JP4318796B2 - 複合部材の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は複合部材の製造方法、特に、部材本体と、その部材本体の鋳造過程で、それに接合された被鋳ぐるみ材とよりなる複合部材を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えばAl合金製部材本体に鋳ぐるまれる炭素鋼製被鋳ぐるみ材の表面に、溶融メッキ処理によりAl合金よりなる皮膜を形成し、その皮膜と部材本体とを接合することが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら前記従来法によると、皮膜を形成するAl合金組成の溶湯と被鋳ぐるみ材との反応により、それらの接合界面に脆い金属間化合物が生成され、それに起因して両者間の接合強度が低い、という問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、部材本体と被鋳ぐるみ材との接合強度を大いに向上させた前記複合部材を得ることができる前記製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
前記目的を達成するため本発明によれば、軽合金製の部材本体と、その部材本体の鋳造過程で、それに接合されたFe系合金製の被鋳ぐるみ材とよりなる複合部材製造方法において、前記被鋳ぐるみ材の表面に、粒径d1がd1≦120μmの複数のCu粒子と粒径d2が15μm≦d2≦120μmの複数のNi粒子との集合体よりなる皮膜を形成する工程と、前記部材本体を鋳造すべく、前記皮膜の表面に軽合金組成の溶湯を供給して、高い拡散性を持つ前記Cu粒子の前記溶湯中への拡散により、前記皮膜内において前記Cu粒子と前記溶湯との置換を現出し、また低い拡散性を持つ前記Ni粒子と、前記被鋳ぐるみ材および前記溶湯との間に相互拡散を発生させる工程とを用いることを特徴とする複合部材の製造方法が提供される。
【0006】
前記置換の現出により溶湯は、皮膜内に存する、複数のCu粒子の消失による仮想空所、つまり複数のNi粒子相互間に形成された三次元的に延びる複雑な仮想空所(アンカ)に入込んで凝固し、金属塊となる。またNi粒子と、被鋳ぐるみ材および溶湯との間の相互拡散により、Ni粒子および被鋳ぐるみ材間ならびにNi粒子および前記金属塊間が、空隙等の欠陥無しに十分に接合される。これにより、部材本体と被鋳ぐるみ材との接合強度を大いに向上させることが可能である。このように、拡散に基づいて接合強度の向上を図るものであるから、鋳造時の、溶湯に対する積極的な加圧は不要であり、したがって鋳造法としては重力金型鋳造法(GDC)、砂型鋳造法、低圧金型鋳造法(LPDC)等が適用される。ただし、高圧鋳造法の適用も可能である。また皮膜からCu粒子が溶湯に拡散することから部材本体の界面近傍におけるCu成分の濃度が高まり、これにより部材本体および被鋳ぐるみ材間の熱膨脹差が緩和される。
【0007】
本発明において、接合強度を高めるためには、被鋳ぐるみ材の表面に接合するNi粒子の粒径d2を15μm≦d2≦120μmに設定されており、即ち、前記粒径d2がd2<15μmでは溶湯との反応によりNi粒子が損耗してアンカ効果が減退し、一方、d2>120μmでは皮膜7に、その形成過程で空隙、酸化膜の巻込み等の欠陥が生じ易くなる。また、Cu粒子5の粒径d1の下限値に関しては、特に制限はないが、上限値は、前記同様の理由からd1=120μmに設定される。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1において、複合部材1は軽合金製部材本体2と、その部材本体2の鋳造過程で、それに接合されたFe系合金製被鋳ぐるみ材3とよりなる。部材本体2および被鋳ぐるみ材3間には特殊構造の接合領域4が存在し、この領域4は複合部材1の製造方法に起因して形成されたものである。
【0009】
複合部材1の製造に当っては次のような方法が採用される。
【0010】
〔I〕 図2に示すように、被鋳ぐるみ材3の表面に、部材本体2を鋳造する溶湯に対して拡散性を異にする少なくとも二種の属粒子、即ち各複数のCu粒子5及びNi粒子6よりなる皮膜7を形成する。
【0011】
〔II〕 図3に示すように、部材本体2を鋳造すべく、皮膜7の表面に溶湯8を供給して、高い拡散性を持つ各Cu粒子5の溶湯8中への拡散により、皮膜7内においてCu粒子5と溶湯8との置換を現出し、また溶湯8の保有熱により低い拡散性を持つNi粒子6と、被鋳ぐるみ材3および溶湯8との間に相互拡散を発生させる。
【0012】
このような工程を経て、図1に示した複合部材1を得ることができる。
【0013】
前記置換の現出により溶湯8は、皮膜7内に存する、複数のCu粒子5の消失による仮想空所、つまり複数のNi粒子6相互間に形成された三次元的に延びる複雑な仮想空所(アンカ)に入込んで凝固し、金属塊10となる。またNi粒子6と、被鋳ぐるみ材3および溶湯8との間の相互拡散により、Ni粒子6および被鋳ぐるみ材3間ならびにNi粒子6および金属塊10間が、空隙等の欠陥無しに十分に接合される。これにより部材本体2と被鋳ぐるみ材3との接合強度を大いに向上させることが可能である。また皮膜7からCu粒子5が溶湯8に拡散することから部材本体2の界面近傍における第2金属成分の濃度が高まり、これにより部材本体2および被鋳ぐるみ材3間の熱膨脹差が緩和される。
【0014】
部材本体2を構成する軽合金としては、Al合金、Mg合金、Zn合金等が用いられる。Al合金には、Al−Zn系合金、Al−Mg系合金、Al−Sn系合金、Al−Si系合金、Al−Mg−Si系合金、Al−Zn−Sn系合金、Al−Cu系合金等が該当する。
【0015】
また被鋳ぐるみ材3を構成するFe系合金には鋳鉄、鋳鋼、炭素鋼、合金鋼等が該当する。
【0016】
皮膜7の形成に当っては粉末式溶射法、例えば高速ガス炎溶射法(HVOF:High Velocity Oxygen Fuel)、焼結法等が適用される。
【0017】
以下、具体例について説明する。
【0018】
被鋳ぐるみ材3として炭素鋼(JIS S45C)よりなる11枚の板材を選定し、各被鋳ぐるみ材3に、Cu粉末(Cu粒子5の集合体)およびNi粉末(Ni粒子6の集合体)を用い、高速ガス炎溶射法を適用して厚さ約500μmの皮膜7を形成した。その際、Cu粒子5としては粒径d1がd1=80μmのものが用いられ、一方、Ni粒子6としては粒径d2が5μm≦d2≦160μmの範囲にあるものが用いられた。
【0019】
各被鋳ぐるみ材3を金型内に設置し、730℃のAl合金(JISAC4CH相当)組成の溶湯8を用いて重力金型鋳造(GDC)を行い、これにより複合部材1の例1〜11を得た。
【0020】
例1〜11について次のような方法で接合強度を求めた。即ち、図4に示すようにテストピースTpにおける被鋳ぐるみ材3の両端を2つの支持台11上に載せ、被鋳ぐるみ材3の中央に形成された孔12に加圧部材13を嵌めて部材本体2を加圧し、その部材本体2が被鋳ぐるみ材3から離脱したときの加圧力を求めた。
【0021】
表1は、例1〜11に関するCu粒子5およびNi粒子6の粒径d1、d2と接合強度を示す。
【0022】
【表1】
【0023】
図5は、表1に基づいてNi粒子の粒径d2と接合強度との関係をグラフ化したものである。
【0024】
表1、図5から明らかなように、接合強度を高めるためには、被鋳ぐるみ材3表面に接合するNi粒子6の粒径d2を15μm≦d2≦120μmに設定するのが望ましい、と言える。前記粒径d2がd2<15μmでは溶湯8との反応によりNi粒子6が損耗してアンカ効果が減退する。一方、d2>120μmでは皮膜7に、その形成過程で空隙、酸化膜の巻込み等の欠陥が生じ易くなる。また、Cu粒子5の粒径d1の下限値に関しては、特に制限はないが、上限値は前記同様の理由からd1=120μmに設定するのが良い。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、前記のような手段を採用することによって、軽合金製の部材本体とFe合金製被鋳ぐるみ材との接合強度を大いに向上させた複合部材を得ることが可能な製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 複合部材の要部断面図である。
【図2】 皮膜を有する被鋳ぐるみ材の要部断面図である。
【図3】 鋳造中の説明図である。
【図4】 接合強度の測定方法説明図である。
【図5】 Ni粒子の粒径d2と接合強度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 複合部材
2 部材本体
3 被鋳ぐるみ材
Cu粒子
Ni粒子
7 皮膜
8 溶湯

Claims (1)

  1. 軽合金製の部材本体(2)と、その部材本体(2)の鋳造過程で、それに接合されたFe系合金製の被鋳ぐるみ材(3)とよりなる複合部材製造方法において、
    前記被鋳ぐるみ材(3)の表面に、粒径d1がd1≦120μmの複数のCu粒子(5)と粒径d2が15μm≦d2≦120μmの複数のNi粒子(6)との集合体よりなる皮膜(7)を形成する工程と、
    前記部材本体(2)を鋳造すべく、前記皮膜(7)の表面に軽合金組成の溶湯(8)を供給して、高い拡散性を持つ前記Cu粒子(5)の前記溶湯(8)中への拡散により、前記皮膜(7)内において前記Cu粒子(5)と前記溶湯(8)との置換を現出し、また低い拡散性を持つ前記Ni粒子(6)と、前記被鋳ぐるみ材(3)および前記溶湯(8)との間に相互拡散を発生させる工程とを用いることを特徴とする、複合部材の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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