JP2004045531A - カメラ用フォーカルプレンシャッタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】先羽根と後羽根を有しているが、先羽根の4枚の羽根11〜14は、白濁した合成樹脂材料で製作されていて、撮影レンズ側の面には、その合成樹脂材料よりも白色に近い色の塗膜が形成されている。そのため、その塗膜の厚さが薄くても高反射率が得られ、且つ、羽根の重量を大きくしないですむ。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シャッタ羽根で反射された被写体光を測定して、露光条件を決定するようにしたTTL測光方式のカメラに用いるフォーカルプレンシャッタに関する。
【0002】
【従来の技術】
カメラ用フォーカルプレンシャッタの中には、シャッタ地板と補助地板の間を中間板で仕切って二つの羽根室を構成し、それらの羽根室に、先羽根,後羽根などと称されている二組のシャッタ羽根を個別に配置し、撮影に際しては、それらのシャッタ羽根によって形成されるスリットが、方形をした撮像面を連続的に露光していくようにしたものが知られている。そして、この形式のフォーカルプレンシャッタは、銀塩カメラにもデジタルスチルカメラにも採用されている。また、一組のシャッタ羽根が、シャッタ地板と補助地板との間に構成された羽根室に配置されていて、撮影終了時に撮像面を覆うようにしたものも知られているが、この形式のフォーカルプレンシャッタは、デジタルスチルカメラにだけ採用されている。
【0003】
そして、いずれの形式のフォーカルプレンシャッタの場合も、一組のシャッタ羽根は、シャッタ地板に枢着された複数のアームと、それらのアームの夫々に枢支された1枚以上の羽根とで構成されており、アームが所定の角度範囲で往復回転させられると、羽根が、撮像面の前面を覆う位置と、撮像面の前面から退避した位置との間を作動するようになっている。また、各アームと羽根との枢支構成は、アームと羽根とに形成された孔に対し、リベット部品である連結軸の先端をアーム側から挿入して羽根に対してかしめており、羽根と連結軸とは一体化されるが、アームと連結軸とは相互に回転可能となるようにしている。そして、羽根の材料としては、金属の場合もあるし合成樹脂の場合もある。
【0004】
他方、カメラに内蔵されていて被写体光にさらされる部品には、原則として反射防止用に黒色の表面処理が施される。従って、このことは、シャッタ羽根を構成している羽根の場合も同じである。そのため、従来から、羽根の材料が合成樹脂の場合には、被写体光を透過させないためにも、材料自体を黒色化し、さらにその表裏面に、黒色化塗装を施していた。しかしながら、TTL測光方式のカメラの中には、シャッタ羽根が撮像面を覆っているとき、羽根から反射した被写体光を測定して露光条件を決定する形式のものがあり、その場合には、羽根面での反射率を高くし且つ測定精度を向上させるために、羽根の反射面に黒色以外の塗装をすることが、例えば特開昭54−95232号公報,特開昭57−116327号公報,特開平5−249543号公報,特開平6−3729号公報などで知られている。本発明は、このような形式のTTL測光方式のカメラに採用され、特に合成樹脂製の羽根を備えているフォーカルプレンシャッタに関する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のように、黒色化された合成樹脂材料で製作した羽根に、白色化塗装を行う場合、塗膜が薄いと、素地の黒色に影響されて濃い灰色となり、反射率の高い表面が得られない。また、薄く塗装しようとすると、それだけ塗膜の厚さを均一にするのが難しくなり、特に一組のシャッタ羽根に複数枚の羽根を用いる場合には、夫々の羽根の反射率が大きく異なったものになってしまうことがある。その反面薄く均一に塗装をしようとすると、生産性が悪化したりコスト高になってしまう。従って、高反射率の均一な白色化塗装面を得るためには、塗膜の厚さをかなり厚くすればよいことになるが、その塗膜には、潤滑性や耐磨耗性が要求されるし、静電気の帯電防止も要求されるため、厚くすればするほど、コストが高くなってしまう。しかも、塗膜を厚くすればするほど、シャッタ羽根全体の重量が大きくなり、合成樹脂材料を使用して軽量化をはかり、高速化に対応できるようにしたいという意図に反したものとなってしまう。
【0006】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、合成樹脂製の羽根の表面に白色化塗料を薄く施すだけで、高反射率が得られるようにしたTTL測光方式のカメラに用いられるフォーカルプレンシャッタを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタは、複数のアームとそれらに枢支された1枚以上の羽根から構成されている少なくとも一組のシャッタ羽根を備えており、前記1枚以上の羽根は、白濁化された合成樹脂材料で製作されていて、少なくともその撮影レンズ側の面には、TTL測光用の反射面とするために、前記合成樹脂材料よりも白色に近い色の塗膜が形成されているようにする。
【0008】
また、その場合には、前記1枚以上の羽根が複数枚の羽根であって、それらのうちの一部の羽根が、白濁化された合成樹脂材料で製作されていて、少なくともその撮影レンズ側の面には前記合成樹脂材料よりも白色に近い色の塗膜が形成されているようにしてもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図示した実施例によって説明する。尚、図1は撮影レンズ側から見てセット状態を示した実施例の平面図であり、図2は図1の中央縦断面図であり、図3は図1と同様にして見て撮影中の状態を示した平面図である。また、本実施例は、先羽根と後羽根と言われている二組のシャッタ羽根を有していて、銀塩カメラにもデジタルスチルカメラにも採用することが可能であるが、銀塩カメラに採用されている場合を前提にして説明する。そして、構成の説明における表面側とは、撮影レンズ側のことであり、背面側とは、フィルム面(撮像面)側のことである。
【0010】
先ず、本実施例の構成を説明する。シャッタ地板1は、略中央部に長方形を横長にした被写体光路用の開口部1aを形成している。また、開口部1aの左側には、円弧状の二つの長孔1b,1cが形成されていて、それらの下端部には、平面形状がC字状をしている周知のゴム製の緩衝部材2,3が取り付けられている。更に、シャッタ地板1の表面側には、軸1d,1eが立設され、背面側には、軸1f,1g,1h,1i,1j,1k,1m,1nが立設されている。そして、それらのうち、表面側の軸1dと背面側の軸1f、及び表面側の軸1eと背面側の軸1hは同心に配置されている。
【0011】
シャッタ地板1の背面側には、図2に示されているように、所定の間隔を空けて、中間板4と補助地板5が順に配置されていて、中間板4は上記の軸1j,1k,1mに取り付けられ、補助地板5は上記の軸1j,1k,1m,1nに取り付けられている。また、軸1nには、図1に示された円筒状の緩衝部材6も取り付けられている。更に、中間板4と補助地板5は、シャッタ地板1と略同じぐらいの大きさをしていて、略中央部に、開口部1aと類似の形状をした開口部4a,5aが形成されているが、中間板4の平面形状は、図1に一点鎖線で示してある。また、中間板4は他の二つの板部材1,5より薄い材料で製作されているため、図2においては開口部4aが明示されていない。尚、被写体光路の開口部は、上記の三つの開口部1a,4a,5aを合成して形成される場合があるが、本実施例の場合には、開口部1aの形状によってのみ規制されている。
【0012】
本発明とは直接関係がなく且つ周知であるため図示していないが、シャッタ地板1の軸1d,1eには、特開2002−55377号公報に記載されているような先羽根用駆動部材と後羽根用駆動部材が回転可能に取り付けられていて、露光作動時には、夫々、先羽根用駆動ばねと後羽根用駆動ばねの付勢力によって、時計方向へ回転させられるようになっている。また、それらの駆動部材には、図1に断面で示した駆動ピン7,8が設けられていて、シャッタ地板1の長孔1b,1cに挿入させている。そして、これらの駆動ピン7,8は、根元部の断面形状が円形をしていて、緩衝部材2,3に当接するようになっており、先端部の断面形状は小判型をしていて、シャッタ地板1の背面側で、後述する先羽根と後羽根に連結している。
【0013】
このほか、シャッタ地板1の表面側には、撮影終了後にその初期位置から作動して、上記の両方の駆動部材をそれらの駆動ばねの付勢力に抗して反時計方向へ回転させ、次の撮影が行われるまで図1に示されたセット状態を維持させておくセット部材や、撮影の初期段階で上記の各駆動部材を吸着保持し、上記のセット部材が初期位置へ復帰した後、露光制御回路からの信号によって各駆動部材の吸着保持を順次解除する先羽根用電磁石と後羽根用電磁石などが取り付けられているが、それらの構成部材は、本発明とは直接関係がなく且つ周知であるため図示を省略してある。尚、それらの構成部材の主なものは、上記の特開2002−55377号公報にも記載されている。
【0014】
次に、シャッタ地板1の背面側に取り付けられている先羽根と後羽根の構成を説明する。先ず、先羽根は、撮影レンズを通過してきた被写体光を測光するために反射面を形成している方のシャッタ羽根であり、シャッタ地板1の背面側の軸1f,1gに回転可能に取り付けられている二つのアーム9,10と、それらの先端に向けて順に枢支されている4枚の羽根11,12,13,14とで構成されており、一番先端に枢支されている羽根14がスリット形成羽根である。また、それらの4枚の羽根11〜14は、白濁化された合成樹脂材料で製作されていて、その撮影レンズ側の面にはその合成樹脂材料よりも白色に近い色の塗膜が形成されている。そのため、図1においては、その塗膜を斜線で示してある。
【0015】
そして、この先羽根は、中間板4と補助地板5の間に構成された羽根室内において、二つのアーム9,10を一番補助地板5側にし、4枚の羽根のうちではスリット形成羽根14をアーム9,10に一番近くなるようにして配置されている。そのため、図1において、アーム9,10は、被写体側には露出していない。
また、この先羽根の一方のアーム9には、その枢着部側に明示していない周知の長孔が形成されていて、そこに、上記した先羽根用駆動部材の駆動ピン7が、その先端部を嵌合させている。
【0016】
他方、後羽根は、その基本構成が先羽根と同じであり、先羽根を裏返した状態にして、シャッタ地板1と中間板4との間の羽根室に配置されている。即ち、この後羽根は、シャッタ地板1の背面側の軸1h,1iに回転可能に取り付けられた二つのアーム15,16と、それらの先端に向けて順に枢支された4枚の羽根17,18,19,20とで構成されていて、一番先端に枢支され且つ一番シャッタ地板1側に配置された羽根20をスリット形成羽根としている。そして、4枚の羽根17〜20は、先羽根の4枚の羽根11〜14とは異なり、従来のように、黒色化された合成樹脂材料によって製作され、その表裏面には黒色の塗膜が形成されている。
【0017】
そして、アーム15,16はスリット形成羽根20よりもシャッタ地板1側に配置されているので、4枚の羽根17,18,19,20が展開状態となって開口部1aを覆った状態においては、それらのアーム15、16の先端側の一部が被写体側に露出しているようになる。更に、この後羽根の一方のアーム15には、その枢着部側に明示していない長孔が形成されていて、そこに、上記した後羽根用駆動部材の駆動ピン8が、その先端部を嵌合させている。
【0018】
次に、本実施例の作動を説明する。図1は、シャッタのセット状態を示したものである。そのため、開口部1aは、展開状態にある先羽根の4枚の羽根11〜14によって覆われている。他方、後羽根の4枚の羽根17〜20は重畳状態となって、開口部1aの上方位置に格納されている。また、この状態においては、図示していない上記の各駆動部材が各々の駆動ばねの付勢力によって時計方向へ回転させられるのを、セット部材によって阻止されている。
【0019】
そのため、レンジファインダを備えたカメラやハーフミラーを備えた一眼レフカメラの場合には、電源がオンになってさえいれば、羽根11〜14から反射した光によって被写体光を測定することが可能であるし、可動ミラーを備えた一眼レフカメラの場合には、このあと、カメラのレリーズによってミラーが跳ね上がったときに測定することが可能となる。その際、本実施例においては、白色に近い色の塗膜が極めて薄いにもかかわらず、各羽根11〜14が白濁した合成樹脂材料で製作されているため、均一であって、しかも高反射率の反射面が得られており、測光が好適に行えるようになっている。
【0020】
そこで、撮影に際してカメラのレリーズボタンが押されると、先ず、先羽根用電磁石と後羽根用電磁石に通電され、先羽根用駆動部材と後羽根用駆動部材が、それらの電磁石によって吸着保持されるので、その段階でセット部材を初期位置へ復帰させる。他方、露光作動直前に、露光制御回路は、羽根11〜14からの反射光を測定した結果と、絞り口径などのその他の条件を勘案して、露光時間を決定する。その後、先ず、先羽根用電磁石の通電が断たれると、軸1dに取り付けられている先羽根用駆動部材が、先羽根用駆動ばねの付勢力によって時計方向へ回転させられ、その駆動ピン7によってアーム9を急速に時計方向へ回転させる。そのため、先羽根の4枚の羽根11〜14は、相互の重なりを大きくしつつ下方へ作動させられる。
【0021】
このとき、本実施例における先羽根は、4枚の羽根11〜14に形成されている反射面の塗膜が極めて薄く、後羽根に用いられている黒色化の塗装をした羽根17〜20と重さが殆ど代わらないものとなっているため、高速で作動することが可能となっている。また、そのことによって、先羽根の作動特性も後羽根の作動特性に近いものとなっているため、製作時において、両者間の作動特性を調整するのが、非常に容易となっている。そして、このようにして作動させられた先羽根は、先羽根用駆動部材の駆動ピン7が緩衝部材2に当接し、その直後にアーム9が緩衝部材6に当接することによって停止する。その状態が図3に示されている。
【0022】
その後、露光制御回路からの信号によって後羽根用電磁石の通電が断たれると、軸1eに取り付けられている後羽根用駆動部材が、後羽根用駆動ばねの付勢力によって時計方向へ回転させられ、その駆動ピン8によってアーム15を急速に時計方向へ回転させる。そのため、後羽根の4枚の羽根17〜20は、相互の重なりを小さくしつつ下方へ作動され、開口部1aを完全に覆ってから停止し、露光作動が終了する。尚、この露光作動の説明においては、先羽根が開口部1aを完全に全開にしてから後羽根の作動が開始する場合で説明した。しかし、実際には、先羽根の作動中に後羽根の作動が開始される場合の方が多く、その場合には、二つのスリット形成羽根14、20によってスリットが形成され、そのスリットの移動によってフィルム面の露光が行われる。
【0023】
このようにして露光作動が終了すると、次に、図示していないセット部材が初期位置から作動を開始して、先羽根用駆動部材と後羽根用駆動部材とを、先羽根用駆動ばねと後羽根用駆動ばねの付勢力に抗し、順に反時計方向へ回転させる。
そのため、先羽根の4枚の羽根11〜14は、相互の重なりを小さくしつつ上方へ作動され、後羽根の4枚の羽根17〜20は、相互の重なりを大きくしつつ上方へ作動させられる。そして、それらの作動は、先羽根の4枚の羽根11〜14が開口部1aを完全に覆い、後羽根の4枚の羽根17〜20が開口部1aの上方位置に格納された段階で停止する。その停止状態が図1に示されたセット状態である。
【0024】
尚、本実施例の場合は、先羽根を撮像面側の羽根室に配置し、後羽根を撮影レンズ側の羽根室に配置しているが、シャッタによっては、上記の特開平2002−55377号公報にも記載されているように、先羽根を撮影レンズ側の羽根室に配置する場合がある。そして、その場合には、本実施例における後羽根のように、二つのアームが一番シャッタ地板1側となり、スリット形成羽根が4枚の羽根の中では一番アーム側となって、各羽根の撮影レンズ側の面が測光用反射面となる。従ってそのように配置される場合には、先羽根の各羽根11〜14は、本実施例の場合とは反対の面に、羽根材料よりも白色に近い塗膜を形成することになる。
【0025】
また、本実施例の場合には、先羽根の4枚の羽根の全てに測光用反射面を形成しているが、測光方式によっては、それらのうちの一部のものにだけ形成するようにしても差し支えない。上記のように、本実施例によれば、測光用反射面を形成しても、反射面を形成しない羽根と同等の厚さにすることができ且つ同等の重さとすることができるから、そのような構成にする場合であっても、何の問題も生じない。また、フォーカルプレンシャッタの中には、特開2001−21944号公報などに記載されているような二重遮光方式のフォーカルプレンシャッタが知られているが、本発明は、そのようなシャッタにも適用することが可能である。但し、二重遮光状態で測光する場合には、必ず撮影レンズ側の羽根室に配置されているシャッタ羽根に測光用反射面を形成する必要があるので、そのシャッタ羽根は、先羽根とは限らず、後羽根の場合もある。
【0026】
更に、これまでは、本実施例が、銀塩カメラに採用されることを前提にして説明してきたが、本発明は、デジタルスチルカメラに採用されるフォーカルプレンシャッタにも適用することができる。即ち、デジタルスチルカメラには、シャッタの作動シーケンスの違いによって、ノーマリークローズ方式と、ノーマリーオープン方式があるが、上記の実施例のように二組のシャッタ羽根を備えている場合には、先羽根と後羽根の構成は、上記の実施例と全く同じであってよい。そして、ノーマリークローズ方式の場合には、作動も、上記の実施例の場合と全く同じである。また、ノーマリーオープン方式の場合には、カメラのレリーズボタンが押されるまでは図3の状態にあり、レリーズボタンが押されると、先羽根が図1の状態になって測光し、その後は上記の実施例のようにして露光作動が行われ、その露光作動が終了して撮像情報が記憶装置に転送されると、先羽根だけが図3の状態に復帰するようにする。従って、開閉駆動機構の構成だけは、上記の説明の構成と異なることになる。
【0027】
また、デジタルスチルカメラに採用されるフォーカルプレンシャッタには、シャッタ羽根を一組だけしか備えていないものがある。そして、その場合の態様の一つとしては、上記の実施例から後羽根と中間板4を取り除いた構成があるが、そのように構成したフォーカルプレンシャッタの場合にも、本発明を適用することが可能であり、その一つのシャッタ羽根は、ノーマリークローズ方式の場合においても、ノーマリーオープン方式の場合においても、上記の先羽根と同じシーケンスで作動することになる。
【0028】
また、上記の実施例においては、一組のシャッタ羽根が、二つのアームと4枚の羽根とで構成されている場合を説明したが、本発明は、アームの数が二つである必要はないし、羽根の枚数は4枚に限定されない。主にデジタルスチルカメラに用いられるフォーカルプレンシャッタの中には、羽根が1枚のものもある。更に、デジタルスチルカメラの場合には、シャッタ地板1を撮像面側(撮像素子側)にし補助地板5を撮影レンズ側にして、カメラ本体に取り付けることがある。
そのため、本発明は、シャッタ地板を撮影レンズ側に配置したものには限定されない。更に、本実施例においては、白濁化された合成樹脂製の羽根材料に対し、撮影レンズ側の面にだけ白色に近い塗膜を形成しているが、そのように片面にだけ塗膜を形成したことによって、羽根に反りが生じてしまうような場合には、撮像面側にも白色に近い塗膜又は黒色の塗膜を形成しても差し支えない。
【0029】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、被写体光路を覆っている羽根の測光用反射面から反射した被写体光を測定し、露光時間を決定するようにしたTTL測光方式のカメラ用フォーカルプレンシャッタにおいて、測光用反射面を形成する羽根を白濁した合成樹脂材料で製作し、少なくともその撮影レンズ側となる面に、その合成樹脂材料よりも白色に近い色の塗膜を形成するため、その塗膜が薄くても高反射率の反射面を得ることができるという特徴がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】撮影レンズ側から見てセット状態を示した実施例の平面図である。
【図2】図1の中央縦断面図である。
【図3】図1と同様にして見て撮影中の状態を示した実施例の平面図である。
【符号の説明】
1 シャッタ地板
1a,4a,5a 開口部
1b,1c 長孔
1d,1e,1f,1g,1h,1i,1j,1k,1m,1n 軸
2,3,6 緩衝部材
4 中間板
5 補助地板
7,8 駆動ピン
9,10,15,16 アーム
4a,8a 長孔
11,12,13,14,17,18,19,20 羽根
Claims (2)
- 複数のアームとそれらに枢支された1枚以上の羽根から構成されている少なくとも一組のシャッタ羽根を備えており、前記1枚以上の羽根は、白濁化された合成樹脂材料で製作されていて、少なくともその撮影レンズ側の面には、TTL測光用の反射面とするために、前記合成樹脂材料よりも白色に近い色の塗膜が形成されていることを特徴とするカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
- 前記1枚以上の羽根が複数枚の羽根であって、それらのうちの一部の羽根が、白濁化された合成樹脂材料で製作されていて、少なくともその撮影レンズ側の面には前記合成樹脂材料よりも白色に近い色の塗膜が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
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