JP2003048716A - モリブデン酸塩の回収方法 - Google Patents

モリブデン酸塩の回収方法

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健太郎 鎗野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 モリブデン酸塩を含む水溶液から、硫酸イオ
ン、塩化物イオンおよび硬度成分を殆ど含有しない高純
度のモリブデン酸イオンを高収率で回収し、そのモリブ
デン酸塩を含む水溶液を防食剤として再利用する方法を
提供することを課題とする。 【解決手段】 モリブデン酸塩を含む水溶液を酸性に
し、陽イオン交換型キレート樹脂と接触させて該キレー
ト樹脂にモリブデン酸イオンを吸着させ、モリブデン酸
イオンを吸着した前記キレート樹脂をアルカリ水溶液と
接触させてモリブデン酸イオンを溶離させ、溶離したモ
リブデン酸イオンの形でモリブデン酸塩を回収すること
を特徴とするモリブデン酸塩の回収方法により、上記の
課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】この発明は、モリブデン酸
塩の回収方法、さらに詳しくは、使用済みの冷却排水な
どに含まれるモリブデン酸塩を分離回収し、再利用する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】開放系あるいは密閉系の循環式冷却水に
は、環境汚染が少ないとの理由から、モリブデン酸塩を
有効成分とする防食剤が多用されている。このモリブデ
ン成分は、資源の有効利用のため、使用済みの冷却水の
最終的な処理で回収されている。従来、モリブデン成分
を回収するには、使用済みの冷却水を塩酸や硝酸などで
酸性にした後、加水分解によりモリブデン酸として回収
する方法が採用されている。
【0003】特開平10−118649号公報には、モ
リブデン酸塩を含む水溶液をpH1.0〜8.0に調整
し、陰イオン交換樹脂に接触させてモリブデン酸イオン
を吸着させて除去した後、モリブデン酸イオンを吸着し
た陰イオン交換樹脂にpH9.0以上のアルカリ水溶液
を接触させてモリブデン酸イオンを溶離して回収する方
法が記載されている。
【0004】しかしながら、この方法では、モリブデン
酸塩を含む水溶液からモリブデン酸イオンを高収率で回
収できるものの、硫酸イオンおよび塩化物イオンをも含
み、高純度のモリブデン酸塩が得られない。したがっ
て、この方法で回収したモリブデン酸塩を含む水溶液を
防食剤として再利用した場合には、硫酸イオンや塩化物
イオンによる冷却水系統の腐食が危惧される。
【0005】また、特開平8−295966号公報に
は、廃触媒のようなモリブデンおよびバナジウムを含む
溶液から、特定の陰イオン交換型キレートポリマーを用
いてモリブデンおよびバナジウムを選択的に回収する方
法が記載されている。しかしながら、この方法でも、高
純度のモリブデン酸イオンを高収率で回収することはで
きない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、モリブデ
ン酸塩を含む水溶液から、硫酸イオン、塩化物イオンお
よび硬度成分を殆ど含有しない高純度のモリブデン酸イ
オンを高収率で回収し、そのモリブデン酸塩を含む水溶
液を防食剤として再利用する方法を提供することを課題
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明の発明者らは、
上記のような現状と認識に鑑み、モリブデン酸塩を回収
するための方法を鋭意検討した結果、陽イオン交換型キ
レート樹脂を用いることにより、硫酸イオン、塩化物イ
オンおよび硬度成分を殆ど含有しない高純度のモリブデ
ン酸イオンを高収率で回収できることを見出し、この発
明を完成するに到った。
【0008】かくして、この発明によれば、モリブデン
酸塩を含む水溶液を酸性にし、陽イオン交換型キレート
樹脂と接触させて該キレート樹脂にモリブデン酸イオン
を吸着させ、モリブデン酸イオンを吸着した前記キレー
ト樹脂をアルカリ水溶液と接触させてモリブデン酸イオ
ンを溶離させ、溶離したモリブデン酸イオンの形でモリ
ブデン酸塩を回収することを特徴とするモリブデン酸塩
の回収方法が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】この発明のモリブデン酸塩の回収
方法は、モリブデン酸塩を含む水溶液を酸性にし、陽イ
オン交換型キレート樹脂と接触させて該キレート樹脂に
モリブデン酸イオンを吸着させ、モリブデン酸イオンを
吸着した前記キレート樹脂をアルカリ水溶液と接触させ
てモリブデン酸イオンを溶離させ、溶離したモリブデン
酸イオンの形でモリブデン酸塩を回収することを特徴と
する。
【0010】この発明において処理されるモリブデン酸
塩(例えば、ナトリウム塩)を含む水溶液としては、例
えば、防食剤としてモリブデン酸塩を添加して使用され
た冷却水が挙げられる。本発明の方法を実施する際の処
理対象となる水溶液は酸性であり、そのpHは2.5以
下が好ましく、2以下がより好ましい。pHが2.5を
超えると、水溶液中のモリブデン酸イオンMoO
4 2-が、陽イオン交換型キレート樹脂に吸着されるMo
2 2+に変化し難いため、モリブデン酸塩の回収率が低
下するので好ましくない。
【0011】処理対象のモリブデン酸塩を含む水溶液が
酸性でないときには、陽イオン交換型キレート樹脂と接
触させる前に、例えば硫酸などの酸を添加して、水溶液
のpHを予め調整するのが好ましい。
【0012】上記のようなpH値を有するモリブデン酸
塩を含む水溶液を、陽イオン交換型キレート樹脂と接触
させることにより、水溶液中のモリブデン酸イオンを該
樹脂に吸着させる。モリブデン酸イオンが除去された廃
液は、公知の方法で処理される。
【0013】この発明で用いられる陽イオン交換型キレ
ート樹脂としては、スチレン−ジビニルベンゼン共重合
体を基体とし、イミノ二酢酸基またはアミノリン酸基を
配位子とするキレート樹脂が好適に用いられる。より具
体的には、市販の陽イオン交換型キレート樹脂、例え
ば、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体を基体とし、
イミノ二酢酸基を配位子とする住友化学工業株式会社製
のデュオライトC467(商品名)などが挙げられる。
【0014】樹脂の物理的性状は、透明で均質な橋かけ
粒子であるゲル型、物理的細孔の発達した多孔質を母体
とするマクロポーラス(MP)型、微小球の集合体のよ
うな巨大網目構造のMR型のいずれであってもよい。イ
オン交換樹脂は通常、粒子状で用いられ、その粒径は、
0.4〜0.6mm程度が好ましい。
【0015】陽イオン交換型キレート樹脂は、通常、管
状の通水可能なカラムに充填して用いられる。例えば、
陽イオン交換型キレート樹脂を充填したカラムを縦に固
定しておき、処理液を下から上に通液する。この方法
は、樹脂粒子を浮遊させて、カラム内で両者をより充分
に接触させ得るので好ましいが、カラムの固定状況や通
液方向などは特に限定されない。また、両者を接触させ
る方法として、両者を一つの容器に入れて軽く撹拌した
後、濾別するなどの方法もあり、これら以外でも両者を
効果的に接触させることができる方法であれば、どのよ
うな方法でもよい。
【0016】モリブデン酸塩を含む水溶液を陽イオン交
換型キレート樹脂と接触させる際の温度は、樹脂の耐熱
温度(通常120℃程度まで)であればよく、10〜6
0℃程度がより好ましい。
【0017】モリブデン酸イオンを吸着した陽イオン交
換型キレート樹脂からモリブデン酸イオンを回収するに
は、例えば1N水酸化ナトリウム水溶液のような、pH
9.0以上、好ましくはpH10〜12のアルカリ水溶
液が用いられる。このアルカリ水溶液での処理により、
モリブデン酸イオンは陽イオン交換型キレート樹脂から
アルカリ水溶液中へ溶離し、回収される。
【0018】モリブデン酸塩を回収する際の温度は、樹
脂の耐熱温度(通常120℃程度まで)であればよく、
10〜60℃程度がより好ましい。モリブデン酸イオン
を溶離した陽イオン交換型キレート樹脂は、モリブデン
酸イオンを吸着できる状態に再生される。
【0019】この発明のモリブデン酸塩の回収方法で
は、モリブデン酸塩を含む水溶液を予め陽イオン交換樹
脂と接触させて、前記水溶液中の硬度成分等を除去して
おくのが好ましい。この前処理により、モリブデン酸塩
を含む水溶液中の硬度成分を効率的に除去して、回収さ
れるモリブデン酸塩中の硬度成分の含有量を低下させる
ことができる。なお、この発明における「陽イオン交換
樹脂」には、キレート樹脂を含まないものとする。
【0020】上記の前処理で用いられる陽イオン交換樹
脂としては、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体を基
体とし、スルホン酸基またはカルボン酸基を交換基とす
る強酸性陽イオン交換樹脂または弱酸性陽イオン交換樹
脂が好適に用いられる。より具体的には、市販の陽イオ
ン交換樹脂、例えば、スチレン−ジビニルベンゼン共重
合体を基体とし、スルホン酸基を交換基とする強酸性陽
イオン交換樹脂である住友化学工業株式会社製のデュオ
ライトC20LFおよびC26CH(いずれも商品名)
などが挙げられる。樹脂の物理的性状および樹脂の粒径
については、陽イオン交換型キレート樹脂と同様であ
る。
【0021】陽イオン交換樹脂は、通常、管状の通水可
能なカラムに充填して用いられる。その他の操作につい
ては、陽イオン交換型キレート樹脂と同様である。モリ
ブデン酸塩を含む水溶液を陽イオン交換樹脂と接触させ
る際の条件は、例えば温度10〜60℃程度およびpH
1.0〜2.5程度がより好ましい。
【0022】硬度成分が吸着された陽イオン交換樹脂
は、例えば0.1N水酸化ナトリウム水溶液のようなア
ルカリ水溶液と接触させ、吸着した前記硬度成分を溶離
することにより、硬度成分を吸着できる状態に再生でき
る。
【0023】この発明によれば、モリブデン酸塩を含む
水溶液から、硫酸イオン、塩化物イオンおよび硬度成分
を殆ど含有しない高純度のモリブデン酸イオンを高収率
で回収し、そのモリブデン酸塩を含む水溶液を防食剤と
して再利用する方法を提供することができる。
【0024】
【実施例】この発明を実施例および比較例により具体的
に説明するが、この発明はこれらの実施例により限定さ
れるものでない。
【0025】実施例1 モリブデン酸イオン(MoO4 2-)濃度が300mg/
lとなるように、Na2MoO4・2H2Oを純水に溶解
し、得られた水溶液に硫酸を添加することによりpHを
2に調整して、試験液500mlを得た。陽イオン交換
型キレート樹脂[住友化学工業株式会社製、デュオライ
トC467(商品名)]30mlを直径1.5cmのガ
ラス製カラムに充填し、このカラムに試験液500ml
を、SV(空間速度)10の条件で通水した。さらに純
水約500mlを通水して、樹脂部分などのカラム内部
の試験液を洗い流した。なお、通水した試験液および純
水を1リットルのメスフラスコに回収した。メスフラス
コ中の水溶液のモリブデン酸イオン濃度と容量を測定
し、その逆算から樹脂に吸着したモリブデン酸イオン量
を算出し、その吸着率を求めたところ、81.8%であ
った。
【0026】実施例2 試験水の通水条件をSV20とする以外は、実施例1と
同様にして、モリブデン酸イオンの吸着率を求めたとこ
ろ、75.0%であった。
【0027】実施例3(陽イオン交換型キレート樹脂を
用いたモリブデン吸着試験) モリブデン酸イオン(MoO4 2-)濃度が300mg/
lとなるように、Na2MoO4・2H2Oを以下に示す
水質の大阪市水の5倍濃縮水4リットルに溶解し、処理
水を得た。
【0028】大阪市水の5倍濃縮水の水質 pH 8.2 Pアルカリ度 0 Mアルカリ度 125 全硬度 250(CaCO3)mg/l カルシウム硬度 200(CaCO3)mg/l 塩化物イオン濃度 125(Cl-)mg/l 硫酸イオン濃度 75(SO4 2-)mg/l イオン状シリカ 35(SiO2)mg/l
【0029】陽イオン交換樹脂[住友化学工業株式会社
製、デュオライトC20LF(商品名)]30mlを直
径1.5cmのガラス製カラムに充填し、このカラムに
処理水4リットルを、ローラーポンプを用いて、SV2
0の条件で通水した。通水した処理水中の全硬度および
カルシウム硬度を測定したところ、それぞれ測定限界
(5(CaCO3)mg/l)以下および測定限界(5(CaCO3)
mg/l)以下であった。このことから、硬度成分(C
2+、Mg2+)が除去されたことを確認した。
【0030】次いで、処理水に硫酸を添加して、処理水
をpH2に調整した。陽イオン交換型キレート樹脂[住
友化学工業株式会社製、デュオライトC467(商品
名)]30mlを直径1.5cmの別のガラス製カラム
に充填し、このカラムにpH2に調整した処理水4リッ
トルを、ローラーポンプを用いて、SV20の条件で通
水した。処理水の通水量が2リットルおよび4リットル
(全量)に達したときの、通水した処理水中のモリブデ
ン酸イオン濃度を測定したところ、それぞれ30.0m
g/lおよび31.5mg/lであった。
【0031】次いで、カラムに1N水酸化ナトリウム水
溶液300mlを通水して、モリブデン酸イオンMoO
2 2+として樹脂に吸着したモリブデン成分を、MoO4 2-
として1N水酸化ナトリウム水溶液中に溶離させ、回収
した。通水した1N水酸化ナトリウム水溶液中のモリブ
デン酸イオン濃度、硫酸イオン濃度および塩化物イオン
濃度を測定したところ、それぞれ3380mg/l、測
定限界(0.5(SO4 2-)mg/l)以下および測定限界
(2(Cl-)mg/l)以下であった。試験前の処理水中
のモリブデン酸イオン濃度および容量を、300mg/
lおよび4リットルとしたときのモリブデン酸イオンの
回収率は84.5%であった。以上のことから、実施例
3の方法では、硫酸イオン、塩化物イオンおよび硬度成
分を殆ど含有しない高純度のモリブデン酸イオンを高収
率で処理水から回収できることがわかる。
【0032】実施例4(陽イオン交換型キレート樹脂を
用いたモリブデン吸着試験) 陽イオン交換樹脂[住友化学工業株式会社製、デュオラ
イトC26CH(商品名)]を用い、かつ1N水酸化ナ
トリウム水溶液500mlを用いる以外は、実施例3と
同様にして試験した。
【0033】陽イオン交換樹脂に通水した処理水中の全
硬度およびカルシウム硬度を測定したところ、共に測定
限界以下であった。このことから、硬度成分(Ca2+
Mg 2+)が除去されたことを確認した。陽イオン交換型
キレート樹脂に通水した処理水の通水量が2リットルお
よび4リットル(全量)に達したときの、通水した処理
水中のモリブデン酸イオン濃度を測定したところ、それ
ぞれ測定限界以下および1.6mg/lであった。
【0034】通水した1N水酸化ナトリウム水溶液中の
モリブデン酸イオン濃度、硫酸イオン濃度および塩化物
イオン濃度を測定したところ、それぞれ1750mg/
l、測定限界以下および測定限界以下であった。試験前
の処理水中のモリブデン酸イオン濃度および容量を、3
00mg/lおよび4リットルとしたときのモリブデン
酸イオンの回収率は72.9%であった。以上のことか
ら、実施例4の方法では、硫酸イオン、塩化物イオンお
よび硬度成分を殆ど含有しない高純度のモリブデン酸イ
オンを高収率で処理水から回収できることがわかる。
【0035】比較例1(陰イオン交換樹脂を用いたモリ
ブデン吸着試験) 実施例3と同様にして、処理水4リットルを得た。陰イ
オン交換樹脂[住友化学工業株式会社製、デュオライト
A−161 TRS04(商品名)]30mlを直径
1.5cmのガラス製カラムに充填し、このカラムに処
理水4リットルを、ローラーポンプを用いて、SV20
の条件で通水した。陰イオン交換樹脂の通水前および通
水後における処理水中のモリブデン酸イオン濃度を測定
したところ、それぞれ362mg/lおよび測定限界以
下であった。
【0036】通水後、樹脂に吸着した硫酸イオンおよび
塩化物イオンを除去する目的で、カラムに0.1N水酸
化ナトリウム水溶液250mlを通水した。さらに、カ
ラムに1N水酸化ナトリウム水溶液500mlを通水し
て、樹脂に吸着したモリブデン成分を、1N水酸化ナト
リウム水溶液中に溶離回収した。1N水酸化ナトリウム
水溶液中のモリブデン酸イオン濃度、硫酸イオン濃度、
塩化物イオン濃度、全硬度およびカルシウム硬度を測定
したところ、それぞれ400.5mg/l、489(SO4
2-)mg/l、38.8(Cl-)mg/l、測定限界以下
および測定限界以下であった。試験前の処理水中のモリ
ブデン酸イオン濃度および容量を、300mg/lおよ
び4リットルとしたときのモリブデン酸イオンの回収率
は16.7%であった。
【0037】以上のことから、比較例1の方法では、高
純度のモリブデン酸イオンを高収率で処理水から回収で
きないことがわかる。これは、0.1N水酸化ナトリウ
ム水溶液の通水によって、回収すべきモリブデン酸イオ
ンが溶離したためと推測される。また、0.1N水酸化
ナトリウム水溶液を通水しても、硫酸イオンおよび塩化
物イオンを除去できないことがわかる。
【0038】比較例2(陰イオン交換型キレート樹脂を
用いたモリブデン吸着試験) 陰イオン交換樹脂の代わりに陰イオン交換型キレート樹
脂[住友化学工業株式会社製、スミキレートCR−2
(商品名)]を用い、0.1N水酸化ナトリウム水溶液
250mlの代わりにpH9に調整した希薄水酸化ナト
リウム水溶液250mlを用いる以外は、比較例1と同
様にして試験した。
【0039】陰イオン交換型キレート樹脂の通水前およ
び通水後における処理水中のモリブデン酸イオン濃度を
測定したところ、それぞれ343mg/lおよび測定限
界以下であった。1N水酸化ナトリウム水溶液中のモリ
ブデン酸イオン濃度、硫酸イオン濃度、塩化物イオン濃
度、全硬度およびカルシウム硬度を測定したところ、そ
れぞれ3552mg/l、980(SO4 2-)mg/l、5
8.6(Cl- )mg/l、測定限界以下および測定限界以
下であった。試験前の処理水中のモリブデン酸イオン濃
度および容量を、300mg/lおよび4リットルとし
たときのモリブデン酸イオンの回収率は74.0%であ
った。
【0040】以上のことから、比較例2の方法では、モ
リブデン酸イオンを高収率で処理水から回収できるもの
の、硫酸イオンおよび塩化物イオンを高濃度で含み、高
純度のモリブデン酸イオンが得られないことがわかる。
また、pH9に調整した希薄水酸化ナトリウム水溶液の
通水により、モリブデン酸イオンの溶離は起こらないも
のの、硫酸イオンおよび塩化物イオンを除去できないこ
とがわかる。
【0041】
【発明の効果】この発明によれば、モリブデン酸塩を含
む水溶液から、硫酸イオン、塩化物イオンおよび硬度成
分を殆ど含有しない高純度のモリブデン酸イオンを高収
率で回収し、そのモリブデン酸塩を含む水溶液を防食剤
として再利用する方法を提供することができる。したが
って、この発明の方法で回収したモリブデン酸塩を含む
水溶液を防食剤として再利用した場合には、硫酸イオン
や塩化物イオンによる冷却水系統の腐食および硬度成分
によるスケール付着が抑制される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/42 C02F 1/42 H Fターム(参考) 4D024 AA09 AB16 BA18 BB01 BC01 CA01 DA07 4D025 AA09 AB33 BA08 BA17 BA22 BB02 4G048 AA10 AB09 AC08 AE01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モリブデン酸塩を含む水溶液を酸性に
    し、陽イオン交換型キレート樹脂と接触させて該キレー
    ト樹脂にモリブデン酸イオンを吸着させ、モリブデン酸
    イオンを吸着した前記キレート樹脂をアルカリ水溶液と
    接触させてモリブデン酸イオンを溶離させ、溶離したモ
    リブデン酸イオンの形でモリブデン酸塩を回収すること
    を特徴とするモリブデン酸塩の回収方法。
  2. 【請求項2】 陽イオン交換型キレート樹脂が、スチレ
    ン−ジビニルベンゼン共重合体を基体とし、イミノ二酢
    酸基またはアミノリン酸基を配位子とするキレート樹脂
    である請求項1に記載のモリブデン酸塩の回収方法。
  3. 【請求項3】 モリブデン酸塩を含む水溶液をpH2.
    5以下の酸性に調整する請求項1または2に記載のモリ
    ブデン酸塩の回収方法。
  4. 【請求項4】 モリブデン酸塩を含む水溶液を予め陽イ
    オン交換樹脂と接触させて、前記水溶液中の硬度成分を
    除去する、請求項1〜3のいずれか1つに記載のモリブ
    デン酸塩の回収方法。
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