JPH0641365B2 - 無水多硫化ナトリウムの製造法 - Google Patents

無水多硫化ナトリウムの製造法

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JPH0641365B2
JPH0641365B2 JP26906290A JP26906290A JPH0641365B2 JP H0641365 B2 JPH0641365 B2 JP H0641365B2 JP 26906290 A JP26906290 A JP 26906290A JP 26906290 A JP26906290 A JP 26906290A JP H0641365 B2 JPH0641365 B2 JP H0641365B2
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、無水多硫化ナトリウムの製造法に関する。
従来の技術及びその問題点 近年、無水多硫化ナトリウムは、医薬、農薬、工業薬品
等の製造分野において幅広い利用が見出されている。
無水多硫化ナトリウムの製造法としては、ナトリウム及
び硫黄の二元素から直接多硫化ナトリウムを得る方法、
ナトリウムの低次硫化物に硫黄を加えて高次硫化物に誘
導する方法等が知られている。
ナトリウムと硫黄から直接多硫化ナトリウムを得る方法
では、硫黄は常温でナトリウムと発火しながら激しく反
応するので、この反応をコントロールするために、種々
の改良法が報告されている。このような改良法として
は、例えば、金属ナトリウムの細片に食塩を混合する方
法、金属ナトリウムを無水アルコールに溶解し、計算量
の硫黄を加える方法、液体アンモニア中にナトリウムを
溶解し、計算量の硫黄を加える方法、トルエンの沸点下
融解した金属ナトリウムに対して硫黄のトルエン溶液を
加える方法などがある。しかしながら、いずれの改良法
においても空気中で発火する金属ナトリウムの取り扱い
は危険であり、しかも高価であって、ナトリウムと硫黄
の二元素から直接合成する方法は工業的に実用価値は少
ない。
一方、ナトリウムの低次硫化物に硫黄を加え、高次硫化
物に誘導する方法は、金属ナトリウムの反応の激しさや
取扱いの危険性を避けるために考案された方法であり、
NaS、Na等の低次硫化物を原料として、電
気炉等の溶融型装置に仕込み、計算量の硫黄を加えて高
温で反応を行なう。しかしながら、この方法では、低次
硫化ナトリウムの融解状態で反応を行なうために、融解
温度以上に加熱する必要がある。例えば、NaSは融
点が920℃であり、Na、Na等の融点
も400℃付近であり、この方法を実施するためには、
耐食性材料を用いた高価な高温反応装置が必要となり、
工業的実施は困難である。
問題点を解決するための手段 本発明者は、上記した現状に鑑みて、無水多硫化ナトリ
ウムの安全、且つ経済的な製造法を見出すべく、鋭意研
究を重ねてきた。その結果、ナトリウム硫化物に対して
可溶性の溶媒と、ナトリウム硫化物に対して不溶性又は
難溶性の溶媒とからなり、可溶性の溶媒が、不溶性又は
難溶性の溶媒よりも低い沸点を有する混合溶媒に、無水
硫化ナトリウムを溶解し、これに硫黄を加えて反応させ
た後、反応系から可溶性の溶媒を分留除去することによ
って、生成した多硫化ナトリウムが析出し、これを分取
し、乾燥することによって、非常に高純度の多硫化ナト
リウムが簡単に得られることを見出した。
即ち、本発明は、ナトリウム硫化物に対して不溶性又は
難溶性の第1溶媒と、ナトリウム硫化物に対して可溶性
の第2溶媒とからなり、第1溶媒が第2溶媒より高沸点
である混合溶媒に、無水硫化ナトリウムを溶解し、これ
に硫黄を添加し、溶解させた後、第2溶媒を留去するこ
とを特徴とする無水多硫化ナトリウムの製造法に係る。
本発明方法による目的物である無水多硫化ナトリウムと
は、一般式NaSa(式中、aは2〜5の間の数値を
示す)で表わされるものであり、その実際の構造に関係
なく、遊離の硫黄を除いたナトリウムに結合している硫
黄について、ナトリウムと硫黄の原子比が上記一般式に
該当するものをいう。
本発明方法では、原料としては、無水硫化ナトリウム
(NaS)を用いる。無水硫化ナトリウムは、公知の
各種方法で得ることができ、本発明では、製造方法は特
に限定なく、いずれの方法で得られた無水硫化ナトリウ
ムも用いることができる。
本発明方法では、溶媒として、ナトリウム硫化物に対し
て不溶性又は難溶性の溶媒である第1溶媒と、ナトリウ
ム硫化物に対して可溶性の溶媒である第2溶媒とからな
る混合溶媒を用いる。
第1溶媒は、ナトリウム硫化物を溶解しないか、又はほ
とんど溶解しない溶媒であり、好ましくは沸点50〜2
50℃程度のものから選択すれば良い。好ましい第1溶
媒としては、ヘキサン、2−メチルペンタン、2,3−
ジメチルブタン、ヘプタン、オクタン、2,2,3−ト
リメチルペンタン、イソオクタン、ノナン、2,2,5
−トリメチルヘキサン、デカン、ドデカン、ベンゼン、
トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン、メシチ
レン等の炭化水素類、モノクロロベンゼン、トリクロロ
ベンゼン、β−クロロナフタレン等のハロゲン化炭化水
素類、ジヘキシルエーテル、ブチルビニルエーテル、ア
ニソール等のエーテル類、3−ペンタノン、メチルイソ
ブチルケトン、2−ヘプタノン等のケトン類等を挙げる
ことができる。
第2溶媒は、ナトリウム硫化物を溶解できる溶媒であ
り、第1溶媒よりも低い沸点を有するものである。例え
ば、50〜150℃程度の沸点を有する低級アルコール
から選択すればよく、好ましくは、炭素数1〜7個の直
鎖又は分枝鎖の飽和又は不飽和一価アルコールであっ
て、第1、第2、第3アルコールのいずれでもよい。ま
た、主鎖にハロゲン、OCHなどの置換基を有する変
性アルコールを用いることもできる。第2溶媒の具体例
としては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロ
ピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアル
コール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコー
ル、tert−ブチルアルコール、n−アミルアルコール等
を挙げることができる。
第1溶媒と第2溶媒は、沸点差が大きくなる様に組み合
わせることが好ましく、操作上経済的である。特に好ま
しい組み合わせは、第1溶媒がキシレン類から選ばれた
ものであり、第2溶媒がメチルアルコール、tert−ブチ
ルアルコール等から選ばれたものからなる組み合わせで
ある。
混合溶媒における第1溶媒と第2溶媒の使用割合は、無
水硫化ナトリウムを溶解するに足る第2溶媒量を基準と
し、第1溶媒量は、第2溶媒量の1/3〜20重量倍程度
の範囲とすればよく、好ましくは、第2溶媒と同量から
3重量倍程度の範囲とすればよい。
本発明方法では、このような混合溶媒を用いることによ
って、溶媒中で、無水硫化ナトリウムを効率よく、簡単
に多硫化物とすることができ、しかも高純度の無水多硫
化ナトリウムを容易に分離することができる。混合溶媒
を用いることなく、1溶媒又は第2溶媒の一方だけを用
いる場合には、反応が完結せず、ナトリウムを結合しな
い遊離硫黄を多く含み、所望の多硫化物は得られない。
本発明方法では、上記した混合溶媒の使用量は、原料と
して用いる無水硫化ナトリウムを溶解できる量とすれば
よいが、充分な反応効果をあげるためには、無水硫化ナ
トリウムに対して混合溶媒を10〜30重量倍程度とす
ることが好ましい。
本発明方法では、まず、上記した混合溶媒に無水硫化ナ
トリウムを溶解させる。溶解の方法は任意であり、混合
溶媒を調製した後、これに無水硫化ナトリウムを加えて
もよく、或いは第1溶媒又は第2溶媒と無水硫化ナトリ
ウムとを混合した後、残りの溶媒を加えてもよい。
次いで、無水硫化ナトリウムの混合溶媒溶液に、硫黄を
加えて、混合溶媒に溶解させる。硫黄の添加量は、目的
とする多硫化ナトリウムを形成するための必要量とすれ
ばよい。硫黄を溶解させることによって、無水硫化ナト
リウムの硫化反応が進行して、多硫化ナトリウムが形成
される。無水硫化ナトリウムと硫黄の反応は、50〜1
50℃程度で行なうことが好ましい。無水硫化ナトリウ
ムと硫黄との反応は、硫黄が混合溶媒に溶解した段階で
終了する。通常は、用いる硫黄の量によって一様ではな
いが、混合溶媒に硫黄を加えて、0.5〜10時間程度
混合すればよい。
反応完結後、反応系から第2溶媒を分留除去する。生成
した多硫化ナトリウムは、第1溶媒に不溶であるため、
黄色粉末として析出し、分散する。この黄色粉末を分取
し、乾燥することによって、高純度の無水多硫化ナトリ
ウムを得ることができる。
発明の効果 本発明方法によれば、取扱いの危険な原料を用いること
なく、また極端に高温の反応条件も必要なく、高純度の
無水多硫化ナトリウムを容易に製造することができ、工
業規模において、有利に無水多硫化ナトリウムを得るこ
とができる。
実施例 以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
実施例1 Nガス導入管、温度計、側管付コンデンサーを有する
1四ツ口フラスコに、トルエン400mlを入れ、液面
下に充分Nガスを通して酸素を除去した後、無水硫化
ナトリウムNaS(純度99.2%)39gを加え
た。次いでメタノール500mlを加えることによって、
無水硫化ナトリウムの混合溶媒溶液を得た。
この混合溶媒を60℃に加温し、硫黄32gを加えて、
2時間加熱還流を行なった。この間に硫黄は混合溶媒に
溶解した。
次いで、混合溶媒を110℃まで加熱して、留出物を系
外で回収し、更に、トルエンを700ml追加して、再び
留出物を回収し、留出物(メタノール及びトルエン)の
合計量が900mlになるまで留去した。
冷却後、析出物を取し、熱トルエン50mlで2回洗浄
して、減圧下100℃で2時間乾燥した。その結果、黄
色粒状物70gが得られた。生成物は、Na
9.4%、Na0.3%、NaCO0.
1%を含むものであった(収率99%)。
実施例2 下記第1表に示す1溶媒及び第2溶媒を用いる以外は、
実施例1と同様にして無水三硫化ナトリウムを作製し
た。収率及び純度は段第1表に併記する。
実施例3 実施例1と同様の1四ツ口フラスコを用い、これにメ
シチレン400ml及びn−プロピルアルコール500ml
を入れて、混合溶媒を調製した。
これに無水硫化ナトリウム32g(純度99.2%)を
加えて、80℃に加熱し、無水硫化ナトリウムが完溶し
た後、溶媒中にNガスを激しく導入しつつ、硫黄64
gを少量ずつ加えた。硫黄を全量添加した後、更に8時
間同温で加熱還流を続けた。
その後、混合溶媒を加熱して、コンデンサーの側管よ
り、n−プロピルアルコールを系外に除去し、n−プロ
ピルアルコールの留出が停止した後、メシチレン500
mlを加え、反応系を20トールに減圧して、メシチレン
400mlを留去した。析出した五硫化ナトリウムを取
し、20トールの圧力下、100℃で20時間乾燥し
た。その結果、黄色粒状物102gが得られた。生成物
は、Na99.2%を含むものであった(収率9
8.9%)。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ナトリウム硫化物に対して不溶性又は難溶
    性の第1溶媒と、ナトリウム硫化物に対して可溶性の第
    2溶媒とからなり、第1溶媒が第2溶媒より高沸点であ
    る混合溶媒に、無水硫化ナトリウムを溶解し、これに硫
    黄を添加し溶解させた後、第2溶媒を留去することを特
    徴とする無水多硫化ナトリウムの製造法。
  2. 【請求項2】第1溶媒が炭化水素類、ハロゲン化炭化水
    素類、エーテル類およびケトン類から選ばれた少なくと
    も1種の溶媒であり、第2溶媒が低級アルコール類から
    選ばれた少なくとも1種の溶媒である請求項1に記載の
    無水多硫化ナトリウムの製造法。
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