セット部材16が反時計方向へ回転すると、先ず、セット部材16の押動部16bが後羽根用駆動部材13の被押動部13aから離れるが、鉄片部材15が鉄芯部材7に確実に吸着されているので、後羽根用駆動部材13は、露光作動開始位置に保持される。
【0035】
セット部材16の押動部16bが後羽根用駆動部材13の被押動部13aから離れた後、セット部材16の押動部16aが先羽根用駆動部材10の被押動部10aから離れる。そのとき、鉄片部材12が鉄芯部材6に十分に吸着保持されていないと、先羽根用駆動部材10は、先羽根用電磁石に対する通電の正規の遮断時機を待たずに、上記したセット部材16の初期位置への復帰作動に追従して、先羽根用駆動ばねの付勢力によって時計方向へ大きく回転してしまう。そのため、先羽根群のスリット形成羽根19が開口部1aを全開にした段階で、先羽根用駆動部材10の押動部10dが接点部材9の接点部9aを押し、接点部材8の接点部8aに接触させ、第1スイッチをオン状態にしてしまう。
【0036】
しかし、フラッシュ装置は、先羽根用電磁石に対する通電を遮断する正規の時機から機能し得るようになっているため、たとえフラッシュ撮影のモードになっていたとしても、フラッシュを発光させてしまうことがない。逆に、所定の時機よりも早く第1スイッチがオン状態になった場合には、その瞬間に異常検出回路が機能し、その後に、先羽根用電磁石に対する正規の遮断時機が到来しても、フラッシュ装置が機能しないようにしてしまう。そのため、所定の時機よりも早く第1スイッチがオン状態になった場合には、そのオン信号によって、異常作動が行なわれたことを表示装置に表示し、撮影者に認識させるようにする。他方、後羽根用駆動部材13の方は、その後に正規の作動を開始させられるので、既に説明したように、第2スイッチがオン状態になっても、そのオン信号を無視され、図1に示された状態となる。
【0037】
次に、後羽根用駆動部材13のみが異常作動を行なった場合について説明する。図2の状態において、カメラのレリーズボタンが押されると、各電磁石に対して通電が行なわれる。その後、セット部材16が、反時計方向へ回転させられる。そして、セット部材16の押動部16bが後羽根用駆動部材13の被押動部13aから離れる段階になると、鉄片部材15が鉄芯部材7によって十分に吸着保持されていないため、後羽根用駆動部材13は、後羽根用電磁石に対する通電の正規の遮断時機を待たずに、セット部材16の初期位置への復帰作動に追従して、後羽根用駆動ばねの付勢力によって時計方向へ大きく回転してしまう。
【0038】
そのため、後羽根群のスリット形成羽根22が開口部1aを正規に閉鎖したときと同じ段階で、後羽根用駆動部材13の押動部13dが接点部材9の接点部9bを押し、支持板4の接点部4cに接触させ、第2スイッチをオン状態にしてしまう。そして、このように、後羽根用駆動部材13が、正規に露光作動を開始するときの最も早い時機よりも早く作動を開始し、第2スイッチをオン状態にした場合には、異常検出回路が機能し、異常作動が行なわれたことを表示装置に表示し、撮影者に認識させるようにする。そのときの状態が図4に示されている。また、そのようにして異常検出回路が機能すると、たとえフラッシュ撮影モードになっていて、先羽根用駆動部材10が正規の時機に作動を開始した場合でも、第1スイッチのオン状態は無視され、フラッシュが発光されないようにしてしまう。
【0039】
最後に、先羽根用駆動部材10と後羽根用駆動部材13の両方が異常作動を行なった場合について説明をしておく。その場合には、これまでの説明からも分かるように、後羽根用駆動部材13の異常作動が先に開始されるので、後羽根用駆動部材13のみが異常作動を行なったときの上記の説明に準じて異常検出が行なわれる。しかし、本発明は、そのような実施態様に限定されるない。即ち、先羽根用駆動部材10の異常作動が先に開始されるような構成にしても差し支えないし、実際上は難しいが、二つの駆動部材10,13が同時に異常作動を開始するような構成にしても構わない。また、第2スイッチは、後羽根用駆動部材13のどの作動位置でオン状態にされても構わないものであるし、第1スイッチも、フラッシュ用スイッチと兼用にしない場合は、先羽根用駆動部材13のどの作動位置でオン状態にされても構わないものである。しかし、いずれの場合であっても、異常作動は、正規に作動を開始する場合よりも早い時機に作動を開始するので、第1スイッチと第2スイッチの少なくとも一方がオン状態となったときには、異常検出回路が機能し、異常作動が行なわれたことを表示装置に表示することになる。
【0040】
尚、本実施例においては、接点部材8の接点部8aと接点部材9の接点部9aで第1スイッチを構成し、接点部材9の接点部9bと支持板4の接点部4cとで第2スイッチを構成しているが、支持板4の接点部4cを接点部9aの近傍位置に設けて、接点部4cと接点部9aによって第1スイッチを構成し、他方、接点部材8の接点部8aを接点部9bの近傍位置まで延伸させ、接点部8aと接点部9bによって第2スイッチを構成するようにしても差し支えない。また、本実施例における第1スイッチと第2スイッチは、第1スイッチが先羽根用駆動部材10の検出を行ない、第2スイッチが後羽根用駆動部材13の位置検出を行なうものとしているが、上記のように構成しても差し支えないことから、請求項の記載における第1スイッチと第2スイッチは、同じ表現にはなっていても、本実施例の態様における第1スイッチと第2スイッチに限定されるものではない。このことは、後述する他の実施例の場合も同じである。
【0041】
[第2実施例]
次に、図5〜図8を用いて,第2実施例を説明する。本実施例の構成は、その殆どが第1実施例の構成と同じである。そのため、実質的に同じ部材,部位には同じ符号を付け、それらについての説明を省略することとし、異なる点だけを説明する。本実施例においては、シャッタ地板1の軸1fに、セット部材16のほか仲介部材23が取り付けられている。そして、セット部材16と仲介部材23とは個々に回転可能であり、セット部材16がシャッタ地板1側に配置され、仲介部材23が支持板4側に配置されている。
【0042】
また、この仲介部材23は、被押動部23aと押動部23bとを有していて、図示していない弱いばねによって時計方向へ回転するように付勢されているが、その回転は、支持板4に設けられた折曲部4dによって阻止され得るようになっている。そして、その被押動部23aは、後羽根用駆動部材13の押動部13dの作動軌跡内に臨まされている。尚、上記のように仲介部材23を付勢しているばねは、図6の状態において、接点部9が、仲介部材23の押動部23bによって操作されない程度の弾性を有している場合には、必ずしも必要とするものではない。
【0043】
また、第1実施例においては、支持板4の接点部4cが、図面上、軸1fの上方位置に設けられていたが、本実施例においては、支持板4の形状を変えることによって、軸1fの右下方位置に設けている。更に、第1実施例においては、接点部材9の接点部9bが、図面上、軸1fの上方位置に配置されていたが、本実施例においては、軸1fの右下方位置において、支持板4の接点部4cと仲介部材23の押動部23bとの間に配置されている。そして、この構成の特徴は、接点部9bを有している折曲部を短く形成できることにあり、このように構成することによって、接点部材9をプリント配線板5にハンダ付けするとき、第1実施例の場合よりも、接点部9a,9bの位置決めが容易となり、作業性が良好となる。更に、その折曲部を短くしたことにより、振動等によって、第2スイッチが偶然オン状態になってしまうという恐れがなくなる。
【0044】
次に、本実施例の作動を説明する。但し、本実施例における、先羽根用駆動部材10と先羽根群との作動、及び後羽根用駆動部材13と後羽根群との作動は、第1実施例の場合と何ら変わらない。また、セット部材16と各駆動部材10,13との関係も同じである。更に、接点部8a,9aで構成される第1スイッチと、接点部4c,9bで構成される第2スイッチのオン,オフ時機も全く同じである。そのため、以下の作動説明は簡略化して行なうものとし、説明されていないところについては、第1実施例の説明に準じるものとする。尚、既に説明したように、本実施例に用いられている図5〜図8は、第1実施例における図1〜図4に夫々対応した状態を示している。
【0045】
図5は、露光作動終了直後の状態を示している。従って、第1スイッチを構成している二つの接点部8a,9aは、第1実施例の場合と全く同様にして、接点部9aが先羽根用駆動部材10の押動部10dに押されて接触させられている。他方、第2スイッチを構成している二つの接点部4c,9bは、後羽根用駆動部材13の押動部13dが、仲介部材23の被押動部23aを図示していないばねの付勢力に抗して押し、それによって仲介部材23の押動部23bが接点部9bを押すことによって接触させられている。そして、言うまでもなく、この状態においては、先羽根群の複数枚の羽根は重畳されて開口部1aの下方位置に格納され、後羽根群の複数枚の羽根は展開されて開口部1aを覆っている。
【0046】
セット作動に際して、セット部材16が時計方向へ回転させられると、先ず、先羽根用駆動部材10が反時計方向へ回転させられるが、このとき、接点部9aに対する押動部10dの押圧力が解かれるので、接点部9aは接点部8aから離れ、また、先羽根群の複数枚の羽根は展開されつつ上方へ移動していく。その後、セット部材16によって後羽根用駆動部材13も反時計方向へ回転させられるが、この回転によって、押動部13dによる被押動部23aに対する押圧力が解除されるので、仲介部材23は、図示していないばねの付勢力によって折曲部4dに阻止されるまで時計方向へ回転する。そして、その過程において、接点部9bに対する押動部23bによる押圧力が解かれるので、接点部9bが自己の弾性によって接点部4cから離れる。他方、後羽根群の複数枚の羽根は重なり量を大きくしつつ上方へ移動されて行き、図6のセット状態になったときには、先羽根群の複数の羽根が開口部1aを覆うようになる。
【0047】
次の撮影に際して、カメラのレリーズボタンが押されると、先ず、各電磁石のコイルに通電され、次に、セット部材16が初期位置へ復帰する。その後、最初に先羽根用電磁石のコイルに対する通電が断たれ、所定時間後には後羽根用電磁石に対する通電が断たれることになるが、フラッシュ撮影モードのときだけは、必ず、先羽根群のスリット形成羽根19が開口部1aを完全に全開にしてから、後羽根群のスリット形成羽根22が開口部1aを覆い始めるようにさせられる。
【0048】
そして、フラッシュ撮影モードのときには、スリット形成羽根19が開口部1aを全開にしたときに、第1スイッチによりフラッシュを発光させ、その直後に、先羽根用駆動部材10が停止させられる。その停止状態が図7に示されている。その後、後羽根用駆動部材13が作動させられると、その作動終了段階において、押動部13dが、仲介部材23の被押動部23aを、図示していないばねの付勢力に抗して押す。それによって仲介部材23の押動部23bが接点部9bを押し、第2スイッチをオン状態にする。しかしながら、この場合には、予め決められている時間を経過した後にオン状態となったので、そのオン信号は無視される。そして、その直後には、後羽根用駆動部材13の作動が停止され、図5に示された状態となる。また、通常の撮影モードの場合には、上記のようにして第1スイッチがオン状態になってもフラッシュが発光されないようにされていて、第2スイッチについては、フラッシュ撮影モードの場合と同様に、オン信号を無視される。
【0049】
次に、各駆動部材10,13が異常作動を行なった場合を説明するが、先羽根用駆動部材10のみが異常作動を行なった場合は、上記の第1実施例の場合と全く同じである。そこで、後羽根用駆動部材13のみが異常作動を行なった場合について説明する。図6の状態において、カメラのレリーズボタンが押されると、各電磁石に対して通電が行なわれ、その後、セット部材16が、反時計方向へ回転させられる。そして、セット部材16の押動部16bが後羽根用駆動部材13の被押動部13aから離れると、鉄片部材15に対する保持力不足によって、後羽根用駆動部材13は、後羽根用電磁石に対する通電の正規の遮断時機を待つことなく、図示していない後羽根用駆動ばねの付勢力によって時計方向へ回転させられてしまう。
【0050】
そのため、後羽根群のスリット形成羽根22が開口部1aを正規に閉鎖したときと同じ段階で、後羽根用駆動部材13の押動部13dが仲介部材23の被押動部23aを押し、第2スイッチをオン状態にしてしまう。そして、後羽根用駆動部材13が、正規に露光作動を開始するときの一番早い時機よりも早く、第2スイッチがオン状態になったので、この場合には異常検出回路が機能し、異常作動が行なわれたことを表示装置に表示し、撮影者に認識させる。そのときの状態が図8に示されている。また、そのようにして異常検出回路が機能すると、たとえフラッシュ撮影モードになっていて、先羽根用駆動部材10が正規の時機に作動を開始した場合でも、第1スイッチのオン状態は無視され、フラッシュが発光されないようにしてしまう。尚、先羽根用駆動部材10と後羽根用駆動部材13の両方が異常作動を行なった場合の説明は、第1実施例についての説明と同じである。
【0051】
[第3実施例]
次に、図9〜図12を用いて,第3実施例を説明する。本実施例の構成も、その殆どが第1実施例の構成と同じである。そのため、実質的に同じ部材,部位には同じ符号を付け、それらについての説明を省略することにし、異なる点だけを説明する。本実施例においては、支持板4に、第1実施例と第2実施例においては設けられていた接点部4cが設けられていない。また、接点部材8には、第1実施例において設けられていた接触部8bが設けられていない。そのため、支持板4と接点部材8とは電気的に接続しない構成になっている。その代わり、接点部材8は、図面上、上方へ長く延伸していて、その先端を折り曲げて接点部8cを形成している。従って、本実施例の場合には、接点部8cと接点部9bが第2スイッチを構成しており、電気的に極めて効率的な構成になっている。
【0052】
次に、本実施例の作動を説明するが、本実施例の場合にも、全体構成は第1実施例の場合と大きく変わっておらず、第2実施例の場合と同様に、第2スイッチ関連の構成が変わっているだけである。そして、接点部8a,9aで構成される第1スイッチと、接点部8c,9bで構成される第2スイッチのオン,オフ時機も全く同じである。そのため、以下の作動説明は簡略的に行ない、説明されていないところについては、第1実施例の説明に準じるものとする。尚、本実施例に用いられている図9〜図12は、第1実施例における図1〜図4に夫々対応した状態を示している。
【0053】
図9は、露光作動終了直後の状態を示している。従って、第1スイッチを構成している二つの接点部8a,9aは、第1実施例の場合と全く同じ状態である。他方、第2スイッチを構成している二つの接点部8c,9bも、第1実施例における二つの接点部4c,9bの場合と実質的に同じ状態である。そして、この状態においては、先羽根群の複数枚の羽根は重畳されて開口部1aの下方位置に格納され、後羽根群の複数枚の羽根が展開されて開口部1aを覆っている。
【0054】
セット作動に際して、セット部材16が時計方向へ回転させられると、先ず、先羽根用駆動部材10が反時計方向へ回転させられて接点部9aが接点部8aから離れ、また、先羽根群の複数枚の羽根は展開されつつ上方へ移動していく。その後、セット部材16が後羽根用駆動部材13も反時計方向へ回転させるので、接点部9bが接点部8cから離れ、また、後羽根群の複数枚の羽根は重畳されつつ上方へ移動して、図10のセット状態になったときには、先羽根群の複数の羽根が開口部1aを覆うようになる。
【0055】
次の撮影に際して、カメラのレリーズボタンが押されると、先ず、各電磁石のコイルに通電され、次に、セット部材16が初期位置へ復帰し、その後、最初に先羽根用電磁石のコイルに対する通電が断たれ、所定時間後には後羽根用電磁石に対する通電が断たれる。そして、フラッシュ撮影モードのときには、開口部1aを全開にした状態で第1スイッチがオン状態となりフラッシュを発光させ、先羽根用駆動部材10は停止させられる。その停止状態が図11に示されている。その後、後羽根用駆動部材13が作動させられると、その作動終了段階において、押動部13dが接点部9bを押し、第2スイッチをオン状態にする。しかしながら、この場合には、そのオン信号は無視される。そして、その直後には、後羽根用駆動部材13が停止され、図9に示された状態となる。また、通常の撮影モードの場合には、第1スイッチがオン状態になってもフラッシュが発光されず、第2スイッチについては、フラッシュ撮影モードの場合と同じに、そのオン信号が無視される。
【0056】
次に、各駆動部材10,13が異常作動を行なった場合を説明するが、この場合にも第1実施例の場合と実質的に同じようにして、異常検出が行なわれる。即ち、先羽根用駆動部材10のみが異常作動を行なった場合は、第1実施例の場合と全く同じようにして異常検出が行なわれる。また、後羽根用駆動部材13のみが異常作動を行なった場合にには、カメラのレリーズ後、各電磁石に通電され、セット部材16が反時計方向へ回転させられると、その押動部16bが後羽根用駆動部材13の被押動部13aから離れることによって、後羽根用駆動部材13が直ちに時計方向へ回転させられる。そして、押動部13dが接点部9bを接点部8cに押し付けることによって第2スイッチをオン状態にさせる。
【0057】
それによって、後羽根用駆動部材13が正規に露光作動を開始したときよりも早く作動したことを異常検出回路が検出し、表示装置に表示して撮影者に認識させる。そのときの状態が図12に示されている。また、そのようにして異常検出回路が機能した場合には、たとえフラッシュ撮影モードになっていて、且つ先羽根用駆動部材10が正規の時機に作動を開始した場合でも、第1スイッチのオン状態は無視され、フラッシュが発光されないようにしてしまう。尚、先羽根用駆動部材10と後羽根用駆動部材13の両方が異常作動を行なった場合の説明は、第1実施例についての説明と同じである。
【0058】
尚、周知のように、フォーカルプレンシャッタには、露光作動開始直前の状態において、各駆動部材を各電磁石の吸引力によって直接保持してしまうようにしたダイレクトタイプと、係止部材によって保持しておき電磁石がその保持を解除するようにした係止タイプとが知られている。上記の各実施例は、いずれも、それらのうちのダイレクトタイプのシャッタの場合で説明したが、本発明は、係止タイプのものにも適用することが可能である。また、フォーカルプレンシャッタの中には、セット状態において、先羽根と後羽根の両方で露光開口を覆っているようにした二重遮光方式と称されているシャッタが知られているが、本発明は、そのような構成のシャッタにも適用することが可能である。更に、本発明は、フイルム使用のスチルカメラのみならず、デジタルスチルカメラ用のフォーカルプレンシャッタにも適用することが可能である。
【0059】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、従来の先羽根と後羽根のリンク構成を全く変形させる必要がなく、しかも、先羽根用駆動部材の異常作動を検出するスイッチと、後羽根用駆動部材の異常作動を検出するスイッチとを、二つの接点部材を設けるだけで構成できるため最小の部品点数で済み、且つ一方のスイッチをフラッシュ用のスイッチと兼用させた場合には、部品点数の増加を全く必要としないという特徴を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】被写体側から視て略左半分だけを示した第1実施例の平面図であって、露光作動を終了した直後の状態を示したものである。
【図2】図1と同じようにして示した第1実施例の平面図であって、セット状態を示したものである。
【図3】図1と同じようにして示した第1実施例の平面図であって、先羽根群は露光作動を終了したが、後羽根群は未だ露光作動を開始していない状態を示したものである。
【図4】図1と同じようにして示した第1実施例の平面図であって、後羽根用駆動部材の異常作動の検出状態を示したものである。
【図5】被写体側から視て略左半分だけを示した第2実施例の平面図であって、露光作動を終了した直後の状態を示したものである。
【図6】図5と同じようにして示した第2実施例の平面図であって、セット状態を示したものである。
【図7】図5と同じようにして示した第2実施例の平面図であって、先羽根群は露光作動を終了したが、後羽根群は未だ露光作動を開始していない状態を示したものである。
【図8】図5と同じようにして示した第2実施例の平面図であって、後羽根用駆動部材の異常作動の検出状態を示したものである。
【図9】被写体側から視て略左半分だけを示した第3実施例の平面図であって、露光作動を終了した直後の状態を示したものである。
【図10】図9と同じようにして示した第3実施例の平面図であって、セット状態を示したものである。
【図11】図9と同じようにして示した第3実施例の平面図であって、先羽根群は露光作動を終了したが、後羽根群は未だ露光作動を開始していない状態を示したものである。
【図12】図9と同じようにして示した第3実施例の平面図であって、後羽根用駆動部材の異常作動の検出状態を示したものである。
【符号の説明】
1 シャッタ地板
1a 開口部
1b,1c 長孔
1d,1e,1f,1g,1h,1i,1j 軸
1g1,1h1 ねじ孔
2,3 緩衝部材
4 支持板
4a,4b ラッチェット爪
4c,8a,8c,9a,9b 接点部
4d 折曲部
5 プリント配線板
6,7 鉄芯部材
8,9 接点部材
8b 接触部
10 先羽根用駆動部材
10a,13a,16c,23a 被押動部
10b,13b 駆動ピン
10c,13c 取付部
10d,13d,16a、16b,23b 押動部
11,14 ラッチェット部材
12,15 鉄片部材
13 後羽根用駆動部材
16 セット部材
17,18,20,21 アーム
19,22 スリット形成羽根
23 仲介部材

Claims (4)

  1. 第1接点部を有していてシャッタ地板に対して所定の間隔を空けて取り付けられている金属製の支持板と、第2接点部と前記支持板に対して接触している接触部とを有していて電源に接続されている第1接点部材と、前記第1接点部に接離可能な第3接点部と前記第2接点部に接離可能な第4接点部とを有していて電源に接続されており該第3接点部と前記第1接点部とで第1スイッチを構成し該第4接点部と前記第2接点部とで第2スイッチを構成している第2接点部材と、前記シャッタ地板と前記支持板との間に配置されていてレリーズ後に先羽根用電磁石に対する通電が断たれると先羽根に露光作動を行なわせるための作動を開始しその後前記二つのスイッチの一方を操作する先羽根用駆動部材と、前記シャッタ地板と前記支持板との間に配置されていてレリーズ後に後羽根用電磁石に対する通電が断たれると後羽根に露光作動を行なわせるための作動を開始しその後前記二つのスイッチの他方を操作する後羽根用駆動部材と、を備えていて、前記二つの駆動部材の少なくとも一方が所定の時機より早く前記の作動を開始したときだけ、前記二つのスイッチの少なくとも一方が、その作動を異常作動として検出するようにしたことを特徴とするカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
  2. 前記第1接点部材が前記接触部を有しておらず、前記第1接点部が前記第1接点部材に設けられていること特徴とする請求項1に記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
  3. 前記二つのスイッチのうち後羽根用駆動部材によって操作されるスイッチが、仲介部材を介して操作されるようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
  4. 前記二つの駆動部材が前記の所定の時機に作動を開始した場合には、前記二つのスイッチのうち先羽根用駆動部材によって操作されるスイッチが、フラッシュ発光用のスイッチとして機能し得るようにしたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
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