JPH0299189A - フッ素含有廃水の処理方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、例えば金属メツキ工程、ホウフッ酸合成工程
等で発生するホウフッ化物を含有するフッ素廃水の処理
方法に関する。

［従来の技術］ 従来、水中に溶存するフッ素及びフッ化物イオンの処理
方法としてはカルシウム化合物を添加してフッ化カルシ
ウムを生成させる凝集沈澱法が一般的であるが、フッ化
物イオン、特にホウフッ化物イオンに対しては、可溶性
塩のために沈澱除去することはできず、アルミニウム化
合物を添加して、ホウフッ化物イオンをフッ化アルミニ
ウムイオンに転化し、その後カルシウム化合物を添加す
ることにより、アルミン酸カルシウムのフッ化物塩とし
て沈澱分離する方法が提案されている（特開昭ＧＯ−１
１７）。

この方法では沈澱処理の為に大量のアルミニウム化合物
の使用が必要になるために、廃棄物スラッジの発生量が
増大するばかりでなく、−部の地方で施行されている、
フッ素イオンに対する厳しい許容基準値の４〜０．８ｐ
ｐｍに処理するためには、凝沈操作を数回繰り返す必要
があるなど、設備が過大になり、又操作も煩雑である。

一方、水中に溶存するフッ化物イオンの除去法として、
活性アルミナ（例えば特開昭４９−７０８８９）、アル
キルアミノ基にメチレンホスホン酸基を置換したアミノ
フェノール樹脂からなるキレート樹脂に金属イオンを担
持させたフッ素イオンの吸着剤（特開昭５８−３８８３
２）さらには希土類元素又はジルコニウム化合物からな
る無機イオン交換体（特開昭６０−１９２３４０）等の
吸着剤を用いる吸着処理法が提案されているが、いずれ
の場合にもフッ素の単体イオンに比べて、ホウフッ化物
イオンは著しく吸着性能が低いために効率的な処理を行
うことは困難であった。

［発明が解決しようとする課題］ 通常ホウフッ化物を含有するフッ素廃水にはホウフッ化
物イオンが水中で、ホウフッ酸イオン（ＢＦ４−）の他
、ＢＦ３０Ｈ−ＢＦ２（ＯＨ）２−　　ＢＦ　（ＯＨ）
３−からなるホウフッ化物イオンに解離することが知ら
れており、更に遊離のフッ素イオン及びホウ酸イオンが
共存する。これらのイオンの存在比は、発生源の状況や
、廃水中の濃度、ｐＨ，共存物質等の影響を受けるが、
廃水処理の技術としては、かかる存在状態に無関係に溶
存するフ・ツ素を除去することか求められる。しかし、
現在は効率的な方法が存在しない。

また、該廃水中のホウ酸及びホウ酸化合物に関しても動
植物及び人体にとって有害物質であるため一部地方自治
体では環境保全物質としての規制があって、フッ素イオ
ンと同様にホウ酸イオンに対しても除去されることが望
ましいが、従来技術では遊離のホウ酸イオンを同時に処
理する方法については開示されていない。

［課題を解決するための手段］ 本発明は主としてホウフッ化物を含有するフッ素廃水中
のホウフッ化物イオン及び共存するフッ素イオン、ホウ
酸イオンを同時に効率的に処理する簡便な吸む処理方法
を提供する。

即ち、本発明は主としてホウフッ化物を含有する水中フ
ッ素の除去に当り、アミノポリアルコール型キレート吸
若剤とフッ素イオン選択吸着剤を組合せて吸着処理する
ことを特徴とするる。

アミノポリアルコール型キレート樹脂とは、ホウ酸イオ
ンを選択的に吸着する樹脂として工業的に生産されてい
るキレート吸着剤であり、例えばローム・アンド−ハー
ス社からアンバーライトＩ　ＲＡ　−７４３の商品名で
市販されているスチレン系樹脂骨格にＮ−メチル−〇−
グルカミン側鎖を有するキレート樹脂（ＴｒａｃｅＥｌ
ｅｆｆｌｅｎｔＳ　ｉｎ　ｊ）１０　ＥｎｖｌｒｅａＩ
Ｉｌｅｎｔ　ｓ　　１２３号１１３９〜１４３頁、１９
７３年参照）　又は特開昭５７−１９７Ｑ４（ｌで開示
されたフェノール系キレート樹脂等が使用できる。これ
らのアミノポリアルコール型キレート吸若剤はホウ酸も
しくはホウ酸イオンと錯形成反応により、ホウ素を吸着
除去することは知られているが、ホウフッ化物イオンに
対する吸着特性に関しては、明らかにされていなかった
。本発明者らはこれらのキレート樹脂が遊離のホウ酸イ
オンのみならず、ホウフッ化物イオンに対しても極めて
高い吸着性能を６することを見出し、更に遊離のフッ素
イオンに対する優れた吸着剤である公知のフッ素イオン
選択吸着剤とを組合せて吸着処理することで本発明を完
成した。

本発明における公知のフッ素イオン吸着剤としては、例
えば活性アルミナ系吸容剤、アルキルアミノ基にメチレ
ンホスホン酸基を置換したアミノフェノール樹脂にＴｉ
”　　Ｚｒ”Ａ１３”又はＳｎ’　”を担持させた吸着
剤、及び希土類元素又はジルコニウム化合物から構成さ
れる無機イオン交換体が使用できる。

上記のフッ素イオン選択吸着剤は種々のアニオン、カチ
オンが高濃度に共存する含フツ素イオン廃水からフッ素
イオンを選択的に吸着するが、特に希土類元素化合物か
ら構成されるイオン交換体がフッ素イオンに対する吸着
選択性、吸む容量が大きく、安定した処理性能が得られ
るために好ましい。この希土類元素化合物から構成され
るイオン交換体は特開昭６０−１９２３８５で開示され
ており、例えば希土類元素の含水酸化物の粉末を高分子
材料で多孔質に担持させた造粒体である。希土類元素の
含水酸化物とは、希土類元素、即ちＹ、Ｌａ、、Ｃａ、
Ｐｒ、Ｎｄ。

Ｓｍ、　　Ｅｕ、　　Ｇｄｓ　　Ｔｂ、　　Ｄｙ　Ｓ　
Ｈｏｓ　　Ｔｍ。

Ｙｂ、Ｌａの金属、酸化物及び塩類の水酸化によって得
られる化合物である。希土類元素の種類としてはＬ　ａ
　ｓ　Ｃｅ　ＳＹ　ｓ　Ｓ　ｍ等が好ましく、特にＣｅ
（ＩＶ）が吸着能が大きく、かつ、含フツ素廃水中での
溶解性が無視できる程度に小さいため好ましい。

本発明で使用する二種の吸着剤を組合せて、ホウフッ化
物イオンを含有するフッ素廃水を処理する方法は、アミ
ノポリアルコール型キレート吸希剤とフッ素イオン選択
吸希剤を吸着装置に充填し、該廃水を接触させることに
より行う。

該廃水と本発明で使用する二種の吸着剤との接触順序は
同時にはアミノポリアルコール型キレート吸着剤と接触
させた後にフッ素イオン選択吸告剤と接触させることが
処理液のフッ素イオン濃度を極めて低い水準に処理する
ことができるので好ましい。本発明者の実験によって、
アミノポリアルコール型キレート吸着剤は前述した各種
のホウフッ化物イオン、即ちＢｒ４ＢＦ３０Ｈ−ＢＦ２
（ＯＨ）２−　　　ＢＦ（０１Ｄｚ及び遊離のホウ酸イ
オンに対して優れた吸着性能を有することにより、ホウ
素とフッ素の加水分解平衡反応を促す作用を有し、結果
としてフッ素イオンの生成が促進されることが見出され
た。従って始めにアミノポリアルコール型キレート吸着
剤により該廃水中のホウフッ化物及びホウ酸を吸着処理
すると同時又はその後で遊離のフッ素イオンをフッ素イ
オン選択吸着剤により吸着処理するのが好ましい。吸着
操作は本発明で使用する二種の吸着剤を混合した充填塔
を用いるか、又は二基以上の吸着塔を用い、前方にアミ
ノポリアルコール型キレート吸着剤の充填塔を、又後方
にフッ素イオン選択吸青剤の充填塔を配置し、接続させ
た装置に該廃水を通液することにより行う。

ホウフッ化物イオンを含有するフッ素廃水を処理するに
際し、該廃水のｐＨを調整して本発明で使用する吸着剤
と接触させることが、吸着剤の使用効果を高めるのに有
効である。即ちｐＨ１〜７、特に好ましくはｐＨ２〜５
に調整することが好ましい。該廃水中のフッ素イオン濃
度は、特に本発明で制限されるものではないが、通常数
千ｐｐａｌの高濃度廃水は公知のアルミニウム化合物を
該廃水に添加して、含有するホウフッ化物の大部分をフ
ッ化アルミニウムに転化した後、カルシウム化合物によ
り、アルミン酸カルシウムのフッ化物塩として沈澱分離
する凝集沈澱法により一次処理された廃水の二次処理工
程として本発明の方法を適用することが経済的である。

この−次処理により通常数百乃至十数ｐｐＩ１１程度に
処理されるので、この処理水を本発明の方法で処理する
ことにより、１ｐｐａ＋以下の濃度に効率よく処理でき
る。

吸着操作により吸着能力の低下した吸着剤は酸及びアル
カリ液を通液することにより、再生でき、繰り返し使用
が可能となる。アミノポリアルコール型キレート吸着剤
は該吸着剤の充填塔に鉱酸、塩酸、又は硝酸等の無機酸
溶液を通液した後、苛性ソーダ溶液を通液することによ
り、又フッ素イオン選択吸着剤として希土類元素の含水
酸化物から構成される無機イオン交換体を使用した場合
は苛性ソーダの水溶液を通液することにより、吸着イオ
ンが脱着され、再び吸る操作を実施することができる。

脱着液には高濃度のホウフッ化物イオン及びホウ酸イオ
ン、フッ素イオンが含まれているので、前記したアルミ
ニウム化合物とカルシウム化合物を添加する凝集沈澱法
により処理することで、大部分のフッ素及びフッ素化合
物を沈澱分離することができ、該濾液は再び本発明の吸
着処理を行うことによりフッ素濃度を１ｐｐａ以下に処
理できる。また、脱着液に共存するホウ素は上記の沈澱
分離の際、沈澱物に吸着して除去される為、脱着液への
蓄積は生じない。

上述の如（本発明によれば、ホウフッ化物イオンを含有
するフッ素廃水中のフッ素及びホウ素を効率的に除去す
ることができる。

以ド、実施例により詳細に説明する。

実施例１ 電子部品の銅メツキ工程で発生する洗浄水中のホウフッ
化物イオンとフッ素イオン（全フッ素濃度９８ｐｐｍ　
、全ホウ素濃度１５．４ｐｐｍ）を含有する廃水を、ア
ミノポリアルコール型キレート樹脂としてローム・アン
ドΦハース社製のアンバーライトＩＲＡ−７４３１０５
１を充填した吸着塔Ａとフッ素イオン選択吸稔剤として
含水酸化セリウムを合成樹脂に担持させた吸希剤（新日
本化学製１？ＥＡＤ−Ｐ）　１０１１を充填した吸む塔
Ｂ１を配管で接続し、下向流により流速１００Ｑ／時で
通液した。廃水のｐＨは２．５であった。通液時間と吸
容処理水中のＦ（フッ素）、Ｂ（ホウ素）の濃度の結果
を第１表に示す。

比較例１．２ 実施例１の吸着塔Ｂを使用しないで吸着塔Ａのみを使用
して実施例１を実施した結果を対比例１に、又吸着塔Ｂ
のみを使用した結果を対比例２として結果を第１表に示
す。

第１表 実施例２ 実施例１で３０時間合計３Ｍ３の廃水を通液後の吸着塔
Ａ及びＢを別々に再生した。

先ずＡ塔には１規定の硫酸溶液を２０文通液後２０５Ｉ
の水で洗浄し、続いて１規定の苛性ソーダ溶液を１０５
１引き続き、洗浄水を５０５１通液し再生を終了した。

また、Ｂ塔には１規定の苛性ソーダ溶液をＩＯ交交通後
後洗浄水５０５１通液した。各塔の再生廃水をまとめて
Ｆ、Ｂ濃度を測定した結果から、各吸着剤の吸着容量を
計算した結果を第２表に示す。

また、再生済みの各吸着塔を接続し、再度実施例１の吸
着処理を行った所、第１表と同等の処理性能を示した。

第２表 実施例３ 半田メツキ工程の洗浄液回収槽から発生する全フッ素濃
度４９００ｐｐ、、全ホウ素濃度７２０ｐｐｍの廃水３
００５Ｉにポリ塩化アルミ１３ｋｇを添加し、３０分撹
拌後、消石灰ミルク（１９０ｇ１５１　）　３０文を添
加し、続いて苛性ソーダ溶液によりｐａを８に調節した
後、生成した沈澱を濾過分離した。

濾液は、全フッ素濃度３４ｐｐｍ　、全ホウ素濃度１１
２ｐｐ１１であった。

この濾液に希塩酸を添加しｐＨ３，０に調整したアンバ
ーライトＩ　ＲＡ　−７４３（ローム・アンド・ハース
社製）１５９とＲＥＡＤ−Ｆ　（新日本化学製）５５Ｉ
を均一に混合して充填した吸む塔にＩＨ１１／　Ｉｌｒ
で通液した。その結果、処理水は全フッ素濃度１　ｐｐ
ａ＋以下、ホウ素濃度２ｐｐｍ以下に処理できた。

［発明の効果］ 以上説明したように、本発明の方法によってフッ素含有
廃水、特にホウフッ化物イオンを含有する廃水中から極
めて効率よくフッ素およびホウ素を除去することができ
る。

特許出願人　新日本化学工業株式会社 代理人　弁理士　小　松　秀　岳 代理人　弁理士　旭　　　　　宏

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）主としてホウフッ化物イオンを含有する廃水中の
   フッ素の除去に当り、アミノポリアルコール型キレート
   吸着剤とフッ素イオン選択吸着剤を組合せて処理するこ
   とを特徴とするフッ素含有廃水の処理方法。
2. （２）フッ素イオン選択吸着剤として希土類元素の含水
   酸化物から構成される無機イオン交換体を使用する上記
   請求項（１）記載のフッ素含有廃水の処理方法。