JP5087178B2 - 顕微鏡用物体の検査及び操作のための装置及び方法 - Google Patents

顕微鏡用物体の検査及び操作のための装置及び方法 Download PDF

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Description

本発明は、顕微鏡用物体(被観察試料)の検査及び操作のための装置及び方法に関し、特に、請求項1ないし請求項6の上位概念に対応するものに関する。
この種の装置は、実務上以前から既知である。ここでは、例えば、Karl Otto Greulich著“Micromanipulation by Light in Biology and Medicine”, Birkhaeuser Verlag 1999を指摘するに留める。その記載によると、合焦されたレーザ光線を用いて物体を顕微鏡で検査するとき、粒子(物体)に力が加わり、粒子は細かく砕かれたり、穴があけられたり、或いは剥離されたりすることがある。
「ケージ化化合物」−結合(“Caged-Compound”-Verbindungen)は、紫外線の照射により結合が切れ、カルシウム又は遊離性グルタミン酸塩は、細胞内で更なる反応を惹き起すことができる(光活性化)。光活性化は、2光子過程によっても行うことができる。これについては、例えば、走査型(ラスタ)顕微鏡において蛍光着色物質による2光子吸収の使用が記載されている米国特許US5,034,613及びドイツ特許DE44 14 940を指摘するに留める。
現在では、物体操作用のレーザ光線は、伝統的な光学顕微鏡の光線路に入射結合される。物体の操作は、一般に、顕微鏡ステージで試料(物体)を移動させることにより行われる。この時、物体の操作と物体の検査ないし観察は、従来の顕微鏡の蛍光光線モード或いは透過光線モードで行われる。
しかし物体に関するこれらの検査及び操作は、伝統的な顕微鏡の結像特性のため、顕微鏡対物レンズの焦点深度(ないし被写界深度)の範囲内の物体領域は二次元でしか結像されないという問題がある。
ここで、光軸に沿った−顕微鏡対物レンズの焦点深度と比べて−大きい広がりをもつ物体に対し検査及び操作を行うものとすれば、一方では、前述の結像問題が生じ、他方、顕微鏡対物レンズの焦平面に関し平行な種々の面内で物体の操作を行うことは簡単にはできない。その理由は、光軸に沿った種々の位置に関する複数の物体部位へ同時に操作するために、操作されるべき光の焦点(複数)をそれに応じて種々に調節しなければならないからであろうが、このことは現状では、物体操作用の従来の装置では想定されていない。
超微細メス(ナノメータオーダのメス)に対するレーザの使用は、三次元の物体へ円筒形の切片を形成するには不利であり、そのためこの種の操作は多くの使用に対し不適合である。
ドイツ特許DE 199 24 709から、構造体を迅速に、高分解能でかつ正確に位置決めできる装置が既知である。とりわけこの装置では顕微鏡の対物レンズレボルバを光軸に沿って位置決めすることができる(対物レンズレボルバスキャニング装置)。
DE 196 53 413ないしEP 0 753 779から、コリメートされたレーザ光線が20〜50の照明光焦点を以って顕微鏡の中間像面ないし物体面へ合焦できる装置が既知である。光は、蛍光物体の2光子励起に適合するレーザ光線である。
DE 196 54 210 C2及びDE 100 33 549.7から、互いに垂直をなす2つの方向で実質的に光線を偏向するための、それ自体は好ましい装置が既知である。
DE 44 14 940及びUS 5,034,613から、蛍光物体を2光子過程により励起して蛍光発光させる共焦点走査型(ラスタ)顕微鏡が既知である。
US 5,034,613 DE 44 14 940 DE 199 24 709 DE 196 53 413 EP 0 753 779 DE 196 54 210 C2 DE 100 33 549.7
それゆえ本発明の課題は、光軸に沿ったその広がりが使用される顕微鏡対物レンズの焦点深度より大きい三次元物体をも検査及び操作する装置及び方法を提供することであり、その際三次元物体のあらゆる位置における物体操作が可能であるべきである。
上記の課題は、装置の観点では、請求項1の特徴により解決される。即ち、本発明の第一の視点において、(a)顕微鏡;(b)照明光線路を規定し、物体を照明するための少なくとも1つの第一光源;(c)検出光線路を規定し、物体からの戻り光を検出するための検出器;(d)操作光線路を規定し、物体を操作するための第二光源を有する顕微鏡用物体の検査及び操作用の装置において、
顕微鏡は、共焦点走査型顕微鏡であり、
第一光線偏向装置が、照明光線路に配され、第二光線偏向装置が、操作光線路に配されているとともに、照明光線路における光の偏向は、操作光線路における光の偏向と独立に行われること、及び
前記操作光線路と前記検出/照明光線路は、一方の光線偏向装置のスキャニングミラーを介して結合(光路の共通化)が可能であり、該スキャニングミラーは、前記2つの光線路の一方に対して透過性でありかつ他方に対してミラーとして作動することを特徴とする(形態1・第1基本構成)。
更に、上記課題は、方法の観点においては、請求項6の特徴により解決される。即ち、本発明の第二の視点において、(a)顕微鏡;(b)物体を照明するための第一光源;(c)照明光線路;(d)物体からの戻り光を検出するための検出器;(e)検出光線路;(f)物体を操作するための第二光源;(g)操作光線路を用いる顕微鏡用物体の検査及び操作方法において、
顕微鏡は、共焦点走査型顕微鏡であり、
第一光線偏向装置が、照明光線路に配され、第二光線偏向装置が、操作光線路に配されているとともに、照明光線路における光の偏向は、操作光線路における光の偏向と独立に行われること、及び
前記操作光線路と前記検出/照明光線路は、一方の光線偏向装置のスキャニングミラーを介して結合(光路の共通化)が可能であり、該スキャニングミラーは、前記2つの光線路の一方に対して透過性でありかつ他方に対してミラーとして作動することを特徴とする(形態6・第2基本構成)。
本発明の各独立請求項1及び6によりそれぞれ対応する所定の課題として掲げる効果が達成される。即ち、光軸に沿ったその広がりが使用される顕微鏡対物レンズの焦点深度より大きい三次元物体をも検査及び操作をすることができ、また、三次元物体のあらゆる位置における物体操作が可能である。
各従属請求項により、更に付加的な効果が、前述の通りそれぞれ達成される。
顕微鏡用物体の検査及び操作用装置に関する本発明の第一実施例の模式図。 顕微鏡用物体の検査及び操作用装置に関する本発明の第二実施例の模式図。 顕微鏡用物体の検査及び操作用装置に関する本発明の第三実施例の模式図。 筋肉細胞の収縮力を求めるための本発明の方法の一過程の模式図。 図4に描かれた面に垂直な断面の模式図。 3つの細胞間での情報伝達を検査するための本発明の一過程の模式図。
以下に、本発明の好ましい実施の形態を示す。
(形態1) 上掲。
(形態2) 上記の装置において、操作光線路と検出/照明光線路が、互いに大きく離隔しているとともに、検出/照明光線路が、顕微鏡対物レンズを通過し、操作光線路が、顕微鏡対物レンズの焦平面に関し顕微鏡対物レンズと対向配置される光学系を通過することが好ましい。
(形態3) 上記の装置において、操作光線の合焦位置が、その光軸に沿って変更可能であるとともに、合焦位置の変更は、光源と物体との間で摺動可能に配される合焦手段により行われることが好ましい。
(形態4) 上記の装置において、操作光線は、光学ピンセットとして及び/又は超微細メス(ナノメータオーダのメス)として利用されること、及び操作光線の合焦形態を変更するために、ズーム光学系が、操作光線路に配されていることが好ましい。
(形態5) 上記の装置において、顕微鏡に、一又は複数の光線偏向装置に結合可能な顕微鏡インターフェースが配されていることが好ましい。
(形態6) 上掲。
(形態7) 上記の方法において、物体の操作が、共焦点的(コンフォカールな)物体検出と同時に行われることが好ましい。
(形態8) 上記の方法において、物体が、操作中において三次元的に検出されることが好ましい。
(形態9) 上記の方法において、物体の操作が、三次元的に、(とりわけ顕微鏡対物レンズの焦平面に平行な面内ないし面間で)行われることが好ましい。
(形態10) 上記の方法において、操作光線が、蛍光着色物質の消光及び/又ケージ化化合物−結合(Caged-Compound-Verbindung)を誘導することが好ましい。
(形態11) 上記の方法において、検出される物体が、操作部位と一緒に(好ましくはモニタに)表示されるとともに、表示は二次元及び/又は三次元で行われ、及び三次元の表示の遠近法的観察点が任意に選択されることが好ましい。
(形態12) 上記の方法において、物体は、複数の照明光焦点又は1つの線状の照明パターンで走査されることが好ましい。これは迅速な撮像を行うことに資する。
本発明において、第一に確認されていることは、物体から生じかつ焦点深度範囲の外部に由来する光(部分光)は、共焦点原理に基づき、有効に抑制ないし阻止されうる(検出されない)ことである。更に共焦点走査型顕微鏡の光軸に沿った分解能は、伝統的な光学顕微鏡の対応する分解能より大きく、そのため一方では、操作されるべき物体の三次元での結像が可能であり、他方−物体の当該三次元情報に基づき−三次元での物体操作が可能にされる。光軸に沿った高分解能での三次元物体情報は、操作光線の正確な三次元制御のための前提条件である。
具体的な実施形態においては、照明光線の偏向は、光線偏向装置により行われる。操作光線も同様に光線偏向装置により偏向される。照明光線の偏向は、操作光線の偏向とは独立して行われる。というのは、一般に、照明光線は物体の二次元又は三次元での検出に用いられ、そして操作光線は物体ないし物体領域の操作に用いられるので、照明光線を偏向するには別の偏向(操作)が必須だからである。
有利な実施形態では、操作光線路と検出/照明光線路とは互いに大きく離隔している。このため例えば検出/照明光線は、顕微鏡対物レンズを通過することができかつ操作光線路は顕微鏡対物レンズの焦平面に関し顕微鏡対物レンズと対向配置される光学系を通過できる。この光学系は、最も簡単な形態では、顕微鏡コンデンサとして構成されうるであろうが、光学系として他の顕微鏡対物レンズを使用することも同様に可能である。
操作光線路と検出/照明光線路とが少なくとも部分的に重なり合う場合は、操作光線路と検出/照明光線路とがビームスプリッタにより結合(ほぼ同一の光路を共有)可能にされている。この場合ビームスプリッタは、クロイックビームスプリッタ(Farbstrahlteiler)或いは偏光ビームスプリッタとして構成されうるであろう。
とりわけ有利な実施形態では、光軸に沿った操作光線の合焦位置が変更(ないし調節)可能である。これにより三次元での物体操作を行うことができるとともに、操作光線の合焦位置を光軸に沿った種々の位置で調節することができ、そのため物体操作は顕微鏡対物レンズの瞬間的に調節されるその都度の所定焦点深度範囲を越えた物体領域においても行うことができる。具体的には、操作光線の合焦位置の変更は、光源と物体との間で摺動可能に配置された合焦手段により行うことができるであろう。
操作光線の合焦位置の変更は、好ましい実施例においては、照明光線の合焦位置の変更を伴う。とりわけ、両光線の合焦位置の変更が同時に行われることが予定されている。この場合、合焦(位置)の変更は、例えば、DE199 24 709から既知の共通の対物レンズレボルバスキャン装置(Objectivrevolverscananordnung)によって行うことができるであろう。この場合、検出/照明光線路と操作光線路とは、対物レンズレボルバスキャン装置によって作動される光学部材(例えば顕微鏡対物レンズの形態で実施されている)によって共通に運動する。
好ましい実施形態では、操作光線は、光学ピンセット及び/又は超微細メス(ナノメータオーダのメス:Nannoskalpell)として利用される。操作光線の合焦形態を変更するために、ズーム光学系が操作光線路内に配されている。そのため例えば操作光線の合焦半径をズーム光学系により縮小又は拡大することができ、それにより操作されるべき物体に作用する力の変更を惹き起し、或いは超微細メスの形態を変更できる。
照明光線及び/又は操作光線の入射結合(光路の共有:Einkoppeln)のために、少なくとも1つのスペクトル選択要素が配されている。このスペクトル選択要素により、少なくとも1つの所定の波長の光を選択しかつそれぞれの光線路へ結合すること及び/又は結合されるべき光の光パワー(Lichtleistung)を変化することができる。スペクトル選択要素は、AOTF(音響光学的チューナブルフィルタ:Acousto-Optical-Tunable-Filter)、AOBS(音響光学的ビームスプリッタ:Acousto-Optical-Beam-Splitter)、AOD(音響光学的偏向器:Acousto-Optical-Deflector)、及び/又はEOM(電子光学的モジュレータ:Electro-Optical-Modulator)を含みうるであろう。またスペクトル選択要素は、制御コンピュータにより、好ましくは照明光線位置及び/又は操作光線位置に依存して制御されうるであろう。このため複数の波長の光を照明光線路及び/又は操作光線路へ選択的に入射結合することができ、結合される光パワーも対応する光線位置に応じて制御することができる。とりわけこれにより操作光線の迅速なオンオフ切替を実現することができるが、これは、1つの操作光線で複数の操作部位を同時に操作する場合、一般に必要である。
とりわけ有利な方法では、物体の操作は三次元的に行われる。この場合とりわけ、顕微鏡対物レンズの焦平面に平行な面(複数)内においても、種々異なる操作部位で物体を操作することが想定されている。
個々の物体ないし物体領域間の結合力を間接的に測定することが、本発明の方法で行うことができる。このため、物体ないし物体領域と繋がっている少なくとも2つの操作部位を光学ピンセットで捉え、かつその捉えた状態でピンセットの操作を移動方向制御する(auslenken)ことができる。
他の一方法では、物体ないし物体領域と繋がっている少なくとも2つの操作部位が光学ピンセットで捉えられる。物体を操作するとき、操作部位及び/又は物体の変化が検出される。物体の操作は、この時、操作光線で誘導できるであろう。操作光線は、例えば、蛍光着色剤の消光又はケージ化化合物−結合(Caged-Compound-Verbindung)の解離(ないし籠入物質の解放)を誘導しうるであろう。
例えば、この方法により、筋肉繊維の収縮力を間接的に測定することができる。そのために、ケージ化化合物放出カルシウム(Caged-Compound-Release-Calcium)を含む筋肉繊維を調製し、検査ないし操作のために本発明の顕微鏡システムへ組込むことができる。物体検出のために、筋肉繊維は連続的に波長が488nmの照明光で走査される。筋肉繊維の領域でのみ、操作光線路を介して紫外線(例えば365nm)が照射され、これによりケージ化化合物放出カルシウムは解放され、筋肉繊維は収縮する。筋肉繊維の両末端部には、同様にアクチン又はミオシンが予備的に結合された。アクチン又はミオシンは、前もって光学ピンセットで捉えられたものである。
更に、物体操作は、細胞間情報伝達の検査のために利用されうることが想定されている。細胞間情報伝達は、一方では電気的情報伝達により、他方では、例えばカルシウムのような神経伝達物質により行われる。この検査は、例えばDE 196 54 210又はDE 100 33 549の光線偏向装置で達成可能な迅速な物体検出を必要とする。
操作部位とともに、検査及び操作の間に検出された物体は、有利にはモニタに表示される。この場合、二次元及び/又は三次元の表示が想定されている。三次元表示は、有利には、遠近法的描写で行われ、遠近法的描写点は、任意に選択される。この描写点の選択は、例えばマウス又はジョイスティックのような入力装置で行うことができるであろう。
物体を検査するために、物体からの及び場合によっては更に操作部位からの蛍光光及び/又は反射光が検出されることが想定されている。蛍光の励起は、この場合、例えばドイツ特許DE 44 14 940又は米国特許US 5,034,613に記載されているような多光子励起法でも行うことができるであろう。
更なる変形例においては、例えば、「ミニラボ(ミニ実験室:Mini-Labor)」を本発明の顕微鏡システムで実現することもできる。このミニラボは、物体に種々の処理工程を施す種々の領域を物体撮像装置内に有しうる。この種々の領域は、種々の周囲媒体ないし埋込媒体を有し、そのため処理工程の各々に適合する境界条件が存在しうるであろう。物体は、光学ピンセットで、ある領域から他の領域へ移動させ、そこで例えば連続的な物体検出を行う場合に、細胞の部分又は完全な細胞核を細胞から切除し、更に、他の光学ピンセットで他の領域へ移動させ、そこで切除された細胞核を更に処理することもできるであろう。
物体を迅速に撮像するという観点から、物体は、複数の照明光焦点又は1つの線状の照明パターンで走査されかつそれに応じて検出される。複数の照明光焦点で物体を走査するために、例えばDE 196 53 413又はEP 0 753 779から既知の装置(この装置は、二光子−蛍光励起と関連して作動する)を使用することができる。
とりわけ好ましい方法では、少なくとも1つの、物体の二次元又は三次元部分領域が固定され、物体は、大きい光子統計量(一定時間中に記録される光子の数:Photonenstatistik)、低下された走査速度及び/又はより大きい位置(ないし空間)分解能で検出することができる。この部分領域は、有利には、物体の検査されるべき部分領域であり、この領域は用途の各々に関連している。(物体の)その他の領域はより低い光子統計量、より大きい又は最大の走査速度及び/又はより低い位置分解能で検出することができるであろう。
本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。なお、特許請求の範囲に付した図面参照符号は専ら発明の理解を助けるためのものであり、本発明を図示の態様に限定することは意図していない。
図1には、顕微鏡用物体(被観察試料)1の検査及び操作のための装置が記載されている。この装置は、(図1において)単に顕微鏡対物レンズとして描かれた顕微鏡2、物体1の照明用の2つの光源3及び4、照明光線路5、物体1からの戻り光を検出するための検出器6、検出光線路7、物体操作用の第二の光源8及び操作光線路9を含む。
第一の光源3及び4の少なくとも1つからの光は、ビームスプリッタ(Strahlteiler)10により入射結合(光軸を共通に)され、ダイクロイックビームスプリッタ11の方向へ反射される。ダイクロイックビームスプリッタ11で反射される第一の光源3及び4からの照明光は、光線偏向装置12により、互いに実質的に垂直な2つの方向へ偏向される。そのために、カルダン式に(kardanisch)懸架されかつ互いに垂直に配された2つの軸(不図示)周りに回転させられうるスキャニングミラー13が設けられている。スキャニングミラー13で反射された光は、模式的に描かれた顕微鏡2へ入力結合(入射)され、照明光は顕微鏡対物レンズ2により物体領域で合焦される。
本発明では、顕微鏡は、例えば、照明用ピンホール14及びこれと光学的に共役するコンフォカールな検出器用ピンホール15を有する共焦点走査型(ラスタ)顕微鏡である。
図1〜図3の実施例では、2つの光線偏向装置12及び16が配されている。この場合、第1の光線偏向装置12は、照明光線5を偏向し、第2の光線偏向装置16は、操作光線9を偏向する。照明光線5の偏向は、操作光線9の偏向とは独立に行われる。第1の光線偏向装置12は、配線17を介して制御用コンピュータ18により制御される。第2の光線偏向装置16は、制御線19を介して制御用コンピュータ18により制御される。
図3(の実施例)では、操作光線路9は、検出光線路7と照明光線路5とから遠く隔てられて配されている。この場合、照明光線路5ないし検出光線路7は、顕微鏡対物レンズ2を通過し、操作光線路9は、顕微鏡対物レンズ2の焦平面に関し顕微鏡対物レンズ2と対向する位置に配される第二の顕微鏡対物レンズ20を通過する。
図1及び2には、操作光線路9と検出/照明光線路7及び5とは、ビームスプリッタ21ないしスキャニングミラー13を介して結合される(少なくともビームスプリッタ21ないしスキャニングミラー13と物体1との間においてほぼ同一の光路を共有させる)。この場合、図2のビームスプリッタ21は、操作用光源8からの光を顕微鏡対物レンズ2へ向けて反射しかつ照明光5と検出光7に対しては透過性であるクロイックビームスプリッタ(Farbstrahlteiler)として構成されている。図1の光線偏向装置12のスキャニングミラー13は、照明/検出光線路5及び7と操作光線路9との結合に使用される。この場合、スキャニングミラー13は、操作用光源8からの光に対しては透過性であり、照明/検出光5及び7に対しては、スキャニングミラー13で顕微鏡対物レンズ2へ向けて反射する。
本発明によれば、顕微鏡用物体1の検査及び操作方法では、物体の操作は、コンフォーカルな(共焦点的)物体検出と同時に行われる。物体操作の間、三次元的物体検出が行われる。図4は、xy断面の形態で検出された三次元物体データセットの部分図である。図5は、yz断面の形態で検出された同一の(物体の)データセットの部分図である。この場合、物体操作は、一方では二点鎖線で示されたxz操作面24において並びに同様に二点鎖線で示されたxz操作面25において三次元的に行われる。この2つの面24及び25は、顕微鏡対物レンズ2の焦平面と平行である。
図4及び図5には、筋肉細胞26の収縮力を求めるための実施された本発明の方法が記載されている。この場合、筋肉細胞26と繋がっている2つの操作部位29及び30は、2つの光学ピンセット27及び28で捉えられている。操作部位29及び30は、筋肉細胞26とアクチン結合(Aktin-Verbindung)31を介してそれぞれ結合している。図示されていない他の操作光線で物体を操作した後、筋肉細胞26内に調製されたケージ化化合物放出カルシウム(Caged-Compound-Release-Calcium)が遊離され、そのため筋肉細胞26は収縮するが、このことは、画像部分図22及び23内の2つの矢印で示されている。筋肉細胞26は、物体操作前後及び操作中、絶えず検出され、そのため筋肉細胞26の収縮に基づき惹き起された操作部位29及び30の位置変動も検出可能であり、収縮力(の大きさ)の定量も可能である。
検出された物体1及び26は、操作部位29及び30とともに共焦点走査型顕微鏡の操作コンピュータ32のモニタ31で表示される。この場合、表示は、例えば図4及び図5のxy−及びyz−断面22及び23の形態で二次元で行われる。図4には、合焦照明光の走査パターンが模式的に描かれているが、より単純な表示を行うために、y方向の走査パターンの走査間隔は大きくされている。
図6には、3つの細胞33、34及び35を収容するxy断面が記載されている。これらの細胞では、細胞から細胞へと伝えられる情報伝達が検査される。ここでは、細胞34及び35は、物体操作のため紫外線でそれぞれ照射され、それにより各細胞の中に調製されたケージ化カルシウム結合が開裂し、遊離するカルシウムが、細胞34ないし35内で反応を惹き起す。所定の時間窓ないし枠以内で、細胞34の刺激情報が細胞33に入力されるとき、細胞35の反応は、細胞33に生じる(伝わる)ことはできない。そのため2つの細胞34及び35は、所定の時間間隔で紫外線照射される。この時間間隔は、実験を繰り返すたびに徐々に短縮され、ついには2つの細胞34及び35はほぼ同時に紫外線照射される。同様に細胞(複数)内に調製された蛍光物質−カルシウム−インジケータ(Fluoreszenz-Calcium-Indikator)も、情報伝達の検出ができる。
最後にとりわけ注意すべきことは、上述の実施例は単に特許請求された教示の説明のために過ぎず、本発明を実施例に限定する意図はないことである。また、請求の範囲に付した図面参照符号も、発明の理解の容易化のために過ぎず、本発明を図示の態様に限定することを意図しない。
1 物体
2 顕微鏡(対物レンズ)
3 第一光源
4 第一光源
5 照明光線路
6 検出器
7 検出光線路
8 第二光源
9 操作光線路
10 ビームスプリッタ
11 ダイクロイックビームスプリッタ
12 第一光線偏向装置
13 スキャニングミラー
14 照明用ピンホール
15 検出器用ピンホール
16 第二光線偏向装置
18 制御用コンピュータ
20 第二の顕微鏡対物レンズ
21 ビームスプリッタ
22 画像部分図
23 画像部分図
26 筋肉細胞
27 光学ピンセット
28 光学ピンセット
29 操作部位
30 操作部位
31 アクチン結合

Claims (12)

  1. (a)顕微鏡(2);(b)照明光線路(5)を規定し、物体(1)を照明するための少なくとも1つの第一光源(3、4);(c)検出光線路(7)を規定し、物体(1)からの戻り光を検出するための検出器(6);(d)操作光線路(9)を規定する、物体(1)を操作するための第二光源(8)
    を有する顕微鏡用物体の検査及び操作用の装置において、
    前記顕微鏡(2)は、共焦点走査型顕微鏡であり、
    第一光線偏向装置(12)が、前記照明光線路(5)に配され、第二光線偏向装置(16)が、前記操作光線路(9)に配されているとともに、該照明光線路(5)における光の偏向は、該操作光線路(9)における光の偏向と独立に行われること、及び
    前記操作光線路(9)と前記検出/照明光線路(7、5)は、一方の光線偏向装置(12)のスキャニングミラー(13)を介して結合が可能であり、該スキャニングミラー(13)は、前記2つの光線路の一方に対して透過性でありかつ他方に対してミラーとして作動すること
    を特徴とする装置。
  2. 前記操作光線路(9)と前記検出/照明光線路(7、5)は、互いに大きく離隔しているとともに、該検出/照明光線路(7、5)は、顕微鏡対物レンズ(2)を通過し、該操作光線路(9)は、該顕微鏡対物レンズ(2)の焦平面に関し該顕微鏡対物レンズ(2)と対向配置される光学系(20)を通過すること
    を特徴とする請求項1に記載の装置。
  3. 操作光線の合焦位置は、その光軸に沿って変更可能であるとともに、該合焦位置の変更は、光源(8)と物体(1)との間で摺動可能に配される合焦手段により行われること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の装置。
  4. 前記操作光線は、光学ピンセット(27、28)として及び/又は超微細メスとして機能すること、及び該操作光線の合焦形態を変更するために、ズーム光学系が、前記操作光線路(9)に配されていること
    を特徴とする請求項1〜3の一に記載の装置。
  5. 前記顕微鏡には、前記一又は複数の光線偏向装置(12、16)に結合可能な顕微鏡インターフェースが配されていること
    を特徴とする請求項1〜4の一に記載の装置。
  6. (a)顕微鏡(2);(b)物体(1)を照明するための第一光源(3、4);(c)照明光線路(5);(d)物体(1)からの戻り光を検出するための検出器(6);(e)検出光線路(7);(f)物体(1)を操作するための第二光源(8);(g)操作光線路(9)を用いる
    顕微鏡用物体の検査及び操作方法において、
    前記顕微鏡は、共焦点走査型顕微鏡であり、
    第一光線偏向装置(12)が、前記照明光線路(5)に配され、第二光線偏向装置(16)が、前記操作光線路(9)に配されているとともに、該照明光線路(5)における光の偏向は、該操作光線路(9)における光の偏向と独立に行われること、及び
    前記操作光線路(9)と前記検出/照明光線路(7、5)は、一方の光線偏向装置(12)のスキャニングミラー(13)を介して結合が可能であり、該スキャニングミラー(13)は、前記2つの光線路の一方に対して透過性でありかつ他方に対してミラーとして作動すること
    を特徴とする方法。
  7. 物体の操作は、共焦点的な物体検出と同時に行われること
    を特徴とする請求項6に記載の方法。
  8. 物体は、前記操作中において三次元的に検出されること
    を特徴とする請求項6又は7に記載の方法。
  9. 前記物体の操作は、三次元的に行われること
    を特徴とする請求項6〜8の一に記載の方法。
  10. 操作光線は、蛍光着色物質の消光及び/又はケージ化化合物−結合(Caged-Compound-Verbindung)を誘導すること
    を特徴とする請求項6〜9の一に記載の方法。
  11. 検出される物体(26)は、操作部位(29、30)と一緒に表示されるとともに、該表示は二次元及び/又は三次元で行われ、かつ三次元の表示の遠近法的観察点が任意に選択されること
    を特徴とする請求項10に記載の方法。
  12. 物体は、複数の照明光焦点又は1つの線状の照明パターンで走査されること
    を特徴とする請求項6〜11の一に記載の方法。
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