JP2001305605A - カメラ用フォーカルプレンシャッタ - Google Patents

カメラ用フォーカルプレンシャッタ

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JP2001305605A
JP2001305605A JP2000131530A JP2000131530A JP2001305605A JP 2001305605 A JP2001305605 A JP 2001305605A JP 2000131530 A JP2000131530 A JP 2000131530A JP 2000131530 A JP2000131530 A JP 2000131530A JP 2001305605 A JP2001305605 A JP 2001305605A
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真司 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】部品点数が少なく且つ初期段階でのセットトル
クが小さくて済むブレーキ機構を備えたカメラ用フォー
カルプレンシャッタを提供すること。 【解決手段】駆動部材4は、羽根群に連結された駆動ピ
ン4bを有していて、露光作動の終了段階になると、そ
の駆動ピン4bが、二つのブレーキ部材23,25の被
押動部23a,25aを押し、各ブレーキ部材23,2
5の一部を弾性変形させて制動される。その後、駆動ピ
ン4bが緩衝部材2に当接してバウンドすると、各ブレ
ーキ部材23,25の抑止部23b,25bが、それを
抑止するようになっている。セット作動時には、その初
期段階で、セット部材12の折曲部12fが、各ブレー
キ部材23,25の被拘束部23c,25cから離れる
ので、各ブレーキ部材23,25は、回転が自由とな
り、実質的には、セット時の負荷とならないようになっ
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、撮影に際して、先
羽根群と後羽根群とを同一方向へ順次作動させ、その二
つの羽根群のスリット形成羽根同士によって形成された
スリットにより、露光を行うようにしたカメラ用のフォ
ーカルプレンシャッタに関する。
【0002】
【従来の技術】この種の通常のフォーカルプレンシャッ
タは、先羽根群と後羽根群が、先羽根用駆動部材と後羽
根用駆動部材によって作動させられる。そして、それら
の駆動部材は、露光作動時には、夫々の駆動ばねの付勢
力によって、露光作動開始位置から、撮影条件によって
決められた所定のタイミングによって順に作動させら
れ、また、セット作動時には、セット部材によって、そ
れらの駆動ばねの付勢力に抗して作動させられるように
なっている。また、このようなシャッタには、何らかの
対策を講じておかないと、露光作動終了時において、各
駆動部材と各羽根群がストッパに当接したとき、大きな
衝撃を発生すると共に各羽根群がバウンドして露光むら
を生じさせてしまうことが知られている。
【0003】そのため、従来から、露光作動の終了段階
において、各駆動部材や各羽根群に対して制動力を与え
たり、ストッパに緩衝部材を設けたり、更には各駆動部
材のバウンドを抑止する部材を備えたりすることによっ
て、各羽根群のバウンドを防止し、露光むらの発生を防
止するようにしているが、それらのうち、各駆動部材を
制動する機構の場合には、通常、各駆動部材に接触する
部材をばね部材で製作したり、ばね部材によって押圧し
たりして、各駆動部材を制動するようにしている。そし
て、その各駆動部材に接触する部材は、その後、上記し
たセット部材のセット作動に連動して、再び制動可能な
初期状態に復帰させられるようにしている。
【0004】また、上記のような対策は、先羽根系と後
羽根系とでは、異なるようにせざるを得ない場合が多
い。その理由は、先羽根系と後羽根系では、若干、条件
が異なるからである。即ち、先羽根系の場合には、露光
作動の終了段階で、先羽根用駆動部材に対してだけでは
なく、シャッタの全体の構成上から、先羽根群のアーム
に対しても、先羽根群の羽根に対しても、各種の対策を
講じ易く、その上、複数枚の羽根が重畳状態になるの
で、全ての羽根に対して効果が得られるようにすること
が可能であるが、後羽根系の場合には、後羽根群が先羽
根群を追いかけるように作動することから、後羽根群の
アームに対する対策手段を配置しずらく、且つ、後羽根
群の複数枚の羽根が展開状態になってしまうので、全て
の羽根に対する直接の対策が極めて講じにくいからであ
る。
【0005】そのため、先羽根用駆動部材と後羽根用駆
動部材に対してバウンド防止対策を講じる場合には、一
般的には、先羽根用駆動部材に対してよりも、後羽根用
駆動部材に対する対策の方を、機能的により優れた構成
にする場合が多い。そして、そのようにした場合の一例
が、特開昭58−196527号公報に記載されてい
る。即ち、この場合には、先羽根用駆動部材に対して
は、制動する手段が設けられているだけで、バウンドを
抑止する手段が設けられていないが、後羽根用駆動部材
に対しては、それらの両方の手段が設けられている。本
発明は、このように、制動だけを行なう手段と、バウン
ドも抑止し得る手段の両方を備えた機構(以下、ブレー
キ機構という)の改良に関するものである。但し、この
ようなブレーキ機構は、後羽根用駆動部材に対してだけ
ではなく、先羽根用駆動部材にも適用し得ることは言う
までもない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の特開
昭58−196527号公報の第2図に示されたブレー
キ機構(以下、従来例という)は、ブレーキレバー23
5とバウンド防止レバー239のほかに、バネ240と
摩擦板237とを備えている。そのため、部品点数が比
較的多く、決してコスト的に有利な構成とは言えない。
他方、一般に、セット部材のセットトルクは、出来るだ
け小さくて済むことが好ましく、特に、作動開始のとき
にはそうである。何故なら、モータを駆動源としてセッ
トする場合には、モータの回転開始時のトルクが小さく
てよいことになると、モータ自体のコストの面からも、
電力消費の面からも有利になるからであり、また、手動
でセットする場合には、固さ又は重さといわれているよ
うな、セット操作の開始時において、手に感じる抵抗感
を小さくすることができるからである。しかるに、上記
の従来例の場合には、セット時に、ブレーキレバー23
5が回転されるとき、摩擦板237による摩擦力が負荷
になるだけでなく、後羽根用駆動レバー230が時計方
向へ回転されるときには、バネ240の付勢力が負荷と
なることから、セットトルクの点からも決して好ましい
構成とは言いがたい。
【0007】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたものであり、その目的とするところは、従
来例よりも部品点数が少なくてコスト的に有利であり、
しかも、セット部材のセットトルクが小さくて済むよう
にしたブレーキ機構を備えているカメラ用フォーカルプ
レンシャッタを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の第1のカメラ用フォーカルプレンシャッ
タは、露光作動時には駆動ばねの付勢力によって回転さ
れ駆動ピンによって先羽根群又は後羽根群を作動させる
駆動部材と、セット作動時には初期位置から作動して前
記駆動部材を前記駆動ばねの付勢力に抗して回転させ前
記駆動部材の露光作動開始時には初期位置へ復帰してい
るセット部材と、セット作動時には前記セット部材に回
転されて被押動部を前記駆動ピンの作動軌跡内に臨ませ
前記駆動部材の露光作動時にはその最終段階において該
被押動部を前記駆動ピンに押されて逆回転させられる第
1ブレーキ部材と、第1ブレーキ部材の回転に摩擦力を
付与する摩擦板と、弾性を付与されていて先端部に被押
動部を形成し且つその近傍位置に抑止部を形成した折曲
部を有しておりセット部材が初期位置にあるときにはセ
ット部材によって該被押動部と該抑止部とが第1ブレー
キ部材の前記被押動部と対向して前記駆動ピンの作動軌
跡内に臨むように拘束されセット部材がセット作動を開
始した直後には該拘束が解かれるように構成されていて
該折曲部は前記駆動部材の露光作動の最終段階において
該被押動部が前記駆動ピンに押されて弾性変形させられ
たあと該抑止部が前記駆動ピンのバウンドを抑止するよ
うにした第2ブレーキ部材と、を備えているようにす
る。
【0009】また、このようなカメラ用フォーカルプレ
ンシャッタにおいては、前記第2ブレーキ部材が、前記
折曲部の代わりに、先端部に被押動部を形成し且つその
近傍位置に抑止部を形成した腕部と、弾性を付与されて
いてその先端をセット部材に接触させ得る拘束用折曲部
とを有していて、前記駆動部材の露光作動時には、セッ
ト部材によって前記腕部の被押動部と抑止部とが前記駆
動ピンの作動軌跡内に臨むように拘束され、前記腕部の
被押動部が前記駆動ピンに押されたときには、前記拘束
用折曲部が弾性変形させられるようにしても、同等の効
果が得られる。
【0010】また、上記の目的を達成するために、本発
明の第2のカメラ用フォーカルプレンシャッタは、露光
作動時には駆動ばねの付勢力によって回転され駆動ピン
によって先羽根群又は後羽根群を作動させる駆動部材
と、セット作動時には初期位置から作動して前記駆動部
材を前記駆動ばねの付勢力に抗して回転させ前記駆動部
材の露光作動開始時には初期位置へ復帰しているセット
部材と、先端部に被押動部を形成した第1腕部とセット
部材に接触し得る第2腕部とを有していてそれらの腕部
の少なくとも一方に弾性が付与されておりセット部材が
初期位置にあるときにはセット部材によって該被押動部
が前記駆動ピンの作動軌跡内に臨むように拘束されセッ
ト部材がセット作動を開始した直後には該拘束が解かれ
るように構成されていて該被押動部は前記駆動部材の露
光作動の最終段階において駆動ピンに押されるようにし
た第1ブレーキ部材と、先端部に被押動部を形成した第
1腕部とセット部材に接触し得る第2腕部とを有してい
てそれらの腕部の少なくとも一方に弾性が付与されてお
りセット部材が初期位置にあるときにはセット部材によ
って該被押動部が第1ブレーキ部材の前記被押動部と対
向して前記駆動ピンの作動軌跡内に臨むように拘束され
セット部材がセット作動を開始した直後には該拘束が解
かれるように構成されていて該被押動部は前記駆動部材
の露光作動の最終段階において駆動ピンに押されるよう
にした第2ブレーキ部材と、を備えていて、第1ブレー
キ部材の第1腕部と第2ブレーキ部材の第1腕部との少
なくとも一方には、前記被押動部の近傍位置に抑止部が
形成されていて、前記駆動部材の露光作動の最終段階に
おいて前記被押動部が前記駆動ピンに押されたあと該抑
止部が前記駆動ピンのバウンドを抑止するようにする。
【0011】また、本発明の第1と第2の各カメラ用フ
ォーカルプレンシャッタにおいては、前記駆動部材が、
前記駆動ばねによって回転力を付与されている第1駆動
部材と、前記駆動ピンを有している第2駆動部材とで構
成されており、それらの間にばねが掛けられていて、セ
ット作動時には、第1駆動部材が前記セット部材によっ
て回転され、第2駆動部材は第1駆動部材に追従して回
転するようにし、露光作動時には、第1駆動部材が第2
駆動部材を押して回転するようにすると、羽根群の複数
枚の羽根を格納するスペースが小さい場合に有利とな
る。
【0012】また、本発明の第1と第2の各カメラ用フ
ォーカルプレンシャッタにおいては、前記駆動部材が、
後羽根群の駆動部材であって、前記駆動ばねによって回
転力を付与されている第1駆動部材と、前記駆動ピンを
有している第2駆動部材とで構成されており、セット作
動時において、第1駆動部材はセット部材によって回転
されるが、第2駆動部材は、係止手段に係止され、ばね
の付勢力によって第1駆動部材に追従するのを阻止さ
れ、露光作動の直前にセット部材が初期位置へ復帰する
とき、前記の係止が解除されて、該ばねの付勢力によっ
て露光作動開位置へ回転するようにすると、ブレーキ機
構を備えた好適な二重遮光方式のカメラ用フォーカルプ
レンシャッタが得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、図1〜図
6に示した第1実施例と、図7〜図12に示した第2実
施例とによって説明する。尚、各図は、カメラに組み込
まれた状態において被写体側から視たときの左側の一部
分だけを示した平面図であって、後羽根系の構成を拡大
して分かり易く示すために、先羽根系については示して
いない。また、第1実施例と第2実施例とで実質的に共
通する部材及び部位には、同じ符号を用いている。更
に、各実施例の構成を説明するにあたっては、被写体側
を表面側と称し、フィルム面等の結像面側を背面側と称
することにする。
【0014】[第1実施例]先ず、本実施例の構成を説
明する。シャッタ地板1は、その略中央部に長方形を横
長にした開口部1aが形成されている。しかし、上記し
たように、各図はシャッタを被写体側から視て左側の一
部分だけを示したものであるから、その開口部1aにつ
いても、左側の一部が示されている。また、図示してい
ないが、シャッタ地板1の背面側には、所定の間隔を空
けて、中間板と補助地板が順に取り付けられており、シ
ャッタ地板1と中間板との間に先羽根群の羽根室を形成
し、中間板と補助地板との間に後羽根群の羽根室を形成
している。そして、中間板と補助地板にも、開口部1a
と類似の開口部が形成されていて、通常は、それらの三
つの開口部を重ね合わせて露光開口を規制するようにし
ているが、本実施例においては、開口部1aの形状が露
光開口を規制しているものとして説明する。
【0015】また、開口部1aの左側には、先羽根群と
後羽根群に対して、開閉作動を行なわせるための機構が
取り付けられている。しかしながら、本実施例は、本発
明を、後羽根群を作動させる機構に対して適用したもの
であるから、各図においては、後羽根群に関係する機構
の構成を拡大して理解し易くするために、先羽根群に関
係する機構の図示を省略してある。従って、本実施例に
おいては、先羽根群に関係する機構には周知の構成が採
用されているものとし、以下においては、後羽根群に関
係する機構を中心にして説明することにする。
【0016】シャッタ地板1には、円弧状の長孔1bが
形成されており、その下方端部には、平面形状が略C字
状をしている周知の緩衝部材2が取り付けられている。
また、シャッタ地板1の表面側には、軸1c,1d,1
e,1f,1gが立設され、背面側には、表面側の軸1
cと同心的に配置された軸1hと、もう一つの軸1iと
が立設されている。そして、それらのうち、軸1e,1
fは、根元側に大径部を形成している。更に、シャッタ
地板1の表面側には、ストッパ1jが立設されている。
このストッパは1jは、その先端部に大径部が形成され
ていて、実際には、その大径部の周面がストッパとして
機能するようになっている。
【0017】そこで、先ず、上記の軸1cには、第1駆
動部材3と第2駆動部材4とが、個々に回転可能に取り
付けられている。これらの駆動部材3,4は、通常は一
つの部材として構成され、後羽根用駆動部材と称されて
いることが多い。しかし、本実施例の場合には、後述の
説明から理解される理由により、それを二つの部材に分
けている。そして、第1駆動部材3は、被係止部3aと
窓部3bとを形成していて、表面側にはローラ3cを取
り付けている。また、この第1駆動部材3は、図示して
いない後羽根用駆動ばねによって時計方向へ回転するよ
うに付勢されている。
【0018】他方、第2駆動部材4は、第1駆動部材3
よりもシャッタ地板1側に配置されていて、表面側に
は、窓部3bの中に配置されるローラ4aが取り付けら
れ、背面側には、駆動ピン4bが設けられている。そし
て、駆動ピン4bは、長孔1bを貫通しており、根元側
に形成された大径部が、長孔1bの上端と緩衝部材2に
当接するようになっている。また、この駆動ピン4b
は、後羽根群に連結されている。即ち、後羽根群は、軸
1h,1iに対して回転可能に取り付けられた二つのア
ーム5,6と、それらの先端に向けて、周知のようにし
て順に枢支された5枚の羽根7,8,9,10,11で
構成されており、駆動ピン4bは、アーム5に形成され
た孔に嵌合されている。また、この第2駆動部材4と第
1駆動部材3との間には、図示していないばねが掛けら
れていて、第1駆動部材3を時計方向へ回転させ、第2
駆動部材を反時計方向へ回転させるように付勢してい
る。そのため、図1の状態においては、ローラ4aが窓
部3bの上方の端面に密接している。
【0019】シャッタ地板1の軸1dには、セット部材
12が回転可能に取り付けられている。このセット部材
12は、突部12aを有していて、表面側には、軸12
bを立設し、背面側には、押動ピン12cが設けられて
いる。更に、背面側には、二つのローラ12d,12e
が取り付けられており、ローラ12dは、図示を省略し
ている先羽根用駆動部材のローラに接触し得るように
し、ローラ12eは、第1駆動部材3のローラ3cに接
触し得るようになっている。
【0020】シャッタ地板1の軸1eには、根元側の大
径部に、第1ブレーキ部材13が回転可能に取り付けら
れ、先端側の小径部に、板ばね14が回転可能に取り付
けられている。しかしながら、板ばね14の方は、その
二つの脚部が、隣の軸1fの大径部を挟むように配置さ
れていて、回転を規制されるようになっている。また、
各図は平面図なので分かり難いが、板ばね14は、軸1
eに対する取付部よりもその二つの脚部がシャッタ地板
1側となるように形成されていて、第1ブレーキ部材1
3を弾圧し、第1ブレーキ部材13の回転に摩擦抵抗力
を付与するようになっている。そして、第1ブレーキ部
材13は、一方の腕部の先端に、駆動ピン4bの作動軌
跡内に臨む被押動部13aを有していて、他方の腕部の
表面側には、セット部材12の押動ピン12cによって
押される被押動ピン13bが設けられている。
【0021】シャッタ地板1の軸1fには、根元側の大
径部に、第2ブレーキ部材15が回転可能に取り付けら
れ、先端側の小径部に、セット操作部材16が回転可能
に取り付けられている。そのうち、第2ブレーキ部材1
5は、その取付部が第1ブレーキ部材13よりもシャッ
タ地板1側となっており、その回転角度範囲は、隣の軸
1eの大径部によって規制されるようになっていて、ば
ねは掛けられていない。また、この第2ブレーキ部材1
5には、弾性変形可能な細長い折曲部が形成されてお
り、その一方の先端部には被押動部15aが設けられ、
その近傍位置には抑止部15bが設けられていて、他方
の先端部を被拘束部15cとしている。そして、被押動
部15aと抑止部15bは、第1ブレーキ部材13の被
押動部13aと対向して、駆動ピン4bの作動軌跡内に
臨み得るようになっていて、被拘束部15cは、セット
部材12の突部12aと接触し得るようになっている。
【0022】他方、セット操作部材16は、図示してい
ないばねによって反時計方向へ回転するように付勢され
ていて、その回転を、既に説明したストッパ1jによっ
て停止させられるようになっている。また、このセット
操作部材16は、一方の腕部に、図示していない部材に
よって押されるローラ16aを取り付けており、他方の
腕部には軸16bが設けられている。そして、連結部材
17が、そこに形成された二つの孔を、セット操作部材
16の軸16bと、セット部材12の軸12bに対し、
回転可能に嵌合させている。尚、シャッタ地板1の軸1
gは、図示していない係止部材を回転可能に取り付ける
ための軸であって、その係止部材は、セット状態のと
き、第1駆動部材3の被係止部3aを係止していて、露
光作動を行なわせるときに、その係止を解く部材であ
る。
【0023】次に、本実施例の作動を説明する。図1
は、露光作動終了直後の状態を示している。従って、図
示していない先羽根群の複数枚の羽根は、重畳状態とな
って開口部1aの下方位置に格納されている。また、後
羽根系は、第2駆動部材4が、そのローラ4aを第1駆
動部材3の窓部3bの端面で押されて時計方向へ回転さ
れ、駆動ピン4bが緩衝部材2に当接することによって
停止させられている。そして、このとき、後羽根群の5
枚の羽根7〜11は、展開状態となって開口部1aを覆
っている。また、この状態において、駆動ピン4bは、
第1ブレーキ部材13の被押動部13aと、第2ブレー
キ部材15の抑止部15bにも接触している。
【0024】本実施例のセット作動は、図示していない
部材が、セット操作部材16のローラ16aを押し、図
示していないばねの付勢力に抗して、セット操作部材1
6を時計方向へ回転させることによって行なわれる。そ
して、このセット操作部材16の回転は、連結部材17
を介してセット部材12に伝えられ、セット部材12を
図1の状態から時計方向へ回転させることになる。この
ようにして、セット部材12が時計方向へ回転を開始す
ると、先ず、ローラ12dが図示していない先羽根用駆
動部材を回転させ、次に、ローラ12eがローラ3cを
押して、第1駆動部材3を、図示していない後羽根用駆
動部材の付勢力に抗して反時計方向へ回転させることに
なる。しかしながら、その第1駆動部材3が反時計方向
へ回転させられる前に、第2ブレーキ部材15の被拘束
部15cに対する、セット部材12の突部12aによる
拘束が解かれる。図2は、その拘束が解かれた瞬間を示
したものであって、それ以後は、第2ブレーキ部材15
が、所定の角度範囲で自由に回転できるようになる。
【0025】その後、第1駆動部材3が反時計方向へ回
転され始めると、図示していないばねが、第1駆動部材
3と第2駆動部材4との間に掛けられているので、第2
駆動部材4も反時計方向へ回転を開始する。そのため、
その初期段階で、駆動ピン4bが、第2ブレーキ部材1
5の抑止部15bを押すことになるが、そのようなこと
があっても、第2ブレーキ部材15は、既に、セット部
材12による拘束を解かれ自由に回転することができる
ので、駆動ピン4bに対して殆ど抵抗を与えずに回転す
る。言い換えれば、第2ブレーキ部材15は、実質的
に、セットトルクに何の影響も与えない。そして、その
ときの状態が図3に示されているが、この状態になる
と、セット部材12の押動ピン12cが、第1ブレーキ
部材13の被押動ピン13bに接触するようになる。
【0026】そこで、図3の状態から、なおもセット作
動が続けられると、第1ブレーキ部材13が、板ばね1
4によって摩擦抵抗力を受けながら時計方向へ回転し、
被押動部13aを駆動ピン4bの作動軌跡内に臨ませて
いく、しかしながら、このときには、既に駆動ピン4b
が作動を開始した後であるから、その被押動部13aが
駆動ピン4bに接触するようなことはない。そして、第
1ブレーキ部材13が所定の角度だけ回転すると、押動
ピン12cが被押動ピン13bから離れて行き、第1ブ
レーキ部材13の回転は停止する。尚、本実施例におい
ては、第1ブレーキ部材13が回転されている間、セッ
トトルクに影響を与えるので、その点においては、上記
した従来例と代わりがない。しかしながら、第2ブレー
キ部材15には、ばねが掛けられていないので、その分
だけ、部品点数が少なく且つセットトルクが小さくて済
むようになっている。
【0027】このようにして、セット作動が続けられて
ゆき、先羽根群の複数枚の羽根が展開状態となって開口
部1aを覆い、後羽根群の5枚の羽根7〜11が重畳さ
れて開口部1aの上方位置に格納された状態になると、
第2駆動部材4は、駆動ピン4bが長孔1bの上端部に
当接して停止する。しかしながら、駆動ピン4bが長孔
1bの上端部に当接した瞬間に、セット部材12即ちセ
ット操作部材16を停止させるようにすることは、製作
上、至難のことである。そのため、本実施例の場合に
は、第2駆動部材4が停止した後も、第1駆動部材3
は、若干回転を続けてから停止するようになっている。
そのようにして停止した状態が図4に示されている。
【0028】ところで、本実施例においては、通常、後
羽根用駆動部材と称されている一つの部材を、第1駆動
部材3と第2駆動部材4とで構成しているが、これを通
常のように一つにした場合には、本実施例の場合におい
て、第1駆動部材3が図4の状態になるまで、第2駆動
部材4を回転させるようにするのと同じになる。ところ
が、そこまで駆動ピン4bを作動させた場合には、5枚
の羽根7〜11のうち、特にスリット形成羽根11がシ
ャッタ地板1の上方へ、羽根室から飛び出すことにな
る。このことからも分かるように、本実施例の場合に
は、羽根7〜11の格納スペースを小さくするため、ひ
いてはシャッタを小型化するために、二つの駆動部材で
構成している。しかしながら、そのようなことを考慮す
る必要がない場合には、従来通りの後羽根用駆動部材と
すればよく、そのように構成したものも本発明の実施態
様である。
【0029】図4に示した状態は、未だセット作動の完
了状態ではない。次に、セット操作部材16は、この図
4の状態から、図示していないばねの付勢力によって、
ストッパ1jに当接するまで反時計方向へ回転する。そ
のとき、セット部材12も反時計方向へ回転するから、
第1駆動部材3も、図示していない後羽根用駆動ばねの
付勢力によって時計方向へ回転するが、その第1駆動部
材3の回転は、窓部3bがローラ4aに接触し、極めて
僅かに押した段階で、第1駆動部材3の被係止部3a
が、軸1gに取り付けられた図示していない係止部材に
係止されて停止する。
【0030】セット部材12は、その後も反時計方向へ
回転し、初期位置で停止するが、その停止直前に、突部
12aが、第2ブレーキ部材15の被拘束部15cに接
触し、第2ブレーキ部材15の時計方向への回転を阻止
することにより、被押動部15aと抑止部15bとを、
駆動ピン4bの作動軌跡内に確実に臨ませるようにす
る。尚、そのような状態にしたとしても、本実施例の場
合には、第2ブレーキ部材15が、軸1eの大径部によ
って規制されるまでの範囲で、若干、反時計方向へは回
転され得るようになっているが、そのよう構成になって
いても機能的には特に問題がない。このよにして、セッ
ト部材12の停止した状態が、図5に示されたセット作
動の完了状態である。図示していないが、このとき、開
口部1aが先羽根群の複数枚の羽根によって覆われてい
ることは、言うまでもない。
【0031】次の撮影に際して、カメラのレリーズボタ
ンが押されると、例えば、先羽根用電磁石の消磁信号に
よって、先ず、図示していない先羽根用駆動部材が、先
羽根用駆動ばねの付勢力によって回転し、先羽根群のス
リット形成羽根によって、開口部1aを開いていく。そ
の後、所定の時間が経過すると、例えば、後羽根用電磁
石の消磁信号によって、第1駆動部材3の係止が解除さ
れる。そのため、第1駆動部材3は、図示していない後
羽根用駆動ばねの付勢力によって、時計方向へ回転させ
られるが、その窓部3bがローラ4aを押すので、第2
駆動部材4も時計方向へ回転させられる。従って、後羽
根群は、5枚の羽根7〜11を展開させつつ、スリット
形成羽根によって開口部1aを閉じていく。
【0032】このようにして露光作動が行なわれてゆ
き、最終的には、先羽根群の複数枚の羽根が、重畳状態
となって開口部1aの下方位置に格納され、後羽根群の
5枚の羽根7〜11が、展開状態となって開口部1aを
覆った段階で、露光作動が終了することになるが、後羽
根群の場合には、図6に示されているように、露光作動
を終了する前に、駆動ピン4bが、第1ブレーキ部材1
3の被押動部13aと、第2ブレーキ部材15の被押動
部15aとを押すようになっている。そのため、第1ブ
レーキ部材13は、駆動ピン4bが緩衝部材2に当接す
るまで反時計方向へ回転され、板ばね14による摩擦抵
抗力が、直接的には第2駆動部材4の作動を制動し、間
接的には第1駆動部材3と後羽根群との作動を制動する
ようになっている。
【0033】他方、第2ブレーキ部材15の場合には、
駆動ピン4bが、被押動部15aを押しても、被拘束部
15cがセット部材12の突部12aに接触している限
りは、時計方向へ回転することができない。しかしなが
ら、被押動部15aを形成している折曲部は、弾性変形
が可能となっている。そのため、被押動部15aは、駆
動ピン4bによって押されながら制動するようになる。
そして、その後、駆動ピン4bが被押動部15aとの接
触位置を通り過ぎると、折曲部の形状が復元され、抑止
部15bが、駆動ピン4bの背後に回るようになる。従
って、駆動ピン4bが緩衝部材2に当接してバウンドが
生じても、抑止部15bによって抑止される。そのよう
にして、露光作動の終了した状態が、図1に示された状
態である。尚、本実施例においては、第2ブレーキ部材
15の被拘束部15cを折曲部に形成しているが、第2
ブレーキ部材15に形成されていさえすれば、このよう
な態様でなくても、同じ効果を得ることが可能である。
【0034】[第2実施例]次に、図7〜図12を用い
て、第2実施例を説明するが、本実施例の構成は、上記
した第1実施例の構成と共通する部分が可成りある。そ
のため、第1実施例の場合と実質的に同じ部材,部位に
は同じ符号を付け、重複を避けるために、それらについ
ての説明は省略する。従って、以下、第1実施例の場合
と異なる構成について説明する。先ず、第1実施例にお
いて軸1eが立設されていた位置には、規制ピン1kが
設けられている。また、本実施例のセット部材12は、
第1実施例における突部12aと押動ピン12cとを有
しておらず、その突部12aに代わるものとして折曲部
12fが設けられている。
【0035】本実施例においては、シャッタ地板1の軸
1fに、シャッタ地板1側から順に、第2ブレーキ部材
25,第1ブレーキ部材23,セット操作部材16が回
転可能に取り付けられている。このうち、セット操作部
材16だけが、第1実施例の場合と同じである。そし
て、第1ブレーキ部材23と第2ブレーキ部材25と
は、いずれも、その回転可能角度が規制ピン1kによっ
て規制されるようになっており、ばねによる弾性力は全
く作用しないようになっている。即ち、本実施例の第1
ブレーキ部材23は、第1実施例の第1ブレーキ部材1
3のように、板ばね14によって回転軸の軸方向へ押圧
されていない。従って、本実施例の場合には、第1実施
例よりも部品点数が少なくなっている。
【0036】本実施例の第1ブレーキ部材23は、細長
い折曲部によって二つの腕部を有するように形成され、
夫々の腕部が弾性変形可能となっている。そして、その
一方の腕部の先端には被押動部23aが設けられ、その
近傍位置には抑止部23bが設けられていて、他方の腕
部の先端を被拘束部23cとしている。そして、被押動
部23aと抑止部23bは、駆動ピン4bの作動軌跡内
に臨み得るようになっていて、被拘束部23cは、セッ
ト部材12の折曲部12fと接触し得るようになってい
る。即ち、あたかも、第1実施例における第2ブレーキ
部材15と同等な形状をしていることになる。
【0037】また、本実施例の第2ブレーキ部材25
も、やはり、二つの腕部を有するように形成されてい
て、その一方の腕部の先端には被押動部25aが形成さ
れ、その近傍位置には抑止部25bが形成されている。
そして、他方の腕部は、弾性変形可能な折曲部として形
成され、その先端を被拘束部25cとしている。そし
て、被押動部25aと抑止部25bは、第1ブレーキ部
材23の被押動部23aと抑止部23bに対向して、駆
動ピン4bの作動軌跡内に臨み得るようになっている。
また、被拘束部25cは、セット部材12の折曲部12
fと接触し得るようになっている。
【0038】ところで、以下の作動説明を待つまでもな
く、この構成説明からだけで十分理解することができる
ように、本実施例の第2ブレーキ部材25には、第1実
施例における第2ブレーキ部材15と同様な機能が求め
られている。そのため、第1実施例において、第2ブレ
ーキ部材15の代わりに、本実施例の第2ブレーキ部材
25を用いても何ら問題はないし、逆に、本実施例にお
いて、第2ブレーキ部材25の代わりに、第1実施例の
第2ブレーキ部材15を採用しても何ら問題がない。ま
た、上記したように、本実施例における第1ブレーキ部
材23と第2ブレーキ部材25とは、両者共、被押動部
と抑止部とを有している点で同じである。そのため、本
実施例の第1ブレーキ部材23を、第2ブレーキ部材2
5と同等な形状にしても何ら問題がないということにな
る。要するに、このような選択は、他の部材との配置ス
ペースや製作費のことを考慮して決めればよいことにな
る。
【0039】次に、本実施例の作動を説明するが、第1
実施例の作動説明によって可成りの部分が明確になって
いるので、具体的に説明するまでもない部分については
簡単に説明することにする。図7は、露光作動終了直後
の状態を示している。従って、図示していない先羽根群
の複数枚の羽根は、開口部1aの下方位置に格納されて
いる。また、後羽根系は、第2駆動部材4が、第1駆動
部材3に押されて時計方向へ回転され、駆動ピン4bを
緩衝部材2に当接させて停止させられており、後羽根群
の5枚の羽根7〜11は、展開状態となって開口部1a
を覆っている。更に、この状態においては、第1ブレー
キ部材23の抑止部23bと第2ブレーキ部材25の抑
止部25bとが、駆動ピン4bの背後側、即ちセット作
動をおこなっていく側に入り込んでいる。
【0040】セット作動を行なうに際して、セット操作
部材16が、図示していないばねの付勢力に抗して時計
方向へ回転すると、セット部座12は、連結部材17を
介して時計方向へ回転させられる。そして、セット部材
12は、ローラ12dによって、図示していない先羽根
用駆動部材を回転させ、次に、ローラ12eによって、
第1駆動部材3を反時計方向へ回転させることになる
が、その第1駆動部材3が反時計方向へ回転させられる
前に、折曲部12fが、二つのブレーキ部材23,25
の被拘束部23c,25cに対する拘束可能位置から退
いていく。図8は、その拘束可能位置から退く瞬間を示
したものである。従って、それ以後は、第1ブレーキ部
材23も第2ブレーキ部材25も、所定の角度範囲で自
由に回転できるようになる。
【0041】その後、第1駆動部材3が反時計方向へ回
転され始めると、図示していないばねが、第1駆動部材
3と第2駆動部材4との間に掛けられているので、第2
駆動部材4も反時計方向へ回転を開始する。そのため、
その初期段階で、駆動ピン4bが、第1ブレーキ部材2
3の抑止部23bと第2ブレーキ部材25の抑止部25
bを押すことになるが、そのようなことがあっても、そ
れらのブレーキ部材23,25は、既に、セット部材1
2に拘束されず自由に回転することができるので、駆動
ピン4bに対して殆ど抵抗を与えずに相反する方向へ回
転する。従って、二つのブレーキ部材23,25は、実
質的に、セットトルクに何の影響も与えることがないの
で、その点でも、本実施例は、第1実施例の場合よりも
機能的に優れている。そして、そのときの状態が図9に
示されている。但し、このとき、図面上では、二つの被
拘束部23c,25cが衝突しているようにみえている
が、両者は、シャッタ地板1からの異なる高さ位置で作
動しているので、そのような心配は全くない。
【0042】図9の状態から、なおもセット作動が続け
られてゆき、先羽根群の複数枚の羽根が開口部1aを完
全に覆い、後羽根群の5枚の羽根7〜11が開口部1a
の上方位置に格納状態になると、駆動ピン4bが長孔1
bの上端部に当接することによって、第2駆動部材4は
停止する。しかしながら、第1実施例のときに説明した
理由により、第1駆動部材3は更に若干反時計方向へ回
転し、図10に示された位置で停止する。そして、その
後は、セット操作部材16が反時計方向へ復帰回転する
のに伴って、セット部材12が反時計方向へ回転し、第
1駆動部材3が時計方向へ回転するが、第1駆動部材3
は、その初期段階に、図示していない係止部材に被係止
部3aを係止されて停止する。
【0043】他方、セット部材12は、その後も反時計
方向へ回転し、初期位置に戻って停止するが、その停止
直前に、折曲部12fが、二つのブレーキ部材23,2
5の被拘束部23c,25cの間に割り込んで、夫々の
被押動部23a,25aと抑止部23b,25bとを、
駆動ピン4bの作動軌跡内に確実に臨ませるようにす
る。このような状態が、図11に示された本実施例のセ
ット完了状態である。尚、この状態においては、ブレー
キ部材23,25が、極めて僅かではあるが、回転し得
るようになっている。しかし、そのよう構成になってい
ても特に問題がないことは、前にも述べた通りである。
【0044】次の撮影に際して、カメラのレリーズボタ
ンが押されると、先ず、図示していない先羽根用駆動部
材が回転して、先羽根群に、開口部1aを開かせてい
く。その後、所定の時間が経過すると、第1駆動部材3
に対する上記の係止が解除される。そのため、第1駆動
部材3は、図示していない後羽根用駆動ばねの付勢力に
よって時計方向へ回転させられ、それによって、第2駆
動部材4も時計方向へ回転させられるので、後羽根群の
5枚の羽根7〜11が作動し、スリット形成羽根によっ
て開口部1aを閉じていく。そして、後羽根群の露光作
動が終了する前になると、駆動ピン4bが、二つのブレ
ーキ部材23,25の被押動部23a,25aを押すよ
うになる。図12は、そのように押動している状態を示
している。
【0045】既に説明したように、第1ブレーキ部材2
3の二つの腕部は、いずれも弾性変形が可能である。ま
た、第2ブレーキ部材25も、被拘束部25cを有する
折曲部が弾性変形可能となっている。そして、それらの
ブレーキ部材23,25の回転は、セット部材12の折
曲部12fによって阻止され得るようになっている。そ
のため、被押動部23a,25aが駆動ピン4bに押さ
れると、それらの弾性変形によって制動力を与えるよう
になる。そして、その後、駆動ピン4bが被押動部23
a,25aとの接触位置を通り過ぎると、被押動部23
a,25aは弾性復帰し、抑止部23b,25bが、駆
動ピン4bの背後に回るようになる。従って、駆動ピン
4bが緩衝部材2に当接してバウンドしても、抑止され
ることになる。そのようにして、露光作動の終了した状
態が、図7に示された状態である。
【0046】尚、本実施例においては、第1ブレーキ部
材23の二つの腕部を、両方とも弾性変形可能にしてい
るが、どちらか一方だけにしても差し支えない。このこ
とは、上記したように、第1実施例の第2ブレーキ部材
15を、本実施例の第2ブレーキ部材として採用する場
合にも同じである。また、本実施例においては、二つの
ブレーキ部材23,25の両方に抑止部23b,25b
を設けているが、どちらか一方だけに設けるようにして
も差し支えない。
【0047】以上の二つの実施例においては、いずれ
も、本発明を、後羽根群の駆動系に適用した場合で説明
したが、このような構成は、先羽根群の駆動系にも採用
することが可能である。また、上記の各実施例は、駆動
部材が露光作動開始位置において係止部材によって係止
されている、所謂係止タイプと称されていフォーカルプ
レンシャッタとして説明したが、本発明は、露光作動の
開始直前の状態において、駆動部材が電磁石の吸引力に
よって直接保持されているようにした、所謂ダイレクト
タイプと称されているシャッタにも適用することが可能
である。但し、その場合には、上記の各実施例のよう
に、セット部材が、セット作動完了時に、初期位置へ戻
っているようにするのではなく、撮影の初期段階におい
て、露光作動が開始される前に、初期位置へ復帰させら
れることになる。
【0048】更に、上記の各実施例においては、第1駆
動部材3と第2駆動部材4との間に、ばねが掛けられて
いるということで説明したが、そのようなばねを、第1
駆動部材3には掛けず、第2駆動部材4にだけ掛けるよ
うにしても差し支えない。また、各実施例においては、
通常の後羽根用駆動部材が、第1駆動部材3と第2駆動
部材4とに分割された構成になっているので、セット作
動時には、第2駆動部材4を特別に設けられた係止部材
によって係止しておき、第1駆動部材3だけがセットさ
れるようにし、その第2駆動部材4の係止を、上記した
ように、撮影の初期段階において、露光作動が開始され
る前に初期位置へ復帰するセット部材が解除するように
すれば、所謂二重遮光方式のフォーカルプレンシャッタ
になる。従って、本発明は、そのような二重遮光方式の
フォーカルプレンシャッタにも適用することが可能であ
る。
【0049】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、羽根群
を作動させる駆動部材を露光作動の終了段階において制
動し且つバウンドを抑止するようにしたブレーキ機構
が、従来例の場合よりも少ない部品点数で製作できるの
で、スペース的にもコスト的にも有利となる。その上、
ばね部品を少なくしたり無くしたりすることができるた
めに、特に初期段階におけるセットトルクが小さくて済
むようになり、省電力化,低コスト化に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】被写体側から視た場合の左側の一部分を示した
第1実施例の平面図であって、露光作動を終了した直後
の状態を示したものである。
【図2】セット作動開始直後の状態を示した第1実施例
の平面図である。
【図3】図2に示した状態よりもセット作動が進んだ状
態を示した第1実施例の平面図である。
【図4】オーバーセット状態を示した第1実施例の平面
図である。
【図5】セット状態を示した第1実施例の平面図であ
る。
【図6】露光作動の途中の状態を示した第1実施例の平
面図である。
【図7】被写体側から視た場合の左側の一部分を示した
第2実施例の平面図であって、露光作動を終了した直後
の状態を示したものである。
【図8】セット作動開始直後の状態を示した第2実施例
の平面図である。
【図9】図8に示した状態よりもセット作動が進んだ状
態を示した第2実施例の平面図である。
【図10】オーバーセット状態を示した第2実施例の平
面図である。
【図11】セット状態を示した第2実施例の平面図であ
る。
【図12】露光作動の途中の状態を示した第2実施例の
平面図である。
【符号の説明】
1 シャッタ地板 1a 開口部 1b 長孔 1c,1d,1e,1f,1g,1h,1i,12b,
16b 軸 1j ストッパ 1k 規制ピン 2 緩衝部材 3 第1駆動部材 3a 被係止部 3b 窓部 3c,4a,12d,12e,16a ローラ 4 第2駆動部材 4b 駆動ピン 5,6 アーム 7,8,9,10,11 羽根 12 セット部材 12a 突部 12c 押動ピン 12f 折曲部 13,23 第1ブレーキ部材 13a,15a,23a,25a 被押動部 13b 被押動ピン 14 板ばね 15,25 第2ブレーキ部材 15b,23b,25b 抑止部 15c,23c,25c 被拘束部 16 セット操作部材 17 連結部材
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年5月25日(2000.5.2
5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 露光作動時には駆動ばねの付勢力によっ
    て回転され駆動ピンによって先羽根群又は後羽根群を作
    動させる駆動部材と、セット作動時には初期位置から作
    動して前記駆動部材を前記駆動ばねの付勢力に抗して回
    転させ前記駆動部材の露光作動開始時には初期位置へ復
    帰しているセット部材と、セット作動時には前記セット
    部材に回転されて被押動部を前記駆動ピンの作動軌跡内
    に臨ませ前記駆動部材の露光作動時にはその最終段階に
    おいて該被押動部を前記駆動ピンに押されて逆回転させ
    られる第1ブレーキ部材と、第1ブレーキ部材の回転に
    摩擦力を付与する摩擦板と、弾性を付与されていて先端
    部に被押動部を形成し且つその近傍位置に抑止部を形成
    した折曲部を有しておりセット部材が初期位置にあると
    きにはセット部材によって該被押動部と該抑止部とが第
    1ブレーキ部材の前記被押動部と対向して前記駆動ピン
    の作動軌跡内に臨むように拘束されセット部材がセット
    作動を開始した直後には該拘束が解かれるように構成さ
    れていて該折曲部は前記駆動部材の露光作動の最終段階
    において該被押動部が前記駆動ピンに押されて弾性変形
    させられたあと該抑止部が前記駆動ピンのバウンドを抑
    止するようにした第2ブレーキ部材と、を備えているこ
    とを特徴とするカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
  2. 【請求項2】 前記第2ブレーキ部材が、前記折曲部の
    代わりに、先端部に被押動部を形成し且つその近傍位置
    に抑止部を形成した腕部と、弾性を付与されていてその
    先端をセット部材に接触させ得る拘束用折曲部とを有し
    ていて、前記駆動部材の露光作動時には、セット部材に
    よって前記腕部の被押動部と抑止部とが前記駆動ピンの
    作動軌跡内に臨むように拘束され、前記腕部の被押動部
    が前記駆動ピンに押されたときには、前記拘束用折曲部
    が弾性変形させられるようにしたことを特徴とする請求
    項1に記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
  3. 【請求項3】 露光作動時には駆動ばねの付勢力によっ
    て回転され駆動ピンによって先羽根群又は後羽根群を作
    動させる駆動部材と、セット作動時には初期位置から作
    動して前記駆動部材を前記駆動ばねの付勢力に抗して回
    転させ前記駆動部材の露光作動開始時には初期位置へ復
    帰しているセット部材と、先端部に被押動部を形成した
    第1腕部とセット部材に接触し得る第2腕部とを有して
    いてそれらの腕部の少なくとも一方に弾性が付与されて
    おりセット部材が初期位置にあるときにはセット部材に
    よって該被押動部が前記駆動ピンの作動軌跡内に臨むよ
    うに拘束されセット部材がセット作動を開始した直後に
    は該拘束が解かれるように構成されていて該被押動部は
    前記駆動部材の露光作動の最終段階において駆動ピンに
    押されるようにした第1ブレーキ部材と、先端部に被押
    動部を形成した第1腕部とセット部材に接触し得る第2
    腕部とを有していてそれらの腕部の少なくとも一方に弾
    性が付与されておりセット部材が初期位置にあるときに
    はセット部材によって該被押動部が第1ブレーキ部材の
    前記被押動部と対向して前記駆動ピンの作動軌跡内に臨
    むように拘束されセット部材がセット作動を開始した直
    後には該拘束が解かれるように構成されていて該被押動
    部は前記駆動部材の露光作動の最終段階において駆動ピ
    ンに押されるようにした第2ブレーキ部材と、を備えて
    いて、第1ブレーキ部材の第1腕部と第2ブレーキ部材
    の第1腕部との少なくとも一方には、前記被押動部の近
    傍位置に抑止部が形成されていて、前記駆動部材の露光
    作動の最終段階において前記被押動部が前記駆動ピンに
    押されたあと該抑止部が前記駆動ピンのバウンドを抑止
    するようにしたことを特徴とするカメラ用フォーカルプ
    レンシャッタ。
  4. 【請求項4】 前記駆動部材が、前記駆動ばねによって
    回転力を付与されている第1駆動部材と、前記駆動ピン
    を有している第2駆動部材とで構成されており、それら
    の間にばねが掛けられていて、セット作動時には、第1
    駆動部材が前記セット部材によって回転され、第2駆動
    部材は第1駆動部材に追従して回転するようにし、露光
    作動時には、第1駆動部材が第2駆動部材を押して回転
    するようにしたことを特徴とする請求項1乃至3の何れ
    かに記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
  5. 【請求項5】 前記駆動部材が、後羽根群の駆動部材で
    あって、前記駆動ばねによって回転力を付与されている
    第1駆動部材と、前記駆動ピンを有している第2駆動部
    材とで構成されており、セット作動時において、第1駆
    動部材はセット部材によって回転されるが、第2駆動部
    材は、係止手段に係止され、ばねの付勢力によって第1
    駆動部材に追従するのを阻止され、露光作動の直前にセ
    ット部材が初期位置へ復帰するとき、前記の係止が解除
    されて、該ばねの付勢力によって露光作動開位置へ回転
    するようにしたことを特徴とする請求項1乃至3の何れ
    かに記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
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