JP2001021947A - カメラ用フォーカルプレンシャッタ - Google Patents

カメラ用フォーカルプレンシャッタ

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JP2001021947A
JP2001021947A JP11194569A JP19456999A JP2001021947A JP 2001021947 A JP2001021947 A JP 2001021947A JP 11194569 A JP11194569 A JP 11194569A JP 19456999 A JP19456999 A JP 19456999A JP 2001021947 A JP2001021947 A JP 2001021947A
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真人 清田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】駆動部材の露光作動を制動し且つバウンドを阻
止できる、低コストで且つセットトルクに影響を与えな
い構成を備えたカメラ用フォーカルプレンシャッタを提
供すること。 【解決手段】軸1gに個々に回転可能に取り付けられた
ブレーキ部材5,6は、各々一方の腕部5b,6bに係
止部5b′,6b′を形成し、可撓性を有する他方の腕
部5c,6cに被操作部5c′,6c′を形成してい
る。このブレーキ部材5,6は、露光作動時には、被操
作部5c′,6c′が、セット部材4の操作部4d,4
eに押されて、係止部5b′,6b′を、駆動部材2,
3の被押動部2a,係合部3dの作動軌跡内に臨ませる
ため、駆動部材2,3の制動とバウンド阻止が好適に行
え、セット時には、被操作部5c′,6c′に対する操
作部4d,4eの力が除かれるのでセットトルクに影響
を与えないようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、撮影に際して、先
羽根群と後羽根群とを同一方向へ順次作動させ、その二
つの羽根群のスリット形成羽根によって形成されたスリ
ットにより、露光を行うようにしたカメラ用のフォーカ
ルプレンシャッタに関する。
【0002】
【従来の技術】最近のフォーカルプレンシャッタは、撮
影に際して、各羽根群を可成りの高速で作動させ、露光
作動終了時においては、羽根群やその駆動部材をストッ
パに当接させることによって停止させるようにしている
ため、その停止時においては、何も対策を講じていない
と、各羽根群がバウンドし、先羽根群の場合には、露光
開口の一部を再度一時的に覆い、後羽根群の場合には、
露光開口の一部を再度一時的に開くことによって、露光
むらを生じさせてしまうことになる。また、その停止時
における衝撃によって羽根群が破壊されてしまうことも
ある。そのため、従来から、各羽根群やそれらの各駆動
部材に対しては、種々の制動手段や緩衝手段を設けるよ
うにし、露光むらや破壊を防止するようにしていた。
【0003】本発明は、それらのうち、駆動部材の作動
を制動し、且つ駆動部材自体のバウンドを阻止すること
によって、上記した羽根群のバウンドを抑制するように
した構成に関するものであるが、そのようにした従来の
構成の一例が、特開昭58−196527号公報に記載
されている。即ち、そのような構成は、実施例における
後羽根用駆動レバー(後羽根用駆動部材)230,33
0に対して採用されており、制動は、摩擦板237によ
って摩擦力を付与されているブレーキレバー235で行
い、バウンドの阻止は、バネ240によって回転力が付
与されているバウンド防止レバー239,339のフッ
ク部239a,339aで行うようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、最近では一
眼レフカメラも極端に小型化され且つ廉価になってきて
いるため、フォーカルプレンシャッタに対しても、益々
の小型化と低コスト化が要求されている。そして、それ
に応えるためには、部品点数の削減と、各構成部材の機
能的な配置が必要になる。また、最近ではカメラの電動
化が進み、種々の制御に電池電源が用いられ、電池の消
耗度が大きくなってきていることなどもあって、シャッ
タのセットトルクを極力小さくて済むようにすることが
要求されている。
【0005】そこで、これらの観点から、上記の公報に
記載の構成を見てみると、単に部品点数が多いというこ
とだけにとどまらず、それらの部品を機能的に関係付け
なければならないため取付け作業が面倒であって極めて
問題である。また、上記の公報の実施例においては、こ
のような構成を後羽根用駆動レバー(後羽根用駆動部
材)230,330に対して採用しているが、先羽根用
駆動レバー(先羽根用駆動部材)202に対して採用し
ようとすると、基板(シャッタ地板)201の面積を広
げなくてはならず、小型化どころか大型化を招いてしま
うことになる。更に、上記の公報に記載の構成の場合に
は、セット作動に際して、連動ピン(駆動ピン)230
a,330aが、バウンド防止レバー239,339を
回転させなければならないため、セットトルクの点で問
題がある。
【0006】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたものであり、その目的とするところは、極
めて部品点数が少なく、且つ先羽根用駆動部材と後羽根
用駆動部材の両方に対して採用する場合であっても極め
てコンパクトに配置でき、しかもシャッタのセットトル
クに影響を与えることのない構成によって、駆動部材の
制動とバウンド阻止とを行えるようにしたカメラ用フォ
ーカルプレンシャッタを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタは、
シャッタ地板に回転可能に取り付けられており被操作部
を設けた腕部と係止部を設けた腕部とを有していて少な
くとも一方の腕部が回転方向へ可撓性を有しているブレ
ーキ部材と、露光作動の終了段階において前記係止部を
押し前記ブレーキ部材を撓ませてから該係止部によって
係止され得る係合部を設けた先羽根用駆動部材又は後羽
根用駆動部材と、初期位置においてのみ前記被操作部を
操作し前記係止部を前記係合部の作動軌跡内に強制的に
臨ませる操作部を有していてセット時には初期位置から
作動して前記各駆動部材をセット位置に作動させ前記各
駆動部材の露光作動開始前には初期位置へ復帰させられ
ているセット部材とを備えているようにする。また、本
発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタにおいては、
前記係合部が先羽根用駆動部材と後羽根用駆動部材の両
方に設けられており、シャッタ地板には前記ブレーキ部
材が各駆動部材用に二つ取り付けられており、前記セッ
ト部材はそれらのブレーキ部材を別々に操作するために
前記操作部を二つ有しているようにすると好適である。
その場合、前記二つのブレーキ部材が、シャッタ地板に
対して同軸上で回転できるように取り付けられているよ
うにすると、配置構成がコンパクトになり、且つコスト
の低減も可能になる。また、本発明のカメラ用フォーカ
ルプレンシャッタにおいては、前記ブレーキ部材が、合
成樹脂又は金属の板バネ材料で製作されていることが好
ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、図1〜図
6に示した第1実施例と図7及び図8に示した第2実施
例によって説明する。尚、これらの図面は、図2及び図
8を除き、何れもカメラに組み込まれた状態において被
写体側から視た場合の略左半分だけを示した平面図であ
る。また、構成の説明においては、被写体側を表面側と
称し、フィルム面側を背面側と称することにする。
【0009】[第1実施例]先ず、図1及び図2を用い
て、第1実施例の構成から説明する。シャッタ地板1に
は、その略中央部に長方形を横長にした開口部1aが形
成されているが、図1においてはその左側の一部が示さ
れている。また、周知のように、シャッタ地板1の背面
側には、所定の間隔を空けて、図示していない中間板と
補助地板が取り付けられており、シャッタ地板1と中間
板との間に先羽根群の羽根室を形成し、中間板と補助地
板との間に後羽根群の羽根室を形成している。更に、中
間板と補助地板にも、開口部1aと類似の開口部が形成
されていて、通常は、それらの開口部を重ね合わせて露
光開口を規制するようにしているが、本実施例において
は、開口部1aの形状が露光開口を規制しているものと
する。
【0010】その開口部1aの左側には、円弧状の二つ
の長孔1b,1cが形成されている。通常は、それらの
長孔1b,1cの下方端面に、周知の緩衝部材が取り付
けられていることが多い。本発明は、そのような緩衝部
材を取り付けているものに対しても、取り付けていない
ものに対しても適用することが可能であるが、本実施例
の場合には、取り付けられていない場合について説明す
る。また、シャッタ地板1の表面側には、軸1d,1
e,1f,1gが立設されていて、背面側には軸1h,
1i,1j,1kが立設されている。また、シャッタ地
板1の表面側には、方形をした二つのストッパ1m,1
nが設けられている。
【0011】上記の軸1dには、先羽根用駆動部材2が
回転可能に取り付けられている。この先羽根用駆動部材
2は、合成樹脂製であって、被押動部2aと、駆動ピン
2bと、取付部2cとを有していて、図示していない周
知の先羽根用駆動ばねによって時計方向へ回転するよう
に付勢されている。また、駆動ピン2bは、先羽根用駆
動部材2の背面側に立設されていて、シャッタ地板1の
長孔1bを貫通しており、その断面形状は、根元部がD
型であって先端部が小判型をしており、その根元部は、
長孔1bの下端部に当接するようになっている。
【0012】また、先羽根用駆動部材2の取付部2cは
表面側に大きく隆起していて、その内部には、鉄片部材
が圧縮ばねに付勢された状態で取り付けられているが、
その鉄片部材の形状と取付け構成は、特開平10−16
1181号公報等によって周知であるため、図示を省略
している。そして、その鉄片部材は、露光作動開始直前
の状態(後述する図5の状態)においては、図示してい
ない先羽根用電磁石に吸着保持され、先羽根用駆動部材
2が先羽根用駆動ばねの付勢力によって時計方向へ回転
できないようにするためのものであるが、図1の状態に
おいては、上記圧縮ばねの付勢力によって、その被吸着
部を、取付部2cから右上方に最大限に突き出した状態
となっている。
【0013】シャッタ地板1の軸1eには、合成樹脂製
の後羽根用駆動部材3が回転可能に取り付けられてい
る。この後羽根用駆動部材3は、被押動部3aと、駆動
ピン3bと、取付部3cと、係合部3dとを有してい
て、図示していない周知の後羽根用駆動ばねによって時
計方向へ回転するように付勢されている。そして、駆動
ピン3bは、先羽根用駆動部材2の駆動ピン2bと略同
じようにして形成されており、長孔1cを貫通してい
て、その根元部が長孔1cの下端部に当接するようにな
っている。
【0014】また、取付部3cも先羽根用駆動部材2の
取付部2cと略同じ形状をしていて、その内部には、図
示していない後羽根用電磁石に吸着される鉄片部材が圧
縮ばねに付勢された状態で取り付けられているが、その
取付け構成も、上記した特開平10−161181号公
報等によって周知であるため、図示を省略している。そ
して、その鉄片部材の場合にも、図1の状態において
は、圧縮ばねの付勢力によって、その被吸着部を、取付
部3cから右上方に最大限に突き出した状態となってい
る。
【0015】シャッタ地板1の軸1fには、合成樹脂製
のセット部材4が回転可能に取り付けられている。この
セット部材4は、図示していないばねによって、反時計
方向へ回転するように付勢されているが、図1において
は、図示していないストッパに当接して停止されている
状態が示されている。本明細書においては、このような
セット部材4の位置を初期位置と称することにする。そ
して、このセット部材4には、その周面部に、先羽根用
駆動部材2の被押動部2aを押す押動部4aと、後羽根
用駆動部材3の被押動部3aを押す押動部4bと、被押
動部4cとが形成されていて、背面部には、軸1fの周
囲に、カム面を有する二つの操作部4d,4eが形成さ
れている。
【0016】シャッタ地板1の軸1gには、合成樹脂製
の第1ブレーキ部材5と第2ブレーキ部材6が、個別に
回転できるようにして取り付けられており、第2ブレー
キ部材6の方が、シャッタ地板1側に配置されている。
そして、第1ブレーキ部材5は、図2(a)に示されて
いるように、軸1gに嵌合させる孔5aと二つの腕部5
b,5cを有していて、腕部5bの先端には、先羽根用
駆動部材2の被押動部2aに接触する係止部5b′が形
成され、腕部5cの先端には、セット部材4の操作部4
dに接触する被操作部5c′が形成されている。他方、
第2ブレーキ部材6は、図2(b)に示されているよう
に、軸1gに嵌合させる孔6aと腕部6b,6cを有し
ていて、腕部6bの先端には、後羽根用駆動部材3の係
合部3dに接触する係止部6b′が形成され、腕部6c
の先端には、セット部材4の操作部4eに接触する被操
作部6c′が形成されている。そして、各ブレーキ部材
5,6の腕部5c,6cは腕部5b,6b側に可撓性を
有している。
【0017】次に、シャッタ地板1の背面側に配置され
ている先羽根群と後羽根群の構成について説明する。先
ず、先羽根群は、シャッタ地板1の軸1h,1iに対し
て回転可能に取り付けられた二つのアーム7,8と、そ
れらの先端部に向けて順に枢支された複数枚の羽根で構
成されているが、それらの羽根の枢支構成は周知である
ため、アーム7,8の先端部に枢支されたスリット形成
羽根9のみを示してある。そして、アーム7に形成され
た孔には先羽根用駆動部材2の駆動ピン2bが嵌合して
いて、アーム7は先羽根用駆動部材2と一緒に回転する
ようになっている。
【0018】また、後羽根群の構成は、実質的に先羽根
群を裏返しにして配置した構成をしており、シャッタ地
板1の軸1j,1kに対して回転可能に取り付けられた
二つのアーム10,11と、それらの先端部に向けて順
に枢支された複数枚の羽根で構成されているが、図1に
おいては、アーム10,11の先端部に枢支されたスリ
ット形成羽根12のみを示してある。そして、アーム1
0に形成された孔には後羽根用駆動部材3の駆動ピン3
bが嵌合していて、アーム10は後羽根用駆動部材3と
一緒に回転するようになっている。
【0019】次に、図3〜図6も加え、本実施例の作動
を説明する。図1は、露光作動終了直後の状態を示して
いる。従って、先羽根用駆動部材2の駆動ピン2bは、
長孔1bの下端部に当接しており、先羽根群の複数枚の
羽根は重畳されて開口部1aの下方位置に格納されてい
る。また、後羽根用駆動部材3の駆動ピン3bは、長孔
1cの下端部に当接しており、後羽根群の複数枚の羽根
は展開されて、開口部1aを覆っている。更に、この状
態においては、セット部材4が初期位置にあるので、第
1ブレーキ部材5は、操作部4dによって時計方向へ回
転させられており、腕部5bがストッパ1mに接触し、
先羽根用駆動部材2の被押動部2aの作動軌跡内に、係
止部5b′を臨ませている。他方、第2ブレーキ部材6
は、セット部材4の操作部4eによって反時計方向へ回
転させられており、腕部6bがストッパ1nに接触し、
後羽根用駆動部材3の係合部3dの作動軌跡内に、係止
部6b′を臨ませている。
【0020】このような図1に示した状態において、フ
ィルムの巻き上げが行われると、それに連動して図示し
ていないカメラ本体側の部材がセット部材4の被押動部
4cを押し、セット部材4に時計方向への回転を行わせ
る。それによって、先ず、セット部材4の操作部4d,
4eがブレーキ部材5,6の被操作部5c′,6c′か
ら離れ、二つのブレーキ部材5,6が所定の角度内で自
由に回転し得るようになる。次に、セット部材4は、押
動部4aが被押動部2aを押すことによって、図示して
いない先羽根用駆動ばねの付勢力に抗して先羽根用駆動
部材2を反時計方向へ回転させる。
【0021】この段階においては、未だ、セット部材4
の押動部4bが後羽根用駆動部材3の被押動部3aに接
触していないため、先羽根群の羽根のみが上方へ移動し
ていくことになる。また、このとき、先羽根用駆動部材
2の被押動部2aが第1ブレーキ部材5の係止部5b′
を押すことになるが、上記したように第1ブレーキ部材
5が所定の角度範囲内で自由に回転し得るようになって
いるので、仮に被押動部2aが係止部5b′に接触して
も、その押すために必要な力は僅かなものであって、そ
のために特にセットトルクを大きくしなければならない
という程のものではない。そして、その後、先羽根群の
スリット形成羽根9と、後羽根群のスリット形成羽根1
2との重なり量が所定量に達すると、セット部材4の押
動部4bが後羽根用駆動部材3の被押動部3aに接触す
る。その状態が図3に示されている。
【0022】図3の状態以後は、後羽根用駆動部材3
も、図示していない後羽根用駆動ばねの付勢力に抗し
て、反時計方向へ回転を開始し、後羽根群の羽根を上方
へ移動させていくことになるが、このときにも第2ブレ
ーキ部材6は、第1ブレーキ部材5と同様に所定の角度
範囲内で自由に回転できるようになっているので、カメ
ラの姿勢などによって、仮に係合部3dが係止部6b′
に接するようなことがあったとしても、そのためにセッ
トトルクを大きくしておかなければならないというよう
なことはない。従って、二つの羽根群は、図3に示され
た状態からはスリット形成羽根9,12同士の重なりを
大きく変えることなく上方へ移動し、先羽根群は羽根相
互の重なりを小さくし、後羽根群は羽根相互の重なりを
大きくしていく。
【0023】そして、駆動部材2,3の取付部2c,3
cに夫々取り付けられている図示していない上記の各鉄
片部材が、両方とも夫々の電磁石に接触した段階になる
と、カメラ本体側の部材によって回転されていたセット
部材4の回転が停止され、シャッタのセット作動が終了
する。図4は、そのようにして行われたセット作動の完
了状態を示しているが、この状態においては、先羽根群
の複数枚の羽根は展開状態となって開口部1aを覆って
おり、後羽根群の複数枚の羽根は重畳状態となって開口
部1aの上方位置に格納されている。また、セット部材
4は、次の撮影が行われるまで、この状態を維持され
る。
【0024】次の撮影に際して、カメラのレリーズボタ
ンが押されると、先ず、図示していない上記の各電磁石
に通電され、駆動部材2,3の取付部2c,3cに取り
付けられている図示していない上記の各鉄片部材が吸着
保持される。次に、カメラ本体側の図示していない部材
が、セット部材4の被押動部4cから退くので、セット
部材4は図示していないばねの付勢力によって反時計方
向へ回転され、初期位置で停止する。
【0025】そして、この初期位置への復帰に伴い、セ
ット部材4の操作部4d,4eが、ブレーキ部材5,6
の被操作部5c′,6c′を押すので、第1ブレーキ部
材5は時計方向へ回転されて腕部5bをストッパ1mに
接触させ、係止部5b′を被押動部2aの作動軌跡内に
臨ませる。また、第2ブレーキ部材6は反時計方向へ回
転されて腕部6bをストッパ1nに接触させ、係止部6
b′を係合部3dの作動軌跡内に臨ませる。そのような
状態が図5に示された状態であるが、この状態において
は、夫々の腕部5c,6cは若干腕部5b,6b側に撓
まされていることになる。しかし、このとき、本実施例
とは異なって、腕部5c,6cが撓まされず、腕部5
b,6bがストッパ1m,1nから若干離れ得る状態と
なっていても、それらの係止部5b′,6b′が上記の
被押動部2a,係合部3dの作動軌跡内に必ず臨んでい
るように構成されてさえいれば、特に問題はない。
【0026】このようにして図5に示された状態が得ら
れた後、最初に先羽根用電磁石に対する通電が断たれ、
所定時間後に後羽根用電磁石に対する通電が断たれるこ
とによって、先羽根用駆動部材2と後羽根用駆動部材3
が、図示していない各駆動ばねの付勢力によって相次い
で急速に時計方向へ回転させられ、二つのスリット形成
羽根9,12によって形成されたスリットにより、フィ
ルム面を露光していく。そして、先羽根用駆動部材2
は、露光作動の終了段階になると、その被押動部2aが
第1ブレーキ部材5の係止部5b′を押し、腕部5cを
撓ませながら制動を受けることになる。そのときの状態
が図6に示されている。また、図6の状態の直後には、
後羽根用駆動部材3の係合部3dが第2ブレーキ部材6
の係止部6b′を押し、腕部6cを撓ませることによっ
て制動を受けることになる。尚、図6においては、係止
部5b′が被押動部2aによって押される前の状態と、
係止部6b′が係合部3dによって押された後の状態
と、係合部3dの作動軌跡が、一点鎖線で示されてい
る。
【0027】そして、先羽根群の複数枚の羽根が重畳さ
れ、スリット形成羽根9が開口部1aの下方位置に完全
に退いた段階になると、先羽根用駆動部材2の駆動ピン
2bが長孔1bの下端に当接する。従って、先羽根用駆
動部材2は、その当接の反動によって反時計方向へバウ
ンドしようとするが、そのときには、既に、第1ブレー
キ部材5の係止部5b′が、腕部5cの復元力によって
被押動部2aの作動軌跡内に臨んでいるため、そのバウ
ンドは阻止され、停止する。そのため、アーム7を介し
て先羽根用駆動部材2に連結されているスリット形成羽
根9は、そのバウンドを抑制されることになり、周知の
緩衝手段の助けを借りたりすることによって、再度、一
時的に開口部1aの一部を覆ってしまうことが防止され
る。
【0028】他方、その直後において、後羽根群の複数
枚の羽根が展開され、開口部1aを完全に覆った段階に
なると、後羽根用駆動部材3の駆動ピン3bが長孔1c
の下端に当接する。従って、後羽根用駆動部材3は、そ
の当接の反動によって反時計方向へバウンドしようとす
るが、そのときには、既に、第2ブレーキ部材6の係止
部6b′が、腕部6cの復元力によって係合部3dの作
動軌跡内に臨んでいるため、そのバウンドは阻止され、
停止する。そのため、アーム10を介して後羽根用駆動
部材3に連結されているスリット形成羽根12は、その
バウンドを抑制されることになり、周知の緩衝手段の助
けを借りたりして、再度、一時的に開口部1aの一部を
開いてしまうことを防止される。このようにして、露光
作動の終了した状態が、図1に示された状態である。
【0029】[第2実施例]次に、図7及び図8を用い
て第2実施例を説明する。本実施例の構成は、第1実施
例における第1ブレーキと第2ブレーキの構成が異なっ
ているだけである。そのため、その他の部材,部位に
は、第1実施例の場合と同じ符号をつけ、それらについ
ての説明を省略する。図7において、シャッタ地板1の
軸1gには、金属製の板ばね材料で製作された第1ブレ
ーキ部材15と第2ブレーキ部材16が、個別に回転で
きるようにして取り付けられており、第2ブレーキ部材
16の方が、シャッタ地板1側に配置されている。
【0030】そして、第1ブレーキ部材15は、図8
(a)に示されているように、軸1gに嵌合させる巻回
部15aと二つの腕部15b,15cを有していて、腕
部15bの先端には、先羽根用駆動部材2の被押動部2
aに接触する係止部15b′が形成され、腕部15cの
先端には、セット部材4の操作部4dに接触する被操作
部15c′が形成されている。他方、第2ブレーキ部材
16は、図8(b)に示されているように、軸1gに嵌
合させる巻回部16aと腕部16b,16cを有してい
て、腕部16bの先端には、後羽根用駆動部材3の係合
部3dに接触する係止部16b′が形成され、腕部16
cの先端には、セット部材4の操作部4eに接触する被
操作部16c′が形成されている。
【0031】このように、本実施例の場合には、各ブレ
ーキ部材15,16が板ばね材料で製作されていること
から、それらの腕部15b,15c,16b,16c
は、何れも回転方向へ可撓性を有している。そのため、
セット作動時と露光作動時において、第1ブレーキ15
の係止部15b′が先羽根用駆動部材2の被押動部2a
に押されたときには、腕部15b,15cの両方が撓む
ことになる。同様に、第2ブレーキ16の係止部16
b′が後羽根用駆動部材3の係合部3dに押されたとき
には、腕部16b,16cの両方が撓むことになる。そ
して、本実施例の作動は、この点だけが第1実施例と異
なっていて、その他の作動は、上記した第1実施例の場
合に準じて行われるので、重複を避けるために、詳細な
説明を省略する。
【0032】尚、上記の第1実施例においては、二つの
ブレーキ部材5,6の一方の腕部15c,16cだけが
可撓性を有しているが、本発明は、その可撓性を、他方
の腕部15b,16bにだけ与えるようにしても差し支
えないし、第2実施例のように、両方の腕部に与えるよ
うにしても差し支えない。また、上記の各実施例におい
ては、先羽根用駆動部材2の被押動部2aが、セット部
材4の押動部4aによって押される部位と、第1ブレー
キ部材5,15の係止部5b′,15b′に関係する係
合部とを兼ねているが、後羽根用駆動部材3の係合部3
dと同様にして、被押動部2aとは独立して係合部を設
けるようにしても差し支えないし、後羽根用駆動部材3
の係合部3dを、先羽根用駆動部材2の場合と同様にし
て、被押動部3aと兼用するように構成しても差し支え
ない。
【0033】また、上記の各実施例においては、先羽根
用駆動部材2と後羽根用駆動部材3の両方に対して個々
にブレーキ部材を設けているが、本発明は、そのような
構成に限定されるものではなく、何れか一方の駆動部材
に対してのみ設けても構わないし、両方に対して設ける
場合であっても、本実施例のように、二つのブレーキ部
材を同軸上に配置するものに限定されず、夫々異軸上に
配置するようにしても差し支えない。
【0034】更に、周知であるが、フォーカルプレンシ
ャッタには、露光作動開始直前の状態において、各駆動
部材を露光作動開始位置に保持する方法として、電磁石
によって直接保持させるようにしたダイレクトタイプ
と、係止部材によって保持しておくようにした係止タイ
プとが知られている。そして、上記の各実施例において
は、それらのうちのダイレクトタイプのシャッタの場合
で説明したが、本発明は、係止タイプのものにも適用す
ることが可能である。更に、上記の二つのタイプの違い
に関係なく、二重遮光方式と称されているシャッタも存
在するが。本発明は、そのようなシャッタにも適用する
ことが可能である。
【0035】
【発明の効果】以上のように、本発明は、先羽根用駆動
部材に対して適用する場合であっても、後羽根用駆動部
材に適用する場合であっても、更には両方の駆動部材に
適用する場合であっても、シャッタの大型化を招くこと
なく、シャッタ地板上にコンパクトに配置することがで
き、且つ部品点数も少なくてよいことから、駆動部材の
制動とバウンドを阻止するための構成としては、シャッ
タの小型化,低コスト化の観点から最適の構成である。
また、本発明のように、駆動部材のバウンドを積極的に
阻止するようにした従来の構成においては、その阻止す
る力が、セットトルクを大きくしなければならない要因
となっていたが、本発明の構成によれば、そのようにす
る必要性は全くない。
【図面の簡単な説明】
【図1】被写体側から視た第1実施例の平面図であっ
て、露光作動を終了した直後の状態を示したものであ
る。
【図2】第1実施例に用いられている二つのブレーキ部
材を示していて、図2(a)は第1ブレーキ部材を示
し、図2(b)は第2ブレーキ部材を示したものであ
る。
【図3】図1と同じようにして視た第1実施例の平面図
であって、セット作動開始直後の状態を示したものであ
る。
【図4】図1と同じようにして視た第1実施例の平面図
であって、セット作動の完了状態を示したものである。
【図5】図1と同じようにして視た第1実施例の平面図
であって、露光作動に先立ってセット部材が初期位置へ
復帰した状態を示したものである。
【図6】図1と同じようにして視た第1実施例の平面図
であって、露光作動の終了直前の状態を示したものであ
る。
【図7】被写体側から視た第2実施例の平面図であっ
て、露光作動を終了した直後の状態を示したものであ
る。
【図8】第2実施例に用いられている二つのブレーキ部
材を示していて、図8(a)は第1ブレーキ部材を示
し、図8(b)は第2ブレーキ部材を示したものであ
る。
【符号の説明】
1 シャッタ地板 1a 開口部 1b,1c 長孔 1d,1e,1f,1g,1h,1i,1j,1k 軸 1m,1n ストッパ 2 先羽根用駆動部材 2a,3a,4c 被押動部 2b,3b 駆動ピン 2c,3c 取付部 3 後羽根用駆動部材 3d 係合部 4 セット部材 4a,4b 押動部 4d,4e 操作部 5,15 第1ブレーキ部材 5a,6a 孔 5b,5c,6b,6c,15b,15c,16b,1
6c 腕部 5b′,6b′,15b′,16b′ 係止部 5c′,6c′,15c′,16c′ 被操作部 6,16 第2ブレーキ部材 7,8,10,11 アーム 9,12 スリット形成羽根 15a,16a 巻回部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シャッタ地板に回転可能に取り付けられ
    ており被操作部を設けた腕部と係止部を設けた腕部とを
    有していて少なくとも一方の腕部が回転方向へ可撓性を
    有しているブレーキ部材と、露光作動の終了段階におい
    て前記係止部を押し前記ブレーキ部材を撓ませてから該
    係止部によって係止され得る係合部を設けた先羽根用駆
    動部材又は後羽根用駆動部材と、初期位置においてのみ
    前記被操作部を操作し前記係止部を前記係合部の作動軌
    跡内に強制的に臨ませる操作部を有していてセット時に
    は初期位置から作動して前記各駆動部材をセット位置に
    作動させ前記各駆動部材の露光作動開始前には初期位置
    へ復帰させられているセット部材とを備えていることを
    特徴とするカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
  2. 【請求項2】 前記係合部が先羽根用駆動部材と後羽根
    用駆動部材の両方に設けられており、シャッタ地板には
    前記ブレーキ部材が各駆動部材用に二つ取り付けられて
    おり、前記セット部材はそれらのブレーキ部材を別々に
    操作するために前記操作部を二つ有していることを特徴
    とする請求項1に記載のカメラ用フォーカルプレンシャ
    ッタ。
  3. 【請求項3】 前記二つのブレーキ部材が、シャッタ地
    板に対して同軸上で回転できるように取り付けられてい
    ることを特徴とする請求項2に記載のカメラ用フォーカ
    ルプレンシャッタ。
  4. 【請求項4】 前記ブレーキ部材が、合成樹脂製である
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のカメ
    ラ用フォーカルプレンシャッタ。
  5. 【請求項5】 前記ブレーキ部材が、金属の板バネ材料
    で製作されていることを特徴とする請求項1乃至3の何
    れかに記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
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