JP4803193B2 - オーディオ信号の利得制御装置および利得制御方法 - Google Patents

オーディオ信号の利得制御装置および利得制御方法 Download PDF

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本発明は、テレビやラジオ、携帯電話、あるいはDVDなど、メディアを通じてオーディオ信号を再生する機器における、オーディオ信号の利得を制御する自動利得制御(AGC)装置に関するものである。
従来のオーディオ信号を再生する機器において、低音域や高音域で人間の聴覚感度が低いのを補正するために、低音域や高音域を強調するように利得制御する方法が良く採用されている。(特許文献1、2など)
特開2006−339864 特表2007−505557
従来の利得制御装置では、入力オーディオ信号の振幅レベルのみを検出して利得制御を行うため、人間の心理聴覚特性上聞こえにくい低音域や高音域が相対的に小さくなる場合があり、一定の周波数成分がとくに多いようなオーディオ信号ではその臨場感が変わってしまうという問題があった。
例えば、人間の聴感特性上もっともよく聞こえる1KHz〜4KHzのオーディオ信号に対して、100Hz付近の低音域や5KHz以上の高音域では、人間の心理聴感特性が異なるために一定の利得制御特性カーブに基づいて利得制御すると、オーディオ信号の周波数成分の偏りによってその聴感のバランスが変化してしまう。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、入力されるオーディオ信号の周波数分布や振幅レベルが大きく変化した場合でも一定の聴感レベルでのオーディオ信号出力を可能とし、人間の心理聴感特性に沿って利得制御することによりオーディオ信号の聴感を保ったまま再生可能なオーディオ信号の利得制御装置を提供することを目的とする。
オーディオ信号の増幅利得を制御するオーディオ信号の利得制御装置において、上記オーディオ信号を複数の周波数帯域に分割するフィルタ部と、上記フィルタ部において各周波数帯域に分割されたオーディオ信号を、各周波数帯域ごとに、それぞれの周波数帯域の信号レベルに応じて利得を設定する利得設定部と、各周波数帯域に分割される前のオーディオ信号の振幅の絶対値レベルに応じて上記それぞれの利得を補正するための利得補正係数を生成する補正係数生成部と、上記それぞれの利得と上記利得補正係数とから演算して、上記分割されたオーディオ信号をそれぞれ利得制御する利得制御部と、この利得制御部から出力された各周波数帯域のオーディオ信号を合成するオーディオ信号合成部と、を備えた。
また、オーディオ信号の増幅利得を制御するオーディオ信号の利得制御方法において、上記オーディオ信号を複数の周波数帯域に分割する第1の工程と、第1の工程において各周波数帯域に分割されたオーディオ信号を各周波数帯域ごとに、それぞれの周波数帯域の信号レベルに応じて利得を設定する第3の工程と、各周波数帯域に分割される前のオーディオ信号の振幅の絶対値レベルに応じて第3の工程で設定された利得を補正するための利得補正係数を生成する第2の工程と、第3の工程で設定された利得と第2の工程で生成された利得補正係数とから演算して、上記分割されたオーディオ信号をそれぞれ利得制御する第4の工程と、第4の工程で増幅された各周波数帯域のオーディオ信号を合成する第5の工程とを備えた。
本発明によれば、周波数帯域ごとのオーディオ信号レベルに基く利得制御と、周波数帯域に分割しないオーディオ信号そのものの信号レベルに基く利得制御を合成して利得制御を行うため、様々な周波数分布を有するオーディオ信号を低音域から高音域まで一定の聴感に保つことができる効果がある。
実施の形態1.
図1は、この発明を実施するための実施の形態1におけるオーディオ信号の利得制御装置の構成である。1はデジタルオーディオ信号が入力される入力端子、2はデジタルオーディオ信号が出力される出力端子、3〜6は入力されたディジタルオーディオ信号のある周波数帯域の成分を抽出するフィルタ部、7〜10はオーディオ信号の利得を調整する自動利得制御部、11は入力されたディジタルオーディオ信号の振幅レベルを検出・演算して補正係数を出力するレベル補正部、12は各周波数帯域のオーディオ信号を加算してひとつの信号に合成するオーディオ信号合成部である。
次に動作について説明する。入力端子1には標本化されたデジタルオーディオ信号が入力される。通常、オーディオ信号は、32KHz、44.1KHz、48KHzなどの周波数で標本化される。入力されたデジタルオーディオ信号は、フィルタ3〜6に入力され、各周波数帯域の成分に分割される。
本発明における周波数帯域分割は人間の聴感特性の差異に沿って分割する。一般に人間の耳に聞こえるオーディオ信号は、その周波数成分によって感じる音圧レベルが異なっている。通常、人の耳にとって、1KHz〜4KHzのオーディオ信号がもっとも聞こえやすく、それより低い音域の信号や高音域の信号は、数dB以上聞こえにくくなると言われている。これらの特性は等ラウドネス特性といわれているが、例えば、本発明の実施例において、4つの周波数帯域に分割する場合、500Hz以下、500Hz〜2KHz、2KHz〜4KHz、4KHz以上のような周波数帯域に分割している。
図2は等ラウドネス特性の一例を示した図である。等ラウンドネス特性は、周波数対音圧レベルの特性において1KHzの信号と同じレベルに聞こえる音圧のレベルを結んだ特性であり、一般に人間の心理聴覚特性では、前述したように、1KHzを基準として低音域・高音域が聞こえにくい特性となっている。本実施の形態1では、例えば、図2に示すような4つの周波数帯域(図2における、帯域1、帯域2、帯域3、帯域4)に分割し、各々のラウドネス特性の差異分に沿った利得制御を行う。
図1において、入力されたオーディオ信号は4つの周波数帯域に分割している場合を説明する。例えば、フィルタ3は500Hz以下の信号を通過させる低域通過フィルタ、フィルタ4は500Hz〜2KHzを通過させる帯域通過フィルタ、フィルタ5は2KHz〜4KHzを通過させる帯域通過フィルタ、フィルタ6は4KHz以上の信号を通過させる高域通過フィルタで構成される。これらのフィルタ群は、位相特性が線形な高次のFIR(有限インパルス応答)フィルタで構成されれば、合成後の周波数特性が良く理想的であるが、振幅特性が平坦でかつ位相特性が線形に近いIIR(無限インパルス応答)フィルタで構成することも可能である。
フィルタで帯域分割された各周波数成分のオーディオ信号は利得制御部であるAGC7〜AGC10に入力され、それぞれの周波数帯域ごとに利得の制御が行われる。利得の制御では、過大なレベルの信号が入力されたときは信号レベルを抑圧し、微小なレベルの信号が入力されたときは信号レベルを増幅し、オーディオ信号のダイナミックレンジを圧縮し、できる限り一定のレベルで聞こえるよう最適なレベルに調整する。
図3はこのようなAGC7〜10の利得制御特性を示す図である。図3において、横軸は各周波数帯域での入力信号レベル、縦軸は出力信号レベルを示している。また、T1はAGC7で制御される周波数帯域1、すなわち500Hz以下の低音域のオーディオ信号の利得制御特性を、T2はAGC8で制御される周波数帯域2、すなわち500Hz〜2KHzの周波数帯域のオーディオ信号の利得制御特性を、T3はAGC9で制御される周波数帯域3、すなわち2KHz〜4KHzの周波数帯域のオーディオ信号の利得制御特性を、T4はAGC10で制御される周波数帯域4、すなわち4KHz以上の高音域のオーディオ信号の利得制御特性を示している。また、Aで示す一点鎖線は利得が1すなわち利得0dBを示す線である。
例えば、周波数帯域2のオーディオ信号の制御特性の場合、その周波数帯域の入力オーディオ信号レベルがSf1で利得0dB、すなわち出力が入力Sf1と等しいレベルRf1となり、Sf1を越えると過大な信号として信号レベルを抑圧する方向、すなわち利得がマイナスのデシベルとなるように制御する。入力レベルがSf1以下では逆にレベルの低い信号として増幅する方向で制御する。これらの利得の制御は通常、対数軸に変換して行う。入力レベルはdBに変換した後に、その信号レベルを判定し利得制御を行う。
一方、低音域である周波数帯域1や高音域である周波数帯域4のオーディオ信号においても、周波数帯域2と同じように、入力レベルが一定のレベルを越えると過大なレベルのオーディオ信号として信号レベルを抑圧するよう制御し、入力レベルがあるレベル以下では逆に信号レベルを増幅して出力する。周波数帯域2と異なるのは、出力のレベルが周波数帯域2のオーディオ信号より大きくなる点である。等ラウドネス特性において、これらの低音域、高音域の周波数帯域のオーディオ信号は、周波数帯域2に比べて聴感上小さく聞こえる成分である。従って、利得制御を行うときには、出力のオーディオレベルが周波数帯域2のオーディオ信号より大きくなるよう制御を行う。
また、周波数帯域3のオーディオ信号においても同じように、入力レベルが一定のレベルを越えると過大なレベルのオーディオ信号として信号レベルを抑圧するよう制御し、入力レベルがあるレベル以下では逆に信号レベルを増幅して出力する。周波数帯域2と異なるのは、逆に出力のレベルが周波数帯域2のオーディオ信号より小さくなる点である。等ラウドネス特性において、2KHz〜4KHzの周波数帯域のオーディオ信号は、周波数帯域2に比べて聴感上大きく聞こえる成分となる。従って、利得制御を行うときには、出力のオーディオレベルを周波数帯域2のオーディオ信号より小さくなるように制御を行う。
AGC7〜10は、このように各周波数帯域のオーディオ信号レベルに応じて利得を設定する利得設定部を有する。この図3の利得制御特性を有するAGCに、以下で説明するレベル補正部11からの補正のための信号を入力することにより、各周波数帯域のAGC7〜10が図3の利得制御特性を補正した利得制御を行うことになる。
図1において、入力端子1のオーディオ信号はレベル補正部11に入力される。レベル補正部11では、各周波数帯域の成分ではなく、各周波数帯域に分割される前の入力オーディオ信号本来の振幅レベルを検出して利得制御の際の補正のための信号を演算し出力する。入力オーディオ信号そのものが微小な信号であるときにはノイズ成分であると判断して、利得を抑圧する方向で制御する。
AGC7〜10で利得制御されたオーディオ信号はオーディオ信号合成部12に入力され、各々の周波数帯域のオーディオ信号を加算することによりひとつのオーディオ信号を復元する。復元されたオーディオ信号は出力端子2から出力される。
図4は、図1におけるAGCの詳細ブロック図である。
図4において、13はフィルタで周波数帯域が制限された各周波数帯域のデジタルオーディオ信号が入力される入力端子、14は利得制御特性を補正するための信号を入力する入力端子、15は各周波数帯域のデジタルオーディオ信号を出力する出力端子、16は絶対値を演算する絶対値演算部(ABS)、17は信号レベルの最大値を検出する最大値検出部、18は平滑化のための低域通過フィルタ(LPF)、19は入力信号の信号レベルを決定するための係数を演算・生成する係数生成部、20は係数の急激な変化を抑制するための時間フィルタ、21は入力信号を遅延させる遅延部、22は入力されるデジタルオーディオ信号に一定の係数を乗算する乗算器である。
次に動作について説明する。入力端子13にはデジタルオーディオ信号が入力される。このデジタルオーディオ信号は周波数帯域が制限されたオーディオ信号である。入力端子13に入力されたオーディオ信号は遅延部21と絶対値演算部16に入力される。遅延部21は絶対値演算部16等で信号処理した際に発生する遅延を補償するために設けている。遅延21の出力は乗算器22に出力される。絶対値演算部16では入力信号の絶対値を求める。オーディオ信号は符号付のデジタルデータであり正負の成分を持つ。従って、絶対値演算部16では、データの絶対値を計算する。最大値検出部17は入力絶対値信号の最大値を検出して出力する。最大値検出部17の出力は低域通過フィルタ18に入力される。
低域通過フィルタ18は、最大値検出部17の出力を平滑化して急峻な変化を抑えるものである。低域通過フィルタ18は、巡回型あるいは非巡回型のデジタルフィルタで構成される。低域通過フィルタ18の出力は係数生成部19に入力される。
係数生成部19は、低域通過フィルタ18の出力と入力端子14の補正信号を合わせて演算することにより入力オーディオ信号の振幅レベルを制御するための係数を生成・出力する。一般的に、オーディオ信号の利得制御のための係数決定には、入力オーディオ信号の信号レベルを対数空間に変換し、対数空間上で特性を決定することにより求められる。係数の決定においては、低域通過フィルタ18の出力から係数を演算して決定し、その係数に対して補正を適用する。
入力端子14から入力される信号は、係数演算時に補正を行うための信号であり、図1におけるレベル補正部11の出力から得られる。例えば、入力オーディオ信号の本来の信号レベルが極端に小さいような場合では、入力信号がノイズと考えられるので通常より信号レベルを抑制するような補正を適用する。
図5は、レベル補正部11の詳細ブロック図である。
図5において、23はオーディオ信号が入力される入力端子であり、図1における入力端子1に接続されている。25は絶対値を演算する絶対値演算部(ABS)、26は信号レベルの最大値を検出する最大値検出部、27は平滑化のための低域通過フィルタ(LPF)、28は利得制御の制御特性を補正するための係数を演算・出力する補正係数生成部、24は補正係数生成部28で生成された補正係数を出力する出力端子である。
次に動作について説明する。入力端子23には各周波数帯域に分割される前のデジタルオーディオ信号が入力される。従って、このデジタルオーディオ信号は周波数帯域が制限されていない本来のオーディオ信号である。入力端子23に入力されたオーディオ信号は絶対値演算部25に入力される。絶対値演算部25は入力信号の絶対値を求めるために設けられている。前述したようにオーディオ信号は符号付のデジタルデータであり正負の成分を持つ。従って、絶対値演算部25では、符号付のデジタルデータの絶対値を計算する。最大値検出部26は入力絶対値信号の最大値を検出して出力する。最大値検出部26の出力は低域通過フィルタ27に入力される。
低域通過フィルタ27は、最大値検出部26の出力を平滑化して急峻な変化を抑えるものである。低域通過フィルタ27は、巡回型あるいは非巡回型のデジタルフィルタで構成される。低域通過フィルタ27の出力は補正係数生成部28に入力される。
補正係数生成部28は低域通過フィルタ27から出力されるオーディオ信号から演算することにより利得制御特性を補正するための係数を生成する。例えば、入力信号レベルが、ある閾値以下のとくに微小な信号レベルであるときは、抑圧レベルを大きくするために0.5等の追加の補正係数を出力する。これらの補正係数は利得制御の係数に乗算されて補正がなされる。
図6に、AGC7〜10のレベル補正部11からの信号が入力されたときの利得制御特性の例を示す。図6の横軸は、各周波数帯域に分割される前の入力オーディオ信号本来の信号レベルである。各周波数帯域に分割される前の入力オーディオ信号本来の信号レベルがあるレベルS2以下の場合に図3で示したAGC7〜10の利得設定部で設定される利得制御特性を補正して、結果として図6に示すようにS2以下で利得を下げるような利得制御特性となる。
レベル補正部11の出力は、単に入力オーディオ信号本来のレベル信号、すなわち図5における低域通過フィルタ27の出力そのものであっても良い。この場合、AGC7〜10がこのレベル補正部11からのレベル信号を用いて、それぞれの利得制御特性を補正する補正係数生成部を有する構成となる。また、レベル補正部11から補正のための補正係数が出力される場合でも、AGC7〜10がこの補正係数を用いてさらにそれぞれの補正係数を演算してそれぞれの利得制御特性を補正する構成としても良い。
実施の形態1においては、周波数帯域を4つに分割して制御する例を示したが、8個の周波数帯域や16個の周波数帯域に分割するなど、より多くの周波数帯域に分割して処理すればより効果的である。
また、実施の形態1においては、全体のオーディオ信号レベルがある閾値より小さいときに、より出力レベルを下げるよう利得制御するように構成したが、逆にある閾値より大きいときにより抑圧する制御量を多くするなど他の応用も考えられる。
実施の形態2.
図7は、この発明を実施するための実施の形態2におけるオーディオ信号の利得制御装置を示すものである。
図7において、37はデジタルオーディオ信号が入力される入力端子、38はデジタルオーディオ信号が出力される出力端子、39〜42は入力端子37から入力されたディジタルオーディオ信号から各周波数帯域成分を抽出するフィルタ部、43〜46は各周波数帯域のオーディオ信号の振幅レベルを検出・演算する信号レベル検出部、47は信号レベル検出部43〜46で検出された各周波数帯域の信号レベルを基に演算して最終的な補正量を決定する補正量演算部、48は入力端子37から入力されたディジタルオーディオ信号の信号レベルを制御する利得制御部である。
次に動作について説明する。入力端子37には標本化されたデジタルオーディオ信号が入力される。入力されたデジタルオーディオ信号は、フィルタ39〜42および利得制御部48に入力される。フィルタ39〜42では、実施の形態1と同様に、オーディオ信号は、低音域から高音域まで複数の周波数帯域に分割される。
フィルタ39〜42においてオーディオ信号を複数の周波数帯域に分割する際には、実施の形態1と同様に、等ラウドネス特性を基準として人間の聴覚特性が異なる周波数帯域に分割する。例えば、4つの周波数帯域に分割する場合、500Hz、2KHz、4KHzのような周波数で分割する。これらのフィルタ郡は、実施の形態1のフィルタと同様に、位相特性が線形な高次のFIRフィルタや、振幅特性が平坦でかつ位相特性が線形に近いIIRフィルタで構成される。
フィルタ39〜42で複数の周波数帯域に分割されたオーディオ信号は、各々レベル検出部43〜46に入力され、それぞれの周波数帯域におけるオーディオ信号の信号レベルが計算される。信号レベルとは、オーディオ信号の振幅レベルの絶対値化を行ったあと、最大値をとり対数値に変換された値である。この信号レベルは、急激な変化が起こらないように時間的に平滑化される。計算された信号レベルはレベル補正を行うための基本的な検出量となる。レベル検出部43〜46で計算された各周波数帯域の信号レベルは補正量演算部47に入力される。
補正量演算部4においては、各周波数帯域の信号レベルから総合的に判断して最終的な補正量を決定する。この決定方法にはいくつかのアルゴリズムが考えられるが、もっとも主要な周波数成分がどの周波数帯域かを決定することとなる。
例えば、各周波数帯域の信号レベルの平均値や最大値、平均偏差などを計算し、それらから演算・決定される。一例としては、低音域の最大値レベルがもっとも大きく、平均値レベルが小さく平均偏差が大きいような場合では、そのオーディオ信号は低音域中心のオーディオ信号と判断することができる。このようなオーディオ信号の場合は補正を強く効かせ利得を上げる。
逆に、低音域の最大値レベルがもっとも大きいが、平均値レベルも大きく平均偏差が小さいような場合では、そのオーディオ信号は低音域中心のオーディオ信号と判断することができるが、全体的に周波数成分が分布していると思われるので、このようなオーディオ信号の場合はそれほど補正を強く効かせない。このように、オーディオ信号の周波数成分の分布の偏りに応じて補正量の大小が決定される。
全体の周波数成分が低音域を中心とするオーディオ信号では、中音域を中心とするオーディオ信号に比べて利得が大きくなるように、また、全体の周波数成分が高音域を中心とするオーディオ信号でも、中音域を中心とするオーディオ信号に比べて利得が大きくなるように利得を制御する。逆に、全体の周波数成分が中音域を中心とするオーディオ信号では、通常の利得制御を行う。従って、補正量演算部47の出力としては、低音域や高音域の成分が多いオーディオ信号ほど出力される補正量は大きくなるよう制御されることになる。
利得制御部48は、入力端子37から入力されたオーディオ信号と補正量演算部47から入力される補正量に基づいてオーディオ信号の利得を制御する。利得制御部48の出力は出力端子38から出力される。
なお、本実施の形態2においても実施の形態1と同じように、周波数帯域を4つに分割して制御する例を示したが、8個の周波数帯域や16個の周波数帯域に分割するなど、より多くの周波数帯域に分割して処理すればより効果的である。
この発明の実施の形態1を示す利得制御装置のブロック図である。 オーディオ信号のラウドネス特性の説明図である。 この発明の実施の形態1による利得設定部の利得制御特性を示す図である。 この発明の実施の形態1の利得制御装置のAGC7〜10の具体的構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1の利得制御装置のレベル補正部11の具体的構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1による利得制御特性を示す図である。 この発明の実施の形態2を示す利得制御装置のブロック図である。
符号の説明
3〜6:フィルタ部、7〜10:利得制御部、12:オーディオ信号合成部
28:補正係数生成部

Claims (8)

  1. オーディオ信号の増幅利得を制御するオーディオ信号の利得制御装置において、
    上記オーディオ信号を複数の周波数帯域に分割するフィルタ部と、
    上記フィルタ部において各周波数帯域に分割されたオーディオ信号を、各周波数帯域ごとに、それぞれの周波数帯域の信号レベルに応じて利得を設定する利得設定部と、
    各周波数帯域に分割される前のオーディオ信号の振幅の絶対値レベルに応じて上記それぞれの利得を補正するための利得補正係数を生成する補正係数生成部と、
    上記それぞれの利得と上記利得補正係数とから演算して、上記分割されたオーディオ信号をそれぞれ利得制御する利得制御部と、
    この利得制御部から出力された各周波数帯域のオーディオ信号を合成するオーディオ信号合成部と、
    を備えたオーディオ信号の利得制御装置。
  2. 補正係数生成部で生成される利得補正係数は、利得を下げる補正係数であることを特徴とする請求項1記載のオーディオ信号の利得制御装置。
  3. 各周波数帯域に分割されたオーディオ信号の利得制御の特性は、低音域および高音域では中音域に比較して利得を大きくするような特性に設定されていることを特徴とする請求項1に記載のオーディオ信号の利得制御装置。
  4. 補正係数生成部は各周波数帯域に分割される前のオーディオ信号の振幅の絶対値レベルがある閾値より小さいときに、各周波数帯域のオーディオ信号の利得を低くするよう補正するように設定されることを特徴とする請求項2に記載のオーディオ信号の利得制御装置。
  5. オーディオ信号の増幅利得を制御するオーディオ信号の利得制御方法において、
    上記オーディオ信号を複数の周波数帯域に分割する第1の工程と、
    第1の工程において各周波数帯域に分割されたオーディオ信号を各周波数帯域ごとに、それぞれの周波数帯域の信号レベルに応じて利得を設定する第3の工程と、
    各周波数帯域に分割される前のオーディオ信号の振幅の絶対値レベルに応じて第3の工程で設定された利得を補正するための利得補正係数を生成する第2の工程と、
    第3の工程で設定された利得と第2の工程で生成された利得補正係数とから演算して、上記分割されたオーディオ信号をそれぞれ利得制御する第4の工程と、
    第4の工程で増幅された各周波数帯域のオーディオ信号を合成する第5の工程と
    を含むオーディオ信号の利得制御方法。
  6. オーディオ信号の増幅利得を制御するオーディオ信号の利得制御方法において、
    上記オーディオ信号から複数の周波数帯域でのオーディオ信号を抽出する第1の工程と、
    第1の工程において抽出された各周波数帯域でのオーディオ信号の振幅レベルの絶対値を対数値に変換した信号レベルを演算する第2の工程と、
    上記各周波数帯に抽出される前のオーディオ信号の振幅レベルに応じて上記各周波数帯に抽出される前のオーディオ信号の利得を設定する第3の工程と、
    第2の工程で演算された各周波数帯域でのオーディオ信号の信号レベルから、第3の工程で設定された利得を補正する補正量を演算して、第3の工程で設定された利得を上記補正量により補正して上記各周波数帯に抽出される前のオーディオ信号の増幅利得を制御する第4の工程と、
    を含むオーディオ信号の利得制御方法。
  7. 各周波数帯域でのオーディオ信号の信号レベルから補正量を演算するときに、低音域または高音域の信号レベルが中音域の信号レベルに比較して高い場合、利得を大きくするような特性に演算することを特徴とする請求項6に記載のオーディオ信号の利得制御方法。
  8. 各周波数帯に抽出される前のオーディオ信号の振幅レベルが所定の値より小さいときに、各周波数帯域のオーディオ信号の利得の制御量を補正するように設定されることを特徴とする請求項6または7に記載のオーディオ信号の利得制御方法。
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