JP4017749B2 - カメラ用フォーカルプレンシャッタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮影に際して、先羽根群と後羽根群とを同一方向へ順次作動させ、その二つの羽根群のスリット形成羽根によって形成されたスリットにより感光面の露光を行うようにしたカメラ用のフォーカルプレンシャッタに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のフォーカルプレンシャッタは、通常、シャッタ地板(基板などともいう),中間板(仕切り板などともいう),補助地板(カバー板などともいう)と称される3枚の板状の部材を、所定の空間を空けて配置し、一方の空間を先羽根群の羽根室とし、他方の空間を後羽根群の羽根室としている。そして、これらの3枚の部材の略中央部には開口部が形成されていて、それらの開口部を重ね合わせるようにして長方形をした露光開口を形成している。また、各羽根群は、夫々、二つのアームと短冊状をした複数枚の羽根で構成されており、その二つのアームは、夫々の一端が一方の地板に枢着され、それらの他端に向けて、複数枚の羽根の一端を順に枢支している。そして、アームの最先端に枢支された羽根がスリット形成羽根である。
【0003】
また、先羽根群の二つのアームと、後羽根群の二つのアームとは、それらの四つのアームの枢着部が、露光開口の一方の側方位置で、その露光開口の側方の辺と略平行になるようにして配置されている。そのため、各羽根群の二つのアームのうち、他の羽根群のアームと隣接している方のアーム、即ち四つのアームの配列上、内側にある二つのアームが、スリット形成羽根のスリット形成縁側のアームとなっている。
【0004】
更に、各羽根群の二つのアームの一方には孔が形成されており、また、羽根室外には、そのアームの枢着軸と同心軸上で回転する駆動部材が設けられており、その駆動部材の駆動ピンが羽根室内に延伸し、上記の孔に嵌合されている。そして、先羽根群の駆動部材と後羽根群の駆動部材との効果的な配置を考慮して、通常は、各羽根群の二つのアームのうち、他の羽根群のアームと隣接していない方のアーム、即ち四つのアームの配列上、外側に配置されている二つのアームに対し、上記の孔を形成するようにしている。
【0005】
ところで、各羽根群は、このような構成をしているから、アームの枢着部が2箇所あり、また、アームと羽根の枢支部が羽根の枚数の2倍の数だけあり、更には、駆動部材の駆動ピンとアームの孔(通常は長孔)の嵌合部もある、というように、所定の公差を有する連結部が沢山設けられている。そのため、このような構成の羽根群を、駆動部材によって高速に作動させると、各羽根は、本来の作動方向へ動かされるだけではなく、作動方向とは直交する方向(即ち、光軸方向)への力も加わり、羽根やアームに複雑な力が作用することになる。
【0006】
周知のように、各羽根は極めて薄い部材であるために、そのような複雑な力が作用すると、傾きや撓みや捩じれを生じてしまい、スリット形成羽根の作動が安定せず、適正な露光制御が行えなくなってしまうほか、例えば、スリット形成羽根が、上記した中間板の開口部の縁に衝突し、破壊してしまうというようなことさえ発生する。また、このような傾きや撓みや捩じれを生じる現象(以下、あばれ現象という)は、露光作動中においてのみならず、露光作動終了時に、各羽根群がストッパに当接したときにも発生する。このときに受ける衝撃は極めて大きく、スリット形成羽根がバウンドして露光むらを生じさせてしまうことがあるほかに、あばれ現象が生じて、各羽根が裂けたり、アームとの枢支部が破壊されたりすることもある。
【0007】
そのため、これまでにも、あばれ現象を抑制することの可能な多くの種類の構成が提案されている。その主なものとしては、露光開口を間にして、アームの枢着されている側方位置とは反対側に、羽根の先端部に摺接する部材を設け、羽根先端部の光軸方向への動きを抑制するようにしたものがある。また、アームの枢着されている側方位置側において、シャッタ地板と補助地板の少なくとも一方にガイド部を設け、それを、アームと羽根の連結軸に接触させ、羽根群の光軸方向への動きを抑制するようにしたものが、特開平9−179167号公報で知られている。更に、このほかにも、中間板の形状に種々の工夫を凝らしたものが数多く知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような種々の構成のうち、あばれ現象を、スリット形成羽根とアームとの枢支位置近傍において抑制できるようにした構成に関するものである。ところで、言うまでもないことであるが、フォーカルプレンシャッタには小型化と低コスト化が要求されている。しかしながら、上記した従来の構成は、中間板の形状に工夫を凝らしたものを除き、その殆どのものが、あばれ現象を抑制するために特別な部材を用意し、それをシャッタ地板などに取り付けるようにしている。従って、コスト的には決して好ましいものとは言えなかった。
【0009】
その点、上記の公報に記載されている実施例には、特別な部材を用意せず、それに相当するガイド部を、合成樹脂製のシャッタ地板などに、一体成形で形成したものが示されている。しかし、そのように構成した場合には、シャッタ地板などを合成樹脂で製作することが前提になってしまうし、且つガイド部の位置,形状について精度を要することから金型の製作費が高価になるという問題点がある。また、本来であれば、他の羽根よりもスリット形成羽根の光軸方向への動きを抑制しなければならないにもかかわらず、シャッタの小型化を維持させる限りにおいては、アームとスリット形成羽根との連結軸を、露光作動時の全ての時点において、直接、ガイド部に摺接させておくように構成することができないという問題点がある。
【0010】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、アームとスリット形成羽根との枢支位置の近傍で、特別な部材を設けることなく、露光作動の全ての時点において、少なくともスリット形成羽根のあばれ現象を直接抑制することができるようにした、小型化を維持し且つ低コスト化に適した構成のカメラ用フォーカルプレンシャッタを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は、先羽根群と後羽根群の夫々が、一端部で地板に枢着されている複数のアームと、それらのアームに対して、スリット形成羽根を最後にして、それらのアームの他端部に向けて順に枢支されている複数枚の羽根とで構成されており、前記各羽根群が順に作動を開始し前記2枚のスリット形成羽根のスリット形成縁間にスリットを形成して露光作動を行うカメラ用フォーカルプレンシャッタにおいて、前記先羽根群と前記後羽根群のうち少なくとも一方の羽根群は、前記の複数のアームのうちスリット形成羽根をスリット形成縁側で枢支しているアームが、その枢支部より延伸して形成された押さえ部を有しており、前記押さえ部は、前記複数枚の羽根が重畳状態と展開状態との間を作動するとき前記スリット形成羽根と略重なっているように形成する
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図1及び図2に示した実施例によって説明する。尚、図1は露光作動開始直前の状態を示した先羽根群の平面図であり、図2は露光作動終了直後の状態を示した先羽根群の平面図である。また、図3及び図4は、実施例に対する比較例を示したものであって、図3は露光作動開始直前の状態を示した先羽根群の平面図であり、図4は露光作動終了直後の状態を示した先羽根群の平面図である。
【0013】
最初に、実施例の構成を説明するが、先ず、周知であるために図示を省略されているシャッタユニットの全体構成を説明しておく。図1は被写体側から視たものであり、シャッタ地板1が一点鎖線で示されている。このシャッタ地板1の背面側には、中間板と補助地板が順に配置されていて、本実施例の場合には、シャッタ地板1と中間板の間に先羽根群の羽根室が、また、中間板と補助地板の間に後羽根群の羽根室が構成されている。また、シャッタ地板1には、その略中央部に開口部1aが形成されているが、中間板と補助地板にも開口部1aの形状と類似の形状をした開口部が形成されていて、それらの三つの開口部を重ね合わせることによって、横長の長方形をした露光開口が形成されるようになっている。
【0014】
また、シャッタ地板1には、円弧状をした二つの長孔1b,1cが形成され、背面側には軸1d,1e,1f,1gが立設されている。このうち、軸1d,1fはシャッタ地板1の表面側にも突き出ていて、そこに、図示していない先羽根用駆動部材と後羽根用駆動部材が回転可能に取り付けられている。そして、各駆動部材には駆動ピンが設けられていて、長孔1b,1cを貫通し、シャッタ地板1の背面側に突き出ているが、図1においては先羽根用駆動部材の駆動ピンのみを符号2で示してある。
【0015】
また、各駆動部材には、通常、鉄片部材が取り付けられており、露光作動開始直前においては、各鉄片部材が図示していない夫々の電磁石によって吸着されるようになっているが、その後、夫々の電磁石に対する通電が順に断たれると、先羽根用駆動部材と後羽根用駆動部材とは、図示していない夫々の駆動ばねの付勢力によって順に回転を開始し、上記した駆動ピンによって、各羽根群に露光作動を行わせるようになっている。そして、露光作動時における各駆動部材の回転は、本実施例においては、反時計方向に行われる。
【0016】
次に、図示されている先羽根群の構成について説明する。先羽根群は、二つのアーム3,4と、それらに枢支されている5枚の羽根5,6,7,8,9によって構成されている。そして、二つのアーム3,4は、夫々、それらの一端で、シャッタ地板1の軸1d,1eに枢着されている。また、羽根5,6,7,8,9は、それらの他端に向けて、夫々の連結軸を介して順に枢支されているが、一番先端側に枢支されている羽根9がスリット形成羽根であり、その羽根9の下側の略水平に形成された縁が、露光作動時において後羽根群のスリット形成羽根とによってスリットを形成するためのスリット形成縁ということになる。また、これらの構成部材の重なり関係は、シャッタ地板1側にアーム3,4が配置され、中間板側に向けて、羽根9,羽根8,羽根7,羽根6,羽根5の順になっている。
【0017】
また、上記の連結軸はリベット部品であって、それらを、各アーム3,4と羽根5,6,7,8,9に形成されている孔に対してアーム側から挿入し、かしめ加工によってその挿入端を各羽根に固定している。従って、それによって、各アーム3,4の孔の端面と連結軸の周面とが摺接し得るようになっている。また、アーム4には、スリット形成羽根9の枢支部から延伸した押さえ部4aが形成されている。即ち、この押さえ部4aは、スリット形成羽根9を、そのスリット形成縁側で枢支しているアーム4に形成されており、他方のアーム3には形成されていない。そして、この押さえ部4aは、後述の説明からも分かるように、どのような作動状態においても、スリット形成羽根9と重なり合っているように形成されている。
【0018】
更に、アーム3には長孔3aが形成されている。そして、その長孔3aには、上記した図示していない先羽根用駆動部材の駆動ピン2が嵌合しており、アーム3を、軸1dにおいて往復回転させ得るようになっている。従って、先羽根群は、図1においてアーム3が反時計方向へ回転されると、展開されている5枚の羽根5,6,7,8,9を重畳させ、その後、アーム3が時計方向へ回転されると、重畳されている羽根5,6,7,8,9を展開させ得るように構成されている。
【0019】
他方、図示を省略しているが、中間板と補助地板の間に配置された後羽根群も、上記した先羽根群と類似の構成をしていて、二つのアームと、それらに枢支された複数枚の羽根で構成されており、その二つのアームは、一端で、シャッタ地板1の軸1f,1gに枢着されている。また、複数枚の羽根は、それらのアームの他端に向けて順に枢支され、一番先端側に枢支されている羽根が後羽根群のスリット形成羽根となるが、周知のように、そのスリット形成縁は、先羽根群のスリット形成羽根9のスリット形成縁に対向するようにして形成されることから、軸1gに枢着されているアームが、後羽根群においては、スリット形成縁側でスリット形成羽根を枢支しているアームということになる。
【0020】
また、後羽根群の構成部材の重なり関係は、先羽根群とは逆であって、二つのアームは複数枚の羽根よりも補助地板側にあり、また、スリット形成羽根は他の羽根に対して一番補助地板側となるように配置されている。そして、先羽根群の押さえ部4aに相当する押さえ部は、後羽根群においては、軸1gに枢着されたアームに形成されている。更に、軸1fに枢着されたアームに長孔が形成されていて、そこに後羽根用駆動部材の駆動ピンが嵌合しており、その駆動ピンによって、軸1fに枢着されているアームが反時計方向へ回転されると、重畳されている複数枚の羽根を展開させ、その後、そのアームが時計方向へ回転されると、展開されている複数枚の羽根を重畳させるように構成されている。
【0021】
次に、本実施例の作動を説明する。既に説明したように図1は露光作動を開始する直前の状態を示している。即ち、カメラのレリーズボタンが押され、図示していない二つの電磁石に通電され、各駆動部材の鉄片部材が吸着保持されているので、各駆動部材は各駆動ばねの付勢力によって露光作動を開始しないで、待機させられている状態である。そのため、先羽根用駆動部材の駆動ピン2は、図1の状態に保たれており、図示していない後羽根用駆動部材の駆動ピンも、長孔1cの下方端の近傍に位置している。
【0022】
この状態において、先ず、先羽根用駆動部材の鉄片部材を吸着していた電磁石への通電が断たれる。そのため、上記のようにして軸1dに回転可能に取り付けられている図示していない先羽根用駆動部材は、駆動ばねの付勢力によって反時計方向へ回転させられる。それによって、駆動ピン2が長孔1bに沿って上方へ作動し、アーム3を反時計方向へ回転させる。このアーム3の回転によって羽根5,6,7,8,9は重畳しつつ上方へ作動して、開口部1aを開いて行くが、既に説明したように、この作動中において、各羽根には、上方へ作動させるための力のほかに、各羽根の各部位には光軸方向などへの複雑な力が作用し、あばれ現象を生じさせる。
【0023】
このような複雑な力が働いたとき、その影響を一番こうむっては困るのは、言うまでもなく、スリット形成羽根9である。ところが、スリット形成羽根9は、他の羽根よりもアーム3,4の先端側に枢支されているので、作動量が一番大きく、しかも、一方の羽根面については他の羽根に接触させていないので、構造的にはその影響を非常に受け易くなっている。また、この種のシャッタの場合には、開口部1aの右側には、各羽根の先端部のあばれを防止するために、別の手段が必ず講じられていることから、開口部1aの中央近辺を通過する部位に、撓みや捩じれの生じることが一番問題になる。
【0024】
ところが、本実施例の場合には、アーム4を延伸させて形成した押さえ部4aが、スリット形成羽根9の羽根面を押さえていることから、そのようなあばれ現象を抑制することが可能になっている。また、この作動中において、押さえ部4aは撮影光路を遮ることが全くなく、しかも、どのような作動位置にあっても、常に、あばれ現象の抑制機能を発揮できるようになっている。
【0025】
このようにして、先羽根群が、露光作動を終了し、先羽根用駆動部材の駆動ピン2が長孔1bの上端面に当接して停止した状態が、図2に示されている。この停止時においては、実際には、駆動ピン2が長孔1bの端面に当接するだけではなく、通常は、先羽根群を構成している部材が、一つ以上のストッパに当接するようになっている。そのため、各羽根には大きな衝撃力が加わり、作動中よりも大きなあばれ現象を発生させるが、この状態においても、図2に示すように、押さえ部4aが、その全面でスリット形成羽根9を押さえているから、特に紙面の手前方向への動きを抑制することが可能になる。
【0026】
ところで、この種のシャッタは、一眼レフカメラに装着され、シャッタ地板1の上方位置には、通常、ペンタプリズムが配置される。従って、シャッタユニットの設計に当たっては、カメラのデザイン上から、ペンタプリズムを、出来るだけ光軸に近い位置に配置できるように考慮することが要求されている。ところが、本実施例の場合には、先羽根群が露光作動を終了し、開口部1aの上方位置に格納された状態においても、図2から分かるように、押さえ部4aがスリット形成羽根9に重なっており、上方へは張り出してしまわないので、シャッタユニット、即ちシャッタ地板1の形状を大きくさせなくて済むという利点がある。
【0027】
尚、本実施例においては、図1の状態においても、アーム4の押さえ部4aが、スリット形成羽根に完全に重なっているが、この状態において、スリット形成縁よりも下方へ張り出すようにすることも可能である。しかし、そのようにした場合には、スリット形成羽根が上方へ作動を開始し、スリット形成縁が、開口部1aの下辺に達する前に、その張り出した部分が、スリット形成羽根に重なっているようにしなければならない。従って、小型化を図るために、図1において、スリット形成縁と開口部1aの下辺との寸法を充分に大きくできない場合には、本実施例のように構成する方が有利となる。
【0028】
先羽根群の露光作動は上記のようにして行われるが、実際には、先羽根群の露光作動が開始されると、所定時間経過後に、後羽根用駆動部材の鉄片部材を吸着していた電磁石への通電が断たれ、羽根室外において軸1fに取り付けられている後羽根用駆動部材が、駆動ばねの付勢力によって反時計方向へ回転させられる。そのため、後羽根用駆動部材の駆動ピンが長孔1cに沿って上方へ作動し、羽根室内で軸1fに枢着されているアームを反時計方向へ回転させ、図示していない後羽根群の複数枚の羽根を展開させつつ上方へ作動させる。
【0029】
既に説明したように、図示していない後羽根群の構成は、上記した先羽根群の構成と類似の構成をしているから、露光作動開始前には、開口部1aの下方位置において、軸1gに枢着されているアームの押さえ部が、図2に示した先羽根群の押さえ部4aのようにして、スリット形成羽根に重なり合っている。そして、露光作動を開始した後も、その押さえ部はスリット形成羽根と重なり合ったままであり、作動中におけるあばれ現象を好適に抑制する。また、この後羽根群は、露光作動の終了時点では、複数枚の羽根を展開状態にして開口部1aを覆った状態になるので、実質的には図1における先羽根群の場合と同様な状態になり、停止時の衝撃によって生じるあばれ現象を抑制することになる。
【0030】
このようにして、露光作動が終了した後、セット作動が行われる。そのセット作動は、初期位置にある図示していないセット部材が作動され、各駆動ばねの付勢力に抗して各駆動部材を、それらの鉄片部材が夫々の電磁石に接触するまで回転させることによって行われる。このとき、先羽根用駆動部材の方を後羽根用駆動部材よりも若干先に回転させるので、各羽根群は、それらのスリット形成羽根を所定量だけ重ね合わせておいて下方へ作動することになり、感光面への漏光が防止される。そして、次の撮影時には、二つの電磁石に通電され、各駆動部材の鉄片部材を確実に吸着保持した後に、セット部材が初期位置へ復帰されてから、既に説明した露光作動が開始されることになる。
【0031】
尚、本実施例は、図1及び図2に示されている羽根群を、先羽根群として説明したが、後羽根群とすることも可能である。その場合には、図2の状態が露光作動開始直前の状態であって、このときには、図示していない先羽根群の複数枚の羽根が展開状態となって、開口部1aを覆っており、また、図1の状態は露光作動終了直後の状態であって、図示していない先羽根群の複数枚の羽根は重畳状態となって、開口部1aの下方位置に格納されていることになる。従って、そのようにした場合には、露光作動に際して、各羽根群は、開口部1aの上方から下方へ向けて作動することになる。
【0032】
〔比較例〕
次に、図3及び図4を用いて、上記した実施例の比較例を説明する。この比較例は、本発明においては、スリット形成縁側でスリット形成羽根を枢支したアームに、押さえ部を形成しているが、何故、他方のアームに形成しないのかを説明するためのものである。従って、この比較例の場合には、アーム3に押さえ部3bを形成し、アーム4には上記の実施例における押さえ部4aを形成していない。その他の構成は、上記の実施例と全く同じなので、それらの部材,部位には同じ符号を付け、説明を省略する。また、シャッタとしての全体の基本的な作動も同じなので、説明を省略する。
【0033】
先羽根群の露光作動開始直前の状態を示した図3から分かるように、押さえ部3bは、スリット形成羽根9の枢支部から充分に延伸しているので、露光作動中においては、実施例における押さえ部4aの場合と同等の抑制機能が発揮される。しかしながら、図4から分かるように、露光作動の終了時点における抑制作用は、押さえ部3bが、スリット形成羽根9と殆ど重ならなくなるので、極めて劣ったものとなり、実質的な効果が殆ど無くなってしまう。
【0034】
また、図4の状態において、押さえ部3bが、スリット形成羽根9と殆ど重ならず、上方へ張り出してしまうことから、シャッタ地板1の平面形状を大きくしなければならなくなり、シャッタユニットの小型化が維持できなくなる。このことは、図4を図2と比較してみれば明瞭である。従って、例えばこのような比較例のシャッタユニットを、ペンタプリズムを備えた一眼レフカメラに組み込んだ場合には、ペンタプリズムを押さえ部3bの上方位置に配置することになり、カメラの小型化とデザインに制約を与えることになる。
【0035】
そこで、図4において、押さえ部3bを下方へ曲げ、スリット形成羽根9に充分に重なるようにしてはどうかということになるが、そのようにすると、図3の状態から理解することができるように、羽根の展開作動の途中において、そのように形成した押さえ部3bがアーム4に干渉してしまうことになる。従って、押さえ部3bを、そのような形状に形成することは無理である。
【0036】
尚、上記の実施例においては、押さえ部4aと同じような押さえ部を、軸1gに枢着されている後羽根群のアームにも形成している場合で説明したが、他の手段による抑制効果次第では、上記のような押さえ部を、いずれか一方の羽根群のアームにのみ形成しても差し支えない。また、上記の実施例においては、各羽根群の駆動部材が、電磁石の通電が断たれたときに、駆動ばねの付勢力によって回転する部材として説明したが、本発明は、そのような形式の駆動部材に限定されず、その他の形式の駆動部材を備えたシャッタにも適用することが可能である。
【0037】
【発明の効果】
上記のように、本発明によれば、アームとスリット形成羽根との枢支位置の近傍で、露光作動の全ての時点において、少なくともスリット形成羽根のあばれ現象を直接抑制することができるという利点があり、また、特別な部材を設けず、アームの形状を一部延伸させるだけであるからコスト的にも極めて有利であり、しかも、シャッタの小型化を損なわずに実施できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例における先羽根群の平面図であって、露光作動開始直前の状態を示したものである。
【図2】実施例における先羽根群の平面図であって、露光作動終了直後の状態を示したものである。
【図3】比較例における先羽根群の平面図であって、露光作動開始直前の状態を示したものである。
【図4】比較例における先羽根群の平面図であって、露光作動終了直後の状態を示したものである。
【符号の説明】
1 シャッタ地板
1a 開口部
1b,1c,3a 長孔
1d,1e,1f,1g 軸
2 駆動ピン
3,4 アーム
3b,4a 押さえ部
5,6,7,8,9 羽根

Claims (1)

  1. 先羽根群と後羽根群の夫々が、一端部で地板に枢着されている複数のアームと、それらのアームに対して、スリット形成羽根を最後にして、それらのアームの他端部に向けて順に枢支されている複数枚の羽根とで構成されており、前記各羽根群が順に作動を開始し前記2枚のスリット形成羽根のスリット形成縁間にスリットを形成して露光作動を行うカメラ用フォーカルプレンシャッタにおいて、前記先羽根群と前記後羽根群のうち少なくとも一方の羽根群は、前記の複数のアームのうちスリット形成羽根をスリット形成縁側で枢支しているアームが、その枢支部より延伸して形成された押さえ部を有しており、前記押さえ部は、前記複数枚の羽根が重畳状態と展開状態との間を作動するとき前記スリット形成羽根と略重なっているように形成されていることを特徴とするカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
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