JP4963236B2 - キャビネット - Google Patents
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本キャビネットによると、パネル部材の上側に位置する小物入れがパネル部材の側面にある物を収納する隙間よりも幅広なので、幅広の物を収納することができる。その上、キャビネット本体の収容空間の中で幅広の小物入れの下側ではパネル部材が立てた状態で設けられているので、該小物入れの下側に収納された物の出し入れが容易である。従って、キャビネット本体の収容空間が狭くても幅広の物を収納可能にしながら下部に収納された物の出し入れが容易になる。
なお、上記引出ユニット単体にも発明が存在し、当該発明も上述した作用、効果を奏する。
請求項2にかかる発明では、利用者が小物入れの位置を好みに応じて容易に変更することができるので、使い勝手を向上させることができる。
図1は、本発明のキャビネットとなるキッチン用のフロアキャビネット100を設置したシステムキッチンS1の要部の構築例を分解して示している。システムキッチンS1は、複数の構成要素が集合して形成される。各フロアキャビネット100,101,102,103は、隣り合うフロアキャビネット同士で対面する側板がねじやナット等などの固定部品で連結されることにより一体化され、上部の開口部にキッチンカウンタS2が載置されて固定される。キャビネット100〜103は、各種の基準間口幅があり、各種の基準間口幅のフロアキャビネットが任意に選択されて組み合わされることによりシステムキッチンS1が構築される。本発明のキャビネットは、基準間口幅が例えば15cmと狭いフロアキャビネット100に適用されると好適である。
キャビネット本体10では、一対の側板12,13の間に底板11、背板14、幕板15が架け渡されて固定され、箱体が構成されている。キャビネット本体の材質は、特に限定されず、木質素材、熱可塑性樹脂等の樹脂成形材料、ステンレス等の金属、等とすることができる。キャビネット本体10内には、引出ユニット20を収容する収容空間SP1が形成されている。本キャビネット100は、キャビネット本体10の収容空間SP1に対して引出ユニット20を水平な前後方向とされた引出方向D1へスライド可能に収容してなる。
引出ユニット20に設けられるパネル部材40は、キャビネット本体の収容空間SP1の中で上部(上部空間SP2)を空けながら側面(収納面40a)に物W1を収納する隙間CL1を形成するように立てた状態とされている。本実施形態のパネル部材40は、下部小物入れ52やフック54や幅広の小物入れ70等の被係止具を係止させるための係止用穴43が縦横に複数列形成された係止用板42と、パネル部材40の裏面40bを構成する裏板44とが若干間隔を空けて重ねられ、両板42,44の上下及び前後の縁部がともに枠部材46に係止されて互いに固定されている。従って、パネル部材40は、収納面40aに係止用穴43を多数有し、これらの係止用穴43が裏面40bで隠された面材とされている。パネル部材を構成する部材42,44,46の材質は、特に限定されないが、係止用板42や枠部材46の材質はある程度剛性が高い方が好ましいことからアルミニウムやステンレス等の金属が多くの場合用いられる。なお、厚肉構造としたり、リブを設けたりする等して剛性を高めたものであれば、樹脂成形品であっても良い。
なお、パネル部材の収納面はシステムキッチンの中央側にあると収納物の出し入れが容易になるので、幅の狭いキャビネットがシステムキッチンの中で右側にある場合にはキャビネット本体の収容空間の中でパネル部材を右側に寄せるとよい。
引出ユニットで立てて設けられたパネル部材の係止用穴43に対して、収納面40a側から小物入れ52,70等の被係止具に設けられた係止部を挿入し、該係止部をパネル部材40に係止させると、被係止具をパネル部材の収納面40aに対して固定することができる。なお、下部の小物入れ52は調味料やラップといった比較的小さい物を収納するための物入れとされ、フック54は比較的小さい調理器具等を掛止するための掛止具とされ、上部の小物入れ70は洗剤といった比較的小さいながら幅広の物を収納するための物入れとされる。
以上より前板部60とパネル部材40とが一体化されているので、把手64を手で持って引いたり押したりすると、引出ユニット20全体が引出方向D1へ往復移動可能になり、収容空間SP1から引き出されたり収容空間SP1に収容されたりする。
係止部74は、例えば、複数の係止用穴43にてパネル部材40に係止されるよう小物入れ70に対して複数箇所設けられる。各係止部74は、例えば、本体部72にて下方へ突出した金属線材の端部を着脱可能に挿入するための挿入穴を上部に有し、パネル部材40に係止された状態で前記挿入穴に金属線材の端部を挿入して本体部72を下から支持する。係止部74は、例えば、樹脂成形材料を成形することにより形成されるが、金属の加工品等でもよい。
キャビネット本体10については、各板11〜15を加工し、側板12,13の間に底板11、背板14、幕板15を架け渡して固定することにより、形成される。このキャビネット本体10とパネル部材40との間にスライドレール30を取り付けると、キャビネット本体10に対してパネル部材40がスライド可能に設置される。このパネル部材40の前縁部に前板部60を取り付け、同パネル部材40の上部に幅広の小物入れ70を取り付けると、キャビネット100が形成される。同パネル部材の収納面40aには、適宜、小物入れ52やフック54を取り付けることができる。
なお、キャビネットを組み立てる順番は、適宜、変更可能である。
以下、図5を参照して、本キャビネットの作用、効果を説明する。
パネル部材40の上側に設けられた小物入れ70は、キャビネット本体の収容空間SP1の中でパネル部材の収納面40aに形成される隙間CL1よりも幅広とされているので、隙間CL1よりも幅広の物W2を収容することができる。これにより、下部の収納物W1よりも幅広の物W2が小物入れの本体部72に収容され、キャビネット本体の上部空間SP2に収納される。従って、パネル部材40の厚みをデッドスペースにすることなく収納スペースとすることができるとともに、キャビネット本体の側壁12a,13a間の内寸を有効活用することができる。
従って、キャビネット本体の収容空間が狭くても幅広の物を収納可能にしながら下部に収納された物の出し入れを容易にさせることが可能になり、収容空間を有効活用して使い勝手を向上させることが可能になる。
本発明のキャビネットは、種々の変形例が考えられる。
本発明を適用可能なキャビネットは、キッチンキャビネット以外にも、洗面化粧台等が考えられる。
上記キャビネット本体には、該キャビネット本体専用の天板が側板間に架け渡されていてもよい。
上記スライド機構は、パネル部材とキャビネット本体との間以外に設けられてもよい。例えば、スライド機構の一方をキャビネット本体に取り付け他方を前板部に取り付けてもよいし、スライド機構の一方をキャビネット本体に取り付け他方を幅広の小物入れに取り付けてもよいし、スライド機構の一方をキャビネット本体に取り付け引出ユニットを構成する他の部材に他方を取り付けてもよい。また、キャビネット本体に対してパネル部材をスライド可能に取り付ける第一のスライド機構と、パネル部材の上側でスライドするように幅広の小物入れをキャビネット本体に対してスライド可能に取り付ける第二のスライド機構とが同時に設けられてもよい。
上記パネル部材は、一つの引出ユニットの中で複数に分割されて設けられてもよい。
上記係止用板の縁部を厚く形成したり、上記係止用板の4辺に折返し部を形成したりして上記枠部材の代替部分とすると、上記枠部材を省略することができる。
むろん、パネル部材は、係止用穴を有するパネル部材や格子パネル部材以外にも、被係止具を固定するための突出部を有するパネル部材等でもよい。また、パネル部材は、収納面に小物入れやフック等の被係止具が一体化された部材でもよい。
むろん、引出ユニットを水平方向において複数に分割したキャビネットも、本発明に含まれ、上述した作用、効果が得られる。
本変形例でも、利用者が幅広の小物入れ470の位置を好みに応じて前後方向へ容易に変更することができるので、下部の収納物をさらに容易に出し入れすることができる。その上、パネル部材に対する幅広の小物入れの着脱も非常に容易であるので、この点でも下部の収納物をさらに容易に出し入れすることが可能になる。従って、キャビネットの使い勝手がさらに向上する。
14…背板、15…幕板、
20…引出ユニット、
30…スライドレール、
40…パネル部材、40a…収納面、40b…裏面、
42…係止用板、43…係止用穴、44…裏板、46…枠部材、
52…下部小物入れ、54…フック、
60…前板部、62…前板、64…把手、
70…幅広の小物入れ、72…本体部、74…係止部、
100,200,300,400,500…フロアキャビネット(キャビネット)、
CL1…隙間、
D1…引出方向、
S1…システムキッチン、S2…キッチンカウンタ、
SP1…収容空間、SP2…上部空間、
W1…下部の収納物、W2…幅広の収納物、
Claims (2)
- キャビネット本体の収容空間に対して引出ユニットをスライド可能に収容するキャビネットであって、
前記引出ユニットは、前記収容空間の中で上部を空けながら左側又は右側に寄せて該寄せた側とは反対側の側面に物を収納する隙間を形成するように立てた状態とされたパネル部材が設けられるとともに、前記収容空間の中で前記パネル部材の側面に形成される前記隙間よりも幅広とされた小物入れが前記パネル部材の上側に位置するように前記パネル部材に対して取り付けられていることを特徴とするキャビネット。 - 前記小物入れが前記パネル部材に対して前記引出ユニットの引出方向へスライド可能に取り付けられたことを特徴とする請求項1に記載のキャビネット。
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