JP2002126543A - イオン含有水の処理方法 - Google Patents

イオン含有水の処理方法

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JP2002126543A
JP2002126543A JP2000329111A JP2000329111A JP2002126543A JP 2002126543 A JP2002126543 A JP 2002126543A JP 2000329111 A JP2000329111 A JP 2000329111A JP 2000329111 A JP2000329111 A JP 2000329111A JP 2002126543 A JP2002126543 A JP 2002126543A
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ion
ions
regenerating
boron
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Tatsuji Ninomiya
龍児 二宮
Shiro Senrui
詩郎 泉類
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Showa Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 イオン交換体を用いて、除去すべき元素を含
むイオン含有水から該元素を回収、または廃棄物として
処分する場合、イオン交換体を再生したときに得られる
回収再生液中のイオン濃度を処理可能な濃度に高める処
理方法の提供。 【解決手段】 除去すべき元素、特にホウ素を含むイオ
ンのイオン含有水を、イオン交換体に接触させて当該イ
オンを吸着させ、ついで吸着したイオン交換体に環境温
度より高温度において、再生液を接触させて吸着イオン
を脱着させることを特徴とするイオン含有水の処理方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排水等から除去す
べき元素を含むイオンをイオン交換体に吸着させ、その
イオン交換体を再び使用可能に再生する際に、その再生
液量をできるだけ少量とし、脱着したイオン含有再生液
中の対象イオン濃度を可及的高濃度として該再生液中よ
り対象イオンの回収、精製、廃棄のための処理を容易に
するイオン含有水の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】工場排水、鉱山排水、廃棄物埋め立て地
からの浸出水等に対して、人の安全の確保、環境の汚染
を防止するために「水質汚濁に係る人の健康の保護に関
する環境基準および地下水の水質汚濁に係る保護に関す
る環境基準(「環境基準」)で厳しい規制が設定されて
おり、これらの規制は継続的に検討され、訂正されてお
り、それに伴い「水質汚濁防止法」に基づく規制が強化
されつつある。例えばフッ素、硝酸性窒素、亜硝酸性窒
素とともに、ホウ素は1999年に環境基準指針値が変
更され環境基準項目に追加制定された。2000年には
排水基準値が制定されると予想される。ホウ素の排水基
準値が制定されれば、排水中のホウ素を除去しなければ
ならない。
【0003】ホウ素化合物は、肥料、医薬、化粧品、電
気めっき、ガラス、半導体等の各産業分野で広く使用さ
れているものであり、また地中にも広く分布しており、
地下資源を利用する石炭火力発電所や鉱山を含む広範な
産業分野から排出される廃水中にはホウ素化合物が含ま
れてくるため、大量の排水処理に適した廃水処理技術の
開発が緊急の課題となっている。また、ホウ素化合物は
水溶性のものが多く、産業排水だけでなく、廃棄物最終
処分地の浸出水からも平均で数mg・B/l、最大で数十
mg・B/lが溶出していることが報告されている(参考
文献:白石ら.国立環境研究所特別研究報告,SR−2
8一‘99(1999))。最終処分地の浸出水中のホ
ウ素濃度は、環境基準値、予想される廃棄物判定基準等
の規制値に対して無視できる値ではない。
【0004】ホウ素化合物はすべて輸入されており、排
水中のホウ素は除去した後、有価物として回収利用する
ことが望ましい。排水等からのホウ素の除去操作におい
て、イオン交換体に交換される交換容量は最大0.6m
eq/m1−Resin(カタログ値。すなわち6.5
mg−B/m1−Resin)程度、実際の排水からの
ホウ素除去操作においては2〜3mg・B/m1・Re
sin程度と考えられる。再生排水中のホウ素濃度は、
この交換容量を交換体量当たりの再生水量(BedVo
1.。m1一再生液/m1−Resin)で除したもの
となる。
【0005】通常の再生におけるイオン交換体1容量当
たりの再生液処理量は、イオン交換体に吸着されていた
イオンが再生排水中に実用上十分に出きった状態まで
の、イオン交換体充填床に再生液を流し始めたときから
流出する全再生液量再生排水を集めるので、3〜5Be
dVo1.程度となる。回収再生の効率化のために再生
液中のホウ素濃度が高い時のみの脱着イオン含有再生液
2BedVo1.を集めてイオン交換したホウ素のほぼ
100%を回収可能(参考文献:恵藤,朝田,新規健康
項目に追加されたホウ素の対策,用水と廃水,Vol.41
(No.10),927〜932(1999))とされ
ているが、同文献の図面からは、2BedVol.では
せいぜい90%位しか回収できないものと判断できる。
【0006】このことは、交換容量(2〜6.5mg・
B/m1・Resin)を交換体量当たりの再生液量2
BedVol.で除して計算すると、脱着イオン含有再
生液中のホウ素濃度は1〜3.25mg・B/m1程
度、すなわち1000〜3250mg・B/l・so1n.
程度にしかならないことがわかる。
【0007】従来技術で再生液中の目的イオンを他の共
存イオンから分離して回収する方法としては、溶媒抽出
・逆抽出法や凝集沈殿法、膜分離法などが提案されてい
るが、単なる溶媒抽出・逆抽出では、目的イオンが陰イ
オンの場合アルカリ化合物を逆抽出試薬として使用し、
目的イオンを塩として回収する方法(特公平1−504
76)と、高温で溶媒抽出・逆抽出をおこない低温で晶
析を行う方法(参考文献:恵藤,朝田,新規健康項目に
追加されたホウ素の対策,用水と廃水,Vo1.41
(No.1O),927〜932(1999))以外に
は目的イオンを濃縮できないo
【0008】しかしこれらの方法は、被処理液中の目的
イオン濃度が高い場合には十分に作用するが低濃度であ
るときには適用が困難となる。従来のイオン交換体を使
用し、従来のイオン交換体を再生する方法によって得ら
れる脱着イオン含有再生液のような目的イオン濃度が低
濃度の場合には効率的に適用できない。結局このように
脱着イオン含有再生液(以下「回収再生液」という。)
中の低濃度では、ホウ素化合物を回収精製して再利用す
るためには、濃縮することが必要となるが、溶媒抽出・
逆抽出法、凝集沈殿法、膜分離法などを適用するには工
業的に不利であるし、また固体にして廃棄物とするため
にも工業的に良い方法がない。従って、イオン交換体に
吸着したホウ素化合物を少量の再生液で脱着し、高濃度
のイオン含有再生液を回収できる処理方法の開発が望ま
れている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、イオン交換
体に吸着した除去すべき元素を含むイオンから該元素を
再利用のために回収、または廃棄物として処分する場
合、イオン交換体を再生液で再生したときに得られる回
収再生液中の目的イオン濃度を工業的に処理可能な濃度
に高めるイオン含有水の処理方法の開発を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記従来の問
題点を解決し、高濃度の回収イオンを含む再生液を得る
再生方法であって、回収再生液から目的イオンを再利用
するために回収または廃棄物として処分するために固体
化することを可能にするものであり、イオン交換体と接
触する再生液の温度を高くすることによりイオン交換の
物質移動速度を大きくし、再生液中に回収されるイオン
交換体に吸着されていたイオンの濃度の高い部分のみを
回収することにより、回収イオンを精製しやすい、高濃
度の回収イオンを含む再生液を得る方法を得ることを見
出したことに基づくものである。
【0011】すなわち、本発明は、[1] 除去すべき
元素を含むイオンのイオン含有水を、イオン交換体に接
触させ当該イオンを吸着させ、ついで吸着したイオン交
換体に環境温度より高温度において再生液を接触させて
吸着イオンを脱着させることを特徴とするイオン含有水
の処理方法、
【0012】[2] イオン交換体を再生する工程にお
いて、あらかじめイオン交換体を脱気してから再生液を
上向流に接触させ、吸着イオンを脱着させる前記[1]
に記載のイオン含有水の処理方法、[3] イオン交換
体を再生する工程において、イオン交換体にあらかじめ
脱気した再生液を上向流に接触させ、吸着イオンを脱着
させる前記[1]または[2]に記載のイオン含有水の
処理方法。[4] イオンを吸着したイオン交換体が再
生液と接触する温度として少なくとも40℃以上である
前記[1]ないし[3]のいずれかに記載のイオン含有
水の処理方法、[5] イオン交換体がイオン交換樹脂
またはキレート樹脂の少なくとも1種である前記[1]
ないし[4]のいずれかに記載のイオン含有水の処理方
法、[6] 除去すべきイオンがホウ素を含むイオンで
ある前記[1]ないし[5]のいずれかに記載のイオン
含有水の処理方法、[7] イオン交換体の再生液とし
て無機の強酸を使用する前記[1]ないし[6]のいず
れかに記載のイオン含有水の処理方法、を開発すること
により上記の課題を解決した。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明においては、処理対象とする除去すべき元素を含
むイオンのイオン含有水は、排出規制物質をイオンとし
て含有する各種工業排水、排煙脱硫設備からの排水、有
用金属を含有する有用金属化合物製造原料水や工程水で
あって、イオンの形になってイオン交換体にイオン交換
されるものであれば脱着のメカニズムからその種類は問
わずに適用できる。本発明に使用するイオン交換体とし
ては、強酸性または弱酸性の陽イオン交換樹脂、強塩基
性または弱塩基性の陰イオン交換樹脂、キレート樹脂、
同じくキレート剤が使用できる。ホウ素含有イオンの場
合には強塩基性陰イオン交換樹脂またはホウ素選択性グ
ルカミン型等のキレート樹脂(イオン交換樹脂とも呼ば
れる)が使用できるが、ホウ素の吸着量及び選択制の点
からは、共存イオンが存在する場合には特にホウ素選択
性グルカミン型キレート樹脂が好ましい。
【0014】以下代表例としてホウ素含有化合物を挙げ
て説明する。ホウ素は、一般にホウ素酸化物のイオン、
すなわちホウ酸として含まれる。従って水中においてB
として低濃度においては、低pH領域ではホウ酸(H3
BO3)の形であり、pH6〜11程度の領域では H3BO3 +H2O⇒B(OH)4 -+H+ あるいはB33(OH)4 -,B56(OH)4 -、B33
(OH)5 2-、B45(OH)4 2-等のポリマーイオンと
なっていると言われる。このためホウ素化合物は中性か
らアルカリ性側において効率的に除去ができる。
【0015】除去すべき元素を含むイオン含有水を除去
あるいは回収するために、まずイオン交換体に接触させ
て処理され、イオン交換体にイオンを吸着、キレート化
またはイオン交換反応(本発明においては両者を単に
「吸着」という。)させる。本発明においてのホウ素化
合物の吸着においては、pH7以上の条件で行われる。
吸着の温度はできれば50℃以上で行うことが好まし
い。次に対象イオンを吸着したイオン交換体を再生液で
処理し、吸着したイオンを脱着してイオン交換体を再生
する。再生に使用する薬剤は、対象イオンの極性や種類
により強酸等が使用される。場合によっては対象イオン
の除去性能を高めるため強酸と強アルカリを順次使用す
ることがあるが、この場合にははじめに使用する薬剤で
対象イオンを脱着し、次に使用する薬剤でイオン交換体
のイオン交換部分を対象イオンの除去性能を高めるよう
に修飾するので、対象イオンははじめに使用する薬剤の
排水に回収される。ホウ素選択性グルカミン型キレート
樹脂を用いたホウ素化合物のケースにおいては再生のた
めには硫酸、塩酸、硝酸などの鉱酸を用いる。なおホウ
素化合物を脱着したイオン交換樹脂等は苛性ソーダなど
で処理してOH型としたのち再度イオン含有水の処理に
用いることにより、ホウ素の吸着量が増し、弱酸性でも
ホウ素を吸着することが可能となる。
【0016】イオン交換体層におけるイオンの拡散につ
いては、イオン交換樹脂について架橋度が大きくなるに
つれて樹脂相自己拡散係数が小さくなり、架橋度3%と
架橋度16%では10倍以上も異なることが知られてい
る(参考文献:化学工学会編、化学工学便覧改訂6版、
708(平成11年2月)丸善出版)。
【0017】イオン交換体のイオン交換基は、細孔内に
存在するものが支配的であり、そのために架橋度により
前記のように拡散係数が大きく変化する。吸着だけでな
く再生においても拡散係数は重要である。前記したよう
に通常使用するイオン交換体は強度を持たせるために架
橋度の高いものが使用されるため、拡散係数が比較的小
さいことがわかる。このため、イオン交換速度が小さく
再生曲線がブロードになり、再生液中に回収する対象イ
オン濃度が低くなることが避けられない。回収再生液中
に回収する対象イオン濃度を高くするには、二つの方法
が考えられる。第1の方法は、イオン交換体内の拡散速
度を大きくするためにイオン交換体の再生反応を高温で
再生することである。
【0018】従来イオン交換操作における温度は、環境
温度(その設備が設置してある状態で、再生液を加熱し
たり、加熱手段等を用いて加熱していない温度)でおこ
なうことが通例であり、吸着操作において極めて希なケ
ースであるが処理液の温度が高いためやむをえず高温で
イオン交換をおこなうことがある。例えば原子力発電所
の1次冷却系や復水脱塩系で例外的なものとして行われ
ているが、そのような場合でも再生操作を高温でおこな
うことはなかった。
【0019】しかしイオンを吸着したイオン交換体を環
境温度より高温、好ましくは10℃以上、例えば吸着温
度が常温程度であっても50℃以上、イオン交換体の耐
熱限度以下の温度において再生を行うときは、驚くべき
ことには再生液を接触させた、再生薬剤が少なくともイ
オン交換体の当量以上の始めの部分のみで再生が殆ど終
わり、回収再生液中に回収されるイオンが始めのこの回
収再生液部分に脱着されていることが分かった。従って
この回収再生液のイオン濃度が極めて高い部分のみを回
収することだけで、イオン交換体を再生できるととも
に、高濃度の回収イオンを含む精製しやすい回収再生液
を得ることができる。
【0020】第2の方法は、イオン交換体としてイオン
交換基を細孔内ではなく固体外表面に持つものを利用す
ることである。例えばキレスト(株)のキレート繊維
(粉末)は、繊維表面にイオン交換基を持つものであ
り、キレート速度が大きい特徴を有している。この大き
なキレート速度は、イオン交換基を固体外表面に持つこ
とによる大きな拡散速度にあると考えられる。この特徴
を再生操作に利用し、さらに充填層による再生操作で、
再生液中に回収されるイオン交換体に吸着されていたイ
オンの濃度の高い部分のみを回収することにより、回収
イオンを精製しやすい、高濃度の回収イオンを含む再生
液を得ることができる。第2の方法に第1の方法(吸着
温度より高温度における再生)を併用することももちろ
ん有効である。
【0021】イオン含有水をイオン交換体に接触する場
合、また吸着したイオン交換体を高温において再生液に
接触させる場合は、操作的に充填塔式等を用いることが
有利である。イオン交換体と再生液とを接触する温度が
高温度であるため、環境温度におけるよりも拡散速度、
イオン交換反応速度が促進されるためか、イオン交換体
と再生液との接触時間は比較的短時間でよく、通液速度
(space velocity)として20h-1(l
−soln/l−充填層/hr)以下、好ましくは1〜
5h-1位がよい。通液速度を小さくするほど再生液消費
量が小さくなり、ランニングコストは小さくなるが充填
塔が大きくなるのでイニシャルコストが大きくなる。処
理量が多いときは多塔式がコスト的には有利となる。従
来のように環境温度で再生する場合には図4に示すよう
に極めてブロードな脱着曲線となるのに対し、環境温度
より高温において再生するときは図1ないし2に示すよ
うに極めてシャープな脱着曲線となる。この場合、イオ
ンを吸着したイオン交換体および再生液を高温度におい
て操作するには、イオン交換体充填塔内にヒートパイプ
や加熱パイプなどの加熱装置を挿入しておくか、塔外部
に再生液の加熱装置を設け、送入前に十分に加熱するか
あるいはそれらを組み合わせて行うことが必要となる。
【0022】イオン交換体の高温における再生操作にお
いて、再生液に接触する場合にイオンを吸着したイオン
交換体は、あらかじめ脱気してから再生液に接触させる
ことが好ましい。再生時に充填層に気泡を発生しない程
度にあらかじめ脱気しておくことは、気泡発生により液
体とイオン交換体間の物質移動の阻害がなくなるので非
常に有効である。この操作を行うためにはイオンを吸着
したイオン交換体を一旦脱気した後、その状態で再生液
を送入することが必要となる。イオン交換体を脱気した
後イオン含有水を接触させ吸着を行い、イオン含有水を
充填した状態でイオン交換体充填塔底部より上向流で再
生液を送入してもよい。再生処理において、それまでに
充填層に存在する液体よりも密度の大きい液体で再生す
る場合(それまでに存在する液体が低塩類濃度水溶液の
場合には、殆どすべての再生液について当てはま
る。)、この2種類の液体の界面を乱さないために、再
生液を上向流で送入する事がシャープな再生曲線を得る
ために重要となる。
【0023】排水の除去すべき元素を含むイオン含有水
をイオン交換体に接触させイオンを吸着除去し、このイ
オン交換体に再生液を接触させて該イオンをイオン交換
体から遊離させ、回収再生液から回収、精製する場合
に、再生液の接触温度を環境温度より高くするときは、
イオン交換体は少量の再生液で十分に再生されるととも
に回収再生液中に回収されるイオン交換体に吸着されて
いたイオンは高濃度のものが回収できる。また必要に応
じてイオン交換体および/または再生液を脱気してから
両者を接触することによりイオン交換速度を高くするこ
とができる。
【0024】再生時に再生液に回収されるイオン交換体
に吸着されていたイオンの物質移動速度の大きいイオン
交換体を使用し、充填層による再生操作で、再生時に再
生液中に回収されるイオン交換体に吸着されていたイオ
ンの濃度の高い部分のみを回収することにより、回収イ
オンを精製しやすい、高濃度の回収イオンを含む再生液
を得ることができ、この再生液から対象イオンを含む化
合物として高純度に精製濃縮して利用する場合に濃縮が
容易となり極めて有利である。
【0025】また、回収再生液中のイオン濃度が高いこ
とは、凝集沈殿等により回収したイオンなどを固体廃乗
物とする場合にも、装置的にも小さくて済む上、使用す
る凝集用薬剤の使用量が少なくて済み、ひいてはスラッ
ジとしての固体廃棄物の削減にもなって工業的に有利で
ある。
【0026】
【実施例】以下に本発明を実施例により説明する。 (実施例1)ホウ素含有水をグルカミン型キレート樹脂
(三菱化学ダイヤイオンCRB02、総交換容量0.6
meq/ml・R以上:(カタログ値))と接触させて
飽和吸着させたホウ素吸着量4.9mg/ml−Res
inの樹脂を充填した充填層を60℃に加熱し、60℃
に加熱した5%硫酸を空間速度1h-1で上向流で通液す
ることによりイオン交換体の再生をおこなった。通液開
始後1.0〜1.5BedVo1.の再生液を集めてホ
ウ素濃度を分析した結果4200mg/lであった。回
収した再生液中のホウ素はキレート樹脂量当たり210
0mg/1・Resinであり、吸着されたホウ素の回
収率は43%であった。
【0027】また、通液開始後1.0〜2.0Bed
Vol.の再生液を回収した。この回収再生液中のホウ
素濃度を分析した結果4700mg/1であった。回収
した再生液中のホウ素はキレート樹脂量当たり4700
mg/1・Resinであり、吸着されたホウ素の回収
率は96%であった。この回収再生液中のホウ素濃度の
変化を図1に示す。
【0028】(実施例2)ホウ素含有水をグルカミン型
キレート樹脂(三菱化学ダイヤイオンCRB02。総交
換容量0.6meq/m1・R以上(カタログ値))と
接触させて飽和吸着させたホウ素吸着量4.9mg/m
1・Resinの樹脂を水とともに、水流ポンプで減圧
にして60℃に加熱したロータリーエバポレータで処理
することにより脱気した。この樹脂を冷却せずにあらか
じめジャケットに60℃の温水を流してある充填筒に充
填し、あらかじめ同じ方法で脱気した2規定の硫酸水溶
液を空間速度1h-1で上向流で通液することによりキレ
ート樹脂の再生をおこなった。通液開始後1.0〜1.
5Bed Vo1.の再生液を集めてホウ素濃度を分析
した結果8600mg/lであった。回収した再生液中
のホウ素はキレート樹脂量当たり4300mg/1・R
esinであり、吸着されたホウ素の回収率は88%で
あった。また通液開始後、1.0〜2.0bed vo
l.の回収再生液を集めてホウ素濃度を分析した結果4
900mg/lであった。回収した再生液中のホウ素量
はキレート樹脂あたり4900mg/l−Resinで
あり、吸着されたホウ素の回収率はほぼ100%(図2
の積分から求めたときは98%)であった。この回収再
生液中のホウ素濃度の変化を図2に示す。
【0029】(実施例3)二価ニッケルイオン含有水を
強酸性陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)「ダイヤイオ
ンSK1B」、総交換容量2.0meq/ml/Res
in以上(カタログ値))と接触させて飽和吸着させた
樹脂(ニッケル吸着量53mg/ml・Resin)を
水と共に、水流ポンプで減圧にして60℃に加熱したロ
ータリーエバポレータで処理することにより脱気した。
この樹脂を冷却せずにあらかじめジャケットに60℃の
温水を流してある充填筒に充填し、あらかじめ同じ方法
で脱気した15%塩酸水溶液を空間速度1h-1 で上向
き流で通液する事によりイオン交換樹脂の再生を行っ
た。通液開始後1.0〜1.5 Bed Vol.の回
収再生液を集めてニッケル濃度を分析した結果83g/
lであった。回収した再生液中のニッケルは陽イオン交
換樹脂量あたり41.5g/l−Resinであり、吸
着したニッケルの回収率は78%であった。また通液開
始後1.0〜2.0Bed Vol.の回収再生液中の
ニッケルイオンは、イオン交換樹脂量あたり49g/l
−Resinであり、吸着されたニッケルの回収率は9
2%であった。実施例3における回収再生液中のニッケ
ル濃度の変化を図3に示す。
【0030】(比較例1)実施例1と同様の操作を、脱
気せずに再生温度約23℃でおこなった。通液開始後
1.0〜1.5BedVo1.の再生液中のホウ素濃度
を分析した結果1700mg/1であった。回収した再
生液中のホウ素はキレート樹脂量当たり850mg/1
−Resinであり、吸着されたホウ素の回収率は17
%であった。
【0031】また通液開始後1.0〜2.0 Bed
Vo1.の回収再生液中のホウ素濃度を分析した結果2
500mg/1であった。回収した再生液中のホウ素は
キレート樹脂量当たり2500mg/g−Resinで
あり、吸着されたホウ素の回収率は51%であった。以
上の結果から、高温度において吸着イオンを脱着する本
発明のイオン含有水処理法によるときは、従来技術の比
較例1と比べて少量の回収液であっても回収率が高く且
つ回収再生液中に高濃度でホウ素が回収されていること
が解る。この回収再生液中のホウ素濃度の変化を図4に
示す。
【0032】(比較例2)実施例3と同様の操作を、脱
気せずに再生温度23℃(環境温度)で行った。通液開
始後1.0〜1.5Bed Vol.の回収再生液を集
めて、ニッケル濃度を分析した結果59g/lであっ
た。回収した再生液中のニッケルイオンは、イオン交換
樹脂量あたり29.5g/l−Resinであり、吸着
されたニッケルの回収率は56%であった。また通液開
始後1.0〜2.0Bed Vol.の回収再生液中の
ニッケル濃度を分析した結果、43g/lであった。回
収した再生液中のニッケルは、イオン交換樹脂量あたり
43g/l−Resinであり、吸着されたニッケルの
回収率は81%であった。
【0033】以上の結果から、環境温度より高温度にお
いて吸着イオンを脱着する本発明のイオン含有水処理法
による実施例1〜2は、従来の技術の比較例1と比較し
て、少量の再生液であっても回収率を高く、且つ回収再
生液中に高濃度でホウ素が回収されていることが分か
る。また実施例3は、従来技術の比較例2と比べて少な
い再生液の中に高濃度でニッケルが回収されていること
が解かる。
【0034】
【発明の効果】本発明のイオンを吸着したイオン交換体
の再生及び吸着イオンの回収方法は、対象イオンのイオ
ン交換したイオン交換体をイオンの拡散速度の大きくな
る環境温度よりも高温で再生しまたは固体外表面にイオ
ン交換基を持つイオン交換体に対象イオンをイオン交換
させて充填層による再生操作で再生し、再生時に再生液
中に回収されるイオン交換体に吸着されていたイオンの
濃度の高い部分のみを回収することにより、回収イオン
を精製しやすい、高濃度の回収イオンを含む再生液を得
ることができ、この再生液から対象イオンを含む化合物
として高純度に精製濃縮して利用する場合に濃縮が容易
となり極めて有利である。また、同じく再生液から凝集
沈殿等の操作により固体廃棄物とする場合にも設備を小
さくできると共に凝集用薬剤量および固体廃棄物量を低
減することが出来、工業的に有利である。本発明はキレ
ート剤の再生のみでなくイオン交換体からの再生、イオ
ンの回収においても有用である。また、排水からのイオ
ンの回収にとどまらず、鉱物資源や工業プロセスとして
の利用にも役立ち、工業的に活用性の高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における回収再生液中のホウ素濃度の
変化を示す。
【図2】実施例2における回収再生液中のホウ素濃度の
変化を示す。
【図3】実施例3における回収再生液中のニッケル濃度
の変化を示す。
【図4】比較例1における回収再生液中のホウ素濃度の
変化を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D011 AA12 AA16 AB06 AC08 4D025 AA09 AB22 AB33 BA08 BA13 BA17 BA22 BB02 BB07 CA08 CA10 DA01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 除去すべき元素を含むイオンのイオン含
    有水を、イオン交換体に接触させ当該イオンを吸着さ
    せ、ついで吸着したイオン交換体に環境温度より高温度
    において再生液を接触させて吸着イオンを脱着させるこ
    とを特徴とするイオン含有水の処理方法。
  2. 【請求項2】 イオン交換体を再生する工程において、
    あらかじめイオン交換体を脱気してから再生液を上向流
    に接触させ、吸着イオンを脱着させる請求項1に記載の
    イオン含有水の処理方法。
  3. 【請求項3】 イオン交換体を再生する工程において、
    イオン交換体にあらかじめ脱気した再生液を上向流に接
    触させ、吸着イオンを脱着させる請求項1または2に記
    載のイオン含有水の処理方法。
  4. 【請求項4】 イオンを吸着したイオン交換体が再生液
    と接触する温度として少なくとも40℃以上である請求
    項1ないし3のいずれか1項に記載のイオン含有水の処
    理方法。
  5. 【請求項5】 イオン交換体がイオン交換樹脂またはキ
    レート樹脂の少なくとも1種である請求項1ないし4の
    いずれか1項に記載のイオン含有水の処理方法。
  6. 【請求項6】 除去すべきイオンがホウ素を含むイオン
    である請求項1ないし5のいずれか1項に記載のイオン
    含有水の処理方法。
  7. 【請求項7】 イオン交換体の再生液として無機の強酸
    を使用する請求項1ないし6のいずれか1項に記載のイ
    オン含有水の処理方法。
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