JP3543352B2 - 含硫黄有機珪素化合物の製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、下記式(2)で示されるポリスルフィド構造を有する有機珪素化合物を安定してしかも簡単に製造し得る含硫黄有機珪素化合物の製造方法に関する。
【0002】
【化3】
【0003】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、上記式(2)で表され、分子内にポリスルフィド構造を有する有機珪素化合物の製造方法としては下記(1)〜(6)に示すように種々の方法が提案されている。
【0004】
(1) 例えば下記式で示されるような多硫化ナトリウムとハロゲノアルコキシシランとの反応(特公昭51−2862号公報)
【0005】
【化4】
(2) 例えば下記式で示されるようなビニル官能性シランと硫黄との反応(特開昭55−89290号公報)
【0006】
【化5】
(3) 例えば下記式で示されるような硫化水素ナトリウムと硫黄とハロゲノアルコキシシランとの反応(特公昭57−26599号公報)
【0007】
【化6】
(4) 例えば下記式で示されるようなメルカプト官能性シランと硫黄との反応(特公昭60−33838号公報)
【0008】
【化7】
(5) 例えば下記式で示されるような硫化水素ナトリウムを出発原料とする方法(特公昭57−26671号公報、特公平4−63879号公報)
【0009】
【化8】
(6) 例えば下記式で示されるような脱ハロゲン化水素反応(特公昭59−12117号公報)
【0010】
【化9】
【0011】
しかしながら、(2)の方法は、生成する物質の特定が不可能な反応混合物となってしまうという問題がある。(3)及び(4)の方法は、臭気が激しく有害なH2Sがガス状で発生するため、安全性に問題がある。(5)の方法は、原料として使用する硫化水素ナトリウム(NaSH)が極めて潮解性の高い物質であるため吸湿しやすく、このためアルコキシシランを加水分解させてしまう危険性が高いという問題がある。(6)の方法は、上記反応の際に生成するアンモニウム塩が目的物質であるポリスルフィド構造を有する有機珪素化合物中に溶解しやすいため、分離しにくく、アンモニウム塩を含有したままでこの有機珪素化合物を例えばゴム組成物の補強剤などとして添加した場合、ゴム組成物に悪影響を及ぼす可能性が高いなどの問題がある。
【0012】
以上のことから、多硫化ナトリウムを原料とする(1)の方法が有効とされるが、多硫化ナトリウムも若干の吸湿性があり、また、無水物を生成させるのに手間がかかるため、経済的に不利であるという問題がある(特開平4−144904号公報参照)。
【0013】
即ち、上述したように従来公知のポリスルフィド構造を有する有機珪素化合物の製造方法においては、合成時にH2Sなどの有害物質が副生され、また、吸湿性の高い原料を使用するため、アルコキシ基が加水分解したり、生成塩が目的物質中に溶解したりし、合成方法として好ましいものではない。また、上記製造方法の中で最も有効である多硫化ナトリウム法においても多硫化ナトリウムを無水化するのに手間がかかり、かつ多硫化ナトリウムを単離するために経済的に不利であり、更に、単離した無水多硫化ナトリウムが吸湿性を有しているため、目的とするポリスルフィド構造の有機珪素化合物を高純度で得られないという問題がある。
【0014】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、簡略化された方法でポリスルフィド構造を有する高純度の上記式(2)の含硫黄有機珪素化合物を製造する方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段及び作用】
本発明者らは上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、無水硫化ナトリウムを出発原料とし、極性溶媒中で硫黄と反応させて多硫化ナトリウムとし、これを単離することなく、この反応混合物に下記式(1)で示されるハロゲノアルコキシシランを加えて反応させることにより、一槽の反応器を用いるだけで簡単かつ確実に高純度の下記式(2)の含硫黄有機珪素化合物を安定して製造でき、工業的製法として操作的にも経済的にも非常に有利であることを見い出し、本発明をなすに至った。
【0016】
従って、本発明は、Na2Sで表される無水硫化ナトリウムと硫黄とを不活性ガス雰囲気下、極性溶媒中で反応させて多硫化ナトリウムを得、次いでこの多硫化ナトリウムを単離することなく、これに下記一般式(1)で表されるハロゲノアルコキシシランを加えて不活性ガス雰囲気下で反応させることを特徴とする下記式(2)で表される含硫黄有機珪素化合物の製造方法を提供する。
【0017】
以下、本発明につき更に詳しく説明すると、本発明の上記式(2)の含硫黄有機珪素化合物の製造方法においては、まず無水硫化ナトリウムを極性溶媒中で硫黄と反応させて多硫化ナトリウムを得る。
【0018】
この場合、本発明において使用する無水硫化ナトリウムは、実質的に無水のものであれば工業品をそのまま用いることができ、この場合使用前に減圧下で加熱脱水するか又は有機溶媒を加えて留去するなどの処理を適用し、更に無水化してもよい。
【0019】
また、含水硫化ナトリウム(Na2S・nH2O)を出発原料として使用する場合、減圧下で加熱脱水するか又は有機溶媒を加えて留去するなどの処理によって脱水し、無水硫化ナトリウムとした後に使用する。
【0020】
無水硫化ナトリウム又は含水硫化ナトリウムを減圧加熱脱水する場合、50Torr以下の減圧下、70〜200℃で加熱することが好ましく、特に20Torr以下の減圧下、100〜200℃で加熱することがより好ましい。加熱処理後に系を常温常圧に戻す場合、乾燥窒素雰囲気下で実施することが必要である。
【0021】
なお、本発明の製造方法においては、全ての工程を一つの反応槽中で行うことができるので、減圧加熱脱水処理する際に溶融した若干の無水硫化ナトリウムが反応槽に付着することは差し支えない。
【0022】
また、有機溶媒を加えて水分を留去し、無水硫化ナトリウムを得る場合、含水硫化ナトリウム及び遊離してくる水を有機溶媒中に溶解させることが必要であるので、有機溶媒としてはメタノール、エタノール等のアルコール類、ジオキサン、THF(テトラヒドロフラン)、ジブチルエーテル等のエーテル類、アセトン等のケトン類などの極性有機溶媒を使用することが好ましい。
【0023】
無水硫化ナトリウム又は含水硫化ナトリウムを有機溶媒に加えて留去する方法としては、これらを上記有機溶媒に溶解し、乾燥不活性ガス(窒素ガスなど)雰囲気下で上記溶媒の沸点以上に加熱することによって、溶媒を留去する方法を採用することができる。この場合、水分が留去しやすいように、水と共沸しやすいベンゼン、トルエン等の芳香族系又は脂肪族炭化水素系溶媒を併用し、減圧下で共沸脱水処理を行うこともできる。なお、硫化ナトリウムが実質的に無水になっていれば、使用した有機溶媒が残存していても差し支えない。
【0024】
更に、無水硫化ナトリウムは、NaOR1(R1はメチル基又はエチル基である)とH2Sとをモル比2:1で使用し、これらを無水アルコール中において反応させることによっても得ることができる。この場合、NaOR1としては高純度のものを使用することが好ましく、高純度のNaOR1は窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下、無水アルコール(R1OH)中に金属ナトリウムを溶解させることにより、容易に得ることができるが、水素ガスが発生するため注意を要する。
【0025】
上記で使用する無水アルコールとしては、下記式(1)で表されるアルキルハロシランのアルコキシ基と同一の基を有するものを使用することが必要である。例えば、エトキシ基を有する有機珪素化合物を合成する場合、メタノール溶媒中で反応を行うと、目的とする含硫黄有機珪素化合物のアルコキシ基がメトキシ基とエトキシ基とを混合したものとなってしまうため純度が低下し、好ましくない。以上の理由から使用するアルコールはメタノール又はエタノールが選択される。
【0026】
このようにして得られたNaOR1はアルコール溶液のまま使用することが、取り扱い上及び吸湿防止の観点から好ましい。上記方法で調製したNaOR1のアルコール溶液中に含まれる不純物は、系中の水分と金属ナトリウムとが反応して生成するNaOHで、その絶対量をNaOH/NaOR1=1/100以下、好ましくは0.5/100以下に押さえることが好ましい。NaOHは、下記反応式により水分を放出するため、その絶対量が上記範囲以上になると有機珪素化合物が加水分解、縮合し、純度が大幅に低下してしまうので好ましくない。このような条件を満たしていれば、工業的に生産され、販売されているナトリウムアルコキシドのアルコール溶液をそのまま使用するこもできる。
【0027】
【化10】
【0028】
H2Sは工業的生産されている高純度品を用いることができ、反応時にはガス状で系内に吹き込めばよいので、実質的に無水のものを使用することができる。
【0029】
ナトリウムアルコキシド(NaOR1)とH2Sとの使用割合はモル比で正確にNaOR1/H2S=2とすることが必要である。この比が2を超えると強アルカリ性のNaOR1が系内に不純物として残存し、また、2未満では未反応H2Sが残存したり、NaSHが生成するため、最終目的物の純度低下を引き起こしてしまう。
【0030】
次に、上記無水硫化ナトリウムを出発原料として本発明の含硫黄有機珪素化合物を製造するには、まず、無水硫化ナトリウムを反応槽中において極性溶媒に溶解或いは分散させ、ここに硫黄を加えて極性溶媒中で無水硫化ナトリウムと硫黄とを反応させ、多硫化ナトリウムを生成させる。この場合、極性溶媒としては、メタノール、エタノール等のアルコール類、ジオキサン、THF、ジブチルエーテル等のエーテル類、アセトン等のケトン類などを使用することができる。
【0031】
硫黄は実質的に無水の硫黄であれば粉末状或いはフレーク状などどのようなものでも使用可能である。
【0032】
加える硫黄の量は、目的とする有機珪素化合物中の硫黄(S)の量によって決まる。即ち、例えば無水硫化ナトリウム(Na2S)1モルを使用して下記式(2)で表される含硫黄有機珪素化合物1モルを合成する場合、使用する硫黄の量は(X−1)モルとすることができる(但し、Xは式(2)のXと同様の意味を表わす)。
【0033】
無水硫化ナトリウムと硫黄との反応は、乾燥不活性ガス(窒素ガスなど)雰囲気下、室温〜溶媒の沸点の温度範囲で反応させることにより実施することができる。この反応は、加えた硫黄が完全に溶解してから更に1時間継続することが好ましい。
【0034】
次に、上記反応で生成した無水多硫化ナトリウム溶液にこの無水多硫化ナトリウムを単離することなく直接下記式(1)で表されるハロゲノアルコキシシランを滴下し、反応させる。
【0035】
【化11】
【0036】
式中、R1はメチル基又はエチル基、R2は炭素数1〜9の二価炭化水素基を表し、具体的には下記に示すものが挙げられる。
【0037】
【化12】
【0038】
XはCl、Br、Iなどのハロゲン原子であり、mは1,2又は3である。このようなアルキルハロシランとしては下記に示すものが挙げられる。
【0039】
【化13】
【0040】
【化14】
【0041】
無水多硫化ナトリウムと上記式(1)で表されるハロゲノアルコキシシランとの反応は、乾燥不活性ガス(窒素ガスなど)雰囲気下、室温〜溶媒の沸点の温度範囲で行うことができ、反応速度を高めるためには、溶媒の還流下などの高温条件で行うことが好ましい。
【0042】
使用するハロゲノアルコキシシランは、無水硫化ナトリウム1モルに対して2モル以上、好ましくは2.0〜2.2モルとする必要がある。2モル未満の場合、未反応のNa2Sx或いはポリスルフィドの片末端のみが反応した下記式(3)で表される物質などが系中に不純物として残存し、これらの物質は系から除去不可能であるため、好ましくない。2モルを超えて過剰に使用しても、減圧下で加熱することにより、過剰の未反応のアルキルハロシランは留去可能であるため、問題はない。
【0043】
【化15】
【0044】
反応終了後、反応系を室温まで冷却し、生成した無機塩(NaX)を窒素雰囲気下で濾別し、更に減圧下で加熱処理することにより、使用した有機溶媒を留去し、目的とするポリスルフィド構造を有する含硫黄有機珪素化合物を得ることができる。なお、濾過法としては減圧式(ネッチェ式)或いは加圧式(フィルタープレス式)のいずれでも適用することが可能で、合成原液及び濾過液をできるだけ吸湿させないようにすることが好ましい。
【0045】
一方、NaOR1とH2Sとから無水硫化ナトリウムを製造し、この無水硫化ナトリウムを出発原料として含硫黄有機珪素化合物を製造する場合、無水硫化ナトリウムを製造する工程と含硫黄有機珪素化合物の製造工程とを連続して行うことができる。
【0046】
この場合、操作手順としては、反応槽内を無水状態にした後、槽内を不活性ガスで置換し、高純度のナトリウムアルコキシドのアルコール溶液を仕込み、必要に応じて無水アルコールを追加し、ここにH2Sガスを吹き込み、Na2S溶液を製造する。
【0047】
この場合、反応は室温〜アルコールの沸点までいずれの温度においても行うことができるが、室温付近の比較的低温で実施する方がH2Sガスのアルコール溶液中への吸収がよいので、好ましい。また、更にH2Sガスの吸収をよくする目的で系を若干減圧してもよい。本反応は反応活性が高いので、H2Sガス吹き込み終了後、直ちに次工程に進んでも良いし、同一温度で数時間熟成してもよい。
【0048】
上記操作で得たNa2S溶液に硫黄を所定量加え、不活性ガス雰囲気下で加熱撹拌し、無水多硫化ナトリウム(Na2Sx)を得る。
【0049】
硫黄の添加量は目的とするポリスルフィド構造有機珪素化合物の含硫黄量xにより決定され、例えばナトリウムアルコキシドを2モル使用した場合、(x−1)モル添加すればよい(xは上記と同様の意味を有する)。反応温度は30℃〜アルコールの沸点の範囲であればよいが、特に40℃〜アルコールの沸点温度とすることが好ましい。30℃未満の場合、反応の進行が遅くなる。
【0050】
次に、このようにして得られた多硫化ナトリウムと上記式(1)のハロゲノアルコキシシランとを反応させる。出発原料であるナトリウムアルコキシド(NaOR1)2モルに対して、アルキルハロシランは2モル以上使用することが必要である。アルキルハロシランの量が2モル未満の場合、未反応のNaSxやポリスルフィドの片末端のみが反応した上記式(3)で示す物質などが不純物として残存する。反応は、多硫化ナトリウムにアルキルハロシランを徐々に滴下し、反応させればよい。反応温度は室温〜アルコール沸点の範囲のいずれでもよいが、反応温度を高める場合にはアルコール温度に近い温度とすることが好ましい。
【0051】
反応終了後、反応系を室温まで冷却し、生成した無機塩(NaX)を窒素雰囲気下で上記と同様の方法で濾別し、更に減圧下で加熱処理することにより、溶媒のアルコールを留去し、目的とする含硫黄有機珪素化合物を得ることができる。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、下記(a)〜(g)の効果を有し、簡略化された方法でポリスルフィド構造を有する含硫黄有機珪素化合物を高純度で製造することができ、得られた含硫黄有機珪素化合物は、シリカなどの天然又は合成珪酸物質で補強された加硫可能なゴム組成物の補強性を更に向上させる補強剤として好適に使用することができる。
(a) 入手が容易でかつ安価な無水硫化ナトリウム(Na2S)或いは含水硫化ナトリウムを出発原料として使用することができる。
(b) 吸湿性を若干有する無水多硫化ナトリウム(Na2Sx)を単離する工程を必要としないため、アルコキシシランが加水分解されない。
(c) 硫黄(粉末)は実質的な吸湿性はほとんどない。
(d) 硫黄以外の原料(NaOC2H5のアルコール溶液、H2S(ガス)、クロロアルキルシランなど)は全て高純度化が可能であり、かつ吸湿を防止できる環境下で取り扱うことができる。
(e) 一つの反応槽において連続して反応を行うことができるので、吸湿性を有する中間体(無水多硫化ナトリウム)を単離する工程を必要とせず、合成を完了することができ、反応を実質的に無水の条件下で実施することが可能である。
(f) 一つの反応槽において反応を行うので、製造工程を短縮することができ、経済的に有利である。
(g) 有害な副生成物を生じない。
【0053】
【実施例】
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0054】
〔実施例1〕
窒素ガス導入管、ジムロート型冷却管、温度計、滴下管を備えた2リットル反応フラスコ内を窒素置換した後、無水Na2S(市販品)78.1g(1.00モル)と、粉末硫黄96.2g(3.00モル)と、無水エタノール600gを仕込み、窒素気流下、78℃で加熱撹拌を5時間継続した。
【0055】
次いで、エタノールの還流下、上記反応混合物にγ−クロロプロピルトリエトキシシラン481.6g(2.00モル)を1時間かけて滴下し、滴下終了後、エタノール還流下、加熱撹拌を5時間継続した。
【0056】
室温まで冷却した後、生成したNaClを濾別し、濾液を90〜100℃、10Torrの条件で濃縮したところ、下記式(4)で示される黄色透明の液体が510.9g(収率94.8%)得られた。この元素分析値及びGPC分析結果を下記に示す。
【0057】
【化16】
【0058】
【表1】
GPC分析
上記式(4)で表される含硫黄有機珪素化合物:90.1%
上記の加水分解ダイマー : 6.7%
【0059】
〔実施例2〕
実施例1と同様の反応装置にNa2S・5H2O 168.1g(1.00モル)を仕込み、系内を20Torrまで減圧した後、90℃で1時間、更に120℃で3時間加熱撹拌を行い、脱水した。
【0060】
系を窒素雰囲気下、室温まで冷却した後、粉末硫黄96.2g(3.00モル)及び無水エタノール600gを仕込み、以下実施例1と同様にして反応、処理を行ったところ、下記式(5)で示される反応生成物が508.2g(収率94.3%)得られた。その元素分析値及びGPC分析結果を下記に示す。
【0061】
【化17】
【0062】
【表2】
GPC分析
上記式(5)で表される含硫黄有機珪素化合物:89.5%
上記の加水分解ダイマー : 7.4%
【0063】
〔実施例3〕
実施例1で用いた反応装置において冷却器を側管付コンデンサーに変更し、ここにNa2S・5H2O 168.1g(1.00モル)と、トルエン400gと、エタノール1000gを仕込んだ。窒素雰囲気下、この系を加熱撹拌し、徐々に昇温しながら溶媒を留去した。内温が110℃になり、全留去量が1200gに達したときに加熱を停止した。
【0064】
系を窒素雰囲気下、室温まで冷却した後、粉末硫黄96.2g(3.00モル)及び無水エタノール600gを仕込み、以下実施例1と同様にして反応、処理を行ったところ、下記式(6)で示される反応生成物509.9g(収率94.6%)が得られた。その元素分析値及びGPC分析結果を下記に示す。
【0065】
【化18】
【0066】
【表3】
GPC分析
上記式(6)で表される含硫黄有機珪素化合物:89.5%
上記の加水分解ダイマー : 7.4%
【0067】
〔実施例4〕
γ−クロロプロピルトリエトキシシランの代わりにγ−クロロプロピルトリメトキシシラン397.4gを使用し、実施例1と同様の反応を行ったところ、下記式(7)で示される反応生成物が415.7g(収率91.4%)得られた。その元素分析値及びGPC分析値を下記に示す。
【0068】
【化19】
【0069】
【表4】
GPC分析
上記式(7)で表される含硫黄有機珪素化合物:85.7%
上記の加水分解ダイマー :11.2%
【0070】
〔実施例5〕
γ−クロロプロピルトリエトキシシランの代わりにp−クロルメチルフェニルエチルトリメトキシシラン549.6g(2.00モル)を使用し、実施例2と同様の反応を行ったところ、下記式(8)で示される反応生成物が577.8g(収率95.2%)得られた。その元素分析値及びGPC分析結果を下記に示す。
【0071】
【化20】
【0072】
【表5】
GPC分析
上記式(8)で表される含硫黄有機珪素化合物:91.5%
上記の加水分解ダイマー : 5.8%
【0073】
〔実施例6〕
窒素ガス導入管、冷却管、温度計、滴下管を備え、減圧可能な2リットル反応器内を窒素置換した後、21.0%NaOC2H5エタノール溶液648.1g(NaOC2H5として2.0モル)を仕込んだ。なお、このNaOC2H5溶液中のNaOH量は0.02%であり、その量はNaOH/NaOC2H5=0.02/21.0=0.00095<0.005の条件を満たしている。
【0074】
窒素ガスの通気を停止した後、室温でH2Sガス34.1g(1.0モル)を時間をかけて吹き込んだ。冷却管の先端に取り付けたバブラーに泡が発生しなかったので、H2Sガスはほぼ定量的に溶液中に吸い込まれたと判断された。H2Sガス吹き込み終了後、窒素雰囲気下、室温で2時間撹拌した。
【0075】
次いで、窒素雰囲気下、この反応混合物に無水硫黄粉末96.2g(3.0モル)を加え、内温を60℃まで昇温した後、60〜65℃で3時間加熱撹拌した。その後、更に昇温し、エタノール還流下で、かつ窒素雰囲気下でγ−クロロプロピルトリエトキシシラン481.6g(2.0モル)を1時間かけて滴下した。滴下終了後、エタノール還流下、加熱撹拌を5時間継続した。
【0076】
室温で冷却した後、生成したNaClを濾別し、濾液を90〜100℃、10Torrの条件で濃縮したところ、下記式(9)で示される黄色透明の液体が509.3g(収率94.5%)得られた。その元素分析値及びGPC分析結果を下記に示す。
【0077】
【化21】
【0078】
【表6】
GPC分析
上記式(9)で表される含硫黄有機珪素化合物:95.6%
上記の加水分解ダイマー : 1.3%
【0079】
〔比較例1〕
実施例6と同様の反応装置内を窒素置換した後、無水Na2S4を174.3g(1.0モル)と無水エタノール600gを仕込んだ。
【0080】
系を加熱し、エタノールの還流下、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン481.6g(2.0モル)を1時間かけて滴下した。滴下終了後、エタノール還流下、加熱撹拌を5時間継続した。
【0081】
室温まで冷却した後、生成したNaClを濾別し、濾液を90〜100℃、10Torrの条件で濃縮したところ、下記式(10)で示される黄色透明の液体が503.0g(収率93.3%)得られた。そのGPC分析結果を下記に示す。
【0082】
【化22】
GPC分析
上記式(10)で表される含硫黄有機珪素化合物:84.1%
上記の加水分解ダイマー :11.8%
このように従来の方法では高純度で目的物質を得ることができなかった。
【0083】
〔比較例2〕
実施例1と同様の装置を用いて、窒素雰囲気下、無水Na2S78.1g(1.00モル)と粉末硫黄96.2g(3.00モル)と無水エタノール600gを仕込み、窒素気流下78℃で5時間加熱撹拌した。
【0084】
その後、80℃、20Torrの条件で低沸分を留去した。窒素雰囲気下、室温まで冷却した後、粉末状の無水Na2S4を取り出し、清浄なガラス瓶に詰めた。
【0085】
実施例1と同様の装置を窒素置換した後、合成した無水Na2S4を再度仕込んだ。その後、γ−クロロプロピルトリエトキシシランとの反応を実施例1と同様に行ったところ、下記式(11)で示される反応生成物が503.4g(収率93.4%)得られた。そのGPC分析結果を下記に示す。
【0086】
【化23】
GPC分析
上記式(11)で表される含硫黄有機珪素化合物:83.2%
上記の加水分解ダイマー :12.3%
本例では途中で無水Na2S4と単離しているため、手間がかかる上に吸湿し、若干アルコキシ基が加水分解している。
【0087】
〔実施例7〕
γ−クロロプロピルトリエトキシシランの代わりにγ−クロロプロピルトリメトキシシランを397.4g(2.0モル)を使用して実施例6と同様の反応を行ったところ、下記式(12)で示される反応生成物が420.7g(収率92.5%)得られた。その元素分析値及びGPC分析結果を下記に示す。
【0088】
【化24】
【0089】
【表7】
GPC分析
上記式(12)で表される含硫黄有機珪素化合物:93.6%
上記の加水分解ダイマー :12.3%
【0090】
〔実施例8〕
γ−クロロプロピルトリエトキシシランの代わりにp−クロルメチルフェニルエチルトリメトキシシランを549.6g(2.0モル)を使用して実施例6と同様の反応を行ったところ、下記式(13)で示される反応生成物が575.3g(収率94.8%)得られた。その元素分析値及びGPC分析結果を下記に示す。
【0091】
【化25】
【0092】
【表8】
GPC分析
上記式(13)で表される含硫黄有機珪素化合物:95.8%
上記の加水分解ダイマー : 1.3%
Claims (5)
- 上記無水硫化ナトリウムが、Na2S・nH2Oで表される含水硫化ナトリウムを減圧下で加熱処理することにより得られたものである請求項1記載の含硫黄有機珪素化合物の製造方法。
- 上記無水硫化ナトリウムが、Na2S・nH2Oで表される含水硫化ナトリウムを極性溶媒に溶解し、次いで該極性溶媒を留去することにより得られたものである請求項1記載の含硫黄有機珪素化合物の製造方法。
- 上記無水硫化ナトリウムが、NaOR1(R1はメチル基又はエチル基である)とH2Sとをモル比2:1で使用し、これらを無水アルコール中において反応させることにより得られたものである請求項1記載の含硫黄有機珪素化合物の製造方法。
- 極性溶媒が、メタノール、エタノール、ジオキサン、THF、ジブチルエーテル、アセトンから選ばれるものである請求項1乃至4のいずれか1項記載の含硫黄有機珪素化合物の製造方法。
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