JP2023145941A - 減速装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的のひとつは、クランク軸を軽量化することが可能な減速装置を提供することにある。【解決手段】ある態様の減速装置10は、偏心部23、24、25を有し、入力側から軸方向に延びるクランク軸2を備える減速装置である。クランク軸2は、入力軸を挿入するために入力側から軸方向に形成された挿入孔3と、入力軸と連結するための連結部4と、連結部4よりも偏心部23、24、25側に設けられる延長孔5と、を有する。延長孔5の反入力側は、クランク軸2の反入力側に連通していない。延長孔5は、偏心部23、24、25と径方向から見て重なる。【選択図】図1
Description
本発明は、減速装置に関する。
入力軸に入力された回転を減速して出力する減速装置が知られている。本出願人は、特許文献1において、モータ軸が挿入される中空部を有する入力軸を備えた減速装置を開示している。この減速装置の入力軸には、3個の偏心体が一体的に形成されている。偏心体の外周には、ころを介して3枚の外歯歯車が揺動自在に組み込まれている。各外歯歯車は、内歯歯車に内接噛合している。
発明者は、偏心部を有するクランク軸を備える減速装置について、次の新たな認識を得た。適用範囲を拡大する観点から、減速装置は軽量であることが望ましく、その手段としてクランク軸を軽量化することが考えられる。特許文献1は、クランク軸の軽量化を十分に開示しているとは言えず、この文献に記載された減速装置は、クランク軸の軽量化の観点から改善の余地がある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、クランク軸を軽量化することが可能な減速装置を提供することを目的の一つとする。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の、減速装置は、偏心部を有し、入力側から軸方向に延びるクランク軸を備える減速装置であって、クランク軸は、入力軸を挿入するために入力側から軸方向に形成された挿入孔と、入力軸と連結するための連結部と、連結部よりも偏心部側に設けられる延長孔と、を有する。延長孔の反入力側は、クランク軸の反入力側に連通しておらず、延長孔は、偏心部と径方向から見て重なる。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を方法、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
以下、本発明を好適な実施形態をもとに各図面を参照しながら説明する。実施形態および変形例では、同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
また、第1、第2などの序数を含む用語は多様な構成要素を説明するために用いられるが、この用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられ、この用語によって構成要素が限定されるものではない。
[実施形態]
図1、図2を参照して、実施形態に係る減速装置10の構成を説明する。図1は、減速装置10の第1の例を示す側断面図である。図2は、減速装置10の第2の例を示す側断面図である。第2の例は、延長孔5の形状が異なる点で第1の例と相違し、他の構成は同じである。以下、主に第1の例を説明するとともに、第2の例の相違点を説明する。
図1、図2を参照して、実施形態に係る減速装置10の構成を説明する。図1は、減速装置10の第1の例を示す側断面図である。図2は、減速装置10の第2の例を示す側断面図である。第2の例は、延長孔5の形状が異なる点で第1の例と相違し、他の構成は同じである。以下、主に第1の例を説明するとともに、第2の例の相違点を説明する。
図1を参照する。実施形態の減速装置10は、偏心部23、24、25を有するクランク軸2を備える減速装置である。クランク軸2には、モータ12のモータ軸1が連結され、モータ軸1の回転が入力される。以下、クランク軸2の中心軸線Laに沿った方向を「軸方向」といい、軸方向でクランク軸2のモータ軸1が連結される側(図中右側)を入力側といい、他方側(図中左側)を反入力側という。つまり、クランク軸2は、軸方向で入力側から反入力側に延びる。また、中心軸線Laを中心とする円の円周方向、半径方向をそれぞれ「周方向」、「径方向」とする。
まず、減速装置10の全体構成を説明する。減速装置10は、モータ軸1から入力された回転を減速して被駆動部材に出力する。モータ12としては、減速装置10に回転を出力可能なものであれば制限はなく、様々な原理に基づくモータを用いうる。本実施形態のモータ12は、ブラシレスDCモータ(ACサーボモータと称されることもある)である。図1の例では、モータ12のモータ軸1は、キーを使用して回転を伝達する。
減速装置10としては、入力回転を減速して出力可能なものであれば制限はなく、様々な減速装置を用いることができる。実施形態の減速装置10は、内歯歯車と噛み合う外歯歯車を揺動させることで、内歯歯車および外歯歯車の一方の自転を生じさせ、その生じた自転成分を出力部材から被駆動部材に出力する偏心揺動型減速装置である。実施形態の減速装置10は、クランク軸2の中心軸線Laが内歯歯車の中心軸線と同軸線上に設けられるセンタークランクタイプである。
減速装置10は、クランク軸2と、外歯歯車13、14、15と、内歯歯車41と、キャリヤ35、36と、内ピン48と、偏心軸受16、17、18と、主軸受37、38と、クランク軸軸受39、40と、ケーシング71とを主に含む。ケーシング71は、減速装置10を包囲する筒状を有し、内周面に内歯歯車41が設けられる。
クランク軸2は、モータ軸1から入力される回転動力によって回転中心線La周りに回転させられる。クランク軸2の外周には、反入力側から入力側に向かって順に、第1軸部22、第1偏心部23、第2偏心部24、第3偏心部25および第2軸部26が設けられる。第1軸部22および第2軸部26は、クランク軸軸受39、40の内輪を支持する。第1偏心部23、第2偏心部24および第3偏心部25は、第1軸部22よりも大径の円筒部分で、後述するように偏心している。第2軸部26は、第1軸部22と同径の円筒部分である。本明細書では、偏心部23、24、25のうち最も反入力側に位置する第1偏心部23を特定偏心部23と表記する。
クランク軸2は、モータ軸1が挿入される挿入孔3を有する。図1の例では、挿入孔3は、クランク軸2の入力側の端面から軸方向に形成された孔であり、モータ軸1を収容可能に構成される。挿入孔3は、クランク軸2の中心軸線Laと同軸の円形の孔である。挿入孔3は、ドリル刃、切削バイト等の刃物とワークのいずれかを回転させることによって形成できる。
クランク軸2は、モータ軸1とクランク軸2とを連結するための連結部4を有する。この例の連結部4は、挿入孔3の内周面の所定位置に形成されたキー溝29を含む。クランク軸2は、連結部4よりも偏心部23、24、25側(反入力側)に設けられた延長孔5を有する。延長孔5は、クランク軸2の中心軸線Laと同軸の円形の孔であってもよい。図1に示すように、軸方向において、クランク軸2の偏心部23、24、25が設けられる領域を偏心部23、24、25の軸方向全範囲21という。軸方向全範囲21は、軸方向で偏心部23の反入力端から偏心部25の入力端までの範囲である。また、各偏心部の軸方向全範囲は、軸方向で各偏心部の反入力端から入力端までの範囲である。
延長孔5は、ドリル刃、切削バイト等の刃物とワークのいずれかを回転させることによって形成できる。延長孔5は、挿入孔3が形成される前に形成できる。この場合、延長孔5を下孔として挿入孔3を形成できるので、挿入孔3の加工時間が短くて済む。延長孔5は、挿入孔3が形成された後に形成できる。この場合、延長孔5の加工ストロークが短くなるので、延長孔5の加工時間が短くて済む。
延長孔5は、形成された孔のうちドリル刃の肩部で形成された円筒状の円筒空間領域32を含み、形成された孔のドリル刃の先端部で形成された内径漸減領域31(円錐状の空間)を含まない。円筒空間領域32は、ドリル刃で形成された領域に加えて、ドリル加工後に切削等によって拡径された領域を含み得る。内径漸減領域31は、延長孔5の先端側(反入力側)に形成され、円筒空間領域32は、内径漸減領域31の入力側に連続して形成される。円筒空間領域32は、形成された孔のうち内径漸減領域31を除いた領域と言うことができる。
クランク軸2は、挿入孔3と延長孔5が形成された後に焼入等の所定の熱処理を施すことができる。この場合、焼入後に孔を形成する場合に比べて孔加工の加工時間が短くて済み、刃物の磨耗交換の頻度が下がる。また、実施形態では、延長孔5が偏心部と重なる位置にまであるために、挿入孔3と延長孔5を形成した後に、熱処理を施しても、肉厚の不均一性による影響が小さくなり焼入性を維持できる。熱処理は、クランク軸2を所定の温度まで加熱した後、水や油などの液体に浸漬して急冷する処理を採用できる。
実施形態では、クランク軸2は、外歯歯車13、14、15を揺動させるための複数の偏心部23、24、25を有する偏心体軸であり、入力軸と称されることがある。偏心部23、24、25の軸芯は、クランク軸2の回転中心線Laに対して偏心している。本実施形態では3個の偏心部23、24、25が設けられ、隣り合う偏心部23、24、25の偏心位相は120°ずれている。
クランク軸2の反入力側の第1軸部22は、クランク軸軸受39を介して第1キャリヤ35に支持される。クランク軸2の入力側の第2軸部26は、第2クランク軸軸受40を介して第2キャリヤ36に支持される。つまり、クランク軸2は、第1キャリヤ35および第2キャリヤ36に対して回転自在に支持されている。
クランク軸軸受39、40は、キャリヤ35、36とクランク軸2の軸部22、26の間に配置される。クランク軸軸受39、40は、公知の種々の軸受機構を採用できる。この例では、クランク軸軸受39、40は、球状の転動体を有する玉軸受である。
外歯歯車13、14、15は、複数の偏心部23、24、25のそれぞれに対応して個別に設けられる。外歯歯車13、14、15は、偏心軸受16、17、18を介して偏心部23、24、25の外周に揺動可能に組み込まれている。この例の偏心軸受16、17、18は、ころ軸受である。外歯歯車13、14、15は、それぞれ揺動しながら内歯歯車41に内接噛合する。外歯歯車13、14、15の外周には波形の歯が形成されており、この歯が内歯歯車41と接触しつつ移動することで、中心軸を法線とする面内で外歯歯車13、14、15が揺動できるようになっている。
内歯歯車41は、外歯歯車13、14、15と噛み合う。本実施形態の内歯歯車41は、ケーシング71の内周側に一体的に設けられた内歯歯車本体42と、内歯歯車本体42の内周面に周方向に所定の間隔で形成されたピン溝に配置された複数の外ピン43を有する。外ピン43は、内歯歯車本体42のピン溝に回転自在に支持される円柱状のピン部材である。外ピン43は、内歯歯車41の内歯を構成している。内歯歯車41の外ピン43の数(内歯の数)は、外歯歯車13、14、15の外歯数よりもわずかだけ(この例では1だけ)多い。
外歯歯車13、14、15には、その軸心からオフセットされた位置に複数の内ピン孔45、46、47が形成される。内ピン孔45、46、47には内ピン48が貫通する。内ピン48の外周には、円筒状のスリーブ49が配置されている。スリーブ49は、内ピン孔45、46、47との摺動を円滑にするための摺動促進体として機能する。スリーブ49の外径は、内ピン孔45、46、47の内径よりも偏心量の2倍相当分小さくなっている。スリーブ49と内ピン48の間には外歯歯車13、14、15の揺動成分を吸収するための遊びとなる隙間が設けられるとともに、内ピン48は、スリーブ49を介して内ピン孔45、46、47の一部と常に接触している。内ピン48は、外歯歯車13、14、15の自転成分と同期してクランク軸2の軸心周りを公転し、キャリヤ35、36をクランク軸2の軸心周りに回転させる。内ピン48は、キャリヤ35、36と外歯歯車13、14、15との間の動力の伝達に寄与する。
キャリヤ35、36は、中空リング形状を有する。第1キャリヤ35は、外歯歯車13、14、15の反入力側の側部に配置され、第2キャリヤ36は、外歯歯車13、14、15の入力側の側部に配置される。第1キャリヤ35は、第1主軸受37を介してケーシング71に回転自在に支持される。第2キャリヤ36は、第2主軸受38を介してケーシング71に回転自在に支持される。第1キャリヤ35は、第1クランク軸軸受39を介してクランク軸2の反入力側を回転自在に支持する。第2キャリヤ36は、第2クランク軸軸受40を介してクランク軸2の入力側を回転自在に支持する。
主軸受37、38は、ケーシング71とキャリヤ35、36の間に配置される。主軸受37、38は、公知の種々の軸受機構を採用可能であり、この例の主軸受37、38は、アンギュラ玉軸受である。主軸受37、38の内側の転動面はキャリヤ35、36に形成されている。
内ピン48は、第1キャリヤ35と一体的に形成され、第1キャリヤ35の入力側から第2キャリヤ36に向かって軸方向に延在する。ボルトB1が、第2キャリヤ36に設けられた貫通孔を通じて内ピン48の端部に設けられたタップ孔にねじ込まれることにより、キャリヤ35、36が互いに連結される。
キャリヤ35、36とケーシング71の一方は、被駆動部材(不図示)に回転動力を出力する出力部材になり、他方は、減速装置10を支持するための取付部材(不図示)に固定される被固定部材になる。この例では、第1キャリヤ35は、被駆動部材に回転動力を出力する出力部材として機能し、ケーシング71は、取付部材に固定される被固定部材として機能する。
減速装置10の動作を説明する。モータ軸1からクランク軸2に回転動力が伝達されると、クランク軸2の偏心部23、24、25がクランク軸2を通る回転中心線周りに回転し、その偏心部23、24、25により外歯歯車13、14、15が揺動する。このとき、外歯歯車13、14、15は、自らの軸芯がクランク軸2の回転中心線周りを回転するように揺動する。外歯歯車13、14、15が揺動すると、外歯歯車13、14、15と内歯歯車41の外ピン43の噛合位置が順次ずれる。この結果、クランク軸2が一回転する毎に、外歯歯車13、14、15の歯数と内歯歯車41の外ピン43の数との差に相当する分、外歯歯車13、14、15および内歯歯車41の一方の自転が発生する。実施形態では、外歯歯車13、14、15が自転し、第1キャリヤ35から減速回転が出力される。第1キャリヤ35が回転することによって、第1キャリヤ35に連結された被駆動部材が回転駆動される。
次に、図1、図2を参照して、本開示の特徴的な構成を説明する。減速装置は、適用範囲を拡大する観点から、クランク軸が軽量化されることが望ましい。また、クランク軸は高速で回転するため、応答性向上の観点からイナーシャが小さいことが望ましい。そこで、実施形態では、クランク軸2は、モータ軸1を挿入するために入力側から軸方向に形成された挿入孔3と、モータ軸1と連結するための連結部4と、連結部4よりも偏心部23、24、25側に設けられる延長孔5と、を有する。延長孔5は、偏心部23、24、25と径方向から見て重なる。実施形態では、延長孔5の入力側端は、偏心部23、24、25よりも入力側に位置する。図1の例では、延長孔5の反入力側端は、偏心部23の軸方向範囲の途中に位置する。図2の例では、延長孔5の反入力側端は、偏心部23よりも反入力側に位置する。モータ軸1は入力軸を例示している。
延長孔5を有することにより、その分だけクランク軸2の質量が減る。また、延長孔5を有することにより、その分だけクランク軸2のイナーシャが小さくなる。また、延長孔5が偏心部23、24、25と径方向から見て重なるから、延長孔5の奥行きが深くなって減肉量が増え、クランク軸2の質量とイナーシャを一層減らすことができる。
延長孔5がクランク軸2の反入力側に連通していると、歯車部やクランク軸軸受39に充填された潤滑材(グリスなど)が延長孔5を通ってクランク軸2の入力側に漏れるおそれがある。そこで、実施形態では、延長孔5の反入力側は、クランク軸2の反入力側に連通していない。この場合、潤滑材が、延長孔5を通じて入力側に漏れ出すことを回避できる。図1の例では、延長孔5は、反入力側に向かって形成された止まり孔である。延長孔5の反入力側の底部がクランク軸2本体と一体の部材であることにより、これらが別体である場合と比較して、容易に強度を確保できる。なお、延長孔を貫通孔として形成し、延長孔の反入力側を閉塞する部材または手段を設ける構成であってもよい。
加熱されたクランク軸2を液体に浸漬するとき、延長孔5および挿入孔3を上に向けて浸漬することができる。これは、延長孔5、挿入孔3に気泡が残り、その部分が徐冷されて硬度が不均一になることを防ぐためである。したがって、クランク軸2の延長孔5とは反対側の面20は下向きに浸漬されるため、そこに凹部があると、凹部に気泡が残り硬度が不均一になり、焼入性が低下する可能性がある。そこで、実施形態では、クランク軸2の延長孔5とは反対側の面20には、偏心部(例えば、偏心部23)と径方向に重なる位置までの深さを有する凹部が設けられていない。この場合、凹部に残る気泡が減り、気泡による硬度の不均一化を軽減し、焼入性を維持できる。クランク軸2の面20の凹部の深さが浅いほど好ましく、凹部がないことが一層好ましい。
延長孔5による減肉量を増やすことにより、質量とイナーシャを一層減らせる。そこで、実施形態では、延長孔5は、偏心部23、24、25のうち最も反入力側に位置する特定偏心部23と径方向から見て重なる。この場合、延長孔5が特定偏心部23と重ならない場合よりも質量とイナーシャが小さい。
図1を参照する。加工時間を短くする観点から、延長孔5を加工する際の切削代は小さいことが望ましい。そこで、図1の例では、延長孔5の内径D5は、挿入孔3の内径D3よりも小さい。この場合、内径D5が小さいため、切削代が小さくなり、加工時間が短縮できる。
図2を参照する。クランク軸2の延長孔5が有る部分と無い部分とで肉厚が異なる。延長孔5が有る部分と無い部分の境界近傍では、その肉厚差により、熱処理により歪みが生じる可能性がある。特に、延長孔5の内径D5が大きい場合に孔の周囲の肉厚が薄くなるので歪みが生じ易くなる。歪みが偏心部23、24、25に発生すると、この部分で精度が低下し、減速装置の性能低下につながるおそれがある。そこで、図2の例では、延長孔5は、特定偏心部23の軸方向全範囲と径方向から見て重なる。この場合、偏心部23、24、25の軸方向全範囲21に対応する延長孔5の周囲の肉厚がほぼ一定になり、この部分での熱処理の歪みを抑制できる。
図2を参照する。軽量化効果を高める観点から、延長孔5による減肉量は多いことが望ましい。そこで、図2の例では、延長孔5の内径D5は、挿入孔3の内径D3以上である。この場合、内径D5が小さい場合よりも一層軽量化できる。このような延長孔5は、挿入孔3と同じ内径で下孔を形成した後、カギ形状のバイトを使用して下孔の内周を切削して形成できる。
上記のように構成された減速装置10の特徴を説明する。実施形態の減速装置10は、偏心部23、24、25を有し、入力側から軸方向に延びるクランク軸2を備える減速装置であって、クランク軸2は、入力軸を挿入するために入力側から軸方向に形成された挿入孔3と、入力軸と連結するための連結部4と、連結部4よりも偏心部23、24、25側に設けられる延長孔5と、を有する。延長孔5の反入力側は、クランク軸2の反入力側に連通しておらず、延長孔5は、偏心部23、24、25と径方向から見て重なる。
この構成によれば、延長孔5を有することにより、クランク軸2の質量が減り、減速装置10が軽量になる。また、延長孔5を有することにより、高速回転するクランク軸2のイナーシャが小さくなり、減速装置10の応答性が向上する。また、延長孔5が偏心部23、24、25と径方向から見て重なるため、延長孔5の奥行きが深くなって減肉量が増え、減速装置10が一層軽量化され、応答性が一層向上する。
以上、実施形態をもとに本発明を説明した。これらの実施形態は例示であり、いろいろな変形および変更が本発明の特許請求の範囲内で可能なこと、またそうした変形例および変更も本発明の特許請求の範囲にあることは当業者に理解されるところである。従って、本明細書での記述および図面は限定的ではなく例証的に扱われるべきものである。
(変形例)
以下、変形例を説明する。変形例の図面および説明では、実施形態と同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付する。実施形態と重複する説明を適宜省略し、実施形態と相違する構成について重点的に説明する。
以下、変形例を説明する。変形例の図面および説明では、実施形態と同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付する。実施形態と重複する説明を適宜省略し、実施形態と相違する構成について重点的に説明する。
実施形態の説明では、クランク軸2の挿入孔3に挿入される入力軸がモータ軸1である例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、クランク軸の挿入孔に挿入される入力軸は、モータ軸のモータピニオンと噛み合う歯車の軸であってもよい。
実施形態の説明では、クランク軸2が、キーを使用してモータ軸1に連結される例を示したが、本発明はこれに限定されない。クランク軸とモータ軸は公知の種々の連結方式によって連結されてもよい。
実施形態の説明では、減速装置がいわゆるセンタークランクタイプの偏心揺動型減速装置である例を示したが、本発明はこれに限定されず、各種の減速機構を採用できる。例えば、減速装置は、内歯歯車の軸心からオフセットした位置に複数のクランク軸が配置されるいわゆる振り分けタイプの偏心揺動型減速装置であってもよい。
また、例えば、減速装置は、筒型の外歯歯車を有する撓み噛み合い式減速装置(波動減速装置と称されることがある)であってもよい。減速装置は、カップ型やシルクハット型の撓み噛み合い式減速装置であってもよい。ここで、撓み噛合い式減速装置は、外歯歯車を撓み変形させる起振体を有する起振体軸を備える。起振体は、軸直角断面の外周が楕円形状とされる。起振体の軸心は起振体軸の軸心に一致し偏心していないが、外形状が楕円状であるため、真円からは変形している。本発明における偏心部とは、このような起振体も含む広い概念である。
実施形態の説明では、外歯歯車13、14、15を3枚備える例を示したが、本発明はこれに限定されない。減速装置は、2枚以下または4枚以上の外歯歯車を備えてもよい。
これらの各変形例は、実施形態と同様の作用と効果を奏する。
上述した各実施形態と変形例の任意の組み合わせもまた本発明の実施形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施形態は、組み合わされる実施形態および変形例それぞれの効果をあわせもつ。
1 モータ軸、 2 クランク軸、 3 挿入孔、 4 連結部、 5 延長孔、 10 減速装置、 21 軸方向全範囲、 23、24、25 偏心部。
Claims (7)
- 偏心部を有し、入力側から軸方向に延びるクランク軸を備える減速装置であって、
前記クランク軸は、入力軸を挿入するために入力側から軸方向に形成された挿入孔と、入力軸と連結するための連結部と、前記連結部よりも前記偏心部側に設けられる延長孔と、を有し、
前記延長孔の反入力側は、前記クランク軸の反入力側に連通しておらず、
前記延長孔は、前記偏心部と径方向から見て重なる、減速装置。 - 前記クランク軸の前記延長孔とは反対側の面には、前記偏心部と径方向で重なる位置までの深さを有する凹部が設けられていない、請求項1に記載の減速装置。
- 前記延長孔は、前記偏心部のうち最も反入力側に位置する特定偏心部と径方向から見て重なる、請求項1または2に記載の減速装置。
- 前記延長孔は、前記特定偏心部の軸方向全範囲と径方向から見て重なる、請求項3に記載の減速装置。
- 前記延長孔の内径は、前記挿入孔の内径よりも小さい、請求項1から4のいずれか1項に記載の減速装置。
- 前記延長孔の内径は、前記挿入孔の内径以上である、請求項1から4のいずれか1項に記載の減速装置。
- 前記クランク軸は、所定の熱処理がされており、
前記所定の熱処理は、前記クランク軸を液体に浸漬する処理を含む、請求項1から6のいずれか1項に記載の減速装置。
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2022
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2023
- 2023-03-20 CN CN202310269893.9A patent/CN116892593A/zh active Pending
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