JP2000284341A - 二重遮光方式のカメラ用フォーカルプレンシャッタ - Google Patents

二重遮光方式のカメラ用フォーカルプレンシャッタ

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JP2000284341A
JP2000284341A JP11092942A JP9294299A JP2000284341A JP 2000284341 A JP2000284341 A JP 2000284341A JP 11092942 A JP11092942 A JP 11092942A JP 9294299 A JP9294299 A JP 9294299A JP 2000284341 A JP2000284341 A JP 2000284341A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】コンパクトに低コストで製作することのできる
二重遮光方式のカメラ用フォーカルプレンシャッタを提
供すること。 【解決手段】露光作動時には、後羽根用駆動部材15の
駆動ピン15bが主アーム26の被押動部26bを押す
ようになっている。従アーム27は、セットばね32に
よって反時計方向ヘ付勢されていて、長溝27dを形成
している。セット作動時には、セット部材24が時計方
向ヘ回転し、そのピン24fが長溝27dに入り込むの
で、後羽根群の羽根28,29,30,31は、露光開
口を覆った状態に保たれ、露光作動に先立って、セット
部材24が反時計方向ヘ回転されると、ピン24fが長
溝27dから脱し、従アーム27が反時計方向ヘ回転さ
れて、露光作動開始位置へ作動されるようになってい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、撮影に際して、先
羽根群と後羽根群とを同一方向へ順次作動させ、その二
つの羽根群のスリット形成羽根によって形成されたスリ
ットにより、感光面の露光を行うようにしたカメラ用の
フォーカルプレンシャッタのうち、二重遮光方式と称さ
れているタイプのフォーカルプレンシャッタに関する。
【0002】
【従来の技術】最近のフォーカルプレンシャッタは、そ
の殆どのものが、先羽根群と後羽根群とを備えていて、
撮影時においては、それらの羽根群のスリット形成羽根
の間で、露光用のスリットを形成するようにしている。
また、各羽根群の構成は、基本的には、露光開口の一方
の側方位置で地板に枢着された二つのアームと、横長形
状をしていてそれらの各アームの長手方向に順に枢支さ
れた複数枚の羽根とからなっており、それらの複数枚の
羽根のうち、各アームの最先端側に枢支された羽根をス
リット形成羽根としている。
【0003】周知のように、この種のフォーカルプレン
シャッタは、その殆どが、一眼レフカメラなどの高級機
に採用されるものである。そのため、高速のシャッタ速
度を安定して得られることが最大の課題である。そし
て、シャッタ速度を高速化するための一つの方法とし
て、羽根群の軽量化を図る方法があるが、その中には、
材質面から軽量化を図る方法と、構造面から軽量化を図
る方法とが知られている。そのため、従来からそれらに
ついての数多くの提案がなされているが、構造面から軽
量化を図るものの一つとして、二重遮光方式のフォーカ
ルプレンシャッタと称されているものが知られており、
実際に実施されている。
【0004】この二重遮光方式のフォーカルプレンシャ
ッタは、カメラが使用されていないときには、先羽根群
と後羽根群との両方が、露光開口を二重に覆っていて、
撮影を行うに際してシャッタボタンが押されると、その
初期段階において、先ず後羽根群を露光作動開始位置に
作動させておいてから、両羽根群による露光作動が行わ
れるようにしたものである。従って、一方の羽根群のみ
で露光開口を覆っている一般のシャッタに比較し、カメ
ラの不使用時において、漏光によってフィルムを感光さ
せてしまう可能性が少なくなることから、展開状態にお
いて隣接している羽根同士の重なり量を少なくすること
が可能になる。それ故、各羽根の平面積を小さくして、
羽根群全体を軽量化できるという利点があるほか、羽根
の枚数を増やさずに各羽根の面積を小さくすることがで
きることから、シャッタの小型化にも有利な構成となっ
ている。
【0005】ところで、従来のこの種のシャッタの基本
構成は、例えば特開昭54−151439号公報や特開
平10−96977号公報などで知られているように、
二重遮光方式ではないシャッタにおける後羽根用駆動部
材を二つの部材で構成し、それらを個々に回転できるよ
うにして、同一軸上に配置させるようにするのが普通で
あった。そのため、それらの部材に関連する部品の増加
や、それらの部材の取付け構成の複雑化によって、シャ
ッタ開閉機構部のコンパクト化に不利であるという問題
点があった。そこで、今までの基本構成を根本的に変え
ることによって、上記のような問題点を解消することの
可能な構成が、特開平10−83012号公報で提案さ
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この特開平10−83
012号公報で提案されている発明(以下、従来例とい
う)は、シャッタ地板に係止手段を設けておき、露光作
動終了時に、後羽根群の被抑止手段をこの係止手段によ
って係止し、セット時においては、その係止を、セット
部材が、その操作部によって解除すると共に、そのセッ
ト部材の抑止部によって、その被抑止部を直ちに抑止す
るように構成している。従って、それまでのような、後
羽根用駆動部材を二つに分けたような基本構成を採用し
なくしたことによって、シャッタ地板に取り付けられる
部品点数を減らすことができるようにした点で、可成り
の評価に値するものがある。
【0007】しかしながら、この従来例は、実際に製作
するとなると、まだまだ改善の余地があり、特に、加工
面や組立調整面での問題点を克服する必要がある。即
ち、従来例の実施例においては、上記の被抑止部とし
て、後羽根群の主アームにピンを立設しているが、この
ピンは、シャッタ地板を貫通してセット部材の作動面に
まで達しなければならないことから、比較的長いピンと
いうことになる。しかし、実際には、極めて薄い材料で
製作されている主アームに、このような長いピンを立設
するのは簡単なことではない。このようなピンを、かし
め加工によって立設する場合には、部品や工数が多くな
るだけではなく、垂直度の精度を確保するのが容易でな
く、また、主アームとピンを樹脂材料で一体成形する場
合には、超薄型の成形技術が必要となってしまうからで
ある。従って、いずれにしてもコスト高になってしまう
という問題点がある。
【0008】また、そのほかにも、シャッタ地板には、
係止手段として、上記のピンのような被抑止部を係止す
るための係止部を形成しなければならないし、その係止
を解除するために、セット部材の操作部によって操作さ
れる被操作部をも形成しなければならないということが
ある。更に、それらの三者、即ち、後羽根群と、シャッ
タ地板と、セット部材とを、それらの関係部位が所定の
機能を発揮できるように組み立てなければならないとい
うことがある。即ち、この従来例においては、部品数は
少なくて、コンパクト化には優れたものがあるが、二重
遮光のために関係する部位の数が多いために、個々の部
位の加工精度を得るのが面倒であって、且つ組立調整も
面倒になるということである。従って、このような観点
からも、コスト高になってしまうという問題点がある。
【0009】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたものであり、その目的とするところは、最
少の構成部品,最少の関係部位で二重遮光機能を発揮す
ることができるようにした低コストなカメラ用フォーカ
ルプレンシャッタを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の二重遮光方式のカメラ用フォーカルプレ
ンシャッタは、先羽根群と後羽根群のうち、後羽根群
が、露光作動時に後羽根用駆動部材に押される被押動部
を有していて露光開口の一方の側方位置で地板に枢着さ
れている主アームと、先端部方向に略平行に延伸してい
る腕部との間に該先端部方向に開口した長溝を形成して
いて前記側方位置で前記地板に枢着されている従アーム
と、前記二つのアームに対しそれらの各アームの先端部
に向けて順に枢支されている複数枚の羽根と、前記二つ
のアームの一方に掛けられ該一方のアームを露光作動方
向とは逆方向に付勢しているセットばねと、を備えてお
り、また、セット部材が、セット時には初期位置から作
動して先羽根用駆動部材と後羽根用駆動部材とを夫々の
駆動ばねの付勢力に抗してセット位置へ作動させ、撮影
時には露光作動に先立って初期位置へ復帰するように構
成されていて、そのセット作動の過程においては前記長
溝に挿入されて前記セットばねの付勢力による後羽根群
の作動を阻止し、その復帰作動の過程においては前記長
溝から離脱して前記セットばねの付勢力による後羽根群
の作動を可能にする突起部を備えているようにする。ま
た、本発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタにおい
ては、前記セットばねが、前記従アームに掛けられてい
るようにすると、そのセットばねが、従来のガタ寄せ用
のばねを兼用することになり、構成部品の増加を抑制す
ることができる。また、本発明のカメラ用フォーカルプ
レンシャッタにおいては、前記セット部材を初期位置へ
復帰させるように付勢している復帰ばねを備え、前記突
起部が、初期位置でストッパに当接するようにすると、
二重遮光機能を得るために、セット部材を特別な形状に
しなくて済むという利点がある。また、本発明のカメラ
用フォーカルプレンシャッタにおいては、前記腕部の先
端部に、セット時に前記突起部が当接したとき、前記突
起部が、前記セットばねの付勢力に抗して前記長溝内に
入れるように、傾斜面が形成されているようにすると、
二重遮光機能が容易に得られるようになる。更に、本発
明のカメラ用フォーカルプレンシャッタにおいては、二
つの地板の間を中間板で仕切ることによって二つの羽根
室を構成し、前記セット部材は、撮影レンズ側の地板の
撮影レンズ側に取り付けられていて、後羽根群は、撮影
レンズ側の羽根室に配置されているようにすると、後羽
根群とセット部材との連携関係が好適に得られ易くな
る。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、図1〜図
14に示した実施例によって説明する。尚、図1は、被
写体側、即ち撮影レンズ側から視たセット状態の平面図
であって、図2〜図8は、セット状態における実施例の
各構成部品の平面図であり、図9は、実施例の部分左側
面図である。また、図10は、図1がシャッタ全体を示
していて細部が見にくいために、図1の左側の部分だけ
を拡大し、周知の先羽根用駆動部材と、後羽根用駆動部
材と、各羽根群の羽根とを取り外して示した平面図であ
る。更に、図11〜図14は、実施例の作動を説明する
ために示した平面図であり、図11は露光作動開始直前
の状態を示し、図12は露光開口の全開状態を示し、図
13は露光作動終了直後の状態を示し、図14はセット
作動の過程におけるセット部材と後羽根群との関係を拡
大して示している。
【0012】先ず、本実施例の構成を図1〜図10を用
いて説明するが、説明の便宜上、各構成部材のレンズ側
を表面側と称し、フィルム面側を背面側と称することに
する。図2は、主に、本実施例のシャッタ地板1を示し
たものである。このシャッタ地板1は合成樹脂製であっ
て、略中央部には開口部1aが形成されており、その左
側の側方位置には四つの円弧状の長孔1b,1c,1
d,1eが形成されている。そして、長孔1b,1cの
下端部には、周知のようにして、平面形状がC字状をし
ているブチルゴム製の緩衝部材2,3が取り付けられて
いる。シャッタ地板1の表面側には、軸1f,1g,1
h,1iが立設されていて、軸1f,1g,1hの根元
には、後述する各回転部材の座部が形成されている。ま
た、軸1f,1g,1hは、先端側が小径部となるよう
に形成されていて、更に、軸1h,1iの先端面には、
ねじ孔1h1,1i1が形成されている。
【0013】このシャッタ地板1の背面側には、周知の
ように開口部1aを囲むようにして、座ぐり部1jが形
成されている。また、開口部1aの右側は肉厚部1kと
して形成されており、表面側は基準面と同一面になって
いるが、背面側は基準面よりも隆起した面となってい
る。また、その肉厚部1kの右側の上下位置には、係合
部1k1,1k2が形成されている。そして、開口部1a
の上下位置の背面側には隆起した肉厚部1kの面と基準
面との間に、斜面1k3,1k4が形成されている。ま
た、シャッタ地板1の左上隅には、背面側に厚さの異な
る二つの肉厚部1m,1nが形成されていて、厚い方の
肉厚部1mの段面には直方体をした緩衝部材4が、接着
剤によって取り付けられている。更に、開口部1aの下
方位置には背面側に二つの棚部1p,1qが形成されて
いて、夫々の上面に、直方体の緩衝部材5,6が接着剤
によって取り付けられている。
【0014】シャッタ地板1の背面側には、更に、軸1
r,1s,1t,1u,1v,1w,1x,1yが立設
されていて、軸1r,1t,1vは、表面側に立設され
た軸1f,1g,1iと同心的に配置されている。ま
た、軸1wには、先端面にねじ孔1w1が形成されてい
る。軸1vの先端面にも、同様にしてねじ孔が形成され
ているが、図面上では軸1iと重なってしまうため、明
示されていない。そして、軸1wには、所定の厚さを有
している環状の緩衝部材7が、接着剤によって取付けら
れている。更に、軸1x,1yの先端部の周囲には環状
に溝が形成されており、また、軸1xの根元側には、間
座部1x1が形成されている。
【0015】次に、シャッタ地板1の表面側に取り付け
られている構成部材を、主に図3及び図4を用いて説明
する。既に説明したように、シャッタ地板1の軸1f,
1g,1h,1iの先端部には小径部が形成されてい
て、それらのうち軸1h、1iの先端面には、ねじ孔1
1,1i1が形成されている。そこで、それらの小径部
に対して、シャッタ地板1側から順に、先ず、支持板8
(図3(c)参照)の孔8a,8b,8c,8dを嵌合
させ、次に、プリント配線板9(図3(b)参照)の孔
9a,9b,9c,9d)を嵌合させた後、ネジ10,
11(図3(c)参照)を、ねじ孔1h1,1i1に螺合
させるようにしている。
【0016】また、支持板8には、折り曲げ加工によっ
て、爪部8e,8f、ばね掛け部8g、取付部8h,8
iが形成されている。そして、取付部8h,8iは極め
て複雑な形状をしている。そのため、詳しい説明を省略
するが、それらの取付部8h,8iには、夫々、シャッ
タ地板1側に、先羽根用電磁石12と後羽根用電磁石1
3が取り付けられている。そして、各電磁石12,13
は、鉄芯12a,13aとコイル12b,13bを有し
ていて、コイル12b,13bの各二つの端子は、プリ
ント配線板9に接続されるようになっている。
【0017】シャッタ地板1と支持板8との間におい
て、軸1fには先羽根用駆動部材14が、また、軸1g
には後羽根用駆動部材15が、夫々、回転可能に取り付
けられている。また、それらの軸1f,1gの小径部に
は、ラチェット車16,17が回転可能に取り付けられ
ている。図4(c)に示されているように、先羽根用駆
動部材14は、合成樹脂製であって、上記の軸1fに回
転可能に嵌合する筒部14aと、駆動ピン14bと、取
付部14cとを有していて、背面側にはローラ18を回
転可能に取り付けている。また、駆動ピン14bは、シ
ャッタ地板1の長孔1bを貫通して、背面側に突き出て
おり、取付部14cには、先羽根用電磁石12の鉄芯1
2aに吸着される鉄片部材19が取り付けられている
が、鉄片部材19の形状と、その取付け構成は周知であ
るため、それらについての詳しい説明は省略する。
【0018】先羽根用駆動部材14の筒部14aには、
図4(b)に示した先羽根用駆動ばね20が、図9に示
すようにして嵌装されており、その一端が上記した取付
部14cの一部に掛けられ、その他端がラチェット車1
6のばね掛け部16a(図4(a)参照)に掛けられて
いる。しかし、ラチェット車16は、その歯部16bが
支持板8の爪部8eに噛合し、図4(a)において反時
計方向ヘの回転を阻止されているため、先羽根用駆動ば
ね20は、図4(c)に示された先羽根用駆動部材14
を時計方向ヘ回転させるように付勢している。そして、
その付勢力の調整は、爪部8eとラチェット車16の噛
合位置を変えることによって行われるようになってい
る。
【0019】他方、軸1gに回転可能に取り付けられて
いる後羽根用駆動部材15も、先羽根用駆動部材14と
同様に合成樹脂製であって、上記の軸1gに回転可能に
嵌合する筒部15aと、駆動ピン15bと、取付部15
cとを有していて、背面側にはローラ21を回転可能に
取り付けている。また、駆動ピン15bは、シャッタ地
板1の長孔1cを貫通して、背面側に突き出ており、そ
の突き出した部分には平らな押動面15b1が形成され
ている。更に、取付部15cには、後羽根用電磁石13
の鉄芯13aに吸着される鉄片部材22が取り付けられ
ているが、その形状と取付け構成は周知であるため、そ
れらについての説明を省略する。
【0020】また、後羽根用駆動部材15の筒部15a
には、図4(b)に示した後羽根用駆動ばね23が嵌装
されており、その一端が上記した取付部15cの一部に
掛けられ、その他端がラチェット車17のばね掛け部1
7a(図4(a)参照)に掛けられている。しかし、ラ
チェット車17は、その歯部17bが支持板8の爪部8
fに噛合し、図4(a)において反時計方向ヘの回転を
阻止されているため、後羽根用駆動ばね23は、図4
(c)に示された後羽根用駆動部材15を時計方向ヘ回
転させるように付勢している。尚、その付勢力の調整に
ついては、上記の先羽根用駆動ばね20の場合に準じて
行われる。
【0021】シャッタ地板1と支持板8との間におい
て、軸1hには、図4(e)に示されたセット部材24
が、回転可能に取り付けられている。このセット部材2
4は、合成樹脂製であって、上記の軸1hに回転可能に
嵌合する筒部24aと、押動部24b,24cと、被押
動部24dと、ばね掛け部24eと、ピン24fを有し
ている。また、セット部材24の筒部24aには、図4
(d)に示した復帰ばね25が、図9に示すようにして
嵌装されており、その一端を、ばね掛け部24eに掛
け、他端を、上記した支持板8のばね掛け部8gに掛け
ることによって、図4(e)に示されたセット部材24
を、反時計方向ヘ回転させるように付勢している。そし
て、その復帰ばね25によるセット部材24の回転は、
シャッタ地板1の長孔1dに挿入されたピン24fが、
その長孔1dの右側の端面に当接することによって停止
されるようになっている。
【0022】尚、セット部材24については、上記のよ
うにしてピン24fが長孔1dの右側の端面に当接し停
止している位置を、初期位置と称することにする。ま
た、このようにして、復帰ばね25の付勢力によって回
転されるセット部材24を停止させるために、セット部
材24にピン24fを設けること自体は周知である。し
かし、本実施例においては、このピン24fが、従来の
ピンよりも長く形成されている。そして、そのように長
くしたことによって、本発明の固有の機能を発揮するこ
とができるようになっているが、そのことについては、
以下に説明する他の部材の構成説明と、実施例の作動説
明から理解することができるようにする。
【0023】以上の説明で、シャッタ地板1自身と、主
にシャッタ地板1の表面側に取り付けられる部材の構成
についての説明を終わり、以後は、シャッタ地板1の背
面側に取り付けられる部材と、その取付け構成について
説明することにするが、先ずは、その全体構成の概略を
説明しておく。シャッタ地板1の背面側には、夫々、所
定の間隔を空けて中間板33(図6参照)と補助地板4
3(図8(b)参照)とが取り付けられ、シャッタ地板
1と中間板33との間が後羽根群(図5(a)参照)の
羽根室となり、中間板33と補助地板43との間が先羽
根群(図7(a)参照)の羽根室となっている。また、
中間板33と補助地板43にも、略中央部に開口部33
a,43aが形成されており、シャッタ地板1の開口部
1aをそれらと重ね合わせることによって、長方形を横
長にした露光開口が形成されるようになっている。
【0024】そこで、先ず、図5(a)に示された後羽
根群について説明する。後羽根群は、二つのアーム2
6,27と、それらの長さ方向に順に枢支された4枚の
羽根28,29,30,31で構成されていて、最先端
に枢支された羽根31がスリット形成羽根である。各羽
根の枢支は、周知のように、リベット部品である連結軸
を用いて行われている。即ち、アームと羽根とに形成さ
れている孔に、連結軸をアーム側から挿入し、その挿入
端を、羽根にかしめて固定している。従って、この後羽
根群の場合には、二つのアーム26,27が、各羽根2
8,29.30,31よりもシャッタ地板1側に配置さ
れていて、それらのアーム26,27から、各連結軸の
頭が、シャッタ地板1側に突き出た構成をしていること
になる。
【0025】このような枢支構成自体は周知である。し
かし、本実施例の特徴は、アーム26,27の形状にあ
る。即ち、アーム26は、後羽根群の主アームであっ
て、孔26aを、シャッタ地板1の軸1tに回転可能に
嵌合させているが、羽根28の枢支部の近傍には、被押
動部26bが形成されていて、既に説明した後羽根用駆
動部材15の駆動ピン15bに形成された押動面15b
1が、その被押動部26bを押し得るようになってい
る。もう一つのアーム27は、従アームであって、孔2
7aを、シャッタ地板1の軸1uに回転可能に嵌合させ
ており、先端部には張出部27bが形成されている。ま
た、先端部方向に延伸させた腕部27cとの間におい
て、先端部方向に開口した長溝27dを形成している。
そして、その腕部27cの先端には、既に説明したセッ
ト部材24のピン24fに摺接し、そのピン24fを長
溝27d内に案内するための傾斜面27c1が形成され
ている。
【0026】この後羽根群の従アーム27には、もう一
つの孔27eが形成されていて、そこに、図5(b)に
示したセットばね32が掛けられるようになっている。
即ち、セットばね32は、シャッタ地板1の軸1uに嵌
装されていて、その一端をシャッタ地板1の軸1sに掛
け、他端を従アーム27の孔27eに掛けることによっ
て、従アーム27を反時計方向ヘ回転させるように付勢
している。従アーム27に対して、このようにばねを掛
けることは、従来からも行われている。しかし、従来の
ばねは、各枢支部のガタ寄せを行うだけの目的で配置さ
れていたために、その付勢力は小さかったが、本実施例
のセットばね32は、後述の説明から分かるように、後
羽根群全体を露光作動開始位置まで作動させる力を必要
とするため、その付勢力は、ガタ寄せを行うだけの場合
よりも大きくなるように設定されている。
【0027】ところで、シャッタ地板1に対して、この
ような後羽根群を組み付ける場合、通常は、シャッタ地
板1を、その表面側を下にして治具の上に置いておき、
軸1t,1uに対して、アーム26,27の孔26a,
27aを上から嵌合させるようにしている。このとき、
セットばね32を、予め軸1uに嵌装させておき、その
一端を、シャッタ地板1側から孔27eに掛けるように
するのは、作業上、明らかに問題である。そこで、従来
の場合にも、予め後羽根群を軸1t,1uに組み付けた
後に、ガタ寄せばねを軸1uに嵌装し、その一端を、シ
ャッタ地板1とは反対側から孔27eに掛けるようにし
ていた。即ち、孔27eに掛けたガタ寄せばねの一端
は、シャッタ地板1側に突き出るようになっていた。従
って、本実施例のセットばね32も、従来のガタ寄せば
ねの場合と同様にして組みつけられている。
【0028】しかし、通常のシャッタの場合には、後羽
根群は、常に、後羽根用駆動部材によって強力な力で作
動させられ、且つガタ寄せばねの付勢力も極めて小さい
ものであるため、孔27eに掛けているガタ寄せばねの
一端が、仮にシャッタ地板1に接触するようなことがあ
ったとしても、それによる摩擦抵抗は余り問題にする必
要がなかった。ところが、セットばね32の場合には、
上記したように、従来のガタ寄せばねの場合よりは、付
勢力が大きく設定されているとはいうものの、後述の作
動説明からも分かるように、露光作動時には、その露光
作動に逆らう力として作用してしまうため、余り大きく
するわけにはいかない。そのため、孔27eに掛けてい
るセットばね32の一端が、シャッタ地板1に接してし
まうと、所定時間内に後羽根群を露光作動開始位置まで
作動させられない事態が発生してしまう。従って、本実
施例においては、そのような事態が発生しないようにす
るために、シャッタ地板1に、既に説明した長孔1eを
形成しているわけである。
【0029】次に、図6を用いて中間板33について説
明する。中間板33の略中央部には開口部33aが形成
されており、その開口部33aの左側には二つの円弧状
の長孔33b,33cが形成され、また、開口部33a
の右側には二つの孔33d,33eが形成されている。
そのうち、長孔33b,33cは、上記した各駆動部材
14,15の駆動ピン14b,15bを貫通させてお
り、それによって、駆動ピン14bの場合には、中間板
33の背面側の羽根室で、後述する先羽根群と連結する
ことが可能になっていて、駆動ピン15bの場合には、
上記した後羽根群の主アーム26の被押動部26bに対
し、確実に接触し得るようになっている。
【0030】また、孔33d,33eは、シャッタ地板
1の軸1x,1yに嵌合させるためのものである。そし
て、本実施例においては、この中間板33とシャッタ地
板1との間隔は、数カ所で維持されるようになってい
る。即ち、開口部33aの上方位置は、後羽根群の4枚
の羽根28,29,30,31が重畳状態となるので、
それに必要な間隔が、孔33dの縁を間座部1x1に接
触させ、且つ張出部33fを肉厚部1nに接触させるこ
とによって、得られるようになっている。また、開口部
33aの下方位置は、上方位置よりも間隔が狭くて良
く、本実施例の場合には、シャッタ地板1の棚部1p,
1qがその役目をしている。
【0031】更に、中間板33とシャッタ地板1との間
隔は、光軸の左側、即ち開口部33aの中央部より左側
の位置においては、羽根28,29,30,31の厚さ
のほか、アーム26,27の厚さや、各羽根を取付ける
ための連結軸の頭の突出し量を考慮して決める必要があ
るが、開口部33aの右側においては、羽根28,2
9,30,31の厚さだけを考慮して決めることにな
る。そのため、通常、その右側の位置には、後羽根用押
さえ板と称されている部材を配置し、間隔を狭くしてい
るが、本実施例においては、シャッタ地板1に肉厚部1
kが形成されているので、そのような部材は配置されて
いない。
【0032】上記のような中間板33の背面側には、図
7(a)に示すような先羽根群が配置されている。この
先羽根群は、従来の先羽根群と全く同じ構成をしてい
て、主アーム34と、従アーム35と、それらに枢支さ
れた4枚の羽根36,37,38,39で構成されてい
て、羽根39がスリット形成羽根となっている。そし
て、それらの重なり関係は、上記した後羽根群の場合と
は逆であって、主アーム34,従アーム35が、後述す
る補助地板43側に配置され、各連結軸の頭は補助地板
43側に突き出ている。
【0033】また、主アーム34には、二つの孔34
a,34bが形成され、従アーム35にも、二つの孔3
5a,35bが形成されている。そして、孔34a,3
5aは、シャッタ地板1の軸1r,1sに回転可能に嵌
合されており、孔34bには、先羽根用駆動部材14の
駆動ピン14bが嵌合されている。また、図7(b)に
示されているガタ寄せばね40は、軸1sに嵌装されて
おり、その一端を軸1uに掛け、他端を従アーム35の
孔35bに掛けることによって、従アーム35を反時計
方向ヘ回転させるように付勢している。
【0034】更に、上記した中間板33の背面側におい
て、シャッタ地板1の軸1yに、図7(c)に示された
間座41が嵌合されている。また、その次に、図8
(a)に示された先羽根用押さえ板42が、その孔42
a,42bを、シャッタ地板1の軸1x,1yに嵌合さ
せている。そして、上記した先羽根群の各羽根36,3
7,38,39の先端部は、その先羽根用押さえ板42
と中間板33との間で作動するようになっている。この
うち、間座41は、先羽根群の4枚の羽根36,37,
38,39が露光開口の下方位置で重畳状態となれる間
隔を確保するためのものである。また、先羽根用押さえ
板42は、シャッタ地板1の肉厚部1kと同じ役目をす
るものであって、後述する補助地板43が合成樹脂で製
作された場合には、先羽根用羽根押さえ板42に代え
て、補助地板43に肉厚部を形成するようにしても差し
支えない。
【0035】図8(b)には、本実施例の補助地板43
が示されている。この補助地板43は、金属製であっ
て、略中央部に開口部43aが形成されており、その開
口部43aの左側には、三つの孔43b,43c,43
dと三つの折曲部43e,43f,43gが形成されて
いる。これらのうち、孔43cは、シャッタ地板1の軸
1uの先端が挿入される孔であり、折曲部43e,43
f,43gは、中間板33との間隔が適正に保たれるよ
うにするためのものである。また、開口部43aの右側
には、鍵穴を横にしたような二つの孔43h,43i
と、二つのフック部43j,43kと、三つの突出し部
43m,43n,43pが形成されている。このうち、
突出し部43m,43n,43pは、先羽根用押さえ板
42を支えるためのものである。更に、開口部43aの
下側には、折曲部43qが形成されていて、その上面
に、長い直方体をした緩衝部材44が、接着剤によって
取り付けられている。
【0036】次に、この補助地板43の取付け方につい
て説明する。既に説明したように、シャッタ地板1の軸
1v,1wの先端面にはねじ孔が形成されていて、軸1
x,1yの先端部周囲には環状に溝が形成されている。
そこで、先ず、孔43h,43iの左側の大きな開口部
を、軸1x,1yに嵌合させ、次に、補助地板43を左
側に移動させることによって、右側の小さな開口部の縁
を、上記した環状の溝に入り込ませる。そして、この状
態で、孔43cを軸1uに嵌合させ、フック部43j,
43kを係合部1k1,1k2に引っ掛ける。その後、図
8(c)に示されたネジ45,46を孔43b,43d
に通して、軸1v,1wのねじ孔に螺合させるようにす
る。
【0037】次に、本実施例の作動を説明する。図1及
び図10は、シャッタのセット状態を示している。即
ち、セット部材24が、図示していないカメラ本体側の
部材によって、被押動部24dを押され、復帰ばね25
の付勢力に抗して時計方向ヘ回転された後、上記のカメ
ラ本体側の部材の停止によって、そのセット位置を保た
されている状態である。そのため、先羽根用駆動部材1
4,後羽根用駆動部材15は、先羽根用駆動ばね20,
後羽根用駆動ばね23の付勢力に抗して、反時計方向ヘ
回転された状態にあり、夫々の鉄片部材19,22は、
各電磁石12,13の鉄芯12a,13aに接触させら
れている。
【0038】また、この状態においては、先羽根用駆動
部材14の駆動ピン14bが、先羽根群の主アーム34
を反時計方向ヘ回転させているので、4枚の羽根36,
37,38,39は展開状態となって、露光開口を完全
に覆っている。他方、後羽根用駆動部材15も、上記し
たように反時計方向ヘ回転されているので、それに伴っ
て駆動ピン15bの位置が移動させられているが、図1
0から分かるように、セット部材24のピン24fが後
羽根群の従アーム27の長溝27dに入っているため、
従アーム27はセットばね32の付勢力によって反時計
方向ヘ回転できない状態にある。そのため、主アーム2
6の被押動部26bは、駆動ピン15bの移動に追従で
きず、後羽根群の4枚の羽根28,29,30,31
は、展開状態のままで、露光開口を完全に覆った状態と
なっている。従って、このセット状態においては、露光
開口は、先羽根群の羽根36,37,38,39と、後
羽根群の羽根28,29,30,31によって、二重に
覆われていることになる。
【0039】このようなセット状態において、カメラの
レリーズボタンが押されると、先ず、先羽根用電磁石1
2のコイル12bと後羽根用電磁石13のコイル13b
に通電され、それらの鉄芯12a、13aに接触してい
た鉄片部材19,22が吸着保持される。その後、図示
していないカメラ本体側の部材が、セット部材24の被
押動部24dの押圧力を解いていくので、セット部材2
4は、図10に示された状態から、復帰ばね25の付勢
力により、初期位置へ向けて、反時計方向ヘ回転されて
いく。
【0040】このようにして、図10の状態から、セッ
ト部材24が反時計方向ヘ回転すると、セット部材24
のピン24fが、後羽根群の従アーム27の長溝27d
から脱出するので、従アーム27はセットばね32の付
勢力によって、反時計方向ヘ急速に回転される。そのた
め、主アーム26は反時計方向ヘ回転され、後羽根群の
4枚の羽根28,29,30,31は、相互の重なり量
を大きくしつつ急速に上方へ移動し、露光開口の上方位
置に、重畳状態となって格納されていく。そして、その
作動は、先ず、主アーム26の被押動部26bが、後羽
根用駆動部材15の駆動ピン15bの押動面15b1
当接し、次に、慣性等によって主アーム26が緩衝部材
4に当接することによって停止させられる。
【0041】そして、セット部材24が初期位置へ復帰
し、停止した状態が図11に示されている。この状態
が、先羽根群と後羽根群の、露光作動開始直前の状態で
あって、露光開口は先羽根群の羽根36,37,38,
39のみによって覆われている。また、この状態におい
ては、セット部材24の押動部24b,24cが、先羽
根用駆動部材14と後羽根用駆動部材15の各ローラ1
8,21から離れているために、先羽根用駆動部材14
と後羽根用駆動部材15とは、先羽根用駆動ばね20と
後羽根用駆動ばね23の付勢力によって時計方向ヘ回転
され得る体勢にあるが、それを、夫々の鉄片部材19,
22が、各電磁石12,13の鉄片12a,13aに吸
着されていることによって、阻止されている。
【0042】この図11に示された状態から、先ず、先
羽根用電磁石12のコイル12bに対する通電が断たれ
ると、鉄片部材19に対する保持力が失われ、先羽根用
駆動部材14が、先羽根用駆動ばね20の付勢力によっ
て時計方向へ回転を開始する。それによって、先羽根用
駆動部材14の駆動ピン14bが、主アーム34を時計
方向へ回転させ、先羽根群の4枚の羽根36,37,3
8,39を下方へ作動させていく。そのため、羽根3
6,37,38,39は相互の重なり量を大きくして行
き、スリット形成羽根39の上側の縁であるスリット形
成縁によって、露光開口を開いていく。そして、スリッ
ト形成羽根39のスリット形成縁が、露光開口を完全に
全開にした段階になると、先ず、先羽根用駆動部材14
の駆動ピン14bが緩衝部材2に当接し、次に、主アー
ム34の根元側の部位が緩衝部材7に当接し、最後に、
重畳された4枚の羽根の作動方向の縁が緩衝部材44に
当接することによって停止する。その状態が、図12に
示された状態である。
【0043】上記のようにして、先羽根用電磁石12の
コイル12bに対する通電が断たれてから所定時間が経
過すると、今度は、後羽根用電磁石13のコイル13b
に対する通電が断たれる。周知のように、実際には、コ
イル13bに対する通電が断たれるタイミングは、撮影
条件によって様々である。従って、むしろ、先羽根群の
露光作動が終了する前に、コイル13bへの通電が断た
れることが多いが、本実施例の作動説明においては、説
明の都合上、上記のように、先羽根群の露光作動が終了
した後に、通電が断たれた場合で説明することにする。
【0044】そこで、後羽根用電磁石13のコイル13
bに対する通電が断たれると、鉄片部材22に対する保
持力が失われるため、後羽根用駆動部材15は、後羽根
用駆動ばね23の付勢力によって時計方向へ回転させら
れるが、このとき、駆動ピン15bの押動面15b1
主アーム26の被押動部26bを押し、主アーム26,
従アーム27を、セットばね32の付勢力に抗して時計
方向ヘ回転させ、後羽根群の4枚の羽根28,29,3
0,31を下方へ作動させる。そのため、4枚の羽根2
8,29,30,31は、相互の重なりを小さくしつ
つ、スリット形成羽根31の下方の縁であるスリット形
成縁によって、露光開口を閉じていく。
【0045】そして、4枚の羽根28,29,30,3
1が、露光開口を完全に閉じた段階になると、瞬間的な
タイミングで、先ず、後羽根用駆動部材15の駆動ピン
15bが緩衝部材3に当接し、次に、従アーム27の張
出部27bが緩衝部材5に当接し、最後に、スリット形
成羽根31の先端のスリット形成縁が緩衝部材6に当接
することによって停止し、露光作動が終了する。その露
光作動終了直後の状態が、図13に示されている。
【0046】次に、本実施例のセット作動を説明する。
図13に示された状態において、フィルムの巻き上げが
行われると、それに連動して図示していないカメラ本体
側の部材が、セット部材24の被押動部24dを押し、
セット部材24を、復帰ばね25の付勢力に抗して時計
方向ヘ回転させていく。それによって、先ず、セット部
材24の押動部24bが、先羽根用駆動部材14のロー
ラ18を押し、先羽根用駆動部材14を、先羽根用駆動
ばね20の付勢力に抗して、反時計方向ヘ回転させてい
く。それによって、駆動ピン14bが先羽根群の主アー
ム34を反時計方向ヘ回転させることになるので、先羽
根群の4枚の羽根36,37,38,39は、相互の重
なり量を小さくしつつ上方へ作動されていく。
【0047】そして、先羽根群のスリット形成羽根39
と後羽根群のスリット形成羽根31の重なり量が所定量
に達すると、セット部材24は、更に、押動部24cに
よって、後羽根用駆動部材15のローラ21を押し、後
羽根用駆動部材15を、後羽根用駆動ばね23の付勢力
に抗して、反時計方向ヘ回転させていく。このとき、後
羽根群の従アーム27はセットばね32によって反時計
方向ヘ回転するように付勢されているため、主アーム2
6と従アーム27とは、主アーム26の被押動部26b
と駆動ピン15bの押動面15b1との接触を保ちなが
ら、反時計方向ヘ回転しようとする。しかし、そのとき
には、既に、セット部材24のピン24fが、従アーム
27の腕部27cの作動軌跡内に移動してきているた
め、従アーム27は、僅かに回転した段階で、その傾斜
面27c1がピン24fに当接することになる。そのと
きの状態が図14に示されている。
【0048】そして、その後は、セット部材24の回転
に伴って、ピン24fが腕部27cの傾斜面27c1
押すことになるので、従アーム27は、セットばね32
の付勢力に抗して僅かに時計方向ヘ回転され、ピン24
fは、従アーム27の長溝27dの中に入っていく。従
って、後羽根群の場合には、僅かにセット方向ヘ作動さ
せられるが、その直後には、また、戻されてしまうこと
になる。そのため、セット作動時においては、先羽根用
駆動部材14と後羽根用駆動部材15がセットされて行
き、先羽根群の4枚の羽根36,37,38,39は展
開されて、露光開口を覆っていくが、後羽根群の4枚の
羽根28,29,30,31は、実質的に露光開口を覆
った状態のままになっていることになる。
【0049】その後、先羽根群の羽根36,37,3
8,39が展開状態となって露光開口を覆い終わると、
鉄片部材19,22は、相前後して各電磁石12,13
の鉄芯12a,13aに接触し、図示していない周知の
圧縮ばねの付勢力に抗して、取付部14c,15c内に
押し込まれるが、その僅かに押し込まれた段階で、セッ
ト部材24の回転が停止されることによって、一連のセ
ット作動が終了する。従って、セット部材24は、セッ
ト作動終了後、直ちに初期位置へは復帰せず、次の撮影
が行われるまで、図示していないカメラ本体側の部材に
よって、その位置を保たされることになる。そのセット
状態が図1に示された状態である。
【0050】このように、本実施例においては、従来の
二重遮光方式でないシャッタに比較して、特に部品点数
が増えるわけではないので、コンパクトで低コストな二
重遮光方式のシャッタが得られるという特徴がある。即
ち、セット部材24のピン24fは、セット部材24が
初期位置に復帰し停止するための従来のピンと兼用さ
せ、その長さを若干長くしただけである。また、セット
ばね32は、従来のガタ寄せばねと兼用させ、その付勢
力を大きくしただけのものである。更に、従アーム27
には、従来例のようにピンを立設する必要がなく、薄板
材料の形状を一部変えるだけのものであるから、加工が
極めて容易である。そして、従来例のように、シャッタ
地板に何らかの加工を施す必要が全くない。
【0051】尚、上記の実施例においては、セットばね
32が従アーム27に掛けられているが、ガタ寄せばね
を設ける必要がない場合か、ガタ寄せばねを設ける場合
であっても兼用させたくない場合には、このセットばね
32を主アーム26に掛けても差し支えない。また、上
記の実施例においては、セット部材24が、セット時に
は、カメラ本体側の部材によって初期位置から動かさ
れ、初期位置へは、復帰ばね25の付勢力によって復帰
するように構成されているが、本発明は、そのような構
成に限定されず、セット部材24に復帰ばね25が掛け
られてなく、初期位置からの往復作動を他の部材の往復
作動に連動して作動させられるようにした構成にも適用
することが可能である。
【0052】また、上記の実施例においては、セット作
動時に、セット部材24のピン24fが従アーム27の
傾斜面27c1を押すことによって、若干反時計方向ヘ
回転されている従アーム27を時計方向ヘ押し戻すよう
に構成されているが、本発明は、そのような構成に限定
されるものではない。即ち、腕部27cの先端には傾斜
面27c1が形成されておらず、セット部材24のピン
24fが長溝27dに入った後、そのピン24fに腕部
27cが当接し、従アーム27の反時計方向ヘの回転が
阻止されるようにしても差し支えない。但し、その場合
には、タイミングの取り方によっては、スリット形成羽
根31のスリット形成縁が露光開口を開いた状態にせざ
るを得なくなる場合もあるが、その場合であっても、漏
光は羽根相互の重なり部で生じることが多いため、先羽
根群の羽根36と羽根37の重なり部を覆う状態になっ
てさえいれば、それなりの遮光効果を得ることが可能で
ある。
【0053】更に、上記の実施例においては、シャッタ
地板1と中間板33との間を後羽根群の羽根室にしてい
るが、これは、説明するまでもなく、セット部材24の
ピン24fと従アーム27の長溝27dとの連結関係を
良好に得られ易くするためであり、その連結関係につい
て、特に問題がないと判断した場合には、中間板33と
補助地板43との間を、後羽根群の羽根室としても差し
支えない。
【0054】
【発明の効果】以上のように、本発明は、部品点数が極
めて少なく、しかも各部材の加工が面倒ではないため、
従来の二重遮光方式のフォーカルプレンシャッタに比較
して、格段に、コンパクトに、且つ低コストで製作でき
るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】被写体側、即ち撮影レンズ側から視た実施例の
平面図であって、セット状態、即ち二重遮光状態を示し
たものである。
【図2】実施例のシャッタ地板と、それに直接関連する
部材を示した平面図である。
【図3】図3(a)〜図3(c)は、図2に示したシャ
ッタ地板の撮影レンズ側に取り付けられる部材のうち、
一番撮影レンズ側に配置されるものから順に示した平面
図である。
【図4】図4(a)〜図4(e)は、シャッタ地板の撮
影レンズ側に取り付けられる部材のうち、図3(c)に
示したものよりもシャッタ地板側に取り付けられる部材
を、主に撮影レンズ側に配置されるものから順に図1の
状態で示した平面図である。
【図5】図5(a)及び図5(b)は、図1の状態にお
ける後羽根群とセットばねを示した平面図である。
【図6】実施例に用いられている中間板の平面図であ
る。
【図7】図7(a)〜図7(c)は、図1の状態におけ
る先羽根群と、先羽根群のガタ寄せばねと、先羽根群の
羽根室の間隙を確保するための間座を示した平面図であ
る。
【図8】図8(a)〜図8(c)は先羽根群よりもフィ
ルム面側に配置される部材を、先羽根群側から順に示し
た平面図である。
【図9】実施例の部分左側面図である。
【図10】図1の左側の部分だけを拡大し、要部の構成
が理解できるようにするために、図1に示されている一
部の部材を取り外して示した平面図である。
【図11】図1の左側の部分だけを拡大して示した平面
図であって、露光作動開始直前の状態を示している。
【図12】図1の左側の部分だけを拡大して示した平面
図であって、露光開口の全開状態を示している。
【図13】図1の左側の部分だけを拡大して示した平面
図であって、露光作動終了直後の状態を示している。
【図14】実施例において、セット作動の過程における
セット部材と後羽根群との関係を、拡大して示した平面
図である。
【符号の説明】
1 シャッタ地板 1a,33a,43a 開口部 1b,1c,1d,1e,33b,33c 長孔 1f,1g,1h,1i 軸 1h1,1i1,1w1 ねじ孔 1j 座ぐり部 1k,1m,1n 肉厚部 1k1,1k2 係合部 1k3,1k4 斜面 1p,1q 棚部 1x1 間座部 2,3,4,5,6,7,44 緩衝部材 8 支持板 8a,8b,8c,8d,9a,9b,9c,9d,2
6a,27a,27e,33d,33e,34a,34
b,35a,35b,42a,42b,43b,43
c,43d,43h,43i 孔 8e,8f 爪部 8g,16a,17a,24e ばね掛け部 8h,8i,14c,15c 取付部 9 プリント配線板 10,11,45,46 ネジ 12 先羽根用電磁石 12a,13a 鉄芯 12b,13b コイル 13 後羽根用電磁石 14 先羽根用駆動部材 14a,15a,24a 筒部 14b,15b 駆動ピン 15 後羽根用駆動部材 15b1 押動面 16,17 ラチェット車 16b,17b 歯部 18,21 ローラ 19,22 鉄片部材 20 先羽根用駆動部材 23 後羽根用駆動部材 24 セット部材 24b,24c 押動部 24d,26b 被押動部 24f ピン 25 復帰ばね 26,34 主アーム 27,35 従アーム 27b,33f 張出部 27c 腕部 27c1 傾斜面 27d 長溝 28,29,30,31,36,37,38,39 羽
根 32 セットばね 33 中間板 40 ガタ寄せばね 41 間座 42 先羽根用押さえ板 43 補助地板 43e,43f,43g,43q 折曲部 43j,43k フック部 43m,43n,43p 突出し部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先羽根群と後羽根群のうち、後羽根群
    が、露光作動時に後羽根用駆動部材に押される被押動部
    を有していて露光開口の一方の側方位置で地板に枢着さ
    れている主アームと、先端部方向に略平行に延伸してい
    る腕部との間に該先端部方向に開口した長溝を形成して
    いて前記側方位置で前記地板に枢着されている従アーム
    と、前記二つのアームに対しそれらの各アームの先端部
    に向けて順に枢支されている複数枚の羽根と、前記二つ
    のアームの一方に掛けられ該一方のアームを露光作動方
    向とは逆方向に付勢しているセットばねと、を備えてお
    り、また、セット部材が、セット時には初期位置から作
    動して先羽根用駆動部材と後羽根用駆動部材とを夫々の
    駆動ばねの付勢力に抗してセット位置へ作動させ、撮影
    時には露光作動に先立って初期位置へ復帰するように構
    成されていて、そのセット作動の過程においては前記長
    溝に挿入されて前記セットばねの付勢力による後羽根群
    の作動を阻止し、その復帰作動の過程においては前記長
    溝から離脱して前記セットばねの付勢力による後羽根群
    の作動を可能にする突起部を備えていることを特徴とす
    る二重遮光方式のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
  2. 【請求項2】 前記セットばねが、前記従アームに掛け
    られていることを特徴とする請求項1に記載の二重遮光
    方式のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
  3. 【請求項3】 前記セット部材を初期位置へ復帰させる
    ように付勢している復帰ばねを備え、前記突起部が、初
    期位置でストッパに当接するための部位であることを特
    徴とする請求項1又は2に記載の二重遮光方式のカメラ
    用フォーカルプレンシャッタ。
  4. 【請求項4】 前記腕部の先端部に、セット時に前記突
    起部が当接したとき、前記突起部が、前記セットばねの
    付勢力に抗して前記長溝内に入れるように、傾斜面が形
    成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか
    に記載の二重遮光方式のカメラ用フォーカルプレンシャ
    ッタ。
  5. 【請求項5】 二つの地板の間を中間板で仕切ることに
    よって二つの羽根室を構成し、前記セット部材は、撮影
    レンズ側の地板の撮影レンズ側に取り付けられていて、
    後羽根群は、撮影レンズ側の羽根室に配置されているこ
    とを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の二重遮
    光方式のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
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