JP2010068080A - 音量制御装置 - Google Patents

音量制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2010068080A
JP2010068080A JP2008230666A JP2008230666A JP2010068080A JP 2010068080 A JP2010068080 A JP 2010068080A JP 2008230666 A JP2008230666 A JP 2008230666A JP 2008230666 A JP2008230666 A JP 2008230666A JP 2010068080 A JP2010068080 A JP 2010068080A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phase
audio signal
volume
frequency band
level
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008230666A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5052460B2 (ja
Inventor
Mitsuru Ishizuka
充 石塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2008230666A priority Critical patent/JP5052460B2/ja
Publication of JP2010068080A publication Critical patent/JP2010068080A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5052460B2 publication Critical patent/JP5052460B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Circuit For Audible Band Transducer (AREA)
  • Tone Control, Compression And Expansion, Limiting Amplitude (AREA)

Abstract

【課題】設定された音量レベルがとくに小さい場合でも、一定の聴感レベルでのオーディオ信号再生を可能とし、また、人間の心理聴感特性に沿って信号利得および信号位相を制御し、小さな音量でも臨場感や音声の明瞭度を損なうことなく再生可能なオーディオ信号の音量制御装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る音量制御装置50は、出力音量のレベルが設定されるボリューム設定部15、入力されたオーディオ信号を複数の周波数帯域に分割するフィルタ3〜6、分割された周波数帯域ごとに、設定された出力音量のレベルに応じて入力されたオーディオ信号の利得を制御する利得制御部7〜10、分割された周波数帯域ごとに、設定された出力音量のレベルに応じて入力されたオーディオ信号の位相を制御する位相制御部11〜14、利得、位相制御された各周波数帯域のオーディオ信号を合成するオーディオ信号合成部16を備えて構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、テレビやラジオ、携帯電話、あるいはDVDなど、メディアを通じてオーディオ信号を再生する機器における、オーディオ信号の出力音量を制御する音量制御装置に関する。
従来のオーディオ信号を再生する機器においては、特許文献1に示すように、低音域や高音域では人間の聴覚感度が低いという性質を補正するために、低音域や高音域を強調するように周波数特性を制御する方法が良く採用されている。また、特許文献2には、低域から中域、高域と周波数の対数的な増加に応じて位相を漸次遅らせ、スピーカから発生する音のうち高域成分を遅らせて、低域成分の時間軸に合わせることで音質改善をする方法が示されている。
特開2000−197182号公報 特開2005−143093号公報
しかしながら、特許文献1に示された方法では、設定された音量レベルに従って周波数帯域ごとの振幅レベルのみを調整しており、ラウドネス特性とともに音質を十分に維持したいという要求を実現することができない。従来の振幅特性の制御やバランスのみのラウドネス制御では、小さな音量での臨場感や音声の明瞭度を十分に再生することが難しいという問題がある。ラウドネス制御に従って低音や高音を強調するだけでは、小音量での再生で十分な効果を得ることができない。また、特許文献2に示された方法は音量レベルに応じて調整するものではない。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、設定された音量レベルがとくに小さい場合でも、一定の聴感レベルでのオーディオ信号再生を可能とし、また、人間の心理聴感特性に沿って信号利得および信号位相を制御し、小さな音量でも臨場感や音声の明瞭度を損なうことなく再生可能なオーディオ信号の音量制御装置を提供することを目的とする。
本発明に係る音量制御装置は、オーディオ信号の出力音量を制御する音量制御装置であって、出力音量のレベルが設定されるレベル設定部、入力されたオーディオ信号を複数の周波数帯域に分割する帯域分割部、分割された周波数帯域ごとに、設定された出力音量のレベルに応じて入力されたオーディオ信号の利得を制御する利得制御部、分割された周波数帯域ごとに、設定された出力音量のレベルに応じて入力されたオーディオ信号の位相を制御する位相制御部、利得、位相制御された各周波数帯域のオーディオ信号を合成する合成部を備えて構成される。
本発明によれば、設定された音量レベルに応じて、各周波数帯域ごとにオーディオ信号の利得制御および位相制御を行うため、様々な周波数分布を有するオーディオ信号を、どのような音量レベルにおいても低音域から高音域まで臨場感を損なうことなく再生できる効果がある。また、音量レベルがとくに小さいような場合でも、オーディオ信号の臨場感を保ち、また音声の明瞭度を損なうことなく再生することが可能である。
以下、この発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
<実施の形態1>
(構成)
図1は、実施の形態1におけるオーディオ信号の出力音量を制御する音量制御装置50の構成を示すものである。デジタルオーディオ信号が入力される入力端子1を備え、入力端子1は入力されたデジタルオーディオ信号についてある周波数帯域の成分を抽出するフィルタ3〜6の入力部に接続される。すなわち、フィルタ3〜6は入力されたオーディオ信号を複数の周波数帯域に分割する帯域分割部となる。
フィルタ3〜6の出力部は利得制御部7〜10の入力部にそれぞれ接続され、利得制御部7〜10の出力部は位相制御部11〜14の入力部にそれぞれ接続される。また、出力音量のレベルが設定されるボリューム設定部(レベル設定部)15は、利得制御部7〜10および位相制御部11〜14の入力部に接続される。利得制御部7〜10は、分割された周波数帯域ごとに、設定された出力音量のレベルに応じて入力されたオーディオ信号の利得を制御し、位相制御部11〜14は、分割された周波数帯域ごとに、設定された出力音量のレベルに応じて入力されたオーディオ信号の位相を制御する。
位相制御部11〜14の出力部は、利得、位相制御された各周波数帯域のオーディオ信号を加算してひとつの信号に合成するオーディオ信号合成部(合成部)16の入力部に接続され、オーディオ信号合成部16の出力部は出力端子2と接続される。
ここで、図4は、図1における利得制御部7〜10の詳細ブロック図である。図4において、18はフィルタ3〜6で周波数帯域が制限された各周波数帯域のデジタルオーディオ信号が入力される入力端子であり、入力されるデジタルオーディオ信号に一定の係数を乗算する乗算器23の入力部と接続される。また、設定された音量レベルを入力する入力端子19を備え、入力端子19は入力オーディオ信号の利得を決定するための乗算係数を演算・生成する補正係数生成部21の入力部と接続され、補正係数生成部21の出力部は係数の急激な変化を抑制するための時間フィルタ22の入力部と接続される。時間フィルタ22の出力部は乗算器23の入力部と接続され、乗算器23の出力部は出力端子20と接続される。
また、図5は、図1における位相制御部11〜14の詳細ブロック図である。図5において、24はフィルタ3〜6で周波数帯域が制限され、利得制御部7〜10で利得制御されたデジタルオーディオ信号が入力される入力端子であり、入力されるデジタルオーディオ信号の位相のみを制御する全域通過型フィルタ29の入力部と接続される。また、設定された音量レベルを入力する入力端子25を備え、入力端子25は入力オーディオ信号の位相特性を決定するためのフィルタ係数を生成する補正係数生成部27の入力部と接続され、補正係数生成部27の出力部は係数の急激な変化を抑制するための時間フィルタ28の入力部と接続される。時間フィルタ28の出力部は全域通過型フィルタ29の入力部と接続され、全域通過型フィルタ29の出力部は出力端子26と接続される。
(動作)
次に図1に示す音量制御装置50の動作について説明する。入力端子1には標本化されたデジタルオーディオ信号が入力される。通常、オーディオ信号は、32KHz、44.1KHz、48KHzなどの周波数で標本化される。入力されたデジタルオーディオ信号は、フィルタ3〜6に入力され、各周波数帯域の成分に分割される。
本発明における周波数帯域分割は、人間の聴感特性の差異に沿って分割する。一般に人間の耳に聞こえるオーディオ信号は、その周波数成分によって感じる音圧レベルが異なっている。通常、人の耳にとって、1KHz〜4KHzのオーディオ信号がもっとも聞こえやすく、それより低い音域の信号や高音域の信号は、数dB以上聞こえにくくなると言われている。これらの特性は等ラウドネス特性としてよく知られているが、例えば、本発明の実施例において、4つの周波数帯域に分割する場合、等ラウドネス特性の差異を考慮して、とくに差異の大きい周波数帯域に分割し、500Hz以下、500Hz〜2KHz、2KHz〜4KHz、4KHz以上のような周波数帯域に分割している。
図2は等ラウドネス特性の一例を示した図である。図2において、横軸は周波数を対数軸で示しており、縦軸は出力信号の音圧レベルを示している。等ラウドネス特性とは、周波数対音圧レベルの特性において1KHzの信号と同じレベルに聞こえる音圧のレベルを結んだ特性である。音量レベルが大きいほどすべての周波数がほぼ同じように聞こえ、音量レベルが小さくなるに従い、中音域しか聞こえなくなっていく。一般に、人間の心理聴覚特性では、中音域に対して、低音域・高音域がより聞こえにくい特性となっており、図2に示すように、4KHzぐらいのオーディオがもっともよく聞こえることとなる。本実施の形態1では、例えば、図2に示すような4つの周波数帯域(図2における、帯域1、帯域2、帯域3、帯域4)に分割し、各々のラウドネス特性の振幅の差異に沿った利得や位相の制御を行う。
図1において、入力されたオーディオ信号を4つの周波数帯域に分割している場合を説明する。例えば、フィルタ3は500Hz以下の信号を通過させる低域通過フィルタ、フィルタ4は500Hz〜2KHzを通過させる帯域通過フィルタ、フィルタ5は2KHz〜4KHzを通過させる帯域通過フィルタ、フィルタ6は4KHz以上の信号を通過させる高域通過フィルタで構成される。これらのフィルタ群は、位相特性が線形な高次のFIR(有限インパルス応答)フィルタで構成されれば、合成後の周波数特性が良く理想的であるが、振幅特性が平坦でかつ位相特性が線形に近いIIR(無限インパルス応答)フィルタで構成することも可能である。
フィルタで帯域分割された各周波数成分のオーディオ信号は利得制御部7〜10に入力され、それぞれの周波数帯域ごとに利得の制御が行われる。利得の制御では、設定された音量レベルによって利得制御量が決定される。ここでは、音設定された出力音量のレベルが小さくなるに従い、等ラウドネス特性に合うように補正され、低音域と高音域の利得が中音域に対して徐々に大きくなる。すなわち、低周波数帯域および高周波数帯域の帯域音量レベルを中周波数帯域の帯域音量レベルに対して高くする。低周波数帯域または高周波数帯域のどちらかの帯域音量レベルを中周波数帯域の帯域音量レベルに対して高くしてもよい。
利得制御部7〜10で利得制御された各周波数成分のオーディオ信号は位相制御部11〜14に入力され、それぞれの周波数帯域ごとに位相の制御が行われる。位相の制御では、利得制御と同様に、設定された音量レベルによって位相の補正量が決定される。ここでは、設定された出力音量のレベルが小さくなるに従い、低音域と高音域の位相が中音域に対して徐々に遅れていくように補正制御される。すなわち、低周波数帯域および高周波数帯域の位相を中周波数帯域の位相に対して遅らせる。低周波数帯域または高周波数帯域のどちらかの位相を中周波数帯域の位相に対して遅らせてもよい。
図3は、位相制御部11〜14の位相特性を示す図である。図3において、横軸は周波数を対数軸で示しており、縦軸は出力信号の位相を示している。出力信号の位相制御は、中音域に対して、低音域、高音域が遅れるように制御されており、前述したように、音量レベルが小さくなるほど、位相の遅れ量は徐々に大きくなる。このような位相を補正する制御により、音声信号の明瞭度が上がり、音量レベルが小さい場合でも、聴感上聞き取りやすくなる。
位相制御部11〜14で各々位相制御された各オーディオ信号はオーディオ信号合成部16に入力され、各々の周波数帯域のオーディオ信号を加算することによりひとつのオーディオ信号を復元する。復元されたオーディオ信号は出力端子2から出力される。
次に利得制御部7〜10の内部の動作について、図4を用いて説明する。入力端子18にはデジタルオーディオ信号が入力される。このデジタルオーディオ信号は周波数帯域が制限されたオーディオ信号である。入力端子18に入力されたオーディオ信号は乗算器23に入力される。乗算器23は、利得を決めるためのものである。
補正係数生成部21は、入力端子19からの音量レベルが入力され、それに応じた各帯域の補正量から入力オーディオ信号の振幅レベルを制御するための乗算係数を生成・出力する。補正係数生成部21でのオーディオ信号の利得制御のための係数決定には、入力音量レベルを対数空間に変換し、対数空間上で周波数帯域ごとの補正量を加味することにより求められる。すなわち、利得制御部7〜10は、入力されたオーディオ信号の音量レベルを対数空間に変換し利得を制御する。
補正係数生成部21の係数出力は時間フィルタ22に入力され、時間フィルタ22では、音量レベルの急激な変化によるノイズの発生や違和感を抑制するためのフィルタリング処理が行われる。これにより、ボリュームを急に大きく変化させた場合でも、徐々に音量が変化するように制御される。
次に位相制御部11〜14の内部の動作について、図5を用いて説明する。入力端子24にはデジタルオーディオ信号が入力される。このデジタルオーディオ信号は周波数帯域が制限され、利得制御部7〜10で利得制御された各周波数成分のオーディオ信号である。入力端子24に入力されたオーディオ信号は全域通過型フィルタ29に入力される。全域通過型フィルタ29は、位相特性を補正するためのものであり、振幅特性としては全周波数帯域で一定であり、一方周波数に対して位相特性のみが補正される。すなわち、位相制御部11〜14は、全域通過型フィルタ29を用いて位相を制御する。
補正係数生成部27は、入力端子25から入力される音量レベルによって決定される各周波数帯域の位相の補正量に合ったフィルタ係数を出力する。フィルタ係数は、音量レベルがいくらかという情報とどの周波数帯域かという2点の情報から決定される。最終的なフィルタ係数は、位相特性の異なるフィルタ係数を複数組み合わせることにより演算し、求められる。
補正係数生成部27の係数出力は時間フィルタ28に入力され、時間フィルタ28では、音量レベルの急激な変化に伴う位相特性の変化やそれに伴う違和感を抑制するためのフィルタリング処理が行われる。これにより、ボリュームを急に大きく変化させた場合でも、徐々に位相特性が変化するように制御される。
(効果)
本発明によれば、設定された音量レベルに応じて、各周波数帯域ごとにオーディオ信号の利得制御および位相制御を行うため、様々な周波数分布を有するオーディオ信号を、どのような音量レベルにおいても低音域から高音域まで臨場感を損なうことなく再生できる効果がある。また、音量レベルがとくに小さいような場合でも、オーディオ信号の臨場感を保ち、また音声の明瞭度を損なうことなく再生することが可能である。
実施の形態1においては、周波数帯域を4つに分割して制御する例を示したが、8個の周波数帯域や16個の周波数帯域に分割するなど、より多くの周波数帯域に分割して処理すればより効果的である。
また、実施の形態1において、各周波数帯域のオーディオ信号の位相特性の補正については、相対的に中音域のみを補正したり、あるいは、低音域のみ、高音域のみを補正するなど、他の補正方法を用いてもよい。
<実施の形態2>
(構成)
図6は、この発明を実施するための実施の形態2における音量制御装置51を示すものである。音量制御装置51は、合成されたオーディオ信号に対して、左右(LR)のオーディオ信号の差分成分を強調するよう補正制御するLR成分制御部30を備える。LR成分制御部30の入力部は、オーディオ信号合成部16およびボリューム設定部15の出力部と接続され、LR成分制御部30の出力部は、音量制御装置51の出力端子2と接続される。
図7は、図6におけるLR成分制御部30の詳細ブロック図である。図7において、31は左(L)のオーディオ信号が入力される入力端子、32は右(R)のオーディオ信号が入力される入力端子であり、それぞれ減算部36および加算部39の入力部に接続される。減算部36の出力部は乗算器37の入力部に接続され、加算部39の出力部は乗算器40の入力部に接続される。また、33は設定された音量レベルが入力される入力端子であり、入力端子33は、乗算器37,40の入力部に接続される。乗算器37,40の出力部は加算部38および減算部41の入力部に接続され、加算部38の出力部は出力端子34、減算部41の出力部は出力端子35に接続される。
その他の構成は、実施の形態1において図1で示した音量制御装置50と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
(動作)
次に図6に示す音量制御装置51の動作について説明する。入力端子1からオーディオ信号合成回路16までの動作は、実施の形態1と同様に行われる。入力端子1には標本化されたデジタルオーディオ信号が入力される。通常、オーディオ信号は、32KHz、44.1KHz、48KHzなどの周波数で標本化される。入力されたデジタルオーディオ信号は、フィルタ3〜6に入力され、各周波数帯域の成分に分割される。
フィルタ3〜6においてオーディオ信号を複数の周波数帯域に分割する際には、実施の形態1と同様に、等ラウドネス特性を基準として人間の聴覚特性が異なる周波数帯域に分割する。例えば、4つの周波数帯域に分割する場合、500Hz、2KHz、4KHzのような周波数で分割する。これらのフィルタ郡は、実施の形態1のフィルタと同様に、位相特性が線形な高次のFIRフィルタや、振幅特性が平坦でかつ位相特性が線形に近いIIRフィルタで構成される。
上記フィルタで帯域分割された各周波数成分のオーディオ信号は利得制御部7〜10に入力され、それぞれの周波数帯域ごとに利得の制御が行われる。利得の制御では、設定された音量レベルによって制御量が決定される。ここでは、実施の形態1と同様に、設定された音量レベルが小さくなるに従って、等ラウドネス特性に合うように補正され、低音域と高音域の利得が大きくなる。
さらに、利得制御部7〜10で制御された各周波数成分のオーディオ信号は位相制御部11〜14に入力され、それぞれの周波数帯域ごとに位相の制御が行われる。位相の制御では、利得制御と同様に、設定された音量レベルによって制御量が決定される。設定された音量レベルが小さくなるに従って、低音域と高音域の位相が徐々に遅れていくように補正される。
位相制御部11〜14で各々位相制御されたオーディオ信号はオーディオ信号合成部16に入力され、各々の周波数帯域の特性に従って補正されたオーディオ信号がすべて加算されることによりひとつのオーディオ信号が復元される。復元されたオーディオ信号は、LR成分制御部30に入力される。LR成分制御部30は音量レベルが小さいときに左右の差分成分を補正・強調するための処理回路である。
図7に示すLR成分制御部30の動作について説明する。入力端子31,32には左右のデジタルオーディオ信号が入力される。このデジタルオーディオ信号はすべての周波数帯域を含むオーディオ信号である。減算部36は左右のオーディオ信号の差分を計算し、また加算部39は左右のオーディオ信号の加算結果を計算する。
乗算器37は、減算部36で計算した左右のオーディオ信号の差分成分に対して一定の係数を乗算する。乗算係数は、設定された音量レベルから決定される。設定された音量レベルが小さいような場合では、左右の差分成分に対して、0.5以上の係数を乗算することにより補正処理を行い、左右の差分成分を増幅する処理を行う。すなわち、LR成分制御部30は、設定された出力音量のレベルが小さくなるに従い、左右の差分成分の差を大きくするように制御する。これにより、音量レベルが小さい場合でも、左右のステレオ感を補正・維持することが可能である。
乗算器40は、加算部39で計算した左右のオーディオ信号の加算成分に対して一定の係数を乗算する。乗算係数は差分成分の乗算係数の決定と同様に、設定された音量レベルから求められる。オーディオ信号の加算成分に対する処理は、乗算器37による差分成分に対する演算で、全体の音量レベルのバランスが損なわれることがないように行われる。
加算部38は、乗算器37の出力と乗算器40の出力を加算する。ここで、左右のオーディオ入力信号をそれぞれXL、XRとし、乗算器37、乗算器40の乗算係数をそれぞれα、βとし、出力オーディオ信号をYL、YRとすると、加算部38のオーディオ出力は、
YL=α×(XL+XR)+β×(XL−XR)…(1)
で求められた結果となる。α、βがともに0.5のときは補正が行われない出力信号となる。
減算部41は、乗算器37の出力と乗算器40の出力を減算する。ここで、さきほどと同様に左右のオーディオ入力信号をそれぞれXL、XR、乗算器37、乗算器40の乗算係数をそれぞれα、β、出力オーディオ信号をYL、YRとすると、減算部41のオーディオ出力は、
YR=α×(XL+XR)−β×(XL−XR)…(2)
で求められた結果となる。α、βがともに0.5のときは補正が行われない出力信号となる。
加算部38のオーディオ出力は、オーディオ信号の左成分として、出力端子34から出力され、減算部41のオーディオ出力は、オーディオ信号の右成分として、出力端子35から出力され、図6において、前述したように補正されたオーディオ信号のLR成分制御部の出力は出力端子2から出力される。
(効果)
本実施の形態に係る音量制御装置51はLR成分制御部30を備えており、音量レベルが小さい場合でも、左右のステレオ感を補正・維持することが可能である。
なお、本実施の形態2においても実施の形態1と同じように、周波数帯域を4つに分割して制御する例を示したが、8個の周波数帯域や16個の周波数帯域に分割するなど、より多くの周波数帯域に分割して処理すればより効果的である。
この発明の実施の形態1を示す音量制御装置のブロック図である。 オーディオ信号のラウドネス特性の説明図である。 この発明によるオーディオ信号の位相制御特性の説明図である。 この発明による利得制御部の具体的構成を示すブロック図である。 この発明による位相制御部の具体的構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態2を示す音量制御装置のブロック図である。 この発明の実施の形態2のLR成分制御部の具体的構成を示すブロック図である。
符号の説明
1,18,19,24,25,31,32,33 入力端子、2,20,26,34,35 出力端子、3〜6 フィルタ、7〜10 利得制御部、11〜14 位相制御部、15 ボリューム設定部、16 オーディオ信号合成部、21,27 補正係数生成部、22,28 時間フィルタ、23 乗算器、29 全域通過型フィルタ、30 LR成分制御部、36,41 減算部、38,39 加算部、37,40 乗算器。

Claims (7)

  1. オーディオ信号の出力音量を制御する音量制御装置であって、
    前記出力音量のレベルが設定されるレベル設定部と、
    入力されたオーディオ信号を複数の周波数帯域に分割する帯域分割部と、
    前記分割された周波数帯域ごとに、前記設定された出力音量のレベルに応じて前記入力されたオーディオ信号の利得を制御する利得制御部と、
    前記分割された周波数帯域ごとに、前記設定された出力音量のレベルに応じて前記入力されたオーディオ信号の位相を制御する位相制御部と、
    前記利得、位相制御された各周波数帯域のオーディオ信号を合成する合成部と、を備える、
    音量制御装置。
  2. 前記利得制御部は、前記設定された出力音量のレベルが小さくなるに従い、低周波数帯域および/または高周波数帯域の帯域音量レベルを中周波数帯域の帯域音量レベルに対して高くする、
    請求項1に記載の音量制御装置。
  3. 前記位相制御部は、前記設定された出力音量のレベルが小さくなるに従い、低周波数帯域および/または高周波数帯域の位相を中周波数帯域の位相に対して遅らせる、
    請求項1に記載の音量制御装置。
  4. 前記利得制御部は、入力されたオーディオ信号の音量レベルを対数空間に変換し利得を制御する、
    請求項1に記載の音量制御装置。
  5. 前記位相制御部は、全域通過型フィルタを用いて位相を制御する、
    請求項1に記載の音量制御装置。
  6. 前記合成されたオーディオ信号に対して、左右のオーディオ信号の差分成分を補正制御するLR成分制御部をさらに備える、
    請求項1に記載の音量制御装置。
  7. 前記LR成分制御部は、前記設定された出力音量のレベルが小さくなるに従い、左右の差分成分の差を大きくする、
    請求項6に記載の音量制御装置。
JP2008230666A 2008-09-09 2008-09-09 音量制御装置 Expired - Fee Related JP5052460B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008230666A JP5052460B2 (ja) 2008-09-09 2008-09-09 音量制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008230666A JP5052460B2 (ja) 2008-09-09 2008-09-09 音量制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010068080A true JP2010068080A (ja) 2010-03-25
JP5052460B2 JP5052460B2 (ja) 2012-10-17

Family

ID=42193305

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008230666A Expired - Fee Related JP5052460B2 (ja) 2008-09-09 2008-09-09 音量制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5052460B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012142730A (ja) * 2010-12-28 2012-07-26 Pioneer Electronic Corp 音響装置及び出力音制御方法
JP2013165890A (ja) * 2012-02-16 2013-08-29 Sankyo Co Ltd 遊技機
JP2018501727A (ja) * 2015-01-14 2018-01-18 ヴェーデクス・アクティーセルスカプ 補聴器システムの動作方法および補聴器システム
JP2018501728A (ja) * 2015-01-14 2018-01-18 ヴェーデクス・アクティーセルスカプ 補聴器システムの動作方法および補聴器システム
CN116980804A (zh) * 2023-09-25 2023-10-31 腾讯科技(深圳)有限公司 音量调整方法、装置、设备及可读存储介质

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03187610A (ja) * 1989-12-18 1991-08-15 Kenwood Corp 音響補正装置
JPH06133390A (ja) * 1992-10-21 1994-05-13 Sony Corp 音質制御回路
JPH1070795A (ja) * 1996-08-27 1998-03-10 Kawai Musical Instr Mfg Co Ltd 音像制御装置
JP2003519950A (ja) * 1999-12-29 2003-06-24 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 位相フィルタリングによる増幅器のctb低減

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03187610A (ja) * 1989-12-18 1991-08-15 Kenwood Corp 音響補正装置
JPH06133390A (ja) * 1992-10-21 1994-05-13 Sony Corp 音質制御回路
JPH1070795A (ja) * 1996-08-27 1998-03-10 Kawai Musical Instr Mfg Co Ltd 音像制御装置
JP2003519950A (ja) * 1999-12-29 2003-06-24 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 位相フィルタリングによる増幅器のctb低減

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012142730A (ja) * 2010-12-28 2012-07-26 Pioneer Electronic Corp 音響装置及び出力音制御方法
JP2013165890A (ja) * 2012-02-16 2013-08-29 Sankyo Co Ltd 遊技機
JP2018501727A (ja) * 2015-01-14 2018-01-18 ヴェーデクス・アクティーセルスカプ 補聴器システムの動作方法および補聴器システム
JP2018501728A (ja) * 2015-01-14 2018-01-18 ヴェーデクス・アクティーセルスカプ 補聴器システムの動作方法および補聴器システム
CN116980804A (zh) * 2023-09-25 2023-10-31 腾讯科技(深圳)有限公司 音量调整方法、装置、设备及可读存储介质
CN116980804B (zh) * 2023-09-25 2024-01-26 腾讯科技(深圳)有限公司 音量调整方法、装置、设备及可读存储介质

Also Published As

Publication number Publication date
JP5052460B2 (ja) 2012-10-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100626233B1 (ko) 스테레오 확장 네트워크에서의 출력의 등화
US6965676B1 (en) Volume-responsive loudness compensation circuits, systems, and methods
JP4418774B2 (ja) オーディオ装置およびサラウンド音生成方法
JP2004056527A (ja) 周波数特性調整装置および周波数特性調整方法
US8351619B2 (en) Auditory sense correction device
US20060274903A1 (en) Sound quality adjustment device
CA3011628C (en) Subband spatial and crosstalk cancellation for audio reproduction
JP2013537321A (ja) 知覚スペクトルアンバランス改善のための音声信号動的補正
JPH11298990A (ja) オーディオ装置
JP4414905B2 (ja) オーディオ装置
JP5052460B2 (ja) 音量制御装置
JP4150749B2 (ja) 立体音響再生システムおよび立体音響再生装置
JP5472258B2 (ja) 音声信号処理装置
JP5682539B2 (ja) 音響再生装置
JP5038145B2 (ja) 定位制御装置、定位制御方法、定位制御プログラムおよびコンピュータに読み取り可能な記録媒体
JP4402636B2 (ja) オーディオ装置
JP4368917B2 (ja) 音響再生装置
WO2021057214A1 (zh) 一种声场扩展方法、计算机设备以及计算机可读存储介质
JP5002414B2 (ja) 聴覚感度補正装置
JP4803193B2 (ja) オーディオ信号の利得制御装置および利得制御方法
CN115696133A (zh) 均衡信号的方法以及调平均衡器
JP5983835B2 (ja) 音声信号処理装置
JP5786981B2 (ja) 音声信号処理装置
JP2015032933A (ja) 低域補完装置および低域補完方法
JPH05145991A (ja) 低音域特性補正回路

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110218

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111201

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111206

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120124

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120626

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120724

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150803

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees