JP3646328B2 - エチレンジアミン含有廃液の処理方法 - Google Patents

エチレンジアミン含有廃液の処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、シランカップリング剤及び/又はチタンカップリング剤を含有するエチレンジアミン塩酸塩溶液、即ちエチレンジアミン含有廃液を簡単な操作で且つ経済的に処理して、有用なエチレンジアミンの溶液とする方法に関する。エチレンジアミン含有廃液の具体例としては、エチレンジアミンを用いてシランカップリング剤又は、チタンカップリング剤を製造する際に副生する廃液が挙げられる。
【0002】
【従来の技術】
シランカップリング剤はクロロアルキルアルコキシシランとエチレンジアミンとの反応により、またチタンカップリング剤はクロロアルキルアルコキシチタンとエチレンジアミンとの反応によって、一般に製造される。このとき副生した塩酸が過剰のエチレンジアミンと反応してその塩酸塩を形成する。
【0003】
該反応は遊離のエチレンジアミン量が減少するとその速度は低下するので、通常遊離のエチレンジアミンが残存する十分量のエチレンジアミンを用いて反応を行う。そして生成したシランカップリング剤又はチタンカップリング剤を相分離等の手段により分離する。したがってエチレンジアミンを用いてシランカップリング剤又はチタンカップリング剤を製造する際には、これらのカップリング剤が飽和量以上溶存したエチレンジアミンの塩酸塩溶液が副生する。
【0004】
従来、該エチレンジアミン塩酸塩溶液、即ちエチレンジアミン含有廃液を処理する方法はなく、廃棄物として焼却処分されるのが定法であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の方法は有用なエチレンジアミンを無価値な物として扱うばかりでなく、焼却時のNOXや塩酸ガスの発生また焼却費用の面で種々なる問題を有していた。
【0006】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、このエチレンジアミン含有廃液から有用なエチレンジアミンを回収でき、資源の有効活用、環境対策につながるエチレンジアミン含有廃液の処理方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは従来の方法の課題を解決すべくエチレンジアミン含有廃液の処理方法について鋭意研究を重ねた結果、エチレンジアミン含有廃液を活性炭と接触させることでほぼ完全にシランカップリング剤及び/又はチタンカップリング剤を除去することができ、利用可能なエチレンジアミン溶液にできることを見出だし、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち本発明はシランカップリング剤及び/又はチタンカップリング剤を含有するエチレンジアミン塩酸塩溶液を活性炭と接触させ、シランカップリング剤及び/又はチタンカップリング剤を吸着除去し、エチレンジアミン溶液を得ることを特徴とするエチレンジアミン含有廃液の処理方法である。
【0009】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0010】
本発明においていうシランカップリング剤又はチタンカップリング剤は、通常、前者はクロロアルキルアルコキシシランとエチレンジアミン、後者はクロロアルキルアルコキシチタンとエチレンジアミンとの反応によって製造され、特に限定するものではない。
【0011】
具体例としては、N−(2−アミノエチル)アミノメチルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)アミノメチルベンジルオキシジメチルシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリス(2−エチルヘキソキシ)シラン、(N−(2−アミノエチル)アミノメチル)フェネチルトリメトキシシラン、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート等が挙げられる。
【0012】
これらのシランカップリング剤又はチタンカップリング剤の製造時には塩酸が副生し過剰のエチレンジアミンと反応してその塩酸塩を形成する。また該反応は遊離のエチレンジアミン量が減少するとその速度は低下するので、遊離のエチレンジアミンが残存する十分量のエチレンジアミンを用いて反応が行われる。そして生成したシランカップリング剤又はチタンカップリング剤を相分離等の手段により分離する。したがって、エチレンジアミンを用いてシランカップリング剤又は、チタンカップリング剤を製造する際には、これらのカップリング剤が溶存したエチレンジアミンの塩酸塩溶液即ち、エチレンジアミン含有廃液が副生する。
【0013】
このエチレンジアミン含有廃液の組成は、特に限定するものではないが、通常カップリング剤1〜5wt%、エチレンジアミン塩酸塩35〜80wt%(塩酸分13〜30wt%)、遊離エチレンジアミン15〜60wt%であり、その他微量の水分、アルコ−ル等を含む。また含有されるカップリング剤は、シランカップリング剤及びチタンカップリング剤のいずれか一方、又はこれらの混合物のいずれでも良い。
【0014】
カップリング剤含量が過剰な場合、カップリング剤相とカップリング剤が飽和量溶解したエチレンジアミン塩酸塩溶液相の2液相となるが差支えない。しかしながら、操作性を考慮すると1液相で処理するのが好ましい。エチレンジアミン塩酸塩溶液に含有されるカップリング剤濃度は組成、温度等により異なり、エチレンジアミン塩酸塩濃度が高い程、水分濃度が高い程、温度が低い程、その濃度は低下する。カップリング剤濃度が低い程、活性炭との接触時において該活性炭量を減じることができ好ましく、エチレンジアミン含有廃液に塩酸を添加し遊離のエチレンジアミンを中和してエチレンジアミン塩酸塩にしても良く、また水を添加しても良い。
【0015】
水はエチレンジアミン含有廃液の減粘効果があり、添加しても良いが水分濃度が高いとカップリング剤の加水分解が起こり易くなり、副生成物量が増し、且つ処理液量が増すのでその添加量は有効な減粘効果が発揮できる50wt%以下が好ましい。アルコールは、該カップリング剤合成時の副生に由来するが、エチレンジアミン含有廃液の粘度を減じ、操作性を向上させる目的で別に添加しても良い。しかしながら、過剰に加えると処理液量が増すのでその添加量は有効な減粘効果が発揮できる50wt%以下が好ましい。アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコールの低級アルコールが減粘効果が大であり、またエチレンジアミンとの蒸留分離が容易であり好ましい。
【0016】
活性炭としては、市販のヤシ殻炭、石炭系いずれも好適に用いることできるが、本件においては効果的利用面より特に石炭系が好ましい。また形状としては粉状品、粒状品、造粒等の成型品いずれも使用できる。懸濁状態で接触させる場合、粉状品、粒状品が好ましく、固定床で使用する場合強度の大きい成型品が好ましい。
【0017】
接触方法としては、回分式、固定床流通式等いずれの方式でも良い。活性炭の利用率を高め、操作性を向上させ、大量処理を行う場合は、後者が好ましい。回分式では、活性炭利用率がやや低下するものの小規模処理には適する。
【0018】
接触温度は、特に限定するものではないが、好ましくは10〜100℃である。10℃以下の場合、冷却設備が必要で又、エチレンジアミン含有廃液の粘度が数百mPa・s以上に上昇し、接触時間を長くする必要が生じる。100℃以上の場合、粘度は低くでき吸着速度も高まり、より短時間で処理できるものの、加熱の為のエネルギーが必要となる。10〜100℃では、カップリング剤の吸着速度は大きく、操作はより容易でありエネルギー消費も少なく好適な接触操作ができる。更に好ましい温度は、20〜70℃であり上述した効果がより大きくなる。
【0019】
エチレンジアミン含有廃液と活性炭の接触時間は、温度、エチレンジアミン含有廃液組成、接触形式により変える必要があるが、通常0.5〜100時間で吸着平衡となる。固定床流通式で操作する場合、空塔速度(SV):0.01〜2/Hr、液線速度(LV):0.01〜20m/Hrで好適に行うことができ、これらの値が小さいとカップリング剤除去率は高くできるが、より多くの時間を要し、逆に大きいと時間は短くて良いがカップリング剤除去率が低下する。カップリング剤の吸着時、大きな発熱、固形物の生成等特に変化はなく操作性は良い。又、固定床流通式で行う場合、活性炭層への空気等のガスの混入はできる限り抑制することが、活性炭の利用率を高めること、カップリング剤除去率を高めることから好ましい。そのための前処理操作として、エチレンジアミン含有廃液の加熱、減圧、超音波処理等の脱気操作が好適である。また液流れ方向は上向、下向いずれも適用できる。
【0020】
以上の操作により、エチレンジアミン含有廃液中のカップリング剤を効果的且つ効率的に除くことができる。エチレンジアミン含有処理液(エチレンジアミン含有廃液中より、シランカップリング剤又は、チタンカップリング剤を活性炭で吸着除去した後の液を表し、以下エチレンジアミン含有処理液と称す)中のカップリング剤含量は、100ppm以下、10ppm以下にもでき、エチレンジアミン含有処理液の有効活用が図れる。又、活性炭へのカップリング剤吸着量は、0.1kg/kg・活性炭以上、0.5kg/kg・活性炭以上にもでき効率良く活性炭が利用できる。カップリング剤を吸着した活性炭は焼却処分しても良いし、トルエン等の有機溶剤により脱着回収しても良い。
【0021】
活性炭処理後のエチレンジアミン含有処理液は、残存するエチレンジアミンの機能を生かして、アルカリ剤、反応薬剤として有効活用しても良いが、以下の方法でエチレンジアミンを単離しても良い。その場合、利用範囲はより広くなり、エチレンジアミンの機能もより発現できるので好ましい方法である。即ち、
(1)エチレンジアミン含有処理液を蒸留して、アルコール等のエチレンジアミンよりも低沸点の不純物を留出除去し、次いで水酸化ナトリウム等のアルカリ金属の水酸化物を、該処理液が含有する塩酸分に対して当量以上加え、エチレンジアミン塩酸塩を中和し、析出する塩化ナトリウム等の塩酸塩を分離・除去し、該溶液を蒸留してエチレンジアミン又はエチレンジアミン水溶液を得る方法。
【0022】
(2)(1)の方法で析出する塩化ナトリウム等の塩酸塩を分離・除去することなくそのまま蒸留して、エチレンジアミン又はエチレンジアミン水溶液を得る方法。
【0023】
(3)エチレンジアミン含有処理液に、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属の水酸化物を、該処理液が含有する塩酸分に対して当量以上加え、エチレンジアミン塩酸塩を中和し、析出する塩化ナトリウム等の塩酸塩を分離・除去し、該溶液を蒸留して、アルコール等のエチレンジアミンよりも低沸点の不純物とエチレンジアミン、又は該不純物とエチレンジアミン水溶液に分留する方法。
【0024】
(4)(3)の方法で析出する塩化ナトリウム等の塩酸塩を分離・除去することなくそのまま蒸留して、アルコール等のエチレンジアミンよりも低沸点の不純物とエチレンジアミン、又は該不純物とエチレンジアミン水溶液に分留する方法。
【0025】
(5)エチレンジアミン含有処理液に、該処理液が含有する塩酸分に対して水酸化ナトリウム等のアルカリ金属の水酸化物を過剰に加え、エチレンジアミン相と水酸化ナトリウム等のアルカリ金属の水酸化物の水溶液相の二液相を形成させ、相分離した後、濃縮されたエチレンジアミン相を蒸留してエチレンジアミン又は、エチレンジアミン水溶液を得る方法である。
【0026】
上記の方法において、エチレンジアミン含有処理液を蒸留してアルコール等のエチレンジアミンよりも低沸点の不純物を留出除去した後、アルカリ金属の水酸化物を加えても良い。またアルカリ金属の水酸化物を加え、析出した塩化ナトリウム等の塩酸塩を分離・除去した後、該溶液を蒸留しても良い。
【0027】
アルカリ金属しては、特に限定するものではないが、工業的な利用では経済性及び安定供給面からナトリウム、カリウムの水酸化物が好ましい。いずれの方法も水酸化ナトリウム等のアルカリ金属の水酸化物を加え、塩酸塩を中和し、次いで蒸留してエチレンジアミンを得ることを骨子としており、高純度のエチレンジアミンが得られ有効且つ、有用に再使用することができる。
【0028】
【実施例】
以下、実施例及び、比較例により本発明の効果を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。又、シランカップリング剤含量及び、チタンカップリング剤含量はそれぞれSi、Ti基準としてICP分析法により求めた。
【0029】
実施例1
エチレンジアミン含有廃液(組成:エチレンジアミン69.0wt%、塩酸25.7wt%、メタノール2.5wt%、N−(2ーアミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(Si基準:3500mg/kg))100gを250mlポリプロピレン製三角フラスコに採り、次に市販の活性炭(石炭系粒状炭、商品名:ダイアホープ008)15gを加え40℃の振とう機付恒温槽中で16時間接触処理した。その後活性炭をメンブランフィルターにより分離除去し、瀘液中のシランカップリング剤濃度(Si基準)をICP分析法により求めたところ、87mg/kgであった。
【0030】
実施例2〜実施例10
エチレンジアミン含有廃液中のカップリング剤の種類と濃度及び、活性炭の種類と添加量を表1に記載した通りに変えた以外実施例1と同様に操作した。結果を表1に示す。いずれも、少量の活性炭で効率良くカップリング剤を除去できた。またエチレンジアミン含有廃液の希釈剤として水、メチルアルコールを用いた場合(実施例7及び実施例8)、液粘度は低下し操作性良く、またカップリング剤の吸着除去率も高い値を得た。尚、表1に示すエチレンジアミン含有廃液の、カップリング剤を除くその他の組成は、エチレンジアミン71.0wt%、塩酸26.4wt%、メタノール2.6wt%と微量の水である。
【0031】
【表1】
Figure 0003646328
【0032】
実施例11
内径26mmのジャッケト付ガラスカラムに、市販の活性炭(石炭系粒状炭、商品名:ダイアホープ008)500mlを充填し(充填層高:1000mm)、ジャッケト内を55℃の温水で加温した。この活性炭充填カラムにエチレンジアミン含有廃液(組成:実施例1に同じ)を100ml/Hrの供給速度で通液した。一定時間毎に流出液をサンプリングし、ICP分析法にて流出液中のSi濃度を測定した。破過点までの流出液量は1400mlであり、この時の流出液中のSi濃度は10mg/kg以下であり効率良くシランカップリング剤を除去できた。
【0033】
次に活性炭処理後の液1000g(組成:エチレンジアミン71.0wt%、塩酸26.4wt%、メタノール2.6wt%)を窒素吹込み管及び、温度挿入管を備えた2000ml丸形フラスコに仕込み、オールダーショウ蒸留塔(実段数20段、内径30mm×長さ1000mm)を用いて低沸点のアルコール(メタノール)26gを含むエチレンジアミン混合物71gを蒸留除去した。その時の丸形フラスコ残存物921gを分析したところ、エチレンジアミンに対するメタノール濃度は0.01%以下であった。次いでこの液800gを冷却管、滴下ロ−ト及び、攪拌機を備えた2000mlセパラブルフラスコに仕込み50℃に維持して、滴下ロ−トにより48%水酸化ナトリウム水溶液529gを加えエチレンジアミン塩酸塩を中和し、塩化ナトリウムを析出させた。そして、このスラリーを遠心瀘過機により固液分離し、瀘液1012gと湿結晶298gを得た。瀘液の分析を行ったところエチレンジアミンは550g、メタノールは0.01%以下であり、その他の有機物は認められなかった。
【0034】
実施例12
内径26mmのジャッケト付ガラスカラムに、市販の活性炭(石炭系粒状炭、商品名:クラレコールGWH−C)500mlを充填し(充填層高:1000mm)、ジャッケト内を55℃の温水で加温した。この活性炭充填カラムにエチレンジアミン含有廃液(組成:実施例1に同じ)を50ml/Hrの供給速度で通液した。一定時間毎に流出液をサンプリングし、ICP分析法にて流出液中のSi濃度測定した。破過点までの流出液量は1700mlであり、この時の流出液中のSi濃度は10mg/kg以下であり、効率良くシランカップリング剤を除去できた。
【0035】
次に活性炭処理後の液1000g(組成:エチレンジアミン71.0wt%、塩酸26.4wt%、メタノール2.6wt%)を冷却管、滴下ロート及び、攪拌機を備えた2000mlセパラブルフラスコに仕込み50℃に維持し、滴下ロートにより48%水酸化ナトリウム水溶液609gを加え、エチレンジアミン塩酸塩を中和し、塩化ナトリウムを析出させた。次いで、このスラリー1500gを攪拌機、窒素吹込み管及び温度挿入管を備えた2000ml丸形フラスコに仕込み、オールダーショウ蒸留塔(実段数20段、内径30mm×長さ1000mm)を用いて低沸点のアルコール(メタノール)23gを含む水及びエチレンジアミン168gを蒸留除去した後、引き続き蒸留し、エチレンジアミン水溶液501gを回収した。フラスコ内の蒸留残存物は822gであった。ガスクロマトグラフィーにてエチレンジアミン水溶液を分析したところ、エチレンジアミンは325g、エチレンジアミンに対し不純物であるその他の有機物濃度は0.01%以下であり、高純度のエチレンジアミンを再生回収することができた。
【0036】
実施例13
内径26mmのジャッケト付ガラスカラムに、市販の活性炭(ヤシ殻系粒状炭、商品名:クラレコールGW)500mlを充填(充填層高:1000mm)し、ジャッケト内を30℃の温水で加温した。この活性炭充填カラムにエチレンジアミン含有廃液(Si濃度:1500mg/kg、カップリング剤種:実施例1に同じ)を75ml/Hrの供給速度で通液した。一定時間毎に流出液をサンプリングし、ICP分析法にて流出液中のSi濃度を測定した。破過点までの流出液量は1200mlであり、この時の流出液中のSi濃度は10mg/kg以下であった。
【0037】
次に活性炭処理後の液1000g(組成:エチレンジアミン71.0wt%、塩酸26.4wt%、メタノール2.6wt%)を冷却管、滴下ロ−ト及び、攪拌機を備えた3000mlセパラブルフラスコに仕込み50℃に維持し、滴下ロ−トにより48%水酸化ナトリウム水溶液1500gを加え、エチレンジアミン塩酸塩を中和すると共に、過剰の水酸化ナトリウムで二相形成させた。上相のエチレンジアミン相1126gを分離回収し、ガスクロマトグラフィーにて分析を行ったところエチレンジアミンは683g、メタノールは25gであった。次いでこのエチレンジアミン相1000gを窒素吹込み管及び、温度挿入管を備えた2000ml丸形フラスコに仕込み、オールダーショウ蒸留塔(実段数20段、内径30mm×長さ1000mm)を用いて低沸点のアルコール(メタノール)22gを含む水及び、エチレンジアミン71gを蒸留除去した後、引続き蒸留し、エチレンジアミン水溶液769gを回収した。フラスコ内の蒸留残存物は152gであった。ガスクロマトグラフィーにてエチレンジアミン水溶液を分析したところ、エチレンジアミンに対し不純物であるその他の有機物濃度は0.01%以下であり高純度のエチレンジアミンを再生回収することができた。
【0038】
比較例1
活性炭との接触処理をしていないエチレンジアミン含有廃液1000g(組成:実施例1に同じ)を冷却管、滴下ロ−ト及び、攪拌機を備えた2000mlセパラブルフラスコに仕込み50℃に維持し、滴下ロ−トにより48%水酸化ナトリウム水溶液593gを加え、エチレンジアミン塩酸塩を中和し、塩化ナトリウムを析出させた。そして、このスラリーを遠心瀘過機により固液分離し、瀘液1234gと湿結晶337gを得た。瀘液の分析を行ったところエチレンジアミンは668g、メタノールは22g、水は420g、塩化ナトリウムは95g、水酸化ナトリウムは3g、シランカップリング剤は27gであり、その他の有機物は認められなっかった。次いでこの瀘液1000gを窒素吹込み管(キャピラリー)及び、温度挿入管を備えた2000ml丸形フラスコに仕込み、オールダーショウ蒸留塔(実段数20段、内径30mm×長さ1000mm)を用いて、80kPaの減圧下、還流比:R/D=10/1、フラスコ内液温度:115〜118℃の条件での蒸留操作による低沸点物の分離除去及び、エチレンジアミンの分離回収を行った。
【0039】
先ず、第1留分として低沸点のメタノール17.1g及びエチレンジアミン29.1gを含むエチレンジアミン水溶液102.7gを蒸留除去した後、引続き蒸留し、第2留分としてエチレンジアミン32.5gを含むエチレンジアミン水溶液70.5gを回収した。この第2留分についてガスクロマトグラフィー分析(キャピラリーカラムDB−5:内径0.23mm×長さ30m、検出器:水素炎)したところ溶液中の有機物組成はエチレンジアミン96.4%、メタノール3.3%、その他の不純物0.3%であった。
【0040】
更に引続き蒸留し、第3留分としてエチレンジアミン116.5gを含むエチレンジアミン水溶液204.1gを、第4留分としてエチレンジアミン127.2gを含むエチレンジアミン水溶液205.7gと蒸留仕込み瀘液の約58wt%を留出分として回収した。この第3、第4留分も、第2留分同様にガスクロマトグラフィー分析したところ溶液中の有機物組成はそれぞれエチレンジアミン99.1%、99.3%、メタノール0.6%、0.5%、その他の不純物0.2%であった。またフラスコ内に薄い黄褐色スラリー状蒸留残存物409gを得た。
【0041】
以上の様に活性炭処理を行わないで、水酸化ナトリウムにより中和し、生成した塩化ナトリウム結晶の分離後蒸留する方法では、メタノール及び、その他の有機不純物は蒸留精製の全過程で留出し、有効利用可能なエチレンジアミンは得られなかった。これらの不純物は、熱及び/又はアルカリによるシランカップリング剤の分解生成物と考えられる。
【0042】
【発明の効果】
本発明により、エチレンジアミン含有廃液を効果的且つ、効率的に処理することができ、有用なエチレンジアミンを回収でき資源の有効利用、環境対策が図れる。以下、その効果を列記する。
【0043】
(1)シランカップリング剤及び/又はチタンカップリング剤を含むエチレンジアミン含有廃液を簡単な装置及び操作で処理することにより、カップリング剤を実質的に含まない産業上有用なエチレンジアミン処理液を得ることができる。
【0044】
(2)活性炭のカップリング剤吸着容量は大きく、経済的処理が実現できる。
【0045】
(3)エチレンジアミン含有処理液を後処理として、アルカリ金属の水酸化物を加え、塩酸塩を中和し、次いで蒸留することにより、高純度で高濃度のエチレンジアミン又は/及びエチレンジアミン水溶液が得られ、その利用範囲は拡大し、産業上有効且つ、有用に活用できる。
【0046】
(4)本発明の方法は、工業的方法として容易に実施できる。
【0047】

Claims (5)

  1. シランカップリング剤及び/又はチタンカップリング剤を含有するエチレンジアミン塩酸塩溶液を活性炭と接触させ、シランカップリング剤及び/又はチタンカップリング剤を吸着除去することにより、エチレンジアミン含有処理液を得ることを特徴とするエチレンジアミン含有廃液の処理方法。
  2. 請求項1の処理方法で得られたエチレンジアミン含有処理液を蒸留してエチレンジアミンよりも低沸点の不純物を留出除去し、次いでアルカリ金属の水酸化物を該処理液が含有する塩酸分に対して当量以上加え析出する塩酸塩を分離・除去し、さらに該溶液を蒸留してエチレンジアミン又はエチレンジアミン水溶液を得ることを特徴とするエチレンジアミン含有廃液の処理方法。
  3. 請求項2の方法において、析出する塩酸塩を分離・除去することなくそのまま蒸留して、エチレンジアミン又はエチレンジアミン水溶液を得ることを特徴とするエチレンジアミン含有廃液の処理方法。
  4. 請求項1の処理方法で得られたエチレンジアミン含有処理液に、アルカリ金属の水酸化物を該処理液が含有する塩酸分に対して当量以上加え析出する塩酸塩を分離・除去し、次いで該溶液を蒸留してエチレンジアミンよりも低沸点の不純物とエチレンジアミン、又は該不純物とエチレンジアミン水溶液に分留することを特徴とするエチレンジアミン含有廃液の処理方法。
  5. 請求項4の方法において、析出する塩酸塩を分離・除去することなくそのまま蒸留して、エチレンジアミンよりも低沸点の不純物とエチレンジアミン、又は該不純物とエチレンジアミン水溶液に分留することを特徴とするエチレンジアミン含有廃液の処理方法。
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