JP4290285B2 - 二重遮光方式のカメラ用フォーカルプレンシャッタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮影に際して、先羽根群と後羽根群とを同一方向へ順次作動させ、その二つの羽根群のスリット形成羽根同士によって形成されたスリットにより、露光を行うようにしたカメラ用のフォーカルプレンシャッタに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のフォーカルプレンシャッタは、その殆どが、一眼レフカメラなどの高級機に採用されるものであるため、高速のシャッタ速度を安定して得られることが第一条件となる。そこで、シャッタ速度を高速化するための方法として、羽根群の軽量化を図る方法があるが、更にその中には、材質面から軽量化を図る方法と、構造面から軽量化を図れるようにする方法とがあり、従来からそれらについての数多くの提案がなされている。そして、構造面から軽量化を図れるようにするものの一つとして、且つまた高感度フィルムの使用にも好適なものとして、二重遮光方式のフォーカルプレンシャッタが知られている。
【0003】
そのような二重遮光方式のフォーカルプレンシャッタとしては、先羽根群と後羽根群のほかに、遮光専用の第3の羽根群を設けるようにしたものも知られているが、通常の場合は、カメラの不使用時には、先羽根群と後羽根群の両方で二重に露光開口を覆っており、撮影に際してシャッタボタンが押されると、先ず、その初期段階において、後羽根群が露光開口の遮光位置から露光作動開始位置に作動し、その後に、両羽根群が順に作動を開始することによって露光作動が行われるようにしている。そのため、カメラの不使用時において、一方の羽根群のみで露光開口を覆っているものよりも遮光性が確実となり、且つその分だけ、展開状態にある羽根同士の重なり量を少なくすることが可能となるから、各羽根の平面積を小さくすることができ、羽根群全体の軽量化が図れるというものである。
【0004】
本発明は、このような二重遮光方式のフォーカルプレンシャッタに関するものであるが、その従来例の一つが特開平10−319473号公報に記載されている。そして、この従来例によれば、先羽根用駆動部材は、通常のシャッタと同様にして先羽根群に連結されているが、後羽根群は、後羽根用駆動部材に連結されておらず、後羽根用作動部材に連結されている。また、セット部材が初期位置から作動して先羽根用駆動部材と後羽根用駆動部材をセットするとき、後羽根用作動部材は、後羽根用駆動部材と一緒に作動せず、仲介部材によって抑止されていて、その抑止は、セット作動の最終段階において、先羽根用駆動部材が仲介部材を押すことによって解かれ、それ以後は、仲介部材に代って、セット部材により抑止されるようになっている。そして、その抑止は、撮影に際して、セット部材が初期位置へ復帰するときに解かれ、後羽根用作動部材が、後羽根群を伴って、露光作動開始位置へ作動し得るようにしている。
【0005】
また、他の従来例が、特開平11−95282号公報に記載されている。この従来例は、後羽根群が、後羽根用駆動部材に連結されておらず、後羽根用作動部材に連結されている点では、上記の特開平10−319473号公報に記載された構成と同じであるが、仲介部材を設けておらず、二重遮光状態をセット部材のみによって維持させている。即ち、この従来例においては、セット部材が後羽根用駆動部材のセット作動を開始させる寸前に、セット部材の一部が後羽根用作動部材の作動軌跡内に進入し、後羽根用作動部材が後羽根用駆動部材と一緒に作動するのを抑止するようにしている。そして、その抑止は、撮影に際して、セット部材が初期位置へ復帰するときに解かれ、後羽根用作動部材が、後羽根群を伴って、露光作動開始位置へ作動し得るようにしている。
【0006】
ところで、二重遮光方式に限らず、一般のフォーカルプレンシャッタの場合、露光作動終了時においては、羽根群やその駆動部材をストッパに当接させることによって停止させている。そのため、停止時において何んらかの対策を講じておかないと、各羽根群がバウンドし、先羽根群の場合には、露光開口の一部を再度一時的に覆い、後羽根群の場合には、露光開口の一部を再度一時的に開くことによって、露光むらを生じさせてしまうことになる。また、その停止時における衝撃によって羽根群が破壊されてしまうこともある。そのため、従来から、各羽根群やそれらの各駆動部材に対しては、種々の制動手段や緩衝手段を設けるようにし、露光むらや破壊を防止するようにしている。
【0007】
それらのうち、駆動部材の作動を制動し、且つ駆動部材自体のバウンドを阻止することによって、間接的に上記した羽根群のバウンドを抑制するようにした構成の一例が、特開昭58−196527号公報に記載されている。即ち、その実施例の構成によれば、後羽根用駆動レバー(後羽根用駆動部材)に対する制動はブレーキレバーで行い、バウンドの阻止はバウンド防止レバーのフック部で行うようにしている。そして、二重遮光方式のフォーカルプレンシャッタの場合には、このような対策は、後羽根用駆動部材に対して講じてもよいが、後羽根用作動部材に対して講じてもよいことになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、二重遮光方式のフォーカルプレンシャッタを製作する場合には、大きな課題が三つある。その第1は、シャッタチャンスを逸しないようにするために、撮影の初期段階において、後羽根群を、露光作動開始位置に如何に早期に作動させるかということである。また、第2は、二重遮光方式を採用すると、どうしても部品点数が多くなったり構成が複雑になったりすることから、如何にして構成を簡単にしコンパクトにレイアウトできるようにするかということである。更に、第3は、そのように部品点数が多くなったり構成が複雑になったりすることから、如何にしてセットトルクを大きくしなくて済むようにするかということである。
【0009】
そこで、これらの観点から、上記の三つの公報に記載の構成を見てみると、特開平10−319473号公報に記載されているものは、セット作動の最終段階において、先羽根用駆動部材が、後羽根用作動部材の作動を抑止している仲介部材を、その仲介部材を付勢しているばね力に抗して解除することにより、仲介部材に代わってセット部材が、後羽根用作動部材の露光作動開始位置への作動を抑止する構成としているため、その解除力を必要とする分だけセットトルクを大きくしなければならず、最近のようにシャッタのセットも電動化されているような場合には、電池の寿命を短くする要因になってしまうという問題点がある。
【0010】
また、特開平11−95282号公報に記載されているものは、セット時に、セット部材が後羽根用駆動部材を作動させる寸前に、セット部材自身によって後羽根用作動部材の作動を抑止するように構成しているため、カメラのレリーズ時に、その初期段階で、セット部材がセット前位置(初期位置)へ復帰作動するときには、その復帰作動の最終段階において後羽根用作動部材の抑止を解除することになり、後羽根群を露光作動開始位置へ作動させるタイミングが極めて遅くなってしまうという問題点がある。
【0011】
更に、特開昭58−196527号公報に記載されている、制動とバウンド防止を行わせる構成は、部品点数が多いばかりでなく、それらの部品を機能的に関係付けなければならないため、取付け作業が非常に面倒である。そのため、それでなくても構成が複雑となる二重遮光方式の後羽根駆動系に、そのような構成を採用するのは、レイアウト上からも極めて問題である。
【0012】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、セット部材のセットトルクを大きくする必要がなく、且つ後羽根用作動部材の露光作動開始位置への作動を早期に行わせることができ、その上、露光作動時における後羽根用作動部材の制動とバウンド防止をも行えるようにした、構成の極めて簡単な二重遮光方式のカメラ用フォーカルプレンシャッタを提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の二重遮光方式のカメラ用フォーカルプレンシャッタは、先羽根群と連結していて露光作動時には先羽根用駆動ばねの付勢力によって作動する先羽根用駆動部材と、被操作部を設けた腕部と係止部を設けた腕部とを有していて少なくとも一方の腕部が可撓性を有しているブレーキ部材と、第1係合部と第2係合部を有していると共に後羽根群と連結していて露光作動開始位置へはセットばねの付勢力によって作動する後羽根用作動部材と、露光作動時には後羽根用駆動ばねの付勢力によって後羽根用作動部材を伴って作動する後羽根用駆動部材と、操作部と抑止部を有していてセット作動時には初期位置から作動して前記各駆動部材をセットし前記各駆動部材の露光作動開始前には初期位置へ復帰しているセット部材と、を備えており、前記操作部は、前記セット部材の初期位置においては前記被操作部を操作し前記係止部を前記第1係合部の作動軌跡内に強制的に臨ませ、前記第1係合部は、露光作動の終了段階において前記係止部を押し前記ブレーキ部材を撓ませてから該係止部に係止され、前記抑止部は、前記セット部材のセット作動中に前記被操作部に対する前記操作部の強制力が解除される直前に前記第2係合部の作動を抑止できる位置に臨まされているようにする。
また、本発明の二重遮光方式のカメラ用フォーカルプレンシャッタにおいては、前記第2係合部が前記抑止部に抑止されたとき、前記第1係合部が前記係止部よりも露光作動開始位置側にあり、前記後羽根用作動部材が前記セットばねの付勢力によって露光作動開始位置へ作動するとき、前記第1係合部が前記係止部に接触しないようにすると、後羽根用作動部材及び後羽根群の露光作動開始位置への作動が安定して行えるようになる。
更に、本発明の二重遮光方式のカメラ用フォーカルプレンシャッタにおいては、前記ブレーキ部材が、合成樹脂製であってもよいし、金属の板バネ材料で製作されていてもよいし、前記ブレーキ部材にばね部材を取り付け、その延伸部を前記二つの腕部の何れか一方としても差し支えない。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図1〜図5に示した第1実施例と、図6〜図10に示した第2実施例と、図11に示した第3実施例によって説明する。尚、これらの図面は、何れもカメラに組み込まれた状態において被写体側から視た場合の略左半分だけを示した平面図である。また、各実施例間において共通する部材,部位には同じ符号を用いている。更に、構成の説明においては、被写体側を表面側と称し、フィルム面側を背面側と称することにする。
【0015】
[第1実施例]
先ず、図1を用いて、第1実施例の構成を説明する。シャッタ地板1には、その略中央部に長方形を横長にした開口部1aが形成されているが、図1においてはその開口部1aの左側の一部が示されている。また、周知のように、シャッタ地板1の背面側には、所定の間隔を空けて、図示していない中間板と補助地板が取り付けられており、シャッタ地板1と中間板との間に先羽根群の羽根室を形成し、中間板と補助地板との間に後羽根群の羽根室を形成している。更に、中間板と補助地板にも、開口部1aと類似の開口部が形成されていて、通常は、それらの開口部を重ね合わせて露光開口を規制するようにしているが、本実施例においては、開口部1aの形状が露光開口を規制しているものとして説明する。
【0016】
開口部1aの左側には、円弧状の二つの長孔1b,1cが形成されている。通常は、それらの長孔1b,1cの下方端面に、周知の緩衝部材が取り付けられていることが多い。本発明は、そのような緩衝部材を取り付けているものに対しても、取り付けていないものに対しても適用することが可能であるが、本実施例の場合には、取り付けられていない場合について説明する。また、シャッタ地板1の表面側には、軸1d,1e,1f,1gが立設されていて、背面側には軸1h,1i,1j,1kが立設されている。更に、シャッタ地板1の表面側には、方形をしたストッパ1mが設けられている。
【0017】
上記の軸1dには、先羽根用駆動部材2が回転可能に取り付けられている。この先羽根用駆動部材2は、合成樹脂製であって、被押動部2aと、駆動ピン2bと、取付部2cとを有していて、図示していない周知の先羽根用駆動ばねによって時計方向へ回転するように付勢されている。また、駆動ピン2bは、先羽根用駆動部材2の背面側に立設されていて、シャッタ地板1の長孔1bを貫通しており、その断面形状は、根元部がD型であって先端部が小判型をしており、その根元部は、長孔1bの下端部に当接するようになっている。
【0018】
また、先羽根用駆動部材2の取付部2cは表面側に大きく隆起していて、その内部には、鉄片部材が圧縮ばねに付勢された状態で取り付けられているが、その鉄片部材の形状と取付け構成は、特開平10−161181号公報等によって周知であるため、図示を省略している。そして、その鉄片部材は、露光作動開始直前の状態(後述する図4の状態)においては、図示していない先羽根用電磁石に吸着保持され、先羽根用駆動部材2が先羽根用駆動ばねの付勢力によって時計方向へ回転できないようにするためのものであるが、図1の状態においては、上記圧縮ばねの付勢力によって、その被吸着部を、取付部2cから右上方に最大限に突き出した状態となっている。
【0019】
シャッタ地板1の軸1eには、合成樹脂製の後羽根用駆動部材3が回転可能に取り付けられている。この後羽根用駆動部材3は、被押動部3aと、背面側に形成された押動部3bと、表面側に形成された取付部3cとを有していて、図示していない周知の後羽根用駆動ばねによって時計方向へ回転するように付勢されている。そして、取付部3cは、先羽根用駆動部材2の取付部2cと略同じ形状をしていて、その内部には、図示していない後羽根用電磁石に吸着される鉄片部材が圧縮ばねに付勢された状態で取り付けられているが、その取付け構成も、上記した特開平10−161181号公報等によって周知であるため、図示を省略している。また、その鉄片部材の場合にも、図1の状態においては、圧縮ばねの付勢力によって、その被吸着部を、取付部3cから右上方に最大限に突き出した状態となっている。
【0020】
シャッタ地板1の軸1eには、上記の後羽根用駆動部材3のほかに、合成樹脂製の後羽根用作動部材4が回転可能に取り付けられている。この後羽根用作動部材4は、被押動部4aと、駆動ピン4bと、二つの係合部4c,4dとを有していて、付勢力が後羽根用駆動羽根よりも小さい図示していないセットばねによって反時計方向へ回転するように付勢されている。そして、駆動ピン4bは、先羽根用駆動部材2の駆動ピン2bと略同じようにして形成されており、長孔1cを貫通していて、その根元部が長孔1cの下端部に当接するようになっている。
【0021】
シャッタ地板1の軸1fには、合成樹脂製のセット部材5が回転可能に取り付けられている。このセット部材5は、図示していないばねによって、反時計方向へ回転するように付勢されているが、図1においては、図示していないストッパに当接して停止された状態が示されている。本明細書においては、セット部材5のこのような位置を初期位置と称することにする。そして、このセット部材5には、その周面部に、先羽根用駆動部材2の被押動部2aを押す押動部5aと、後羽根用駆動部材3の被押動部3aを押す押動部5bと、被押動部5cとが形成されていて、背面部には、軸1fの周囲においてカム面を有する操作部5dと、C字状に張り出した抑止部5eとが形成されており、更にその抑止部5eの先端には斜面部5e1が形成されている。
【0022】
シャッタ地板1の軸1gには、合成樹脂製のブレーキ部材6が回転可能に取り付けられている。このブレーキ部材6は二つの腕部6a,6bを有していて、腕部6aの先端には、後羽根用作動部材4の係合部4cに接触する係止部6a′が形成されており、腕部6bの先端には、セット部材5の操作部5dに接触する被操作部6b′が形成されている。そして、腕部6bは腕部6a側に可撓性を有している。
【0023】
次に、シャッタ地板1の背面側に配置されている先羽根群と後羽根群の構成について説明する。先ず、先羽根群は、シャッタ地板1の軸1h,1iに対して回転可能に取り付けられた二つのアーム7,8と、それらの先端部に向けて順に枢支された複数枚の羽根で構成されているが、それらの羽根の枢支構成は周知であるため、アーム7,8の先端部に枢支されたスリット形成羽根9のみを示してある。そして、アーム7に形成された孔には先羽根用駆動部材2の駆動ピン2bが嵌合していて、アーム7は先羽根用駆動部材2と一緒に回転するようになっている。
【0024】
また、後羽根群の構成は、実質的に先羽根群を裏返しにして配置した構成をしており、シャッタ地板1の軸1j,1kに対して回転可能に取り付けられた二つのアーム10,11と、それらの先端部に向けて順に枢支された複数枚の羽根で構成されているが、図1においては、アーム10,11の先端部に枢支されたスリット形成羽根12のみを示してある。そして、アーム10に形成された孔には後羽根用作動部材4の駆動ピン4bが嵌合していて、アーム10は後羽根用作動部材4と一緒に回転するようになっている。
【0025】
次に、図2〜図5も加え、本実施例の作動を説明する。図1は、露光作動終了直後の状態を示している。従って、先羽根用駆動部材2の駆動ピン2bは、長孔1bの下端部に当接しており、先羽根群の複数枚の羽根は重畳されて開口部1aの下方位置に格納されている。また、後羽根用作動部材4は、その被押動部4aが後羽根用駆動部材3の押動部3bによって押されており、駆動ピン4bを、長孔1cの下端部に当接させている。そして、このとき、後羽根群の複数枚の羽根は展開され、開口部1aを覆っている。更に、この状態においては、セット部材5が初期位置にあるため、ブレーキ部材6は、操作部5dによって反時計方向へ回転させられており、腕部6aがストッパ1mに接触し、係止部6a′を後羽根用作動部材4の係合部4cの作動軌跡内に臨ませている。
【0026】
このような図1に示した状態において、フィルムの巻き上げが行われると、それに連動して図示していないカメラ本体側の部材がセット部材5の被押動部5cを押し、セット部材5を時計方向へ回転させる。それによって、先ず、セット部材5の押動部5aが被押動部2aを押し、図示していない先羽根用駆動ばねの付勢力に抗して先羽根用駆動部材2を反時計方向へ回転させていく。そして、この段階においては、未だ、セット部材5の押動部5bが後羽根用駆動部材3の被押動部3aに接触していないため、先羽根群の羽根のみが上方へ移動していくことになる。
【0027】
その後、先羽根群のスリット形成羽根9と、後羽根群のスリット形成羽根12との重なり量が所定量に達すると、セット部材5の押動部5bが後羽根用駆動部材3の被押動部3aを押し始める。そのため、後羽根用駆動部材3は、図示していない後羽根用駆動ばねの付勢力に抗して反時計方向へ回転させられていくが、その初期段階においては、未だブレーキ部材6の被操作部6b′がセット部材5の操作部5dに押されているので、後羽根用作動部材4の係合部4cがブレーキ部材6の係止部6a′に係止されている。そのため、後羽根用作動部材4は、図示していないセットばねの付勢力によって、後羽根用駆動部材3に追従することができず、後羽根用駆動部材3の押動部3bが、後羽根用作動部材4の被押動部4aから離れていく。従って、この段階では、後羽根群は、開口部1aを覆ったままとなっている。
【0028】
その後、セット部材5の抑止部5eの先端に形成されている斜面部5e1が、後羽根用作動部材4の係合部4dの作動軌跡内に達した段階で、ブレーキ部材6の被操作部6b′とセット部材5の操作部5dとの接触が解かれるため、ブレーキ部材6は所定の角度範囲内で自由に回転できるようになる。そのため、後羽根用作動部材4は、特別な抵抗も受けずに係合部4cが係止部6a′を押しのけるようにして、図示していないセットばねの付勢力によって反時計方向へ回転する。しかしながら、その回転は、係合部4dがセット部材5の斜面部5e1に当接することによって停止されるが、その停止状態が図2に示されている。従って、この状態においては、後羽根群の複数枚の羽根は少し上方へ動かされており、スリット形成羽根12のスリット形成縁が、開口部1aの下辺よりも上方位置に移動されている。
【0029】
セット部材5が、図2の状態から更に時計方向へ回転されていくと、後羽根用作動部材4は、今度は、その係合部4dが斜面部5e1に押されることによって、図示していないセットばねの付勢力に抗して時計方向へ回転されることになる。そのため、後羽根群の複数枚の羽根は図1に状態に復帰され、展開状態となって開口部1aを完全に覆った状態となる。他方、先羽根群の複数枚の羽根は、先羽根用駆動部材2が、セット部材5によって反時計方向へ回転され続けているので、相互の重なり量を小さくしつつ上方へ移動し続けて行く。
【0030】
そして、駆動部材2,3の取付部2c,3cに夫々取り付けられている図示していない上記の各鉄片部材が、両方とも夫々の電磁石に接触した段階になると、カメラ本体側の部材によって回転されていたセット部材5の回転が停止され、シャッタのセット作動が終了する。図3は、そのようにして行われたセット作動の完了状態を示しているが、この状態においては、先羽根群の複数枚の羽根は展開状態となって開口部1aを完全に覆っており、後羽根群の複数枚の羽根も図1と同じ状態に戻っているから、開口部1aは二重に覆われていることになり、遮光効果は完全なものとなっている。そして、セット部材5は、次の撮影が行われるまで、この状態を維持される。
【0031】
次の撮影に際して、カメラのレリーズボタンが押されると、先ず、図示していない上記の各電磁石に通電され、駆動部材2,3の取付部2c,3cに取り付けられている図示していない上記の各鉄片部材が吸着保持される。次に、カメラ本体側の図示していない部材が、セット部材5の被押動部5cから退いていくので、セット部材5は図示していない復帰ばねの付勢力によって反時計方向へ回転されていく。
【0032】
その過程において、先ず、後羽根用作動部材4は、その係合部4dが、セット部材5の斜面部5e1と接するようになり、図示していないセットばねの付勢力によって、反時計方向へ回転を開始する。そして、係合部4dと斜面部5e1との対応位置関係が図2に示した状態の直後になると、セット部材5の操作部5dが被操作部6b′を押して、ブレーキ部材6を反時計方向へ回転させ、係止部6a′を係合部4cの作動軌跡内に臨ませていく。しかし、そのときには、既に、係合部4cが、係止部6a′よりも露光作動開始位置側に回転してしまっているので、両者が干渉するようなことがない。
【0033】
但し、カメラを構えている姿勢次第では、セット部材5の操作部5dがブレーキ部材6を回転させる前に、係合部4cが係止部6a′に接触する事態も生じるが、その場合には、ブレーキ部材6が所定の角度内で自由に回転できる状態となっているので、後羽根用作動部材4は、図示していないセットばねの付勢力によって、特に問題となるような抵抗を受けることなく、係合部4cが係止部6a′を押しのけ、反時計方向へ回転する。
【0034】
そして、そのような後羽根用作動部材4の反時計方向への回転は、その被押動部4aが後羽根用駆動部材3の押動部3bに当接することによって停止されるが、その停止位置が、後羽根用作動部材4,後羽根群にとっての露光作動開始位置である。従って、後羽根群の複数枚の羽根は、重畳状態となって、開口部1aの上方位置に格納されており、開口部1aは、先羽根群の複数枚の羽根のみによって覆われている。また、このような露光作動開始位置への作動は、セット部材5の初期位置への復帰作動の比較的早い段階で行われるので、その後、セット部材5が初期位置へ復帰したときには、いつでも露光作動を開始できるようになっている。
【0035】
その後、セット部材5が初期位置へ復帰し停止するが、その際、セット部材5は、操作部5dによってブレーキ部材6の被操作部6b′を強制的に押し、ブレーキ部材6の係止部6a′を後羽根用作動部材4の係合部4cの作動軌跡内に臨ませる。その状態が図4に示されている。その後、最初に先羽根用電磁石に対する通電が断たれ、所定時間後に後羽根用電磁石に対する通電が断たれる。それによって、先羽根用駆動部材2と後羽根用駆動部材3が、図示していない各駆動ばねの付勢力によって相次いで急速に時計方向へ回転させられるが、このとき後羽根用駆動部材3は、押動部3bが被押動部4aを押すことによって後羽根用作動部材4を時計方向へ回転させるので、二つのスリット形成羽根9,12が形成するスリットにより、フィルム面が露光されていく。
【0036】
そして、露光作動を先に開始した先羽根用駆動部材2は、先にその駆動ピン2bが長孔1bの下端に当接して停止され、先羽根群も図示していないストッパに当接することによって停止される。従って、それらの停止状態においては、先羽根群の複数枚の羽根は、重畳されて開口部1aの下方位置に格納されている。尚、その際、種々の制動手段や緩衝手段などによって、先羽根群のバウンドや破壊が防止されるようになっているが、それらについては本発明と直接関係がないので、説明を省略する。
【0037】
他方、先羽根系部材(先羽根用駆動部材2,先羽根群)よりも遅れて露光作動を開始した後羽根系部材(後羽根用駆動部材3,後羽根用作動部材4,後羽根群)は、その露光作動の終了段階になると、後羽根用作動部材4の係合部4cがブレーキ部材6の係止部6a′を押し、腕部6bを撓ませることによって、制動を受けることになるが、そのときの状態が図5に示されている。即ち、この図5においては、後羽根用作動部材4の係合部4cに押される前のブレーキ部材6の腕部6aの位置が一点鎖線で示されている。
【0038】
その後、後羽根群の複数枚の羽根が開口部1aを完全に覆った段階になると、後羽根用作動部材4の駆動ピン4bが長孔1cの下端に当接する。従って、後羽根用作動部材4は、その当接の反動によって反時計方向へバウンドしようとするが、そのときには、既に、ブレーキ部材6の係止部6a′が、腕部6bの復元力によって係合部4cの作動軌跡内に臨んでいるため、そのバウンドは阻止され、速やかに停止させられる。そのため、アーム10を介して後羽根用駆動部材3に連結されているスリット形成羽根12は、そのバウンドを抑制されることになり、周知の緩衝手段の助けを借りたりして、再度、一時的に開口部1aの一部を開いてしまうことを防止される。そのようにして、露光作動の終了した状態が、図1に示された状態である。
【0039】
尚、本実施例においては、ブレーキ部材6の二つの腕部6a,6bのうち、腕部6bのみが可撓性を有する場合で説明したが、腕部6aのみが可撓性を有するようにしても、両者とも可撓性を有するようにしても一向に差し支えない。
【0040】
[第2実施例]
次に、図6〜図10を用いて第2実施例を説明する。本実施例の構成は、第1実施例におけるブレーキ部材6に代わってブレーキ部材16が設けられていることと、セット部材5の一部の形状が異なっているだけである。そのため、ブレーキ部材16以外の部材,部位には、第1実施例の場合と同じ符号をつけ、異なる点についてだけを説明することにする。即ち、図6に示されているように、本実施例のセット部材5には、抑止部5eから延伸していて、斜面部5e1の形成されいる部分が設けられていない。
【0041】
また、シャッタ地板1の軸1gに対して回転可能に取り付けられたブレーキ部材16は、金属製の板ばね材料で製作されていて、一方の腕部16aの先端には、後羽根用作動部材4の係合部4cに接触する係止部16a′が形成され、他方の腕部16bの先端には、セット部材5の操作部5dに接触する被操作部16b′が形成されている。そして、部品単体としても略図1に示されたような形状に成形されているが、板ばね材料で製作されていることから、それらの腕部16a,16bは、何れも回転方向へ可撓性を有している。
【0042】
次に、図7〜図10も加え、本実施例の作動を説明するが、第1実施例の場合と同じ点については重複を避けるために簡略的に説明することにする。図6は、露光作動終了直後の状態を示しているため、先羽根用駆動部材2の駆動ピン2bは、長孔1bの下端部に当接し、後羽根用作動部材4の駆動ピン4bは、長孔1cの下端部に当接させている。従って、この状態においては、後羽根群の羽根によってのみ開口部1aが覆われている。また、この状態においては、セット部材5が初期位置にあるため、ブレーキ部材16は、操作部5dによって反時計方向へ回転させられ、腕部16aをストッパ1mに接触させ、係止部16a′を後羽根用作動部材4の係合部4cの作動軌跡内に臨ませている。
【0043】
この図6の状態において、フィルムの巻き上げが行われると、それに連動して図示していないカメラ本体側の部材がセット部材5を時計方向へ回転させる。それによって、先ず、セット部材5の押動部5aが被押動部2aを押して、先羽根用駆動部材2を反時計方向へ回転させ、先羽根群の複数枚の羽根を上方へ移動させていく。そして、先羽根群のスリット形成羽根9と、後羽根群のスリット形成羽根12の重なりが所定量に達すると、セット部材5の押動部5bが後羽根用駆動部材3の被押動部3aを押し、後羽根用駆動部材3を反時計方向へ回転させていく。
【0044】
しかしながら、その初期の段階においては、未だ、ブレーキ部材16の被操作部16b′がセット部材5の操作部5dに押されているので、後羽根用作動部材4の係合部4cはブレーキ部材16の係止部16a′に係止されている。そのため、後羽根用作動部材4は、図示していないセットばねの付勢力によって、後羽根用駆動部材3に追従することができず、後羽根用駆動部材3の押動部3bが、後羽根用作動部材4の被押動部4aから離れていく。従って、この段階では、後羽根群の複数枚の羽根は、開口部1aを覆ったままとなっていて、後羽根群の複数枚の羽根は相互の重なりを小さくしつつ、開口部1aを覆っていく。
【0045】
その後、セット部材5の抑止部5eが、後羽根用作動部材4の係合部4dの作動軌跡内に達した段階で、ブレーキ部材16の被操作部16b′とセット部材5の操作部5dとの接触が解かれる。そのタイミングは、第1実施例の場合のように、抑止部5eの先端に、斜面部5e1を形成した延伸部を有していないため、その分だけ遅れて行われ、各駆動部材2,3のセット作動の略終盤時機となっている。そして、ブレーキ部材16の被操作部16b′とセット部材5の操作部5dとの接触が解かれると、ブレーキ部材16は所定の角度範囲内で自由に回転できるようになるため、後羽根用作動部材4は、図示していないセットばねの付勢力によって反時計方向へ回転し、係合部4dがセット部材5の抑止部5eに当接して停止する。その停止状態が図7に示されているが、この状態においては、先羽根群の複数枚の羽根は、既に開口部1aを覆っていて、後羽根群の複数枚の羽根は少し上方へ動かされており、スリット形成羽根12のスリット形成縁が、開口部1aの下辺よりも上方位置に移動されている。
【0046】
セット部材5は、その後、図7の状態から僅かに時計方向へ回転したところでセット作動を終了し、次の撮影が行われるまで、その状態を維持される。そのセット完了状態が図8に示されている。そして、この図8の状態においては、実際には、スリット形成羽根9の位置が、図7の位置から若干移動させられているが、極めて僅かな移動であるため、図面上、その変化を確認することができない。他方、後羽根群のスリット形成羽根12は、第1実施例のように、後羽根用作動部材4が、斜面部5e1によって時計方向へ戻されていないので、やはり図7の位置と殆ど同じ状態となっている。
【0047】
ところで、漏光防止対策として二重遮光状態を得る場合、先羽根群と後羽根群の両方が、共に開口部1aを完全に覆っていなければならないということはない。即ち、漏光の生じる大きな要因の一つは、短冊状に似た形状の複数枚の羽根が展開状態となって開口部1aを覆っているとき、隣接する羽根同士の重なり量が最低となっていて撓みやすい状態になっているため、その重なり部の密着性が維持されにくいということにある。
【0048】
ところが、本実施例の場合には、後羽根群のスリット形成羽根12のスリット形成縁と開口部1aの下辺との間は、先羽根群の複数枚の羽根のうち、アーム7,8の一番根元側に枢支されている図示していない羽根が覆っている。そして、その羽根は、上端縁だけが隣接する羽根と重なっていて、その他の3辺は、上記した周知の中間板と重なっているため、比較的撓みにくい羽根となっている。従って、その羽根の場合には、中間板との重なり部からの漏光は余り心配する必要がなく、隣接する羽根との重なり部だけを心配すればよいことになる。そこで、本実施例の場合には、図8のセット状態において、後羽根群のスリット形成羽根12が開口部1aを完全に覆っていなく、上記した先羽根群の羽根とそれに隣接している羽根との重なり部を覆っているだけであるが、このような変則的な二重遮光状態であっても、大きな漏光防止対策となっている。
【0049】
次に、撮影に際して、カメラのレリーズボタンが押されると、先ず、図示していない上記した各電磁石によって、駆動部材2,3に取り付けられている各鉄片部材が吸着保持された後、セット部材5が、初期位置へ向けて、反時計方向への回転を開始する。そして、本実施例の場合には、その回転開始の直後に、後羽根用作動部材4は、その係合部4dが抑止部5eによる抑止を解かれ、図示していないセットばねの付勢力によって反時計方向へ回転する。従って、セット部材5が作動を開始してから、図9に示されているように、被押動部4aが後羽根用駆動部材3の押動部3bに当接して安定状態となって停止するまでの時間が、第1実施例の場合より短く、それだけ露光作動の開始時機を早くすることが可能になる。また、本実施例の場合には、後羽根用作動部材4の露光作動開始位置への作動に際し、係合部4cと係止部16a′との接触は生じ得ない。
【0050】
セット部材5は、上記の図9の状態から更に反時計方向へ回転するが、その際、操作部5dが被操作部16b′を押し、ブレーキ部材16を反時計方向へ回転させ、腕部16aをストッパ1mに接触させることによって、係止部16a′を、係合部4cの作動軌跡内に強制的に臨ませ、初期位置で停止する。その後、先ず、先羽根用電磁石に対する通電が断たれ、所定時間後に後羽根用電磁石に対する通電が断たれることによって、先羽根用駆動部材2と後羽根用駆動部材3が相次いで急速に時計方向へ回転させられ、後羽根用作動部材4も後羽根用駆動部材3に伴われて時計方向へ回転させられる。
【0051】
そして、先ず、先に露光作動を開始した先羽根用駆動部材2が、その駆動ピン2bを長孔1bの下端部に当接させて停止し、先羽根群も図示していないストッパに当接して停する。他方、後羽根用駆動部材3と共に遅れて露光作動を開始した後羽根用作動部材4は、その露光作動の終了段階になると、その係合部4cがブレーキ部材16の係止部16a′を押して撓ませることにより制動を受けることになるが、そのときの状態が図10に示されている。
【0052】
その後、後羽根群の複数枚の羽根が開口部1aを完全に覆った段階になると、後羽根用作動部材4の駆動ピン4bが長孔1cの下端部に当接し、反時計方向へバウンドしようとするが、そのときには、既に、ブレーキ部材16の復元力によって、係止部16a′が係合部4cの作動軌跡内に臨んでいるため、そのバウンドは阻止され、速やかに停止させられる。そのため、アーム10を介して後羽根用作動部材4に連結されているスリット形成羽根12は、そのバウンドを抑制され、周知の緩衝手段の助けなども借りて、再度、一時的に開口部1aの一部を開いてしまうことなく停止する。このようにして、露光作動の終了した状態が、図6に示された状態である。
【0053】
[第3実施例]
次に、図11を用いて第3実施例を説明する。本実施例の構成は、第1実施例におけるブレーキ部材6に代わってブレーキ部材26が設けられていて、そのブレーキ部材26にはねじりコイルばね27が取り付けられていること以外は、第1実施例と全く同じ構成をしている。そのため、ブレーキ部材26とねじりコイルばね27以外の部材,部位には、第1実施例の場合と同じ符号をつけ、それらについての説明を省略する。
【0054】
シャッタ地板1の軸1gに対して回転可能に取り付けられた本実施例のブレーキ部材26は、合成樹脂製であって、第1実施例におけるブレーキ部材6の係止部6a′に相当する係止部26′を有している。また、ねじりコイルばね27は、コイル部を軸1gに嵌装させていて、二つの腕部27a,27bを何れもブレーキ部材26に掛けている。そして、腕部27bは延伸部を有していて、その先端部を、セット部材5の操作部5dによって押される被操作部27b′としている。従って、このねじりコイルばね27は、実質的にはブレーキ部材26に取り付けられているのと同じであり、腕部27bが、第1実施例におけるブレーキ部材6の腕部6bの役目をすることになる。
【0055】
従って、本実施例の作動説明は、実質的には、第1実施例における腕部6bを本実施例の腕部27bに置き換えたものになるだけであるから、重複を避けるために省略する。尚、本実施例においては、ねじりコイルばね27のコイル部を軸1gに嵌装させているが、ブレーキ部材26に軸を立設し、そこに嵌装させるようにしても構わない。また、ねじりコイルばね27の代わりに、板ばね等の他の弾性部材を取り付け、腕部27bの役目をさせるようにしても差し支えない。更に、それらの弾性部材とブレーキ部材26との役目を逆にし、後羽根作動部材4の係合部4cに対する係止部を、弾性部材側に設けるようにしても構わない。
【0056】
尚、周知であるが、カメラ用フォーカルプレンシャッタには、露光作動開始直前の状態において、各駆動部材を露光作動開始位置に保持する方法として、電磁石によって直接保持させるようにしたダイレクトタイプと、係止部材によって保持しておくようにした係止タイプとが知られている。そして、上記の各実施例においては、それらのうちのダイレクトタイプのシャッタの場合で説明したが、本発明は、係止タイプのものにも適用することが可能である。
【0057】
【発明の効果】
以上のように、本発明の二重遮光方式のフォーカルプレンシャッタによれば、セット部材のセットトルクを大きくする必要がなく、且つ後羽根用作動部材の露光作動開始位置への作動を早期に行わせることができ、その上、露光作動時における後羽根用作動部材の制動とバウンド防止をも行えるという特徴があり、しかも、構成が極めて簡単であってシャッタ地板上にコンパクトに配置することができ、シャッタの小型化,低コスト化の観点からも極めて有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】被写体側から視た第1実施例の平面図であって、露光作動を終了した直後の状態を示したものである。
【図2】図1と同じようにして視た第1実施例の平面図であって、セット作動の途中の状態を示したものである。
【図3】図1と同じようにして視た第1実施例の平面図であって、セット完了状態(二重遮光状態)を示したものである。
【図4】図1と同じようにして視た第1実施例の平面図であって、露光作動に先立って、セット部材が初期位置へ復帰し、後羽根群が露光作動開始位置へ作動した状態を示したものである。
【図5】図1と同じようにして視た第1実施例の平面図であって、露光作動の終了直前の状態を示したものである。
【図6】被写体側から視た第2実施例の平面図であって、露光作動を終了した直後の状態を示したものである。
【図7】図6と同じようにして視た第2実施例の平面図であって、セット作動の途中の状態を示したものである。
【図8】図6と同じようにして視た第2実施例の平面図であって、セット完了状態(二重遮光状態)を示したものである。
【図9】図6と同じようにして視た第2実施例の平面図であって、露光作動に先立って、セット部材が初期位置へ復帰する途中に、後羽根群が露光作動開始位置へ作動した状態を示したものである。
【図10】図6と同じようにして視た第2実施例の平面図であって、露光作動の終了直前の状態を示したものである。
【図11】被写体側から視た第3実施例の平面図であって、露光作動を終了した直後の状態を示したものである。
【符号の説明】
1 シャッタ地板
1a 開口部
1b,1c 長孔
1d,1e,1f,1g,1h,1i,1j,1k 軸
1m ストッパ
2 先羽根用駆動部材
2a,3a,4a,5c 被押動部
2b,4b 駆動ピン
2c,3c 取付部
3 後羽根用駆動部材
3b,5a,5b 押動部
4 後羽根用作動部材
4c,4d 係合部
5 セット部材
5d 操作部
5e 抑止部
5e1 斜面部
6,16,26 ブレーキ部材
6a,6b,16a,16b,27a,27b 腕部
6a′,16a′,26′ 係止部
6b′,16b′ 被操作部
7,8,10,11 アーム
9,12 スリット形成羽根
27 ねじりコイルばね
Claims (5)
- 先羽根群と連結していて露光作動時には先羽根用駆動ばねの付勢力によって作動する先羽根用駆動部材と、被操作部を設けた腕部と係止部を設けた腕部とを有していて少なくとも一方の腕部が可撓性を有しているブレーキ部材と、第1係合部と第2係合部を有していると共に後羽根群と連結していて露光作動開始位置へはセットばねの付勢力によって作動する後羽根用作動部材と、露光作動時には後羽根用駆動ばねの付勢力によって後羽根用作動部材を伴って作動する後羽根用駆動部材と、操作部と抑止部を有していてセット作動時には初期位置から作動して前記各駆動部材をセットし前記各駆動部材の露光作動開始前には初期位置へ復帰しているセット部材と、を備えており、前記操作部は、前記セット部材の初期位置においては前記被操作部を操作し前記係止部を前記第1係合部の作動軌跡内に強制的に臨ませ、前記第1係合部は、露光作動の終了段階において前記係止部を押し前記ブレーキ部材を撓ませてから該係止部に係止され、前記抑止部は、前記セット部材のセット作動中に前記被操作部に対する前記操作部の強制力が解除される直前に前記第2係合部の作動を抑止できる位置に臨まされていることを特徴とする二重遮光方式のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
- 前記第2係合部が前記抑止部に抑止されたとき、前記第1係合部が前記係止部よりも露光作動開始位置側にあり、前記後羽根用作動部材が前記セットばねの付勢力によって露光作動開始位置へ作動するとき、前記第1係合部が前記係止部に接触しないようにしたことを特徴とする請求項1に記載の二重遮光方式のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
- 前記ブレーキ部材が、合成樹脂製であることを特徴とする請求項1又は2に記載の二重遮光方式のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
- 前記ブレーキ部材が、金属の板バネ材料で製作されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の二重遮光方式のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
- 前記ブレーキ部材には、ばね部材が取り付けられていて、該ばね部材の延伸部が、前記二つの腕部の何れか一方を構成していることを特徴とする請求項1又は2に記載の二重遮光方式のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
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