JPH06107593A - tert−ブチルエステルの精製方法 - Google Patents
tert−ブチルエステルの精製方法Info
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- JPH06107593A JPH06107593A JP28049092A JP28049092A JPH06107593A JP H06107593 A JPH06107593 A JP H06107593A JP 28049092 A JP28049092 A JP 28049092A JP 28049092 A JP28049092 A JP 28049092A JP H06107593 A JPH06107593 A JP H06107593A
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- Japan
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- tert
- butyl ester
- ion exchange
- exchange resin
- ester
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Abstract
(57)【要約】
【構成】合成反応により得られるtert−ブチルエステル
を精製するに際し、塩基性イオン交換樹脂の存在下に蒸
留を行うことを特徴とするtert−ブチルエステルの精製
方法。 【効果】本発明の精製方法は、tert−ブチルエステルの
蒸留工程において単に塩基性イオン交換樹脂を添加する
のみで、合成反応により得られたtert−ブチルエステル
の有機層内に残存する痕跡の酸、もしくは分解によって
生じる遊離の有機酸を効率良く簡易に除去できる方法で
ある。従って、高純度なtert−ブチルエステルを高収率
に得ることのできる工業的に有利な方法である。
を精製するに際し、塩基性イオン交換樹脂の存在下に蒸
留を行うことを特徴とするtert−ブチルエステルの精製
方法。 【効果】本発明の精製方法は、tert−ブチルエステルの
蒸留工程において単に塩基性イオン交換樹脂を添加する
のみで、合成反応により得られたtert−ブチルエステル
の有機層内に残存する痕跡の酸、もしくは分解によって
生じる遊離の有機酸を効率良く簡易に除去できる方法で
ある。従って、高純度なtert−ブチルエステルを高収率
に得ることのできる工業的に有利な方法である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はtert−ブチルエステルの
精製方法に関する。更に詳しくは、高純度なtert−ブチ
ルエステルを高収率に得るために、精製に際してtert−
ブチルエステルを安定化する方法に関する。
精製方法に関する。更に詳しくは、高純度なtert−ブチ
ルエステルを高収率に得るために、精製に際してtert−
ブチルエステルを安定化する方法に関する。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】エステル
の合成方法には種々の方法が知られているが、得られた
エステルを高純度で得るためには加熱下蒸留を行うこと
が多い。その際に反応系内に痕跡の酸や、エステルの分
解によって生じる有機の遊離酸が残存する場合、得られ
たエステルはこの酸によって触媒的に分解されるため、
収率の低下と共に高純度のエステルが得られないことが
指摘されている。
の合成方法には種々の方法が知られているが、得られた
エステルを高純度で得るためには加熱下蒸留を行うこと
が多い。その際に反応系内に痕跡の酸や、エステルの分
解によって生じる有機の遊離酸が残存する場合、得られ
たエステルはこの酸によって触媒的に分解されるため、
収率の低下と共に高純度のエステルが得られないことが
指摘されている。
【0003】例えば、tert−ブチルエステルの場合、Or
g. Syn. Coll. vol.IV, 261-266 にジ−tert−ブチルマ
ロネートの一般的な合成方法が、Org. Syn. Coll. vol.
V,171-175 にはtert−ブチルシアノアセテートの合成
方法が記載され、イソブチレン法または酸クロリド法に
よって tert-ブチルエステルを得る方法が開示されてい
る。これらの方法では、前記のような問題を解決する手
段として予め反応容器をアルカリで充分に洗浄しておく
こと、蒸留中に分解する酸の捕捉剤として炭酸カリウム
もしくは酸化マグネシウムを共存させておくことなど、
酸の存在について細心の注意を必要とすることが開示さ
れている。
g. Syn. Coll. vol.IV, 261-266 にジ−tert−ブチルマ
ロネートの一般的な合成方法が、Org. Syn. Coll. vol.
V,171-175 にはtert−ブチルシアノアセテートの合成
方法が記載され、イソブチレン法または酸クロリド法に
よって tert-ブチルエステルを得る方法が開示されてい
る。これらの方法では、前記のような問題を解決する手
段として予め反応容器をアルカリで充分に洗浄しておく
こと、蒸留中に分解する酸の捕捉剤として炭酸カリウム
もしくは酸化マグネシウムを共存させておくことなど、
酸の存在について細心の注意を必要とすることが開示さ
れている。
【0004】即ち、tert−ブチルエステル合成後、反応
母液はいったんアルカル溶液中に導入され、生成した酸
を中和除去する工程が存在するが、エステルを抽出する
際に有機溶媒中に酸が混在することが認められており、
そのため前記のような酸の捕捉剤が必要とされる。しか
し、高純度なtert−ブチルエステルを高収率に得るため
には、本発明者らの追試では炭酸カリウム、酸化マグネ
シウム等の酸捕捉剤では未だ不十分であり、その効果も
疑わしいものであった。
母液はいったんアルカル溶液中に導入され、生成した酸
を中和除去する工程が存在するが、エステルを抽出する
際に有機溶媒中に酸が混在することが認められており、
そのため前記のような酸の捕捉剤が必要とされる。しか
し、高純度なtert−ブチルエステルを高収率に得るため
には、本発明者らの追試では炭酸カリウム、酸化マグネ
シウム等の酸捕捉剤では未だ不十分であり、その効果も
疑わしいものであった。
【0005】即ち、本発明者らはイソブチレン法または
酸クロリド法によるtert−ブチルエステルの合成と精製
を追試したが、有機層に抽出されるtert−ブチルエステ
ル中にも痕跡の酸、もしくは分解によって生じる遊離の
有機酸が残存しており、この酸によってエステルは次式
に示すように触媒的に分解し、更にそのまま精製工程に
導入してもtert−ブチルエステルが溶媒除去時の熱など
に影響されてさらに分解が促進されることが判明した。 R-COO-C(CH 3 )3 → R-COOH + CH2 =C(CH3 ) 2
酸クロリド法によるtert−ブチルエステルの合成と精製
を追試したが、有機層に抽出されるtert−ブチルエステ
ル中にも痕跡の酸、もしくは分解によって生じる遊離の
有機酸が残存しており、この酸によってエステルは次式
に示すように触媒的に分解し、更にそのまま精製工程に
導入してもtert−ブチルエステルが溶媒除去時の熱など
に影響されてさらに分解が促進されることが判明した。 R-COO-C(CH 3 )3 → R-COOH + CH2 =C(CH3 ) 2
【0006】従って、これらの従来の方法では反応過程
において生成する酸によって、エステルの分解はさらに
加速的に起こるため、tert−ブチルエステルの収率の低
下と共に純度の高い品質のよいものを得ることができな
い。例えば、Org. Syn. Coll. vol.IV, 261-266 に開示
されているジ−tert−ブチルマロネートの合成では、イ
ソブチレン法では58〜60%、酸クロリド法では全工
程で60〜71%の収率である。本発明の目的は、合成
反応により得られたtert−ブチルエステルの有機層内に
残存する痕跡の酸、もしくは分解によって生じる遊離の
有機酸を、効率良く除去することにより、蒸留工程にお
いてtert−ブチルエステルを安定化させ、高純度なtert
−ブチルエステルを高収率に得ることを可能としたtert
−ブチルエステルの精製方法を提供することにある。
において生成する酸によって、エステルの分解はさらに
加速的に起こるため、tert−ブチルエステルの収率の低
下と共に純度の高い品質のよいものを得ることができな
い。例えば、Org. Syn. Coll. vol.IV, 261-266 に開示
されているジ−tert−ブチルマロネートの合成では、イ
ソブチレン法では58〜60%、酸クロリド法では全工
程で60〜71%の収率である。本発明の目的は、合成
反応により得られたtert−ブチルエステルの有機層内に
残存する痕跡の酸、もしくは分解によって生じる遊離の
有機酸を、効率良く除去することにより、蒸留工程にお
いてtert−ブチルエステルを安定化させ、高純度なtert
−ブチルエステルを高収率に得ることを可能としたtert
−ブチルエステルの精製方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは合成後、抽
出されたtert−ブチルエステルの有機層内に残存する痕
跡の酸、もしくは分解によって生じる遊離の有機酸を、
いかに簡便に有機層から除去するかを種々検討した結
果、塩基性イオン交換樹脂が痕跡の酸や遊離の酸を除去
でき、塩基性イオン交換樹脂をtert−ブチルエステルの
安定化剤として添加することによって、蒸留中において
もエステルの分解を抑制することができ、上記の課題を
解決できることを見いだし、本発明を完成した。即ち、
本発明の要旨は、合成反応により得られるtert−ブチル
エステルを精製するに際し、塩基性イオン交換樹脂の存
在下に蒸留を行うことを特徴とするtert−ブチルエステ
ルの精製方法に関する。
出されたtert−ブチルエステルの有機層内に残存する痕
跡の酸、もしくは分解によって生じる遊離の有機酸を、
いかに簡便に有機層から除去するかを種々検討した結
果、塩基性イオン交換樹脂が痕跡の酸や遊離の酸を除去
でき、塩基性イオン交換樹脂をtert−ブチルエステルの
安定化剤として添加することによって、蒸留中において
もエステルの分解を抑制することができ、上記の課題を
解決できることを見いだし、本発明を完成した。即ち、
本発明の要旨は、合成反応により得られるtert−ブチル
エステルを精製するに際し、塩基性イオン交換樹脂の存
在下に蒸留を行うことを特徴とするtert−ブチルエステ
ルの精製方法に関する。
【0008】本発明において、tert−ブチルエステルの
合成方法は特に限定されるものではなく公知の方法をそ
のまま適用することができる。本発明の精製方法は、そ
のような公知の方法によりtert−ブチルエステルを合成
した際に、tert−ブチルエステルを含む有機層内に痕跡
の酸、もしくは分解によって生じる遊離の有機酸の存在
が懸念される有機溶媒溶液から、蒸留してtert−ブチル
エステルを精製する場合に適用することがてきる。tert
−ブチルエステルの合成方法としては、例えば前記のよ
うなイソブチレンを原料とするイソブチレン法や酸クロ
リドを原料とする酸クロリド法が挙げられる。
合成方法は特に限定されるものではなく公知の方法をそ
のまま適用することができる。本発明の精製方法は、そ
のような公知の方法によりtert−ブチルエステルを合成
した際に、tert−ブチルエステルを含む有機層内に痕跡
の酸、もしくは分解によって生じる遊離の有機酸の存在
が懸念される有機溶媒溶液から、蒸留してtert−ブチル
エステルを精製する場合に適用することがてきる。tert
−ブチルエステルの合成方法としては、例えば前記のよ
うなイソブチレンを原料とするイソブチレン法や酸クロ
リドを原料とする酸クロリド法が挙げられる。
【0009】本発明で使用される塩基性イオン交換樹脂
は、これにより酸を吸着除去することが可能であれば、
特に限定されるものではない。例えば、アクリル系、メ
タクリル系、スチレン系などの構造的な制限は特にな
い。具体的には、アンバーライトA−26、A−27、
A−21;CG−400;IRA−400、IRA−4
00T、IRA−900、IRA−904、IRA−4
58、IRA−958、IRA−410、IRA−41
1S、IRA−910、IRA−68、IRA−35、
IRA−93ZU、IRA−94S(以上はオルガノ
(株)社製);ダイアイオンSA10A、SA11A、
SA12A、SA20A、SA21A;PA306、P
A308、PA312、PA316、PA318、PA
406、PA408、PA412、PA416、PA4
18;WA10、WA11、WA20、WA21、WA
30(以上は三菱化成(株)社製)等である。本発明で
は強塩基性イオン交換樹脂、弱塩基性イオン交換樹脂の
限定は特にないが、扱い易いこと、容易に入手出来ると
共に安価であること、さらには目的物を痛めず、かつ吸
着の問題が発生しないこと等の理由から、弱塩基性イオ
ン交換樹脂が好ましい。この例としてアンバーライトA
−21、IRA−35、IRA−93ZU、IRA−9
4S;ダイアイオンWA10、WA11、WA20、W
A21、WA30等が挙げられる。
は、これにより酸を吸着除去することが可能であれば、
特に限定されるものではない。例えば、アクリル系、メ
タクリル系、スチレン系などの構造的な制限は特にな
い。具体的には、アンバーライトA−26、A−27、
A−21;CG−400;IRA−400、IRA−4
00T、IRA−900、IRA−904、IRA−4
58、IRA−958、IRA−410、IRA−41
1S、IRA−910、IRA−68、IRA−35、
IRA−93ZU、IRA−94S(以上はオルガノ
(株)社製);ダイアイオンSA10A、SA11A、
SA12A、SA20A、SA21A;PA306、P
A308、PA312、PA316、PA318、PA
406、PA408、PA412、PA416、PA4
18;WA10、WA11、WA20、WA21、WA
30(以上は三菱化成(株)社製)等である。本発明で
は強塩基性イオン交換樹脂、弱塩基性イオン交換樹脂の
限定は特にないが、扱い易いこと、容易に入手出来ると
共に安価であること、さらには目的物を痛めず、かつ吸
着の問題が発生しないこと等の理由から、弱塩基性イオ
ン交換樹脂が好ましい。この例としてアンバーライトA
−21、IRA−35、IRA−93ZU、IRA−9
4S;ダイアイオンWA10、WA11、WA20、W
A21、WA30等が挙げられる。
【0010】これらの塩基性イオン交換樹脂の添加量は
有機溶媒層中に存在する酸を除去しうる量であればよ
く、特に限定する必要はないが、少ない場合はイソブテ
ンの発生による泡立ち現象が認められるので、適宜増量
する必要がある。一般的には、tert−ブチルエステル量
に対して、1〜5%量、好ましくは、2%量である。
有機溶媒層中に存在する酸を除去しうる量であればよ
く、特に限定する必要はないが、少ない場合はイソブテ
ンの発生による泡立ち現象が認められるので、適宜増量
する必要がある。一般的には、tert−ブチルエステル量
に対して、1〜5%量、好ましくは、2%量である。
【0011】有機溶媒層中に添加した塩基性イオン交換
樹脂は、濃縮、蒸留した後、残渣として分離除去され
る。精製したtert−ブチルエステルに少量の塩基性イオ
ン交換樹脂を添加しておくことにより、安定剤として使
用することも可能である。
樹脂は、濃縮、蒸留した後、残渣として分離除去され
る。精製したtert−ブチルエステルに少量の塩基性イオ
ン交換樹脂を添加しておくことにより、安定剤として使
用することも可能である。
【0012】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例等によりなんら限定
されるものではない。 実施例1 ジ−tert−ブチルマロン酸エステルの合成 テトラヒドロフラン17mlとトルエン43ml、マロ
ン酸60g(0.57モル)、98%硫酸6mlをオー
トクレーブに仕込み、氷水冷却下に、イソブチレン19
4g(3.457モル)を吹き込み、加圧下で反応させ
た。約10時間反応させた後、12%水酸化ナトリウム
溶液に流入し、トルエン層を分取した。トルエン層を無
水炭酸カリウムで脱水した後、弱塩基性イオン交換樹脂
(ダイヤイオンWA30)4gを添加し室温で30〜6
0分間攪拌した。次いで、減圧濃縮することにより、ジ
−tert−ブチルマロン酸エステル123g(粗収率9
8.6%)を得た。それをそのまま減圧蒸留に付し、純
度99.5%以上のジ−tert−ブチルマロン酸エステル
99.8gを得た(収率80%)。
明するが、本発明はこれらの実施例等によりなんら限定
されるものではない。 実施例1 ジ−tert−ブチルマロン酸エステルの合成 テトラヒドロフラン17mlとトルエン43ml、マロ
ン酸60g(0.57モル)、98%硫酸6mlをオー
トクレーブに仕込み、氷水冷却下に、イソブチレン19
4g(3.457モル)を吹き込み、加圧下で反応させ
た。約10時間反応させた後、12%水酸化ナトリウム
溶液に流入し、トルエン層を分取した。トルエン層を無
水炭酸カリウムで脱水した後、弱塩基性イオン交換樹脂
(ダイヤイオンWA30)4gを添加し室温で30〜6
0分間攪拌した。次いで、減圧濃縮することにより、ジ
−tert−ブチルマロン酸エステル123g(粗収率9
8.6%)を得た。それをそのまま減圧蒸留に付し、純
度99.5%以上のジ−tert−ブチルマロン酸エステル
99.8gを得た(収率80%)。
【0013】比較例 Org. Syn. Coll. vol.IV, 第 261頁の記載に従ってジ−
tert−ブチルマロン酸エステルを合成し、精製は弱塩基
性イオン交換樹脂を用いない以外は実施例1と同様にし
て行った。得られたジ−tert−ブチルマロン酸エステル
の収率は、19〜20%(純度96.3%)であった。
tert−ブチルマロン酸エステルを合成し、精製は弱塩基
性イオン交換樹脂を用いない以外は実施例1と同様にし
て行った。得られたジ−tert−ブチルマロン酸エステル
の収率は、19〜20%(純度96.3%)であった。
【0014】実施例2 tert−ブチルシアノアセテートの合成 tert−ブタノール100g(1.35モル)にN,N−
ジメチルアニリン163.6g(1.35モル)を加
え、水冷下においてクロル酢酸クロライド152.4g
(1.35モル)を滴下し、50〜55℃で2時間反応
させた。反応終了後、トルエンと水を流入し分液した。
トルエン層を希塩酸水溶液で洗浄し、つづいて10%炭
酸カリウム水溶液で洗浄した。水200g、90%シア
ン化ナトリウム73.5g(1.35モル)、ベンジル
トリエチルアンモニウムクロライド15.5g(0.0
7モル)の溶液に、得られたトルエン層を滴下し、50
〜60℃にて1時間反応させた。未反応のシアン化ナト
リウムを過酸化水素で処理した後、分液して水層を除去
し、水で洗浄した。得られた溶液に弱塩基性イオン交換
樹脂(ダイヤイオンWA30)を添加し、室温で30〜
60分間攪拌した後、減圧下に留去し減圧蒸留を行い、
tert−ブチルシアノアセテート98.9g(全工程を通
じた収率52%)を得た。本品のガスクロマトグラフィ
ーによる分析では純度98.0%以上である。
ジメチルアニリン163.6g(1.35モル)を加
え、水冷下においてクロル酢酸クロライド152.4g
(1.35モル)を滴下し、50〜55℃で2時間反応
させた。反応終了後、トルエンと水を流入し分液した。
トルエン層を希塩酸水溶液で洗浄し、つづいて10%炭
酸カリウム水溶液で洗浄した。水200g、90%シア
ン化ナトリウム73.5g(1.35モル)、ベンジル
トリエチルアンモニウムクロライド15.5g(0.0
7モル)の溶液に、得られたトルエン層を滴下し、50
〜60℃にて1時間反応させた。未反応のシアン化ナト
リウムを過酸化水素で処理した後、分液して水層を除去
し、水で洗浄した。得られた溶液に弱塩基性イオン交換
樹脂(ダイヤイオンWA30)を添加し、室温で30〜
60分間攪拌した後、減圧下に留去し減圧蒸留を行い、
tert−ブチルシアノアセテート98.9g(全工程を通
じた収率52%)を得た。本品のガスクロマトグラフィ
ーによる分析では純度98.0%以上である。
【0015】実施例3 tert−ブチルクロルアセテートの合成 塩化メチレン100mlにtert−ブタノール50g
(0.675モル)、N,N−ジメチルアニリン81.
8g(0.675モル)を加え、攪拌下にクロル酢酸ク
ロライド76.2g(0.675モル)を室温を保って
滴下した。滴下後、約55℃に加温して3時間反応し、
さらに室温で一晩攪拌させた。水、炭酸カリウム水溶液
で洗浄した後、弱塩基性イオン交換樹脂(ダイヤイオン
WA30)2gを添加し、室温でおよそ30分間攪拌し
たのち減圧下に塩化メチレンを留去した。残留物を蒸留
してtert−ブチルクロルアセテート76.3gを得た
(純度97%以上、収率75.1%)。
(0.675モル)、N,N−ジメチルアニリン81.
8g(0.675モル)を加え、攪拌下にクロル酢酸ク
ロライド76.2g(0.675モル)を室温を保って
滴下した。滴下後、約55℃に加温して3時間反応し、
さらに室温で一晩攪拌させた。水、炭酸カリウム水溶液
で洗浄した後、弱塩基性イオン交換樹脂(ダイヤイオン
WA30)2gを添加し、室温でおよそ30分間攪拌し
たのち減圧下に塩化メチレンを留去した。残留物を蒸留
してtert−ブチルクロルアセテート76.3gを得た
(純度97%以上、収率75.1%)。
【0016】
【発明の効果】本発明の精製方法は、tert−ブチルエス
テルの蒸留工程において単に塩基性イオン交換樹脂を添
加するのみで、合成反応により得られたtert−ブチルエ
ステルの有機層内に残存する痕跡の酸、もしくは分解に
よって生じる遊離の有機酸を効率良く簡易に除去できる
方法である。従って、高純度なtert−ブチルエステルを
高収率に得ることのできる工業的に有利な方法である。
テルの蒸留工程において単に塩基性イオン交換樹脂を添
加するのみで、合成反応により得られたtert−ブチルエ
ステルの有機層内に残存する痕跡の酸、もしくは分解に
よって生じる遊離の有機酸を効率良く簡易に除去できる
方法である。従って、高純度なtert−ブチルエステルを
高収率に得ることのできる工業的に有利な方法である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 67/62 8018−4H 69/38 8018−4H 69/63 9279−4H 253/14 253/34 255/19 9357−4H
Claims (3)
- 【請求項1】 合成反応により得られるtert−ブチルエ
ステルを精製するに際し、塩基性イオン交換樹脂の存在
下に蒸留を行うことを特徴とするtert−ブチルエステル
の精製方法。 - 【請求項2】 tert−ブチルエステルがイソブチレンま
たは酸クロリドを原料として合成されたものである請求
項1記載の精製方法。 - 【請求項3】 塩基性イオン交換樹脂が弱塩基性のもの
である請求項1記載の精製方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28049092A JPH06107593A (ja) | 1992-09-25 | 1992-09-25 | tert−ブチルエステルの精製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28049092A JPH06107593A (ja) | 1992-09-25 | 1992-09-25 | tert−ブチルエステルの精製方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06107593A true JPH06107593A (ja) | 1994-04-19 |
Family
ID=17625811
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28049092A Pending JPH06107593A (ja) | 1992-09-25 | 1992-09-25 | tert−ブチルエステルの精製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06107593A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009155208A (ja) * | 2007-12-25 | 2009-07-16 | Japan Organo Co Ltd | エステルの精製方法 |
JP2012136486A (ja) * | 2010-12-27 | 2012-07-19 | Tosoh Corp | カルボン酸第三級ブチルエステルの製造方法 |
-
1992
- 1992-09-25 JP JP28049092A patent/JPH06107593A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009155208A (ja) * | 2007-12-25 | 2009-07-16 | Japan Organo Co Ltd | エステルの精製方法 |
JP2012136486A (ja) * | 2010-12-27 | 2012-07-19 | Tosoh Corp | カルボン酸第三級ブチルエステルの製造方法 |
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