JP4290284B2 - カメラ用フォーカルプレンシャッタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮影に際して、先羽根群と後羽根群とを同一方向へ順次作動させ、その二つの羽根群のスリット形成羽根によって形成されたスリットにより、露光を行うようにしたカメラ用のフォーカルプレンシャッタに関する。
【0002】
【従来の技術】
最近のフォーカルプレンシャッタは、撮影に際して、各羽根群を可成りの高速で作動させ、露光作動終了時においては、羽根群やその駆動部材をストッパに当接させることによって停止させるようにしているため、その停止時においては、何も対策を講じていないと、各羽根群がバウンドし、先羽根群の場合には、露光開口の一部を再度一時的に覆い、後羽根群の場合には、露光開口の一部を再度一時的に開くことによって、露光むらを生じさせてしまうことになる。また、その停止時における衝撃によって羽根群が破壊されてしまうこともある。そのため、従来から、各羽根群やそれらの各駆動部材に対しては、種々の制動手段や緩衝手段を設けるようにし、露光むらや破壊を防止するようにしていた。
【0003】
本発明は、それらのうち、駆動部材の作動を制動し、且つ駆動部材自体のバウンドを阻止することによって、上記した羽根群のバウンドを抑制するようにした構成に関するものであるが、そのようにした従来の構成の一例が、特開昭58−196527号公報に記載されている。即ち、そのような構成は、実施例における後羽根用駆動レバー(後羽根用駆動部材)230,330に対して採用されており、制動は、摩擦板237によって摩擦力を付与されているブレーキレバー235で行い、バウンドの阻止は、バネ240によって回転力が付与されているバウンド防止レバー239,339のフック部239a,339aで行うようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、最近では一眼レフカメラも極端に小型化され且つ廉価になってきているため、フォーカルプレンシャッタに対しても、益々の小型化と低コスト化が要求されている。そして、それに応えるためには、部品点数の削減と、各構成部材の機能的な配置が必要になる。また、最近ではカメラの電動化が進み、種々の制御に電池電源が用いられ、電池の消耗度が大きくなってきていることなどもあって、シャッタのセットトルクを極力小さくて済むようにすることが要求されている。
【0005】
そこで、これらの観点から、上記の公報に記載の構成を見てみると、単に部品点数が多いということだけにとどまらず、それらの部品を機能的に関係付けなければならないため取付け作業が面倒であって極めて問題である。また、上記の公報の実施例においては、このような構成を後羽根用駆動レバー(後羽根用駆動部材)230,330に対して採用しているが、先羽根用駆動レバー(先羽根用駆動部材)202に対して採用しようとすると、基板(シャッタ地板)201の面積を広げなくてはならず、小型化どころか大型化を招いてしまうことになる。更に、上記の公報に記載の構成の場合には、セット作動に際して、連動ピン(駆動ピン)230a,330aが、バウンド防止レバー239,339を回転させなければならないため、セットトルクの点で問題がある。
【0006】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、極めて部品点数が少なく、且つ先羽根用駆動部材と後羽根用駆動部材の両方に対して採用する場合であっても極めてコンパクトに配置でき、しかもシャッタのセットトルクに影響を与えることのない構成によって、駆動部材の制動とバウンド阻止とを行えるようにしたカメラ用フォーカルプレンシャッタを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタは、シャッタ地板に回転可能に取り付けられており被操作部を設けた腕部と係止部を設けた腕部とを有していて少なくとも一方の腕部が回転方向へ可撓性を有しているブレーキ部材と、露光作動の終了段階において前記係止部を押し前記ブレーキ部材を撓ませてから該係止部によって係止され得る係合部を設けた先羽根用駆動部材又は後羽根用駆動部材と、初期位置においてのみ前記被操作部を操作し前記係止部を前記係合部の作動軌跡内に強制的に臨ませる操作部を有していてセット時には初期位置から作動して前記各駆動部材をセット位置に作動させ前記各駆動部材の露光作動開始前には初期位置へ復帰させられているセット部材とを備えているようにする。
また、本発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタにおいては、前記係合部が先羽根用駆動部材と後羽根用駆動部材の両方に設けられており、シャッタ地板には前記ブレーキ部材が各駆動部材用に二つ取り付けられており、前記セット部材はそれらのブレーキ部材を別々に操作するために前記操作部を二つ有しているようにすると好適である。
その場合、前記二つのブレーキ部材が、シャッタ地板に対して同軸上で回転できるように取り付けられているようにすると、配置構成がコンパクトになり、且つコストの低減も可能になる。
また、本発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタにおいては、前記ブレーキ部材が、合成樹脂又は金属の板バネ材料で製作されていることが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図1〜図6に示した第1実施例と図7及び図8に示した第2実施例によって説明する。尚、これらの図面は、図2及び図8を除き、何れもカメラに組み込まれた状態において被写体側から視た場合の略左半分だけを示した平面図である。また、構成の説明においては、被写体側を表面側と称し、フィルム面側を背面側と称することにする。
【0009】
[第1実施例]
先ず、図1及び図2を用いて、第1実施例の構成から説明する。シャッタ地板1には、その略中央部に長方形を横長にした開口部1aが形成されているが、図1においてはその左側の一部が示されている。また、周知のように、シャッタ地板1の背面側には、所定の間隔を空けて、図示していない中間板と補助地板が取り付けられており、シャッタ地板1と中間板との間に先羽根群の羽根室を形成し、中間板と補助地板との間に後羽根群の羽根室を形成している。更に、中間板と補助地板にも、開口部1aと類似の開口部が形成されていて、通常は、それらの開口部を重ね合わせて露光開口を規制するようにしているが、本実施例においては、開口部1aの形状が露光開口を規制しているものとする。
【0010】
その開口部1aの左側には、円弧状の二つの長孔1b,1cが形成されている。通常は、それらの長孔1b,1cの下方端面に、周知の緩衝部材が取り付けられていることが多い。本発明は、そのような緩衝部材を取り付けているものに対しても、取り付けていないものに対しても適用することが可能であるが、本実施例の場合には、取り付けられていない場合について説明する。また、シャッタ地板1の表面側には、軸1d,1e,1f,1gが立設されていて、背面側には軸1h,1i,1j,1kが立設されている。また、シャッタ地板1の表面側には、方形をした二つのストッパ1m,1nが設けられている。
【0011】
上記の軸1dには、先羽根用駆動部材2が回転可能に取り付けられている。この先羽根用駆動部材2は、合成樹脂製であって、被押動部2aと、駆動ピン2bと、取付部2cとを有していて、図示していない周知の先羽根用駆動ばねによって時計方向へ回転するように付勢されている。また、駆動ピン2bは、先羽根用駆動部材2の背面側に立設されていて、シャッタ地板1の長孔1bを貫通しており、その断面形状は、根元部がD型であって先端部が小判型をしており、その根元部は、長孔1bの下端部に当接するようになっている。
【0012】
また、先羽根用駆動部材2の取付部2cは表面側に大きく隆起していて、その内部には、鉄片部材が圧縮ばねに付勢された状態で取り付けられているが、その鉄片部材の形状と取付け構成は、特開平10−161181号公報等によって周知であるため、図示を省略している。そして、その鉄片部材は、露光作動開始直前の状態(後述する図5の状態)においては、図示していない先羽根用電磁石に吸着保持され、先羽根用駆動部材2が先羽根用駆動ばねの付勢力によって時計方向へ回転できないようにするためのものであるが、図1の状態においては、上記圧縮ばねの付勢力によって、その被吸着部を、取付部2cから右上方に最大限に突き出した状態となっている。
【0013】
シャッタ地板1の軸1eには、合成樹脂製の後羽根用駆動部材3が回転可能に取り付けられている。この後羽根用駆動部材3は、被押動部3aと、駆動ピン3bと、取付部3cと、係合部3dとを有していて、図示していない周知の後羽根用駆動ばねによって時計方向へ回転するように付勢されている。そして、駆動ピン3bは、先羽根用駆動部材2の駆動ピン2bと略同じようにして形成されており、長孔1cを貫通していて、その根元部が長孔1cの下端部に当接するようになっている。
【0014】
また、取付部3cも先羽根用駆動部材2の取付部2cと略同じ形状をしていて、その内部には、図示していない後羽根用電磁石に吸着される鉄片部材が圧縮ばねに付勢された状態で取り付けられているが、その取付け構成も、上記した特開平10−161181号公報等によって周知であるため、図示を省略している。そして、その鉄片部材の場合にも、図1の状態においては、圧縮ばねの付勢力によって、その被吸着部を、取付部3cから右上方に最大限に突き出した状態となっている。
【0015】
シャッタ地板1の軸1fには、合成樹脂製のセット部材4が回転可能に取り付けられている。このセット部材4は、図示していないばねによって、反時計方向へ回転するように付勢されているが、図1においては、図示していないストッパに当接して停止されている状態が示されている。本明細書においては、このようなセット部材4の位置を初期位置と称することにする。そして、このセット部材4には、その周面部に、先羽根用駆動部材2の被押動部2aを押す押動部4aと、後羽根用駆動部材3の被押動部3aを押す押動部4bと、被押動部4cとが形成されていて、背面部には、軸1fの周囲に、カム面を有する二つの操作部4d,4eが形成されている。
【0016】
シャッタ地板1の軸1gには、合成樹脂製の第1ブレーキ部材5と第2ブレーキ部材6が、個別に回転できるようにして取り付けられており、第2ブレーキ部材6の方が、シャッタ地板1側に配置されている。そして、第1ブレーキ部材5は、図2(a)に示されているように、軸1gに嵌合させる孔5aと二つの腕部5b,5cを有していて、腕部5bの先端には、先羽根用駆動部材2の被押動部2aに接触する係止部5b′が形成され、腕部5cの先端には、セット部材4の操作部4dに接触する被操作部5c′が形成されている。他方、第2ブレーキ部材6は、図2(b)に示されているように、軸1gに嵌合させる孔6aと腕部6b,6cを有していて、腕部6bの先端には、後羽根用駆動部材3の係合部3dに接触する係止部6b′が形成され、腕部6cの先端には、セット部材4の操作部4eに接触する被操作部6c′が形成されている。そして、各ブレーキ部材5,6の腕部5c,6cは腕部5b,6b側に可撓性を有している。
【0017】
次に、シャッタ地板1の背面側に配置されている先羽根群と後羽根群の構成について説明する。先ず、先羽根群は、シャッタ地板1の軸1h,1iに対して回転可能に取り付けられた二つのアーム7,8と、それらの先端部に向けて順に枢支された複数枚の羽根で構成されているが、それらの羽根の枢支構成は周知であるため、アーム7,8の先端部に枢支されたスリット形成羽根9のみを示してある。そして、アーム7に形成された孔には先羽根用駆動部材2の駆動ピン2bが嵌合していて、アーム7は先羽根用駆動部材2と一緒に回転するようになっている。
【0018】
また、後羽根群の構成は、実質的に先羽根群を裏返しにして配置した構成をしており、シャッタ地板1の軸1j,1kに対して回転可能に取り付けられた二つのアーム10,11と、それらの先端部に向けて順に枢支された複数枚の羽根で構成されているが、図1においては、アーム10,11の先端部に枢支されたスリット形成羽根12のみを示してある。そして、アーム10に形成された孔には後羽根用駆動部材3の駆動ピン3bが嵌合していて、アーム10は後羽根用駆動部材3と一緒に回転するようになっている。
【0019】
次に、図3〜図6も加え、本実施例の作動を説明する。図1は、露光作動終了直後の状態を示している。従って、先羽根用駆動部材2の駆動ピン2bは、長孔1bの下端部に当接しており、先羽根群の複数枚の羽根は重畳されて開口部1aの下方位置に格納されている。また、後羽根用駆動部材3の駆動ピン3bは、長孔1cの下端部に当接しており、後羽根群の複数枚の羽根は展開されて、開口部1aを覆っている。更に、この状態においては、セット部材4が初期位置にあるので、第1ブレーキ部材5は、操作部4dによって時計方向へ回転させられており、腕部5bがストッパ1mに接触し、先羽根用駆動部材2の被押動部2aの作動軌跡内に、係止部5b′を臨ませている。他方、第2ブレーキ部材6は、セット部材4の操作部4eによって反時計方向へ回転させられており、腕部6bがストッパ1nに接触し、後羽根用駆動部材3の係合部3dの作動軌跡内に、係止部6b′を臨ませている。
【0020】
このような図1に示した状態において、フィルムの巻き上げが行われると、それに連動して図示していないカメラ本体側の部材がセット部材4の被押動部4cを押し、セット部材4に時計方向への回転を行わせる。それによって、先ず、セット部材4の操作部4d,4eがブレーキ部材5,6の被操作部5c′,6c′から離れ、二つのブレーキ部材5,6が所定の角度内で自由に回転し得るようになる。次に、セット部材4は、押動部4aが被押動部2aを押すことによって、図示していない先羽根用駆動ばねの付勢力に抗して先羽根用駆動部材2を反時計方向へ回転させる。
【0021】
この段階においては、未だ、セット部材4の押動部4bが後羽根用駆動部材3の被押動部3aに接触していないため、先羽根群の羽根のみが上方へ移動していくことになる。また、このとき、先羽根用駆動部材2の被押動部2aが第1ブレーキ部材5の係止部5b′を押すことになるが、上記したように第1ブレーキ部材5が所定の角度範囲内で自由に回転し得るようになっているので、仮に被押動部2aが係止部5b′に接触しても、その押すために必要な力は僅かなものであって、そのために特にセットトルクを大きくしなければならないという程のものではない。そして、その後、先羽根群のスリット形成羽根9と、後羽根群のスリット形成羽根12との重なり量が所定量に達すると、セット部材4の押動部4bが後羽根用駆動部材3の被押動部3aに接触する。その状態が図3に示されている。
【0022】
図3の状態以後は、後羽根用駆動部材3も、図示していない後羽根用駆動ばねの付勢力に抗して、反時計方向へ回転を開始し、後羽根群の羽根を上方へ移動させていくことになるが、このときにも第2ブレーキ部材6は、第1ブレーキ部材5と同様に所定の角度範囲内で自由に回転できるようになっているので、カメラの姿勢などによって、仮に係合部3dが係止部6b′に接するようなことがあったとしても、そのためにセットトルクを大きくしておかなければならないというようなことはない。従って、二つの羽根群は、図3に示された状態からはスリット形成羽根9,12同士の重なりを大きく変えることなく上方へ移動し、先羽根群は羽根相互の重なりを小さくし、後羽根群は羽根相互の重なりを大きくしていく。
【0023】
そして、駆動部材2,3の取付部2c,3cに夫々取り付けられている図示していない上記の各鉄片部材が、両方とも夫々の電磁石に接触した段階になると、カメラ本体側の部材によって回転されていたセット部材4の回転が停止され、シャッタのセット作動が終了する。図4は、そのようにして行われたセット作動の完了状態を示しているが、この状態においては、先羽根群の複数枚の羽根は展開状態となって開口部1aを覆っており、後羽根群の複数枚の羽根は重畳状態となって開口部1aの上方位置に格納されている。また、セット部材4は、次の撮影が行われるまで、この状態を維持される。
【0024】
次の撮影に際して、カメラのレリーズボタンが押されると、先ず、図示していない上記の各電磁石に通電され、駆動部材2,3の取付部2c,3cに取り付けられている図示していない上記の各鉄片部材が吸着保持される。次に、カメラ本体側の図示していない部材が、セット部材4の被押動部4cから退くので、セット部材4は図示していないばねの付勢力によって反時計方向へ回転され、初期位置で停止する。
【0025】
そして、この初期位置への復帰に伴い、セット部材4の操作部4d,4eが、ブレーキ部材5,6の被操作部5c′,6c′を押すので、第1ブレーキ部材5は時計方向へ回転されて腕部5bをストッパ1mに接触させ、係止部5b′を被押動部2aの作動軌跡内に臨ませる。また、第2ブレーキ部材6は反時計方向へ回転されて腕部6bをストッパ1nに接触させ、係止部6b′を係合部3dの作動軌跡内に臨ませる。そのような状態が図5に示された状態であるが、この状態においては、夫々の腕部5c,6cは若干腕部5b,6b側に撓まされていることになる。しかし、このとき、本実施例とは異なって、腕部5c,6cが撓まされず、腕部5b,6bがストッパ1m,1nから若干離れ得る状態となっていても、それらの係止部5b′,6b′が上記の被押動部2a,係合部3dの作動軌跡内に必ず臨んでいるように構成されてさえいれば、特に問題はない。
【0026】
このようにして図5に示された状態が得られた後、最初に先羽根用電磁石に対する通電が断たれ、所定時間後に後羽根用電磁石に対する通電が断たれることによって、先羽根用駆動部材2と後羽根用駆動部材3が、図示していない各駆動ばねの付勢力によって相次いで急速に時計方向へ回転させられ、二つのスリット形成羽根9,12によって形成されたスリットにより、フィルム面を露光していく。そして、先羽根用駆動部材2は、露光作動の終了段階になると、その被押動部2aが第1ブレーキ部材5の係止部5b′を押し、腕部5cを撓ませながら制動を受けることになる。そのときの状態が図6に示されている。また、図6の状態の直後には、後羽根用駆動部材3の係合部3dが第2ブレーキ部材6の係止部6b′を押し、腕部6cを撓ませることによって制動を受けることになる。尚、図6においては、係止部5b′が被押動部2aによって押される前の状態と、係止部6b′が係合部3dによって押された後の状態と、係合部3dの作動軌跡が、一点鎖線で示されている。
【0027】
そして、先羽根群の複数枚の羽根が重畳され、スリット形成羽根9が開口部1aの下方位置に完全に退いた段階になると、先羽根用駆動部材2の駆動ピン2bが長孔1bの下端に当接する。従って、先羽根用駆動部材2は、その当接の反動によって反時計方向へバウンドしようとするが、そのときには、既に、第1ブレーキ部材5の係止部5b′が、腕部5cの復元力によって被押動部2aの作動軌跡内に臨んでいるため、そのバウンドは阻止され、停止する。そのため、アーム7を介して先羽根用駆動部材2に連結されているスリット形成羽根9は、そのバウンドを抑制されることになり、周知の緩衝手段の助けを借りたりすることによって、再度、一時的に開口部1aの一部を覆ってしまうことが防止される。
【0028】
他方、その直後において、後羽根群の複数枚の羽根が展開され、開口部1aを完全に覆った段階になると、後羽根用駆動部材3の駆動ピン3bが長孔1cの下端に当接する。従って、後羽根用駆動部材3は、その当接の反動によって反時計方向へバウンドしようとするが、そのときには、既に、第2ブレーキ部材6の係止部6b′が、腕部6cの復元力によって係合部3dの作動軌跡内に臨んでいるため、そのバウンドは阻止され、停止する。そのため、アーム10を介して後羽根用駆動部材3に連結されているスリット形成羽根12は、そのバウンドを抑制されることになり、周知の緩衝手段の助けを借りたりして、再度、一時的に開口部1aの一部を開いてしまうことを防止される。このようにして、露光作動の終了した状態が、図1に示された状態である。
【0029】
[第2実施例]
次に、図7及び図8を用いて第2実施例を説明する。本実施例の構成は、第1実施例における第1ブレーキと第2ブレーキの構成が異なっているだけである。そのため、その他の部材,部位には、第1実施例の場合と同じ符号をつけ、それらについての説明を省略する。図7において、シャッタ地板1の軸1gには、金属製の板ばね材料で製作された第1ブレーキ部材15と第2ブレーキ部材16が、個別に回転できるようにして取り付けられており、第2ブレーキ部材16の方が、シャッタ地板1側に配置されている。
【0030】
そして、第1ブレーキ部材15は、図8(a)に示されているように、軸1gに嵌合させる巻回部15aと二つの腕部15b,15cを有していて、腕部15bの先端には、先羽根用駆動部材2の被押動部2aに接触する係止部15b′が形成され、腕部15cの先端には、セット部材4の操作部4dに接触する被操作部15c′が形成されている。他方、第2ブレーキ部材16は、図8(b)に示されているように、軸1gに嵌合させる巻回部16aと腕部16b,16cを有していて、腕部16bの先端には、後羽根用駆動部材3の係合部3dに接触する係止部16b′が形成され、腕部16cの先端には、セット部材4の操作部4eに接触する被操作部16c′が形成されている。
【0031】
このように、本実施例の場合には、各ブレーキ部材15,16が板ばね材料で製作されていることから、それらの腕部15b,15c,16b,16cは、何れも回転方向へ可撓性を有している。そのため、セット作動時と露光作動時において、第1ブレーキ15の係止部15b′が先羽根用駆動部材2の被押動部2aに押されたときには、腕部15b,15cの両方が撓むことになる。同様に、第2ブレーキ16の係止部16b′が後羽根用駆動部材3の係合部3dに押されたときには、腕部16b,16cの両方が撓むことになる。そして、本実施例の作動は、この点だけが第1実施例と異なっていて、その他の作動は、上記した第1実施例の場合に準じて行われるので、重複を避けるために、詳細な説明を省略する。
【0032】
尚、上記の第1実施例においては、二つのブレーキ部材5,6の一方の腕部15c,16cだけが可撓性を有しているが、本発明は、その可撓性を、他方の腕部15b,16bにだけ与えるようにしても差し支えないし、第2実施例のように、両方の腕部に与えるようにしても差し支えない。また、上記の各実施例においては、先羽根用駆動部材2の被押動部2aが、セット部材4の押動部4aによって押される部位と、第1ブレーキ部材5,15の係止部5b′,15b′に関係する係合部とを兼ねているが、後羽根用駆動部材3の係合部3dと同様にして、被押動部2aとは独立して係合部を設けるようにしても差し支えないし、後羽根用駆動部材3の係合部3dを、先羽根用駆動部材2の場合と同様にして、被押動部3aと兼用するように構成しても差し支えない。
【0033】
また、上記の各実施例においては、先羽根用駆動部材2と後羽根用駆動部材3の両方に対して個々にブレーキ部材を設けているが、本発明は、そのような構成に限定されるものではなく、何れか一方の駆動部材に対してのみ設けても構わないし、両方に対して設ける場合であっても、本実施例のように、二つのブレーキ部材を同軸上に配置するものに限定されず、夫々異軸上に配置するようにしても差し支えない。
【0034】
更に、周知であるが、フォーカルプレンシャッタには、露光作動開始直前の状態において、各駆動部材を露光作動開始位置に保持する方法として、電磁石によって直接保持させるようにしたダイレクトタイプと、係止部材によって保持しておくようにした係止タイプとが知られている。そして、上記の各実施例においては、それらのうちのダイレクトタイプのシャッタの場合で説明したが、本発明は、係止タイプのものにも適用することが可能である。更に、上記の二つのタイプの違いに関係なく、二重遮光方式と称されているシャッタも存在するが。本発明は、そのようなシャッタにも適用することが可能である。
【0035】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、先羽根用駆動部材に対して適用する場合であっても、後羽根用駆動部材に適用する場合であっても、更には両方の駆動部材に適用する場合であっても、シャッタの大型化を招くことなく、シャッタ地板上にコンパクトに配置することができ、且つ部品点数も少なくてよいことから、駆動部材の制動とバウンドを阻止するための構成としては、シャッタの小型化,低コスト化の観点から最適の構成である。また、本発明のように、駆動部材のバウンドを積極的に阻止するようにした従来の構成においては、その阻止する力が、セットトルクを大きくしなければならない要因となっていたが、本発明の構成によれば、そのようにする必要性は全くない。
【図面の簡単な説明】
【図1】被写体側から視た第1実施例の平面図であって、露光作動を終了した直後の状態を示したものである。
【図2】第1実施例に用いられている二つのブレーキ部材を示していて、図2(a)は第1ブレーキ部材を示し、図2(b)は第2ブレーキ部材を示したものである。
【図3】図1と同じようにして視た第1実施例の平面図であって、セット作動開始直後の状態を示したものである。
【図4】図1と同じようにして視た第1実施例の平面図であって、セット作動の完了状態を示したものである。
【図5】図1と同じようにして視た第1実施例の平面図であって、露光作動に先立ってセット部材が初期位置へ復帰した状態を示したものである。
【図6】図1と同じようにして視た第1実施例の平面図であって、露光作動の終了直前の状態を示したものである。
【図7】被写体側から視た第2実施例の平面図であって、露光作動を終了した直後の状態を示したものである。
【図8】第2実施例に用いられている二つのブレーキ部材を示していて、図8(a)は第1ブレーキ部材を示し、図8(b)は第2ブレーキ部材を示したものである。
【符号の説明】
1 シャッタ地板
1a 開口部
1b,1c 長孔
1d,1e,1f,1g,1h,1i,1j,1k 軸
1m,1n ストッパ
2 先羽根用駆動部材
2a,3a,4c 被押動部
2b,3b 駆動ピン
2c,3c 取付部
3 後羽根用駆動部材
3d 係合部
4 セット部材
4a,4b 押動部
4d,4e 操作部
5,15 第1ブレーキ部材
5a,6a 孔
5b,5c,6b,6c,15b,15c,16b,16c 腕部
5b′,6b′,15b′,16b′ 係止部
5c′,6c′,15c′,16c′ 被操作部
6,16 第2ブレーキ部材
7,8,10,11 アーム
9,12 スリット形成羽根
15a,16a 巻回部

Claims (5)

  1. シャッタ地板に回転可能に取り付けられており被操作部を設けた腕部と係止部を設けた腕部とを有していて少なくとも一方の腕部が回転方向へ可撓性を有しているブレーキ部材と、露光作動の終了段階において前記係止部を押し前記ブレーキ部材を撓ませてから該係止部によって係止され得る係合部を設けた先羽根用駆動部材又は後羽根用駆動部材と、初期位置においてのみ前記被操作部を操作し前記係止部を前記係合部の作動軌跡内に強制的に臨ませる操作部を有していてセット時には初期位置から作動して前記各駆動部材をセット位置に作動させ前記各駆動部材の露光作動開始前には初期位置へ復帰させられているセット部材とを備えていることを特徴とするカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
  2. 前記係合部が先羽根用駆動部材と後羽根用駆動部材の両方に設けられており、シャッタ地板には前記ブレーキ部材が各駆動部材用に二つ取り付けられており、前記セット部材はそれらのブレーキ部材を別々に操作するために前記操作部を二つ有していることを特徴とする請求項1に記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
  3. 前記二つのブレーキ部材が、シャッタ地板に対して同軸上で回転できるように取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
  4. 前記ブレーキ部材が、合成樹脂製であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
  5. 前記ブレーキ部材が、金属の板バネ材料で製作されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
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