JP5103444B2 - 遊星歯車減速装置 - Google Patents

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Description

本発明は、遊星歯車減速装置に関する。
例えば、特許文献1において、図8に示されるような遊星歯車減速装置が開示されている。
この遊星歯車減速装置10は、3枚の外歯歯車11〜13と、該外歯歯車11〜13が内接噛合する内歯歯車14とを備え、外歯歯車11〜13と内歯歯車14との相対回転成分を出力として取り出す構成とされている。
図示せぬモータによって入力軸16が回転すると、該入力軸16の外周に一体形成された偏心体17〜19が回転する。偏心体17〜19の外周は入力軸16の軸心に対して偏心しているため、入力軸16が1回転すると該偏心体17〜19の外周に組み込まれている外歯歯車11〜13がそれぞれ1回揺動する。この結果、内歯歯車14と各外歯歯車11〜13の噛合位置がそれぞれ円周方向に順次ずれ、内歯歯車14に対して各外歯歯車11〜13が両歯車の歯数差に相当する分だけ相対的に回転する。
一方、外歯歯車11〜13には内ピン孔11A〜13Aがそれぞれ貫通形成されており、該内ピン孔11A〜13Aには、内ローラ20及び内ピン22が遊嵌している。外歯歯車11〜13の軸方向両側には、第1、第2キャリヤ24、26が配置され、内ピン22を介して連結ボルト28によって連結されている。第1、第2キャリヤ24、26は第1、第2主軸受30、32によってケーシング34に支持されている。
内歯歯車14に対する前記各外歯歯車11〜13の相対回転は、該外歯歯車11〜13を貫通している内ピン22及び内ローラ20を介して第1、第2キャリヤ24、26から取り出される。この結果、(内歯歯車14と外歯歯車11〜13の歯数差)/(外歯歯車11〜13の歯数)に相当する大きな減速比の減速を、1段で実現することができる。なお、外歯歯車11〜13の揺動成分は、内ピン孔11A〜13Aと内ピン22(内ローラ20)との遊嵌(隙間のある嵌合)によって吸収される。
特開2006−292065号公報
この種の構造では、強度上、最もネックになるのは、内ピン22の根元22Aの部分である。内ピン22の根元22Aの強度を高めるには、該内ピン22の径22d1を大きくしたり、内ピン22の軸心O1の軸心円径22R1を大きくしたりする手法が効果的である。しかし、従来の構造では、内ピン22の径22d1や軸心円径22R1を大きくしようとすると、特に、第2キャリヤ26の第2主軸受32の内輪軌道面32Aと第2キャリヤ26の内ピン凹部26Aとの間の寸法L2の確保が、困難になるという問題が生じた。この寸法L2は、第2主軸受32の内輪軌道面32Aを支持する部位の「半径方向厚さ」に相当しているため、十分な大きさを確保する必要がある。しかし、内ピン22の径22d1や軸心円径22R1を大きくしようとすると、必然的に、この寸法L2はより減少する傾向となる。
そのため、この寸法L2に関して十分な大きさを確保しながら、内ピン22の根元22Aの強度を高く確保しようとすると、結果として、減速装置全体の半径方向寸法をより大きくせざるを得ないことも多々あった。
本発明は、このような従来の問題を解消するためになされたものであって、減速機全体の半径方向寸法を徒に増大することなく、主軸受付近の強度を維持した上で、一対のキャリヤを連結する柱部(内ピン)の強度をより向上させることをその課題としている。
本発明は、外歯歯車と、該外歯歯車が内接噛合する内歯歯車とを備え、前記外歯歯車と内歯歯車との相対回転成分を出力として取り出す遊星歯車減速装置において、前記外歯歯車の軸方向両側に配置される一対のキャリヤと、前記外歯歯車を貫通して前記一対のキャリヤを連結する柱部と、を備え、前記柱部は、前記キャリヤに嵌入・固定される嵌入端部と、前記外歯歯車を貫通している本体部と、を有し、且つ、該本体部の軸心の軸心円径よりも、前記嵌入端部の軸心の軸心円径の方を小さく形成した構成とすることにより、上記課題を解決したものである。
ここで、本体部の軸心の軸心円径とは、遊星歯車減速装置の軸心を中心とし本体部の軸心を通る円の半径を意味し、嵌入端部の軸心の軸心円径とは、遊星歯車減速装置の軸心を中心とし嵌入端部の軸心を通る円の半径を意味している。
本発明によれば、従来両立が困難であった、一対のキャリヤを連結する柱部の強度確保と、主軸受付近の強度の確保(特に内輪軌道面とキャリヤの内ピン凹部との間の寸法(従来例でいう寸法L2)の確保)とを、減速機全体の径方向寸法を増大させることなく良好に両立させることができる。
即ち、本発明では、上述した課題(設計上のジレンマ)を内ピン凹部の「減速装置半径方向内側」のスペースに着目して解決した。具体的には、従来、同一の軸心を有する一体の部材として設計されていた内ピンの本体部と嵌入端部とを、別部材としてとらえて、軸心を含めて別々に設計することに着想したものである。即ち、本発明では、柱部の(外歯歯車を貫通している)本体部の軸心の軸心円径よりも、(キャリヤへの)嵌入端部の軸心の軸心円径の方を小さく形成するようにする。後に詳述するように、この構成によれば、さまざまなバリエーションの設計を行うことができ(設計の自由度が高まり)、特に、主軸受付近の強度の確保が容易となり、結果として、支障なく、ネックとなる柱部の根元部分の強度をより高めることができるようになる。
本発明によれば、減速機全体の半径方向寸法を徒に増大することなく、主軸受付近の強度を維持した上で、一対のキャリヤを連結する柱部の強度をより向上させることができる。
本発明の実施形態の一例に係る遊星歯車減速装置の断面図 図1の矢視II−II線に沿う断面図 上記実施形態で採用されている(柱部たる内ピンが一体化された)第1キャリヤを抜き出して示した(A)正面図及び(B)側面図 内ピン(柱部)の嵌入端部の変形例を示す部分拡大正面図 本発明の他の実施形態の一例に係る遊星歯車減速装置の断面図 図4の矢視VI−VI線に沿う断面図 上記他の実施形態で採用されている(柱部たるキャリヤピンが一体化された)第1キャリヤを抜き出して示した(A)正面図及び(B)側面図 従来の遊星歯車減速装置の一例を示す部分断面図
以下図面に基づいて、本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態の一例に係る遊星歯車減速装置を示す断面図、図2は、図1の矢視II−II線に沿う断面図である。
この遊星歯車減速装置40は、入力軸42、3つの偏心体44〜46、3枚の外歯歯車51〜53、及び内歯歯車56を備え、外歯歯車51〜53を揺動させることにより、外歯歯車51〜53と内歯歯車56との相対回転成分を出力として取り出す構成とされている。この構成は、基本的に前述した従来例と同様である。
但し、この実施形態では、図2に示されるように、内歯歯車56の内歯は、円弧状の溝56Aに1つ置きに組み込まれた円筒状の外ピン56Bによって構成されている。このような構成でも、外ピン56Bが全ての溝56Aに配置されている場合に比べ、伝達容量は若干低下するものの、外歯歯車51〜53と内歯歯車56の機構学的な相対運動(減速の原理)としては同等なものが得られる。機構学的内歯の数は、溝56Aの数となる。溝56Aの数(この例では60)は、各外歯歯車51〜53の外歯の数(この例では59)より1だけ多い。
図1に戻って、外歯歯車51〜53の軸方向両側には、第1、第2キャリヤ62、64が配置されている。外歯歯車51〜53には内ピン孔51A〜53Aがそれぞれ貫通形成されており、該内ピン孔51A〜53Aに、内ローラ58及び内ピン(柱部)60が遊嵌している。第1、第2キャリヤ62、64は、該内ピン60によって連結されている。具体的には、内ピン60の一端は、第1キャリヤ62と一体化されている。内ピン60の他端は、第2キャリヤ64の内ピン凹部64Aに嵌入される嵌入端部60Eを備える。
即ち、内ピン60は、第1キャリヤ62から軸方向に突出した状態とされ、第2キャリヤ64に嵌入・固定される嵌入端部60Eと、外歯歯車51〜53を貫通している本体部60Bとを有していることになる。内ピン60は、この嵌入端部60Eが、内ピン凹部64Aに嵌入(本実施形態においては圧入)された上で、連結ボルト72を介して第2キャリヤ64と連結されている。内ピン(柱部)60のより具体的な構成については後に詳述する。
第1、第2キャリヤ62、64は、このように内ピン60によって連結され、それぞれ第1、第2主軸受66、68を介して(内歯歯車56と一体化された)ケーシング70に回転自在に支持されている。この第1、第2主軸受66、68は内輪を有していない。即ち、第1、第2キャリヤ62、64の外周面62B、64Bが第1、第2主軸受66、68の内輪軌道面を兼ねている。
ここで、図3を合わせて参照しながら、内ピン(柱部)60の構成について詳細に説明する。図3は、本実施形態で採用されている(柱部たる内ピン60が一体化された)第1キャリヤ62を抜き出して示したもので、(A)は正面図、(B)は側面図である。
内ピン60の嵌入端部60Eの軸心Oeの該嵌入端部60Eの軸心円径ERは、本体部60Bの軸心Obの軸心円径BRよりも、ずれ量δRだけ小さく形成されている(BR−ER=δR)。ここで、「嵌入端部60Eの軸心Oeの軸心円径ER」とは、遊星歯車減速装置40の軸心(この例の場合、入力軸42の軸心Ogと一致)を中心とし嵌入端部60Eの軸心Oeを通る円の半径を意味している。また、「本体部60Bの軸心Obの軸心円径BR」とは、遊星歯車減速装置40の軸心Ogを中心とし本体部60Bの軸心Obを通る円の半径を意味している。また、嵌入端部60Eの半径Erは、本体部60Bの半径Brより半径差δrだけ小さく形成されている(Br−Er=δr)。
連結ボルト72は、(本体部60Bの軸心Obではなく)嵌入端部60Eの軸心Oe上にねじ込まれ、第2キャリヤ64と該嵌入端部60Eとを連結・固定している。
次に、この遊星歯車減速装置40の作用を説明する。
図示せぬモータによって入力軸42が回転すると、該入力軸42の外周に一体形成された偏心体44〜46が回転する。偏心体44〜46の外周は入力軸42の軸心Ogに対して偏心しているため、入力軸42が1回転すると、該偏心体44〜46の外周に組み込まれている外歯歯車51〜53がそれぞれ1回揺動する。この結果、内歯歯車56と各外歯歯車51〜53の噛合位置がそれぞれ円周方向に順次ずれ、内歯歯車56に対して各外歯歯車51〜53が両歯車の歯数差に相当する分だけ相対的に回転する。
内歯歯車56に対する各外歯歯車51〜53の相対回転は、該外歯歯車51〜53を貫通している内ピン60及び内ローラ58を介して第1、第2キャリヤ62、64から取り出される。この結果、(内歯歯車56と外歯歯車51〜53の歯数差)/(外歯歯車51〜53の歯数)に相当する大きな減速比の減速を1段で実現することができる。この実施形態では、内歯歯車56の歯数は、前述したように溝56Aの数に対応しているため、「60」であり(図2参照)、一方、各外歯歯車51〜53の外歯の数は、「59」であるため、結局、この遊星歯車減速装置40の減速比は(60−59)/59=1/59である。なお、外歯歯車51〜53の揺動成分は、内ピン孔51A〜53Aと内ピン60(内ローラ58)との遊嵌(隙間のある嵌合)によって吸収される。
次に、内ピン(柱部)60の構成に基づく作用に着目して説明する。
図3に示されるように、この実施形態では、内ピン60の嵌入端部60E軸心Oeの軸心円径ERは、本体部60Bの軸心Obの軸心円径BRよりもずれ量δRだけ小さく形成されている。また、嵌入端部60Eの半径Erは、本体部60Bの半径Brより半径差δrだけ小さく形成されている。このため、第2キャリヤ64の嵌入端部60Eの半径方向外側には、該半径差δrに加えて、軸心のずれ量δRだけ更に大きく確保できることになり、結果として、外側段差寸法ΔP=(δr+δR)の分だけ、嵌入端部60Eにおける遊星歯車装置半径方向外側に、より多くのスペースを確保できる。
そのため、第2主軸受68付近の強度的問題の発生を回避しつつ、結果として、内ピン60の本体部60Bの軸心円径BRや本体部60Bの半径Brをより大きくすることが可能となる。即ち、遊星歯車減速装置40の半径方向の寸法を増大させることなく、且つ第2主軸受68付近の強度を維持しつつ、内ピン60の強度をより高めることができるようになる。
なお、この例では、δr>δRであるため、第2キャリヤ64の嵌入端部60Eの減速装置半径方向内側には、本体部60Bの同内側に対して内側段差寸法ΔQ=(δr−δR)の分だけ半径方向スペースがより多く存在することになる。この内側段差寸法ΔQは、半径差δrとずれ量δRの設定により、プラスの値とすることも、マイナスの値とすることも、また、「零」とすることもできる。外側段差寸法ΔPと内側段差寸法ΔQの設定例については、図4を用いて後に詳述する。
更に、この実施形態では、第2キャリヤ64の外周面64Bが第2主軸受68の内輪軌道面を兼ねているため、(嵌入端部60Eの外周から)該外周面(内輪軌道面)64Bまでの寸法L2を一層効率的に確保することができる。
また、連結ボルト72は、(本体部60Bの軸心Obではなく)嵌入端部60Eの軸心Oeにねじ込まれているため、連結ボルト72は、嵌入端部60Eの中央に存在する。このため、内ピン60と第2キャリヤ64との連結強度は、嵌入端部60Eのどの半径方向に対しても良好に確保されている。
図4に、外側段差寸法ΔP及び内側段差寸法ΔQの設定例を纏めて示す。
図4の(A)は、上記実施形態の設定例に相当するものである。既に説明したように、この設定例では、本体部60B1の半径Br1よりも嵌合端部60E1の半径Er1の方が小さい(Br1>Er1)。また、本体部60B1の半径Br1と嵌入端部60Eの半径Er1との半径差δr1より、軸心Ob1とOe1のずれ量δR1の方が小さい(δr1>δR1)。この場合、外側段差寸法ΔP1は、(δr1+δR1)となり、内側段差寸法ΔQ1は、(δr1−δR1)となる。δr1>δR1であるため、内側段差寸法ΔQ1は、「正」となり、嵌入端部60E1の減速装置半径方向内側の位置Ex1は、本体部60B1の減速装置半径方向内側の位置Bx1よりも大きく(外側)なる。
この設定例は、ずれ量δR1が比較的小さいため、従来より外側段差寸法ΔP1を大きく確保することを可能としながら、本体部60B1において外歯歯車51〜53側から受けるモーメント荷重が該本体部60B1と嵌入端部60E1との境界部分60K1に集中する度合を小さく抑えることができる。また、この設定例では、本体部60B1の端面内に嵌合端部60E1がそっくり納まっていることから、内ピン60の加工が容易である。
図4の(B)は、本体部60B2の半径Br2より嵌入端部60E2の半径Er2が軸心Ob2とOe2のずれ量δR2に相当する分だけ小さい場合、即ち、半径差δr2と、軸心のずれ量δR2が等しい場合(δr2=δR2の場合)を示している。このとき、外側段差寸法ΔP2は、(δr2+δR2)=2・δr2=2・δR2となり、内側段差寸法ΔQ2は、(δr2−δR2)=0となる。即ち、嵌入端部60E2の減速装置半径方向内側Ex2の位置は、本体部60Bの減速装置半径方向内側の位置Bx2と一致する。
この設定例は、嵌入端部60E2の減速装置半径方向内側の位置Ex2が、本体部60B2の減速装置半径方向内側の位置Bx2と一致していて段差がないため、この部分の応力集中を回避できる。また、この設定例も、本体部60B2の端面内に嵌合端部60E2が納まっていることから、内ピン60の加工が容易である。
図4の(C)は、本体部60B3の半径Br3と嵌入端部60E3の半径Er3が等しく、両者Br3とEr3の半径差δr3が「零」の場合を示している。この場合、外側段差寸法ΔP3は、軸心のずれ量δR3と等しくなり、内側段差寸法ΔQ3は、−δR3となる。即ち、本体部60B3に対して嵌入端部60E3の位置が、そっくり軸心Ob3とOe3のずれ量δR3だけ減速装置半径方向内側にシフトした状態となる。この設定例では、外側段差寸法ΔP3をちょうど軸心Ob3とOe3のずれ量δR3に相当する分だけ従来より大きく確保することが可能である。
図4の(D)は、本体部60B4の半径Br4よりも嵌入端部60E4の半径Er4の方が大きい例を示している(半径差δr4が「負」)。本体部60B4の半径Br4よりも嵌入端部60E4の半径Er4の方が大きくても、軸心ObとOeのずれ量δR4が半径差δr4より大きければ、外側段差寸法ΔP4は、(δR4−δr4)>0となり、結果として嵌入端部60E4の減速装置半径方向外側のスペースを従来より大きく確保できる。この設定例では、内側段差寸法ΔQ4は、ずれ量δR4と半径差δr4の合計分(δR4+δr4)だけ減速装置半径方向内側にずれるが、この部分に余裕があるときは、特に問題とならない。この設定例は、嵌入端部60E4での強度をむしろ増強させながら、嵌入端部60E4の減速装置半径方向外側のスペースを従来より大きく確保できる点で優れる。
このように、本発明では、本体部と嵌入端部の設定に関してさまざまな選択が可能であり、いずれの場合も、第2主軸受付近の強度を十分確保できる。そのため、結果として、内ピンの強度を、「支障なく」より増大することができるようになる。
なお、図4の(C)の例に見られるように、本発明では、本体部と嵌入端部の半径差(δr)については、必ずしも設定する必要はない(零でも良い)。図4の(D)の例のように、場合によっては、軸心のずれ量(δR)の大きさを超えない範囲ならば、嵌入端部の半径Erの方が本体部60Bの半径Brより大きく設定されていてもよい。
また、上記実施形態においては、遊星歯車減速装置の中央に配置した入力軸の外周に偏心体が形成されている例が示されていたが、本発明は、例えば、いわゆる振り分けタイプと称されるような構造の減速機構の柱部に対しても同様に適用できる。
図5〜図7にこの構造の減速機構の柱部に本発明を適用した例を示す。
この減速装置104の入力軸106には、伝動ピニオン108が形成されている。伝動ピニオン108は3個の振り分けギヤ130A〜130C(130Aのみ図示)と同時に噛合している。各振り分けギヤ130A〜130Cは、3本の偏心体軸144A〜144Cと一体化されている。
偏心体軸144Aは、該偏心体軸144Aの軸心から偏心した偏心体160A、162Aを備える。偏心体軸144B、144Cも同様に、偏心体160B、162B、偏心体160C、162C(偏心体160B、162B、160C、162Cは図示されていない。)を備える。
各偏心体軸144A〜144Cの軸方向同位置にある偏心体、例えば、偏心体軸144Aの偏心体160A、偏心体軸144Bの偏心体160B、及び偏心体軸144Cの偏心体160Cは、互いに同一の偏心位相で組み込まれている。また、偏心体軸144Aの偏心体162A、偏心体軸144Bの偏心体162B、及び偏心体軸144Cの偏心体162Cも、互いに同一の偏心位相で組み込まれている。偏心体160A〜160Cには、外歯歯車166が嵌合している。又、偏心体162A〜162Cには、外歯歯車168が嵌合している。
これらの構成により、各偏心体軸144A〜144Cはそれぞれの振り分けギヤ130A〜130Cと一体的に同一方向に同一速度で回転可能であり、且つ、各偏心体軸144A〜144Cの回転により、偏心体160A、160B、160Cがセットで同一位相で回転し、同様に偏心体162A、162B、162Cのセットが同一位相で回転する。なお、偏心体160A、160B、160Cのセットの偏心位相と、偏心体162A、162B、162Cのセットの偏心位相は、互いに180度ずれており、外歯歯車166、168の偏心位相差は180°である。
2枚の外歯歯車166、168は、内歯歯車172に内接噛合している。内歯歯車172はケーシング120と一体化されている。内歯歯車172の内歯は外ピン174によって構成されている。ここでは、軽量化および低コスト化を考慮して、外ピン174は、2個おきに配置が省略されている。この構成でも、外歯歯車166、168と内歯歯車172の機構学的な相対運動(減速の原理)としては同等なものが得られる。
ここで、外歯歯車166、168の軸方向両側には、第1、第2キャリヤ146、148が配置され、第1、第2主軸受178、180を介してケーシング120に回転自在に支持されている。第2キャリヤ148は連結ボルト(ボルト孔182のみ図示)によってキャリヤピン(柱部)184A〜184Cとリジッドに固定・連結されている。この実施形態では、外歯歯車166、168のキャリヤピン孔166A〜166C、168A〜168C(図示略)をこのキャリヤピン(柱部)184A〜184Cが貫通しており、該キャリヤピン184A〜184Cに対して(図5の矢示P部分について)先の実施形態と全く同様な構成を適用できる。
即ち、便宜上キャリヤピン184Aに着目すると、キャリヤピン184Aは、第2キャリヤ148に嵌入・固定されている嵌入端部184E5と、外歯歯車166、168を貫通している本体部184B5と、を有する。そして、該本体部184B5の軸心Ob5の軸心円径BR5よりも、嵌入端部184E5の軸心Oe5の軸心円径ER5の方がずれ量δR5だけ小さく形成されている。他のキャリヤピン(柱部)184B、184Cについても全く同様の構成が採用されている。
この構成によっても、キャリヤピン184A〜184Cの遊星歯車減速装置104の半径方向外側位置に大きな外側段差寸法ΔP5を確保することができ、先の図1〜図3(図4(A))の実施形態と実質的に同等な作用効果をそのまま得ることができる。
なお、上記実施形態では、柱部(内ピン、或いはキャリヤピン)の一端が一対の第1、第2キャリヤのうちの一方(第1キャリヤ)と一体的に成形されている例が示されていたが、本発明では、柱部が一対のキャリヤの双方に連結ボルトを介して連結されている構造においても適用可能である。この構成の場合には、双方のキャリヤへの嵌入端部に対して本発明を適用できる。
また、上記実施形態では、嵌入端部の軸心上に、連結ボルトをねじ込むようにしていたが、本発明では、柱部とキャリヤとを連結する連結ボルトは、必ずしも嵌入端部の軸心上にねじ込む必要はなく、他の部材との配置関係で適宜半径方向外側又は内側にずれていても良い。
更に、上記実施形態では、第1、第2キャリヤが、該第1、第2キャリヤを遊星歯車減速装置のケーシングに対して相対回転可能に支持する軸受(第1、第2主軸受)の内輪を兼ねるように構成していたが、当該軸受は、専用の内輪を有していても良い。
また、嵌入端部のキャリヤへの嵌入は、必ずしも上記実施形態のように圧入した上でボルト締めをする必要はなく、組み立ての容易性を優先し、例えば、圧入のみ(ボルトなし)の構成としたり、あるいは、隙間嵌めとした上で、ボルトにて固定するような構造としたりしてもよい。
40…遊星歯車減速装置
42…入力軸
44〜46…偏心体
51〜53…外歯歯車
56…内歯歯車
60…内ピン(柱部)
60B…本体部
60E…嵌入端部
62、64…第1、第2キャリヤ
64A…内ピン凹部
ER…嵌入端部の軸心円径
BR…本体部の軸心円径
δR…軸心のずれ量

Claims (4)

  1. 外歯歯車と、該外歯歯車が内接噛合する内歯歯車とを備え、前記外歯歯車と内歯歯車との相対回転成分を出力として取り出す遊星歯車減速装置において、
    前記外歯歯車の軸方向両側に配置される一対のキャリヤと、前記外歯歯車を貫通して前記一対のキャリヤを連結する柱部と、を備え、
    前記柱部は、前記キャリヤに嵌入・固定される嵌入端部と、前記外歯歯車を貫通している本体部と、を有し、且つ、
    該本体部の軸心の軸心円径よりも、前記嵌入端部の軸心の軸心円径の方を小さく形成した
    ことを特徴とする遊星歯車減速装置。
  2. 請求項1において、
    前記柱部の一端が前記一対のキャリヤのうちの一方と一体的に成形されている
    ことを特徴とする遊星歯車減速装置。
  3. 請求項1または2において、
    前記嵌入端部の前記軸心上に、連結ボルトがねじ込まれることにより、前記キャリヤと前記柱部とが連結・固定されている
    ことを特徴とする遊星歯車減速装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、
    前記キャリヤが、該キャリヤを前記遊星歯車減速装置のケーシングに対して相対回転可能に支持する軸受の内輪を兼ねている
    ことを特徴とする遊星歯車減速装置。
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