JP3604479B2 - カメラ用フォーカルプレンシャッタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各々、複数のアームに複数の羽根を枢支して構成した先羽根群と後羽根群とを備えたカメラ用フォーカルプレンシャッタに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のフォーカルプレンシャッタは、通常、各羽根群のアームと駆動部材とが別部材で構成されており、それらのチャージ作動は、フィルムの巻き上げに連動してセット部材によって行われる。その場合、セット部材の力は、先ず駆動部材に伝えられ、その駆動部材の力が羽根群の主アームに伝えられるようにしているが、各部品の寸法公差等の関係によって、各部材が、夫々所期の作動量に完全に一致して作動するように製作することが困難であるため、実際には、セット部材は、本来、駆動部材を作動させるのに必要な作動量以上に作動(オーバーストローク)できるようにし、また、駆動部材は主アームを作動させるのに必要な作動量以上に作動できるように設計され、しかもそのオーバーストロークによって部材間に無理な力が掛からないように工夫されている。
【0003】
そのような工夫をした一例として、シャッタチャージのとき、主アームが所定の位置で停止したにもかかわらず、駆動部材に対するセット部材の力が、主アームに対して無理に掛からないようにした従来例が実開平1−173726号公報に示されている。この従来例によれば、後羽根群用の駆動部材が二つの部材で構成され、該二つの部材は、シャッタチャージのとき、後羽根群が所定のチャージ位置(重畳・格納位置)に達するまでは一緒に作動するが、一方の部材に設けられた、後羽根群の主アームに連動している駆動ピンが地板に形成された円弧状の孔の一端に当接した後は、他方の部材だけが僅かに動いて停止するようになっている。そのため、後羽根群はチャージ方向への余分な作動をする必要がなく、アパーチャ上方での格納スペースが最小限で済むようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来例の構成(一般には、このような構成をオーバーチャージの吸収機構と言っている)は、駆動部材を二つの部材で構成しなければならず、しかも駆動バネのほかに該二つの部材を協動させるためのバネを必要とするなど、部品点数が多いのが難点であり、また該二つの部材を同軸的に取り付ける必要があるため、軸方向に余分なスペースを必要とするという問題点もあった。他方、近年、軽量化,低コスト化の観点から部品の合成樹脂化が進んでおり、種々の部品と共にシャッタ羽根についても既に合成樹脂化が実現している。そこで、複数の羽根を枢支しているアームについても構成上のメリットを加味させながら早期の出現が待たれている。
【0005】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、複数の羽根を枢支している主アームを合成樹脂で特殊な形状に製作することによって、部品点数を削減した、低コスト,省スペースのオーバーチャージ吸収機構を備えたカメラ用フォーカルプレンシャッタを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は、夫々複数の羽根をシャッタ地板に枢着された複数のアームで枢支して二組の羽根群を構成し、各羽根群の主アームを夫々の駆動部材の駆動ピンによって往復作動させ各羽根群に開閉作動を行わせるようにしたカメラ用フォーカルプレンシャッタにおいて、少なくとも一方の羽根群の主アームを合成樹脂製とし、該主アームの枢着部近傍部に、該主アームと一体的な押圧部を、弾性部を介して形成し、前記駆動部材の駆動ピンを、該押圧部と該近傍部が、該押圧部が該主アームのチャージ作動方向側になるようにして挟持するようにし、該主アームはチャージ作動の最終段階でストッパに当接するようにする。
【0007】
また、本発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタは、好ましくは、前記駆動ピンの周面に、該駆動ピンの軸方向に直交する溝部を設け、前記押圧部と前記近傍部が該溝部を挟持するようにする。
更に、本発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタは、好ましくは、前記押圧部と前記近傍部が前記主アームの他の部分より肉厚に形成されているようにする。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図示した三つの実施例で説明する。図1は第1実施例の分解斜視図であり、図2は図1の要部拡大平面図である。図3は第2実施例の斜視説明図であり、図4は第3実施例の斜視説明図である。
【0009】
先ず、図1及び図2に示した第1実施例の説明をする。シャッタ地板1には、所定の間隔で夫々中間板2,カバー板3が取り付けられ、夫々の開口1a,2a,3aの合成によって略長方形の露光用アパーチャを形成している。また、シャッタ地板1の表面側には軸1b,1c,1dが立設されており、軸1b,1cには夫々先羽根駆動部材4,後羽根駆動部材5が回転可能に取り付けられ、軸1dにはセット部材6が回転可能に取り付けられている。
【0010】
先羽根駆動部材4,後羽根駆動部材5は、夫々、鉄片部材の取付部4a,5aを有しており、露光走行開始前にはチャージ位置において該鉄片部材が釈放型電磁石に吸着保持され、露光走行時には該電磁石から順次釈放され、図示していないバネによって時計方向に回転されるようになっている。セット部材6は、フィルムの巻き上げに連動して時計方向に回転し、先羽根駆動部材4,後羽根駆動部材5を、それらの背面に設けられた図示していない係合部を押すことによって、チャージ位置まで反時計方向へ回転させるようになっている。この場合、各駆動部材の背面でセット部材6が係合部を押す関係上、各駆動部材には軸1b,1cとの嵌合部に下方へもスリーブが形成されているが、軸1b,1cの根元に間座を設けるようにしてもよい。また、セット部材6は各駆動部材の周端面を押して回転させるようにしてもよい。
【0011】
シャッタ地板1と中間板2との間には、4枚構成の先羽根群7が配置されており、各先羽根7a,7b,7c,7dは主アーム8と補助アーム9とに連結されている。それらの連結は頭部を有するリベット型の連結軸10を、各アーム8,9及び各羽根7a,7b,7c,7dに形成された孔にアーム8,9側から挿入し、その先端を各羽根7a,7b,7c,7dにかしめている。従って、図1においては明瞭ではないが、連結軸10の頭部がアーム8,9の表面に突き出た状態となっている。
【0012】
主アーム8は合成樹脂製であって、その基部には、スリーブ8aが形成されており、このスリーブ8aが、シャッタ地板1の背面に立設された軸1eに回転可能に嵌合している。また、この主アーム8の基部、即ちシャッタ地板1に枢着されている位置の近傍部には、互いに対向するようにして押圧部8bと係接部8cが形成されており、押圧部8bの根元は弾性部8dとなっている。補助アーム9の孔9aはシャッタ地板1の背面に立設された軸1fに回転可能に嵌合している。先羽根駆動部材4の駆動ピン4bは、シャッタ地板1に形成された円弧状のスロット1gを貫通して押圧部8bと係接部8cによって挟持されており、その先端はカバー板3に形成された円弧状のスロット3bに嵌合している。従って、先羽根駆動部材4が時計方向へ回転するときには先羽根群7は折り畳まれながら露光用アパーチャから退き、反時計方向へ回転するときには、展開状態となって露光用アパーチャを閉じるようになっている。
【0013】
このようにして先羽根群7を作動させるに当たり、各羽根相互間の重なりを密にし作動を安定させるために、羽根の先端位置には羽根押さえ部材11が設けられている。この羽根押さえ部材11とスリーブ8aの存在によって、アーム8,9と先羽根群7は中間板2側に寄せられ、上記した連結軸10の頭部がシャッタ地板1の背面に接しないようにされているが、シャッタ全体を薄型に保つためにはスリーブ8aの軸方向の寸法を余り大きくできないことと、実際にはアーム8,9と先羽根群7が撓んでしまうことから、アーム8,9と先羽根7aを連結している連結ピン10の頭部がシャッタ地板1の背面に接してしまう。そのため、該連結ピン10の頭部が接しないようにするために、シャッタ地板1の背面には該頭部の作動軌跡に合わせて図示していない肉薄の逃げ溝が形成されている。
【0014】
中間板2とカバー板3との間には4枚構成の後羽根群12が配置されており、各後羽根12a,12b,12c,12dは先羽根群7の場合と同様にして、連結軸15によって主アーム13と補助アーム14に2箇所で連結されている。後羽根群12の場合は、先羽根群7を裏返した状態で配置されているため、連結軸15の頭部はカバー板3側に突き出ており、図面上では各後羽根とのかしめ部が示されている。主アーム13は合成樹脂製であって、その基部にはスリーブ13aがカバー板3側に向けて形成されており、このスリーブ13aがシャッタ地板1の背面に立設された軸1iに回転可能に嵌合している。また、この主アーム13の基部には、対向するようにして押圧部13bと係接部13cが形成されており、押圧部13bの根元は弾性部13dとなっている。補助アーム14の孔14aはシャッタ地板1の背面に立設された軸1jに回転可能に嵌合している。
【0015】
後羽根駆動部材5の駆動ピン5bは、シャッタ地板1に形成された円弧状のスロット1hを貫通して押圧部13bと係接部13cによって挟持されており、その先端はカバー板3に形成された円弧状のスロット3cに嵌合している。従って、後羽根駆動部材5が時計方向へ回転するときには後羽根群12は展開状態となって露光用アパーチャを閉じ、反時計方向へ回転するときには折り畳まれつつ露光用アパーチャから退くようになっている。各後羽根の先端位置には羽根押さえ部材16が設けられており、この羽根押さえ部材16とスリーブ13aの存在理由については、上記した先羽根群7についての説明と同じである。尚、シャッタ地板1の背面にはストッパ1m,1nが立設されており、主アーム9,13がチャージ位置で当接するようになっている。尚、各駆動部材4,5をチャージ位置に保持する構成、各駆動部材4,5に露光走行を行わせる駆動バネの構成については、周知であるためそれらの図示説明を省略する。
【0016】
このようなフォーカルプレンシャッタにおいて、本発明の実施構成は、ストッパ1m,1nに当接する主アーム8,13の構成にある。そこで、この点の構成を図2によって詳しく説明する。図2はシャッタ地板1を透視して後羽根群12に関係する部分のみを視た図であり、その後羽根群12のチャージ状態を示している。尚、図面を簡略化するため、アーム13,14に枢支されている4枚の羽根のうち、スリット形成用の羽根12aのみを示してある。この図2から分かるように、弾性部13dは押圧部13bを係接部13cの方向へ付勢しており、その付勢力によって、後羽根駆動部材5の駆動ピン5bが、押圧部13bと係接部13cによって挟持されている。
【0017】
上記したように、シャッタチャージに際し、セット部材6が時計方向へ回転すると後羽根駆動部材5は反時計方向へ回転する。後羽根駆動部材5は、その回転によって、一方では図示していない周知の駆動バネをチャージし、他方では駆動ピン5bによって主アーム13を反時計方向へ回転させ、周知のように後羽根群12を、露光用アパーチャを覆っている展開状態から、図示の重畳状態へ移動させる。この作動の間においては、主アーム13の弾性部13dは変形せず、押圧部13bと係接部13cとによって挟持された状態を維持している。
【0018】
その後、図2の位置に達すると主アーム13はストッパ1nに当接する。セット部材6の回転は、僅かながら更に行われるため、後羽根駆動部材5も僅かに回転を続け、駆動ピン5bは弾性部13dを変形させて押圧部13bを押し、一点鎖線で示した位置で停止する。本実施例においては、後羽根駆動部材5のオーバーチャージ作動による力が、このようにして吸収される。その後、セット部材6が反時計方向へ復帰すると、周知のように後羽根駆動部材5は僅かに時計方向へ復帰した状態で停止し、駆動ピン5bと押圧部13bは略図2の実線状態となる。この位置が後羽根群12の露光走行の初期位置となる。
【0019】
このように、本実施例においては、後羽根駆動部材5のオーバーチャージ作動に際し、後羽根群12はチャージ方向へ作動しない構成となっている。そのため、後羽根群12を格納するスペースの上下寸法を大きくしなくて済むという特徴がある。また、従来のフォーカルプレンシャッタにおいては、駆動ピンは主アームの孔に嵌合させるのが普通であるが、そのようにした場合には、どうしても嵌合誤差があり、羽根群の作動を不安定にしてしまうため、従来はガタ寄せと称して主アーム又は補助アームにバネ等により偏倚力を与えるようにしていたが、本実施例によれば、駆動ピン5bは、弾性部13dの力によって押圧部13bと係接部13cに確実に挟持されているため、従来のようなガタ寄せのためのバネ等を省くことも可能となる。
【0020】
尚、図2の説明では、後羽根群12の主アーム13とストッパ1nの関係について説明したが、図1から分かるように先羽根群7の主アーム8にも、形状が異なるとはいえ実質的には同じである押圧部8b,係接部8c,弾性部8dが形成されており、ストッパ1mとの関係については、格納スペースの点を除き、上記の説明をそのまま適用することができる。また、本実施例においては、このような構成を、主アーム8と主アーム13の両方に採用しているが、設計上の都合によっては、どちらか一方だけに採用することを妨げるものではない。
【0021】
次に、図3に示した第2実施例を説明する。図3に示した後羽根群の主アーム23(勿論、先羽根群の主アームとしてもよい)は、合成樹脂製であって、シャッタ地板に枢着される位置の近傍部には押圧部23b,係接部23c,弾性部23dを有しており、第1実施例の主アーム13と実質的に同じである。異なる点としては、回転部にスリーブが形成されておらず、また枢支する羽根群が3枚であるが、それらの点は本発明にとって直接関係のないことである。後羽根駆動部材25は、鉄片部材取付部の図示を省略して示してあり、その駆動ピン25bには円周状の溝25b−1が形成され、上記した押圧部23bと係接部23cは、この溝25b−1内で駆動ピン25bを挟持している。
【0022】
本実施例は、このような構成にしたことによって、露光走行中における主アーム23の姿勢を保ち、平面に対し垂直方向への変則的な動き(移動・撓み)を押さえる効果を有し、中間板やカバー板への衝突の可能性が少なくなり、後羽根群の露光走行を安定化するのに役立つ。そのため、第1実施例で説明したようなスリーブが必ずしも必要ではなくなる。その他の特徴については、第1実施例と同じことが、全て本実施例についても言える。尚、本実施例においては、駆動ピン25bが全体として円柱形をしており、溝25b−1はその円周面の全周にわたって形成されているが、駆動ピン25bは特に円柱形に限定する必要もなく、また溝25b−1も上記の趣旨に沿って押圧部23bと係接部23cとに挟持され且つスムーズに作動ができさえすれば、全周にわたって形成されている必要はない。
【0023】
最後に、図4に示した第3実施例を説明する。図4に示した後羽根群の主アーム33は合成樹脂製であって、枢着部にはスリーブ33aが形成され、且つ該枢着部の近傍部は羽根の枢支部よりも肉厚になっており、そこに押圧部33b,係接部33c,弾性部33dが形成されている。本実施例の場合も枢支する羽根群は3枚である。主アーム33の機能は、第1実施例及び第2実施例で説明した各主アームの場合と同じであるが、本実施例のような構成にしたことによって、強度と耐久性が一段と向上する。尚、この主アーム33は、先羽根群の主アームとして用いても構わないし、第1実施例及び第2実施例に示した各駆動部材のいずれにも対応できることは言うまでもない。
【0024】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、複数の羽根を枢支している主アームを合成樹脂で特殊な形状に製作することによって、駆動部材のオーバーチャージ作動を吸収できる低コストなカメラ用フォーカルプレンシャッタを得ることができる。また、本発明によれば、従来から知られている、駆動部材と主アームとの嵌合誤差に対応するためのガタ寄せ対策も解消される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の分解斜視図である。
【図2】図1の要部拡大平面図である。
【図3】本発明の第2実施例の斜視説明図である。
【図4】本発明の第3実施例の斜視説明図である。
【符号の説明】
1 シャッタ地板
1b,1c,1d,1e,1f,1i,1j 軸
1g,1h,3b,3c スロット
1m,1n ストッパ
2 中間板
3 カバー板
4 先羽根駆動部材
4a,5a 鉄片部材取付部
4b,5b,25b 駆動ピン
5,25 後羽根駆動部材
6 セット部材
7 先羽根群
7a,7b,7c,7d 先羽根
8,13,23,33 主アーム
8a,13a,33a スリーブ
8b,13b,23b,33b 押圧部
8c,13c,23c,33c 係接部
8d,13d,23d,33d 弾性部
9,14 補助アーム
9a,14a 孔
10,15 連結軸
11,16 羽根押さえ部材
12 後羽根群
12a,12b,12c,12d 後羽根
25b−1 溝

Claims (3)

  1. 夫々複数の羽根をシャッタ地板に枢着された複数のアームで枢支して二組の羽根群を構成し、各羽根群の主アームを夫々の駆動部材の駆動ピンによって往復作動させ各羽根群に開閉作動を行わせるようにしたカメラ用フォーカルプレンシャッタにおいて、
    少なくとも一方の羽根群の主アームを合成樹脂製とし、該主アームの枢着部近傍部に、該主アームと一体的な押圧部を、弾性部を介して形成し、前記駆動部材の駆動ピンを、該押圧部と該近傍部が、該押圧部が該主アームのチャージ作動方向側になるようにして挟持するようにし、該主アームはチャージ作動の最終段階でストッパに当接するようにしたことを特徴とするカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
  2. 前記駆動ピンの周面に、該駆動ピンの軸方向に直交する溝部を設け、前記押圧部と前記近傍部が該溝部を挟持するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
  3. 前記押圧部と前記近傍部が前記主アームの他の部分より肉厚に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
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