JP5256702B2 - キャビネット - Google Patents

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Description

本発明は、キッチンのキャビネットに関し、キャビネットの収納部の前側に突出する補助収納部を設け、補助収納部の上面を蓋部材で覆うキャビネットに関する。
従来、キッチンのシンク部前方であって天板下に補助的な収納部を設ける構成は、知られている。例えば、流し台の前方に収納兼サポート用幕板が配設された構成が知られている(特許文献1参照)。
厨房装置のキャビネットの前面板に中空部を形成して収納部とし、上部を前方に突出したものが知られている(特許文献2参照)。洗面ユニットの収納部の扉に、斜面を有する小物収納部を一体的に設けたものが知られている(特許文献3参照)。さらに、洗面化粧台の幕前板部を開閉自在な蓋体と、蓋体を支持する支持部とで構成したものとが知られている(特許文献4参照)。
特開2007−162号公報 特開2006−271783号公報 実公昭61−6860号公報 実開平1−99287号公報
上記従来例(特許文献1〜4)は、あくまでも、天板下に収納部を設ける構成であり、それ以上収納スペースをより拡大して利用することは難しい。本発明は、収納部を天板下だけではなく、さらに前方の空間を活用して、収納量を拡大し、使い勝手の良い収納を可能とするキャビネットを実現することを課題とする。
本発明は上記課題を解決するために、収納部の上部に天板を備えたキャビネットであって、天板の下方で収納部の前側に位置する補助収納部を備え、補助収納部の少なくともその一部が、天板の前端より前方に位置しているとともに、補助収納部の上面に蓋部材を備えていることを特徴とするキャビネットを提供する。
前記キャビネットにおいて、収納部は引き出し収納部であり、収納部を引き出すことで、補助収納部が同時に引き出されることが好ましい。
前記キャビネットにおいて、蓋部材は収納部と同時に引き出されずに固定されていることが好ましい。
前記キャビネットにおいて、蓋部材は使用者が凭れかかることが可能なサポートバーであることが好ましい。
前記キャビネットにおいて、蓋部材の上面に物品載置部が形成されていることが好ましい。
前記キャビネットにおいて、蓋部材がヒンジ部材によって開閉可能に取り付けられていることが好ましい。
本発明に係るキャビネットによれば、次のような効果が生じる。
(1)天板下だけではなく、さらに天板の前端より前方の空間を補助収納部として活用する構成としたので、収納量が増え、使用者が手前側に少し引いただけで簡単に収納部に物を出し入れすることができ、使い勝手が向上する。
(2)天板からさらに前方に形成した補助収納部の開口を覆う蓋部材を、物品載置棚や凭れバーとして活用することが可能である。
本発明に係るキャビネットを実施するための最良の形態を実施例に基づき図面を参照して、以下説明する。
図1〜3は、本発明のキャビネットの実施例1の構成を説明する図である。図1(a)、(b)は、実施例1のキャビネット1を説明する図である。このキャビネット1は、収納部2と、収納部2の上部に設けられた天板3と、天板3に設けられたシンク部4とを備えている。
収納部2は、この実施例1では、図1(a)、(b)に示すように、複数段の引き出し収納部から成る。最上段の引き出し収納部5は、図2(a)、(b)に示すように、前板部6、左右両側の側板7、底板8及び背板(図示せず。)とを備えている。天板の下方で最上段の引き出し収納部5の前板部6の上部に、かつ、少なくともその一部が天板3の前端より前方に位置した補助収納部9が設けられている。
補助収納部9は、図2(a)、(b)に示すように、前面壁10、左右両側の側壁11、及び底壁12を備え、上面が開口して形成されており、さらに、引き出し収納部5の前板部6に固定するために左右両側の側壁11と一体に形成された取付板13とを備えている。
取付板13は、左右両側の側壁11、11を橋絡し、垂直に形成されている。取付板13は、前板部6の背面にネジ止めされて固定され、これにより、補助収納部9が前板部6に取り付けられる。引き出し収納部5と補助収納部9は、収納スペースが互いに連通し一体となっているが、取付板13の上部を上方に延ばすことにより、部分的に仕切るような構成としてもよい。
天板3の下方であって、補助収納部9の開口に面し、補助収納部9の蓋部材として、図1、図2(b)に示すように、サポートバー14が設けられている。サポートバー14は、補助収納部9の左右方向の横幅と略同じ横幅を有する。そして、このサポートバー14は、水平部15と、水平部15の前端から凸湾曲状に折り返された凭れ部16とを備えている。
サポートバー14は、キャビネット1の左右両側の側板19、19の前端から前方に張り出すように、かつ、キャビネット1の左右両側の側板19、19間に横幅方向(左右方向)に延びている。サポートバー14の水平部15における基端部17(キャビネットの奥方向の端部)が、その両側面においてキャビネット1の左右両側の側板19、19に固定されている。従って、サポートバー14は、引き出し収納部5と同時に引き出されることはない。
このサポートバー14は、引き出し収納部5が閉じている状態(図1(b)及び図2(b)参照)において、使用者が作業する際に凭れることのできる凭れバーとして機能する。また、サポートバー14の水平部15の下面は平坦に形成され、補助収納部9の開口を閉じる、蓋部材としても機能する。
(作用)
補助収納部9は、引き出し収納部5と一体で引き出すことができ、図1(b)及び図2(b)に示すように、引き出し収納部5をキャビネット1に押し込み閉じた状態では、補助収納部9は、サポートバー14により開口を閉じることができる。そして、使用者はサポートバー14の凭れ部16に凭れかかることができる。
図3(a)に示すように、使用者が、前板部6の前面に取り付けられた取手18に手を掛けて引き出し収納部5を前方に引けば、補助収納部9を開くことができる。これにより、補助収納部9へ物品を収納したり取り出しすることが可能である。補助収納部9は、天板3よりさらに前方の空間を収納部として活用できるから、収納量を拡大することができ、使い勝手がきわめて良くなる。
また、図3(b)に示すように、引き出し収納部5をさらに前方に引くと、引き出し収納部5を開くことができる。これにより、引き出し収納部5へ物品を収納したり取り出したりすることが可能となる。
図4は、本発明のキャビネットの実施例2を示す図である。この実施例2のキャビネット20は、実施例1とほぼ同じ構成である。しかし、この実施例2のキャビネット20は、蓋部材として、使用者が凭れかかることのできるサポートバー14ではなく、物品22を載置することのできる載置部である棚板21を設ける構成とした点を特徴とする。以下、実施例2について、実施例1と異なる構成を中心に説明する。
図4(a)に示すように、実施例1と同じ構造の補助収納部9の開口に面し、天板3の下方において、キャビネット20の左右両側の側板29前端から張り出すように、補助収納部9の蓋部材として機能する棚板21を設ける。
この棚板21は、補助収納部9の横幅と略同じ横幅を有する平板から成り、その基端部23(キャビネット20の奥方向の端部)が、キャビネット20の左右両側の側板29、29に固定されて取り付けられている。棚板21は、補助収納部9の蓋部材として、かつ物品載置部として利用することができる。
図4(b)は、棚板の別の実施態様を示しており、図4(a)に示す棚板21と同様に、その基端部25が、キャビネット20の左右両側の側壁29、29に固定されて取り付けられている。この棚板24は、物品載置部として物品26、27を載置し収納し易くするために、棚板24の上面に仕切用突縁28が形成されている。
このように棚板24は、仕切用突縁28を設けた物品載置部の構成としたので、各種の物品26、27を滑り落ちることなく、また、仕分けして載置することができるので、使い勝手が良い。
図5は、本発明に係るキャビネットの実施例3を説明する図である。この実施例3のキャビネット30は、実施例1のキャビネット1及び実施例2のキャビネット20とほぼ同様の構成であり、天板の下方で最上段の引き出し収納部31の前板部32には、少なくともその一部が、天板3の前端より前方に位置した補助収納部33を設けた構成である。
また、補助収納部33の開口に面しかつ天板3の下方には、実施例2のキャビネット20と同様に、補助収納部33の蓋部材として機能する棚板21が、キャビネット30の左右両側の側板39、39に固定して取り付けられている。
しかし、この実施例3のキャビネット30は、補助収納部33を、前板部32の上方ではなく前板部32の前方に設けた構成を特徴とする。以下、実施例3について、実施例1及び実施例2と異なる構成を中心に説明する。
図5(a)、(b)において、引き出し収納部31の前板部32の前面に補助収納部33が取り付けられている。補助収納部33は、左右両側の側壁34、34、前面壁35及び底壁36とから構成されている。補助収納部33を引き出し収納部31の前板部32に取り付ける手段として、いろいろな固定構造が考えられるが、例えば、図5(b)に示すように、断面L型の固定具37を側壁34の内面と前板部32の前面に当接してねじ止めする構成としてもよい。
図5(a)、(b)に示す実施例1では、補助収納部33と引き出し収納部31は、前板部32で区画されている。しかし、図5(c)〜(e)に別の実施態様を示すように、前板部38を全体的に凹状に形成して(図5(d)参照)、補助収納部33と引き出し収納部31を連通させて一体の収納スペースとしてもよい。
図5(f)にさらに別の実施態様を示すが、蓋部材としての棚板24の上面には、物品載置部として物品を載置し収納し易くするために、蓋の上面に仕切用突縁28が形成された構成としてもよい。
図6は、本発明のキャビネットの実施例4を示す図である。この実施例4のキャビネット40は、実施例3のキャビネット30とほぼ同じ構成であり、蓋部材として棚板を兼用する構成である。しかし、実施例4のキャビネット40は、蓋部材としての棚板をキャビネットに固定する構成ではなく、補助収納部33に開閉可能に取り付けた構成を特徴とする。以下、実施例4について、実施例1と異なる構成を中心に説明する。
図6(a)〜(c)に示すように、キャビネット40の前板部32の前面に実施例3と同様に、補助収納部33が取り付けられている。補助収納部33の蓋部材である棚板41が、前板部32にヒンジ42によって、補助収納部33の開口を開閉可能とするように取り付けられている。
図6(a)は、引き出し収納部31及び補助収納部33をキャビネット40内に押し込んで閉じており、棚板41で引き出し収納部31の開口を閉じている状態を示す。図6(a)の状態では、棚板41の上に物品を載置する物品載置部として使用することができる。
そして、図6(b)に示すように、棚板41を開いて、補助収納部33内に物品を収納したり取り出したりすることができる。さらに、図6(c)に示すように、引き出し収納部31を手前側に引き出すことにより、引き出し収納部31に物品を収納したり取り出したりすることができる。
図6(d)、(e)は、実施例2のキャビネットとほぼ同様の構成において、蓋部材である棚板41を、開閉可能に補助収納部9の側壁11の上面にヒンジ42で取り付けた構成である。
図7(a)、(b)は、本発明に係るキャビネットの実施例5を示す図である。この実施例5のキャビネット50は、収納部2が引き出し収納部ではなく、左右に開閉する開閉扉を有するキャビネットにおいて、補助収納部51、51を備えたものである。
左右に開閉する開閉扉は、左右の開閉前板部52、52から構成される。実施例5のキャビネット50は、左右の開閉前板部52を有する収納部において、天板の下方で左右の開閉前板部52の上部に、その一部が少なくとも天板3の前端より前方に位置する補助収納部51を設けた構成を特徴とするものである。
図7(a)、(b)に示すキャビネット50は、左右の開閉前板部52、52は、それぞれその上部に、補助収納部51を設けている。補助収納部51は、実施例1と同様に、補助収納部51の取付板53を、開閉前板部52の上部裏面に固定されている。
補助収納部51の開口に面し、天板2の下方には、実施例1と同様のサポートバー14が、キャビネット50の左右両側の側板19、19の間に固定されて取り付けられている。
左右の補助収納部51のいずれかを開いて物品を収納したり取り出したりする際には、左右の開閉前板部52のうち対応する開閉前板部52を開くことにより、補助収納部51を開くことができる。
図7(c)に示すキャビネット54では、左右の開閉前板部55の上部前面に補助収納部56を、実施例3と同様な取付構造(図5(b)参照)によって、取り付けられている。そして、左右の補助収納部56のそれぞれにおいて、蓋部材である棚板57は、開閉前板部55の上部前面にヒンジ58により固定されている。
このような構成のキャビネット54では、開閉前板部55を開くことなく、棚板57を開くことにより補助収納部56に物品を収納したり取り出したりすることができる。
以上、本発明に係るキャビネットを実施するための最良の形態を実施例に基づいて説明したが、本発明はこのような実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術的事項の範囲内でいろいろな実施例があることは言うまでもない。
本発明に係るキャビネットは、上記のような構成であるから、キッチンのキャビネットだけでなく、洗面用のキャビネット、作業用のシンク部キャビネット等、収納部を備えたキャビネットに適用可能である。
本発明に係るキャビネットの実施例1の構成を説明する図であり、(a)はキャビネットの斜視図であり、(b)は要部の側面図である。 本発明に係るキャビネットの実施例1の構成の要部を説明する図であり、(a)はキャビネットの要部の斜視図であり、(b)は要部の側面図である。 (a)、(b)は本発明に係るキャビネットの実施例1の作用を説明する要部の側面図である。 (a)、(b)は、それぞれ本発明に係るキャビネットの実施例2の構成を説明する要部の側面図である。 (a)は本発明に係るキャビネットの実施例3の構成を説明する要部の断面図であり、(b)はA−A断面図あり、(c)は別の実施態様を説明する断面図であり、(d)はその前板部の正面図であり、(e)は(c)のB−B断面図であり、(f)はさらに別の実施態様を説明する断面図である。 (a)〜(c)は、本発明に係るキャビネットの実施例4の要部及びその作用を説明する側面図であり、(d)、(e)は別の実施態様を説明する図である。 本発明に係るキャビネットの実施例5を説明する図であり、(a)はキャビネットの斜視図であり、(b)は要部の側面図であり、(c)は別の実施態様を示す要部断面図である。
符号の説明
1、20、30、40、50、54 キャビネット
2 収納部
3 天板
4 シンク部
5、31 引き出し収納部
6、32、38 前板部
7 左右両側の側板
8 底板
9、33、51、56 補助収納部
10、35 補助収納部の前面壁
11、34 補助収納部の側壁
12、36 補助収納部の底壁
13、53 補助収納部の取付板
14 サポートバー
15 水平部
16 凭れ部
17 サポートバーの基端部
18 取手
19、29、39 キャビネットの左右両側の側板
21、24、41、57 棚板
22、26、27 物品
23、25 棚板の基端部
28 棚板の上面の仕切用突縁
37 固定具
42、58 ヒンジ
52、55 開閉前板部

Claims (6)

  1. 収納部の上部に天板を備えたキャビネットであって、天板の下方で収納部の前側に位置する補助収納部を備え、補助収納部の少なくともその一部が、天板の前端より前方に位置しているとともに、補助収納部の上面に蓋部材を備えていることを特徴とするキャビネット。
  2. 請求項1記載のキャビネットであって、収納部は引き出し収納部であり、収納部を引き出すことで、補助収納部が同時に引き出されることを特徴とするキャビネット。
  3. 請求項2記載のキャビネットであって、蓋部材は収納部と同時に引き出されずに固定されていることを特徴とするキャビネット。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載のキヤビネットであって、蓋部材は使用者が凭れかかることが可能なサポートバーであることを特徴とするキャビネット。
  5. 請求項1から3のいずれかに記載のキャビネットであって、蓋部材の上面に物品載置部が形成されていることを特徴とするキャビネット。
  6. 請求項1又は2に記載のキャビネットであって、蓋部材がヒンジ部材によって開閉可能に取り付けられていることを特徴とするキャビネット。
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