JP5096907B2 - エステルの精製方法 - Google Patents
エステルの精製方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5096907B2 JP5096907B2 JP2007331389A JP2007331389A JP5096907B2 JP 5096907 B2 JP5096907 B2 JP 5096907B2 JP 2007331389 A JP2007331389 A JP 2007331389A JP 2007331389 A JP2007331389 A JP 2007331389A JP 5096907 B2 JP5096907 B2 JP 5096907B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ester
- resin
- anion exchange
- basic
- basic anion
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Description
しかし、蒸留法はランニングコストが高いこと、設置スペースが増大するといった課題がある。このため、蒸留法による精製に替えて、省スペース、省エネルギー化が図れ、かつ高い精製度が期待できるイオン交換樹脂を用いた精製も行われ始めている。
イオン交換樹脂を用いた精製方法は多くの分野で用いられており、例えば、陰イオン交換樹脂を用いて酢酸ブチル中の酸を取り除く方法(例えば、特許文献1)や、メタクリル酸エステルから酸を取り除く方法(例えば、特許文献2)が報告されている。
酸等の陰イオンを除去するには、塩基性陰イオン交換樹脂が多く利用され、目的に応じて強塩基性陰イオン交換樹脂、弱塩基性陰イオン交換樹脂が選択される。塩基性陰イオン交換樹脂の多くは、弱塩基性陰イオン交換樹脂であっても、製造上の問題から2〜20%の強塩基性交換基を有している。強塩基性交換基の存在は、副次的に被処理水の精製を阻害することがある。このような問題に対し、特定のイオン交換基を調整して、水中の酸を除去する方法が提案されている(例えば、特許文献3)。
そこで本発明では、陰イオン性不純物を除去した高純度のエスエルを、効率良く得られる精製方法を提供する。
また、弱塩基性陰イオン交換樹脂とは言え、スチレン系の場合には、総イオン交換容量当たり2〜20%のOH形強塩基性交換基を有している。スチレン系の塩基性陰イオン交換樹脂は、スチレン−ジビニルベンゼン重合体をクロロメチル化し、次いでアミノ化して1級〜3級アミノ基を導入して、塩基性陰イオン交換樹脂を製造する。この際、3級アミノ基と未反応のクロロメチル基が反応して、不可避的に4級アンモニウム基が生成する。この4級アンモニウム基は、OH−を対立イオンとするOH形強塩基性交換基である。上記知見に基づいて、本発明に至った。
本発明のエステルの精製方法には、不活化したOH形強塩基性交換基を有する塩基性陰イオン交換樹脂を用いることができ、前記不活化は、OH形強塩基性交換基を有する塩基性陰イオン交換樹脂に、あらかじめ不活性化用のエステルを接触させて、OH形強塩基性交換基を不活化させることが好ましく、また、中性塩を接触させてOH形強塩基性交換基を不活化させることが好ましい。
前記塩基性陰イオン交換樹脂の母体構造がアクリル重合体であることが好ましく、前記塩基性陰イオン交換樹脂の水分が30質量%以下であることが好ましい。
(第1の実施形態)
第1の実施形態のエステルの精製方法は、陰イオン性不純物を含むエステルを、OH形強塩基性交換基を有しないアクリル系塩基性陰イオン交換樹脂に接触させて、陰イオン性不純物を取り除く方法である。
具体的には、次の方法により行う。OH形強塩基性交換基を有しない、アクリル重合体を母体構造とする塩基性陰イオン交換樹脂をカラムに充填して樹脂塔とし、精製前のエステル(以下、精製前エステルという)を前記樹脂塔の上部から流入させる。流入した精製前エステルは樹脂塔内でイオン交換樹脂内を拡散しながら通液し、精製前エステル中の陰イオン性不純物は、塩基性陰イオン交換樹脂の交換基に吸着される。そして、樹脂塔の下部から陰イオン性不純物が除去されたエステル(以下、精製エステルという)が流出する。
アクリル系塩基性陰イオン交換樹脂は、OH形強塩基性交換基を生じることなく製造することができる。このため、アクリル系塩基性陰イオン交換樹脂の内、OH形塩基性交換基を有しない塩基性陰イオン交換樹脂を選択して用いる。
アクリル系塩基性陰イオン交換樹脂であって、このような商品としては、例えばアンバーライトIRA67(商品名、ローム・アンド・ハース社製)や、ダイヤイオンWA10(商品名、三菱化学株式会社製)が挙げられる。
また、アクリル系塩基性陰イオン交換樹脂の架橋度は特に限定されず、精製前エステルの汚染度や、処理量等を勘案して選択することができる。
アクリル系塩基性陰イオン交換樹脂の形態も特に限定されることなく、ゲル型であっても、ハイポーラス型であっても良い。
樹脂塔の高さは特に限定されることはないが、400〜3000mmが好ましい。400mm未満であるとイオン交換帯が長い不純物の処理の場合には、通液初期から不純物のリークが起こる可能性がある。また、3000mmを超えると、差圧上昇が生じたり、設置スペースでの不都合が生じるおそれがあるためである。
本実施形態における通液速度は精製前エステルの陰イオン性不純物の濃度や、精製エステルに求める純度、処理量等を考慮して設定することができる。SVは2〜50L/L−R・h−1が好ましく、SVは4〜20L/L−R・h−1がさらに好ましい。SVが50L/L−R・h−1を超えた通液速度では、陰イオン性不純物と交換基との接触確率が低くなり、イオン交換容量の利用効率が低下するため好ましくない。また、SVが2L/L−R・h−1未満であると、処理量を確保するために樹脂塔を拡大し樹脂量を増やさなくてはならず、経済面・スペースでの不都合が大きくなるためである。
また、精製前エステルに含まれる陰イオン性不純物とは、pKaが6未満の硫酸、硝酸、塩酸、フッ酸、炭酸等の無機酸や、酢酸、蟻酸、乳酸、プロピオン酸、ピルビン酸等の有機酸を挙げることができる。
そして、スチレン系塩基性陰イオン交換樹脂を用いた場合に生じていた、エステルの加水分解により生成した酸とアルコールを含有する低純度エステルを廃棄する量も著しく削減することが出来る。加えて、アクリル系塩基性陰イオン交換樹脂を使用することで、スチレン系弱塩基性陰イオン交換樹脂では除去できない、pKaが4を超える弱酸も除去することができる。
第2の実施形態におけるエステルの精製方法は、塩基性陰イオン交換樹脂が有するOH形強塩基性交換基を、不活化用エステルとの接触により不活化させた後に、精製前エステルを接触させて、陰イオン性不純物を除去する方法である。
本実施形態における不活化とは、硝酸ナトリウム水溶液を塩基性陰イオン交換樹脂に通液し、樹脂塔出口から採取した処理済水溶液中の水酸化ナトリウムを中和滴定法により定量し、酸消費量から求めた塩基性陰イオン交換樹脂が有するOH形強塩基性交換基が、総イオン交換容量の1%未満となった状態を言う。
不活化は、例えば、次の方法により行う。スチレン重合体を母体構造とする塩基性陰イオン交換樹脂(以下、スチレン系塩基性陰イオン交換樹脂という)をカラムに充填して樹脂塔とする。この樹脂塔内に、不活化を行うためのエステル(以下、不活化用エステルという)を充填して満たして放置する。この放置の間、不活化用エステルはスチレン系塩基性陰イオン交換樹脂に含まれるOH形強塩基性交換基と接触することにより、酸とアルコールに加水分解される。生成した酸は、OH形強塩基性交換基の対立イオンOH−と交換されて強塩基性交換基に吸着し、OH形強塩基性交換基は不活化する。一方、OH形強塩基性交換基以外の交換基、例えば1級〜3級アミノ基のような弱塩基性交換基は、エステルの加水分解により生成した弱酸(例えば酢酸等)を酸吸着する能力が低い。このため、弱塩基性交換基は、不活化されずに強酸とのイオン交換能力を維持する。
その後、樹脂塔内を洗浄した後、精製前エステルを前記樹脂塔の上部から流入させて精製を開始する。流入した精製前エステルは樹脂塔内でイオン交換樹脂内を拡散しながら通液され、精製前エステル中の陰イオン性不純物は弱塩基性陰イオン交換基に吸着される。そして、樹脂塔の下部から精製エステルが流出する。
スチレン系塩基性陰イオン交換樹脂は特に限定されることはないが、できるだけOH形強塩基性交換基が少ない塩基性陰イオン交換樹脂を選択することが好ましい。このようなスチレン系塩基性陰イオン交換樹脂としては、アンバーライトIRA96SB(商品名、ローム・アンド・ハース社製)、アンバーライトXE583(商品名、ローム・アンド・ハース社製)、ダイヤイオンWA30(商品名、三菱化学株式会社製)、レバチットMP64(商品名、ランクセス社製)等が挙げられる。OH形強塩基性交換基の割合がイオン交換樹脂中の交換基の多くを占めると、不活化しても精製処理開始前の段階からイオン交換容量が既に小さくなり過ぎ、精製能力が著しく低くなってしまうためである。
スチレン系塩基性陰イオン交換樹脂の形態は特に限定されることなく、ゲル型であっても、ハイポーラス型であっても良い。
また、精製前エステルも第1の実施形態と同じである。
本実施形態において除去対象となる、精製前エステルに含まれる陰イオン性不純物とは、pKaが4未満の塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸や、蟻酸、乳酸、ピルビン酸等の有機酸が挙げられる。OH形強塩基性交換基を不活化したスチレン系塩基性陰イオン交換樹脂には、1級〜3級アミノ基のような弱塩基性交換基が活性を維持している。前記弱塩基性交換基は、pKaが4以上のいわゆる弱酸を吸着する能力が低く、pKa4以上の陰イオン性不純物を除去することが困難なためである。
第3の実施形態におけるエステルの精製方法は、陰イオン交換樹脂が有するOH形強塩基性交換基を、中性塩との接触により不活化させた後に、陰イオン性不純物を含むエステルを接触させて、陰イオン性不純物を除去する方法である。
本実施形態における不活化とは、硝酸ナトリウム水溶液を塩基性陰イオン交換樹脂に通液し、樹脂塔出口から採取した処理済水溶液中の水酸化ナトリウムを中和滴定法により定量し、酸消費量から求めた塩基性陰イオン交換樹脂が有するOH形強塩基性交換基が、総イオン交換容量の1%未満となった状態を言う。
不活化は、例えば、次の方法により行う。スチレン系塩基性陰イオン交換樹脂をカラムに充填して樹脂塔とし、中性塩水溶液を前記樹脂塔の上部から流入して通液させる。樹脂塔内に流入した中性塩水溶液は、樹脂塔内で塩基性陰イオン交換樹脂内を拡散しながら通液する。OH形強塩基性交換基は中性塩分解能を有する。このため、中性塩は分解されて陰イオンを生じ、該陰イオンと対立イオンOH−とが交換されて、OH形強塩基性交換基は塩形となって不活化する。一方、弱塩基性交換基は中性塩分解能を有しないため、陰イオン交換能力が維持されたままとなる。
その後、精製前エステルを前記樹脂塔の上部から流入させる。流入した精製前エステルは樹脂塔内でイオン交換樹脂内を拡散しながら通液し、精製前エステル中の陰イオン性不純物は弱塩基性の陰イオン交換基に吸着される。そして、樹脂塔の下部から精製エステルが流出する。
また、不活化に使用する前記中性塩水溶液の使用量は、該スチレン系弱塩基性陰イオン交換樹脂におけるOH形強塩基性交換基の量等に応じて設定することができる。好ましい中性塩水溶液の量は、eq/L−Rで表される強塩基性イオン交換基の量に対して、1.1〜10倍量である。例えば、強塩基性イオン交換基の量をXeq/L−Rとした場合、その10倍量の中性塩水溶液は、X×10=10XL(リットル)となる。1.1倍量未満であるとOH型強塩基性交換基の不活化が不十分となるおそれがあり、10倍量を超えると不活化後の中性塩水溶液の使用量および廃液量が多くなり好ましくないためである。
また、精製前エステルおよび本実施形態の除去対象となる精製前エステルに含まれる陰イオン性不純物についても、第2の実施形態と同様である。
第1〜第3の実施形態では、使用する塩基性陰イオン交換樹脂の水分量を調整していないが、塩基性陰イオン交換樹脂は水分含有率が30質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。
30質量%を超えた水分含量であると、精製エステルへの水分混入を防ぐために、精製処理開始前に、多量の非水系液で塩基性陰イオン交換樹脂内の水を置換する必要が生じるためである。なお、水分含有率が30質量%を超える塩基性陰イオン交換樹脂は、予め水分含量30質量%以下に調整することが好ましい。
陰イオン交換樹脂の乾燥方法としては公知の方法を用いることができ、例えばabderhalden乾燥機等を用いて、60℃以下の温度で、減圧乾燥する方法が挙げられる。
また、用途に応じて、陽イオン交換樹脂との混床により、精製前エステルの精製を行うことができる。
Cl形強塩基性交換基にエステルが接触しても、エステルは加水分解されず、塩基性陰イオン交換樹脂の交換容量を低下させる酸も、精製エステルの純度低下の原因となるアルコールも生成されないためである。
(製造例1)
内径16mm、高さ30cmの四フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル重合体(PFA)製のカラムの下部にサランを取り付け、アンバーライトIRA67(商品名、アクリル系弱塩基性陰イオン交換樹脂、ローム・アンド・ハース社製)を50mL充填した。このようにして、樹脂塔1を作成した。
内径16mm、高さ30cmのPFA製のカラムの下部にサランを取り付け、アンバーライトIRA96SB(商品名、スチレン系弱塩基性陰イオン交換樹脂、ローム・アンド・ハース社製)を50mL充填した。IRA96SBは水膨潤状態であるため、メタノールをSV=10L/L−R・h−1で1時間通液した。その後、PGMEAをカラム内に充填して、1時間放置した。次いで、メタノールをSV=20L/L−R・h−1で1時間通液し、樹脂塔2を作成した。
内径16mm、高さ30cmのPFA製のカラムの下部にサランを取り付け、IRA96SBを50mL充填した。その後、1mol/Lの塩化ナトリウム水溶液をカラム内に、SV=10L/L−R・h−1で30分間通液し、さらに純水をSV=20L/L−R・h−1で1時間通液して、樹脂塔3を作成した。
イオン交換樹脂をIRA900(商品名、スチレン系強塩基性陰イオン交換樹脂、ローム・アンド・ハース社製)とした以外は、実施例1と同様に行い、樹脂塔4を作成した。
<測定方法1>全イオン交換容量、弱塩基性イオン交換容量、強塩基性イオン交換容量
樹脂塔1〜4に使用するイオン交換樹脂を、それぞれカラムに50mL入れて、樹脂塔をそれぞれ作成する。この樹脂塔に、1mol/L塩酸水溶液を500mL通液し、続いてメタノール500mLを通液する。その後、0.15mol/Lアンモニア水を800mL通液して、カラムからの流出液を回収して、純水にてメスアップして1000mLとする。ここから、25mLを分取し、0.1mol/L硝酸銀水溶液にて、塩化物イオンを滴定する。滴定値をA1mLとする。
次いで、メタノール1000mLにて樹脂の洗浄を行った後、1mol/L硝酸ナトリウム水溶液を800mL通液し、カラムからの流出液を回収し、純水にてメスアップして1000mLとする。ここから、25mLずつ分取し、0.1mol/L硝酸銀水溶液による塩化物イオンの滴定、および0.05mol/L硫酸による中和滴定を行う。塩化物イオンの滴定値をB1mLとし、中和滴定の滴定値をC1mLとする。
最後に、イオン交換樹脂をカラムから取り出し、基準形にして樹脂量V1mLを測定する。そして、下記式(1)〜(3)により、全イオン交換容量、弱塩基性イオン交換容量、強塩基性イオン交換容量を求める。
f1:0.1mol/L硝酸銀水溶液のファクタ
f2:0.05mol/L硫酸水溶液のファクタ
樹脂塔1〜4に、1mol/L硝酸ナトリウム水溶液を400mL通液し、カラムからの流出液を回収し、純水にてメスアップして500mLとする。ここから、25mLを分取し、0.05mol/L硫酸水溶液による中和滴定を行い、滴定値をA2mLとする。
次いで、1mol/L塩酸水溶液を200mL通液し、さらに純水250mLを通液し、カラムからの流出液の全量を回収し、純水にてメスアップして500mLとする。ここから、25mLを分取し、0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液による中和滴定を行う。この滴定値をB2mLとする。なお、空試験として、1mol/L塩酸水溶液200mLを純水にてメスアップして、500mLとし、ここから25mLを分取して、0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液による中和滴定をする。この中和滴定の滴定値をC2mLとする。
最後に、イオン交換樹脂をカラムから取り出し、基準形にして樹脂量V2mLを測定する。そして、下記式(4)〜(6)により、エステル通液前の再生形交換基のイオン交換容量を求める。
f3:0.05mol/L硫酸水溶液のファクタ
f4:0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液のファクタ
エステル通液後の樹脂塔1〜4に、4%水酸化ナトリウム水溶液を200mL通液し、続いて純水250mLを通液し、樹脂塔から流出した全流出液をメスフラスコに回収し、純水でメスアップして500mLとする。ここから25mLを分取し、0.05mol/L硫酸水溶液による中和滴定をし、中和滴定の滴定値をA3mLとする。
空試験として4質量%水酸化ナトリウム水溶液200mLを純水にてメスアップして500mLとする。ここから25mLを分取し、0.05mol/L硫酸水溶液による中和滴定に使用する。中和滴定の滴定値をB3mLとする。
最後に各イオン交換樹脂を基準形にして、樹脂量を測定する。樹脂量をV3mLとする。そして、下記式(7)、(8)により、エステル通液後の再生形交換基のイオン交換容量を求めた。
f5:0.05mol/L硫酸水溶液のファクタ
製造例1で得られた樹脂塔1について、予め、全イオン交換容量、強塩基性陰イオン交換容量、エステル通液前の再生型交換基のイオン交換容量を求めた。
樹脂塔1に、4質量%水酸化ナトリウム水溶液をSV=10L/L−R・h-1で30分間通液し、次いで、純水をSV=10L/L−R・h-1にて1時間通液することで、イオン交換樹脂を再生形とした。
IRA67は、水膨潤状態であるため、メタノールをSV=10L/L−R・h-1で、1時間通液した。その後、エステルとしてPGMEAをSV=10L/L−R・h-1で2時間通液し、次いで、メタノールをSV=20L/L−R・h-1で1時間通液した。その後、エステル通液後の再生型交換基のイオン交換容量および消費イオン交換容量を求めた。得られた結果を表1に示す。
製造例2で得られた樹脂塔2について、予め、全イオン交換容量、強塩基性陰イオン交換容量、エステル通液前の再生型交換基のイオン交換容量を求めた。
樹脂塔2に、エステルとしてPGMEAをSV=10L/L−R・h-1で2時間通液し、次いでメタノールをSV=20L/L−R・h-1で1時間通液した。その後、エステル通液後の再生型交換基のイオン交換容量および消費イオン交換容量を求めた。得られた結果を表1に示す。
製造例3で得られた樹脂塔3について、予め、全イオン交換容量、強塩基性陰イオン交換容量、精製処理前の再生型交換基のイオン交換容量を求めた。
樹脂塔3に、エステルとしてPGMEAをSV=10L/L−R・h-1で2時間通液し、次いでメタノールをSV=20L/L−R・h-1で1時間通液した。その後、エステル通液後の再生型交換基のイオン交換容量および消費イオン交換容量を求めた。得られた結果を表1に示す。
製造例1で得られた樹脂塔1に、メタノールをSV=10L/L−R・h-1で2時間通液した。さらに、酢酸濃度が100ppmのPGMEAをSV=10L/L−R・h-1で2時間通液し、処理液中の酢酸濃度の測定を行った。なお、酢酸濃度の測定は、GC−MS(Agilent6890/5973)により行った。得られた結果を表2に示す。
樹脂塔1を樹脂塔2とした以外は、参考例2と同様にして行った。得られた結果を表2に示す。
樹脂塔1を樹脂塔3とした以外は、参考例2と同様にして行った。得られた結果を表2に示す。
樹脂塔1に、メタノールをSV=10L/L−R・h-1で2時間通液した。次いで、塩酸濃度が100ppmのPGMEAをSV=10L/L−R・h-1で2時間通液した。その後、処理水中の塩酸濃度と酢酸濃度を測定した。塩酸濃度の測定は、GC−MS(Agilent6890/5973)により行った。得られた結果を表3に示す。
樹脂塔1を樹脂塔2とした以外は、参考例3と同様にして行った。得られた結果を表3に示す。
樹脂塔1を樹脂塔3とした以外は、参考例3と同様にして行った。得られた結果を表3に示す。
製造例1で得られた樹脂塔1を、比較製造例1で得られた樹脂塔4に変更した以外は、参考例1と同様に行った。得られた結果を表1に示す。
製造例1で得られた樹脂塔1を、比較製造例1で得られた樹脂塔4に変更した以外は、参考例2と同様に行った。得られた結果を表2に示す。
製造例1で得られた樹脂塔1を、比較製造例1で得られた樹脂塔4に変更した以外は、参考例3と同様に行った。得られた結果を表3に示す。
一方、比較例1では、PGMEAを通液することにより、全てのイオン交換基が消費されてしまうことがわかった。
表3に示すように、参考例3、実施例5,6のいずれにおいても、PGMEA中の塩酸を高精度に除去できることがわかった。一方、比較例3では、塩酸を高精度に除去できるものの、酢酸がPGMEA中に残存することがわかった。このことで、PGMEAの加水分解によって比較例3のイオン交換樹脂は酢酸形となり、さらに塩酸と接触することで、選択性の低い酢酸がイオン交換基から遊離し、PGMEAの純度低下が起きることが確認できた。
Claims (3)
- 陰イオン性不純物を含むエステルを、不活化したOH形強塩基性交換基を有する塩基性陰イオン交換樹脂に通液することにより、陰イオン性不純物を除去する方法において、
前記不活化したOH形強塩基性交換基を有する塩基性陰イオン交換樹脂は、OH形強塩基性交換基を有する塩基性陰イオン交換樹脂に、あらかじめ不活性化用のエステルまたは中性塩を接触させ、OH形強塩基性交換基を不活化させたものであることを特徴とする、エステルの精製方法。 - 前記塩基性陰イオン交換樹脂の母体構造がアクリル重合体であることを特徴とする、請求項1に記載の精製方法。
- 前記塩基性陰イオン交換樹脂の水分が30質量%以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の精製方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007331389A JP5096907B2 (ja) | 2007-12-25 | 2007-12-25 | エステルの精製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007331389A JP5096907B2 (ja) | 2007-12-25 | 2007-12-25 | エステルの精製方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009155208A JP2009155208A (ja) | 2009-07-16 |
JP5096907B2 true JP5096907B2 (ja) | 2012-12-12 |
Family
ID=40959604
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007331389A Active JP5096907B2 (ja) | 2007-12-25 | 2007-12-25 | エステルの精製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5096907B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017116759A1 (en) | 2015-12-28 | 2017-07-06 | Dow Global Technologies Llc | Purification process for hydrolysable organic solvent |
WO2017116755A1 (en) | 2015-12-28 | 2017-07-06 | Dow Global Technologies Llc | Purification process for hydrophilic organic solvent |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011018784A (ja) | 2009-07-09 | 2011-01-27 | Sony Corp | 半導体レーザ素子及びその駆動方法、並びに、半導体レーザ装置 |
JP6349943B2 (ja) * | 2014-05-13 | 2018-07-04 | 三菱ケミカル株式会社 | 化合物の精製方法、及び高分子化合物の製造方法 |
CN108137476B (zh) * | 2015-10-02 | 2021-03-02 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 高纯度羧酸酯及其制造方法 |
JP2018071870A (ja) * | 2016-10-27 | 2018-05-10 | オルガノ株式会社 | イオン交換樹脂の乾燥方法、乾燥装置および強塩基性陰イオン交換樹脂 |
JP7229023B2 (ja) * | 2019-01-24 | 2023-02-27 | 倉敷繊維加工株式会社 | カルボン酸誘導体を含む薬液を濾過する方法 |
CN110305012A (zh) * | 2019-08-16 | 2019-10-08 | 南通百川新材料有限公司 | 一种半导体级丙二醇甲醚乙酸酯的合成工艺 |
KR102598771B1 (ko) * | 2021-09-27 | 2023-11-06 | 재원산업 주식회사 | 포토레지스트 공정에 사용되는 고순도 알킬렌글리콜 모노알킬 에테르 카르복실산 에스테르의 정제방법 |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60163832A (ja) * | 1984-02-03 | 1985-08-26 | Nisshin Oil Mills Ltd:The | グリセリドの加水分解法 |
JPH02186244A (ja) * | 1989-01-12 | 1990-07-20 | Sumitomo Heavy Ind Ltd | アミン系イオン交換樹脂の保有水分測定方法 |
JPH04230291A (ja) * | 1990-12-05 | 1992-08-19 | Showa Denko Kk | アルコキシシラン中の塩素化合物の除去方法 |
JPH06107593A (ja) * | 1992-09-25 | 1994-04-19 | Sumika Fine Kemu Kk | tert−ブチルエステルの精製方法 |
JPH09169698A (ja) * | 1995-12-22 | 1997-06-30 | Mitsui Toatsu Chem Inc | メタクリル酸エステルの精製方法 |
JP3955162B2 (ja) * | 1999-04-23 | 2007-08-08 | オルガノ株式会社 | 酸溶液から酸を除去する方法およびその装置 |
JP4059685B2 (ja) * | 2001-02-16 | 2008-03-12 | ダイセル化学工業株式会社 | 高純度酢酸ブチル及びその製造方法 |
JP2003342226A (ja) * | 2002-05-23 | 2003-12-03 | Nippon Shokubai Co Ltd | グリオキシル酸の製造方法 |
-
2007
- 2007-12-25 JP JP2007331389A patent/JP5096907B2/ja active Active
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017116759A1 (en) | 2015-12-28 | 2017-07-06 | Dow Global Technologies Llc | Purification process for hydrolysable organic solvent |
WO2017116755A1 (en) | 2015-12-28 | 2017-07-06 | Dow Global Technologies Llc | Purification process for hydrophilic organic solvent |
US10913058B2 (en) | 2015-12-28 | 2021-02-09 | Dow Global Technologies Llc | Purification process for hydrolysable organic solvent |
US11759774B2 (en) | 2015-12-28 | 2023-09-19 | Dow Global Technologies Llc | Purification process for hydrophilic organic solvent |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2009155208A (ja) | 2009-07-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5096907B2 (ja) | エステルの精製方法 | |
JP5507029B2 (ja) | 有機媒体から有機ヨウ化物を除去する方法 | |
CN101171233B (zh) | 高纯度乙腈及其制造方法 | |
CA2080744A1 (en) | Process for removing iodide compounds from carboxylic acids and carboxylic acid anhydrides | |
CA3009750C (en) | Purification process for hydrolysable organic solvent | |
CN113134396B (zh) | 一种利用玉米浸泡水制备植酸钾时可降低解吸剂用量的工艺方法 | |
WO2005065265A2 (en) | Selective fluoride and ammonia removal by chromatographic separation of wastewater | |
KR20120070564A (ko) | 수산화테트라알킬암모늄의 제조방법 | |
Kennedy | Macroreticular polymeric adsorbents | |
KR101806823B1 (ko) | 테트라알킬암모늄염 수용액의 제조 방법 | |
JP4758894B2 (ja) | 酸水溶液の精製方法 | |
JP4518112B2 (ja) | 塩基性陰イオン交換樹脂の精製方法 | |
JP2020001955A (ja) | 精製塩酸の製造方法 | |
JP5483958B2 (ja) | 水酸化テトラアルキルアンモニウムの製造方法 | |
JPH11352283A (ja) | 復水処理方法及び復水脱塩装置 | |
JPWO2008133322A1 (ja) | テトラアルキルアンモニウムイオン含有現像廃液の処理方法 | |
TWI423836B (zh) | 自含氫氧化四烷基銨之廢液回收及純化其之方法 | |
JP2003048716A (ja) | モリブデン酸塩の回収方法 | |
JP2012035196A (ja) | 酢酸含有排水の処理方法及び装置 | |
JP3531403B2 (ja) | 過酸化水素水の精製方法 | |
JP4089320B2 (ja) | 塩基性陰イオン交換樹脂の精製方法 | |
JP2005295916A (ja) | 糖含有溶液の精製方法 | |
WO2024004452A1 (ja) | 弱塩基性陰イオン交換樹脂の精製方法 | |
JP2016174979A (ja) | テトラアルキルアンモニウム塩水溶液の製造方法 | |
JP3636231B2 (ja) | 過酸化水素水溶液の精製方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20100628 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20110825 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20110914 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20120524 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120612 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120719 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120911 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120921 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5096907 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150928 Year of fee payment: 3 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |