JPH04230291A - アルコキシシラン中の塩素化合物の除去方法 - Google Patents

アルコキシシラン中の塩素化合物の除去方法

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JPH04230291A
JPH04230291A JP6920091A JP6920091A JPH04230291A JP H04230291 A JPH04230291 A JP H04230291A JP 6920091 A JP6920091 A JP 6920091A JP 6920091 A JP6920091 A JP 6920091A JP H04230291 A JPH04230291 A JP H04230291A
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alkoxysilane
activated carbon
chlorine compounds
chlorine
alkali
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JP6920091A
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Yoshimasa Ishimura
石村 善正
Tsutomu Nozawa
能沢 勉
Isao Yamagami
功 山上
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Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアルコキシシラン中に含
まれる塩素化合物の除去方法に関し、さらに詳しくは、
活性炭とイオン交換樹脂を併用して使用する方法、アル
カリ処理した活性炭を用いる方法、あるいは、金属水素
化物を使用する方法、によるアルコキシシラン中に含ま
れる塩素化合物の除去方法に関する。本発明で使用され
るアルコキシシランは、シランカップリング剤あるいは
合成石英などの原料として有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】従来アルコキシシランは、クロロシラン
とアルコールとの反応により製造されている。このため
、アルコキシシラン製品中には、塩素化合物の混入が避
けられない。アルコキシシランは、前記のように有用な
化合物であるが、アルコキシシラン中に塩素化合物に起
因する不純物が含まれると、最終製品である電気、電子
材料にも、塩素化合物に起因する不純物が含有されるた
め、絶縁性が低くなり、これらの製品を電子、電気材料
分野へ応用することが困難となる。このことから、アル
コキシシラン中に含まれる塩素化合物を効率よく除去し
、好ましくはアルコキシシランに対して、塩素原子換算
で、5重量ppm 以下まで除去する方法が望まれてい
る。
【0003】従来、産業界において、不純物としての塩
酸などの酸性物質や、ハロゲン化合物を除去する方法と
して、塩基性化合物を使用する方法は公知の事実である
。特に、■アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属の水
酸化物や酸化物を用いる方法、■トリエチルアミン、ピ
リジンなどの窒素化合物を用いる方法、などが一般的で
ある。しかし、これら方法をアルコキシシラン中の酸性
物質やハロゲン化合物の除去に使用した場合、以下に示
す重大な欠点がある。
【0004】■の方法でアルコキシシランを精製しよう
とすると、アルカリ金属の水酸化物や酸化物と、塩酸な
どの酸性物質との反応により水が生成し、生成した水が
アルコキシシランと反応し、高沸点のシロキサン化合物
(例えば、トリエトキシシランを精製しようとすると1
,1,3,3−テトラエトキシジシロキサン)を生成す
るため、アルコキシシランの損失量が多いという欠点が
あった。また、酸化ナトリウムのような、強塩基性の金
属酸化物を用いると、アルコキシシランの不均化反応が
進行するという欠点がある。
【0005】また、■の方法でアルコキシシランを精製
しようとすると、酸性物質を除去することにより生成し
たアンモニウム塩(例えばアンモニアを用いた場合、ア
ンモニウムクロライド)は、蒸留、抽出などの分離手段
を用いても、アルコキシシランとの分離が困難である。
【0006】そこで、産業界においては、このような問
題点を回避するためのアルコキシシランの精製方法が各
種検討されている。従来、アルコキシシラン中の塩素化
合物を除去する方法としては、(1)金属ナトリウムを
用いて除去する方法(ジャーナルオブ  オルガノメタ
リック  ケミストリー(Journal  of  
Organometallic  Chemistry
),第265巻,1984年,135〜139頁)。(
2)リチウム、ナトリウム、亜鉛などの有機金属化合物
と接触させる方法(特開平2−235887号公報)。 (3)アルコキシシランを塩基性イオン交換樹脂と接触
させる方法(特開平2−237601号公報)などが知
られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
方法には、以下に示す重大な問題点がある。(1)の方
法は、アルキルトリアルコキシシラン中の塩素化合物、
特にハロゲン化アルキルの除去方法であり、塩素化合物
を目的レベルまで低減できるものの、反応が遅く、また
、金属ナトリウムが工業的使用に適さない。さらにこの
方法を、水素−ケイ素結合を持つトリアルコキシシラン
に使用した場合、トリアルコキシシランの不均化反応に
より生成したと考えられるシラン(SiH4 )が多く
生成し、このシランが、着火の危険があるという欠点が
ある。
【0008】また(2)の方法は、不純物に対し、化学
量論量以上の有機金属化合物を使用し、反応により塩及
び有機物が生成する(例えば、ブチルリチウムを使用し
て塩化水素を除去した場合、塩化リチウム及びブタン)
。これらの内塩は、ろ過、蒸留などにより除去すること
ができるが、有機物は、アルコキシシランとの分離を行
う際に、蒸留条件を特定させなければならないという欠
点がある。
【0009】さらに(3)の方法は、簡便かつ安価な方
法であるが、脱塩素化合物処理後のアルコキシシラン中
の塩素化合物の含有量は、塩素原子として10重量pp
m 程度であり、目的レベルまで塩素化合物を除去でき
ない。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を克服するために、鋭意研究を重ねた結果、アルコキシ
シラン中に含まれる塩素化合物の除去方法において、■
活性炭とイオン交換樹脂を併用して使用する方法、■ア
ルカリ処理した活性炭を用いる方法、■金属水素化物を
用いる方法、が効果的であることを見いだし、本発明を
完成させた。本発明の方法は、アルコキシシランを精製
するに際し、特にアルコキシシラン中に含まれる塩素化
合物を除去するに際し、アルコキシシランと脱塩素化合
物処理剤とを接触させ、その後、ろ過、蒸留などの適当
な方法によりアルコキシシランを単離する方法である。
【0011】本発明において、アルコキシシランとは、
一般式
【0012】
【化2】Si(R1 )n(OR2 )4−n で示さ
れる化合物であって、式中、R1 は、水素あるいは炭
素数1〜20の脂肪族炭化水素基あるいは芳香族炭化水
素基であり、R2 は、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素
基であり、nは、0,1,2または3である。
【0013】本発明に有用なアルコキシシランとしては
、テトラメトキシシラン、テトラエトキシラン、テトラ
プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テト
ラブトキシシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシ
シラン、トリプロポキシシラン、トリイソプロポキシシ
ラン、トリブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン
、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシ
ラン、フェニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキ
シシラン、アリルトリエトキシシラン、ジメチルジメト
キシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジ
メトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジアリル
ジメトキシシラン、ジアリルジエトキシシランなどが挙
げられるがこの限りではない。
【0014】本発明でいうアルコキシシラン中に含まれ
る塩素化合物とは、塩化水素(HCl)や、クロロシラ
ン類(Si−Cl結合を持つ化合物)などである。
【0015】本発明でいう脱塩素化合物処理剤とは、活
性炭、イオン交換樹脂、アルカリ処理した活性炭、金属
水素化物から選ばれる少なくとも一種の物質である。本
発明において、脱塩素化合物処理を行う温度は、特に限
定しないが、0〜200℃、好ましくは、常温から使用
するアルコキシシランの沸点の範囲で行うのが望ましい
【0016】■活性炭とイオン交換樹脂を併用して使用
する方法この方法は、活性炭とイオン交換樹脂を併用し
て使用する方法である。■の方法において、活性炭は、
一般市販の物を使用できるが、含有塩素化合物量が少な
く、かつ、含水量が少ないものが好ましい。形状は、粉
状、粒状、破砕状など、種々の形状の物が使用できる。 また■の方法において、これら市販品の活性炭を減圧加
熱下で乾燥させ、含有水分量を低減させることは有効で
ある。
【0017】■の方法において、イオン交換樹脂は、一
般市販の物を使用できるが、含有塩素化合物が少ない物
が好ましい。また、中塩基性から弱塩基性のイオン交換
樹脂が好ましく、弱塩基性の物がさらに好ましい。また
、塩基性イオン交換樹脂中の水分量は少ないものが好ま
しい。さらに■の方法において、塩基性陰イオン交換樹
脂とは、1級,2級,3級アミンあるいは4級アンモニ
ウムを交換基として有する有機重合体である。
【0018】また■の方法において、これら市販品のイ
オン交換樹脂を減圧加熱下で乾燥させ、含有水分量を低
減させることは有効である。さらに■の方法において、
アルコキシシランと、活性炭及びイオン交換樹脂との接
触方法としては、撹拌式あるいは固定床式に行うことが
できる。■の方法において、使用する活性炭及びイオン
交換樹脂の量は、撹拌式においては、当該アルコキシシ
ランに対して0.001〜10重量%で使用することが
できるが、0.1〜5重量%で使用するのが望ましい。 また、固定床式においては、空間速度が、0.1〜10
00hr−1で使用することができるが、1〜100h
r−1で行うのが望ましい。■の方法において、活性炭
とイオン交換樹脂は、同時に接触させることができるが
、活性炭と接触させた後、イオン交換樹脂と接触させる
方法や、その逆もまた可能である。
【0019】■アルカリ処理した活性炭を用いる方法こ
の方法は、アルカリ処理した活性炭を用いる方法である
。■の方法において、活性炭は、一般市販の物を使用で
きるが、含有塩素化合物量が少なく、かつ、含水量が少
ないものが好ましい。形状は、粉状、粒状、破砕状など
、種々の形状の物が使用できる。また■の方法において
、これら市販品の活性炭を減圧加熱下で乾燥させ、含有
水分量を低減させることは有効である。
【0020】■の方法において、アルカリ処理した活性
炭とは、活性炭を、アルカリ化合物を適当な溶媒に溶解
させた溶液に浸した後、ろ過、洗浄、乾燥する方法、あ
るいは、活性炭を充填塔に詰め、アルカリ化合物を適当
な溶媒に溶解させた溶液を通液した後、洗浄、乾燥する
方法などにより調製された活性炭である。本発明でいう
アルカリ化合物とは、周期律表の1A族及び2A族から
選ばれる金属の水酸化物、酸化物、炭酸塩、有機酸塩お
よびアルコラート、あるいは、アンモニアや、1級,2
級,3級アミン等である。具体的には、水酸化リチウム
、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酸化カルシウム
、酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム
、安息香酸ナトリウム、ナトリウムエトキシド、アンモ
ニア、トリエチルアミン、ピリジン等が挙げられるがこ
の限りではない。
【0021】さらに■の方法において、アルコキシシラ
ンとアルカリ処理した活性炭との接触方法としては、撹
拌式あるいは固定床式に行うことができる。■の方法に
おいて、使用するアルカリ処理した活性炭の量は、撹拌
式においては、当該アルコキシシランに対して0.00
1〜10重量%で使用することができるが、0.1〜5
重量%で使用するのが望ましい。また、固定床式におい
ては、空間速度が、0.1〜1000hr−1で使用す
ることができるが、1〜100hr−1で行うのが望ま
しい。
【0022】■金属水素化物を用いる方法この方法は、
金属水素化物を用いる方法である。■の方法において、
金属水素化物とは、周期律表における1A族,2A族,
3B族の中から選ばれる少なくとも1種の金属と、水素
の化合物である。具体的には、水素化リチウム、水素化
ナトリウム、水素化カルシウム、水素化ほう素ナトリウ
ム、水素化アルミニウムリチウムなどが挙げられるがこ
の限りではない。
【0023】本発明の方法における金属水素化物を用い
る方法において、使用する金属水素化物は、アルコキシ
シランと直接接触させることができるが、所望により適
当な溶媒に溶解させて使用してもよい。具体的には、ジ
エチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコ
ール、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレ
ングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコー
ルジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチ
ルエーテル、12−クラウン−4,15−クラウン−5
,18−クラウン−6などが使用できるがこの限りでは
ない。また、使用する金属水素化物の量は、アルコキシ
シラン中に含まれる塩素量に対して少なくとも化学量論
量以上必要であるが、過剰に使用してもよい。
【0024】
【作用】■活性炭とイオン交換樹脂を併用して使用する
方法活性炭とイオン交換樹脂を併用して使用する方法に
おいては、アルコキシシラン中に含まれる塩酸は、イオ
ン交換樹脂により吸着され、アルコキシシランから除去
することができ、塩酸以外の塩素化合物は、活性炭が吸
着することにより、アルコキシシランから除去すること
ができる。すなわち、アルコキシシラン中に含まれる数
種の塩素化合物を除去する際には、活性炭とイオン交換
樹脂を併用して使用する本発明の方法が有効である。本
発明の方法は、イオン交換樹脂のみを用いる従来の方法
(特開平2−237601号公報)と比較すれば明らか
なように、イオン交換樹脂だけでは除去することが困難
な塩素化合物を、活性炭が吸着することにより、アルコ
キシシランから除去する。その結果、アルコキシシラン
中に含まれる塩素化合物の含有量を目的レベルまで除去
することが可能である。
【0025】■アルカリ処理した活性炭を用いる方法ア
ルカリ処理した活性炭を使用する方法においては、活性
炭をアルカリ処理することにより、活性炭上にアルカリ
化合物が吸着され、あるいは、活性炭上のカルボキシル
基などの酸点が、アルカリ化合物により中和される。こ
の吸着されたアルカリ化合物や、中和された酸点が、ア
ルコキシシラン中に含まれるクロロシランや、塩化水素
と反応し、水及び塩を生成する。このうち水は、活性炭
に吸着されることにより、アルコキシシランから除去さ
れる。また塩は、活性炭とともにろ過され、微量溶解す
る塩は、蒸留等により容易にアルコキシシランと分離す
ることができる。この方法は、従来のアルカリ化合物を
用いる方法(例えば、水酸化ナトリウムや、酸化マグネ
シウムを用いる方法)と比較すれば明らかなように、塩
素化合物、特に塩化水素を除去する方法において、アル
カリ化合物と塩化水素との反応により生成する水が、活
性炭により吸着されるので、アルコキシシランと水との
反応が進行しにくく、アルコキシシランの損失量が少な
いという特徴がある。
【0026】■金属水素化物を用いる方法金属水素化物
を使用する方法においては、金属水素化物とクロロシラ
ンが反応することにより、塩及びヒドロシランを生成す
る。これらはろ過、蒸留等によりアルコキシシランと容
易に分離することができる。この方法は、実質的に水を
生成しない方法であり、高沸点のシロキサン化合物の生
成が実質的にないという特徴を持つ。また、有機物の副
生がなく、蒸留によるアルコキシシランの精製を行うに
際し、簡便な操作および簡単な装置で行うことができる
という利点を持つ。
【0027】以上のように、本発明における三種類の方
法によれば、アルコキシシラン中に含まれる塩素化合物
を除去する方法を、簡単な操作、簡便な装置、及び安価
な方法で行うことができ、アルコキシシランに関する種
々の副反応を抑え、アルコキシシラン中に含まれる塩素
化合物を塩素原子として、5ppm 以下まで除去する
ことができる。
【0028】
【実施例】以下、本発明における三種の方法の実施例を
挙げて、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの
実施例に限定されるものではない。本実施例において、
含有塩素の分析は、アルカリ溶融法(JIS  K−8
001)に準じて行い、イオンクロマトグラフィーにて
定量した。また、アルコキシシランの分析は、ガスクロ
マトグラフィー(GC)により定量し、ガスクロマトグ
ラフ質量分析装置(GC−Mass)により確認した。
【0029】■活性炭とイオン交換樹脂を併用して用い
る方法 実施例1 窒素気流中、300mlの三つ口フラスコに、トリエト
キシシラン(不純物として塩素化合物が塩素原子として
30重量ppm 含まれていた)100g及び、塩素化
合物除去剤として活性炭(武田薬品製,カルボラフィン
,粉状,乾燥品)0.5g、及び、イオン交換樹脂(ダ
イヤイオン製,WA−30,弱塩基性,乾燥品)0.5
gを入れ、室温で1時間撹拌し、脱塩素化合物処理を行
った。処理液を窒素気流中でろ過し、ろ液を減圧、窒素
雰囲気下で蒸留し、トリエトキシシラン95.5gを回
収した。このとき、回収できなかったトリエトキシシラ
ン(トリエトキシシラン損失量)は4.5gであった。 また、回収液中の塩素化合物について分析したところ、
その含有量は、塩素原子として2.0重量ppm であ
った。
【0030】実施例2 窒素気流中、活性炭(北越炭素製,CL−K,粒状,乾
燥品)5.0gと、イオン交換樹脂(ダイヤイオン製,
WA−30,弱塩基性,乾燥品)5.0gの混合品を、
カラム充填塔(20cc)に充填し、トリエトキシシラ
ン(不純物として塩素化合物が塩素原子として30重量
ppm 含まれていた)500gを、1時間かけてカラ
ムに通し、脱塩素化合物処理を行い、流出液482gを
回収した。回収液中のトリエトキシシランの純度は93
.5%であった。また、回収液中の塩素化合物の含有量
は、塩素原子として3.0重量ppm であった。
【0031】実施例3 窒素気流中、300mlの三つ口フラスコに、トリエト
キシシラン(不純物として塩素化合物が塩素原子として
30重量ppm 含まれていた)100g、活性炭(武
田薬品製,白鷺,カルボラフィン,乾燥品)0.5gを
入れ、室温で1時間撹拌した。処理液を窒素気流中でろ
過し、ろ液にイオン交換樹脂(ダイヤイオン製,WA−
30,弱塩基性,乾燥品)0.5gを入れ、室温で1時
間撹拌した。このようにして脱塩素化合物処理を行った
処理液を、窒素気流中でろ過し、減圧、窒素雰囲気下で
蒸留し、トリエトキシシラン92.5gを回収した。こ
のとき、回収できなかったトリエトキシシラン(トリエ
トキシシラン損失量)は7.5gであった。また、回収
液中の塩素化合物の含有量は、塩素原子として2.3重
量ppm であった。
【0032】実施例4 窒素気流中、300mlの三つ口フラスコに、トリエト
キシシラン(不純物として塩素化合物が塩素原子として
30重量ppm 含まれていた)100g、イオン交換
樹脂(ダイヤイオン製,WA−30,弱塩基性,乾燥品
)0.5gを入れ、室温で1時間撹拌した。処理液を窒
素気流中でろ過し、ろ液に活性炭(武田薬品製,白鷺,
カルボラフィン,乾燥品)0.5gを入れ、室温で1時
間撹拌した。このようにして脱塩素化合物処理を行った
処理液を、窒素気流中でろ過し、減圧、窒素雰囲気下で
蒸留し、トリエトキシシラン91.5gを回収した。こ
のとき、回収できなかったトリエトキシシラン(トリエ
トキシシラン損失量)は8.5gであった。また、回収
液中の塩素化合物の含有量は、塩素原子として2.2重
量ppm であった。
【0033】実施例5〜10 アルコキシシランの種類と、活性炭あるいはイオン交換
樹脂の種類及び使用量を変更した以外は、実施例1と同
様の操作によりアルコキシシランの脱塩素化合物処理を
行った。結果を表1に示す。
【0034】比較例1〜2 活性炭あるいはイオン交換樹脂を単独で使用した以外は
実施例1と同様の操作によりトリエトキシシランの脱塩
素化合物処理を行った。結果を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】実施例1及び5〜10の結果によれば、ア
ルコキシシラン中の塩素化合物を除去する方法に、活性
炭とイオン交換樹脂を併用して使用する方法を用いると
、アルコキシシラン中の塩素化合物を塩素原子として4
重量ppm 以下とすることができる。しかし、比較例
1及び2に示した活性炭あるいはイオン交換樹脂を単独
で用いる方法においてでは塩素化合物の含有量が10.
0ないし11.0重量ppm である。このように活性
炭とイオン交換樹脂を併用して使用する方法は、アルコ
キシシラン中の塩素化合物の除去率が高いため、アルコ
キシシラン中の塩素化合物を除去する方法として優れた
方法である。
【0037】■アルカリ処理した活性炭を用いる方法調
整例1 活性炭(カルボラフィン,武田薬品製,粒状,乾燥品)
50gを200mlの充填塔に詰め、水洗した後、アル
カリ化合物処理液として、0.5重量%水酸化ナトリウ
ム水溶液200mlを1時間かけて通液し、水洗後、真
空乾燥器を用いて、100℃で4時間乾燥し、アルカリ
処理した活性炭を調整した。
【0038】調整例2 活性炭として、白鷺−A(武田薬品製,粒状,乾燥品)
を用いた以外は、調整例1と同様にアルカリ処理した活
性炭を調整した。
【0039】調整例3 アルカリ化合物処理液として、0.5重量%水酸化カリ
ウム水溶液200mlを用いた以外は、調整例1と同様
の操作によりアルカリ処理した活性炭を調整した。
【0040】実施例11 窒素気流中、300mlの三つ口フラスコに、トリエト
キシシラン(不純物として塩素化合物が塩素原子として
30重量ppm 含まれていた)100gと、塩素化合
物除去剤として、調整例1のようにアルカリ処理した活
性炭を0.5g入れ、室温で1時間撹拌し、脱塩素化合
物処理を行った。処理液を窒素気流中でろ過し、ろ液を
減圧、窒素雰囲気下で蒸留し、トリエトキシシラン94
.5gを回収した。このとき、回収できなかったトリエ
トキシシラン(トリエトキシシラン損失量)は5.5g
であった。また、回収液中の塩素化合物の含有量は、塩
素原子として2.5重量ppm であった。
【0041】実施例12 窒素気流中、調整例1のように調整した活性炭50gを
200mlの充填塔に詰め、充填塔の上部から、トリエ
トキシシラン(不純物として塩素化合物が塩素原子とし
て30重量ppm 含まれていた)1500gを3時間
かけて通液し、トリエトキシシラン1480gを回収し
た。回収液中のテトラエトキシシランの純度は95.1
%であり、テトラエトキシシランの含有量は、3.0重
量%であった。また回収液中の塩素化合物の含有量は、
塩素原子として4.2重量ppm であった。
【0042】実施例13〜15 アルコキシシランの種類と、活性炭のアルカリ処理の方
法を変更した以外は、実施例11と同様の操作によりア
ルコキシシランの脱塩素化合物処理を行った。結果を表
2に示す。
【0043】比較例3〜4 アルカリ処理した活性炭の代わりにアルカリ化合物を直
接接触させた以外は、実施例11と同様の操作によりト
リエトキシシランの脱塩素化合物処理を行った。結果を
表2に示す。
【0044】
【表2】
【0045】実施例11及び13〜15の結果によれば
、アルコキシシラン中の塩素化合物を除去する方法に、
アルカリ処理した活性炭を用いると、アルコキシシラン
の損失量を7.0g以下に抑えて、アルコキシシラン中
の塩素化合物の含有量を4重量ppm 以下とすること
ができる。しかし、比較例3及び4に示した、アルカリ
処理した活性炭を使用せずに、アルカリ化合物を、アル
コキシシランと直接接触させる方法ではアルコキシシラ
ンの損失量が、9.8〜12.0gである。このように
アルカリ処理した活性炭を用いる方法は、アルコキシシ
ランの損失量が少なく、アルコキシシラン中の塩素化合
物を除去する方法として優れた方法である。
【0046】■金属水素化物を用いる方法実施例16 窒素気流中、300mlの三つ口フラスコを用い、トリ
エトキシシラン(不純物として塩素化合物が塩素原子と
して200重量ppm 含まれていた)100gに、水
素化ほう素ナトリウム0.025gを入れ、還流温度で
10時間撹拌し、脱塩素化合物処理を行った。処理液を
窒素気流中でろ過し、ろ液を減圧、窒素雰囲気下で蒸留
し、トリエトキシシラン97.5gを回収した。このと
き回収液中の塩素化合物について分析したところ、塩素
原子の含有量は4.6重量ppm であった。
【0047】実施例17 トリメトキシシラン(不純物としてテトラメトキシシラ
ンが0.5重量%、及び塩素化合物が塩素原子として1
00重量ppm 含まれていた)100gを使用し、水
素化ほう素ナトリウムを0.0125g使用した以外は
、実施例16と同様に脱塩素化合物処理を行い、トリメ
トキシシラン94.5gを回収した。このとき、回収液
中の塩素化合物の含有量は、塩素原子として4.8重量
ppm であった。
【0048】実施例18 金属水素化物として、水素化アルミニウムリチウムを0
.025g使用した以外は、実施例16と同様に脱塩素
化合物処理を行い、トリエトキシシラン94.5gを回
収した。このとき回収液中の塩素化合物の含有量は、塩
素原子として2.5重量ppm であった。
【0049】
【表3】
【0050】表3に示した実施例16〜18の結果によ
れば、アルコキシシラン中の塩素化合物を除去する方法
に、金属水素化物を用いると、アルコキシシランの損失
量を6.0g以下に抑えて、アルコキシシラン中の塩素
化合物を塩素原子として5.0重量ppm 以下とする
ことができる。しかし、表2に示したアルカリ化合物を
、アルコキシシランと直接接触させる方法(比較例3〜
4)においてではアルコキシシランの損失量が、9.8
〜12.0gである。このように、金属水素化物を用い
る方法は、アルコキシシランの損失量が少なく、アルコ
キシシラン中の塩素化合物を除去する方法として優れた
方法である。
【0051】
【発明の効果】本発明の方法によれば、アルコキシシラ
ンの損失量をごく少量に抑え、アルコキシシラン中に含
まれる塩素化合物を効率よく5ppm 以下まで除去す
ることが可能である。また、本発明を用いれば、脱塩素
化合物処理を、簡単な操作及び簡便な装置かつ安価な方
法で行うことができ、工業上非常に有利である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  一般式 【化1】Si(R1 )n(OR2 )4−n 〔式中
    、R1 は、水素あるいは炭素数1〜20の脂肪族炭化
    水素基あるいは芳香族炭化水素基であり、R2 は、炭
    素数1〜8の脂肪族炭化水素基であり、nは、0,1,
    2または3である〕で示されるアルコキシシランを精製
    するに際し、活性炭と塩基性イオン交換樹脂を併用して
    使用することを特徴とするアルコキシシラン中の塩素化
    合物の除去方法。
  2. 【請求項2】  請求項1記載のアルコキシシランを精
    製するに際し、アルカリ処理した活性炭を使用すること
    を特徴とするアルコキシシラン中の塩素化合物の除去方
    法。
  3. 【請求項3】  請求項1記載のアルコキシシランを精
    製するに際し、周期律表における1A族、2A族、3B
    族の中から選ばれる少なくとも1種の金属の水素化物を
    使用することを特徴とするアルコキシシラン中の塩素化
    合物の除去方法。
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