JP2876760B2 - エンジンの耐熱性機械要素 - Google Patents

エンジンの耐熱性機械要素

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、シリンダヘッド,ピストン等のエンジンの
金属製機械要素に係り、特に金属製機械要素の受熱面に
耐熱性金属を融接したエンジンの耐熱性機械要素に関す
る。
[従来の技術] 燃焼ガスエネルギに直接晒され高温化されてしまうエ
ンジンの機械要素にはシリンダヘッドやピストン等があ
るが、近来のエンジンの高出力化、機械的負荷の増大に
対応するために、その燃焼面側の強度、特に燃焼面に起
こる熱亀裂の改善を求められている。熱亀裂は、熱応力
に対して断面の少ない部分、すなわち形状的に肉厚の薄
い部分に集中的に発生する。例えばシリンダヘッドにお
ける熱亀裂は、第6図に示すように吸気・排気ポートa,
b間の隔壁c及び吸気・排気ポートa,bのそれぞれとホッ
トプラグ取付穴または燃料噴射ノズル取付穴d間の隔壁
e,fに発生しやすく、ピストンにおける熱亀裂は、第7
図に示すようにキャビティg上部を縁取る部分hに発生
しやすい。
そこで本出願人は、シリンダヘッドやピストンを合金
鋳造する方法、機械要素の燃焼面をFRMで補強する方
法、高密度エネルギビームにより部分的に再溶融処理を
行う再溶融方法の検討を行った。
合金鋳造法… 合金鋳造は、機械要素の耐熱性の改善には有効である
ものの、鋳造性が悪化して健全な鋳物を得ることが困難
である、鋳物の機械的性質が悪化させてしまう、母材に
対する合金濃度の調整が困難であり強度のバラツキを無
くして一定の強度を確保することが難しい、等の点で量
産化に適していない。
FRM補強法… この技術は、材料自体が高価であり、FRMで構成した
補強部材を上記隔壁に接着,溶融して取付けることも考
慮するとかなりコスト高となる。
再溶融(リメルト)方法… シリンダヘッドやピストンの燃焼面を高エネルギ密度
レーザー、TIG、電子ビームで再溶融する。この方法
は、特定部分のみの金属組織を微細化し、亀裂寿命を延
命することができるという利点があるものの、金属組織
の微細化による亀裂寿命は、再溶融処理を行なわなかっ
たものに対して約2倍程度であり、今後要求される高出
力への対応としては不十分である。
このように上記方法には一長一短があり量産化を満足
するような技術としては改善の余地がある。
このため耐熱性合金(ステンレス,NIMONIC80A,INCONE
LまたはCO,Ni,MO,W等の合金)を、金属製機械要素の受
熱面にTIG,MIG,PTAの高エネルギ密度ビームで融接しこ
れらをクラッデングさせる技術(特開昭61−91323号,
特開昭60−70136号等)の検討を行ってみたところ、金
属製機械要素と耐熱性金属との熱収縮率の相違によっ
て、耐熱性金属に熱収縮割れが起きてしまうという新た
な課題を見出だした。
そこで本出願人は鋭意研究の結果、金属製機械要素の
受熱面に超音波接合で延性金属層を形成し、その延性金
属層の表面に耐熱金属層を融接形成すると、耐熱金属層
と金属製機械要素との間に生じる熱収縮応力が延性金属
層によって吸収され、熱収縮による耐熱金属層の収縮割
れが防止されるということを見出だすに至った(「エン
ジンの耐熱性機械要素」(特願平1−284115号))。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら最近のエンジンの高出力化、機械的負荷
の増大の傾向を考慮すると、耐熱金属層延性金属層との
接合性をさらに改善して熱収縮応力を延性金属に確実に
伝達して延性金属による有効な熱収縮応力の吸収がなさ
れるようにしておく必要がある。
[課題を解決するための手段] 本発明は上記課題を解決するために、耐熱鋼粉末の表
面を延性金属粉末で被覆したカプセル粉末を耐熱性機械
要素の表面に超音波融接して第1層を形成し、この後、
その第1層の表面に耐熱鋼を融接して第2層を形成した
ものである。
[作用] カプセル粉末を、耐熱性を必要とする機械要素の表面
に超音波融接すると、カプセル粉末表面の延性金属粉末
が有効に溶融され、機械要素の表面に、耐熱鋼を金属組
織的に均一拡散させた第1層を形成する。そして超音波
溶融後、第1層の表面に耐熱鋼を融接して第2層を積層
すると第1層の表面の延性金属が溶融して耐熱鋼が露出
するようになるため第2層の耐熱鋼と第1層の耐熱鋼と
の馴染みがよくなり良好な融接が行われる。
従って、第2層の熱収縮応力は、第1層に対して金属
組織的に拡散された耐熱鋼に対して確実に伝達され、熱
収縮応力が第1層の延性金属により吸収されるようにな
る。このため、従来に対して熱亀裂の発生は防止され
る。
[実施例] 以下に、本発明の好適一実施例を添付図面に基づいて
説明する。
(実施例1) 第3図に示す如くシリンダヘッド1には、吸気ポート
2及び排気ポート3がそれぞれ形成されている。これら
吸気ポート2及び排気ポート3は、エンジンのシリンダ
ボア(いずれも図示せず)に対応するシリンダヘッド下
面4に開口させて形成されている。これら吸気ポート2
及び排気ポート3間には、吸気ポート2及び排気ポート
3を形成した結果として隔壁5が形成されようになる。
そしてシリンダヘッドには、その隔壁5と近接する位置
にシリンダヘッド下面4に開口するホットプラグ取付穴
6が形成され、このホットプラグ取付穴6を形成した結
果として吸気ポート2,ホットプラグ取付穴6間に隔壁7
が形成され、排気ポート3,ホットプラグ取付穴6間に隔
壁8が形成されるようになる。
さて、熱応力に対する上記隔壁5,7,8の強度を向上さ
せるために本発明では第1図,第2図及び第2図
(イ),(ロ),(ハ),(ニ)に示すように、上記隔
壁5,7,8の表面側、即ち吸気・排気弁2,3及びホットプラ
グ取付穴6が取り囲んでいるシリンダヘッド下面4の包
囲部分に、所定深さの凹部9を形成する。そして耐熱鋼
粉末を核としてこれを延性金属粉末で被覆して形成した
カプセル粉末を投入し、凹部9の内面に一様な層厚でカ
プセル粉末の層を形成する。カプセル粉末を構成する耐
熱鋼粉末及び延性金属粉末は、共に微粉末粉砕機により
粉砕して形成する。耐熱鋼粉末(Ni,Cr,Mo,Co,Wとの合
金鋼等)は粒径が20〜500μmの粒径まで、延性金属粉
末(Cu,Cu系合金,Al,Al系合金)は耐熱鋼粉末の約1/10
程度の粒径まで粉砕する。この後、耐熱鋼粉末に、延性
金属粉末を、例えば重量比で約30%混合し、静電付着に
よって第3図に示すように耐熱鋼粉末10の表面に、延性
金属粉末11を付着させてカプセル粉末12を形成する。そ
して、この後、撹拌機を用いて耐熱鋼粉末10に延性金属
粉末11を固定する。撹拌機としては、ハウジング内に回
転翼を有し、ハウジング内面に沿ってカプセル粉末12を
遠心転動させるように構成したものを用いる。すなわち
撹拌機によってカプセル粉末12を1000〜7000rpmの範囲
で遠心転動させることにより耐熱鋼粉末10と延性金属粉
末11の接合面に適度な摩擦熱を発生させると同時に、衝
撃力によって、延性金属粉末11を耐熱鋼粉末10の表面に
対して面方向に沿うように引伸ばす。この摩擦熱及び衝
撃力によって耐熱鋼粉末10と延性金属粉末11とが相互に
固定され融接材料として完全な形態のカプセル粉末12が
得られる。但し、シリンダヘッド1の材質がアルミニウ
ム又はアルミニウム合金であるような場合は、延性金属
粉末11をAlまたはAl系合金とするカプセル粉末12を用
い、シリンダヘッド1の材質が鋳鉄の場合は、延性金属
粉末11をCuまたはCu系合金とするカプセル粉末12を用い
る。次に、この層を第2図(ロ)に示すように、磁歪振
動子等の超音波融接機13を使用してカプセル粉末12を融
接し、第2図(ハ)に示すように凹部9の表面に第1層
14を形成する。なお、超音波融接機13に、カプセル粉末
12の同時供給装置15を設け、超音波溶接を行う直前に凹
部9に層を形成するようにしても構わない。この超音波
融接を行う際は、カプセル粉末12の耐熱鋼粉末10が芯材
となり、粒系が微細なものほど接合しやすいため、延性
金属粉末11とシリンダヘッド1を構成する母材,及び延
性金属粉末11相互が良好に融接されるようになる。つま
り、耐熱鋼を組織的に均一に拡散させた第1層14が形成
される。
次いで第1層14の表面に、耐熱鋼(Ni,Cr,Mo,Co,W等
の合金)を高密度エネルギをもって肉盛り溶接し、第1
層14の表面に所定の厚さに第2層16を形成する。この第
2層16の肉盛りはTIGや、MIG、耐熱鋼の粉末を噴射しつ
つ溶融させるPTAのうちのいずれかによって行う(第2
図(ニ))。この場合、第1層14の表面の延性金属が先
に溶融するため第1層14の耐熱鋼と第2層16の耐熱鋼と
の融接がなされる。次に、機械加工によって肉盛りされ
た第2層16を仕上げシリンダヘッド1を完成する。
従って第1層14の熱収縮は、第2層16の延性金属に伝
達されこの延性金属の吸収によって熱亀裂は有効に防止
される。したがって、内部的に靭性が高く、延性が高く
熱亀裂に強いシリンダヘッド1が提供されるようにな
る。
次に、ディーゼルエンジン用のピストンの場合、を説
明する。この種のピストンは第7図に示すようにキャビ
ティg周りリップhが肉薄となり、ここに熱亀裂が発生
しやすい。そこで周側部hの上面を段状に窪ませて上記
第1層14及び第2層16を形成する。この結果、上記シリ
ンダヘッド1同様に、靭性,延性に富み熱亀裂に強いリ
ップの形成が可能になり、耐久性の高いピストン19を提
供することができる。なおシリンダヘッド1,ピストン19
を鋳鉄で形成した場合にあっては、上記延性金属が脆化
組織(チル層(Fe3C))の析出を防止しクラッデングに
対する信頼性を改善する。
(実施例2) まず第4図(イ)に示す如く、上記凹部9に、エバジ
ュール等の銅合金粉末(95.0Cu,1.07Mn,3.48Si,ZniTr,S
niTr,AliTr)を選定してこの銅合金粉末17を上記凹部9
の表面に均等な厚さでプレコートする。次いで、第4図
(ロ)に示すように、磁歪振動子等の超音波融接機13を
使用して上記銅合金の粉末17を融接し、第4図(ハ)に
示すように凹部9の表面に延性金属層18を形成する。次
いで延性金属層18の表面に、上記カプセル粉末12を用い
て第1層14を超音波融接し、第2層16の表面に、高密度
エネルギで耐熱鋼を融接し、第2層16を積層する。
このように第1層14の下部に延性金属層18を形成する
と、第1層14と第2層16と同様に、延性金属層18と第1
層14との延性金属の馴染みがよくなり熱膨張差による応
力が、より緩和されるようになる。
(実施例3) 実施例2と同様にして、上記凹部に、シリンダヘッド
1の材質がアルミニウムまたはアルミニウム合金の鋳物
である場合は、エバジュール等の銅合金粉末を選定して
この銅合金粉末17を上記凹部9の表面に均等な厚さでプ
レコートする。次いで、第4図(イ)に示すように、磁
歪振動子等の超音波融接機13を使用して上記銅合金の粉
末17を融接し、第4図(ロ)に示すように凹部9の表面
に延性金属層18を形成する。次いで延性金属層18の表面
に、上記カプセル粉末12を用いて第1層14を超音波融接
し、第2層16の表面に、上記耐熱鋼粉末10を超音波融接
して第2層16を形成し、さらに第2層の表面に、耐熱金
属を高密度エネルギビーム等で溶融肉盛りして第3層
(図示せず)を形成する。第3層は、実施例2と同様に
TIG、MIG、PTAのいずれかによって肉盛り形成する。つ
まりこの実施例3では熱膨張差による応力を、さらにキ
メ細かに緩和する。
[発明の効果] 以上説明したことから明らかなように本発明によれば
次の如き優れた効果を発揮する。
第2層の熱収縮応力を第1層によって確実に吸収で
き、エンジンの機械要素の耐久性,信頼性を向上させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係るシリンダヘッドの要部詳細断面
図、第2図は第1層及び第2層の形成工程を示す図、第
3図はカプセル粉末の概略断面図、第4図は他の実施例
を説明するための図、第5図はシリンダヘッドに形成し
た凹部を示す平面図、第6図シリンダヘッドに発生する
熱亀裂を示した概略図、第7図はピストンの熱亀裂を示
す概略図である。 図中、1はシリンダヘッド、10は耐熱鋼粉末、11は延性
金属粉末、12はカプセル粉末、14は第1層、16は第2層
である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02F 1/00 F02F 1/00 G (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02F 1/24 F02F 1/00 F02F 3/00 301 B23K 9/04 B23K 35/30 340

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】耐熱鋼粉末の表面を延性金属粉末で被覆し
    たカプセル粉末を耐熱性機械要素の表面に超音波融接し
    て第1層を形成し、該第1層の表面に耐熱鋼を融接して
    第2層を形成したことを特徴とするエンジンの耐熱性機
    械要素。
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