JP5081245B2 - 指向性マイクロホン装置 - Google Patents

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    • H04R3/005Circuits for transducers, loudspeakers or microphones for combining the signals of two or more microphones

Description

本発明は、指向性マイクロホン装置に関し、特に、機器内蔵型マイクロホンばかりでなく一般の指向性マイクロホンとして広く用いられる音圧傾度型指向性合成による指向性マイクロホン装置に関するものである。
機器内蔵型マイクロホンばかりでなく一般の指向性マイクロホンとして広く用いられる音圧傾度型の指向性マイクロホン装置がある。音圧傾度型の指向性合成方法では、小型で指向性を有するマイクロホン装置を形成できるメリットを持つが、信号の合成時に音圧感度が低下してしまう。音圧傾度型の指向性合成方法では、信号の合成時にマイクロホンユニットの熱雑音やマイクアンプの熱雑音レベルに対して、マイクロホンの感度が低下してしまい、S/N(Signal to Noise ratio)の劣化が問題となる。特に、複数マイクロホンユニットの出力信号から音圧傾度型の指向性合成を行う場合、熱雑音の影響が無視できないという問題のために指向性を持つ周波数帯域の低域限界やマイクロホンアレイの小型化の限界を生じるという問題がある。
図1は、従来の指向性マイクロホン装置1の構成を示すブロック図である。
指向性マイクロホン装置1は、第1のマイクロホンユニット11、第2のマイクロホンユニット12、第2のマイクロホンユニット12からの出力信号が入力され、入力されたその信号を遅延させる信号遅延手段14、第1のマイクロホンユニット11からの出力信号から、信号遅延手段14からの出力信号を減算する信号減算手段15、および信号減算手段15からの出力信号が入力され、入力されたその信号の周波数特性を補正して出力する周波数特性補正手段16を備える。
以上のように構成された従来の指向性マイクロホン装置1についてその動作を説明する。
図1における従来の指向性マイクロホン装置1の構成は、2つのマイクロホンユニットから音圧傾度型で指向性を得るマイクロホンの基本構成を示している。図1では、図中に示す正面方向に対して奥行き方向に距離d離して第1のマイクロホンユニット11と第2のマイクロホンユニット12とが配置されている。
第1のマイクロホンユニット11からの出力信号の感度特性をms1(ω)、第2のマイクロホンユニット12からの出力信号の感度特性をms2(ω)、音源S方向をθ(正面=0°)、および音速=cとしたとき、信号減算手段15からの出力信号での、音源Sに対する感度特性D(θ,ω)は、(数1)で表すことができる。
Figure 0005081245
ここで、exp(−jωτ)は、信号をτ遅延させることを示している。(数1)は、例えば、第2のマイクロホンユニット12からの出力信号をτ遅延させて信号減算手段15に入力させる信号は、音源S方向の角度θによっては、第1のマイクロホンユニット11の信号を打ち消すことを表している。すなわち、(数1)により、指向性マイクロホン装置1は指向性をもつことが示されている。
一方、第1のマイクロホンユニット11からの出力信号の熱雑音特性をmn1(ω)、第2のマイクロホンユニット12からの出力信号の熱雑音特性をmn2(ω)とすると、信号減算手段15からの出力信号での熱雑音特性N(ω)は、(数2)で表すことができる。
Figure 0005081245
ここで、mn1(ω)とmn2(ω)とは個々のマイクロホンユニットの熱雑音であるから互いに独立である。そのため、熱雑音信号の平均パワスペクトルは次式となる。
Figure 0005081245
したがって、mn1(ω)とmn2(ω)のレベルが等しいとすると、N(ω)の平均スペクトルは、mn1(ω)が約3dB上昇したものすなわち約倍となる。
以下、第1のマイクロホンユニット11と第2のマイクロホンユニット12との間隔であるマイクロホンユニット間隔をd=10mmとして上記の式を計算した結果について示す。
図2A〜Cは、従来の指向性マイクロホン装置1の各処理ブロックの音圧周波数特性を示す図である。図2Aは、第1のマイクロホンユニット11および第2のマイクロホンユニット12における正面方向の感度特性と熱雑音スペクトルとを示す図である。図2Bは、信号減算手段15における正面方向の感度特性と熱雑音スペクトルとを示す図である。図2Cは、周波数特性補正手段16における正面方向の感度特性と熱雑音スペクトルとを示す図である。
図3A〜Cは、従来の指向性マイクロホン装置1の各処理ブロックの指向性パタンを示す図である。図3Aは、第1のマイクロホンユニット11および第2のマイクロホンユニット12における指向性パタンである。図3Bは、信号減算手段15における指向性パタンである。図3Cは、周波数特性補正手段16における指向性パタンである。
信号減算手段15の出力信号における正面方向の感度特性は、(数1)を計算した結果から図2Bの実線のように示される。すなわち、波長の長い低音域ほど感度が低下し、その傾斜は6dB/octとなる。
一方、信号減算手段15の出力信号における熱雑音は、第1のマイクロホンユニット11と第2のマイクロホンユニット12とからの熱雑音を表す(数2)および(数3)を計算した結果から図2Bの点線のように示される。すなわち、熱雑音は、信号減算手段15での演算結果、3dB上昇することになる。
また、信号減算手段15からの出力信号は、第1のマイクロホンユニット11および第2のマイクロホンユニット12の配列と音波の波長との関係から6dB/octの傾斜で低域下がりの音圧周波数特性となる。そのために、周波数特性補正手段16では、図2Cに示すように正面方向の音圧感度が平坦になるように低域を6dB/octの傾斜で増幅する。
その結果、周波数特性補正手段16からの指向性出力信号は、同じ音波に対する正面感度で比較すると、熱雑音レベルが例えば低域(100Hz)において、約30dBも上昇することとなる(音圧周波数特性図の図2Aおよび図2Cを参照)。
また、指向性パタンは、図3Aに示されるように、第1のマイクロホンユニット11と第2のマイクロホンユニット12とでは無指向性を示すのに対して、指向性マイクロホン装置1の出力信号は、図3B、図3Cに示すように単一指向性(ただし、τ=d/cのとき)を示すことになる。
通常、広く用いられるECM(エレクトレットコンデンサマイクロホン)のS/Nは、約58〜60dB程度(基準音圧レベル=94dBspl(1kHz))である。騒音レベル30dB(A)程度の静かな環境では、暗騒音よりECMの熱雑音が若干大きく、聴感的に感知できるレベルである。しかし、例えば、マイクロホンユニット間隔d=10mm程度の小型指向性マイクロホン装置1を2個のマイクロホンユニットを用いて構成した場合、前述したように、指向性合成によって熱雑音レベルが30dB(at 100Hz)も上昇する。その結果、小さな音が熱雑音に埋もれて聞こえない状態(感度が低い)となって実用上の問題が発生する。
そこで、図2Cでも分かるように熱雑音レベルの上昇の問題は原理上低い周波数ほど大きくなることから、別の従来の構成方法として、低域を感度の良い無指向性とし、高域のみに指向性を持たせるマイクロホン装置が提案されている(特許文献1参照)。
図4は、従来の指向性マイクロホン装置10の構成を示すブロック図である。
図4において、下記特許文献1における指向性マイクロホン装置10は、第1のマイクロホンユニット11、第2のマイクロホンユニット12からの出力信号が入力され、入力された信号の高域のみを通過させる高域通過フィルタ手段であるハイパスフィルタ13、第2のマイクロホンユニット12からの出力信号が入力され、入力された信号を遅延させる信号遅延手段14、ハイパスフィルタ13からの出力信号から信号遅延手段14からの出力信号を減算する信号減算手段15、信号減算手段15からの出力信号が入力され、入力された信号の周波数特性を補正する周波数特性補正手段16を備える。ここで、指向性マイクロホン装置10の出力信号は、周波数特性補正手段16からの出力信号である。
以下、指向性マイクロホン装置10の動作について説明する。
図4における別の従来の指向性マイクロホン装置10の構成は、2つのマイクロホンユニットから音圧傾度型で指向性を得るマイクロホンの基本構成における低域感度低下の課題に対して対策を行った構成を示している。図1における従来の指向性マイクロホン装置1と異なるところは、第1のマイクロホンユニット11の後段にハイパスフィルタ13が設けられているところであり、その他の構成は従来の指向性マイクロホン装置1と同様である。なお、以後の説明では、第1のマイクロホンユニット11と第2のマイクロホンユニット12とが無指向性である場合について説明する。
図4における指向性マイクロホン装置10の構成は、ハイパスフィルタ13の通過帯域である高域については、従来の指向性マイクロホン装置1と同等の構成となり、指向性を持つ出力信号が得られる。一方、ハイパスフィルタ13の阻止域である低域については、ハイパスフィルタ13において信号が減衰する。すなわち、指向性マイクロホン装置10の動作としては、第1のマイクロホンユニット11と第2のマイクロホンユニット12とのうち第2のマイクロホンユニット12からの出力信号のみが出力信号として出力される。したがって、低域は第2のマイクロホンユニット12が持つ無指向性、高域は第1のマイクロホンユニット11と第2のマイクロホンユニット12とから合成される第1次音圧傾度型の指向性を持つ指向性マイクロホン装置10となる。
図5は、従来の指向性マイクロホン装置10の音圧周波数特性を示す図である。
図5では、指向性マイクロホン装置10における指向性主軸方向の音圧感度特性と熱雑音のスペクトルが示されている。図5に示されるように、指向性マイクロホン装置10では、低域のみを無指向性化することによって、熱雑音上昇(感度低下)の課題を解決しつつ、高域で指向特性を得ることが可能となる。
特許第2770594号公報
しかしながら、上記従来の構成では、周波数帯域で無指向性領域と指向性領域を分けることで熱雑音の問題を解決するために、低域の熱雑音の問題を解決することと指向特性を得ることとを同時に満たすことができない。また、マイクアレイサイズの小型化が必要な場合や、より高次の音圧傾度型を用いて超指向性を得ようとする場合には、熱雑音の問題がより大きくなり無視できなくなる。したがって、従来の指向性マイクロホン装置10の構成では、小型であること、かつ、広い周波数帯域で所望の指向特性を得ることを同時に満たすことは難しいという問題がある。
そこで本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、指向性合成時の熱雑音の上昇の問題(感度低下の問題)を抑制し、高感度な指向性マイクロホン装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、マイクロホンに指向性を持たせる目的が目的音方向以外の音を除去したいことであると考え、除去すべき音は目的音の妨害となる大きな音であると言うことに着目し、信号波形の振幅域によって指向性を制御し、熱雑音の上昇を抑えながら指向性を得るものである。すなわち、指向性を必要とせず高感度を必要とする小振幅域は無指向性、指向性を必要とし高感度を必要としない大振幅域は有指向性、となるように振幅域によって指向性を制御することで、熱雑音の課題を解決し、高感度でありながら指向性を得ることを可能とする。
上記目的を達成するために、本願の発明は、指向性マイクロホン装置であって、少なくとも指向性および感度特性が異なる複数のマイクロホンと、前記複数のマイクロホンそれぞれから出力された信号を用いて、出力信号を生成する制御手段と、前記制御手段で生成された前記出力信号を出力する出力部とを備え、前記制御手段は、前記指向性マイクロホン装置に到来する音波の小振幅領域では指向性が鈍く感度が高い状態になるように、かつ、前記音波の大振幅領域では、感度が低いが指向性が有るように前記出力信号を生成することを特徴とするものである。
また、前記複数のマイクロホンは、目的音方向に指向性主軸が向けられた第1のマイクロホンと、第1のマイクロホンに比較して指向性が鋭く、目的音方向に指向性主軸が向けられた第2のマイクロホンとからなり、前記指向性マイクロホン装置は、さらに、前記第1のマイクロホンまたは前記第2のマイクロホンから出力された信号の振幅レベルを検出する信号振幅レベル検出手段を備え、前記制御手段は、前記信号振幅レベル検出手段において、前記信号の振幅が小さいと検出されたときに前記第1のマイクロホンから出力された信号の比率を高め、前記信号の振幅が大きいと検出されたときに前記第2のマイクロホンから出力された信号の比率を高めるよう、前記第1のマイクロホンから出力された信号と第2のマイクロホンから出力された信号とを混合することで前記出力信号を生成することを特徴としてもよい。
また、前記複数のマイクロホンは、目的音方向に感度を持つ第1のマイクロホンと、第1のマイクロホンに比較して指向性が鋭く、目的音方向に指向性死角が向けられた第2のマイクロホンとからなり、前記制御手段は、前記第2のマイクロホンから出力される信号における熱雑音レベルの雑音成分を抑圧する雑音抑圧手段と、前記第1のマイクロホンから出力される信号から、前記雑音抑圧手段から出力される信号を減算することで、前記出力信号を生成する減算手段とを備えることを特徴としてもよい。
また、前記雑音抑圧手段は、前記出力信号の小振幅域のみの増幅率を低減させる非直線増幅特性に従い、熱雑音レベルの雑音成分を抑制することを特徴としてもよい。
また、前記雑音抑圧手段が、熱雑音レベルの定常雑音を抑圧する手法を用い、かつ、小振幅領域のみの増幅率を低減させる非直線増幅特性に従い、熱雑音レベルの雑音成分を抑制することを特徴としてもよい。
また、さらに、前記第2のマイクロホンと前記雑音抑圧手段との間に前記第2のマイクロホンから出力される信号の熱雑音成分を白色化する白色化フィルタ手段と、前記雑音抑圧手段と前記減算手段との間に前記雑音抑圧手段から出力される信号が入力される前記白色化フィルタの逆特性を持つ白色化逆フィルタ手段とを備えることを特徴とすることを特徴としてもよい。
また、前記第1のマイクロホンと前記第2のマイクロホンとはそれぞれ、同一特性の第1のマイクロホンユニットと第2のマイクロホンユニットとから出力される信号の合成によって得られるマイクロホンであり、前記第1のマイクロホンは、前記第1のマイクロホンユニットおよび前記第2のマイクロホンユニットから出力される信号のいずれかから、または、前記第1のマイクロホンユニットおよび前記第2のマイクロホンユニットから出力される信号から、高感度になる加算型の合成によって得られ、前記第2のマイクロホンは、前記第1のマイクロホンユニットおよび前記第2のマイクロホンユニットから出力される信号から、目的音に近い側の信号を遅延させて減算して目的音方向に感度死角を形成する信号の合成によって得られることを特徴としてもよい。
また、さらに、前記第1のマイクロホンから出力される信号と前記第2のマイクロホンから出力される信号とのレベル変化量の違いに基づいて、前記第2のマイクロホンから出力される信号の熱雑音レベルを推定する熱雑音推定手段を備え、前記雑音抑圧手段は、前記熱雑音推定手段で推定される熱雑音レベルに基づいて、前記第2のマイクロホンから出力される信号における熱雑音レベルの雑音成分を抑圧する処理をすることを特徴としてもよい。
また、前記第1のマイクロホンユニットから出力される信号と前記第2のマイクロホンユニットから出力される信号とは、周波数帯域に分割されて処理が行われることを特徴としてもよい。
また、前記雑音抑圧手段は、目的音に対して前記第1のマイクロホンより前記第2のマイクロホンの方での感度が低くなる低域のみを雑音抑圧周波数帯域とし、前記雑音抑圧周波数帯域に対して熱雑音レベルの雑音成分を抑圧することを特徴としてもよい。
なお、本発明は、装置として実現するだけでなく、このような装置が備える処理手段を備える集積回路として実現したり、その装置を構成する処理手段をステップとする方法として実現したり、それらステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現したりすることもできる。
本発明によれば、指向性合成時の熱雑音の上昇の問題(感度低下の問題)を抑制し、高感度な指向性マイクロホン装置を実現することができる。言い換えると、複数のマイクロホンからの信号合成で指向性を得る音圧傾度型の指向性合成を行う本発明の指向性マイクロホン装置では、感度劣化なしに(熱雑音レベルの上昇なしに)良好なマイクロホン指向性を得ることができる。
図1は、従来の指向性マイクロホン装置1の構成を示すブロック図である。 図2Aは、第1のマイクロホンユニット11および第2のマイクロホンユニット12における正面方向の感度特性と熱雑音スペクトルとを示す図である。 図2Bは、信号減算手段15における正面方向の感度特性と熱雑音スペクトルとを示す図である。 図2Cは、周波数特性補正手段16における正面方向の感度特性と熱雑音スペクトルとを示す図である。 図3Aは、第1のマイクロホンユニット11および第2のマイクロホンユニット12における指向性パタンである。 図3Bは、信号減算手段15における指向性パタンである。 図3Cは、周波数特性補正手段16における指向性パタンである。 図4は、従来の指向性マイクロホン装置10の構成を示すブロック図である。 図5は、従来の指向性マイクロホン装置10の音圧周波数特性を示す図である。 図6は、本発明の実施の形態1における指向性マイクロホン装置1000の構成を示すブロック図である。 図7は、本発明の実施の形態1における高感度化合成手段20の構成を示す図である。 図8は、本発明の実施の形態1における指向性合成手段30の構成を示す図である。 図9は、本発明の実施の形態1における増幅率GBの非直線増幅特性例を示す図である。 図10(a)は、高感度化合成手段20での出力信号xAの波形の例を示す図である。図10(b)は、指向性合成手段30での出力信号xBの波形の例を示す図である。図10(c)は信号加算手段70からの出力信号yの波形の例を示す図である。 図11は、本発明の実施の形態1における信号振幅と指向性制御領域の関係図である。 図12は、本発明の実施の形態1における信号振幅と指向性制御領域の関係図である。 図13は、本発明の実施の形態2における指向性マイクロホン装置1001の構成を示すブロック図である。 図14は、本発明の実施の形態2における指向性合成手段30の構成例を示す図である。 図15Aは、高感度化合成手段20での出力信号xAの波形の例を示す図である。 図15Bは、指向性合成手段30での出力信号xBの波形の例を示す図である。 図15Cは、雑音抑圧手段100からの出力信号xCの波形の例を示す図である。 図15Dは、信号減算手段71からの出力信号yの波形の例を示す図である。 図16は、本発明の実施の形態2における雑音抑圧手段100の別の構成例を示す図である。 図17は、本発明の実施の形態2における雑音抑圧手段100の別の構成例を示す図である。 図18は、本発明の実施の形態3における指向性マイクロホン装置1002の構成を示すブロック図である。 図19は、本発明の実施の形態3におけるマイクロホンユニットからの熱雑音スペクトル測定結果を示す図である。 図20は、本発明の実施の形態3における指向性マイクロホン装置1002の別の構成を示すブロック図である。 図21は、本発明の実施の形態4における指向性マイクロホン装置1004の構成を示すブロック図である。 図22は、指向性マイクロホン装置1004における熱雑音抑圧推定手段300の具体的な構成を示すブロック図である。 図23は、指向性マイクロホン装置1004における熱雑音抑圧推定手段300の具体的な機能構成を示すブロック図である。 図24は、信号xA、信号xBの時間変化量PA、PBの関係を示す図である。
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図6は、本発明の実施の形態1における指向性マイクロホン装置1000の構成を示すブロック図である。
指向性マイクロホン装置1000は、第1のマイクロホンユニット11、第2のマイクロホンユニット12、高感度化合成手段20、指向性合成手段30、混合比算出手段40、第1の信号増幅手段50、第2の信号増幅手段60、信号加算手段70、および出力端子80を備える。
図6において、第1のマイクロホンユニット11、第2のマイクロホンユニット12で、目的音(音源A)に近い方を第1のマイクロホンユニット11、非目的音(音源B)に近い方を第2のマイクロホンユニット12になるように配置されている。
高感度化合成手段20は、第1のマイクロホンユニット11からの出力信号m1と第2のマイクロホンユニット12からの出力信号m2とが入力され、指向性マイクロホン装置1000の音圧感度が高まる信号合成を行う。
指向性合成手段30は、第1のマイクロホンユニット11からの出力信号m1と第2のマイクロホンユニット12からの出力信号m2とが入力され、目的音(音源A)方向に指向性主軸が向く指向性が得られる信号合成を行う。
混合比算出手段40は、指向性合成手段30からの出力信号が入力され、その入力信号の振幅値を基に、信号加算手段70での信号の混合比を決める増幅率GAと増幅率GBとを算出する。
第1の信号増幅手段50は、混合比算出手段40で算出され出力された増幅率GAを基に、入力された高感度化合成手段20からの出力信号を信号増幅する。
第2の信号増幅手段60は、混合比算出手段40で算出され出力された増幅率GBを基に、入力された指向性合成手段30からの出力信号を信号増幅する。
信号加算手段70は、入力された第1の信号増幅手段50からの出力信号と第2の信号増幅手段60からの出力信号との信号加算を行い、出力端子80に出力する。
以上のように指向性マイクロホン装置1000は構成される。
なお、混合比算出手段40、第1の信号増幅手段50、第2の信号増幅手段60および信号加算手段70は、制御手段401を構成するとしてもよい。
次に、指向性マイクロホン装置1000の動作の説明をする。
図7は、本発明の実施の形態1における高感度化合成手段20の構成を示す図である。
高感度化合成手段20は、第1の信号遅延手段21、信号加算手段22、および信号増幅手段23を備える。ここで、高感度化合成手段20では、例えば、図7のように、目的音(音源A)に対してマイクロホンの絶対感度が高まるように(音圧感度に対して熱雑音が低くなるように)、同相加算が行われる。
具体的には、マイクロホンユニット間隔をdとしたときに、第1のマイクロホンユニット11からの出力信号を、第1の信号遅延手段21によって、遅延時間τ1=d・cos(θ1)/c(ただし、cは音速。図6においてはθ1=0。)遅らせて、信号加算手段22によって、第2のマイクロホンユニット12からの出力信号と加算する。このようにすることで、同相加算の効果によって絶対感度はマイクロホンユニットが2個の場合で約3dB上昇する。
なお、マイクロホンユニット間隔dは、指向性マイクロホン装置1000が必要とする周波数帯域や装着スペースの制約によって決定されるため、その値は任意であるが、ここでは、周波数帯域の観点からd=5mm〜30mm程度の範囲を考えている。
図8は、本発明の実施の形態1における指向性合成手段30の構成を示す図である。
指向性合成手段30は、第2の信号遅延手段31、信号減算手段32、および周波数特性補正手段33を備える。
指向性合成手段30では、例えば、図8のように、目的音(音源A)に対して感度が高く、非目的音(音源B)に対して感度が低くなるような指向性合成が行われるよう音圧傾度型の指向性合成が行われる。
具体的には、マイクロホンユニット間隔をdとしたときに、第2のマイクロホンユニット12からの出力信号を、第2の信号遅延手段31によって、遅延時間τ2=d・cos(θ2)/c(ただし、cは音速。図6においてはθ2=0。)遅らせて、信号減算手段32によって、第1のマイクロホンユニット11からの出力信号から減算する。
このようにすることで、音圧傾度型の指向性合成が行われ、目的音(音源A)の方向に指向性主軸が向いた指向性出力信号が得られる。
周波数特性補正手段33は、入力された信号減算手段32からの出力信号の正面感度特性をフラットに戻す補正を行うことで、高感度化合成手段20の目的音(音源A)に対する音圧感度を等しくする。
この時点で、高感度化合成手段20からは、指向性はほぼ無指向性であるが絶対感度が高い出力信号xAが得られる。一方、指向性合成手段30からは、指向性を持つが音圧傾度型の課題である感度の低い出力信号xBが得られる。
混合比算出手段40と第1の信号増幅手段50と第2の信号増幅手段60とは、高感度化合成手段20と指向性合成手段30とからの2つの特徴を持つ信号の混合比率を、指向性合成手段30からの出力信号振幅レベルによって、変化させるための構成である。
混合比算出手段40では、第1の信号増幅手段50と第2の信号増幅手段60とにおけるそれぞれの増幅率GAと増幅率GBを算出するために、例えば以下に示すような計算を行う。
指向性合成手段30からの出力信号の熱雑音振幅レベルNcが予め、第1のマイクロホンユニット11と第2のマイクロホンユニット12とのスペックなどから得られている。混合比算出手段40への入力信号をxBとすると、増幅率GBは、(数4)のように表すことができる。
Figure 0005081245
ただし、[・]max=1は、括弧内の値を最大1でクリップさせる意味を示す。
図9は、本発明の実施の形態1における増幅率GBの非直線増幅特性例を示す図である。図9では、(数4)を用いたときの増幅率GBの非直線増幅特性を示している。ここで、αを1より小さい値に設定すると、入力信号xBの振幅レベルが熱雑音最大振幅レベルNcのところではα倍となって減衰する。
Figure 0005081245
そのため、入力信号xBの振幅レベルが(数5)より大きい振幅領域では、リニアに波形をそのまま伝えるように動作する。したがって、指向性合成手段30からの指向性を有する出力信号は、混合比算出手段40において算出される増幅率GBによって、第2の信号増幅手段60で増幅制御が行われる。すなわち、指向性合成手段30からの出力信号は、熱雑音レベルの振幅域では信号が減衰され、(数5)より大きい振幅領域では、リニアに波形をそのまま伝えるように動作するので、大振幅の領域のみ波形が出力されることになる。
また、例えば、増幅率GAを、(数6)に従う動作を行うとする。
Figure 0005081245
この場合、増幅率GAは増幅率GBが小さくなるのを補うように動作することになる。
したがって、第1の信号増幅手段50と第2の信号増幅手段60とからの出力信号を加算する信号加算手段70の出力信号は、信号xBの振幅が小さいときには、GB<<GAとなり、高感度化合成手段20からの出力信号xAの波形が出力される。信号xBの振幅が大きいときには、GA<<GBとなり指向性合成手段30からの出力信号xBが出力される。したがって、指向性マイクロホン装置1000では、信号振幅が小さい時には高感度の信号xBが出力端子80より出力され、信号振幅が大きい時には指向性を持つ信号xAが出力端子80より出力されるように変化する制御が行われる。
図10(a)〜(c)は、本発明の実施の形態1における各処理ブロックの出力波形信号の例を示す図である。図10(a)では、高感度化合成手段20での出力信号xAの波形の例が示され、図10(b)では、指向性合成手段30での出力信号xBの波形の例が示されている。さらに、図10(c)では、信号加算手段70からの出力信号yの波形の例が示されている。
図10(a)の出力信号xAの波形は、音源Aと音源Bに対しての指向性は得られないが、信号振幅の小さい区間で熱雑音レベルが低いことが特徴である。ここでは、高感度化合成手段20で第1のマイクロホンユニット11および第2のマイクロホンユニット12の信号を同相加算することで、音圧感度に対して相対的に熱雑音が低くなっている。
図10(b)の出力信号xBの波形は、熱雑音レベルが高く感度が低い状態だが、音源Aと音源Bに対してBを抑圧する指向性が得られていることが特徴であることが分かる。ここでは、指向性合成手段30で第1のマイクロホンユニット11および第2のマイクロホンユニット12の信号を指向性合成することで、目的音(音源A)に対して感度が高く、非目的音(音源B)に対して感度が低くなっている。ただし、音圧感度に対して相対的に熱雑音が高くなっている。
図10(c)の出力信号yの波形は、指向性マイクロホン装置1000の出力信号の波形であり、小振幅域ではxA、大振幅域ではxBとなるように制御されている。図10(c)の出力信号yの波形より、指向性マイクロホン装置1000では、熱雑音レベルが低く、かつ指向特性のある出力信号が得られていることが分かる。
図11および図12は、本発明の実施の形態1における信号振幅と指向性制御領域の関係図である。
上述のようにして、指向性マイクロホン装置1000では、図11中に無指向性領域と示す領域、すなわち、その出力信号の振幅が小さい領域である小振幅領域では無指向性を示し、図11中に指向性領域で示す領域、すなわち、その出力信号の振幅が小さい領域である大振幅領域では指向性を示すように指向性制御することで、高感度を保ちつつ指向性を得ることができるようになる。
また、実施の形態1では、第2の信号増幅手段60におけるGBの決定を(数4)によって、信号xBの波形振幅レベルを基に一意に決める例を示した。しかし、信号xBの振幅量の変化に伴う信号xBと信号xAとの間の波形の切り替わりに平滑化処理を含めてもよい。その場合には、信号xBの振幅量の変化に伴う信号xBと信号xAとの間の波形の切り替わりの歪みの課題を低減することができる。次式は、平滑化パラメータをβとしたときのGB算出式の例である。
Figure 0005081245
このとき、指向性マイクロホン装置1000からの出力波形yは、図12のように指向性が鈍く感度が高い状態になる無指向性領域と、感度が低いが指向性が有る指向性領域との間の過渡領域、信号xBの振幅量の変化に伴う信号xBと信号xAとの間の波形の切り替わり期間がより大きくなる。
以上のようにして、小振幅領域を無指向性、大振幅領域を指向性となるように制御を行うことで、高感度(熱雑音レベルが低い)と指向性とを両立した指向性マイクロホン装置1000が実現できる。
なお、本実施の形態1では、第1のマイクロホンユニット11と第2のマイクロホンユニット12と高感度化合成手段20との構成から指向性はほぼ無指向性であるが絶対感度が高い出力信号xAを得る例を示したが、これに限らない。すなわち、第1のマイクロホンユニット11と第2のマイクロホンユニット12と高感度化合成手段20とを1つのマイクロホンとしてもよく、その1つのマイクロホンから指向性はほぼ無指向性であるが絶対感度が高い出力信号xAを得るとしてもよい。
同様に、第1のマイクロホンユニット11と第2のマイクロホンユニット12と指向性合成手段30との構成から指向性を持つが音圧傾度型の課題である感度の低い出力信号xBを得る例を示したが、これに限らない。すなわち、第1のマイクロホンユニット11と第2のマイクロホンユニット12と指向性合成手段30とを1つの指向性マイクロホンとしてもよく、その1つの指向性マイクロホンから指向性を持つが音圧傾度型の課題である感度の低い出力信号xBを得るとしてもよい。
(実施の形態2)
図13は、本発明の実施の形態2における指向性マイクロホン装置1001の構成を示すブロック図である。
指向性マイクロホン装置1001は、第1のマイクロホンユニット11、第2のマイクロホンユニット12、高感度化合成手段20、指向性合成手段30、信号減算手段71、出力端子80、および雑音抑圧手段100を備える。
図13において、第1のマイクロホンユニット11、第2のマイクロホンユニット12で、目的音(音源A)に近い方を第1のマイクロホンユニット11、非目的音(音源B)に近い方を第2のマイクロホンユニット12になるように配置されている。
高感度化合成手段20は、第1のマイクロホンユニット11からの出力信号m1と第2のマイクロホンユニット12からの出力信号m2とが入力され、指向性マイクロホン装置1001の音圧感度が高まる信号合成を行う。
指向性合成手段30は、第1のマイクロホンユニット11からの出力信号m1と第2のマイクロホンユニット12からの出力信号m2とが入力され、目的音(音源A)方向に指向性の死角が向く指向性が得られる信号合成を行う。
雑音抑圧手段100は、指向性合成手段30からの出力信号が入力され、入力された信号の熱雑音成分を除去しながら大振幅部分については熱雑音成分以外の波形を再現する。
信号減算手段71は、入力された高感度化合成手段20からの出力信号と雑音抑圧手段100からの出力信号との信号の減算を行い、出力端子80に出力する。
以上のように、指向性マイクロホン装置1001は構成される。
雑音抑圧手段100および信号減算手段71は、制御手段400を構成するとしてもよい。
次に、指向性マイクロホン装置1001について、動作の説明をする。
上述した実施の形態1においては、目的音(音源A)に対する出力端子80からの出力信号は、小振幅域と大振幅域とで、それぞれ高感度化合成手段20からの出力信号xAと指向性合成手段30からの出力信号xB間で混合比(ミキシング比)を変化させて合成するため、性質の異なる2つの信号の移り変わり部分での歪みが、目的音(音源A)に対して発生しやすい課題が存在する。
そこで、実施の形態2では、目的音(音源A)に対して歪みを発生させないように、混合比(ミキシング比)を調整しないで低振幅域と大振幅域との指向性を制御する指向性マイクロホン装置1001の構成を示している。
図14は、本発明の実施の形態2における指向性合成手段30の構成を示す図である。
図15A〜Dは、本発明の実施の形態2における各処理ブロックの出力波形信号の例を示す図である。図15Aは、高感度化合成手段20での出力信号xAの波形の例が示され、図15Bでは、指向性合成手段30での出力信号xBの波形の例が示されている。さらに、図15Cでは、雑音抑圧手段100からの出力信号xCの波形の例が示されて、図15Dでは、信号減算手段71からの出力信号yの波形の例が示されている。
高感度化合成手段20は、実施の形態1と同様の構成であり、目的音(音源A)に対してマイクロホンの絶対感度が高まるように(音圧感度に対して熱雑音が低くなるように)、同相加算を行う。出力信号xAの信号波形の例が図15Aに示されている。すなわち、音源Aと音源Bに対しての指向性は得られないが、信号振幅の小さい区間で熱雑音レベルが低いという特徴である。
指向性合成手段30は、図14に示すように、第2の信号遅延手段31、信号減算手段34、および周波数特性補正手段33を備える。実施の形態1における指向性合成手段30との違いは、第2の信号遅延手段31が第1のマイクロホンユニット11からの出力信号m1を遅らせる構成となっていることと、信号減算手段34の減算方向が信号減算手段32とは逆であるということである。
指向性合成手段30では、目的音方向に感度死角が向けられるように指向性の合成が行われる。例えば、図14のように、目的音(音源A)に対して感度が低く、非目的音(音源B)に対して感度が高くなるような指向性合成が行われるよう音圧傾度型の指向性合成が行われる。
具体的には、マイクロホンユニット間隔をdとしたときに、第1のマイクロホンユニット11からの出力信号m1を、第2の信号遅延手段31によって、遅延時間τ2=d/c(ただし、cは音速)遅らせて、信号減算手段34によって、第2のマイクロホンユニット12からの出力信号から減算する。
このようにすることで、音圧傾度型の指向性合成が行われ、目的音(音源A)の方向には感度死角が形成される。このとき、図15Bに示すように、指向性合成手段30からの出力信号xBは、音圧傾度型(減算型)の指向性合成であるために音圧感度が低下しており、音圧感度に対して相対的に熱雑音レベルが高くなる。しかし、指向性合成手段30からの出力信号xBは、目的音(音源A)を除去して非目的音(音源B)を指向性によって抽出できた信号出力となる。すなわち非目的音(音源B)に指向性主軸が向く指向性の信号出力が得られる。
また、図13に示す雑音抑圧手段100では、熱雑音レベルの小振幅レベルの波形振幅を抑圧する。例えば、前記の(数4)や(数7)などを用いることによって大振幅レベルの波形情報は維持したまま、小振幅域の信号を抑圧する。
図15Cには、雑音抑圧手段100の出力信号xCの例が示されている。すなわち、目的音方向の信号成分は、指向性合成手段30での指向性処理によって抑圧されており、小振幅域の信号は雑音抑圧手段100の処理によって抑圧されている。その結果、非目的音(音源B)の大振幅域の信号波形のみが、雑音抑圧手段100からの出力信号xCとして出力されることになる。
信号減算手段71は、ほぼ無指向性で絶対感度が高い高感度化合成手段20からの出力信号xAから、非目的音(音源B)方向に指向性を持ち、かつ、大振幅域の信号成分が支配的である雑音抑圧手段100からの出力信号xCを減算する。それにより、信号減算手段71は、非目的音(音源B)方向の感度をキャンセルできるので、図15Dに示すように、非目的音(音源B)の方向に指向性の感度死角を形成することができる。
また、信号減算手段71は、減算前に雑音抑圧手段100において小振幅域の信号を抑圧しているために、小振幅域では指向性の合成が行われないため、図15Dに示すように、高感度化合成手段20からの出力信号xAからの無指向性で絶対感度が高い信号を得ることができる。
以上、実施の形態2における指向性マイクロホン装置1001の構成によれば、目的音(音源A)に対しては直接的に非線形的な処理が加わることがないので、音質劣化や情報の欠落を発生しにくい。なぜならば、目的音信号成分に対しては、歪みの原因となる雑音抑圧手段100からの出力信号が十分に小さくなっていて、高感度化合成手段20からの出力信号xAがそのまま出力されるからである。
また、指向性マイクロホン装置1001の構成における非線形処理による歪みは、雑音抑圧手段100の部分で発生し、特に非目的音方向の小振幅域に現れ易い。しかし、雑音抑圧手段100で非直線増幅特性の適応制御など歪み対策の手法も応用できるため、実施の形態1よりも高音質な指向性マイクロホン装置1001が実現できることになる。
また、図16および図17は、本発明の実施の形態2における雑音抑圧手段100の別の構成例を示す図である。雑音抑圧手段100において、(数4)や(数7)のみで小振幅域の信号を抑圧した場合、非直線増幅による雑音抑圧の一般的な課題であるブリージングノイズ(大振幅の信号成分に連動して抑圧していたノイズが背景に出てくる現象)が発生する。しかし、例えば、図16に示すような、定常雑音抑圧手段101(スペクトル減算法など)と非直線増幅手段102とで従属の構成とする、または、同時に関数化することで、この問題は解決される。
また、雑音抑圧手段100において、図17に示すように、時間周波数領域変換手段110(図中FFTと表記)と周波数時間領域変換手段111(図中IFFTと表記)によって、周波数成分毎の処理としてもよい。
(実施の形態3)
図18は、本発明の実施の形態3における指向性マイクロホン装置1002の構成を示すブロック図である。
図18において、指向性マイクロホン装置1002は、第1のマイクロホンユニット11および第2のマイクロホンユニット12を備える。また、指向性マイクロホン装置1002は、信号加算手段22、信号増幅手段23、信号減算手段32、周波数特性補正手段33、信号遅延手段41、信号減算手段71、出力端子80、および雑音抑圧手段100を備える。
なお、以降の説明は、第1のマイクロホンユニット11と第2のマイクロホンユニット12とを結ぶ直線上において第1のマイクロホンユニット11側を正面とし、第2のマイクロホンユニット12側を背面とする。
信号遅延手段41は、第1のマイクロホンユニット11からの出力信号を遅延させて出力する。
信号加算手段22は、信号遅延手段41からの出力信号と第2のマイクロホンユニット12からの出力信号とを加算する。
信号増幅手段23は、信号加算手段22からの出力信号を減衰して信号減算手段71に出力する。
信号減算手段32は、第2のマイクロホンユニット12からの出力信号と信号遅延手段41からの出力信号とを減算する。
雑音抑圧手段100は、信号減算手段32からの出力信号を非直線増幅することによって小振幅域の信号振幅を抑圧する。
周波数特性補正手段33は、信号増幅手段23からの出力信号の背面感度特性と、雑音抑圧手段100からの出力信号の背面感度特性とが一致するように、雑音抑圧手段100からの出力信号の周波数特性を補正して信号減算手段71に出力する。
信号減算手段71は、信号増幅手段23からの出力信号と周波数特性補正手段33からの出力信号とを減算し、出力端子80に出力する。
以上のように、指向性マイクロホン装置1002は構成される。
次に、指向性マイクロホン装置1002について説明する。
図18に示す指向性マイクロホン装置1002において、実施の形態2で説明した指向性マイクロホン装置1001と異なるところは、実施の形態2における高感度化合成手段20と指向性合成手段30とを構成していた構成部分における第1の信号遅延手段21と第2の信号遅延手段31とを信号遅延手段41として共用して構成している点である。この構成部分に関する動作は一般的な指向性合成と変わりなく、実施の形態2と同様であるので説明を省略する。
また、実施の形態2では、図14に示すように周波数特性補正手段33の後段に雑音抑圧手段100が設けられていた。実施の形態3では、雑音抑圧手段100と周波数特性補正手段33の順番を逆にし、雑音抑圧手段100の後段に周波数特性補正手段33を設けている。
このようにすることで、雑音抑圧手段100が、帯域分割数の少ない非直線増幅特性のみで処理を行う場合、抑圧すべきマイクロホンユニットからの熱雑音スペクトル形状を平坦化する。したがって、雑音抑圧手段100の処理結果は良好になる。
また、周波数特性補正手段33の前段の雑音抑圧手段100で熱雑音スペクトル形状を平坦化することで、周波数特性補正手段33における性能改善や、帯域分割数などを削減でき、演算量の削減効果を得ることができる。
雑音抑圧手段100で抑圧すべき雑音を平坦化することが良い理由は、以下である。すなわち、本実施例において、帯域分割などを用いない非直線増幅特性を雑音抑圧の処理に用いる場合、全周波数帯域で抑圧される振幅レベルが同一となるため、入力信号側の雑音スペクトルを平坦化することで、過不足のない雑音の抑圧ができるためである。
また、図19は、本発明の実施の形態3におけるマイクロホンユニットからの熱雑音スペクトル測定結果を示す図である。図20は、本発明の実施の形態3における指向性マイクロホン装置1002の別の構成を示すブロック図である。
図18において、信号減算手段32からの出力信号xB0での実際の熱雑音スペクトルは、図19に示すようになる。したがって、熱雑音スペクトルをさらに精度よく平坦化するためには、図20に示す指向性マイクロホン装置1003のように、信号減算手段32と雑音抑圧手段100との間に白色化フィルタ手段200を設けることが好ましい。また、周波数特性補正手段33においては、白色化フィルタ手段200の逆特性も含めて補正を掛ける特性とするとさらに好ましい。
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4について、以下、図21から図24を用いて説明する。
図21は、本発明の実施の形態4における指向性マイクロホン装置1004の構成を示すブロック図である。図22は、指向性マイクロホン装置1004における熱雑音抑圧推定手段300の具体的な構成を示すブロック図である。図23は、指向性マイクロホン装置1004における熱雑音抑圧推定手段300の具体的な機能構成を示すブロック図である。
図21に示すように、指向性マイクロホン装置1004は、第1のマイクロホンユニット11、第2のマイクロホンユニット12、信号加算手段22、信号増幅手段23、信号減算手段32、周波数特性補正手段33、信号遅延手段41、信号減算手段71、出力端子80、雑音抑圧手段100、および熱雑音抑圧推定手段300を備える。図18と同様の要素には同一の符号を付しており、これらの構成と動作の原理は、実施の形態3の図18と同様であるので、詳細な説明は省略する。
図21に示す指向性マイクロホン装置1004は、実施の形態3の図18に係る指向性マイクロホン装置1002に対して、熱雑音抑圧推定手段300が設けられている構成が異なる。
熱雑音抑圧推定手段300は、信号加算手段22からの出力信号と信号減算手段32からの出力信号とが入力されて、入力されたそれら出力信号に基づいて信号減算手段32から出力される信号の熱雑音レベルを推定する。熱雑音抑圧推定手段300は、推定した信号減算手段32から出力される信号の熱雑音レベルについての情報を雑音抑圧手段100に与える。
図22では、図21に示す熱雑音抑圧推定手段300の具体的な構成例を示している。ここで、信号加算手段22からの出力信号をxA、信号減算手段32からの出力信号をxBとする。図23は、熱雑音抑圧推定手段300の具体的な機能構成を示しており、図22の構成に対応した機能構成を示している。
第1の信号帯域制限部321は、信号加算手段22からの出力信号xAが入力され、入力された信号の帯域を制限して出力する。
第1の信号パワ演算部322は、第1の信号帯域制限部321からの出力信号が入力されて信号の二乗を計算して出力する。
第1の信号平滑化部323は、第1の信号パワ演算部322からの出力信号が入力され、入力されたその信号の平滑化を行い、その信号の短時間平均パワを出力する。
第1の信号変化量抽出部324は、第1の信号平滑化部323からの出力信号が入力されて、入力されたその信号レベルの変化量を抽出して出力する。
第1の信号絶対値演算部325は、第1の信号変化量抽出部324からの出力信号が入力されて、入力されたその信号の絶対値を演算して出力する。
第2の信号平滑化部326は、第1の信号絶対値演算部325からの出力信号が入力されて、入力されたその信号の平滑化を行い出力する。
このようにして、信号加算手段22からの出力信号xAの変化から特徴を抽出している。
第2の信号帯域制限部331は、信号減算手段32からの出力信号xBが入力され、入力された信号の帯域を制限して出力する。
第2の信号パワ演算部332は、第2の信号帯域制限部331からの出力信号が入力されて、入力されたその信号の二乗を計算して出力する。
第3の信号平滑化部333は、第2の信号パワ演算部332からの出力信号が入力されて、入力されたその信号の平滑化を行い信号の短時間平均パワを出力する。
第2の信号変化量抽出部334は、第3の信号平滑化部333からの出力信号が入力されて、入力されたその信号レベル変化量を抽出して出力する。
第2の信号絶対値演算部335は、第2の信号変化量抽出部334からの出力信号が入力されて、入力されたその信号の絶対値を演算して出力する。
第4の信号平滑化部336は、第2の信号絶対値演算部335からの出力信号が入力されて、入力されたその信号の絶対値を演算して出力する。
このようにして、信号減算手段32からの出力信号xBの変化から特徴を抽出している。
熱雑音レベル判定手段350は、第2の信号平滑化部326からの出力信号と第4の信号平滑化部336からの出力信号とが入力され、入力された2つの入力信号から信号減算手段32からの出力信号xBが、熱雑音レベルにあるか否かを判定する。熱雑音レベル判定手段350は、その判定結果を平滑化および最小値保持手段360に出力する。
周波数分析部341は、信号減算手段32からの出力信号xBが入力され、入力されたその信号の周波数成分を分析して、各周波数成分の信号を出力する。
信号パワ演算部342は、周波数分析部341からの各周波数成分の出力信号が入力され、入力されたその信号の各周波数成分のパワを計算し出力する。
このようにして、信号減算手段32からの出力信号xBでのノイズレベルを抽出している。
平滑化および最小値保持手段360は、熱雑音レベル判定手段350からの判定結果から、熱雑音レベル判定手段350が熱雑音レベルであると判定した時のみに信号パワ演算部342からの出力信号を平滑化し、その最小値を保持する。平滑化および最小値保持手段360は、保持する最小値から推定した推定熱雑音レベルNc(ω)を雑音抑圧手段100に出力する。
このように、熱雑音レベル判定手段350は、構成される。
次に、実施の形態4における指向性マイクロホン装置1001の動作について説明する。
まず、図21および図22における熱雑音抑圧推定手段300の入力信号になる信号加算手段22からの出力信号xA、および、信号減算手段32からの出力信号xBの性質について説明する。
xA、xBの音波に対する振る舞いに関して説明する。信号加算手段22からの出力信号をxAは、第1のマイクロホンユニット11と第2のマイクロホンユニット12とからの出力信号を加算した信号である。そのため、指向特性は、マイクロホンユニット間隔よりも十分長い波長の低周波数領域で、ほぼ無指向性の特性を示す。音圧に対する感度は、マイクロホンユニット単体に対して6dB上昇したものとなる。
一方、信号減算手段32からの出力信号xBは、第1のマイクロホンユニット11と第2のマイクロホンユニット12とからの出力信号より、第1次音圧傾度型の指向性合成を行った状態である。そのため、指向特性は、マイクロホンユニット間隔よりも十分長い波長の低周波数領域で単一指向性を示すものの、音圧感度はマイクロホンユニット単体に対して、低域ほど感度減衰をしたものとなる。例えばマイクロホンユニット間隔を10mmとしたとき、100Hz付近では、30dB近く感度減衰したものとなる。
次に、xA、xBの熱雑音に対する振る舞いに関して説明する。第1のマイクロホンユニット11からの出力信号と第2のマイクロホンユニット12からの出力信号との熱雑音信号は、互いに相関のない独立な信号である。
したがって、信号加算手段22と信号減算手段32とにおける信号の加算と減算との演算結果、その信号に含まれる熱雑音信号のレベルは、3dB上昇して等しいものとなる。ただし、第1のマイクロホンユニット11と第2のマイクロホンユニット12の熱雑音とが等しいとする。
以上のことから、信号xAと信号xBの特徴は、両者の熱雑音レベルは等しいことと、低周波数領域の音圧感度において、信号xA>信号xBの関係があることである。
次に、指向性マイクロホン装置1004を通常使用している状態において、信号xAと信号xBの関係に基づいて信号xBの熱雑音レベルを推定する方法を説明する。
指向性マイクロホン装置1004が実環境で用いられる場合、暗騒音レベル(周囲の騒音レベル)が指向性マイクロホン装置1004の熱雑音レベルに対して十分に低いとき、信号の熱雑音レベルが特に問題になる。
ここで、暗騒音レベルが十分に低い状態、かつ、指向性マイクロホン装置1004に低い音圧レベルの音波が到来している状態を想定する。信号xAは音圧感度が高いため、音波の音圧を捕らえて信号が変化するが、信号xBは音圧感度が低いため、音波の音圧レベルが、熱雑音レベルの下に埋もれる状態が発生する。この状態で、信号xA、xBの信号レベルの変化量を観測すると、信号xAには到来する音波に従った信号レベルの時間変化が観測され、信号xBには到来する音波に無関係に信号レベルの変化が観測されない。
したがって、信号xAと信号xBの信号レベルの時間変化量PA、PBとしたとき、信号xAに信号レベルの時間変化があり(時間変化量PA>0)、信号xBに信号レベルの時間変化がない(時間変化量PB=0)のときに、信号xBは熱雑音信号が支配的であると判断できることになる。この前記条件を満たす場合に、信号xBの推定雑音レベルNc(ω)を求めることができる。
図24は、信号xA、信号xBの時間変化量PA、PBの関係を示す図である。
図24では、上段に信号の状態、すなわち指向性マイクロホンが置かれる音の環境を示し、下段に信号xA、信号xBの時間変化量PA、PBの関係を示したものである。図24では、時間変化量PA、PBと、周囲の音環境との関係を(A)〜(D)の4通りに分けた表にしている。
図24の表の(A)の欄は、暗騒音レベルが十分に低く、信号xAと信号xBが共に熱雑音信号が支配的で、信号の時間変化量PA、PBが共に0になる状態を示している。図18の表の(B)の欄は、暗騒音レベルが十分に低く、非定常性のある音波が到来している場合に、信号の時間変化量PA、PBがPA≠PB(PA>PB,PB=0)となる状態を示している。
図24に示す表の(C)の欄では、暗騒音レベルが高く周囲騒音が定常的なものである場合、信号xAと信号xBは共に到来する定常的な音波を捉えるが、信号の時間変化量PA、PBが共に0になる状態を示している。図24に示す表の(D)の欄では、暗騒音レベルが高い場合に、信号xAと信号xBとが共に到来する音波に従って信号レベル変化を起こし、信号の時間変化量PA、PBが共に等しく変化する状態を示している。
以上のように、図24に示す表の(B)の欄に相当するPA≠PB(PA>PB,PB=0)の状態を捕らえることによって、定常騒音と熱雑音信号とを見分けることが可能となるので、熱雑音レベルの推定が行える。
図22および図23は、熱雑音抑圧推定手段300において、上記の動作を具体的に行えるようにする構成と機能構成の例である。
信号変化量PAを得るために、まず、入力信号xAに対して、第1の信号帯域制限部321で、判定に使用する周波数帯域を中低域に制限し、第1の信号パワ演算部322で、時間波形を信号パワに変換する。次に、第1の信号平滑化部323で信号パワの時間包絡に変換し、第1の信号変化量抽出部324で、ハイパスフィルタなどを用いて、時間微分で変化量を抽出する。さらに、第1の信号絶対値演算部325と第2の信号平滑化部326とによって、変化量をパラメータ化し、信号レベル変化がない場合は0を、信号レベル変化がある場合は信号レベル変化が大きいほど値が大きくなる信号変化量パラメータPAを出力する。
入力信号xBに対しても、入力信号xAと同様の処理をする。第2の信号帯域制限部331、第2の信号パワ演算部332、第3の信号平滑化部333、第2の信号変化量抽出部334、第2の信号絶対値演算部335および第4の信号平滑化部336によって、信号レベル変化がない場合は0を、信号レベル変化がある場合は信号レベル変化が大きいほど値が大きくなる信号変化量パラメータPBを出力する。
熱雑音レベル判定手段350では、信号レベル時間変化量PAと信号レベル時間変化量PBとに基づいて、図23に示すように、PA≠PB(PA>PB,PB=0)の条件に合致する場合にxBは熱雑音信号レベルを表していると判定する。
xBが熱雑音信号レベルを表していると判定される場合、xBを周波数分析する周波数分析部341と、周波数分析された各成分のパワを演算する信号パワ演算部342と、信号パワ成分の平滑化とその最小値保持を行う平滑化および最小値保持手段360とによって、推定熱雑音レベルNc(ω)が得られる。
このようにして、熱雑音抑圧推定手段300によって得られた推定熱雑音レベルNc(ω)が、雑音抑圧手段100の熱雑音レベルNc(ω)として用いられることによって、第1のマイクロホンユニット11および第2のマイクロホンユニット12の熱雑音レベルや、感度特性が製造上ばらついてしまう場合でも、実使用環境で補正を行うことができるようになる。そのため、熱雑音抑制効果の改善を行うことが可能となる。
以上、本発明によれば、指向性合成時の熱雑音の上昇の問題(感度低下の問題)を抑制し、高感度な指向性マイクロホン装置を実現することができる。
従来の音圧傾度型指向性マイクロホンは低域の音圧感度が低下するため、相対的に熱雑音レベルが上昇し、アレイサイズに制限がある場合に絶対感度が不足する問題があり、小型化や指向性の狭角度化に限界があった。本発明では、マイクロホンに指向性を持たせる目的が目的音方向以外の音を除去したいことであると考え、除去すべき音は目的音の妨害となる大きな音であると言うことに着目した。本発明では、信号波形の振幅域によって指向性を制御することで、熱雑音の上昇を抑えながら指向性を得る指向性マイクロホン装置を実現することができる。すなわち、指向性を必要とせず高感度を必要とする小振幅域では無指向性となるように、かつ、指向性必要とし高感度を必要としない大振幅域は有指向性となるように、出力される信号の振幅域によって指向性を制御することで、熱雑音の課題を解決し、高感度でありながら指向性を得ることを可能とする指向性マイクロホン装置を実現することができる。
(その他変形例)
なお、本発明を上記実施の形態および変形例に基づいて説明してきたが、本発明は、上記の実施の形態に限定されないのはもちろんである。以下のような場合も本発明に含まれる。
(1)上記、マイクロホンユニットを除く各処理手段(高感度化合成手段20、指向性合成手段30等)は、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、などから構成されるコンピュータシステムとして実装される。RAMには、コンピュータプログラムが記憶されている。
マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、各装置は、その機能を達成する。ここでコンピュータプログラムは、所定の機能を達成するために、コンピュータに対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。
(2)上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、1個のシステムLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)から構成されているとしてもよい。
システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIである。具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムである。RAMには、コンピュータプログラムが記憶されている。
マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
(3)上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、各装置に脱着可能なICカードまたは単体のモジュールから構成されているとしてもよい。
ICカードまたはモジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどから構成されるコンピュータシステムである。ICカードまたは前記モジュールは、上記の超多機能LSIを含むとしてもよい。
マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、前記ICカードまたは前記モジュールは、その機能を達成する。このICカードまたはこのモジュールは、耐タンパ性を有するとしてもよい。
(4)本発明は、上記に示す方法であるとしてもよい。また、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしてもよいし、コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしてもよい。
また、本発明は、コンピュータプログラムまたはデジタル信号をコンピュータ読み取り可能な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、BD(Blu−ray Disc)、半導体メモリなどに記録したものとしてもよい。また、これらの記録媒体に記録されているデジタル信号であるとしてもよい。
また、本発明は、コンピュータプログラムまたはデジタル信号を、電気通信回線、無線または有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしてもよい。
また、本発明は、マイクロプロセッサとメモリを備えたコンピュータシステムであって、メモリは、上記コンピュータプログラムを記憶しており、前記マイクロプロセッサは、前記コンピュータプログラムにしたがって動作するとしてもよい。また、プログラムまたはデジタル信号を前記記録媒体に記録して移送することにより、またはプログラムまたはデジタル信号を、ネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしてもよい。
(5)上記実施の形態および上記変形例をそれぞれ、組み合わせる構成としてもよい。
本発明は、指向性マイクロホン装置に利用でき、特に、音圧傾度型指向性合成で課題となる熱雑音の上昇を抑え、指向特性を得ながら高感度特性を同時に有し、機器内蔵型の小型指向性マイクロホン等として有用である。また、例えば補聴器やカムコーダの指向性マイクロホンなど超指向性でかつ高感度が必要な遠隔収音システムや、通常の指向性マイクロホンの用途にも応用できる。
1、10、1000、1001、1002、1003、1004 指向性マイクロホン装置
11 第1のマイクロホンユニット
12 第2のマイクロホンユニット
13 ハイパスフィルタ
14、41 信号遅延手段
15、32、34、71 信号減算手段
16 周波数特性補正手段
20 高感度化合成手段
21 第1の信号遅延手段
22、70 信号加算手段
23 信号増幅手段
30 指向性合成手段
31 第2の信号遅延手段
33 周波数特性補正手段
40 混合比算出手段
50 第1の信号増幅手段
60 第2の信号増幅手段
80 出力端子
100 雑音抑圧手段
101 定常雑音抑圧手段
102 非直線増幅手段
110 時間周波数領域変換手段
111 周波数時間領域変換手段
200 白色化フィルタ手段
300 熱雑音抑圧推定手段
321 第1の信号帯域制限部
322 第1の信号パワ演算部
323 第1の信号平滑化部
324 第1の信号変化量抽出部
325 第1の信号絶対値演算部
326 第2の信号平滑化部
331 第2の信号帯域制限部
332 第2の信号パワ演算部
333 第3の信号平滑化部
334 第2の信号変化量抽出部
335 第2の信号絶対値演算部
336 第4の信号平滑化部
341 周波数分析部
342 信号パワ演算部
350 熱雑音レベル判定手段
360 平滑化および最小値保持手段

Claims (9)

  1. 指向性マイクロホン装置であって、
    目的音方向に感度を持つ第1のマイクロホンと、
    第1のマイクロホンに比較して指向性が鋭く、目的音方向に指向性死角が向けられた第2のマイクロホンと、
    前記第2のマイクロホンから出力される信号における熱雑音レベルの雑音成分を抑圧する雑音抑圧手段と、
    前記第1のマイクロホンから出力される信号から、前記雑音抑圧手段から出力される信号を減算することで、出力信号を生成する減算手段と、
    前記減算手段で生成された前記出力信号を出力する出力部とを備える
    ことを特徴とする指向性マイクロホン装置。
  2. 前記出力信号は、前記第1のマイクロホンおよび前記第2のマイクロホンから出力される信号の信号振幅が熱雑音レベル相当の小振幅領域では指向性が鈍く感度が高い状態になるように、かつ前記信号振幅が熱雑音レベルより大きい大振幅領域では感度が低いが指向性が鋭い
    ことを特徴とする請求項1記載の指向性マイクロホン装置。
  3. 前記雑音抑圧手段は、前記出力信号の小振幅域のみの増幅率を低減させる非直線増幅特性に従い、熱雑音レベルの雑音成分を抑制する
    ことを特徴とする請求項記載の指向性マイクロホン装置。
  4. 記第2のマイクロホンと前記雑音抑圧手段との間に前記第2のマイクロホンから出力される信号の熱雑音成分を白色化する白色化フィルタ手段と、
    前記雑音抑圧手段と前記減算手段との間に前記雑音抑圧手段から出力される信号が入力される前記白色化フィルタの逆特性を持つ白色化逆フィルタ手段とを備える
    ことを特徴とする請求項記載の指向性マイクロホン装置。
  5. 前記第1のマイクロホンと前記第2のマイクロホンとはそれぞれ、同一特性の第1のマイクロホンユニットと第2のマイクロホンユニットとから出力される信号の合成によって得られるマイクロホンであり、
    前記第1のマイクロホンは、前記第1のマイクロホンユニットおよび前記第2のマイクロホンユニットから出力される信号のいずれかから、または、前記第1のマイクロホンユニットおよび前記第2のマイクロホンユニットから出力される信号から、高感度になる加算型の合成によって得られ、
    前記第2のマイクロホンは、前記第1のマイクロホンユニットおよび前記第2のマイクロホンユニットから出力される信号から、目的音に近い側の信号を遅延させて減算して目的音方向に感度死角を形成する信号の合成によって得られる
    ことを特徴とする請求項記載の指向性マイクロホン装置。
  6. 記第1のマイクロホンから出力される信号と前記第2のマイクロホンから出力される信号とのレベル変化量の違いに基づいて、前記第2のマイクロホンから出力される信号の熱雑音レベルを推定する熱雑音推定手段を備え、
    前記雑音抑圧手段は、前記熱雑音推定手段で推定される熱雑音レベルに基づいて、前記第2のマイクロホンから出力される信号における熱雑音レベルの雑音成分を抑圧する処理をする
    ことを特徴とする請求項記載の指向性マイクロホン装置。
  7. 前記雑音抑圧手段は、目的音に対して前記第1のマイクロホンより前記第2のマイクロホンの方での感度が低くなる低域のみを雑音抑圧周波数帯域とし、前記雑音抑圧周波数帯域に対して熱雑音レベルの雑音成分を抑圧する
    ことを特徴とする請求項記載の指向性マイクロホン装置。
  8. 指向性マイクロホン装置を制御する方法であって、
    前記指向性マイクロホン装置は、目的音方向に感度を持つ第1のマイクロホンと、
    第1のマイクロホンに比較して指向性が鋭く、目的音方向に指向性死角が向けられた第2のマイクロホンとを有し、
    前記第2のマイクロホンから出力される信号における熱雑音レベルの雑音成分を抑圧する雑音抑圧ステップと、
    前記第1のマイクロホンから出力される信号から、前記雑音抑圧手段から出力される信号を減算することで、出力信号を生成する減算ステップと、
    前記減算ステップで生成された前記出力信号を出力する出力ステップとを含む
    ことを特徴とする方法。
  9. 指向性マイクロホン装置を制御するためのプログラムであって、
    前記指向性マイクロホン装置は、目的音方向に感度を持つ第1のマイクロホンと、
    第1のマイクロホンに比較して指向性が鋭く、目的音方向に指向性死角が向けられた第2のマイクロホンとを有し、
    前記第2のマイクロホンから出力される信号における熱雑音レベルの雑音成分を抑圧する雑音抑圧ステップと、
    前記第1のマイクロホンから出力される信号から、前記雑音抑圧手段から出力される信号を減算することで、出力信号を生成する減算ステップと、
    前記減算ステップで生成された前記出力信号を出力する出力ステップとを含む
    ことをコンピュータに実行させるためプログラム。
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