JP2001271026A - 塗料樹脂組成物 - Google Patents

塗料樹脂組成物

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JP2001271026A
JP2001271026A JP2000087863A JP2000087863A JP2001271026A JP 2001271026 A JP2001271026 A JP 2001271026A JP 2000087863 A JP2000087863 A JP 2000087863A JP 2000087863 A JP2000087863 A JP 2000087863A JP 2001271026 A JP2001271026 A JP 2001271026A
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JP2000087863A
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Masayoshi Furukawa
真義 古川
Isamu Noguchi
勇 埜口
Toshimichi Obara
利通 小原
Yasumichi Murata
泰通 村田
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Kawakami Paint Manufacturing Co Ltd
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Kawakami Paint Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工性が優れ、かつ光沢、硬度、耐汚染性、
耐溶剤性が優れた塗料樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 次の(A)、(B)および(C)の各成
分 (A)ガラス転移点−15℃〜40℃、数平均分子量3
000〜30000のポリエステル樹脂 (B)数平均分子量400〜1000のメラミン樹脂 (C)カーバメイト基含有メラミン樹脂 を重量比で(A)/〔(B)+(C)〕=85〜60/
15〜40の割合で配合し、かつ全メラミン樹脂
〔(B)+(C)〕中に(C)成分のカーバメイト基含
有メラミン樹脂を10〜90重量%含有させ、(A)成
分のポリエステル樹脂と(B)成分のメラミン樹脂と
(C)成分のカーバメイト基含有メラミン樹脂との総量
100重量部に対して酸触媒を有効成分で0.1〜1.
5重量部配合することによって、塗料樹脂組成物を構成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗料樹脂組成物に
関し、さらに詳しくは、加工性、光沢、硬度、耐汚染
性、耐溶剤性が優れた塗料樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、塗装鋼板用の塗料に用いる樹脂と
しては、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂な
どが使用されていたが、それらはいずれも高度の加工性
を有しないため、近年は、この用途に用いる樹脂として
ポリエステル樹脂が注目されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ポリエステル樹脂は、
伸びと硬度のバランスが良いことから、上記のような高
度の加工性が必要とされる分野で使用されはじめてきた
が、アルキド樹脂やアクリル樹脂に比べると、塗膜硬度
や耐汚染性、耐溶剤性などが劣るという問題があった。
【0004】例えば、冷蔵庫や電子レンジなどの家電製
品の外板用塗料の場合、成形時の加工性に加えて、食品
などによる汚れが容易に取れて跡が残らない耐汚染性が
要求されるが、前記のように、アルキド樹脂やアクリル
樹脂は高度の加工性に欠け、ポリエステル樹脂は、硬
度、耐汚染性、耐溶剤性などに欠けるという問題があっ
た。
【0005】本発明は、上記のような事情を鑑み、ポリ
エステル樹脂の有する優れた加工性を維持しつつ、硬
度、耐汚染性、耐溶剤性などが優れた塗料樹脂組成物を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するため鋭意研究を重ねた結果、次の(A)、
(B)および(C)の各成分 (A)ガラス転移点−15℃〜40℃、数平均分子量3
000〜30000のポリエステル樹脂 (B)数平均分子量400〜1000のメラミン樹脂 (C)カーバメイト基含有メラミン樹脂 を重量比で(A)/〔(B)+(C)〕=85〜60/
15〜40の割合で配合し、かつ全メラミン樹脂
〔(B)+(C)〕中に(C)成分のカーバメイト基含
有メラミン樹脂を10〜90重量%含有し、(A)成分
のポリエステル樹脂と(B)成分のメラミン樹脂と
(C)成分のカーバメイト基含有樹脂との総量100重
量部に対して有効成分で0.1〜1.5重量部の酸触媒
を配合してなる塗料樹脂組成物が上記課題を解決するこ
とができることを見出し、本発明に完成するにいたっ
た。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の塗料樹脂組成物における
(A)成分のポリエステル樹脂の多塩基酸成分として
は、例えば、オルトフタル酸、イソフタル酸、テレフタ
ル酸などの芳香族ジカルボン酸、ヘキサヒドロフタル
酸、テトラヒドロフタル酸、1,3−シクロヘキサンジ
カルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ダ
イマ−酸などの脂環族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク
酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、
スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカル
ボン酸、ドデカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボ
ン酸などの脂肪族ジカルボン酸、それらの酸無水物、そ
れらの低級アルコールエステルなどの誘導体などが挙げ
られる。
【0008】一方、ポリオール成分としては、例えば、
エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,
3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,
4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5
−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,
8−オクタンジオール、ジエチレングリコール、1,1
0−オクタンジオール、ポリエチレングリコール、ジプ
ロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、2,
2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−n−ブ
チル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、水添ビ
スフェノールAなどのジオール類や、トリメチロールプ
ロパン、トリメチロールエタン、グリセリン、ペンタエ
リスリトールなどの3官能以上のポリオールなどが挙げ
られる。
【0009】本発明において、(A)成分のポリエステ
ル樹脂は、ガラス転移点が−15℃〜40℃であること
が必要である。ポリエステル樹脂のガラス転移点が−1
5℃より低い場合は、塗膜の強度が低下し、また、ポリ
エステル樹脂のガラス転移点が40℃より高い場合は、
塗膜の光沢が低下したり、塗料の調製にあたって多量の
溶剤を使用しなければならず、そのため、塗装効率が低
下する。そして、このポリエステル樹脂のガラス転移点
としては、特に5℃〜25℃が好ましく、10℃〜25
℃がより好ましい。
【0010】また、上記ポリエステル樹脂は、数平均分
子量が3000〜30000であることが必要である。
ポリエステル樹脂の数平均分子量が3000より小さい
場合は、塗膜が脆弱化して塗膜の強度が低下し、また、
ポリエステル樹脂の数平均分子量が30000より大き
い場合は、塗膜の光沢が低下したり、塗料の調製にあた
って多量の溶剤を使用しなければならず、そのため、塗
装効率が低下する。そして、このポリエステル樹脂の数
平均分子量としては、特に10000〜27000が好
ましく、12000〜27000がより好ましい。
【0011】このポリエステル樹脂の製造方法は、通常
のエステル化反応、すなわち、重縮合反応によればよ
く、常圧下、減圧下のいずれによってもよい。そして、
分子量の調整は、適宜に反応終点の調整で行えばよい。
反応終了後、得られたポリエステル樹脂は溶剤に溶解し
て樹脂溶液としておくことが好ましい。
【0012】溶剤としては、ポリエステル樹脂を希釈可
能のものであればいずれも使用でき、例えば、トルエ
ン、キシレン、ソルベッソ♯100(商品名、エクソン
社製)、ソルベッソ♯150(商品名、エクソン社製)
などの芳香族炭化水素系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル
などのエステル系溶剤、メタノール、エタノール、ブタ
ノールなどのアルコール系溶剤、シクロヘキサノン、イ
ソホロンなどのケトン系溶剤、セロソルブ、セロソルブ
アセテート、ブチルセロソルブなどのセロソルブ系溶剤
の一種または二種以上の混合系を使用することができ
る。
【0013】本発明において、(B)成分のメラミン樹
脂は数平均分子量が400〜1000であることが必要
である。メラミン樹脂の数平均分子量が400より小さ
い場合は、濡れ性が悪くなり、塗装作業性などが悪くな
り、また、メラミン樹脂の数平均分子量が1000より
大きい場合は、耐汚染性が低下する。そして、このメラ
ミン樹脂の数平均分子量としては、特に400〜600
が好ましい。
【0014】この(B)成分のメラミン樹脂としては、
例えば、ヘキサメトキシメチロール化メラミン樹脂、混
合アルキル基型メラミン樹脂、イミノ基型メラミン樹脂
などが挙げられ、これらは数平均分子量が400〜10
00であればいずれも使用することができ、それぞれ単
独での使用はもとより、2種以上の併用もすることがで
きるが、特に数平均分子量400〜600のヘキサメト
キシメチロール化メラミン樹脂が好ましい。
【0015】(C)成分のカーバメイト基含有メラミン
樹脂は、下記の構造式(I)で示される。
【化1】 (式中、Rはメチル基またはブチル基であり、ブチル成
分は58〜66%であり、数平均分子量は360〜39
0である)
【0016】本発明において、前記(B)成分のメラミ
ン樹脂に加えて、この(C)成分のカーバメイト基含有
メラミン樹脂を用いるのは、焼付過程時に塗膜表面に向
かって(C)成分のカーバメイト基含有メラミン樹脂を
濃化させ、塗膜表面で(B)成分のメラミン樹脂と強固
な架橋層を形成させて、塗膜の耐溶剤性、耐汚染性、硬
度を向上させるためであるが、この(C)成分のカーバ
メイト基含有メラミン樹脂の全メラミン樹脂〔つまり、
(B)成分のメラミン樹脂と(C)成分のカーバメイト
基含有メラミン樹脂とをあわせたもの=(B)+
(C)〕中における含有率は、10〜90重量%であ
る。(C)成分のカーバメイト基含有メラミン樹脂の含
有率が全メラミン樹脂中で10重量%より少ない場合
は、硬度、耐汚染性などが低下し、また、(C)成分の
カーバメイト基含有メラミン樹脂の含有率が全メラミン
樹脂中で90重量%より多い場合は、耐溶剤性が低下す
る。そして、この(C)成分のカーバメイト基含有メラ
ミン樹脂の全メラミン樹脂中における含有率としては、
特に30〜90重量%が好ましく、30〜80重量%が
より好ましい。なお、(C)成分のカーバメイト基含有
メラミン樹脂の全メラミン樹脂中の10〜90重量%と
いう含有率は、塗料樹脂組成物の調製にあたっての配合
時に満足していればよく、それ以後に上記範囲から外れ
ることがあってもよい。
【0017】(A)成分のポリエステル樹脂の全メラミ
ン樹脂〔(B)成分のメラミン樹脂+(C)成分のカー
バメイト基含有メラミン樹脂〕に対する割合、つまり、
(A)/〔(B)+(C)〕は重量比で85〜60/1
5〜40であり、特に65/35〜80/20が好まし
い。(A)成分のポリエステル樹脂の全メラミン樹脂に
対する割合が上記範囲より少ない場合は、加工性などが
低下したり、(A)成分のポリエステル樹脂の全メラミ
ン樹脂に対する割合が上記範囲より多い場合は、耐汚染
性などが低下する。
【0018】本発明において用いる酸触媒としては、特
に限定されることなく各種のものを用いることができる
が、具体的には、例えば、リン(燐)酸、リン酸モノア
ルキルエステル、ドデシルベンゼンスルホン酸、パラト
ルエンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸、
メタンスルホン酸などや、それらをモルホリン、n−メ
チルピペリジン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパ
ノールなどのアミン化合物やエポキシ樹脂でブロックし
たものなどが挙げられ、それぞれ単独での使用はもとよ
り、2種以上の併用もすることができるが、特にドデシ
ルベンゼンスルホン酸が好ましい。
【0019】酸触媒の配合量は、基材樹脂量、すなわ
ち、(A)成分のポリエステル樹脂と(B)成分のメラ
ミン樹脂と(C)成分のカーバメイト基含有メラミン樹
脂との総量〔つまり、(A)+(B)+(C)〕100
重量部に対して有効成分で0.1〜1.5重量部であ
り、特に0.3〜1重量部が好ましい。
【0020】酸触媒の配合量が上記範囲より少ない場合
は、耐汚染性などが低下し、酸触媒の配合量が上記範囲
より多い場合は、加工性などが低下する。
【0021】本発明において、ポリエステル樹脂の有す
る優れた加工性を維持しつつ、硬度、耐汚染性、耐溶剤
性などを向上させることができる理由としては、次のよ
うに考えられる。すなわち、(A)成分のポリエステル
樹脂の官能基に対して化学量論的に(B)成分のメラミ
ン樹脂や(C)成分のカーバメイト基含有メラミン樹脂
が大過剰に存在しており、その状態で酸触媒存在下にお
いて最初に(A)成分のポリエステル樹脂と(B)成分
のメラミン樹脂とが反応し、その後、過剰のメラミン樹
脂と(C)成分のカーバメイト基含有メラミン樹脂が塗
膜表面に向かって濃化して架橋層を形成するため、塗膜
表面は、耐汚染性、耐溶剤性などが優れたものになり、
かつ、カーバメイト結合を有するので、硬度、耐傷付性
などが優れたものになり、一方、塗膜内部は、硬度が塗
膜表面に比べてさほど高くならないため、優れた加工性
が維持されるものと考えられる。
【0022】なお、酸触媒の使用にあたって、同じ有効
成分の配合量では、アミン化合物やエポキシ樹脂でブロ
ックした酸触媒より、それらでブロックしていない酸触
媒の方が耐汚染性がやや優れたものになる。
【0023】本発明の塗料樹脂組成物は、例えば、芳香
族炭化水素、エステル、ケトン、エーテル類などの溶剤
で塗装に適した粘度に調整して使用することができ、ま
た、その際、必要に応じて、顔料、アルミニウム、分散
剤、樹脂ビーズ、レベリング剤、消泡剤、スベリ剤など
を添加して使用することもできる。すなわち、本発明の
塗料樹脂組成物は、顔料を含まないクリアー塗料の状態
にして使用することができるし、また、顔料を配合した
ペイント塗料の状態にして使用することができる。
【0024】そして、本発明の塗料樹脂組成物は、溶剤
で適した粘度に調整して、例えば、鉄、非鉄金属、メッ
キ鋼板などの金属表面にロール塗装、カーテンロールコ
ーター塗装などの公知の塗装方法で塗装することがで
き、塗装後、乾燥、焼付によって、それらの金属表面に
加工性、光沢、硬度、耐汚染性、耐溶剤性などが優れた
塗膜を形成することができる。
【0025】
【実施例】つぎに、実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明する。ただし、本発明はそれらの実施例に例示し
たもののみに限られることはない。
【0026】実施例1 (A)成分のポリエステル樹脂の合成 温度計、窒素導入管、環流脱水装置および攪拌装置を備
えたフラスコに、テレフタル酸ジメチル339.5重量
部(多塩基酸成分の35モル%)、エチレングリコール
121.2重量部(ポリオール成分の34モル%)、ネ
オペンチルグリコール209.3重量部(ポリオール成
分の30モル%)、2−n−ブチル−2−エチル−1,
3−プロパンジオール246.0重量部(ポリオール成
分の35モル%)、トリメチロールエタン4.6重量部
(ポリオール成分の1モル%)およびチタンテトラブト
キシド0.2重量部を仕込み、加熱し原料が溶融すれば
攪拌を開始して160℃から3時間で210℃まで昇温
し、生成するメタノールを系外に留去した。その後、イ
ソフタル酸290.5重量部(多塩基酸成分の35モル
%)およびセバチン酸303.0重量部(多塩基酸成分
の30モル%)を仕込み、再度240℃まで徐々に昇温
し240℃で5時間保温して生成する水を系外に留去し
た。つぎに、260℃に昇温し、133.32Paの減
圧下で3時間縮合反応を行った。反応後、180℃まで
冷却し、ソルベッソ♯150(商品名、エクソン社製の
シンナー)900.0重量部およびシクロヘキサノン9
00.0重量部を加え、均一に溶解してガラス転移点1
2℃、数平均分子量25000、不揮発分40%のポリ
エステル樹脂組成物A−1を得た。このポリエステル樹
脂組成物A−1の組成(ただし、モノマー成分の組成)
および特性(ただし、ポリエステル樹脂そのもののガラ
ス転移点および数平均分子量)を表1に示す。また、以
下同様にして表1および表2に組成および特性を示す9
種類のポリエステル樹脂を合成してポリエステル樹脂組
成物A−2〜A−10を得た。なお、表1および表2に
おいては、スペース上の関係でモノマー成分の配合量の
単位を示していないが、単位はいずれもモル%である。
また、表1および表2においては、スペース上の関係で
モノマーの名称を以下に示すように記号化して示す。
【0027】多塩基酸成分: DTF :テレフタル酸ジメチル IPA :イソフタル酸 Pa :無水フタル酸 HHPA :ヘキサヒドロフタル酸 TMa :無水トリメット酸 SeA :セバチン酸 AdA :アジピン酸 MA :マレイン酸 ポリオール成分: EG :エチレングリコール NPG :ネオペンチグルコール BEPG :2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プ
ロパンジオール 1,5PD:1,5−ペンタンジオール 1,6HD:1,6−ヘキサンジオール TMP :トリメチロールプロパン TME :トリメチロールエタン
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】得られたポリエステル樹脂組成物A−1〜
A−10のそれぞれに表3〜表8に示すようにシンナー
を加え、酸化チタンを分散後、メラミン樹脂、カーバメ
イト基含有メラミン樹脂、酸触媒およびレベリング剤を
配合して実施例1〜15および比較例1〜14の塗料樹
脂組成物を調製した。なお、表3〜表8の配合量を示す
数値の単位は重量部であり、樹脂成分に関しては固形分
量で示しており、酸触媒に関しては有効成分量で示して
いる。
【0031】上記塗料樹脂組成物を塗付するための素地
としては、板厚0.4mmのクロメート処理した電気亜
鉛メッキ鋼板にエポキシ変性ポリエステル樹脂プライマ
ー〔コイルコート31プライマー(商品名)、川上塗料
(株)製〕を乾燥膜厚が5μmになるように塗付し、板
温204℃で30秒間焼付硬化したものを用い、この素
地に上記塗料樹脂組成物を乾燥膜厚が20μmになるよ
うに塗付し、板温224℃で55秒間焼き付けることに
よって素地上に塗膜を形成し、これを試験板として、塗
膜の光沢、硬度、加工性、耐汚染性(赤色マジックイン
クと黒色マジックインクに対する耐汚染性)および耐溶
剤性を調べた。その結果を表3〜表8に示す。なお、上
記実施例1〜15および比較例1〜14の塗料樹脂組成
物の調製にあたって使用したメラミン樹脂、カーバメイ
ト基含有メラミン樹脂、酸触媒は下記の通りである。
【0032】メラミン樹脂(下記B−1〜B−5の5種
類) B−1:ヘキサメトキシメチロール化メラミン樹脂、数
平均分子量510、サイメル303(商品名)、三井サ
イテック社製 B−2:イミノ基型メラミン樹脂、数平均分子量45
0、サイメル712(商品名)、三井サイテック社製 B−3:メチル−ブチル混合アルキル基型メラミン樹
脂、数平均分子量860、サイメル236(商品名)、
三井サイテック社製 B−4:イソブチル化メラミン樹脂、数平均分子量17
30、メラン2650L(商品名)、日立化成社製 B−5:ブチル化メラミン樹脂、数平均分子量180
0、ユーバン20SE(商品名)、三井サイテック社製
【0033】カーバメイト基含有メラミン樹脂 CYLINK2000(商品名)、三井サイテック社
製、化学構造式は前記構造式(I)に示す通りであり、
ブチル成分は58〜66%で、数平均分子量は360〜
390である。
【0034】酸触媒(下記D−1〜D−3の3種類) D−1:ドデシルベンゼンスルホン酸 D−2:ドデシルベンゼンスルホン酸を2−アミノ−2
−メチル−1−プロパールでブロックした酸触媒 D−3:ドデシルベンゼンスルホン酸をエポキシ樹脂で
ブロックした酸触媒
【0035】そして、使用したシンナー、酸化チタン、
レベリング剤は、それぞれ下記の通りである。 シンナー :シクロヘキサノン/ソルベッソ♯150
(商品名、エクソン社製)=1/1 酸化チタン :CR−50(商品名)、石原産業社製 レベリング剤:BYK−320(商品名)、ビックケミ
ー社製
【0036】また、光沢、硬度、加工性、耐汚染性およ
び耐溶剤性の評価方法は、それぞれ下記の通りである。
【0037】光沢:60度鏡面光沢度をJIS−K−5
400に規定の方法に従い測定する。
【0038】硬度:鉛筆硬度をJIS−K−5400に
規定の方法に従い測定する。
【0039】加工性:試験片をその塗膜面を外側にして
25℃でT字状に折り曲げ、その折り曲げ面を倍率15
倍のルーペでクラックの有無を調べることによって評価
する。評価結果は折り曲げ部のクラックが無い枚数(試
験片の枚数)で表示する。
【0040】耐汚染性:赤色マジックインキ(登録商
標)と黒色のママジックインキのそれぞれを塗膜に塗付
し、24時間後、n−ブタノールで拭き、塗膜上に残存
する汚染の程度を評価する。評価結果は下記の基準で記
号化して表示する。 ◎:痕跡が認められない。 〇:痕跡がわずかに残っている。 △:かなり痕跡が残っている。
【0041】耐溶剤性:フェルトにメチルエチルケトン
を含ませ、ラビングテスターで1kgの荷重をかけつつ
試験板の塗膜表面に上記メチルエチルケトンを含ませた
フェルトを1秒間に1往復させる速度で往復させて素地
が見えるか否かで評価する。評価結果は下記の基準によ
り記号化して表示する。 〇:100回往復させても素地が見えないもの △:50回往復させた段階で素地が見えるもの ×:30回往復させた段階で素地が見えるもの
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】
【表5】
【0045】
【表6】
【0046】
【表7】
【0047】
【表8】
【0048】表3〜表5に示す結果から明らかなよう
に、実施例1〜15は、光沢、硬度、加工性、耐汚染
性、耐溶剤性のいずれに関しても特性が優れていた。す
なわち、光沢に関しては、60度鏡面光沢度が87〜9
3の範囲内にあって80を越えており、硬度は鉛筆硬度
でHから2Hの範囲内にあり、加工性に関しては、T字
状折り曲げテストで0T〜1Tの範囲内であって、加工
性が優れており、耐汚染性に関しては評価結果がいずれ
も◎であって、耐汚染性が優れており、耐溶剤性に関し
ては評価結果がいずれも〇であってメチルエチルケトン
を含ませたフェルトが塗膜表面を100回往復しても素
地が現れず、耐溶剤性が優れていた。
【0049】これに対して、比較例1〜14は、表6〜
表8に示すように、光沢、硬度、加工性、耐汚染性、耐
溶剤性のいずれかの項目、または2以上の項目で劣って
いた。すなわち、比較例1は、(C)成分のカーバメイ
ト基含有メラミン樹脂を含んでいないため、耐汚染性、
耐溶剤性が劣っていた。比較例2は、メラミン樹脂の数
平均分子量が本発明で規定する範囲より大きかったた
め、加工性、耐汚染性、耐溶剤性が劣っていた。比較例
3は、(C)成分のカーバメイト基含有メラミン樹脂を
含んでいないため、耐汚染性、耐溶剤性が劣っていた。
比較例4は、(C)成分のカーバメイト基含有メラミン
樹脂を含んでいないため、耐汚染性、耐溶剤性が劣って
いた。比較例5は、(C)成分のカーバメイト基含有メ
ラミン樹脂を含んでいないため、耐汚染性、耐溶剤性が
劣っていた。比較例6は、(C)成分のカーバメイト基
含有メラミン樹脂を含んでいないため、耐汚染性が劣
り、また、使用したメラミン樹脂の数平均分子量が大き
くてポリエステル樹脂との相溶性が悪いため、光沢、加
工性が劣っていた。
【0050】比較例7は、メラミン樹脂の数平均分子量
が本発明で規定する範囲より大きかったため、耐汚染性
が劣っていた。比較例8は、(A)成分のポリエステル
樹脂の全メラミン樹脂に対する割合が本発明で規定する
範囲より少なかったため、加工性が劣っていた。比較例
9は、(A)成分のポリエステル樹脂の全メラミン樹脂
に対する割合が本発明で規定する範囲より多かったた
め、光沢、硬度、耐汚染性、耐溶剤性が劣っていた。こ
の比較例9の光沢が20と非常に悪かったのは、塗膜が
収縮したためである。
【0051】比較例10は、(A)成分のポリエステル
樹脂のガラス転移点が本発明で規定する範囲より高かっ
たため、加工性が劣っていた。比較例11は、(A)成
分のポリエステル樹脂のガラス転移点が本発明で規定す
る範囲より低かったため、硬度が低く、耐汚染性が劣っ
ていた。比較例12は、(C)成分のカーバメイト基含
有メラミン樹脂(C)を含んでいないため、耐汚染性、
耐溶剤性が劣っていた。比較例13は、(A)成分のポ
リエステル樹脂の数平均分子量が本発明で規定する範囲
より小さかったため、塗膜が脆弱化して加工性が劣って
いた。比較例14は、(A)成分のポリエステル樹脂の
数平均分子量が本発明で規定する範囲より大きかったた
め、光沢が劣っていた。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、加工
性が優れ、かつ光沢、硬度、耐汚染性、耐溶剤性が優れ
た塗料樹脂組成物を提供することができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小原 利通 東京都江戸川区松江1丁目3番15号 川上 塗料株式会社東京工場内 (72)発明者 村田 泰通 東京都江戸川区松江1丁目3番15号 川上 塗料株式会社東京工場内 Fターム(参考) 4J038 DA162 DD071 DD081 HA406 JB09 JB30 JB39 JC13 JC29 KA04 LA03 MA06 MA09 NA01 NA04 NA05 NA11 NA23 PA19 PB07 PC02

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の(A)、(B)および(C)の各成
    分 (A)ガラス転移点−15℃〜40℃、数平均分子量3
    000〜30000のポリエステル樹脂 (B)数平均分子量400〜1000のメラミン樹脂 (C)カーバメイト基含有メラミン樹脂 を重量比で(A)/〔(B)+(C)〕=85〜60/
    15〜40の割合で配合し、かつ全メラミン樹脂
    〔(B)+(C)〕中に(C)成分のカーバメイト基含
    有メラミン樹脂を10〜90重量%含有し、(A)成分
    のポリエステル樹脂と(B)成分のメラミン樹脂と
    (C)成分のカーバメイト基含有メラミン樹脂との総量
    100重量部に対して酸触媒を有効成分で0.1〜1.
    5重量部配合したことを特徴とする塗料樹脂組成物。
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