JP4131759B2 - フォーカルプレンシャッタ及びフォーカルプレンシャッタを内蔵したカメラ - Google Patents

フォーカルプレンシャッタ及びフォーカルプレンシャッタを内蔵したカメラ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、露光走行を行う羽根群の作動状態を光電検出手段によってチェックすることの可能なフォーカルプレンシャッタ及びフォーカルプレンシャッタを内蔵したカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
通常のフォーカルプレンシャッタにおける先羽根群と後羽根群は、夫々、一端をシャッタ地板に枢着している二つのアームに複数の羽根を順に枢支した平行リンク構成をしていて、各駆動ばねに付勢されて作動する先羽根用駆動部材と後羽根用駆動部材によって、露光走行を行わされるようになっている。また、その露光走行は、先羽根用電磁石と後羽根用電磁石が順次消磁されたときに開始されるようになっている。そのため、電磁石の吸着面に異物が付着したり、電磁石の回路が不意に断たれたり、電磁石への供給電圧が降下したりすると、必要とする電磁石の吸着力が得られず、各羽根群が所定の作動開始時機よりも早く作動を開始してしまうことがある。
【0003】
また、通常の場合、上記の二つの駆動部材は、一つのセット部材によってセット位置へ作動させられるが、セットストローク不足が生じると、一方又は両方の駆動部材がセット位置まで作動されず、所定の作動開始時機ではないのに作動してしまう場合がある。更に、この種のシャッタ機構は、先羽根群と後羽根群の露光走行が長期間安定して得られるように製作されているとはいえ、なに分にも数多くの部品で構成されていることから、先羽根群と後羽根群の露光走行が適正なタイミングで行われなくなってしまう場合もある。
【0004】
そこで、従来より、このような各羽根群の異常作動を検出する方法として、機械的なスイッチ機構を用いるものが特開平9−244098号公報等で知られており、光電センサを用いるものが特開平9−258296号公報等で知られている。また、光電センサを用いるものの中にも、上記した特開平9−258296号公報に記載された第1実施例のように、露光用の開口部から見て、各羽根群のアームの枢着されている側、即ちアームに枢支されている羽根の基部側で検出するようにしたものと、上記した特開平9−258296号公報に記載された第2実施例や、特開平8−211444号公報に記載されているように、露光用の開口部から見て、羽根の先端部側で検出するようにしたものとがある。
【0005】
更に、露光用の開口部から見て羽根の先端部側において、光電センサを用いて検出するようにしたものの中にも、上記した特開平9−258296号公報の第2実施例のように、透過式の光電センサを用いるものと、上記した特開平8−211444号公報に記載されたもののように、反射式の光電センサを用いるものとがある。そして、反射式の光電センサを用いる場合の構成は、通常の場合、上記した特開平8−211444号公報に記載されているように、各羽根群の羽根の先端部が、露光用の開口部を有している中間板(該公報では仕切板)と、羽根の先端部の作動領域にのみ配置されている羽根押さえ板(該公報では仕切板)によって挟まれているため、中間板のみならず羽根押さえ板にも検出光路用の孔が形成されており、それによってカバー板に取り付けられた反射シート(該公報では反射ミラー)からの反射光を検出し得るようになっている。
【0006】
他方、最近ではシャッタ部品の合成樹脂化が進んでいる。そのため、シャッタ地板とカバー板についても合成樹脂化し、しかも、羽根の先端部の作動領域を肉厚に形成することによって、従来、シャッタ地板と中間板の間、及びカバー板と中間板の間において、羽根の先端部の作動領域にのみ配置されていた二つの羽根押さえ板を省略し、構成部品の削減が図られるようになってきた。特開平9−5832号公報には、そのようにした構成が、従来例との比較において理解し易いように開示されている。
【0007】
このような状況において、本発明は、少なくともカバー板を合成樹脂化して羽根の先端部の作動領域を肉厚に形成し、カバー板と中間板の間に配置されていた従来の羽根押さえ板を省略したフォーカルプレンシャッタにおいて、上記した特開平8−211444号公報に記載されているような反射式の光電センサを、好適に配置できるようにしたフォーカルプレンシャッタ及びフォーカルプレンシャッタを内蔵したカメラに関する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、従来は、羽根の先端部の作動領域に羽根押さえ板が配置されていた。そして、中間板とカバー板との間に配置されている羽根群は、作動時には、羽根の先端部が中間板と羽根押さえ板との間で摺動するようになっていた。即ち、羽根の先端部は、カバー板に摺接することがなかった。そのため、従来の薄いカバー板の表面に反射シートを貼り付けても、羽根押さえ板が間に存在していたので、羽根押さえ板を所定の厚さにしておく限り、反射シートは、羽根の作動によって傷付けられたり剥がされたりする心配は殆どなかった。
【0009】
しかしながら、カバー板を合成樹脂化して羽根の先端部の作動領域を肉厚に形成したフォーカルプレンシャッタにおいては、羽根の先端部がカバー板の肉厚部の表面に接触する構成であることから、単にカバー板の表面に反射シートを貼り付けてしまうと、反射シートは、羽根の作動によって傷付けられたり剥がされたりしてしまうことになる。また、それによって羽根の作動が不安定になってしまうことになる。そこで、そのような問題を解決するためには、カバー板の肉厚部に凹部を形成し、反射シートを、その中へ貼り付けるようにすることが考えられ、実際にそのようにした構成も公知になっている。
【0010】
しかし、そのように凹部を形成した場合には、凹部の縁面が羽根の摺動面に対して垂直に形成されているため、羽根の作動時に羽根が撓み、羽根の端面が凹部の縁面に当接してしまうことがある。その場合、凹部の平面形状を極めて小さくすれば、問題は解決されるが、反射シートは所定の面積を必要とすることから、従来は、羽根の作動方向を考慮し、凹部の平面形状を工夫して、この問題を解決することが考えられていた。しかし、凹部の平面形状を工夫して異形にすると、反射シートの形状もそれに合わせなければならいので、コストも上がり且つ貼りづらくなってしまうという問題がある。
【0011】
また、凹部の平面形状に関係なく、必要な大きさで単純な形状の反射シートを用いようとすると、凹部が異形であることから凹部の平面形状が必要以上に大きくなり、単に異形にしただけでは、羽根の端面が凹部の縁面に当接するのを防止できなくなるいという問題がある。更に、そのようにして、反射シートの面積よりも凹部の平面形状が大きくなると、反射シートを、凹部内のどの位置に貼ったらよいのかが分からなくなり、作業が非常に困難になるという問題も発生することになる。
【0012】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、カバー板が合成樹脂で製作され、羽根の先端部の作動領域を肉厚に形成し、その肉厚部に羽根の先端部が摺接するようにした構成のフォーカルプレンシャッタを備えていて、反射式の光電センサによって羽根群の異常作動を検出するのに必要な反射手段を、上記のカバー板に好適に配置できるようにしたフォーカルプレンシャッタ内蔵のカメラを提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明におけるフォーカルプレンシャッタは、開口部を有していて該開口部の側方位置で二組の羽根群のアームを回転可能に取り付けている合成樹脂製のシャッタ地板と、開口部を有していて前記シャッタ地板に所定の間隔を空けて取り付けられている合成樹脂製のカバー板と、前記二つの開口部と重ねて配置される開口部を有していて前記シャッタ地板と前記カバー板との間を仕切って二つの羽根室を形成し該二つの羽根室に前記各羽根群が個別に配置されるようにした中間板と、前記シャッタ地板と前記カバー板のうちの一方の羽根室外に取り付けられていて前記二つの羽根室内に照射し他方に設けられた反射シートから反射した光を検出することによって前記羽根群の少なくとも一方の作動状態を検出する光電検出手段とを備えており、前記シャッタ地板と前記カバー板は、各々、羽根の先端部の摺接する作動領域が肉厚に形成されていて、それらのうちの一方の摺接面には第一凹部が形成されており、該第一凹部は、縁が面取り形状又はR面となるように形成されていると共に、底面に該第一凹部よりも小さくて且つ前記反射シートの平面形状と略同一形状の第二凹部を形成していて、前記反射シートは該第二凹部に取り付けられているようにする。
また、本発明のカメラは、上記のフォーカルプレンシャッタを内蔵しているようにする。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図1〜図5を用いて説明する。尚、図1は第1実施例の分解斜視図にあり、図2は図1のA−A線断面図である。また、図3は反射シートを貼付していない状態における第2実施例の部分斜視図であり、図4は反射シートを貼付した状態における図3の断面図である。更に図5は第2実施例の変形例を示した部分斜視図にある。
【0015】
〔第1実施例〕
先ず、図1及び図2を用いて第1実施例を説明する。シャッタ地板1には、所定の間隔を空けて中間板2,カバー板3が取り付けられ、それらの間に二つの羽根室を構成すると共に、夫々の開口部1a,2a,3aの合成によって略長方形の露光用開口を形成している。これらのうち、シャッタ地板1とカバー板3は合成樹脂製である。そして、カメラ内においては、シャッタ地板1がレンズ側になり、カバー板3が結像面側、即ちフィルムが装填されている場合にはフィルム面側となるようにして配置される。また、シャッタ地板1の表面側には軸1b,1c,1dが立設されており、軸1b,1cには、いずれも合成樹脂製の先羽根用駆動部材4と後羽根用駆動部材5が回転可能に取り付けられ、軸1dには、やはり合成樹脂製のセット部材6が回転可能に取り付けられている。
【0016】
先羽根用駆動部材4と後羽根用駆動部材5は、図示していない先羽根用駆動ばねと後羽根用駆動ばねによって時計方向へ回転するように付勢されており、取付部4a,5aには、図示していない鉄片部材が取り付けられている。セット部材6は、図示していないばねによって反時計方向へ回転するように付勢されていて、シャッタの露光作動終了直後の状態においては、ストッパによって初期位置に停止されている。そして、フィルムが巻き上げられると、カメラ本体側の部材に押されて時計方向に回転し、上記した各駆動部材4,5を反時計方向へ回転させ、セット位置において、上記した各鉄片部材を図示していない夫々の電磁石に接触させるようにする。
【0017】
先羽根群は、シャッタ地板1と中間板2との間に配置されていて、二つのアーム7,8と4枚の羽根9,10,11,12で構成されている。そして、アーム7は、シャッタ地板1の背面側に立設された軸1eに、スリーブ7aを回転可能に嵌合させ、アーム8は、シャッタ地板1の背面側に立設された軸1fに、孔8aを回転可能に嵌合させている。また、4枚の羽根9,10,11,12は、周知のように夫々が二つの連結軸によってアーム7,8に順に枢支されており、羽根9がスリット形成羽根となっている。
【0018】
先羽根用駆動部材4の駆動ピン4bは、シャッタ地板1に形成された円弧状の長孔1gを貫通して、アーム7に形成された長孔7bに嵌合しており、更にその先端はカバー板3に形成された円弧状の長孔3bに嵌合している。従って、先羽根用駆動部材4が、図示していない先羽根用駆動ばねの付勢力によって時計方向へ回転したときには、羽根9,10,11,12は重畳しながら露光用開口から退き、先羽根用駆動部材4がセット部材6に押されて反時計方向へ回転したときには、羽根9,10,11,12は展開しながら露光用開口を覆っていくようになっている。また、シャッタ地板1は、各羽根9,10,11,12の先端部の作動領域だけが、肉厚部1hとして厚く形成されており、各羽根9,10,11,12の平面性を保つと共に、アーム7,8の作動空間を確保し易くしている。
【0019】
他方、後羽根群は、中間板2とカバー板3との間に配置されていて、二つのアーム13,14と4枚の羽根15,16,17,18で構成されている。そして、アーム13は、シャッタ地板1の背面側に立設された軸1iに、そのスリーブ13aを回転可能に嵌合させ、アーム14は、シャッタ地板1の背面側に立設された軸1jに、孔14aを回転可能に嵌合させている。また、4枚の羽根15,16,17,18は、夫々が二つの連結軸によってアーム13,14に順に枢支されているが、アーム13,14と羽根15,16,17,18との重なり関係は、先羽根群の場合と逆になっている。そして、羽根15がスリット形成羽根である。
【0020】
後羽根用駆動部材5の駆動ピン5bは、シャッタ地板1に形成された円弧状の長孔1kを貫通して、アーム13に形成された長孔13bに嵌合しており、その先端はカバー板3に形成された円弧状の長孔3cに嵌合している。従って、後羽根用駆動部材5が、図示していない後羽根用駆動ばねの付勢力によって時計方向へ回転したときには、羽根15,16,17,18は展開しながら露光用開口を覆って行き、後羽根用駆動部材5がセット部材6に押されて反時計方向へ回転したときには、羽根15,16,17,18は重畳しながら露光用開口から退くようになっている。そして、カバー板3は、羽根15,16,17,18の先端部の作動領域だけが、肉厚部3dとして厚く形成されており、羽根15,16,17,18の平面性を保つと共に、アーム13,14の作動空間を確保し易くしている。
【0021】
更に、本実施例においては、先羽根群と後羽根群の作動が検出できるように構成されている。即ち、シャッタ地板1には方形をして貫通した孔1mが形成されていて、その孔1mを塞ぐようにしてフォトリフレクタ19が取り付けられている。また、中間板2にも、対応する位置に方形をし且つ貫通した孔2bが形成されている。更に、カバー板3には、それらの孔1m,2bと略同じ平面形状をした凹部3eが形成されており、その底面に反射シート20が貼付されている。そして、フォトリフレクタ19には、周知のように、発光部と受光部が設けられていて、その発光部から出射された検出光が、カバー板3に貼付された反射シート20で反射され、受光部に入射するように構成されている。
【0022】
次に、本実施例の作動を簡単に説明する。露光作動が終了した直後の状態においては、先羽根群の4枚の羽根9,10,11,12は重畳されて、開口部1aの下方位置に格納されており、後羽根群の4枚の羽根15,16,17,18は展開状態となって開口部1aを覆っている。その状態から、フィルムの巻き上げに連動して、カメラ本体側の部材によって、セット部材6が時計方向へ回転されると、セット部材6は、先ず、先羽根用駆動部材4を、図示していない先羽根用駆動ばねに抗して反時計方向へ回転させる。そのため、先羽根群の4枚の羽根9,10,11,12は、重畳状態から重なり量を減じつつ上方へ展開されていく。
【0023】
そして、セット部材6は、先羽根群のスリット形成羽根9と後羽根群のスリット形成羽根15との重なりが所定量になった段階で、後羽根用駆動部材5を図示していない後羽根用駆動ばねに抗して反時計方向へ回転させ始める。そのため、後羽根群の羽根15,16,17,18は、展開状態から重なり量を大きくしつつ上方へ重畳されていく。このようにして、先羽根群と後羽根群とが一緒に作動され、やがて先羽根群の羽根9,10,11,12が開口部1aを覆った状態になると、各駆動部材4,5に設けられた図示されていない鉄片部材が、相前後して、夫々の電磁石に接触し、その段階でセット部材6の回転が停止される。そして、セット部材6は、カメラ本体側の部材によって、この状態を維持される。
【0024】
次の撮影に際して、カメラのレリーズボタンが押されると、その初期段階において、上記した各電磁石とフォトリフレクタ19に電流が供給される。そのため、上記した鉄片部材が磁気的に吸着保持される。また、フォトリフレクタ19の発光部から出射した光は、反射防止処理をされている先羽根群に当たるため殆ど反射されず、フォトリフレクタ19からはL信号が出力される。その後、セット部材6が、カメラ本体側の部材に連動し、図示していないばねの付勢力によって反時計方向へ回転し、初期位置へ復帰する。しかし、各駆動部材4,5は、各鉄片部材が各電磁石によって吸着されているので、各駆動ばねによって時計方向へ回転されることはない。
【0025】
このとき、もしも、先羽根用電磁石のコイルが断線していると、先羽根用駆動部材4は先羽根用駆動ばねの付勢力によって直ちに時計方向へ回転し、羽根9,10,11,12は下方へ重畳されていく。そのため、フォトリフレクタ19の発光部から出射した光は、カバー板3の反射シート20で反射され、受光部に入射するから、フォトリフレクタ19からはH信号が出力されることになる。そして、このH信号の出力時機が、正規の出力時機よりも早いことを確認して、異常作動の警告が行われることになる。
【0026】
また、もしも、後羽根用電磁石のコイルが断線していると、後羽根用駆動部材5は後羽根用駆動ばねの付勢力によって直ちに時計方向へ回転し、羽根15,16,17,18が展開して開口部1aを覆ってしまう。そのため、その後に先羽根群が正規に作動しても、フォトリフレクタ19からはH信号が出力されないことになる。従って、この場合には、先羽根群が正規に作動したにもかかわらずフォトリフレクタ19からH信号が出力されないことを確認して、異常作動の警告が行われることになる。
【0027】
そこで、先羽根群も後羽根群も、上記のような異常作動を行わなかった場合には、自動焦点合わせ等の全ての準備作動が終了した段階において、露光時間制御回路が働き、先ず、先羽根用電磁石に対する通電を断つと共に露光秒時のカウントが開始される。そのため、先羽根用駆動部材4は、図示していない先羽根用駆動ばねの付勢力によって急速に時計方向へ回転し、フォトリフレクタ19からはH信号が出力される。
【0028】
その後、所定時間が経過すると、露光時間制御回路からの出力信号によって、今度は後羽根用電磁石に対する通電が断たれ、後羽根用駆動部材5が、図示していない後羽根用駆動ばねの付勢力によって急速に時計方向へ回転される結果、フォトリフレクタ19からはL信号が出力されて露光作動が終了する。その際、H信号が出力されてからL信号が出力されるまでの時間を、制御されるべき露光時間に対応した時間と比較できるようにした場合には、何らかの要因で所定の適正な作動が行われなかったときに、そのことを知らせるようにすることも可能となる。
【0029】
ところで、本実施例においては、上記したような異常作動の検出を、後羽根群の羽根15,16,17,18の作動に影響を及ぼさず、好適に行える構成となっている。即ち、図2に示すように、カバー板3の肉厚部3dに形成された凹部3eは、その凹部3eの平面形状を規制する縁面3e1 が、羽根の摺接面3d1 に対して略垂直に形成されていて、その縁面3e1 と摺接面3d1 とが交わる部位3d2 はR面となるように形成されている。そして、反射シート20は、そのR面の部位3d2 よりも下方位置において、底面3e2 に貼付されている。
【0030】
このような構成において、本実施例の場合は、羽根15,16,17,18が図2において左右方向に作動する。しかし、凹部3eの縁、即ち上記の部位3d2 はR面となっているから、例えば羽根15の先端部が撓み、仮に凹部3e内に入ってくるようなことがあったとしても、羽根15の端面はR面に案内されて正常な作動が行えるようになっている。その場合、反射シート20の表面は、R面よりも下方位置にあるため、羽根15が反射シート20に接触するようなことがない。従って、本実施例の場合には、凹部3eの平面形状を、従来のように異形にする必要は全くない。そのため、反射シート20の平面形状が単純な方形をしていても、凹部3eの平面形状を最小限の大きさとすることができる。
【0031】
尚、本実施例においては、凹部3eの四つの縁にR面を形成しているが、上記の説明から分かるように、羽根15の作動方向の2辺にだけR面を形成してもよいし、各羽根の先端部との位置関係によっては、それに加えて、羽根の先端側の縁、即ち図1における右下側の縁にR面を形成しても差し支えない。また、この部位3d2 は本実施例のようにR面に形成せず、面取り形状としても差し支えない。また、本実施例においては、フォトリフレクタ19をシャッタ地板1に取り付けた場合で説明したが、カメラ本体側に取り付けることを妨げるものではない。更に、反射シート20に代えて、凹部3eの底面3e2 に、反射効果を有する適宜な処理を施すようにしてもよい。
【0032】
〔第2実施例〕
次に、図3及び図4を用いて第2実施例を説明するが、この第2実施例が、第1実施例と異なる点は、第1実施例におけるカバー板3の形状が異なるだけである。従って、本実施例の説明は、その異なるところについての説明を行うだけにし、その他の構成の説明と、全体の作動説明については、重複を避けるために省略する。
【0033】
本実施例におけるカバー板23は、図3に示すように、第1実施例におけるカバー板3の肉厚部3dと同じ位置に、肉厚部23dが形成されている。また、この肉厚部23dに形成された凹部23eは、その平面形状が第1実施例の凹部3eの平面形状よりも大きく形成され且つ45°回転させて配置されている。そして、この凹部23eにも、第1実施例の場合と同様にして縁面23e1 ,底面23e2 が形成され、摺接面23d1 と縁面23e1 の間の部位23d2 はR面に形成されている。この部位23d2 は面取り形状であっても構わないことは勿論である。
【0034】
そして、その凹部23eの底面23e2 には、更に、方形をした比較的浅い凹部23e3 が形成されており、この凹部23e3 の大きさが、第1実施例における凹部3eの大きさと略同じになっている。そのため、図3においては図示を省略されているが、図4に示すように、反射シート20は、この凹部23e3 の中に貼付されている。言うまでもなく、この反射シート20の形状,面積は、第1実施例の場合と同じである。
【0035】
従来は、本実施例のように、所定の大きさであって、平面形状が単純な方形をしている反射シート20を、凹部23e内に貼付し、且つ凹部23eを羽根端面が当接しにくい形状にしようとすると、フォトリフレクタの形状又はフォトリフレクタの取り付け構成を変えない限り、凹部23eの平面形状を反射シート20の平面形状よりも大きくせざるを得なかった。
【0036】
そのため、折角、羽根端面が当接しにくいような形状にしたにもかかわらず、凹部の開口面積が大きくなってしまい、そのことが羽根の撓みを許容し、羽根端面が凹部23eの縁面23e1 に当接したり、反射シート20の表面に接触したりするような結果を引き起こす要因になってしまう。また、製作段階において、凹部23eの底面23e2 に反射シート20を貼付する際に、底面23e2 の面積が反射シート20の面積よりも大きいため、反射シート20を底面23e2 のどの位置に、どのような姿勢にして貼付するのかが難しくなる。
【0037】
本実施例においては、これらの問題を解消できるようになっている。従来は、摺接面23d1 と縁面23e1 とが垂直に交わりエッジ状になっていたが、本実施例の場合には、上記したように摺接面23d1 と縁面23e1 の間の部位23d2 はR面に形成されているので、羽根の端面が正面から凹部の縁面に当接せず効果的に導かれる。即ち、凹部23eの平面積は大きくなったが、凹部23eの平面形状とR面との両方の作用によって、羽根の端面が正面から凹部の縁面に当接するのを防止していることになる。また、本実施例においては、凹部23eの底面23e2 に、更に凹部23e3 が形成されているので、反射シート20を貼付する際の位置決めが容易であり、且つその深さ分だけ反射シート20の表面が低くなるので、羽根との接触を避けることが可能になる。
【0038】
次に、図5を用いて、第2実施例の変形例を簡単に説明する。この変形例においては、カバー板33の肉厚部33dに、第2実施例の場合とは異なる形状ではあるが、やはり異形の凹部33eが形成されている。尚、肉厚部33dの右側に沿って肉厚部33dの面よりも高く壁が形成されているが、これは、シャッタ側方からの漏光を防止するための遮光壁である。この変形例における凹部33eの平面形状は、縁が曲線で形成され、羽根の端面が縁面に当接しにくい形状となっている。しかし、その開口面積は、やはり反射シートの面積よりも可成り大きいので、特に図示はしていないが、断面形状が実質的に図4のようになっていて、第2実施例で説明したのと同じ理由により、羽根の摺接面と凹部の縁面との間の部位にはR面が形成されている。更に、この変形例の凹部33eの底面33e2 には、第2実施例の場合と同じ理由により、反射シート20を貼付するための凹部33e3 が形成されている。
【0039】
尚、上記の各実施例においては、先羽根群がシャッタ地板と中間板の間に配置され、後羽根群が中間板とカバー板の間に配置されていることを前提にして説明したが、本発明は、先羽根群が中間板とカバー板の間に配置されている場合であっても差し支えない。また、上記の各実施例においては、反射シートの形状が方形であることを前提にして説明したが、単純な形状の一例として、また異形の凹部との比較において示したものであって、図示した形状に限定されるものではない。
【0040】
【発明の効果】
上記のように、本発明によれば、カバー板が合成樹脂で製作され、羽根の先端部の作動領域を肉厚に形成し、その肉厚部に羽根の先端部が摺接するようにした構成のフォーカルプレンシャッタ及びフォーカルプレンシャッタを備えているカメラにおいて、反射式の光電センサによって羽根群の異常作動を検出するのに必要な反射手段を、上記のカバー板に好適に配置することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の分解斜視図にある。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】反射シートを貼付していない状態における第2実施例の部分斜視図である。
【図4】反射シートを貼付した状態における図3の断面図である。
【図5】第2実施例の変形例を示した部分斜視図にある。
【符号の説明】
1 シャッタ地板
1a,2a,3a 開口部
1b,1c,1d,1e,1f,1i,1j 軸
1g,1k,3b,3c,7b,13b 長孔
1h,3d,23d,33d 肉厚部
1m,2b,8a,14a 孔
2 中間板
3,23,33 カバー板
3d1 ,23d1 摺接面
3d2 ,23d2 部位
3e,23e,23e3 ,33e,33e3 凹部
3e1 ,23e1 縁面
3e2 ,23e2 ,33e2 底面
4 先羽根用駆動部材
4a,5a 取付部
4b,5b 駆動ピン
5 後羽根用駆動部材
6 セット部材
7,8,13,14 アーム
7a,13a スリーブ
9,10,11,12,15,16,17,18 羽根
19 フォトリフレクタ
20 反射シート

Claims (2)

  1. 開口部を有していて該開口部の側方位置で二組の羽根群のアームを回転可能に取り付けている合成樹脂製のシャッタ地板と、開口部を有していて前記シャッタ地板に所定の間隔を空けて取り付けられている合成樹脂製のカバー板と、前記二つの開口部と重ねて配置される開口部を有していて前記シャッタ地板と前記カバー板との間を仕切って二つの羽根室を形成し該二つの羽根室に前記各羽根群が個別に配置されるようにした中間板と、前記シャッタ地板と前記カバー板のうちの一方の羽根室外に取り付けられていて前記二つの羽根室内に照射し他方に設けられた反射シートから反射した光を検出することによって前記羽根群の少なくとも一方の作動状態を検出する光電検出手段とを備えており、前記シャッタ地板と前記カバー板は、各々、羽根の先端部の摺接する作動領域が肉厚に形成されていて、それらのうちの一方の摺接面には第一凹部が形成されており、該第一凹部は、縁が面取り形状又はR面となるように形成されていると共に、底面に該第一凹部よりも小さくて且つ前記反射シートの平面形状と略同一形状の第二凹部を形成していて、前記反射シートは該第二凹部に取り付けられていることを特徴とするフォーカルプレンシャッタ。
  2. 求項1に記載のフォーカルプレンシャッタを内蔵していることを特徴とするカメラ。
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