JP5115939B2 - 耐きず付き性に優れるプレコート金属板およびその製造方法 - Google Patents

耐きず付き性に優れるプレコート金属板およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、耐きず付き性に優れた表面処理金属板に関する。本発明のプレコート金属板は、塗装後に成形加工することを前提とする用途において特に好適に使用可能な、予め塗料を塗装したプレコート金属板である。
本発明のプレコート金属板は、例えば、家電用、建材用、土木用、機械用、自動車用、家具用、容器用などにおいて、好適に使用可能である。
家電用、建材用、自動車用などに、従来の加工後塗装されていたポスト塗装製品に代わって、着色した塗膜を被覆したプレコート金属板が使用されるようになってきている。この金属板は、一般的には金属板の上に化成処理を施した上に塗料を被覆したもので、塗料を塗装した後に切断しプレス成形されて使用されることが一般的である。
プレコート金属板の塗膜は塗膜形成後に成形加工されるため、加工性が要求される。塗膜の加工性を向上させるためには、一般にはガラス転移温度が低く、分子量の高い樹脂を用いることで塗膜に柔軟性を持たせる技術が一般的であるが、このような塗膜は加工性に優れる反面、硬度が低くきずが付きやすい点が課題であった。また、近年ではデザインの視点から高い光沢を有する塗装鋼板が求められているが、高光沢塗膜ではきずが目立ちやすく、高光沢での耐きず付き性が大きな課題となっていた。
このような課題を解決する手法として、特許文献1には、ガラス転移点5〜40℃のポリエステル樹脂とヘキサメトキシメチロールメラミン樹脂とを配合したポリエステル・メラミン塗膜にドデシルベンゼンスルホン酸のアミンブロック体を配合してなる塗料塑性物を金属板に塗装して乾燥することで加工性と高硬度とを両立した技術が開示されており、また特許文献2には特定の組成を有する化合物とポリオール、硬化剤を主成分とするプレコート鋼板用塗料を金属板に塗装することで加工性と高硬度とを両立した技術が開示されている。また、特許文献3〜5には、塗膜中に微粒子を添加することで耐きず付き性を向上させる技術が開示されている。
特開平2−269168号公報 特開平7−316498号公報 特開平9−111183号公報 特開平10−219188号公報 特開平11−90322号公報
上述のように、近年ではプレコート鋼板は加工性に優れ高硬度を有する塗膜が開発されているが、いずれも高硬度を有し傷が入り難いものの、プレコート鋼板が塗膜より固い物との擦や衝突による塗膜のきず付きを防ぐ事はできず、一度ついてしまったきずが永久に残ってしまう点が課題であった。そのため、高加工性を有するプレコート金属板用塗膜の更なる耐傷入り性の改善が望まれていたが、塗膜の硬度からのアプローチではこれ以上硬度を上げると加工性が低下してしまうため、必要とされる耐傷入り性と加工性の高次元での両立が困難と考えられていた。他方で、塗膜中に微粒子を添加することで耐きず付き性を向上させる技術については、微粒子添加で耐きず付き性が向上する反面、光沢が低下したり、色調が損なわれてしまう課題があった。
本発明は、従来技術における上記問題点を解決する手段として、塗膜を単に高硬度化するのではなく、塗膜にきずが付いても時間と共にきず部の塗膜変形が回復して傷が消滅する、もしくは、目視で目立たない程度にきず部の塗膜変形が回復することに着目し、この機能によって耐きず付き性と高加工性とを両立させるプレコート金属板およびその製造方法ことを課題としたものである。
本発明は、更には、本機能ににて微粒子を一切添加せずに優れた光沢、色調を維持した状態で耐きず付き性を付与することを課題としたものである。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、塗膜にゴム弾性を発現させるのみならず、該ゴム弾性に特定の回復特性を付与することにより、該塗膜に窪みやきずが付いても(塑性変形とならず)時間の経過とともに、好適な弾性回復が可能となることを見出した。
本発明者らは、上記知見に基づき更に研究を進めた結果、上記のような特定の回復特性を有する塗膜は柔軟性も有しており、加工性にも優れることを、更に見出した。
上記の様な特定の回復特性を有する塗膜は、例えば、塗膜樹脂にガラス転移点を極低温にしたポリエステル樹脂もしくはポリエステルエラストマー樹脂を用い、これに硬化剤を配合した熱硬化性塗膜樹脂にすることにより、好適に達成することができる。
本願発明は、上記の知見を基に完成されたものである。本発明がその要旨とするところは、例えば、以下の通りである。
(1)金属板上に少なくとも一層の塗膜を有するプレコート金属板であって、微小硬度計を用いて25℃の温度において塗膜に5mNの荷重を加えて圧子を押し込んだ後にその荷重を取り除き、このときの圧子に加わる荷重と押込み深さを計測して求めた押込み深さ回復率:α(α=(D−D)×100/(D−D)、但し、D:圧子に荷重を加え始めた直後の押込み深さ、D:圧子に加わる荷重が5mNに達したときの押込み深さ、D:圧子の荷重を完全に取り除いた直前の押込み深さ)が70%以上である高弾性塗膜を最表層に有し、前記高弾性塗膜の主樹脂が、ポリエステル樹脂もしくはポリエステルエラストマー樹脂のいずれかに硬化剤を配合した熱硬化性樹脂であり、且つ、該主樹脂のガラス転移点が−10℃以下であって、
前記高弾性塗膜が微粒子を含まない、或いは前記塗膜の主樹脂と硬化剤との合計樹脂100質量部に対して5質量部以下の微粒子を含み、
更に、前記高弾性塗膜の膜厚が3μm以上、25μm以下であり、
前記高弾性塗膜のJIS−K5600−4−7に記載の鏡面光沢度が幾何学条件60度で90%以上であることで、塗膜にきずが入っても塗膜が弾性回復してきずが消滅するもしくは目立たなくなることを特徴とする耐きず付き性に優れるプレコート金属板。
(2)前記押込み深さ回復率:αが85%以上である高弾性塗膜層を最表層に有することを特徴とする(1)に記載の耐きず付き性に優れるプレコート金属板。
)前記高弾性塗膜が塗膜の主樹脂と硬化剤との合計樹脂100質量部に対して4質量部以下の微粒子を含むことを特徴とする前記(1)または)に記載の耐きず付き性に優れるプレコート金属板。
)前記高弾性塗膜の主樹脂のガラス転移点が−30℃以下であることを特徴とする前記(1)〜()のいずれか一つに記載の耐きず付き性に優れるプレコート金属板。
)前記高弾性塗膜の主樹脂に配合する硬化剤がメラミン樹脂であることを特徴とする前記(1)〜()に記載の耐きず付き性に優れるプレコート金属板。
)前記プレコート金属板が前記高弾性塗膜の下層に塗膜を有する2層以上の塗膜構造であることを特徴とする前記(1)〜()のいずれかに記載の耐きず付き性に優れるプレコート金属板。
)前記プレコート金属板において、最表層の高弾性塗膜が顔料を含まないクリヤー型塗膜であり、且つ、該高弾性塗膜の下層に着色塗膜を有することを特徴とする前記(1)〜()のいずれかに記載の耐きず付き性に優れたプレコート金属板。
)前記着色膜の主樹脂が、ポリエステル樹脂もしくはポリエステルエラストマー樹脂のいずれかに硬化剤を配合した熱硬化性樹脂であり、且つ、該主樹脂のガラス転移点が−10℃以下であることを特徴とする前記()に記載の耐きず付き性に優れたプレコート金属板。
)前記高弾性塗膜層とこの下層に位置した塗膜層との界面のRa(中心線平均粗さ)が0.3〜0.8μmであることを特徴とする前記()〜()のいずれかに記載の耐傷付き製に優れたプレコート金属板。
(1)前記()〜()のいずれかに記載のプレコート金属板の製造法であって、金属板上に、最上層の高弾性塗膜層を形成するための塗料とその下の塗膜層を形成するための塗料とを未乾燥状態で積層し、この未乾燥状態の多層塗装膜を同時に乾燥硬化することを特徴する耐きず付き性に優れたプレコート金属板。
本発明により、従来よりも耐きず付き性に優れたプレコート金属板を提供することが可能となり、プレコート金属板を用いて製造される家電用、建材用、土木用、機械用、自動車用、家具用、容器用の部品を製造、組み立てる際に、取り扱いきずなどが発生しにくくなり製造歩留まりが向上する、従来材より容易に取り扱っても取り扱いきずが付きにくくなったため作業効率が向上するなどの効果が得られるようになった。また、本願発明のプレコート金属板をもちいることで、従来のものと比べて、これを用いた各製品の耐きず付き性が大きく向上したため、製品の品質向上がなされた。従って、本発明は産業上の極めて価値の高い発明であるといえる。
微小硬度計を用いて測定した、圧子に5mNまで荷重を加えて塗膜を押込み、その後に荷重を除去して荷重が完全に取り除かれるまでの、時間と押込み荷重との関係 微小硬度計で測定したときに得られる圧子押込み深さと荷重との関係 図2のデータをゼロ点補正した後の圧子押込み深さと荷重との関係 塗膜界面の凹凸
本発明は、微小硬度計を用いて25℃の室温中で塗膜に5mNの荷重を加えて圧子を押し込んだ後にその荷重を取り除き、このときの圧子に加わる荷重と押込み深さを計測して求めた押込み深さ回復率:α(α=(D−D)×100/(D−D)、但し、D:圧子に荷重を加え始めた直後の押込み深さ、D:圧子に加わる荷重が所定の荷重に達したときの押込み深さ、D:圧子に所定の荷重を完全に取り除いた直前の押込み深さ)が70%以上であるゴム弾性塗膜を金属板上に被覆することで、塗膜にきずが入っても塗膜が弾性回復してきずが消滅するもしくは目立たなくなることを特徴としている。前記押込み深さ回復率が70%未満の場合、実際にきずが入った後にこのきずが目視で目立たなくなるまでには回復しないため不適である。前記押込み深さ回復率が85%以上であるとより好適である。
本発明のプレコート金属板は、塗膜物性を微小硬度計にて測定したとき、(25±1)℃で測定した際に押込み深さ回復率:αが70%以上であることを特徴とする。
本発明の押し込み深さ回復率:αを求めるための微小硬度計は、一般に公知の塗膜など樹脂の硬度を測定することができる微小硬度計を用いることができる。市販の測定装置、例えば、フィッシャー・インストルメンツ社製のフィッシャースコープH100Vなどを用いることができる。ドイツDIN−50359−1に記載の方法を用いることができる。圧子の形状は特に限定するものではないが、ビッカース四角錐ダイヤモンド圧子やベルコビッチ三角錐ダイヤモンド圧子、ヌープダイヤモンド圧子、タングステンカーバイド製ボール圧子など一般に公知の圧子を用いることができる。圧子への荷重をかける方法や除去する方法は連続的に行っても良いし、ステップ荷重を加えたり除去したりしてもよい。
本願発明において、押し込み深さ回復率:αを求めるためのパラメーターとして、圧子に荷重を加え始めた直後の押込み深さをD、圧子の荷重が完全に取り除いた直前の押込み深さをDと定義した。Dは、圧子に荷重をかける前の塗膜最表面での圧子の位置、即ちゼロ点を指す。実際の測定装置ではゼロ点を上手く検出することが困難であるため、測定装置にて圧子に荷重をかけて測定を開始したときの最初に荷重と押込み深さが検出された圧子の位置をゼロ点としてDとする。また、Dは圧子の荷重を取り除く過程において、荷重が完全に取り除かれた時点での圧子の位置(試験の終点)を指す。測定装置によっては圧子の荷重が完全に取り除かれた位置を検出することが困難な場合があるため、荷重が完全に取り除かれる直前の測定装置が検出できた位置をDとすることができる。D、Dは測定装置によって機械精度の点から異なる場合があるが、それぞれの測定装置の指し示すゼロ点もしくはこれに相当する点、及び、試験の終点及びそれに相当する点を適用することができる。
実際に、微小硬度計を用いて測定した、圧子に5mNまで荷重を加えて塗膜を押込み、その後に荷重を除去して荷重が完全に取り除かれるまでの、時間と押込み荷重との関係を表したものを図1に、圧子押込み深さと荷重の関係とD、D、Dの点を図2及び図3に示す。図2は市販の測定装置であるフィッシャー・インストルメンツ社製のフィッシャースコープH100Vで測定したときに得られるデータままの圧子押込み深さと荷重との関係及びD、D、Dの点の例示である。図3は図2のデータをゼロ点補正した後の圧子押込み深さと荷重との関係及びD、D、Dの点を示す。
本願発明のプレコート金属板は、前記高弾性塗膜の主樹脂がポリエステル樹脂もしくはポリエステルエラストマー樹脂のいずれかに硬化剤を配合した熱硬化性樹脂であり、且つ、主樹脂のガラス転移点が−10℃以下とすることが、より好適である。これにより、高弾性塗膜の押込み深さ回復率αが70%以上となり、且つ、塗膜の加工性も、好適に確保されるためである。ガラス転移点が−10℃超であると、塗膜の押込み深さ回復率が70%未満となる恐れがあるため好ましくない。より好ましくは、−30℃以下である。主樹脂のガラス転移点の下限は特に規定するものではないが、ガラス転移点が低過ぎると塗膜が柔らかくなりすぎて容易に破壊されて弾性回復しきれないキズがはいり易くなる恐れがあるため、−40℃以上が好適である。また、ポリエステル樹脂もしくはポリエステルエラストマー以外の主樹脂を用いると塗膜の加工性が低下する恐れがあるため好ましくない。また、主樹脂に硬化剤を配合しないと成膜が不十分となり、粘着性を有する恐れがあるため好ましくない。
本願発明の高弾性塗膜の主樹脂に好適に使用可能なポリエステル樹脂は、一般に公知のものを用いることができる。市販のもの、例えば、東洋紡社製のポリエステル樹脂「バイロン(登録商標)」シリーズや住化バイエルウレタン社製のポリエステル樹脂「デスモフェン」シリーズなどを用いることができる。ポリエステルエラストマーも一般に公知のもの、例えば、ポリブチレンテレフタレートなどを使用することができる。
本願発明の高弾性塗膜の主樹脂に配合する硬化剤は一般に公知の塗料用硬化剤、例えば、メラミン樹脂やイソシアネートなどの硬化剤を添加することができる。市販のもの、例えば、三井サイテック社製のメラミン樹脂「サイメル(登録商標)」シリーズ、「マイコート(登録商標)」シリーズ、DIC社製のメラミン樹脂「スーパーベッカミン(登録商標)」シリーズ、住化バイエルウレタン社製のイソシアネート「スミジュール(登録商標)」シリーズ、「デスモジュール(登録商標)」シリーズなどを使用することができる。
前記硬化剤がメラミン樹脂であると、塗膜の押込み深さ回復率が他の硬化剤を用いたものより大きくなるため、より好適である。硬化剤の添加量は必要に応じて適宜選定することができる。メラミン樹脂の場合は、主樹脂100質量部に対して10〜100質量部が好適である。10質量部未満であると塗膜が未硬化となる恐れがあり、100質量部超では皮膜が脆くなり加工性が低下する恐れがある。硬化剤にイソシアネートを添加した場合は、配合するポリエステル樹脂のOH基価とイソシアネートのNCO基価との当量比がOH/NCO=0.8〜1.2となるように添加する事が好ましい。OH/NCOが0.8未満、もしくは1.2超では塗膜中の主樹脂もしくは硬化剤に未反応の官能基が残存し、未硬化となる恐れがある。OH/NCO=1.0となるように添加すると塗膜中の主樹脂もしくは硬化剤の未反応官能基が残存しにくく、皮膜の硬度と加工性が硬度にバランスするためより好適である。
本願発明のプレコート金属板が2層以上の塗膜を積層したプレコート金属板であるとき、最上層の塗膜が前記高弾性塗膜であると、下層の塗膜の持つ機能に加え、優れた耐きず付き性が付与できるためより好適である。例えば、金属板上に防錆顔料を含むプライマー塗膜を塗装し、その上に着色した高弾性塗膜を塗装した2層のプレコート金属板の場合は優れた耐食性に加え、優れた耐きず付き性を付与することができる。
本願発明の高弾性塗膜は、着色されていても良い。着色顔料のなかでも特にカーボンブラックを添加すると傷回復性が向上するためより好適である。これは樹脂中にカーボンブラックを添加すること、カーボンブラックは樹脂との親和性が強いため、塗膜の弾性率が高まり、傷回復率も高まるためと推定する。また、本願発明の高弾性塗膜に一切の微粒を含まない、もしくは、主樹脂と硬化剤を足し合わせた全樹脂100質量部に対して4質量部以下であると優れた耐きず付き性を保持した状態で光沢を高めることが出来るため、より好適である。
また、金属板上に着色した下塗り塗膜を塗装し、その上にクリヤーの高弾性塗膜を塗装した2層のプレコート金属板の場合は耐きず付き性だけでなく様々に色に調色でき、且つ、高光沢を付与することができる。また、金属板上に防錆顔料を含むプライマー塗膜を塗装し、その上に着色した中塗り塗膜を塗装し、更にその上に高弾性塗膜を塗装することで、耐食性と高光沢と耐きず付き性を付与することができる。最表層の高弾性塗膜がクリヤー塗膜であると、従来のプレコート金属板上にこれを塗装することで従来のプレコート金属板の有する塗膜性能に加えて、耐きず付き性を付与することができるため、より好適である。
最上層以外の塗膜は一般に公知のプレコート金属板用塗膜、例えばポリエステル系塗膜、アクリル系塗膜、ウレタン系塗膜、エポキシ系塗膜などを使用することができる。市販のプレコート金属板用塗膜を用いることもできる。また、最表層以外の塗膜にも本願発明の高弾性塗膜を用いても良い。
本願発明のプレコート金属板の最上層の高弾性塗膜及びその他の層の塗膜には必要に応じて、着色顔料、防錆顔料などの顔料を添加しても良い。着色顔料としては、酸化チタン、カーボンブラック、クロムイエローなど一般に公知の無機系着色顔料や有機系着色顔料を用いることができる。
防錆顔料としては、クロム酸ストロンチウム、クロム酸カリウム、クロム酸カルシウム、トリポリりん酸二水素アルミニウム、カルシウム吸着シリカ、りん酸亜鉛、亜りん酸亜鉛など一般に公知の防錆顔料を用いることができる。ただし、近年では、クロム酸ストロンチウム、クロム酸カリウム、クロム酸カルシウムなど6価クロムを含有する防錆顔料は環境負荷物質とされているため、これらを含まないものを用いるとより好適である。
また、本願発明の塗膜には、必要に応じて艶消し剤、レべリング剤、消泡剤、スリップ剤、ワックスなどの各種添加剤を添加しても良い。
本願発明のプレコート金属板が2層以上の塗膜を積層したプレコート金属板であるとき、これを加工すると、加工後の高弾性塗膜内に弾性的なひずみエネルギーが残存しやすいため、加工密着性が低下する可能性がある。しかし、2層以上の塗膜を積層した本願発明のプレコート金属板を製造する際に、最上層の高弾性塗膜層を形成するための塗料とその下の塗膜層を形成するための塗料とを未乾燥状態で積層し、この未乾燥状態の多層塗装膜を同時に乾燥硬化する、所謂ウェットオンウェット方法で製造すると、加工部での塗膜密着性が向上し、より好適である。
多層同時塗布もしくはウェットオンウェット塗装すると、界面のRa(中心線平均粗さ)を0.3〜0.8μmに、より好適に制御することができる。界面のRaが0.3μm未満であると加工後の密着性に劣り、0.8μm超では外観不良が発生する恐れがある。界面のRaは多層同時塗布時もしくはウェットオンウェット塗装時の積層した各塗料の表面張力を制御することで達成することができる。0.3mN/m≦[下層側の塗料の表面張力]−[上層側の塗料の表面張力]<5mN/mであると、界面のRaが0.3〜0.8μmとなり易く好適である。「[下層側の塗料の表面張力]−[上層側の塗料の表面張力]」が0.3mN/m未満であると、界面のRaが0.8μm超となる恐れがあり、5mN/m超では界面のRaが0.3μm未満となる恐れがある。なお、本発明において、この界面のRaは、次の方法(即ち、基本的にJIS−B−0601−1982に沿った方法)により測定することができる。即ち、表面粗さRaを測定すべき界面の垂直断面を顕微鏡写真にて撮影後、界面の凹凸(粗さ曲線)をトレースし、JIS−B−0601−1982所定の式に従って、この界面の中心線平均粗さRaを求めることができる。
このウェットオンウェットの塗装方法として、下層塗膜をロールコーターやカーテンコーターにて塗層し、最上層の高弾性塗膜をカーテンコーターにて塗装する方法や、高弾性塗膜とこの下の下層塗膜とをスライドホッパー式多層同時塗布型カーテンコーターなどを用いて塗装する方法などを採用することができる。また、これら塗装した塗膜は、熱風オーブン、赤外線オーブン、近赤外線オーブン、誘導加熱オーブンなどで乾燥硬化することができる。
本願発明の高弾性塗膜層の膜厚は特に規定するものではなく、必要に応じて適宜選定することができるが、3〜25μmであると好適である。3μm未満では耐きず付き性の効果が十分に発揮されない恐れがあり、25μm超では塗膜を焼付けたときにワキと呼ばれる塗装欠陥が発生する恐れがあるためである。本願発明のプレコート金属板が2層以上の塗膜層を有する場合、高弾性塗膜層以外の塗膜層の膜厚も3〜25μmが好適である。3μm未満ではその塗膜層を塗装した効果が発揮されない恐れがあり、25μm超では塗膜を焼付けたときにワキと呼ばれる塗装欠陥が発生する恐れがあるためである。
本願発明のプレコート金属板は、金属板上に化成処理を施した後に塗膜を被覆すると塗膜密着性が向上するためより好適である。化成処理は一般に公知のクロメート処理、電解クロム酸処理、3価クロム処理、りん酸亜鉛処理、ジルコニア系処理、市販のクロメートフリー化成処理、シランカップリング剤による処理、シランカップリング剤と水溶性樹脂とを含む化成処理、などを用いることができる。クロメート処理は環境負荷物質である6価クロムを含むため、これを含まないクロメートフリー化成処理であるとより好適である。これら化成処理の処理方法は一般に公知の塗布方法で塗布することができるが、ロールコーターを用いて塗布し、ドライヤーやオーブンで乾燥させると作業効率が高まりより好適である。
本願発明のプレコート金属板には、高弾性塗膜層を塗装する面の裏面に塗装を施しても良い。裏面塗装は一般に公知のプレコート金属板用裏面塗料、例えば、ポリエステル系塗料、エポキシ系塗料、ウレタン系塗料、アクリル系塗料などを塗装することができる。1層のみの塗装でも良いし、2層以上の塗装であっても良い。また、本願発明の高弾性塗膜層を塗装しても良い。
本願発明のプレコート金属板に用いる金属板は一般に公知の金属板、例えば、アルミニウム板、銅版、鋼板、めっき鋼板、ステンレス鋼板などを用いることができる。めっき鋼板の場合、溶融亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛めっき鋼板、亜鉛−鉄合金めっき鋼板、亜鉛−ニッケル合金めっき鋼板、亜鉛−55%アルミニウム合金めっき鋼板、亜鉛−13%アルミニウム−3%マグネシウム合金めっき鋼板、アルミニウムめっき鋼板など一般に公知のめっき鋼板を用いることができる。これらの金属板は必要に応じて適宜選定して用いることができる。
以下に実施例の詳細について記載する。
1.金属板
板厚0.5mmの溶融亜鉛めっき鋼板を用いた。亜鉛付着量は片面45g/mのものを用いた。
2.化成処理液
シランカップリング剤5g/l、水分散シリカを1.0g/l、水系アクリル樹脂を25g/lを含む水溶液を作成し、化成処理液とした。なお、シランカップリング剤にはγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、微粒シリカには日産化学社製「スノーテック−N」、水系アクリル樹脂にはポリアクリル酸を用いた。
3.プライマー塗料
東洋紡社製のポリエステル樹脂である「バイロン(登録商標)290」(ガラス点移点72℃)に三井サイテック社製のメラミン樹脂「サイメル(登録商標) 303」を樹脂固形分の質量比で、ポリエステル樹脂固形分100質量部に対して10質量部となるように添加した。さらに、このポリエステル樹脂とメラミン樹脂の混合溶液に、三井サイテック社製の酸性触媒「キャタリストTM 600」を0.5質量%添加してクリヤー塗料を作成した。更に、このクリヤー塗料中にテイカ社製のトリポリリン酸二水素アルミニウム「K−WHITE(登録商標)#105」をポリエステル樹脂とメラミン樹脂との合計の樹脂固形分100質量部に対して30質量部添加することでプライマー塗料を作成した。
4.中塗り塗料
東洋紡社製のポリエステル樹脂である「バイロン(登録商標)200」(ガラス転移点67℃)に三井サイテック社製のメラミン樹脂「サイメル(登録商標) 303」を、樹脂固形分の質量比で、ポリエステル樹脂固形分100質量部に対して10質量部となるように添加した。さらに、このポリエステル樹脂とメラミン樹脂の混合溶液に、三井サイテック社製の酸性触媒「キャタリストTM 600」を0.5質量%添加してクリヤー塗料を作成した。更に、このクリヤー塗料中に東海カーボン社製のカーボンブラック「トーカブラック#7300」をポリエステル樹脂とメラミン樹脂との合計の樹脂固形分100質量部に対して5質量部添加することで中塗り塗膜を作成した(以降一般中塗と称す)。また、ポリブチレンテレフタレートを主成分とするTgが−36℃のポリエステルエラストマーのシクロヘキサノン溶解品に三井サイテック社製のメラミン樹脂「サイメル(登録商標) 303」を、樹脂固形分の質量比で、ポリエステル樹脂固形分100質量部に対して20質量部添加し、さらに、このポリエステル樹脂とメラミン樹脂の混合溶液に、三井サイテック社製の酸性触媒「キャタリストTM 600」を0.5質量%と東海カーボン社製のカーボンブラック「トーカブラック#7300」をポリエステル樹脂とメラミン樹脂との合計の樹脂固形分100質量部に対して5質量部添加することで高弾性中塗塗料を作成した(以降高弾性中塗と称す)。
5.トップ塗料(高弾性塗料)
東洋紡社製のポリエステル樹脂「バイロン(登録商標)290」(ガラス転移点5℃)と「バイロン(登録商標)550」(ガラス転移点−15℃)とを固形分質量比率で1:1の割合で配合し、シクロヘキサノン:ソルベッソ150=1:1に混合した溶剤(質量比)に溶解して攪拌することでガラス転移点(以降Tgと称す)−10℃のポリエステル樹脂の溶剤溶解品を作成した。なお、本樹脂は作成した溶剤溶解品の溶剤分を揮発させた後に熱分析法にてガラス転移点を調査し、−10℃であることを確認した。
また、東洋紡社製のポリエステル樹脂「バイロン(登録商標)550」(ガラス転移点−15℃)のみをシクロヘキサノン:ソルベッソ150=1:1に混合した溶剤(質量比)に溶解したTgが−15℃のポリエステル樹脂の溶剤溶解品も作成した。
更に、ポリブチレンテレフタレートを主成分とするTgが−36℃のポリエステルエラストマーのシクロヘキサノン溶解品も作成した。
比較として、東洋紡社製のポリエステル樹脂「バイロン(登録商標)290」(ガラス転移点5℃)のみをシクロヘキサノン:ソルベッソ150=1:1に混合した溶剤(質量比)に溶解したTgが5℃のポリエステル樹脂の溶剤溶解品も作成した。
次に作成した各ポリエステルもしくはポリエステルエラストマーの溶解品に三井サイテック社製のメラミン樹脂「サイメル(登録商標) 303」を、樹脂固形分の質量比で、ポリエステル樹脂固形分100質量部に対して5〜120質量部添加することで、メラミン樹脂添加量の異なるポリエステル樹脂/メラミン樹脂の混合用液を作成した。さらに、このポリエステル樹脂とメラミン樹脂の混合溶液に、三井サイテック社製の酸性触媒「キャタリストTM 600」を0.5質量%添加してメラミン硬化型のクリヤー塗料を作成した。また、作成した各ポリエステルもしくはポリエステルエラストマーの溶解品に住化バイエルウレタン社製のイソシアネート樹脂「スミジュール(登録商標)BL3175」を、ポリエステル樹脂のOH基価とイソシアネート樹脂のNCO基価の当量比でOH/NCO=1.0となるように配合した。更に、必要に応じてこのクリヤー塗料中に東海カーボン社製のカーボンブラック「トーカブラック#7300」、日本アエロジル社製のシリカ「AEROSIL TM 200」、アト・シミー社製のナイロン微粒子「オルガソール2002EX−D」、鐘紡社製のフェノール樹脂微粒子「ベルパールR−800」を添加した。
6.裏面塗料
日本ファインコーティングス社製の裏面塗料、オルガ100のベージュ色を準備した。
7.プレコート鋼板の作成
金属板をFC−4336(日本パ−カライジング製)の2質量%濃度、60℃温度の水溶液中に10秒間浸漬することで脱脂を行い、水洗後、乾燥した。そして、化成処理液をロールコーターにて金属板の両面に塗布し、熱風乾燥炉で乾燥して化成処理皮膜層を得た。化成処理液の付着量は、乾燥皮膜全体の付着量が100mg/mとなるように塗装した。化成処理乾燥時の到達板温は60℃とした。
次に、化成処理を施した金属板表面にプライマー塗料をロールコーターにて乾燥膜厚5μmとなるように塗装し、更に他方の面には裏面塗料をロールコーターにて塗装膜厚5μmとなるように塗装し、熱風を吹き込んだ誘導加熱炉にて金属板の到達板温が210℃となる条件で乾燥硬化することで塗膜層を得た。乾燥焼付後に塗装された金属板へ水をスプレーにて拭きかけ、水冷した。更に、プライマー塗膜上に中塗塗料と上塗塗料をスライドポッパー型カーテンコーターにて多層同時に積層塗層し、積層した塗料を熱風を吹き込んだ誘導加熱炉にて金属板の到達板温が230℃となる条件で同時に乾燥焼付し、水冷することで供試材であるプレコート金属板を得た(本方法で作成したプレコート鋼板を以降「3コート2ベーク」もしくは「3C2B」と称す)。なお、スライドポッパー型カーテンコーターで塗装した際は、上塗塗料中にBYK社製の添加材「BYK−333」を適量添加して、共に積層する中塗塗料の表面張力より上塗塗膜の表面張力が3mN/m高くなるように都度調整した。
また、必要に応じて下塗塗膜上に中塗塗料をロールコーターにて塗装し、熱風を吹き込んだ誘導加熱炉にて金属板の到達板温が230℃となる条件で同時に乾燥焼付し、水冷した後にその上にトップ塗料をロールコーターにて塗装し、熱風を吹き込んだ誘導加熱炉にて鋼板の到達板温が230℃となる条件で同時に乾燥焼付し、水冷することで、供試材であるプレコート鋼板を得た(本方法で作成したプレコート金属板を以降「3コート3ベーク」もしくは「3C3B」と称す)。
なお、本発明のプレコート金属板サンプルを製造するラインはオーブンを2つのみ持つ2ベークラインであったため、3C3Bのサンプルを作製する際は、ラインを2回通板させてサンプルを作製した。また、必要に応じて、プライマー塗膜層や中塗塗膜層の無い1コート1ベーク(1C1B)や2コート2ベーク(2C2B)のサンプルも作製した。なお、中塗り塗膜は乾燥膜厚15μmで塗装し、トップ塗膜の膜厚は変更したものを作成した。
作製したプレコート鋼板の詳細を表1にまとめる。
Figure 0005115939
この様にして作成したプレコート鋼板について、以下の評価試験を実施した。なお、いずれの試験についても、トップ塗膜を塗装した面を評価面として試験を実施した。
1.塗装外観観察
作成したプレコート金属板の塗装外観を目視にて観察し、沸き欠陥の発生状況を観察した。
2.トップ塗膜の機械特性
作製したプレコート鋼板の塗膜表面をフィッシャー・インストルメンツ社製の微小硬度計「フィッシャースコープH100V」を用いて、押込み荷重と押込み深さとの関係を測定した。この測定は、25℃の温度で行った。圧子の形状はビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を用い、60回のステップ荷重で最大荷重5mNとなるように徐々にステップ荷重を加えて、圧子を塗膜に押し込んだ。ステップ間隔は1sとし、各ステップ荷重は比例増加する条件で加えた。また、荷重が5mNに達した後、荷重増加時と同じ条件で荷重を減少させ、押込み荷重がゼロとなるまでの圧子の押込み深さを測定した。本条件の時間と荷重との関係を図1に示す。
そして、図2に示す押込み深さ−押込み荷重線図に示すD0、DM、DEを求め、押込み深さ回復率α=(D−D)×100/(D−D)を算出した。
3.加工性試験
作成したプレコート鋼板を、同じ板厚のスペーサーを間に挟んで180°折り曲げ加工(一般的に1T曲げと呼ばれる加工)を実施し、加工部の塗膜を20倍ルーペと目視で観察し、塗膜の割れの有無を調べた。折り曲げ加工は20℃雰囲気中で加工した。
塗膜割れの評価は、20倍ルーペで観察しても塗膜割れの全くない時を◎、20倍ルーペで塗膜に極小さな割れがあるが目視での観察では割れが認められない場合を○、目視でも微細な割れが認められる場合を△、目視でも明確な大きな割れが加工部全面にある時を×として評価した。
4.加工密着性試験
前記3.の加工性試験を行ったサンプルの加工部の塗膜上にテープを貼り付け、このテープを剥がした時の塗膜剥離状態を20倍ルーペと目視で観察し、塗膜の剥離度合いを調べた。
塗膜剥離の評価は、20倍ルーペで観察しても塗膜剥離が全くない時を◎、20倍ルーペで塗膜に極小さな剥離があるが目視での観察では剥離が認められない場合を○、目視でも微細な剥離が認められる場合を△、目視でも明確な大きな剥離が加工部全面にある時を×として評価した。
5.きず回復性試験
JIS.K.5600.5.4の引っかき硬度(鉛筆法)に準じて、Hと2Hと3Hの硬さの鉛筆にて塗膜表面に引っかききずを入れた。そして、これを沸騰水中に1分間浸漬させた後のきずの回復状況を目視にて観察して評価した。
評価は、3Hの鉛筆で引っかいた箇所にきずが認められなかった場合は◎、3Hの鉛筆で引っかいた箇所ではきずが認められたが2Hの箇所にはきずが認められなかった場合を○、2Hの鉛筆で引っかいた箇所ではきずが認められたがHの箇所にはきずが認められなかった場合を△、Hの鉛筆で引っかいた箇所にも認められた場合は×とした。
6.高弾性塗膜とその下層に位置する塗膜との界面のRa測定
プレコート金属板を塗膜断面が観察できるように垂直に切断し、切断したプレコート金属板を樹脂に埋め込んだ後に断面部を研磨して、3500倍の走査型電子顕微鏡による塗膜の断面写真を撮影した。次に、透明の樹脂シート(市販のOHPシートを使用)を写真上にかぶせて、塗膜界面の凹凸を正確にトレースした。そして、図4に示すように、縦線の部分の面積を画像処理装置で測定して、その平均値として式(I)からRaを算出した。
Figure 0005115939
… (I)
そして、算出したRaが0.3〜0.8μmの範囲内にはいっていたものは○、0.3〜0.8μmの範囲外であったものを△と評価した。
7.光沢測定
作成したプレコート金属板の鏡面光沢度を測定した。測定方法はJIS−K5600−4−7に準じて幾何学条件60度の条件で測定した。そして、以下の基準で評価した。
鏡面光沢度が95以上の場合:○
鏡面光沢度が90以上95未満の場合:△
鏡面光沢度が90未満の場合:×
以下、評価結果について詳細を記載する。表2に作製したプレコート金属鋼板の評価結果を示す。表2に記載した押込み回復率は、全て「25℃」で測定したものである。
Figure 0005115939
本願発明の押込み深さ回復率が70%以上であるプレコート金属板(本発明例−1〜21)は、きず回復性に優れるためきずが入っても回復してきずが目立たなくなるため好適である。一方、押込み深さ回復率が70%未満のもの(比較例−22〜25)はきず回復性が劣り、きずが入ると永久にきず跡が残るため、不適である。
最表層のトップ塗膜にガラス転移点が−10℃超の樹脂を用いたもの(比較例−22,23)は押込み深さ回復率が70%未満となりやすく、きず回復性にもすぐれる傾向があるため、塗膜樹脂は−10℃以下のガラス転移点を有するポリエステル樹脂もしくはポリエステルエラストマー樹脂を用いたもの(本願発明例−1〜21)が好適である。ガラス転移点が−30℃以下のもの(本発明例−3、6、9〜21など)は押込み深さ回復率が85%超となりやすく、きず回復性にも優れるため、より好適である。
高弾性塗膜に用いる硬化剤はイソシアネートのもの(本願発明例−15)とメラミン樹脂を用いたもの(本発明例−7〜14)とを比較するとメラミン樹脂を用いたものの方が押込み深さ回復率が高く、きず復元性にも優れるためより好適である。
メラミン樹脂の添加量はポリエステル樹脂もしくはポリエステルエラストマー樹脂100質量部に対して10〜100質量部が好適である。10質量部未満のもの(比較例−24)は押込み深さ回復率が低く、きず回復性にも劣る傾向であり、100質量部超のもの(本発明例−14)は加工性が劣る傾向である。
高弾性塗膜の膜厚は3〜25μmが好適であり、3μm未満のもの(比較例−25)は押込み深さ回復率が低く、きず回復性にも劣る傾向であり、25μm超のもの(本発明例−18)は焼付け工程で一部に沸きによる欠陥の発生が認められた。
また、最上層の高弾性塗膜層を形成するための塗料とその下の塗膜層を形成するための塗料とを未乾燥状態で積層し、この未乾燥状態の多層皮膜を同時に乾燥する方法によって製造したもの(本発明例−4〜18)は、これら塗膜を単層ごとに塗装焼付けを繰り返して製造したもの(本発明例−1〜3、19)より加工密着性が向上するためより好適である。
また、金属板上に高弾性塗膜のみを1層塗装したもの(本発明例−20)より、高弾性塗膜下にプライマーを塗布したもの(本発明例−1〜19)のほうが、加工密着性に優れるため、好適である。
本願発明のプレコート金属板で高弾性塗膜層中に微粒子添加量が主樹脂と硬化剤との合計100質量部に対して4質量超のもの(本発明例−1〜6、28〜35)は、塗膜の光沢が低下する傾向が見られるため、微粒子添加量は4質量部未満が好適である。ただし、高弾性塗膜中にカーボンブラックを添加したもの(例えば本発明例−6)は、未添加のもの(例えば本発明例−9)と比べて押込み深さ回復率が高く、きず回復性にも優れる傾向であるため、カーボンブラックを添加したものはより好適である。

Claims (10)

  1. 金属板上に少なくとも一層の塗膜を有するプレコート金属板であって、微小硬度計を用いて25℃の温度において塗膜に5mNの荷重を加えて圧子を押し込んだ後にその荷重を取り除き、このときの圧子に加わる荷重と押込み深さを計測して求めた押込み深さ回復率:α(α=(D−D)×100/(D−D)、但し、D:圧子に荷重を加え始めた直後の押込み深さ、D:圧子に加わる荷重が5mNに達したときの押込み深さ、D:圧子の荷重を完全に取り除いた直前の押込み深さ)が70%以上である高弾性塗膜を最表層に有し、
    前記高弾性塗膜の主樹脂が、ポリエステル樹脂もしくはポリエステルエラストマー樹脂のいずれかに硬化剤を配合した熱硬化性樹脂であり、且つ、該主樹脂のガラス転移点が−10℃以下であって、
    前記高弾性塗膜が微粒子を含まない、或いは前記塗膜の主樹脂と硬化剤との合計樹脂100質量部に対して5質量部以下の微粒子を含み、
    更に、前記高弾性塗膜の膜厚が3μm以上、25μm以下であり、
    前記高弾性塗膜のJIS−K5600−4−7に記載の鏡面光沢度が幾何学条件60度で90%以上であることを特徴とする耐きず付き性に優れるプレコート金属板。
  2. 前記押込み深さ回復率:αが85%以上である高弾性塗膜層を最表層に有することを特徴とする請求項1に記載の耐きず付き性に優れるプレコート金属板。
  3. 前記高弾性塗膜が塗膜の主樹脂と硬化剤との合計樹脂100質量部に対して4質量部以下の微粒子を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の耐きず付き性に優れるプレコート金属板。
  4. 前記高弾性塗膜の主樹脂のガラス転移点が−30℃以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の耐きず付き性に優れるプレコート金属板。
  5. 前記高弾性塗膜の主樹脂に配合する硬化剤がメラミン樹脂であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の耐きず付き性に優れるプレコート金属板。
  6. 前記プレコート金属板が前記高弾性塗膜の下層に塗膜を有する2層以上の塗膜構造であることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の耐きず付き性に優れるプレコート金属板。
  7. 前記プレコート金属板において、最表層の高弾性塗膜が顔料を含まないクリヤー型塗膜であり、且つ、該高弾性塗膜の下層に着色塗膜を有することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の耐きず付き性に優れたプレコート金属板。
  8. 前記着色塗膜の主樹脂が、ポリエステル樹脂もしくはポリエステルエラストマー樹脂のいずれかに硬化剤を配合した熱硬化性樹脂であり、且つ、該主樹脂のガラス転移点が−10℃以下であることを特徴とする請求項に記載の耐傷付き性に優れたプレコート金属板。
  9. 前記高弾性塗膜層とその下層に位置する塗膜層との界面のRa(中心線平均粗さ)が0.3〜0.8μmであることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の耐傷付き性に優れたプレコート金属板。
  10. 請求項6〜8のいずれか1項に記載のプレコート金属板の製造法であって、金属板上に、最上層の高弾性塗膜層を形成するための塗料とその下の塗膜層を形成するための塗料とを未乾燥状態で積層し、この未乾燥状態の多層塗装膜を同時に乾燥硬化することを特徴とする、耐きず付き性に優れたプレコート金属板の製造方法。
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