JPH0310378B2 - - Google Patents
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- JPH0310378B2 JPH0310378B2 JP57057384A JP5738482A JPH0310378B2 JP H0310378 B2 JPH0310378 B2 JP H0310378B2 JP 57057384 A JP57057384 A JP 57057384A JP 5738482 A JP5738482 A JP 5738482A JP H0310378 B2 JPH0310378 B2 JP H0310378B2
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- Treatment Of Water By Ion Exchange (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
本発明は硼素選択性イオン交換樹脂の再生方法
に関するものである。 海水や排水などのように塩類濃度が濃い水から
比較的小量含まれている硼素を除去する場合、沈
殿法や一般的なイオン交換法では不可能であり、
通常硼素選択性イオン交換樹脂が用いられる。 当該硼素選択性イオン交換樹脂はたとえばスチ
レンとジビニルベンゼンとを共重合した母体など
をクロロメチル化した後、N−metyl−
glucamineなどの多価アルコール化合物を結合し
たものでその基本的構造は以下のように表わせ
る。 水中の硼素は通常硼素イオンとして存在する
が、硼素イオンはマンニツトなどの多価アルコー
ル化合物と反応して強い酸を形成する性質があ
る。 当該硼素選択性イオン交換樹脂は硼素イオンと
多価アルコール化合物の前記した反応を利用する
もので、交換基を形成しているN−metyl−
glucamineと硼素イオンを反応させることによ
り、硼素を吸着するものである。また当該反応は
選択的に進行するので、海水などの共存塩類濃度
が極めて濃い水から小量の硼素を選択的に除去す
ることができる。 このような硼素選択性イオン交換樹脂としてア
ンバーライト(登録商標)IRA−743がある。 当該硼素選択性イオン交換樹脂の使用方法は通
常のイオン交換樹脂と同様にカラムに当該樹脂を
充填し、当該充填層に硼素を含む水を通水した
り、あるいは硼素を含む水中に当該樹脂を添加し
てバツチ反応を行なわせたりして硼素を吸着させ
る。 また硼素を吸着させた当該樹脂に再生液として
硫酸、塩酸などの鉱酸あるいはカ性ソーダなどの
アルカリを接触させると硼素を脱着することがで
きる。 ところで硼素選択性イオン交換樹脂は海水や排
水などの塩類濃度が濃い水から小量の硼素を選択
的に吸着できるという利点がある反面、その吸着
量が通常のイオン交換樹脂と比較してかなり小さ
く、その脱着液の硼素濃度が非常に薄いという欠
点がある。したがつて脱着液を濃縮して硼素を固
形物として回収する場合、余分な熱エネルギーを
要していた。 なお一般に濃い脱着液を得たい場合、脱着液の
前半部および後半部を採取せず中間部の濃い部分
のみを取り出すことが行なわれているが、このよ
うな手法を用いても当該脱着液の場合はその脱着
液の濃度が満足する結果が得られない。 本発明はこの点に鑑みてなされたもので、比較
的濃い濃度の硼素脱着液を得ることができる再生
方法を提供するものである。 すなわち本発明は硼素を吸着した硼素選択性イ
オン交換樹脂に再生液を通液し、次いで押出水を
通水して硼素の脱着液を得るにあたり、当該脱着
液を硼素の含有量が少ない初期脱着液Aと、硼素
の含有量が多い中期脱着液Bと、硼素の含有量が
少ない後期脱着液Cとに分割し、初期脱着液Aと
後期脱着液Cを系外に取り出し、中期脱着液Bに
新らたな濃厚再生液Dを加えて再び再生液として
循環使用し、かつ初期脱着液Aと後期脱着液Cの
合計液量と濃厚再生液Dと押出水の合計液量とを
等しくすることによつて、前記脱着液Bの硼素濃
度を順次濃くすることを特徴とする硼素選択性イ
オン交換樹脂の再生方法である。 以下に本発明を詳細に説明する。 本発明は硼素選択性イオン交換樹脂の硼素の脱
着に関しては再生液の純度はあまり問題となら
ず、再生液中の酸やアルカリの濃度が支配的要因
となつているという知見に基づいている。 すなわち本発明は基本的には前サイクルで得ら
れた硼素を含む脱着液に新らたな再生液を添加
し、これを再度再生液として用い、当該操作を順
次繰り返すことにより脱着液の硼素濃度を段階的
に増加させるものである。 しかしここで問題となるのは新らたに加える再
生液と、押出水の通液によつて脱着液の液量がし
だいに増加することである。 すなわち前述したような基本的操作によつて脱
着液中の硼素量が増加しても、それに比例して液
量も増加したのでは硼素濃度の増加は期待できな
い。 本発明はこの課題を、初期脱着液および後期脱
着液を系外に取り出し、この取り出し液量に見合
う新らたな再生液および押出水を系内に入れるこ
とにより解決するものである。 これを再生系の液バランスを示した第1図を用
いて更に詳しく説明する。 第1図において1は硼素選択性イオン交換樹脂
2を充填した樹脂塔であるが、当該樹脂塔1に常
法により硼素を含む原水3を通水して処理水4を
系外に排水することにより当該イオン交換樹脂2
に硼素を吸着させた後、以下の再生を行なう。 すなわち硫酸、塩酸、カ性ソーダなどの再生液
B′を通液し、ついで押出水Eを通水する。この
ような操作により第2図に示したような脱着曲線
を描いて硼素の脱着液が得られるが、本発明にお
いては当該脱着液を硼素の含有量が少ない初期脱
着液Aと、硼素の含有量が多い中期脱着液Bと、
硼素の含有量が少ない後期脱着液Cとに分割す
る。そして初期脱着液Aおよび後期脱着液Cを系
外に取り出し、中期脱着液Bに新らたな濃厚再生
液Dを加えて次回の再生における再生液B′とし
て用いる。 図に見られるごとく再生系において系外に持ち
出される液量は初期脱着液Aおよび後期脱着液C
のみであり、また系外に入つてくる液量は押出水
Eと濃厚再生液Dのみである。したがつてA+C
=E+D関係となるように液バランスを取りなが
らこの再生操作を繰り返せば、中期脱着液Bの液
量は常に一定であり、かつサイクルを重ねる毎に
当該脱着液の硼素濃度を順次増加させることがで
きる。 なお系外に排出する初期脱着液Aおよび後期脱
着液Cには小量の硼素が含まれているので、当該
両脱着液は原水槽などに流入して原水と混合する
とよい。なお当該混合により原水の塩類濃度が若
干増加したとしても、硼素の吸着に関しては全く
問題がない。 本発明に用いる再生液としては硫酸、塩酸、硝
酸などの鉱酸およびカ性ソーダなどのカ性アルカ
リを用いることができるが、脱着効果については
カ性アルカリより鉱酸の方が優れている。また鉱
酸の中では次いで行なう濃縮操作において、腐蝕
性の蒸気を出さないという点で硫酸が望ましい。 再生液として硫酸を用いる場合、その濃度は5
〜10%が適当であり、濃厚再生液Dとしては30%
以上の濃度のものを用いるとよい。 なお硫酸などの鉱酸で再生した後、当該イオン
交換樹脂を再度カ性ソーダやアンモニア水で処理
した方が、通水における硼素の漏洩量を小さくす
ることができるので、処理水中の硼素濃度が問題
となるような場合は、酸とアルカリの2段再生を
した方が好ましい。 本発明において初期脱着液A、中期脱着液B、
後期脱着液C、濃厚再生液D、押出水Eの液量は
任意に決定できるが、基本的にはA+C=E+D
となるようにし、かつ当該イオン交換樹脂から脱
着される全硼素のすくなくとも70%以上が中期脱
着液Bに含まれるようにした方が望ましい。 以上説明したような再生を繰り返すことにより
中期脱着液Bの硼素濃度が段階的に増加してくる
が、ある時点で硼素の飽和溶解濃度となり、それ
でもなお当該再生操作を繰り返すと当該イオン交
換樹脂の脱着効果が低下する。したがつて飽和溶
解濃度に達しない適当な時期に中期脱着液Bを系
外に取り出し、以下の操作を行なう。 中期脱着液Bの主成分は、再生液として硫酸を
用いた場合は硫酸と硼酸である。したがつて当該
中期脱着液Bを常圧加熱あるいは減圧加熱して水
分を蒸発させると硼酸を固形物として析出させる
ことができる。 このようにして硼酸を固形物として分離する
が、同時に得られる残液は硼素等の若干の不純物
を含有するもののそのほとんどは濃厚な硫酸であ
る。したがつて当該残液は前述した再生工程にお
ける濃厚再生液Dとして再使用するとよい。 以上述べたごとく本発明によれば硼素濃度の濃
い脱着液が得られるので、従来必要としていた熱
エネルギーを大巾に減少せしめることができる。 以下に本発明の実施例を説明する。 実施例 500mlのアンバーライトIRA−743をカラムに充
填し、第1表に示した原水をSV10で4.8通水し
硼素を吸着させた。 その後10%H2SO4 225ml(98% H2SO、23.5
g/R)をSV4で通液し、次いでSV4で押出水
500mlで押出したところ第2図に示したような脱
着曲線が得られた。 当該脱着液の内250mlの初期脱着液と263mlの後
期脱着液を系外に取り出し、前記原水の貯槽200
に混合し、一方212mlの中期脱着液を次回の再
生に備えて蓄えた。なお当該中期脱着液の硼素濃
度は1.05gasB/であつた。 次いで常法により当該イオン交換樹脂を洗浄し
た後、再び同じ原水をSV10で4.8通水し硼素を
吸着させた。 この通水後の再生については前回の再生で得た
212mlの中期脱着液に98%のH2SO4 13mlを加え
て225mlの再生液とし、これを通液した後、500ml
の押出水を通水して前回と同じようにして中期脱
着液212mlを採取した。 このような通水と再生を4サイクル繰り返した
後、得られた中期脱着液212mlの硼素濃度は4.1g
asB/であつた。 次いで当該中期脱着液を加熱して濃縮したとこ
ろ4.9gの硼酸が得られた。またその時の残液の
硫酸濃度は約40%であり、本発明の濃厚再生液と
して充分に使用できるものであつた。 【表】
に関するものである。 海水や排水などのように塩類濃度が濃い水から
比較的小量含まれている硼素を除去する場合、沈
殿法や一般的なイオン交換法では不可能であり、
通常硼素選択性イオン交換樹脂が用いられる。 当該硼素選択性イオン交換樹脂はたとえばスチ
レンとジビニルベンゼンとを共重合した母体など
をクロロメチル化した後、N−metyl−
glucamineなどの多価アルコール化合物を結合し
たものでその基本的構造は以下のように表わせ
る。 水中の硼素は通常硼素イオンとして存在する
が、硼素イオンはマンニツトなどの多価アルコー
ル化合物と反応して強い酸を形成する性質があ
る。 当該硼素選択性イオン交換樹脂は硼素イオンと
多価アルコール化合物の前記した反応を利用する
もので、交換基を形成しているN−metyl−
glucamineと硼素イオンを反応させることによ
り、硼素を吸着するものである。また当該反応は
選択的に進行するので、海水などの共存塩類濃度
が極めて濃い水から小量の硼素を選択的に除去す
ることができる。 このような硼素選択性イオン交換樹脂としてア
ンバーライト(登録商標)IRA−743がある。 当該硼素選択性イオン交換樹脂の使用方法は通
常のイオン交換樹脂と同様にカラムに当該樹脂を
充填し、当該充填層に硼素を含む水を通水した
り、あるいは硼素を含む水中に当該樹脂を添加し
てバツチ反応を行なわせたりして硼素を吸着させ
る。 また硼素を吸着させた当該樹脂に再生液として
硫酸、塩酸などの鉱酸あるいはカ性ソーダなどの
アルカリを接触させると硼素を脱着することがで
きる。 ところで硼素選択性イオン交換樹脂は海水や排
水などの塩類濃度が濃い水から小量の硼素を選択
的に吸着できるという利点がある反面、その吸着
量が通常のイオン交換樹脂と比較してかなり小さ
く、その脱着液の硼素濃度が非常に薄いという欠
点がある。したがつて脱着液を濃縮して硼素を固
形物として回収する場合、余分な熱エネルギーを
要していた。 なお一般に濃い脱着液を得たい場合、脱着液の
前半部および後半部を採取せず中間部の濃い部分
のみを取り出すことが行なわれているが、このよ
うな手法を用いても当該脱着液の場合はその脱着
液の濃度が満足する結果が得られない。 本発明はこの点に鑑みてなされたもので、比較
的濃い濃度の硼素脱着液を得ることができる再生
方法を提供するものである。 すなわち本発明は硼素を吸着した硼素選択性イ
オン交換樹脂に再生液を通液し、次いで押出水を
通水して硼素の脱着液を得るにあたり、当該脱着
液を硼素の含有量が少ない初期脱着液Aと、硼素
の含有量が多い中期脱着液Bと、硼素の含有量が
少ない後期脱着液Cとに分割し、初期脱着液Aと
後期脱着液Cを系外に取り出し、中期脱着液Bに
新らたな濃厚再生液Dを加えて再び再生液として
循環使用し、かつ初期脱着液Aと後期脱着液Cの
合計液量と濃厚再生液Dと押出水の合計液量とを
等しくすることによつて、前記脱着液Bの硼素濃
度を順次濃くすることを特徴とする硼素選択性イ
オン交換樹脂の再生方法である。 以下に本発明を詳細に説明する。 本発明は硼素選択性イオン交換樹脂の硼素の脱
着に関しては再生液の純度はあまり問題となら
ず、再生液中の酸やアルカリの濃度が支配的要因
となつているという知見に基づいている。 すなわち本発明は基本的には前サイクルで得ら
れた硼素を含む脱着液に新らたな再生液を添加
し、これを再度再生液として用い、当該操作を順
次繰り返すことにより脱着液の硼素濃度を段階的
に増加させるものである。 しかしここで問題となるのは新らたに加える再
生液と、押出水の通液によつて脱着液の液量がし
だいに増加することである。 すなわち前述したような基本的操作によつて脱
着液中の硼素量が増加しても、それに比例して液
量も増加したのでは硼素濃度の増加は期待できな
い。 本発明はこの課題を、初期脱着液および後期脱
着液を系外に取り出し、この取り出し液量に見合
う新らたな再生液および押出水を系内に入れるこ
とにより解決するものである。 これを再生系の液バランスを示した第1図を用
いて更に詳しく説明する。 第1図において1は硼素選択性イオン交換樹脂
2を充填した樹脂塔であるが、当該樹脂塔1に常
法により硼素を含む原水3を通水して処理水4を
系外に排水することにより当該イオン交換樹脂2
に硼素を吸着させた後、以下の再生を行なう。 すなわち硫酸、塩酸、カ性ソーダなどの再生液
B′を通液し、ついで押出水Eを通水する。この
ような操作により第2図に示したような脱着曲線
を描いて硼素の脱着液が得られるが、本発明にお
いては当該脱着液を硼素の含有量が少ない初期脱
着液Aと、硼素の含有量が多い中期脱着液Bと、
硼素の含有量が少ない後期脱着液Cとに分割す
る。そして初期脱着液Aおよび後期脱着液Cを系
外に取り出し、中期脱着液Bに新らたな濃厚再生
液Dを加えて次回の再生における再生液B′とし
て用いる。 図に見られるごとく再生系において系外に持ち
出される液量は初期脱着液Aおよび後期脱着液C
のみであり、また系外に入つてくる液量は押出水
Eと濃厚再生液Dのみである。したがつてA+C
=E+D関係となるように液バランスを取りなが
らこの再生操作を繰り返せば、中期脱着液Bの液
量は常に一定であり、かつサイクルを重ねる毎に
当該脱着液の硼素濃度を順次増加させることがで
きる。 なお系外に排出する初期脱着液Aおよび後期脱
着液Cには小量の硼素が含まれているので、当該
両脱着液は原水槽などに流入して原水と混合する
とよい。なお当該混合により原水の塩類濃度が若
干増加したとしても、硼素の吸着に関しては全く
問題がない。 本発明に用いる再生液としては硫酸、塩酸、硝
酸などの鉱酸およびカ性ソーダなどのカ性アルカ
リを用いることができるが、脱着効果については
カ性アルカリより鉱酸の方が優れている。また鉱
酸の中では次いで行なう濃縮操作において、腐蝕
性の蒸気を出さないという点で硫酸が望ましい。 再生液として硫酸を用いる場合、その濃度は5
〜10%が適当であり、濃厚再生液Dとしては30%
以上の濃度のものを用いるとよい。 なお硫酸などの鉱酸で再生した後、当該イオン
交換樹脂を再度カ性ソーダやアンモニア水で処理
した方が、通水における硼素の漏洩量を小さくす
ることができるので、処理水中の硼素濃度が問題
となるような場合は、酸とアルカリの2段再生を
した方が好ましい。 本発明において初期脱着液A、中期脱着液B、
後期脱着液C、濃厚再生液D、押出水Eの液量は
任意に決定できるが、基本的にはA+C=E+D
となるようにし、かつ当該イオン交換樹脂から脱
着される全硼素のすくなくとも70%以上が中期脱
着液Bに含まれるようにした方が望ましい。 以上説明したような再生を繰り返すことにより
中期脱着液Bの硼素濃度が段階的に増加してくる
が、ある時点で硼素の飽和溶解濃度となり、それ
でもなお当該再生操作を繰り返すと当該イオン交
換樹脂の脱着効果が低下する。したがつて飽和溶
解濃度に達しない適当な時期に中期脱着液Bを系
外に取り出し、以下の操作を行なう。 中期脱着液Bの主成分は、再生液として硫酸を
用いた場合は硫酸と硼酸である。したがつて当該
中期脱着液Bを常圧加熱あるいは減圧加熱して水
分を蒸発させると硼酸を固形物として析出させる
ことができる。 このようにして硼酸を固形物として分離する
が、同時に得られる残液は硼素等の若干の不純物
を含有するもののそのほとんどは濃厚な硫酸であ
る。したがつて当該残液は前述した再生工程にお
ける濃厚再生液Dとして再使用するとよい。 以上述べたごとく本発明によれば硼素濃度の濃
い脱着液が得られるので、従来必要としていた熱
エネルギーを大巾に減少せしめることができる。 以下に本発明の実施例を説明する。 実施例 500mlのアンバーライトIRA−743をカラムに充
填し、第1表に示した原水をSV10で4.8通水し
硼素を吸着させた。 その後10%H2SO4 225ml(98% H2SO、23.5
g/R)をSV4で通液し、次いでSV4で押出水
500mlで押出したところ第2図に示したような脱
着曲線が得られた。 当該脱着液の内250mlの初期脱着液と263mlの後
期脱着液を系外に取り出し、前記原水の貯槽200
に混合し、一方212mlの中期脱着液を次回の再
生に備えて蓄えた。なお当該中期脱着液の硼素濃
度は1.05gasB/であつた。 次いで常法により当該イオン交換樹脂を洗浄し
た後、再び同じ原水をSV10で4.8通水し硼素を
吸着させた。 この通水後の再生については前回の再生で得た
212mlの中期脱着液に98%のH2SO4 13mlを加え
て225mlの再生液とし、これを通液した後、500ml
の押出水を通水して前回と同じようにして中期脱
着液212mlを採取した。 このような通水と再生を4サイクル繰り返した
後、得られた中期脱着液212mlの硼素濃度は4.1g
asB/であつた。 次いで当該中期脱着液を加熱して濃縮したとこ
ろ4.9gの硼酸が得られた。またその時の残液の
硫酸濃度は約40%であり、本発明の濃厚再生液と
して充分に使用できるものであつた。 【表】
第1図は本発明の再生液の液バランスを示す説
明図であり、第2図は本発明の実施例における硼
素の脱着曲線であり、縦軸に硼素脱着量、横軸に
液量を示す。 1……樹脂塔、2……硼素選択性イオン交換樹
脂、3……原水、4……処理水、A……初期脱着
液、B……中期脱着液、C……後期脱着液、D…
…濃厚再生液、E……押出水。
明図であり、第2図は本発明の実施例における硼
素の脱着曲線であり、縦軸に硼素脱着量、横軸に
液量を示す。 1……樹脂塔、2……硼素選択性イオン交換樹
脂、3……原水、4……処理水、A……初期脱着
液、B……中期脱着液、C……後期脱着液、D…
…濃厚再生液、E……押出水。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 硼素を吸着した硼素選択性イオン交換樹脂に
再生液を通液し、次いで押出水を通水して硼素の
脱着液を得るにあたり、当該脱着液を硼素の含有
量が少ない初期脱着液Aと、硼素の含有量が多い
中期脱着液Bと、硼素の含有量が少ない後期脱着
液Cとに分割し、初期脱着液Aと後期脱着液Cを
系外に取り出し、中期脱着液Bに新らたな濃厚再
生液Dを加えて再び再生液として循環使用し、か
つ初期脱着液Aと後期脱着液Cの合計液量と濃厚
再生液Dと押出水の合計液量とを等しくすること
によつて、前記脱着液Bの硼素濃度を順次濃くす
ることを特徴とする硼素選択性イオン交換樹脂の
再生方法。 2 硼素濃度が増加した脱着液Bを系外に取り出
し、その水分を蒸発させることにより硼素を析出
させて固形物として回収し、さらに当該残液を濃
厚再生液Dとして使用する特許請求の範囲第1項
記載の硼素選択性イオン交換樹脂の再生方法。 3 再生液が硫酸である特許請求の範囲第1項お
よび第2項記載の硼素選択性イオン交換樹脂の再
生方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP57057384A JPS58174241A (ja) | 1982-04-08 | 1982-04-08 | 硼素選択性イオン交換樹脂の再生方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP57057384A JPS58174241A (ja) | 1982-04-08 | 1982-04-08 | 硼素選択性イオン交換樹脂の再生方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS58174241A JPS58174241A (ja) | 1983-10-13 |
JPH0310378B2 true JPH0310378B2 (ja) | 1991-02-13 |
Family
ID=13054106
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP57057384A Granted JPS58174241A (ja) | 1982-04-08 | 1982-04-08 | 硼素選択性イオン交換樹脂の再生方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS58174241A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008013379A (ja) * | 2006-07-03 | 2008-01-24 | Godo Shigen Sangyo Kk | 偏光フィルム製造廃液からのヨウ素回収方法 |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59173182A (ja) * | 1983-03-18 | 1984-10-01 | Kurita Water Ind Ltd | ホウ素含有水の処理方法 |
JP4518112B2 (ja) * | 2007-07-25 | 2010-08-04 | 三菱化学株式会社 | 塩基性陰イオン交換樹脂の精製方法 |
JP5081690B2 (ja) * | 2008-03-31 | 2012-11-28 | オルガノ株式会社 | 超純水の製造方法 |
-
1982
- 1982-04-08 JP JP57057384A patent/JPS58174241A/ja active Granted
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008013379A (ja) * | 2006-07-03 | 2008-01-24 | Godo Shigen Sangyo Kk | 偏光フィルム製造廃液からのヨウ素回収方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS58174241A (ja) | 1983-10-13 |
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