JP5088106B2 - キャビネット - Google Patents

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Description

本発明は、キッチンのキャビネットに関し、キッチンの引き出し収納部の前板に前方に突出する補助収納部を設けたキャビネットに関する。
従来、キッチンのシンク前方であって天板下に補助的な収納部を設ける構成は、知られている。例えば、流し台の前方に収納兼サポート用幕板が配設された構成が知られている(特許文献1参照)。
厨房装置のキャビネットの前面板に中空部を形成して収納部とし、上部を前方に突出したものが知られている(特許文献2参照)。洗面ユニットの収納部の扉に、斜面を有する小物収納部を一体的に設けたものが知られている(特許文献3参照)。さらに、洗面化粧台の幕前板を開閉自在な蓋体と、蓋体を支持する支持部とで構成したものとが知られている(特許文献4参照)。
特開2007−162号公報 特開2006−271783号公報 実公昭61−6860号公報 実開平1−99287号公報
上記従来例(特許文献1〜4)は、あくまでも、天板下に引き出し等の収納部を設ける構成であり、それ以上収納スペースをより拡大して利用することは難しい。そこで、収納部を天板下だけではなく、天板の前端より前方に位置する補助収納部を設けると、収納量を拡大し、使い勝手の良い収納が可能とする。
このような構成の補助収納部付き収納部では、補助収納部の前面に、前方に突出する取手や凹部から成る取手を設ける必要があるが、そのような取手を補助収納部の前面に設けると、キャビネットが見栄えが悪くなるという問題がある。
本発明は、このような収納部の前方に補助収納部を設ける構成において、簡単に補助収納部及び収納部を前方に引き出すことができ、しかも見栄えを損なわないような取手を実現することを課題とする。
本発明は上記課題を解決するために、収納部の上部に天板を備えたキャビネットであって、天板の下方で収納部の前側に位置する補助収納部を備え、補助収納部の少なくともその一部が、天板の前端より前方に位置しているとともに、補助収納部の下部に下向きに開口する凹状の取手を備えていることを特徴とするキャビネットを提供する。
前記キャビネットにおいて、取手は補助収納部の略全幅にわたって形成されていることが好ましい。
前記キャビネットにおいて、補助収納部の上部を把持可能な上部取手を備えていることが好ましい。
前記キャビネットにおいて、補助収納部の上方に使用者が凭れかかることが可能なサポートバーを備えていることが好ましい。
本発明に係るキャビネットによれば、次のような効果が生じる。
(1)天板の前端より前方に位置している補助収納部を備えているので、収納量を増やすことができる。しかも、この補助収納部の下部に凹部から成る取手を設けたので、見栄えを損なうことがなく、使用者がこの下部取手に手を掛けて前方(手前側)に少し引いただけで、簡単に補助収納部にアプローチでき、物品を出し入れすることができる
(2)補助収納部が少し開いた状態となると、上部取手に手を掛けることができるので、主なる収納部である引き出しを簡単に開くことができる。
本発明に係るキャビネットを実施するための最良の形態を実施例に基づき図面を参照して、以下説明する。
本発明に係るキャビネットの実施例を図1〜4において説明する。本発明のキャビネット1は、図1(a)、(b)に示すように、天板2にシンク部3を備え、シンク部3の下方に収納部4が設けられている。この収納部4は、後記する補助収納部に対して主収納部として機能するものである。
最上段の引き出し収納部5は、図2(a)、(b)に拡大して示すように、前板部6、左右両側の側板7、7、底板8及び背板(図示せず。)とを備えている。そして、天板2の下方で収納部4の前側に位置する補助収納部9を備えている。この補助収納部9は、最上段の引き出し収納部5の前板部6の上部に、少なくともその一部が、天板2の前端より前方に位置してするように設けられている。
最上段の引き出し収納部5の前板部6の上側に、図1(b)、図2(a)、(b)に示すように、補助収納部9が形成されている。補助収納部9は、引き出し収納部5と連通し、一体の収納スペースを形成している。
この実施例では、図2(a)、(b)に示すように、補助収納部9は、前面壁10と、前面壁10の下部に連成する傾斜壁11と、傾斜壁11の下部に連成する水平底壁12と、左右両側部の側壁13とを備えている。さらに、補助収納部9は、引き出し収納部5の前板部6に固定するために一体に形成された取付板14を備えている。
取付板14は、左右両側の側壁13、13を橋絡し、垂直に形成されている。取付板14は、引き出し収納部5の前板部6の背面にネジ止めされて固定され、これにより、補助収納部9が引き出し収納部5の前板部6に取り付けられる。取付板14のほぼ上端の高さに補助収納部9の底板15が水平に形成されている。
図1(b)、図2(b)に示すように、補助収納部9の上方であって天板2の下方に、キャビネット1の左右両側の側板23の前端から前方に張り出し、補助収納部9の上面開口を閉じるサポートバー16が設けられている。
このサポートバー16は、水平部17と凭れ部18とから成る。水平部17の基端部19がキャビネット1の両側の側板23に固定され、サポートバー16がキャビネット1に取り付けられている。サポートバー16は、補助収納部9の上面開口を閉じるとともに、使用者が凭れることのできる凭れバーとしての二つの機能を有する。
ところで、補助収納部9には、補助収納部9を前方に引き出すための下部取手20と、補助収納部9を前方に引き出されてから、さらに引き出し収納部5を引き出すための上部取手21が形成されている。
下部取手20は、水平底壁15の底壁12に、補助収納部9の横幅方向の略全幅(略全長にわたって)に延びるように下方に開口した凹状の溝22として形成されている。この凹状の溝22は、使用者が手先を差し込める程度の寸法に形成されている。
上部取手21は、補助収納部9の垂直前面壁10の上端からキャビネット1の奥行き方向に水平に延びるように折り返し部として形成され、使用者が手先を掛けることができるような構成となっている。
なお、本発明のキャビネットの収納部は、開閉扉により開閉する収納部でもよい。その場合は、開閉扉を構成する一対の開閉前板部のそれぞれに、補助収納部を設け、この補助収納部に上記実施例同様の下部取手及び上部取手を設けた構成とする。
(作用)
以上の構成から成る本発明のキャビネット1の作用を説明する。図1(a)、(b)に示すように、補助収納部9及び引き出し収納部5が閉じた状態から補助収納部9を開く時は、使用者は、下部取手20に、図3(a)、図4(a)に示すように、手先をかけて前方に引き出す。
すると、図4(a)に示すように、補助収納部9が開いた状態となる。このように補助収納部9が開かれると、使用者は補助収納部9に物品を収納したり、収納されていた物品を取り出すことができる。
本発明のキャビネット1によれば、天板2から前方に延び出た補助収納部9が設けられているので、天板2の下方だけではなく、サポートバー16の下方であって、引き出し収納部の前方の空間も収納スペースとして使用することができるので、収納量が拡大でき、使い勝手の良い収納が可能となる。
そして、補助収納部9を少しでも開くと、使用者は、上部取手21に手を掛けることができ使用者が、図3(b)、図4(b)に示すように、上部取手21に手を掛けて前方に引き出すと、引き出し収納部5を開くことができ、引き出し収納部5に物品を収納したり取り出したりすることができる。
本発明のキャビネット1では、補助収納部9の底部に下部取手20を設けたので、補助収納部9の前面に、前方に突出する取手や凹部から成る取手を設ける必要がなく、また、補助収納部9を開けば、上部取手21に手が掛けられるので、簡単な構成で補助収納部9及び引き出し収納部5を開閉でき、しかも見栄えを損なわない。
以上、本発明に係るキャビネットを実施するための最良の形態を実施例に基づいて説明したが、本発明はこのような実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術的事項の範囲内でいろいろな実施例があることは言うまでもない。
本発明に係るキャビネットは、上記のような構成であるから、キッチンのキャビネットだけでなく、洗面用のキャビネット、作業用のシンクキャビネット等、収納部を備えたキャビネットに適用可能である。
本発明に係るキャビネットの実施例の構成を説明する図であり、(a)はキャビネットの斜視図であり、(b)は本発明の要部の断面図である。 本発明に係るキャビネットの実施例の構成を説明する図であり、(a)は本発明のキャビネットの要部の斜視図であり、(b)は本発明の要部の断面図である。 本発明に係るキャビネットの実施例の作用を説明する図であり、(a)は補助収納部を斜め前方から見た斜視図であり、(b)は補助収納部9を斜め上方から見た斜視図である。 (a)、(b)は、本発明に係るキャビネットの実施例の作用を説明するための要部の断面図を示す。
符号の説明
1 キャビネット
2 天板
3 シンク部
4 収納部
5 引き出し収納部
6 前板部
7 側板
8 底板
9 補助収納部
10 前面壁
11 傾斜壁
12 底壁
13 側壁
14 取付板
15 補助収納部の底板
16 サポートバー
17 水平部
18 凭れ部
19 サポートバーの基端部
20 下部取手
21 上部取手
22 下部取手を構成する溝
23 キャビネット側板

Claims (4)

  1. 収納部の上部に天板を備えたキャビネットであって、天板の下方で収納部の前側に位置する補助収納部を備え、補助収納部の少なくともその一部が、天板の前端より前方に位置しているとともに、補助収納部の下部に下向きに開口する凹状の取手を備えていることを特徴とするキャビネット。
  2. 請求項1記載のキャビネットであって、取手は補助収納部の略全幅にわたって形成されていることを特徴とするキャビネット。
  3. 請求項1または2記載のキャビネットであって、補助収納部の上部を把持可能な上部取手を備えていることを特徴とするキャビネット。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載のキャビネットであって、補助収納部の上方に使用者が凭れかかることが可能なサポートバーを備えていることを特徴とするキャビネット。
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