JP4443408B2 - メルカプトアルキルアルコキシシランの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、メルカプト官能性有機ケイ素化合物≡Si−(CHSH、より具体的には、メルカプトプロピルトリアルコキシシラン(MPTAS)などのメルカプトアルキルアルコキシシランの相間移動触媒を用いた合成に関する。本方法は、例えば、高純度のメルカプトプロピルトリエトキシシラン(MPTES)を製造することが可能である。本方法により製造されたメルカプトアルキルアルコキシシランは、Z−Alk−SHに対応する式(式中、Zは、−SiR 、−SiR 、および−SiR からなる基の1つであり;Rは、1〜12個の炭素原子を有するアルキル基、シクロヘキシル基、またはフェニル基であり;Rは、1〜12個の炭素原子を含有するアルコキシ基であり;Alkは、1〜18個の炭素原子を有し、かつ不飽和を含有しない二価の炭化水素ラジカルを表す)を一般的に有する。
硫黄含有有機ケイ素化合物は、硬化ゴムの特性を向上させるための、ゴムおよびシリカフィラーの間の反応性カップリング剤として有用であることが知られている。それらは、ガラスおよび金属などの基体にゴム組成物を接着させるための接着促進剤としても有用であることが知られている。しかしながら、従来方法を用いたときに起こる種々の副反応から望ましくない副生成物が生成するので、多くの硫黄含有有機ケイ素化合物は良好な収率で製造することが難しい。
例えば、米国特許第3,590,065号(1971年6月29日)は、アンモニアの存在下でのハロアルキルアルコキシシランおよびチオ尿素の間の反応に関する。しかしながら、塩酸グアニジンなどの嵩高い副生成物を扱う必要性があることが、この特定の方法に関連する主な欠点である。
米国特許第3,849,471号(1974年11月19日)は、アミンの存在下でのハロアルキルアルコキシシランおよび硫化水素ガスの間の反応を伴う別の方法に関する。しかしながら、この反応は高圧下で行われ、最終生成物から濾過することが難しいふわりとした(fluffy)副生成物の塩を生成する欠点も有する。
米国特許第3,890,213号(1975年6月17日)は、硫化水素およびアルケニルアルコキシシランの間の反応を伴うさらに別の方法に関する。しかしながら、この方法に関連する主な欠点は、メルカプトシラン生成物自体がアルケニルアルコキシシランと会合し得るようになり、多量のスルフィド副生成物を形成することである。
英国特許第1,102,251号(1968年2月7日)には、ナトリウムメトキシドと硫化水素とを反応させて水硫化ナトリウム(sodium hydrosulfide)を生成し、次いで、該水硫化ナトリウムをハロアルキルアルコキシシランとさらに反応させる方法が記載されている。しかしながら、この特定の方法に関連する欠点は、ナトリウムメトキシドとHSとの反応によって副生成物として硫化ナトリウムが生成し、該硫化ナトリウムによって最終生成物において多量のポリスルフィドシランが次々に生ずることである。
米国特許第5,583,245号(1996年12月10日)は、式Z−Alk−S−Alk−Zに一般に対応する化合物(式中、ZおよびAlkは上記と同じであり、nは2〜8である)の製造方法について記載している。’245特許の方法によれば、相間移動触媒を用いて、水相中で式Z−Alk−Xの化合物(式中、Xは塩素または臭素である)を水硫化アンモニウム(ammonium hydrosuldide)またはアルカリ金属水硫化物(alkali metal hydrosulfide)および硫黄と反応させる。
’245特許により、ビスタイプの最終生成物に加えて、Alk−Xに対応する追加の反応物(Alk−S−Alk−Zに対応する非対称化合物が望ましい)が存在していてもよいことが教示される。’245特許は、飽和塩化ナトリウム溶液およびトルエン溶媒中、相間移動触媒の存在下で(i)水硫化ナトリウムフレークと(ii)クロロプロピルトリエトキシシラン(CPTES)とを反応させることにより、収率64.9%でMPTESを調製する方法について記載しているが、MPTESの収率は最適ではなかった。
米国特許第5,840,952号(1998年11月24日)は、メタノール中の硫化ナトリウム溶液中で硫化水素ガスをパージし、次いでそれを無水物系中でクロロプロピルトリメトキシシラン(CPTMS)と反応させることによって、良好な収率でメルカプトプロピルアルコキシシランを製造する方法について記載しているが、この方法に関連する欠点は、使用する硫化ナトリウムを最初に脱水しなければならないことである。’952特許の別の欠点は、硫化ナトリウムを水硫化ナトリウムに還元するために、高圧、すなわち、600psi/4,140キロパスカル(kPa)の硫化水素ガスの使用を要求することである。
本発明と同じ譲受人に譲渡された先の同時係属出願、すなわち「緩衝相関移動触媒を用いた硫黄含有有機ケイ素化合物の調製(Preparation of Sulfur Containing Organosilicon Compounds Using a Buffered Phase Transfer Catalysis Process)」との表題の2001年6月29日に出願された米国特許出願第09/895,719号(米国特許第6,534,668号)において、相間移動触媒に基づく方法が記載されている。しかしながら、この方法は、式(RO)3−mSi−Alk−S−Alk−SiR(OR)3−m(式中、Rは1〜12個の炭素原子を有する一価の炭化水素基であり;Alkは1〜18個の炭素原子を有する二価の炭化水素基を表し;mは0〜2であり;nは1〜8である)に一般に対応するビスタイプのスルフィドシラン≡Si−S−Si≡の生成に関する。該同時係属出願に記載される方法よれば、緩衝剤を含有する水相中、相間移動触媒の存在下で、(A)スルフィド化合物であるMまたはMHS(式中、Hは水素であり、Mはアンモニウムまたはアルカリ金属であり、nは上記の通りである)を、(B)(RO)3−mSi−Alk−Xに対応するシラン化合物(式中、XはCl、BrまたはIであり、mは同じ上記の通りである)および(C)硫黄と反応させる。しかしながら、該同時係属出願には、メルカプト官能性有機ケイ素化合物、すなわち≡Si−(CHSH基を含有する化合物を製造する方法について記載されていない。
しかしながら、上記同時係属出願では、メルカプトシランの代わりにスルフィドシランが結果として生じる。これは、同時係属出願では硫黄元素が存在し、かつ本出願で用いる緩衝剤(すなわち、pH調整剤)以外の異なる緩衝剤を同時係属出願では使用しているためである。さらに、pHは、これらの出願において調製中のものに関する調節因子である。相違点は、(i)以下の平衡の確立
Figure 0004443408
または(ii)以下の平衡の確立、
Figure 0004443408
および(iii)約9以下のpHではジスルフィドアニオンが検出できないという事実に基づいている。
相違点を見る別の方法は、スルフィドシランよりもメルカプトシランの製造が所望される場合に、反応混合物のアルカリ性がpH4〜9の範囲で保持されていなけれればならないことである。より高濃度のアルカリ性では、硫黄元素を添加せずに、既に存在するメルカプチドアニオンからジスルフィドアニオンが形成される。ジスルフィドの製造が所望される場合には、NaHSの形成を生ずるいかなる平衡も制止するために、系がアルカリ性を高く保持していることが必要である。これらの反応物は自然に反応して中性のNaClを形成するので、塩水のアルカリ性は長期にわたって低下し、SHが形成するほどに十分に低くなることができる。
したがって、本出願は、(i)異なるpH調整剤を用いる点、(ii)pHが異なる点、すなわちpH7〜14に代えて、pH4〜9、好ましくはpH5〜8、より好ましくはpH5以上7未満である点、および(iii)反応物の添加順序が同じではない点で、上記同時係属出願と異なる。存在する任意のスルフィドは、より低いpHである4以上7未満において、水相中でメルカプタンに変換される結果となる。
本発明の方法は、溶媒、有毒ガスおよび厳しい無水条件を用いることなく、温和な条件下で高収率のメルカプトシランを提供することが可能である点で、上記の方法とさらに異なる。さらに、本発明の方法は、より経済的であり、環境にやさしく、比較的安価な出発材料を利用することが可能である。副生成物がいくらかでも存在するとき、それは単にアルカリ金属塩であって、本方法の水および相の分離シーケンスの際に溶解によって容易に除去することができる。
本発明により提供される従来技術を上回るその他の利点には、(i)相間移動触媒および(ii)水相のpHを調節するために水中で酸性溶液を形成するガスの存在下、10〜200psi/69〜1,380kPa、好ましくは25〜100psi/173〜690kPaの圧力においてクロロアルキルアルコキシシランを水硫化ナトリウムの水溶液と反応させた場合、メルカプトアルキルアルコキシシランの収率が有意に増加するという利益が含まれる。特に好適ないくつかのガスは、硫化水素、二酸化炭素および二酸化硫黄である。反応は溶媒の使用を要求することなく行うことができ、水相を飽和して分子中のケイ素原子上に存在する如何なるアルコキシ基の加水分解も妨げるための過剰な塩は必要ではない。
しかしながら、反応物の添加順序が生成物の収率および量に重要な役割を果たすことが最も重要なことである。したがって、ハロアルキルアルコキシシランおよび無水相間移動触媒の混合物にNaHS溶液を反応温度にて添加したときに、メルカプトアルキルアルコキシシランの収率が増加できることを発見したことは驚くべきことであった。これに関し、起こり得る副反応を調節するため、NaHSの添加前にpH調整無水塩を有機反応混合物に添加することが要求されるであろう。圧力条件下で反応を行うことが望ましいこれらの場合では、ハロアルキルアルコキシシラン/触媒混合物にNaHSを添加する前に、HS、COおよび/またはSOで反応器を加圧する。次いで、水硫化ナトリウムの添加前に、鉱酸の無水塩および相間移動触媒をハロアルキルアルコキシシランと混合する。この特徴によって、ケイ素上のアルコキシ基の如何なる加水分解も最小限に抑えられる傾向がある。
最後に、3,3’ビス(トリエトキシシリルプロピル)モノスルフィド(TESPM)および3,3’ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド(TESPD)などの種の副生成物の存在は、鉱酸およびその塩を本方法で用いたときに有意に減少する。したがって、酸および7未満のpH値を有するpH調整剤は、水硫化ナトリウムの水溶液中で硫化二ナトリウム不純物と反応し、水硫化ナトリウムおよび硫化水素ガスを生成させる。存在するヘッドスペース(head space)中でHSの正圧を維持することで、水相中でのNaHSおよび硫化ナトリウム(NaS)間の平衡をNaHSにシフトすることによりスルフィド種の形成が妨げられる。
本発明は、(i)ハロアルキルアルコキシシランおよび(ii)相間移動触媒の混合物を、(iii)水硫化ナトリウムなどのスルフィド化合物の添加前に形成することによる相間移動触媒を用いた高純度のメルカプトアルキルアルコキシシランの製造方法に関する。ハロアルキルアルコキシシラン相中に水硫化ナトリウムを含む高濃度塩化ナトリウム溶液(concentrated sodium chloride salt solution)または有機溶媒が存在することを要求することなく、反応は起こる。pH7未満の特定のpH調整剤をハロアルキルアルコキシシランおよび相間移動触媒を含有する混合物に添加することにより、副生成物の形成を減じることもできる。特に、本方法は、相間移動触媒およびpH4〜9、好ましくはpH5〜8、より好ましくはpH5以上7未満のpH調整剤の存在下で、水硫化ナトリウムの水溶液をCPTESと反応させることに関する。したがって、反応物の添加順序および反応混合物中への特定のpH調整剤の添加の双方によって、TESPMおよびTESPDなどの望ましくない最終生成物の形成を最小限に抑えることによりMPTESの収率が有意に増加することを驚くべきことに発見した。
追加の特徴として、本発明は、水溶液中でその性質において酸性である特定のpH調整剤(SO(二酸化硫黄)、CO(二酸化炭素)、HS(硫化水素)、HPO(リン酸)、HBO(ホウ酸)およびHCl(塩酸)など)の使用に関する。これらの材料は、TESPMおよびTESPDなどの任意の望ましくない副生成物の如何なる生成も最小限に抑えることにより収率を改善する。
メルカプトアルキルアルコキシシランの製造方法の第1の実施形態では、pH調整剤およびスルフィド含有化合物を水相中で混合してpH4〜9とし、相間移動触媒を水相に添加し、次いでハロアルキルアルコキシシランを水相に添加してメルカプトアルキルアルコキシシランおよび水溶性副生成物を含有する反応混合物を形成し、所望のメルカプトアルキルアルコキシシランを水溶性副生成物から分離する。
代替の実施形態では、ハロアルキルアルコキシシラン、相間移動触媒および無水pH調整剤(二酸化硫黄、二酸化炭素、硫化水素、リン酸、ホウ酸および塩酸、ならびにそれらの塩など)を混合し、次いでスルフィド含有化合物の水溶液を添加してメルカプトアルキルアルコキシシランおよび水溶性副生成物を含有する反応混合物を形成し、所望のメルカプトアルキルアルコキシシランを水溶性副生成物から分離する。
以下は、本出願で用いる頭字語の列記である:
CPTES−クロロプロピルトリエトキシシラン
CPTMS−クロロプロピルトリメトキシシラン
MPTAS−メルカプトプロピルトリアルコキシシラン
MPTES−メルカプトプロピルトリエトキシシラン
TBAB−臭化テトラブチルアンモニウム
TBAC−塩化テトラブチルアンモニウム
TESPD−3,3’ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド
TESPM−3,3’ビス(トリエトキシシリルプロピル)モノスルフィド
本発明のこれらの特徴およびその他の特徴は、以下の詳細な説明を考慮すれば明らかになるであろう。
[発明の詳細な説明]
メルカプト官能性アルコキシシランの合成を水性/有機媒体中で相間移動触媒法を用いた反応により行う。反応中に、少量のガス(HS、COおよびSOなど)を使用すること、および本発明の他のpH調整剤を使用すること(これらはすべて水相中では性質において酸性である)によって、TESPMおよびTESPDなどの望ましくない最終生成物の生成が最小限に抑えられる。したがって、メルカプトプロピルトリアルコキシシランの収率は、90パーセントを上回るまで有意に増加され得る。述べた通り、(i)クロロプロピルトリエトキシシランと(ii)水硫化ナトリウム溶液および(iii)臭化テトラブチルアンモニウム触媒(TBAB)との反応中にHSまたはCOを正圧にすることによって、圧力を保持しないときには約10重量パーセントであることと比較して、1.0重量パーセント未満までTESPMおよびTESPDが最小限に抑えられることも、驚くべきことに発見された。
これに関し、HSまたはCO圧力によって、HSが溶解されるか、またはCOとHOとの中間反応が起こってカルボン酸が形成されるかのいずれかにより、水相のpHの低下が引き起こされると信じられている。いずれにしても、低下したpHにおいて硫化二ナトリウム不純物が水硫化ナトリウムに変換されて、TESPMの形成が最小限になる。したがって、HSガスで加圧され、かつTBABおよびCPTESを含有する加熱反応器に、水硫化ナトリウム水溶液を添加したとき、濾過後の有機相には90重量パーセントを上回る所望の最終生成物MPTESおよび1重量パーセント未満の望ましくない種であるTESPMおよびTESPDが含まれる。
したがって、本方法の第1のシーケンス工程は、相間移動触媒をハロアルキルアルコキシシランと混合する工程を伴う。本発明による使用に好適な相間移動触媒は、第四級オニウムカチオンである。相間移動触媒として用いることができる第四級アンモニウムカチオンを生じる第四級オニウム塩のいくつかの代表的な具体例は、米国特許第5,405,985号(1995年4月11日)に記載され、その中には、臭化テトラブチルアンモニウム(TBAB)、塩化テトラブチルアンモニウム(TBAC)、臭化テトラブチルホスホニウム、塩化テトラブチルホスホニウム、臭化テトラフェニルアルソニウムおよび塩化テトラフェニルアルソニウムがある。’985特許は、参照により本明細書に援用されるものとみなす。本発明による好ましい第四級オニウム塩は、TBABおよびTBACであり、最も好ましくはTBABである。これらの材料は、Sigma-Aldrich(ウィスコンシン州ミルウォーキー)などの化学薬品供給業者から市販されている。本方法に用いられる相間移動触媒の量は変動することができるが、本方法に用いられるハロアルキルアルコキシシランの量に基づいて0.1〜10重量パーセントの量で用いることが好ましく、0.5〜2重量パーセントの量で用いることが最も好ましい。
本発明の目的に沿ったハロアルキルアルコキシシランは、式(RO)3−mSi−Alk−Xに一般に対応する構造を有する有機ケイ素化合物(式中、各Rは、独立して選択される1〜12個の炭素原子を含有する炭化水素基(メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、シクロヘキシルまたはフェニルなど)である)である。Rは、メチル基またはエチル基であることが好ましい。mは、0、1、または2であることができるが、mは、ゼロであることが好ましい。Alkは、1〜18個の炭素原子、好ましくは2〜4個の炭素原子を含有する二価の炭化水素基(エチレン、プロピレン、ブチレンまたはイソブチレンなど)を表す。Alkは、プロピレン基であることが好ましい。Xは、ハロゲン原子、すなわちフッ素、塩素、臭素またはヨウ素の1つであり、塩素であることが好ましい。本発明における使用に好適なハロアルキルアルコキシシランのいくつかの代表的な具体例には、クロロプロピルトリエトキシシラン、クロロプロピルトリメトキシシラン、クロロエチルトリエトキシシラン、クロロブチルトリエトキシシラン、クロロイソブチルメチルジエトキシシラン、クロロイソブチルメチルジメトキシシランおよびクロロプロピルジメチルエトキシシランが含まれる。最も好ましいハロアルキルアルコキシシラン化合物は、クロロプロピルトリエトキシシランである。
方法の第2の順次工程は、スルフィド化合物の添加である。スルフィド化合物は、式MまたはMHSに対応する構造(式中、Mは、アルカリ金属またはアンモニウム基を表し、Hは水素であり、nは1〜6の整数である)を有する組成物またはその混合物である。アルカリ金属は、カリウム、ナトリウム、ルビジウムまたはセシウムであることができるが、ナトリウムが好ましい。タイプMHSのいくつかの好ましい組成物の代表例には、NaHS、KHSおよびNHHSなどの組成物が含まれるが、NaHSが最も好ましい。71.5〜74.5重量パーセントのNaHSを含有するNaHSフレークまたは45〜60重量パーセントのNaHSを含有するNaHS液体の形態でNaHS組成物を用いることができる。そのような材料は、PPG Industries, Inc.(ペンシルベニア州ピッツバーグ)から市販されている。任意選択により、固体またはフレーク形態を溶解する必要性を回避することが所望される場合には、タイプMSnの組成物を用いることができる。このタイプの好適な組成物には、NaS、KS、CsS、(NHS、Na、Na、Na、Na、K,K、K、Kおよび(NHが含まれる。特に好ましいスルフィド組成物は、25〜72重量パーセントのNaHS、好ましくは45〜60重量パーセントのNaHSを含有する溶液であり、PPG Industries, Inc.(ペンシルベニア州ピッツバーグ)からも入手可能である。
所望される場合には、硫黄(S)を任意の成分として添加することができる。好適な硫黄は、Sigma-Aldrich(ウィスコンシン州ミルウォーキー)から入手可能な100メッシュ硫黄微細粉末の形態の硫黄元素である。硫黄およびスルフィド化合物の量は変動することができるが、S/MまたはS/MHSに対応するモル比が0〜2.0、好ましくは0で存在することができる。
好ましい実施形態では、相間移動触媒およびハロアルキルアルコキシシランを、その性質においてわずかに弱酸性であるpH調整剤または希釈されてわずかに弱酸性となるような程度になるpH調整剤と混合する。pH調整剤は、SO(二酸化硫黄)、CO(二酸化炭素)、HS(硫化水素)、HPO(リン酸)、HBO(ボロン酸)またはHCl(塩酸)であることができる。水相に添加されるpH調整剤の量は変動することができるが、本方法で用いるMまたはMHSの1モル当たり0.01〜1.0のモル量で一般的に存在し、本方法で用いるMまたはMHSの1モル当たり0.01〜0.3のモル量で存在することが好ましい。
方法は、ハロアルキルアルコキシシラン、相間移動触媒、pH調整剤およびスルフィド化合物を含有する水相/有機相中で行われる。水相を形成するために用いられる水の量は変動することができるが、本方法で用いるハロアルキルアルコキシシランの量に基づくことが好ましい。水を直接添加することができるし、または出発物質中に少量で存在する水として間接的に存在することもできる。いずれにしても、本発明の目的に沿った水の合計量は、直接的または間接的に添加されるすべての水を含めなければならない。したがって、水相を形成するために用いられる水の合計量は、本方法で用いるハロアルキルアルコキシシランの量の1〜100重量パーセント、好ましくは2.5〜70重量パーセント、最も好ましくは20〜40重量パーセントである。
如何なる理論に拘束されても構わないということではないが、特定のpH調整剤のみ、すなわち上記のpH調整剤を処理中に水相に添加することは、生成物の形成に直接影響を与え、かつ望ましくない副反応のいかなる可能性も最小限に抑えるように反応媒体のpHを調節すると考えられる。したがって、反応中にpHを4〜9の範囲、好ましくは5〜8の範囲、より好ましくは5以上7未満の範囲で保持するような、速度および濃度で、そのようなpH調整剤を添加することにより、pHを調節する。ハロアルキルアルコキシシラン化合物を、発熱反応を調節するような速度で水相に添加すると同時に、温度を40〜110℃の範囲で保持する。反応温度は60〜95℃で保持することが好ましい。反応の進行は、ハロアルキルアルコキシシランの消費を決定することにより監視することができる。用いる触媒の量および反応温度は、反応の完了に必要な反応時間に影響を及ぼす。
反応終了時には、有機相、水相および可能性としていくらかの沈殿した固体材料(反応中に形成された塩を含んでいる)を含有する生成物の混合物が生成する。有機相はメルカプトアルキルアルコキシシランを含有し、生成物の混合物からメルカプトアルキルアルコキシシランを分離することは水相から有機相を相分離することによって簡単に行うことができ、あるいは反応中に沈殿した塩が形成される場合には相分離前に濾過またはデカントすることにより塩を最初に分離することができる。水または希釈酸性溶液を添加することで沈殿した塩が溶解することによって相分離が促進されるため、分離前に水または希釈酸性溶液を生成物の混合物に添加することができる。
この工程中に添加される水または希釈酸性溶液の量は、ハロアルキルアルコキシシランの重量に基づいて10〜50重量パーセント、好ましくは20〜40重量パーセント、最も好ましくは25〜35重量パーセントで変動することができる。希釈酸性溶液を用いたとき、溶液は、例えば0.000001〜5、好ましくは0.01〜1の規定(N)濃度を有するHCl、HNOまたはHSOを含有することができる。希釈酸性溶液は、クロロシランを水に添加することによっても、すなわち、≡Si−Cl+H−OH→≡Si−OH+HClでも調製することができる。
水または希釈酸性溶液を生成物の混合物に添加した後、水相から有機相を相分離することにより、メルカプトアルキルアルコキシシランを生成物の混合物から単離することができる。メルカプトアルキルアルコキシシランを含有する有機相に乾燥工程を施すこともできる。乾燥の一例は、真空下で有機相を処理して存在する任意の揮発性有機材料を残留水と一緒に除去することである。乾燥は、5〜35mmHg(0.67〜4.65kPa)の減圧下で20〜160℃の温度に、好ましくは5〜25mmHg(0.67〜3.33kPa)で90〜120℃の温度に、有機相を単に加熱することであってもよい。あるいは、薄膜ストリッパー(thin film stripper)を用いて有機相の乾燥を行い、揮発性有機材料および有機相中の残留水を除去することができる。
さらに別の乾燥技術は、メルカプトアルキルアルコキシシランを含有する有機相を乾燥剤と接触させることである。乾燥剤は、有機相から微量の水を除去することができることが知られている任意の固体材料である。代表的な乾燥剤は、典型的には、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウムなどのイオン性吸湿性組成物、およびゼオライト、シリカおよびアルミナ/シリケートなどのシリケートをベースとした組成物である。好ましい乾燥剤は硫酸ナトリウムまたは硫酸マグネシウムであり、硫酸ナトリウムが最も好ましい。
次いで、乾燥した有機相に、その最終純度および外見をさらに改善する追加の工程を施すことができる。したがって、メルカプトアルキルアルコキシシランを含有する有機相を真空下で加熱して、エタノール、水、トリブチルアミン、および溶解したHSガスなどの低沸点成分(low boiling component)をストリッピングすることができる。例えば、有機相を10〜200mmHg/1.3〜27kPaの真空で30〜100℃に加熱したとき、より良好な貯蔵寿命を有する透明な生成物を与える。低沸点成分をストリッピングした後、有機相を高真空下、すなわち1〜20mmHg/0.133〜2.7kPaで蒸留し、高純度のメルカプトアルキルアルコキシシランを与えることもできる。結果として、メルカプトアルキルアルコキシシランの長期の貯蔵安定性が増大する。すなわち、組成物は、時間とともに変化しないか、または望ましくない固体沈殿物を含有する生成物にならない。
本発明をより詳細に例示するために、以下の実施例を示す。具体的には、それらの実施例は、如何にして本発明の主な利益を得るか、すなわち如何にしてMPTESの収率を増加し、TESPMおよびTESPDなどの副生成物種を減少するかを当業者に教示するものである。
(実施例1(比較例))
この実施例の目的は、本発明のpH調整剤をいずれも用いないときにはTESPMの形成が減少しないことを示すことである。したがって、添加漏斗、冷却器、攪拌機および温度計を備える三首丸底フラスコ中で、61.7重量パーセントのNaHSおよび6.07重量パーセントのNaSを含有するNaHSフレーク100g(1.26moles)と、脱イオン(DI)水75.62gとを添加した。混合物を70℃に加熱し、混合して、NaHSの明るい黄色の溶液を作製した。次いで、25重量パーセント活性を含有する臭化テトラブチルアンモニウム溶液9.0g(0.0094mole)を添加し、混合した。混合物の色が暗褐色に変化し、触媒中間体の油状層が界面で形成された。次いで、クロロプロピルトリエトキシシラン317.6g(1.32mole)を、500rpmで混合しながら、8分間でゆっくり添加した。反応温度は、発熱によって82℃に上昇した。反応を80℃で3時間行い、混合物を50℃に冷却した後に脱イオン水139.6gを添加して、塩化ナトリウム副生成物を溶解した。相分離を行った後、有機相287.7gを回収した。ガスクロマトグラフィー(GC)分析により決定した通り、有機相は、8.4重量パーセントの未反応CPTES、61.7重量パーセントのメルカプトプロピルトリエトキシシラン、9.6重量パーセントのTESPMおよび17.82重量パーセントのTESPDを含有していた。
(実施例2(比較例))
この実施例は実施例1の逆であり、生成物がゲル化したことを示す。したがって、実施例1での添加順序を逆にし、水76.2gを水硫化ナトリウムフレーク100.11gに添加することにより、水硫化ナトリウムフレークの溶液を調製した。該溶液を、クロロプロピルトリエトキシシラン317.6gおよび固体臭化テトラブチルアンモニウム3.1gを含有する反応混合物に添加漏斗を介して67℃でゆっくり添加した。NaHS添加の5分間以内に反応混合物はゲル化した。
(実施例3(比較例))
この実施例の目的は、硫黄の添加によってTESPMの形成が減少するが、TESPDの形成は増加することを示すことである。したがって、実施例1の反応と同様の反応において、NaHSに対する硫黄の比を0.05に増加して、TESPMをTESPDに変換した。NaHSフレーク(146.3g、1.83mole)、硫黄(2.92g、0.092mole)およびDI水100gをガラスジャケット式反応器中で混合し、70℃に加熱した。TBAB溶液(14.4g、0.011mole)を添加し、混合した。直ぐに、油状のオメガ相(oily omega phase)が表面に形成された。CPTES(400g、1.66mole)を約30ml/分の速度で添加した。反応温度が発熱により94℃に上昇し、いくらかのゲルが有機相中で観察された。反応を3時間行った後、有機相380.1g(95重量パーセントのCPTES)を回収した。ガスクロマトグラフィー分析によって、1.5パーセントのCPTES、66.7パーセントのMPTES、3.37パーセントのTESPMおよび27.9パーセントのTESPDが示された。
(実施例4(比較例))
この実施例は、有機相中でゲル化が起こらないように塩を添加したことを除き、実施例3と同じである。しかしながら、TESPMの形成は減少したが、TESPDの形成は増加した。したがって、過剰量のNaHSフレークを用い、CPTESの添加前にNaCl塩を添加して水相を飽和させた。硫黄/NaHS比は0.05であった。CPTES添加を完了した後、触媒溶液も添加した。したがって、NaHSフレーク(100g、1.248mole)、NaCl87.7g、硫黄(2.0g、0.063mole)および水161.5gを混合し、60℃に加熱した。CPTES(161.5g、0.671mole)をゆっくり添加し、300rpmで混合した。TBAB触媒の25重量パーセント溶液を65℃で反応混合物に添加した。わずかな発熱が観察され、約5時間で反応を完了した。有機相のGC分析によって、該有機相は、0.35重量パーセントのCPTES、62.2重量パーセントのMPTES、1.1重量パーセントのTESPMおよび34.1重量パーセントのTESPDを含有していることが示された。生成物は安定していた。水硫化ナトリウムフレークを用いたとき、副反応のためにMPTES収率は少なくなった。
(実施例5(比較例))
この実施例は、NaHSフレークに代えてNaHS溶液を用いることにより得られる利益を示す。この実施例において、NaHS溶液を用いることにより、MPTESの収率は増加した一方で、TESPMおよびTESPD副生成物の量は減少した。したがって、NaHSフレークを45重量パーセントのNaHSを含有する溶液と代えた。NaHS溶液は水を含有していたので、水相中で追加の水は用いなかった。したがって、45重量パーセントのNaHS(143g、1.15mole)および50重量パーセントのTBAB溶液(99.6g、0.015mole)を含有する溶液をガラス反応器に添加し、混合し、70℃に加熱した。CPTES(240.8g、1.0mole)をゆっくり添加して、80℃以下で反応温度を保持した。5時間後、反応混合物を室温まで冷却し、水を添加して、水相中でNaCl塩を溶解した。明るい黄色の有機相229gを回収し(CPTESに基づき95重量パーセント)、分析した。GC分析によって、該有機相は、1.6重量パーセントのCPTES、84重量パーセントのMPTES、6.9重量パーセントのTESPMおよび1.4重量パーセントのTESPDを含有していることが示された。生成物中にゲルは見出されなかった。生成物の色を1〜2重量パーセントの活性化カーボンブラックおよびクレーで処理することにより除去した。
(実施例6(比較例))
この実施例では、NaHS/CPTES比を1.15から1.30に変えた。他の条件はすべて、実施例5と同様にした。反応混合物中のNaHS濃度が増加するのに従って、反応比が増加することが観察された。生成物の組成に有意な変化は観察されなかった。反応は3時間で完了した。GC分析の結果により、0.8重量パーセントのCPTES、82.3重量パーセントのMPTES、6.6重量パーセントのTESPMおよび0.8重量パーセントのTESPDが示された。
(実施例7(比較例))
反応物の添加順序を逆にしたことを除き、実施例6を繰り返した。したがって、CPTES(240.8g、1.0mole)および固体TBAB(4.82g、0.015mole)をガラス反応器に添加し、混合し、70℃に加熱した。45重量パーセントのNaHS(160.4g、1.30mole)を含有する溶液を、添加漏斗を用いて、約20分間で添加した。NaHSを最初添加する際にわずかな発熱が観察された。反応を4時間後に停止し、副生成物であるNaClを水に溶解した。相分離後に回収した有機相は225.5g(CPTESに基づき93.6重量パーセント)であった。GC分析による生成物の組成により、生成物は、0.83重量パーセントのCPTES、84.2重量パーセントのMPTES、6.79重量パーセントのTESPMおよび0.7重量パーセントのTESPDを含有していることが示された。水硫化ナトリウムの添加順序を変えることにより、MPTESの収率にわずかな改善があった。GC分析により、実施例6でのGC分析より低い含有量の加水分解オリゴマー(hydrolyzed oligomer)も示された。
(実施例8(参考例))
この実施例の目的は、TESPMの形成をさらに最小限に抑え、MPTESの収率を増加させることである。したがって、HCl溶液を、CPTESとの反応中に周囲温度でNaHS溶液に滴下して添加した。反応において形成された硫化水素ガスを苛性スクラバー(caustic scrubber)中で中和した。45重量パーセントのNaHS溶液150.1g(1.2mole)および50重量パーセントのTBAB触媒溶液9.63g(0.015mole)を反応器に添加し、混合し、65℃に加熱した。1.3モルのHCl溶液100g(0.15mole)およびCPTES240.0g(1.0mole)を、CPTESの添加が15分間で完了するような速度で2つの添加漏斗から同時に添加し、HClの添加を約1時間で完了した。反応を70℃で5時間継続した。GCデータにより11.4重量パーセントの未反応のCPTESが残留していることが示され、したがって、NaHS溶液12.48g(0.1002mole)を再度添加し、5時間反応させた。冷却後に有機相を分離し、0.45ミクロンの濾過ディスクを通して濾過した。有機相のガスクロマトグラフィー(GC)分析により、生成物が2.6重量パーセントのCPTES、91.0重量パーセントのMPTES、1.99重量パーセントのTESPMおよび2.34重量パーセントのTESPDを含有していることが示された。
(実施例9(参考例))
NaHSOの50重量パーセント溶液を、NaHS溶液のCPTES0.325g(2.69mole)との反応中にNaHS溶液に添加し、TBAB溶液8.2g(0.0124mole)をガラス反応器に添加し、混合し、75℃に加熱した。CPTESを添加する直前に、NaHSO溶液の滴下による添加を開始した。CPTES497.8g(2.07mole)を反応混合物に8分間で添加した。NaHSO溶液の添加を30分間で完了した。5時間の反応後に有機相を分離し、GCにより分析した。生成物は、2.0重量パーセントのCPTES、87.6重量パーセントのMPTES、2.7重量パーセントのTESPMおよび0.7重量パーセントのTESPDを含有していた。生成物を真空下で蒸留し、用いたCPTESの量に基づき約84パーセントの収率で95.4パーセントの純粋なMPTESを与えた。
(実施例10:pH調整剤としてH BO を使用)
ホウ酸をこの実施例で用い、反応混合物のpHを低下させた。実施例と比較してCPTESおよびNaHSの添加順序も逆にして、任意の可能性のあるゲル形成を最小限に抑えた。したがって、CPTES206.3g(0.86mole)、固体TBAB4.13g(0.013mole)およびHBO51.4g(0.83mole)をジャケット式ガラス反応器中で混合し、65℃に加熱した。NaHS溶液100.0g(0.83mole)を30分間の時間間隔にわたって滴下漏斗を用いてゆっくり添加した。NaHSおよびホウ酸の反応による泡(froth)および泡立ち(foaming)が観察された。3〜4時間CPTESと反応させた後、追加のNaHS溶液およびTBAB触媒を添加した。6時間の全反応時間の後、反応混合物を冷却し、濾過し、相分離した。GC分析による生成物の組成を決定したところ、1.2重量パーセントのCPTES、89.3重量パーセントのMPTES、2.8重量パーセントのTESPMおよび0.2重量パーセントのTESPDであった。
(実施例11:pH調整剤としてNaH PO を使用)
この実施例ではリン酸二水素ナトリウム一水和物をpH調整剤として用い、生成物中のTESPMの形成を減少させた。したがって、NaHPO・HO27.6g(0.2mole)を反応器に添加した。NaHSの45重量パーセント溶液157.4g(1.30mole)をゆっくり添加し、NaHSおよびリン酸二水素の間の任意の激しい反応を回避した。HSガスが反応から発生し、HSガスを苛性スクラバー中でトラップした。TBAB溶液9.63g(0.015mole)を添加し、5分間混合した。触媒中間体の非常に暗い緑色のオメガ相が直ちに形成された。反応混合物を70℃にゆっくり加熱し、CPTES240.8g(1.0mole)を15分間にわたって添加した。反応を70℃で4時間継続した。冷却および相分離を行うと、227.6グラムの有機相が得られた。有機相の収率は、反応で用いたCPTESの量に基づき94.5パーセントであった。有機相のGCによる結果では、2.8パーセントのCPTES、89.6パーセントのMPTES、4.5パーセントのTESPMおよび1.15パーセントのTESPDが示された。
(実施例12(参考例))
この実施例では、酢酸ナトリウム三水和物をNaHS溶液と混合して、水相のpHを減少させ、TESPMの形成を最小限にさせた。したがって、等モル量の酢酸ナトリウムおよびNaHSを反応器に添加し、混合した。pHの変化は観察されなかった。実施例8〜11で先に記載したように、わずかなモル過剰のCPTESを用い、TBAB触媒の存在下において反応を行った。しかしながら、最終生成物のGCの結果では、TESPMの減少に対する効果は示されなかった。生成物は、83.1重量パーセントのMPTESおよび7.38重量パーセントのTESPMを含有していた。
以下の実施例では、反応混合物のpHを調節し、MPTESの収率を改善するために、異なるHS圧力において、HSをpH調整剤として用いて一連の実験を行った。
(実施例13:10psi/69kPa−通常添加)
NaHS溶液をCPTESとTBAB触媒の存在下で反応させる前に、NaHS溶液を含有する圧力反応器を室温においてHSガスで加圧して10psi(69kPa)とした。水中のHSガスはpH4.2であり、水相中でNaS副生成物と反応してNaHSを与えた。9以下でpHを保持することによりNaSの形成も妨げられた。反応中のHSを正圧とすることより、任意のアルコキシ基の加水分解およびポリマー形成も最小限に抑えられた。
したがって、NaHS溶液139.4g(1.15mole)を反応器に添加し、反応器を密封した。次いで、反応器に10psi/69kPaのHSを充填し、内容物を5分間混合した。HSの水中での溶解および該HSとNaSとの反応による圧力低下が、最初に観察された。NaHSを70℃に加熱し、TBABの50重量パーセント溶液9.6g(0.015mole)およびCPTES240.8g(1.0mole)を、圧力シリンジを用いて反応器に継続的に供給した。冷却させる前に、反応を80℃で3.5時間継続させた。脱イオン水を反応混合物に添加して任意のNaCl塩の副生成物を溶解し、有機相を相分離により回収した。GC組成物は、1.8重量パーセントのCPTES、87.5重量パーセントのMPTES、4.6重量パーセントのTESPMおよび1.5重量パーセントのTESPDから成った。収率は90パーセントであった。
(実施例14:50psi/345kPa−通常添加)
50psi/345kPaのHS圧力を除き、その他の条件はすべて、実施例13と同じにした。反応を5時間で終了させた。生成物の組成は、0.4重量パーセントのCPTES、93.0重量パーセントのMPTES、1.9重量パーセントのTESPMおよび0.08重量パーセントのTESPDであった。生成物の収率は93.3パーセントであった。
(実施例15:100psi/690kPa−通常添加)
100psi/690kPaのHS圧力を除き、その他の条件はすべて、実施例13および14と同じにした。5時間反応させた後の生成物の組成は、0.5重量パーセントのCPTES、89.8重量パーセントのMPTES、0.8重量パーセントのTESPMおよび0.3重量パーセントのTESPDであった。収率は95.3パーセントであった。HSガスによるpHの調節によって任意の副生成物の形成を抑制することにより、MPTESの収率が改善されることが判った。
(実施例16:50psi/345kPa−通常添加)
反応物の添加順序を逆にしたことを除き、この実施例は実施例14と同じにした。さらに、固体TBAB触媒を用いて、CPTESの加水分解を回避させた。したがって、CPTES240.8g(1.0mole)および固体TBAB触媒4.8g(0.015mole)を圧力反応器に装填(load)し、反応器を密封した。圧力が50psi/345kPaで安定するまで、反応器をHSで加圧した。HSバルブを閉め、内容物を500rpmで混合しながら、反応混合物を70℃に加熱した。次いで、NaHS溶液139.2g(1.15mole)を圧力シリンジポンプを用いて約10ml/分の速度で反応器にゆっくり添加した。発熱反応により、反応温度が80℃に上昇した。80℃で5時間反応させた後、混合物を30℃に冷却し、任意の塩副生成物を脱イオン水69gに溶解した。冷却および相分離を行うと、229グラムの有機相が得られた。有機相の収率は、反応で用いたCPTESの量に基づき95.4パーセントであった。有機相のGC結果により、0.9パーセントのCPTES、93.3パーセントのMPTES、0.4パーセントのTESPMおよび1.0パーセントのTESPDが示された。したがって、逆の添加方法のこの実施例でHSガスを用いたとき、MPTESの収率が増加することが判った。
以下の実施例において、反応混合物のpHを調節してMPTESの収率を改善するために、異なるCO圧力においてCOをpH調整剤として用いて一連の実験を行った。
(実施例17(参考例))
NaHS溶液をCPTESとTBAB触媒の存在下で反応する前に、NaHS溶液を含有する圧力反応器を室温においてCOガスで加圧して25psi/173kPaとした。水中のCOガスはカルボン酸が形成されたため弱酸性であり、該カルボン酸がNaHS溶液中の任意のNaS副生成物と順に反応してTESPMの形成を最小限に抑え、MPTESの全収率を改善した。反応中のCOの正圧を保持することにより、任意のアルコキシ基の加水分解およびポリマー形成も最小限になった。
したがって、実施例12と同様に、NaHS溶液139.2g(1.15mole)を圧力反応器に充填し、反応器を密封した。10psi/69kPaのCO圧力を供給し、内容物を5分間混合した。反応混合物を70℃に加熱し、TBAB溶液9.6g(0.015mole)およびCPTES240.8g(1.0mole)を調節された速度で圧力シリンジによって反応器に添加した。反応を80℃で5時間継続した。有機相のGC分析およびCPTESの消費により、反応の進行を監視した。反応混合物を冷却および相分離した後、有機相をストリッピングし、任意の低沸点物(low boilers)を除去し、GCにより分析した。生成物は、0.3重量パーセントのCPTES、92.1重量パーセントのMPTES、2.3重量パーセントのTESPMおよび0.5重量パーセントのTESPDを含有していた。収率は、用いたCPTESの量に基づき91.1パーセントであった。
(実施例18:50psi/345kPa−通常添加)
CO圧力を50psi/345kPaに増加したことを除き、他の条件はすべて実施例16と同じにした。相分離後、有機相をGCにより分析したところ、該有機相は、0.5重量パーセントのCPTES、88.8重量パーセントのMPTES、1.3重量パーセントのTESPMおよび2.6重量パーセントのTESPDを含有していた。反応中にCOを50psi/345kPaで継続的に反応器に供給したとき、同様の良好な結果が得られた。
(実施例19:100psi/690kPa−通常添加)
100psi/690kPaのCO圧力で反応を行ったことを除き、実施例18を繰り返した。反応混合物を70℃に加熱したとき、圧力が135psi/932kPaに増加した。NaHSが反応中に消費されたため、CPTES添加中に圧力が低下した。反応完了後に有機相を単離し、分析した。生成物は、2.3重量パーセントのCPTES、88.2重量パーセントのMPTES、0.9重量パーセントのTESPMおよび2.8重量パーセントのTESPDを含有していた。活性化カーボンブラックで処理することにより、生成物の色を除去した。
(実施例20:50psi/345kPa−逆添加)
50psi/345kPaのCOガス圧力下で反応を行ったことを除き、実施例16を繰り返した。NaClおよびNaHCO塩が反応中に生成した。冷却および相分離を行うと、有機相222.8グラムが得られた。有機相の収率は、反応で用いたCPTESの量に基づき92.8パーセントであった。有機相のGCの結果により、0.8パーセントのCPTES、92.4パーセントのMPTES、1.2パーセントのTESPMおよび0.5パーセントのTESPDが示された。

有機相も真空下で蒸留し、68℃/1mmHg/0.133kPaで生成物を回収した。蒸留を完了した後、ポット中に少量の固体ポリマー残留物が残っていた。留出物は、0.9重量パーセントのCPTESおよび98.0重量パーセントのMPTESを含有していた。
本発明の本質的な特徴から逸脱することなく、本明細書中に記載された化合物、組成物および方法に他の変形を施すことができる。本明細書中に具体的に例示した本発明の実施形態は、単なる例示であって、付随の特許請求の範囲で定義される場合を除いて本発明の範囲に対して限定することを意図していない。

Claims (3)

  1. メルカプトアルキルアルコキシシランの製造方法であって、以下の順次工程:
    第一に、(i)pH調整剤および(ii)式MまたはMHSのスルフィド含有化合物(式中、Mはアルカリ金属またはアンモニウム基であり、Hは水素であり、nは1〜6の整数である)を水相中で混合してpHが4〜9の範囲の前記水相を与えること、
    第二に、(iii)相間移動触媒を前記水相に添加すること、
    第三に、(iv)ハロアルキルアルコキシシランを前記水相に添加してメルカプトアルキルアルコキシシランおよび水溶性副生成物を含有する反応混合物を形成すること、および
    第四に、前記所望のメルカプトアルキルアルコキシシランを前記水溶性副生成物から分離すること
    を含む前記方法。
  2. メルカプトアルキルアルコキシシランの製造方法であって、以下の順次工程:
    第一に、(i)ハロアルキルアルコキシシラン、(ii)相間移動触媒および(iii)無水pH調整剤を一緒に混合すること、
    第二に、式MまたはMHS(式中、Mはアルカリ金属またはアンモニウム基を表し、Hは水素を表し、nは1〜6の整数である)のスルフィド含有化合物または前記化合物の混合物の水溶液を添加して、メルカプトアルキルアルコキシシランおよび水溶性副生成物を含有する、4〜9の範囲のpHを有する水性反応混合物を形成すること、
    第三に、前記所望のメルカプトアルキルアルコキシシランを前記水溶性副生成物から分離すること
    を含む前記方法。
  3. 前記ハロアルキルアルコキシシランが、式(RO)3−mSi−Alk−X(式中、各Rは、1〜12個の炭素原子を含有する炭化水素基であり;mは、0、1または2であり;Alkは、1〜18個の炭素原子を含有する二価の炭化水素基を表し;およびXは、塩素、臭素またはヨウ素である)を有する請求項に記載の方法。
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