JP5069832B2 - 適応加圧型4方向磁気カードリーダライタ - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、例えば無人駐車場における自動発券機、自動精算機、鉄道、遊技場等で磁気カードによる諸手続、精算等を行う磁気データ読み取り、書き込み機械に用いる磁気カードリーダライタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図37、38、39、40、41に磁気カード(以下「媒体」と言うことがある)上のデータを読み取り、又はデータ書き込みを行う従来の2方向磁気カードリーダライタの構成を示す。図37は全体を中央で破断して右側面から見た図、図38は全体を図37の矢視A−Aから見た図、図39は同様に矢視B−Bから見た図、図40は使用時に媒体の詰まりや折れ曲がり等の異常時にサービス用に設けられた開閉機構を開いた状態を示す図、図41は図40の矢視C−Cから開閉機構を見た図である。
【0003】
図37〜図41において、3700は媒体である。媒体3700は機器を構成するものではないがその機能を説明するために示してある。3701は媒体搬送の動力源であるモーター、3702a,3702bは媒体3700に磁気データを読み書きする磁気ヘッド、3709は媒体3700の挿入口、3711,3711は機構全体を保持するシャシフレーム、3715は媒体3700が搬送される際の下側走行案内板、3716,3717は同じく上側走行案内板右及び左、3718は図40,41に示すサービス用開閉機構を保持するシャシフレーム、3719,3720はシャシフレーム3718に直立して搬送機構の上半分を構成するサブフレーム、3721はサービス用開閉機構の開放、固定を行うラッチ、3722はシャシフレーム3718の一端を回転閉開するためのヒンジ軸3769を固定する支持具、
【0004】
3730a,3730bは媒体3700の磁気面を磁気ヘッド3702a,3702bに各々圧しつけながら回動するヘッドプレスローラ、
【0005】
3731はモータ3701の駆動力を出力する歯付きプーリー、3732はタイミングベルト3790で伝達されるモータ3701の駆動力を搬送機構に受けるためのフランジ歯付きプーリー、3733a,3733bは搬送ベルト3791の両端を回動しながら支持するフランジ歯付きプーリー、3734はフランジ歯付きプーリー3733a,3733bの中間にあって搬送ベルト3791の走行面を水平に保つ歯付きプーリー、3735,3736は搬送ベルト3791に適度の張力を与えながら回動するプーリー、
【0006】
3737a,3737b,3737cはサービス用開閉機構側にある搬送ベルト3792を支持しながら回動する歯付きプーリー、
【0007】
3750はプーリー3733aおよびフランジ歯付きプーリー3732を嵌挿してモータ駆動力を伝達する回動軸、3751はフランジ歯付きプーリー3733bにベアリング3771aを介して嵌挿する回動軸、3752は歯付きプーリー3734にベアリング3771bを介して嵌挿する支持軸、3753aはプーリー3735にベアリング3771cを介して嵌挿する支持軸、3753bはプーリー3736にベアリング3772を介して嵌挿する支持軸、3754はヘッドプレスローラ3730a,3730bにベアリング3770を介して嵌挿する支持軸、3755は歯付きプーリー3737aにベアリング3771dを介して嵌挿する支持軸、3756a,3756bは各々歯付きプーリー3737b,3737cにベアリング3771e,3771fを介して嵌挿する支持軸、3780a,3780bは支持軸3754の両端にあってヘッドプレスローラ3730a,3730bに所定の圧力を生ぜしめるスプリング、3781a,3781bはラッチ3721に引留力を与えるスプリング、
【0008】
3790はモーター3701の出力を搬送系に伝達するタイミングベルト、3791は媒体3700を搬送する下側タイミングベルト、3792は同様の上側タイミングベルト、3795a,3795b,3795c,3795dは媒体3700の搬送位置を検出する光センサーである。
【0009】
図37〜図41において、モータ3701の駆動力は歯付きプーリー3731からタイミングベルト3790により搬送系駆動用フランジ歯付きプーリー3732に伝達され、当該フランジ歯付きプーリー3732に嵌挿された回動軸3750を経てその中央部に取り付けられた搬送用フランジ歯付きプーリー3733aを回動させる。
【0010】
フランジ歯付きプーリー3733aには搬送用タイミングベルト3791が噛み合っており、下側タイミングベルト3791は搬送用フランジ歯付きプーリー3733bおよび歯付きプーリー3734のプーリー列に繋合され、かつプーリー3735および3736により所定の張力を加えられて媒体3700の搬送面を水平に保つように、又搬送面は磁気ヘッド3702a,3702bの磁極面と面一になるように設定されている。
【0011】
更に、下側タイミングベルト3791の搬送面に摩擦で従動するタイミングベルト3792が圧接されている。上側タイミングベルト3792はフランジ歯付きプーリー3737a,3737b,3737cからなるプーリー列に繋合され、所定の張力が与えられると共に各々の支持軸3755,3756a,3756bに嵌挿されたベアリング3771により上側タイミングベルト3792は下側タイミングベルト3791の動きに従動することができる。図37において、媒体3700が下側タイミングベルト3791と上側タイミングベルト3792の間に挿入されると、モーター3701の駆動により、媒体3700は図中、右方向、左方向のどちらへも搬送することが出来る。
【0012】
一方、磁気ヘッド3702a,3702bの磁極面に対向して媒体圧接用のヘッドプレスローラ3730a,3730bが所定の圧接力を生ぜしむるスプリング3780a,3780bで圧接されており、下側タイミングベルト3791と上側タイミングベルト3792によって搬送されてきた媒体3700がヘッドプレスローラ3730a,3730bおよび磁気ヘッド3702a,3702bの間を通過すると、磁気ヘッド3702a,3702bの磁極によりデータの読み書きが出来る状態になる。
【0013】
光センサー3795a,3795b,3795c,3795dは媒体3700の搬送位置を検出するものであり、搬送制御に利用される。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
1.磁極面を上にした磁気ヘッド3702a,3702bとそれに対向するヘッドプレスローラ3730a,3730bが1組しか存在しないため、媒体3700の磁気面を下にして挿入した場合だけしか読み書きが出来ない。媒体3700の前後が逆転した場合は2ヶ所の磁気ヘッドがあるので、往復どちらも読み書き出来るため、2方向といわれている。
しかし、媒体の表裏が逆転して磁気面が上に向くと従来機では読み書きが出来なくなる欠点があった。
【0015】
2.ヘッドプレスローラ3730a,3730bはスプリング3780a,3780bで定常的に所定の圧接力(例えば100gf)が与えられているが、媒体3700が客の取扱中、折り曲げ等の変形を受けた物が挿入されるとヘッドプレスローラ3730a,3730bが浮き上がり、データにエラーが生じる欠点があった。
【0016】
本発明は上記問題点を鑑みてなされたものであり、
1.客が媒体の磁気面を上、下どちらに向けても、また、前後どちらに向けて挿入しても、すなわち4方向いずれの場合でもデータの読み書きが出来ること、
2.客が媒体を取り扱っている間に折り曲げ、シワ等の変形を加えた媒体であっても、ある限度以内であればその変形部を矯正して読み書きデータのエラーの発生を防ぐこと、
が出来る磁気カードリーダライタを得ることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明に係る適応加圧型4方向磁気カードリーダライタは、媒体を搬送するための搬送面を構成する搬送機構を駆動する搬送モータと、搬送面を挟んで磁極面を上に向けた第1の磁気ヘッド及び磁極面を下に向けた第2の磁気ヘッドを隣接して配置し、各々の磁気ヘッドに媒体を圧接しながら回転可能なヘッドプレスローラを設け、前記ヘッドプレスローラの各々の回転軸を振子式アームに取り付け、前記各アームに対して、ヘッドプレスローラの圧接方向とは反対方向に回転させ開放するか、または、圧接方向に回転させて更に加圧するかの双方向に回転させるアクチュエータと、媒体からの磁気ヘッドによる読み書きデータにエラーが生じることにより、媒体が停止し搬送されてきたもとの方向に戻り再度当該磁気ヘッド方向に搬送するように搬送モータの起動停止、駆動方向を制御するとともに、媒体の走行位置を感知するセンサー及び媒体の磁気面を判断する磁気ヘッドからの信号を受けて、前記センサーが感知した媒体の走行位置と磁気ヘッドが判断した媒体の磁気面とに応じて、当該磁気面に磁気ヘッドによりデータの読み書きができるようにヘッドプレスローラの加圧又はヘッドプレスローラによる媒体への負荷の開放を、アクチュエータを介して制御する制御装置からなることを特徴とするものである。
【0018】
【作用】
本発明に係る適応加圧型4方向磁気カードリーダライタにおいて次のように作用する。
1.2方向の従来機と同様の外形寸法という制約の中で、4方向読み書き機能を実現するために加えたもう一組の磁気ヘッドとそれに組み合わされるヘッドプレスローラが隣り合わせにあるために、挿入された媒体磁気面の上下によって担当する磁気ヘッドに対して担当しない磁気ヘッドが媒体搬送時に負荷となる。特に媒体の端が担当しない磁気ヘッドとそれに密着して予圧されているヘッドプレスローラの狭間に進入するときにショックが生じて担当磁気ヘッドの読み書きデーに乱れを生じる。磁気ヘッドの前後に設けたセンサー(例えば光りセンサー)は媒体の位置を検知して、制御装置(CPU)の指令により担当しない磁気ヘッド上のヘッドプレスローラをアクチュエータで開放して負荷を取り除く。
2.客の取扱中、折り曲げやシワ等の変形した媒体が挿入されると規定の圧接力を与圧された(例えば100gf)ヘッドプレスローラを媒体が押し上げて磁気ヘッドに密着せず、読み書きデータにエラーが生じる。その場合は、従来機と同様に、制御装置(CPU)がエラー信号を受け取るとリトライ(再試行)を指令して媒体を挿入口に一旦戻した後、再度、通常搬送を行ってデータの読み書きを繰り返すようになっている。ヘッドプレスローラの圧接力が従前通りであると再びエラーを生じる場合が多いが、
本発明では、制御装置(CPU)がエラー信号を受けた場合に限り、次のリトライ行程においてヘッドプレスローラに結合した双方向アクチュエータに更なる加圧指令を行い、ヘッドプレスローラの圧接力をその時だけ平常より大きく(たとえば5倍の500gf)増大させることにより、折り曲げ癖のついた媒体を磁気ヘッドに強く圧接して正しいデータを取り出す作用をなす。
この制御によって、発生頻度の少ない変形媒体のために強力な圧接力を常に加えておく必要がないので磁気ヘッドの磨耗寿命を減ずることがない。
【0019】
【実施例】
1.構成
図1、図2、図3、図4、図5、図6により一実施例について説明する。図1は全体を中央で破断して右側面から見た図、図2は図1の矢視A−Aから見た下側機構を示す図、図3は同様に矢視D−Dから見た上側機構を示す図、図4は同様に矢視C−Cから見た下側機構底面前半分を示す図、図5は同様に矢視B−Bから見た図、図6は媒体の詰まりや異物を取り除いたり、また機構の清掃等のサービスのために設けた開閉機構を示す。
【0020】
図1〜図6において、0101は媒体搬送の駆動源となる搬送モータ、0102a(図2参照),0102bは媒体磁気面が下向きに挿入された場合にデータを読み書きする第1磁気ヘッド、0103a(図3参照),0103bは媒体面が上向きに挿入された場合にデータを読み書きする第2磁気ヘッドであり、前記第1磁気ヘッド0102a,0102bに対して搬送面の流れ方向の上側または下側になるように隣接して配置される。
【0021】
0104は、前記第1磁気ヘッド0102a,0102bに媒体を圧接しながら回転するヘッドプレスローラ0130a(図3参照),0130bを開放または加圧する駆動源となる双方向形第1アクチュエータであり、2個のヘッドプレスローラ130a,0130bを1個のアクチュエータ0104で駆動する。
【0022】
0105a(図4参照),0105bは、第2磁気ヘッド0103a,0103bに媒体を圧接しながら回転するヘッドプレスローラ0130c(図4参照),0130dを開放または加圧するため当該ヘッドプレスローラ0130c,0130dのそれぞれに各1個設けられ前述した開放または加圧の駆動源となる双方向形第2アクチュエータ、
【0023】
0111,0112は下側機構を保持するシャシフレーム、0113,0114は上側機構を保持するシャシフレーム、0115は下側機構にあって媒体が搬送される際の下側走行案内板、0116(図2参照),0117は同様の上側走行案内板右、上側走行案内板左、0121a(図3参照),0121bはサービス用に上側機構を開閉する際の開放、固定用ラッチ、
【0024】
0123a(図3参照),0123bは、前記第1アクチュエータ0104に連結することにより当該第1アクチュエータ0104の駆動に伴い移動して、後述するように前記ヘッドプレスローラ0130a,0130bの開放、加圧駆動をするためのヘッドプレスローラアーム、
0124a(図4参照),0124bは、前記第2アクチュエータ0105a,0105bのそれぞれに連結することにより当該第2アクチュエータ0105a,0105bの駆動に伴い移動して、後述するように前記ヘッドプレスローラ0130c,0130dの開放、加圧駆動するためのヘッドプレスローラアーム、
【0025】
0125aは、下側機構に属する下搬送ベルト0191に所定の張りを与えながら回転するベルトテンションプーリ0136aを後述するように上側方向に回転する力を与えて支持するテンションアーム、0125bは、上側機構に属する上搬送ベルト0192に所定の張りを与えながら回転するベルトテンションプーリ0136bを下方向に回転する力を与えて支持するテンションアーム、
【0026】
0126は第1アクチュエータ0104を保持して両側(図5)開放または加圧をシャシフレーム0111,0112にネジ止め連結するアクチュエータシャシ、0127は、第1アクチュエータ0104の端部に連結され、スライド移動することによりヘッドプレスローラアーム0123a,0123bに開放または加圧力を加えるためのスライドプレートである。
【0027】
0128aは振子式のヘッドセンタプレスローラアームであり、下側機構に属しているが、上側機構に属すところのベルト中間支えプーリ0134bに対向して下搬送ベルト0191の内側から圧接力を加えながら回転するヘッドセンターベルトプレスローラ0139aをスイングするようにすなわち回転可能に支持する。
0128bは振子式のヘッドセンタプレスローラアームであり、上側機構に属しているが、下側機構に属すところのベルト中間支えプーリ0134aに対向して上搬送ベルト0192の内側から圧接力を加えながら回転するヘッドセンターベルトプレスローラ0139bをスイングするようにすなわち回転可能に支持する。
【0028】
0129は搬送モータ0101を取り付けてシャシフレーム0111に連結するモータシャシ、
【0029】
0130a,0130b,0130c,0130dは前述したヘッドプレスローラであり、第1磁気ヘッド0102a,0102bと第2磁気ヘッド0103a,0103bとの関連において、本願出願人が出願した特願2001−041173の「磁気カード用ヘッド圧接機構」に採用した自動調芯方式を適用し、磁気ヘッドの媒体密着性を改良したものとなっている。
【0030】
0131は搬送モータ0101の出力軸に嵌挿されたモータ出力プーリ、0132は前記モータ出力プーリ0131からモータ出力ベルト0190を介して伝達される駆動力を受けるための駆動力受けプーリ、0133aは前記駆動力受けプーリ0132と同軸の駆動元シャフト0150の端部に嵌挿され、下搬送ベルト0191の一方の折り返し端に位置する駆動プーリ、0133bは下搬送ベルト0191の他方の折り返し端を保持し回転するプーリ、
【0031】
0134aは下搬送ベルト中間支えプーリであり、従来機として説明した図37における歯付きプーリー3734の取り付け位置とは異なり、図1及び図5に示す如く、磁気ヘッド0102a,0102bの間にあって、これに噛み合う下搬送ベルト0191の上面が磁気ヘッド0120a,0120bの上面にある磁極と正確に面一になるように取り付けてある。0134bは上搬送ベルト中間支えプーリであり、磁気ヘッド0103a,0103bの間にあって、これに噛み合う上搬送ベルト0192の下面が磁気ヘッド0103a,0103b上の磁極と正確に面一になるように取り付けてある。
【0032】
0136a,0136bは各々下搬送ベルト0191および上搬送ベルト0192に所定の張りを持たせながら回転するベルトテンションプーリ、
【0033】
0137aは、上搬送ベルト0192の一方の折り返し端に位置しパワードライブギア0140aと噛み合ったパワードライブギア0140bを経て伝達される搬送モータ駆動力により上搬送ベルト0192を走行させる上搬送ベルト駆動プーリ、0137bは上搬送ベルト0192の他方の折り返し端を保持し回転するプーリ、
0138aは両側フランジ付きプーリであり、前記駆動プーリ0133aとベルトテンションプーリ0136aとの間に位置して、ベルトテンションプーリ0136aが下搬送ベルト0191に張りを持たせるため下搬送ベルト0191を上側方向に支持するのに抗して下側に曲げて適切な張りを持たせると共に下搬送ベルト0191の横方向ブレを規制する。0138bは前記駆動プーリ0133bに隣接して配置され下搬送ベルト0191を下側に曲げて張りを持たせると共に下搬送ベルト0191の横方向ブレを規制する両側フランジ付きプーリ、0138cは前記上搬送ベルト駆動プーリ0137aに隣接して配置され上搬送ベルト0192を上側に曲げて張りを持たせると共に上搬送ベルト0192の横方向ブレを規制する両側フランジ付きプーリ、0138dは両側フランジ付きプーリであり、前記プーリ0137bとベルトテンションプーリ0136bとの間に位置して、ベルトテンションプーリ0136bが上搬送ベルト0192に張りを持たせるため上搬送ベルト0192を下側方向に曲げるのに抗して上側に曲げて適切な張りを持たせると共に上搬送ベルト0192の横方向ブレを規制する。
【0034】
0139a,0139bは前述したヘッドセンターベルトプレスローラであり、ヘッドセンターベルトプレスローラ0139bについて説明すると図5に示すように、下搬送ベルト中間支えプーリ0134aとの間にある下搬送ベルト0191、上搬送ベルト0192に圧接力を加えて、媒体に対して強い搬送力を提供している。ヘッドセンターベルトプレスローラ0139aについても、上搬送ベルト中間支えプーリ0134bとの間にある下搬送ベルト0191、上搬送ベルト0192に圧接力を加えて、媒体に対して強い搬送力を提供している。
【0035】
0140a,0140bは前述のようにパワードライブギアであり、パワードライブギア0140aは駆動力受けプーリ0132と同軸に設けられ、パワードライブギア0140bは上搬送ベルト駆動プーリ0137aと同軸に設けられる。両者の歯が噛み合って、駆動プーリ0133aを介して下機構に伝達された搬送モータ0101の駆動力を上機構に伝達して、上搬送ベルト0192にも駆動力を伝達される。サービス時に、上機構を開閉するときに、これら噛み合う部分が自由に結合、分離できるという特徴を備える。
【0036】
0150は前述したように駆動元シャフトであり、駆動プーリ0132を端部に嵌挿してモータ出力ベルト0190を介して搬送モータ0101の駆動力を受け、搬送系の駆動プーリ0133aを中間部に嵌挿して、下搬送ベルト0191に駆動力を伝達する。また、パワードライブギア0140a,0140bを介して上側機構の駆動元シャフト0156にも駆動力が伝わり、その中間部に嵌挿した駆動プーリ0137を介して上搬送ベルト0192に駆動力を伝達する。
【0037】
0151は下搬送ベルト0191の他方の折り返し端を保持し回転するプーリ0133bの支持シャフト、
0152aは下搬送ベルト中間支えプーリ0134aを支持する支持シャフトであり、取り付け金具0111aを介して0111に支持される。
0152bは上搬送ベルト中間支えプーリ0134bを支持する支持シャフトであり、取り付け金具0113aを介して0113に支持される。
【0038】
0153a,0153bは各々ベルトテンションプーリ0136a,0136bを支持する支持シャフトであり、各々テンションアーム0125a,0125bに支持される。
【0039】
0154a,0154b,0154c,0154dは各々ヘッドプレスローラ0130a,0130b,0130c,0130dの支持シャフトであり、支持シャフト0154aはヘッドプレスローラアーム0123aに、支持シャフト0154bはヘッドプレスローラアーム0123bに、支持シャフト0154cはヘッドプレスローラアーム0124aに、支持シャフト0154dはヘッドプレスローラアーム0124bに、各々支持される。
【0040】
0155は上搬送ベルト0192の他方の折り返し端を保持し回転するプーリ0137bの支持シャフトであり、シャシフレーム0113に支持される。
【0041】
0156はパワードライブギア0140bを端部にプーリ0137bを中間部に嵌挿して、上搬送ベルト0192に駆動力を伝える支持シャフトであり、シャシフレーム0113に支持される。
【0042】
0157はサービス用上機構を開閉固定するためのラッチシャフト、
【0043】
0158a,0158bは、各々プーリ0138a,0138bの支持シャフトであり、シャシフレーム0111に支持され、0158c,0158dは、各々プーリ0138c,0138dの支持シャフトであり、シャシフレーム0113,0114に支持される。
【0044】
0159a,0159bは各々ヘッドプレスローラアーム0123a,0123bをシャシフレーム0113,0114にスイングするようにすなわち回動可能に支持する振子式のヘッドプレスローラアームシャフト、0159c,0159dは各々ヘッドプレスローラアーム0124a,0124bをシャシフレーム0111,0112にスイングするようにすなわち回動可能に支持する振子式のヘッドプレスローラアームシャフト、
【0045】
0160aはテンションアーム0125aをシャシフレーム0111にスイングするようにすなわち回動可能に支持する振子式のテンションローラアームシャフト、0160bはテンションアーム0125bをシャシフレーム0113にスイングするようにすなわち回動可能に支持する振子式のテンションローラアームシャフト、
【0046】
0161a,0161bは第2アクチュエータ0105a,0105b内のアマチュアに結合され連動するアクチュエータシャフトであり、ヘッドプレスローラアーム0124a,0124bと所定の間隙を有して結合され、所定の一方向への移動によりヘッドプレスローラアーム0124a,0124bを移動させ、ヘッドプレスローラ0130c,0130dを第2磁気ヘッド0103a,0103bへ加圧または開放させる。
【0047】
0162aはヘッドセンタプレスローラアーム0128aをシャシフレーム0111にスイングするようにすなわち回動可能に支持する振子式のヘッドセンタベルトプレスローラアームシャフト、0162bはヘッドセンタプレスローラアーム0128bをシャシフレーム0113にスイングするようにすなわち回動可能に支持する振子式のヘッドセンタベルトプレスローラアームシャフト、
【0048】
0163a,0163bは各々ヘッドセンターベルトプレスローラ0139a,0139bをヘッドセンタプレスローラアーム128a,128bに回転可能に支持するヘッドセンターベルトプレスローラシャフト、
【0049】
0169は上側機構、下側機構の開閉中心をなすヒンジであり、上側機構を構成するシャシフレーム0113と0114とに差し渡すと共に、下側機構を構成するシャシフレーム0111と0112とに差し渡して、上側機構と下側機構を結合する。
【0050】
0180a,0180b,0180c,0180dは、ヘッドプレスローラ0130a,0130b,0130c,0130d各々に通常状態での圧接力(例えば100gf)を与圧しておくためのヘッドプレスローラ与圧スプリングであり、ヘッドプレスローラアームシャフト0159a,0159b,0159c,0159dを中心にスイングする振子式のヘッドプレスローラアーム0123a,0123b及び0124a,0124bの各々とシャシフレーム0111,0112,0113,0114の間に各々繋掛されている。
【0051】
0181a,0181bは、上側機構開閉時に操作するラッチ0121a,0121bの下部と上側シャシフレーム0113,0114との間に各々繋掛されているラッチスプリング、
【0052】
0182a,0182bは、下側搬送ベルト0191及び上側搬送ベルト0192に各々所定の張力を持たせるために、ベルトテンションプーリー0136a,0136bに圧接力を生じさせるテンションローラ加圧スプリングであり、各々テンションローラアームシャフト0160a,0160bに卷回され、一端をテンションアーム0125a,0125bに、他端をシャシフレーム0113に直接またはこれに固定されている固定物に接するようにして止める。
【0053】
0183a(図2),0183b(図3)は、ヘッドセンタベルトプレスローラアームシャフト162a,162bに卷回され、一端を例えば当該ヘッドセンタベルトプレスローラアームシャフト162a,162bに止め、他端をヘッドセンタプレスローラアーム0128a,0128bに止めたヘッドセンターベルトプレスローラ加圧スプリングであり、共に第1磁気ヘッド0102a,0102b、第2磁気ヘッド0103a,0103b至近の場所で下、上搬送ベルト0191,0192を強力に圧接して各磁気ヘッド0102a,0102b及び0103a,0103b前後の媒体搬送を確実になさしめるために設けたヘッドセンターベルトプレスローラ0139a,0139bに各々所定の圧接力を与える。
【0054】
0184a,0184b(図4参照),0184c,0184dは、各々第2アクチュエータ0105a,0105bのアクチュエータシャフト0161a,0161bを中立位置に保持するバランススプリング、
0185a,0185bは、各々第2アクチュエータ0105a,0105bのアクチュエータシャフト0161a,0161bの先端部に挿入されて、後述するリライトモード時にヘッドプレスローラ0180c,0180dの圧接力を増大させるために用いるヘッドプレス加圧スプリング、
【0055】
0186a,0186b(図3参照)は、第1アクチュエータ0104のスライドプレート0127を中立位置に保持するため第1アクチュエータ104の前後のそれぞれに卷回されるバランススプリング、
0187a(図3参照),0187bは、スライドプレート0127の両側部とヘッドプレスローラアーム0123a,0123bとの間に所定の隙間をおいて繋挿されて、後述のリトライモードにヘッドプレスローラ0180a,0180bの圧接力を増大させるために用いるヘッドプレス加圧スプリング、
【0056】
0190は、搬送モータ0101の出力を伝達するモータ出力ベルトである。
0191は下搬送ベルト、0192は上搬送ベルトであり、媒体を搬送するための搬送面を構成する搬送機構を形成する。0195a,0195b,0195c,0195d,0195eは、媒体搬送行程において、媒体の位置を検出する光センサーであり、図21の制御装置(CPU)に接続されている。
【0057】
2.動作
従来型と同じ外形寸法の中に4方向の機能を集積したために、新たに発生した問題を回避すること、および客が媒体を取扱中に受ける変形に対しても信頼性の高い読み書き機能を付与するために必要とされる4種類の作用について、より簡素に表現した図により、以下に説明する。
【0058】
2.1 ヘッドプレスローラ上開放,下通常モード(媒体磁気面が上の場合)
図7、図8、図9、図10にその動作状態を示す。
このモードは媒体が裏返し、すなわち磁気面が上に向いて挿入された場合の状態である。
図7においては、主要構成部分に全て図1〜図5と同一符号を付したが、図8以降はそのときの動作に関連ある部分のみ符号を付し、残りを省略する場合がある。
媒体0100が挿入口から挿入されると第1センサ0195aが検知して搬送モータ0101が媒体吸い込み方向に搬送ベルト0191,0192を走行させる。媒体0100が、第2磁気ヘッド0103a,0103bと定常圧接力(例えば100gf)で与圧されたヘッドプレスローラ0130c,0130dの間に進入すると、第2磁気ヘッド0103a,0103bは媒体の磁気面が上にあることを判断する。第2磁気ヘッド0103a,0103bはそのままデータの読み書きを始め、第4センサ0195dに達したところで制御装置(CPU)に検出信号を送り、制御装置(CPU)は上側ヘッドプレスローラ0130a,0103bを開放するよう第1アクチュエータ0104の開放用線輪Rに電流を流す。これにより、媒体0100は近くにある第1磁気ヘッド0102a,0102bとヘッドプレスローラ0130a,0103bの抵抗を受けることなく第2磁気ヘッド0103a,0103bでのデータ読み書きが継続できる。
【0059】
図8は、図7における矢視D−Dから見た図であり、第1アクチュエータ0104が線輪Rに付勢された状態を示す。この時、スライドプレート0127が図上右方向に移動し、ヘッドプレスローラアーム0123a,0123bを図上右方向に押すことにより、ヘッドプレスローラアーム0123a,0123bはヘッドプレスローラアームシャフト0159a,0159bを軸にしてヘッドプレスローラ0130a,0130bを第1磁気ヘッド0102a,0102bより上方に引き上げるように回動する。この時、バランススプリング0186aは縮み、バランススプリング0186bは伸長する。線輪Rの付勢が終われば、これらバランススプリング0186a,0186bの働きによりスライドプレート0127は中立位置に復帰するようになっている。
【0060】
図9は、図7の矢視C−Cから見た図であり、第2アクチュエータ0105a,0105bとヘッドプレスローラアーム0124a,0124bとの関係位置を示すが、このモードの場合、この部分は作動せず中立位置にある。この状態では、ヘッドプレスローラ与圧スプリング0180c,0180dの力のみでヘッドプレスローラ0130c,0130dが媒体を押す通常状態にある。
【0061】
図10は、このモードの図7における矢視B−Bから見た図であり、第1磁気ヘッド0102a,0102bとヘッドプレスローラ0130d,0130bとの間に空隙(約1.5mm)が生じて媒体の走行に抵抗を生じない。抵抗を生じた場合に生じる障害は図23、図24により後述する。なお、媒体0100の磁気面が上に向き、かつ、前後が正しく挿入された場合は第2磁気ヘッドの0103bが、逆に挿入された場合は搬送方向が反転して第2磁気ヘッド0103aが担当する。この関係は、以後のモード全て同様であり、以後記述を省略する。
【0062】
2.2 ヘッドプレスローラ上通常、下開放モード(媒体磁気面が下の場合)
図11、図12、図13、図14にその動作状態を示す。このモードは媒体の磁気面が下に向いて挿入された状態である。前モードと同じ過程後、媒体0100が第2磁気ヘッド0103a,0103bと与圧されたヘッドプレスローラ0130c,0130dの間に進入すると第2磁気ヘッド0103a,0103bは媒体の磁気面が磁極とは反対に向いていることを検知してその信号を制御装置(CPU)に送る。制御装置(CPU)は第2磁気ヘッド0103a,0103bが読み書きを担当しないことを判断し、媒体を第1磁気ヘッド0102a,0102bに送るように搬送の制御を続ける。媒体0100が第4センサ0195dに達したところで第2アクチュエータ0105a,0105bの開放用線輪Rに付勢電流を送り、アクチュエータシャフト0161a,0161bを図11の左方向に引く。これにより、ヘッドプレスローラアーム0124a,0124bは、ヘッドプレスローラアームシャフト0159a,0159bを軸にしてヘッドプレスローラ0130c,0130dを第2磁気ヘッド0103a,0103bより下方へ下げるように回動して第1ヘッド0102a,0102bでのデータ読み書き行程中第2磁気ヘッド0103a,0103bが抵抗を生じないよう作動する。
【0063】
図12は、図11における矢視D−Dから見た図であり、このモードの場合、第1アクチュエータ0104は作動せず中立位置にある。この状態では、ヘッドプレスローラ与圧スプリング0180a,0180bの力のみでヘッドプレスローラ0130a,0130bが媒体を押す通常状態にある。
【0064】
図13は、図11における矢視C−Cから見た図であり、第2アクチュエータ0105a,0105bがアクチュエータシャフト0161a,0161bを図の左方向に引き、ヘッドプレスローラアーム0124a,0124bが同方向に引かれる状態を示す。
【0065】
図14は、このモードの図11における矢視B−Bから見た図であり、媒体0100が第1磁気ヘッド0102a,0102bと各々対向するヘッドプレスローラ0130a,0130bの間に正しく水平に挟まれている状態を示す。前モードにおける第2磁気ヘッド0103a,0103b、ヘッドプレスローラ0130c,0130dと媒体との関係もこれと同じである。
【0066】
2.3 ヘッドプレスローラ上開放、下加圧・モード(媒体磁気面が上の場合)
図15、図16、図17にその動作状態を示す。このモードは媒体が客の取り扱い中に変形を受けた場合に有効な作用をもたらすものであり、磁気面が上に向いて挿入された場合に該当する。
【0067】
図15において挿入口から磁気面を上にした媒体が挿入されてからの過程は前述の「2.1」項のヘッドプレスローラ上開放、下通常モードと同じであり、説明は省略する。
【0068】
図16は、上記過程後の第1アクチュエータ0104及びその周辺の動作は図8の場合と同じであり、説明は省略する。
【0069】
図15、図17は、客の取り扱いで変形をうけた媒体が第2磁気ヘッド0103a,0103bにおいてエラーを生じた場合、制御装置(CPU)は媒体0100を再度挿入口に戻し、リトライを行う。そのリトライの工程に限り、ヘッドプレスローラ0130c,0130dの圧接力を通常の数倍(例えば5倍の500gf)に増大する動作を示す。
【0070】
図15、図17において、第2アクチュエータ0105a,0105bの加圧用線輪Pに付勢電流が加わるとアクチュエータシャフト0161a,0161bは図の右方向に強力に押され、その先端に挿入されたヘッドプレス加圧スプリング0185a,0185bがヘッドプレスローラアーム0124a,0124bを押してヘッドプレスローラ与圧スプリング0180c,0180dのヘッドプレス圧(例えば100gf)に更に加圧(例えば500gf)する作用を行う。これにより客の取扱中、折り曲げやしわなどの変形を受けた媒体では通常のヘッドプレス圧では読み書きに浮き上がり、エラーを生じる場合でも強力なヘッドプレスローラ圧で媒体が磁気ヘッドに押圧されてデータの読み書きが正しく出来るようになる。
【0071】
通常のヘッドプレスローラ圧を強くしておけば良いようなものであるが、それでは磁気ヘッドの磨耗が激しく実用的でない。発生頻度が少ないリトライモードの行程においてのみ、それに適応した加圧を行って磁気ヘッドの寿命を保つのが、本発明の効用の一つである。
【0072】
2.4 ヘッドプレスローラ上加圧、下開放モード(媒体磁気面が下の場合)
図18,図19,図20にその動作状態を示す。図19は図18における矢視D−Dから見た図、図20は図18における矢視C−Cから見た図である。このモードは「2.3」項の上開放、下加圧のモードの上下が反対になったもので、媒体の磁気面が下に向いて挿入された場合に該当する。従って、詳細説明は省略する。
【0073】
図18、図19において、制御装置(CPU)の指令により第1アクチュエータ0104の加圧用線輪Pに付勢電流が加わるとスライドプレート0127が図の左方向に強く押される。スライドプレート0127の両側部に繋合したヘッドプレス加圧スプリング0187a,087bがヘッドプレスローラアーム0123a,0123bを押して通常のヘッドプレス与圧スプリング0180a,0180bのヘッドプレス圧に更に加圧する作用を行う。これの効用についても「2.3」項と同様である。
【0074】
図20による動作は、「2.2」項で説明した図13によるものと同様である。
【0075】
3.媒体の状態、搬送位置と搬送制御、アクチュエータ制御
これまで本発明の効用を実現するために必要な機構の詳細を説明してきたが、媒体の状態、搬送位置と搬送制御、アクチュエータ制御について概念図と共に更に詳しく述べる。
【0076】
3.1 図21は、制御ブロック図を示す。制御装置(CPU)に接続する10個の主要要素に付記した符号は、図1以降の各図に付したものと同じものである。ROMはRead Only Memory,RAMはRandam Access Memoryである。
【0077】
3.2 図22は、本発明の機構を概念的に表したものであり、機構中複数個同一部品が存在したために図1〜図20において各部を識別する「a,b,c,d〜」などのサブ符号を省略してある。図22は媒体が挿入されておらず待機状態にあることを示す。
【0078】
3.3 図23,図24は、媒体挿入方向が2方向のみの従来機と同じ限られた外形寸法の中に4方向に対応する磁気ヘッドと媒体圧接用のヘッドプレスローラ2組を集積したために新たに派生する問題を説明する図である。もし、ヘッドプレスローラー0130を開放するという本発明が採用する制御をしないで、媒体を搬送する場合には以下のような不都合が生じる。図23の媒体0100が第1磁気ヘッド0102でデータ読み書きのため図において右方向に搬送されているとき、媒体の左端が第2磁気ヘッド0103とそれに対向するヘッドプレスローラ0130に挟まれている状態から脱出する瞬間に負荷の変動が生じてデータに揺らぎが生じてエラーの原因となる。また、媒体0100が図において左方向に搬送されているときは、媒体の左端が第2磁気ヘッド0103とヘッドプレスローラ0130が圧接している狭間に突入する瞬間に負荷の変動が生じてデータに揺らぎが生じてエラーの原因となる。
図24は、第2の磁気ヘッド0103でデータ読み書きを行っている場合に第1磁気ヘッド0102とヘッドプレスローラ0130が圧接している狭間に媒体が突入する瞬間及び媒体の搬送が反転してそこを脱出する瞬間にデータの揺らぎが生じることを説明するものである。
【0079】
3.4 ヘッドプレスローラ上開放,下通常モード(媒体磁気面が上の場合)
前出「1.1」項のモードの制御過程を説明するものである。
【0080】
図25は磁気面が上に向いた媒体が挿入され、第1センサ0195aが制御装置(CPU)に検出信号を送り、搬送モータ0101が回って搬送を始め、媒体は更に進んで第2磁気ヘッド0103に達して、磁気面が上に向いていることを検出し、この媒体に対し第2磁気ヘッド0103が読み書きを担当することを判断したところである。
【0081】
図26は、第2磁気ヘッドで読み書きを続行しながら媒体0100が第4センサ0195dに達し、第4センサ0195dからの検出信号を制御装置(CPU)が受けて、第1磁気ヘッド上のヘッドプレスローラ0130を開放するよう第1アクチュエータ0104を付勢した状態を示す。
【0082】
図27は、第1磁気ヘッド0102とそれに対向するヘッドプレスローラ0130の抵抗を受けることなく第2磁気ヘッド0103でのデータ読み書きを終わりまで続けられる状態を示す。
【0083】
図28は、媒体が読み書きを終えて更に搬送されて第5センサ0195eを通過したところで、第1アクチュエータ0104の開放方向付勢を解除した状態を示す。
【0084】
以上の制御は、媒体の前後が逆に挿入されて、搬送が出口から挿入口方向に行われる場合も同様に処理される。
【0085】
3.5 ヘッドプレスローラ上通常、下開放モード(媒体磁気面が下の場合)
前出「1.2」項のモードの制御過程を説明するものである。
【0086】
図29は、磁気面が下に向いた媒体が挿入され、「1.1」項と同様の過程で媒体0100が第2磁気ヘッド0103に達して、磁気面が下に向いていることを検出し、この媒体は第1磁気ヘッド0102が担当することを判断したところである。
【0087】
図30は、第2磁気ヘッド0103がデータの読み書きをしないで媒体0100が第4センサ0195dに達し、第4センサ0195dからの検出信号を制御装置(CPU)が受けて第2磁気ヘッド0103上に対向するヘッドプレスローラ0130を開放するよう第2アクチュエータ0105を開放方向に付勢した状態を示す。
【0088】
図31は、媒体0100が第2磁気ヘッド0103とそれに対向するヘッドプレスローラ0130の抵抗を受けることなく第1磁気ヘッドでデータの読み書きが行われている状態を示す。
【0089】
図32は、媒体0100の左端が第4センサ0195dを通過したところで第2アクチュエータ0105の開放方向付勢を解除した状態を示す。媒体の前後が逆になった場合も「2.4」と同様である。
【0090】
3.6 リトライ(再試行)モード (媒体磁気面が下の場合にて代表する)
前出「2.3」項、「2.4」項に係わるモードであるが、上下が反転しているだけで類似のため、「2.4」にて代表して説明する。
【0091】
図33は、客が取扱中折り曲げの変形を加えた媒体が挿入され、「3.5」と同様の過程を経て媒体0100の折り曲げ部が第1磁気ヘッドに達して、ヘッドプレスローラ0130が与圧スプリング0180だけの与圧力(例えば100gf)の場合、ヘッドプレスローラ0130を浮き上がらせて媒体の磁気面が第1磁気ヘッドに密着せずデータの読み書きが不完全になる状態を表す。
【0092】
リトライモードではひとまず折れ曲がり媒体を通常与圧のみの状態でエラーが発生したら、制御装置(CPU)が、媒体を再度挿入口まで戻し、リトライ(再試行)を指令する。図34は媒体がその位置に戻されると共に第1アクチュエータ0104に加圧方向の付勢をするよう指令を出し、第1磁気ヘッド0102に対向するヘッドプレスローラの圧接力を増大(例えば5倍の500g)した状態で媒体の到来を待つ状態を表す。
【0093】
図35は、その強力な圧接力の下で変形を受けた媒体が第1磁気ヘッド0102に強く押しつけられながらデータの読み書きを行っているところを表す。
【0094】
図36は、その状態のもとでエラー無く読み書きを終えた媒体0100が更に搬送されて第5センサ0195eを通過したところで制御装置(CPU)が第2アクチュエータ0105の開放方向付勢及び第1アクチュエータ0104の加圧方向の付勢を解除して通常状態に復帰した状態を表す。
【0095】
客の取り扱いにおいて変形を受けない媒体は、通常与圧力(例えば100gf)で通常エラーを生じることはない。少ない頻度で生じる強い変形を受けた媒体のエラーを改善するために定常与圧力を増大する方法もあるが、磁気ヘッドの磨耗寿命が短くなるという欠点があった。本発明による、必要な時だけ、ヘッドプレスローラの圧接力を増大させる適応制御を行うことにより、磁気ヘッドの磨耗を最小限にしながらエラーの発生を防止するという特徴がある。
【0096】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、
1.媒体を前後いずれの方向に挿入してもデータの読み書きが可能な2方向用従来機の外形寸法を大きくしないで表裏前後いずれの方向に挿入しても信頼性の高いデータの読み書きが出来るカードリーダライタを提供することが出来る。
2.客が取扱中、折り曲げ、しわ付けなど変形を加えた媒体でもデータの読み書きが可能である。
そして、上記の効果により、従来機と互換性のある4方向型磁気カードリーダライタが実現し、また、市場実働状態でのサービスコールが激減することが期待できる製品を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係り全体を中央で破断して右側面から見た図である。
【図2】 図1の矢視A−Aから見た下側機構を示す図である。
【図3】 図1の矢視D−Dから見た上側機構を示す図である。
【図4】 図1の矢視C−Cから見た下側機構底面前半分を示す図である。
【図5】 図1の矢視B−Bから見た図である。
【図6】 図1の開閉機構が開いた状態を示す図である。
【図7】 本発明の動作を説明する図であり、ヘッドプレスローラ上開放、下通常モードに関する。
【図8】 本発明の動作を説明する図であり、ヘッドプレスローラ上開放、下通常モードに関する。
【図9】 本発明の動作を説明する図であり、ヘッドプレスローラ上開放、下通常モードに関する。
【図10】 本発明の動作を説明する図であり、ヘッドプレスローラ上開放、下通常モードに関する。
【図11】 本発明の動作を説明する図であり、ヘッドプレスローラ上通常、下開放モードに関する。
【図12】 本発明の動作を説明する図であり、ヘッドプレスローラ上通常、下開放モードに関する。
【図13】 本発明の動作を説明する図であり、ヘッドプレスローラ上通常、下開放モードに関する。
【図14】 本発明の動作を説明する図であり、ヘッドプレスローラ上通常、下開放モードに関する。
【図15】 本発明の動作を説明する図であり、ヘッドプレスローラ上開放、下加圧モードに関する。
【図16】 本発明の動作を説明する図であり、ヘッドプレスローラ上開放、下加圧モードに関する。
【図17】 本発明の動作を説明する図であり、ヘッドプレスローラ上開放、下加圧モードに関する。
【図18】 本発明の動作を説明する図であり、ヘッドプレスローラ上加圧、下開放モードに関する。
【図19】 本発明の動作を説明する図であり、ヘッドプレスローラ上加圧、下開放モードに関する。
【図20】 本発明の動作を説明する図であり、ヘッドプレスローラ上加圧、下開放モードに関する。
【図21】 本発明に係る制御ブロック図の一例を示す。
【図22】 本発明の機構を概念的に表した図である。
【図23】 本発明による制御をしない場合に生じる問題を説明するための図である。
【図24】 本発明による制御をしない場合に生じる問題を説明するための図である。
【図25】 ヘッドプレスローラ上開放,下通常モードと媒体の関係を説明する図である。
【図26】 ヘッドプレスローラ上開放,下通常モードと媒体の関係を説明する図である。
【図27】 ヘッドプレスローラ上開放,下通常モードと媒体の関係を説明する図である。
【図28】 ヘッドプレスローラ上開放,下通常モードと媒体の関係を説明する図である。
【図29】 ヘッドプレスローラ上通常、下開放モードと媒体の関係を説明する図である。
【図30】 ヘッドプレスローラ上通常、下開放モードと媒体の関係を説明する図である。
【図31】 ヘッドプレスローラ上通常、下開放モードと媒体の関係を説明する図である。
【図32】 ヘッドプレスローラ上通常、下開放モードと媒体の関係を説明する図である。
【図33】 リトライ(再試行)モードであり、変形を受けた媒体でのデータ読み書き過程を説明する図である。
【図34】 リトライ(再試行)モードであり、変形を受けた媒体でのデータ読み書き過程を説明する図である。
【図35】 リトライ(再試行)モードであり、変形を受けた媒体でのデータ読み書き過程を説明する図である。
【図36】 リトライ(再試行)モードであり、変形を受けた媒体でのデータ読み書き過程を説明する図である。
【図37】 2方向の従来機の機構を説明する図である。
【図38】 2方向の従来機の機構を説明する図である。
【図39】 2方向の従来機の機構を説明する図である。
【図40】 2方向の従来機の機構を説明する図である。
【図41】 2方向の従来機の機構を説明する図である。
【符号の説明】
0101…搬送モータ、0102a,0102b…第1磁気ヘッド、0103a,0103b…第2磁気ヘッド、0104…第1アクチュエータ、0105a,0105b…第2アクチュエータ、0115…下側走行案内板、0116,0117…上側走行案内板右、上側走行案内板左、0121a,0121b…開放、固定用ラッチ、0123a,0123b…ヘッドプレスローラアーム、0124a,0124b…ヘッドプレスローラアーム、0125a,0125b…テンションアーム、0126…アクチュエータシャシ、0127…スライドプレート、0128a,0128b…ヘッドセンタプレスローラアーム、0129…モータシャシ、0130a,0130b,0130c,0130d…ヘッドプレスローラ、0131…モータ出力プーリ、0132…駆動力受けプーリ、0133a…駆動プーリ、0133b…プーリ、0134a…下搬送ベルト中間支えプーリ、0134b…上搬送ベルト中間支えプーリ、0136a,0136b…ベルトテンションプーリ、0137a…上搬送ベルト駆動プーリ、0137b…プーリ、0138a…両側フランジ付きプーリ、0138b…両側フランジ付きプーリ、0138c…両側フランジ付きプーリ、0138d…両側フランジ付きプーリ、0139a…ヘッドセンターベルトプレスローラ、0140a,0140b…パワードライブギア、0150…駆動元シャフト、0151…支持シャフト、0152a,0152b…支持シャフト、0153a,0153b…支持シャフト、0154a,0154b,0154c,0154d…支持シャフト、0155…支持シャフト、0156…支持シャフト、0157…ラッチシャフト、0158a,0158b,0158c,0158d…支持シャフト、0159a,0159b,0159c,0159d…ヘッドプレスローラアームシャフト、0160a,0160b…テンションローラアームシャフト、0161a,0161b…アクチュエータシャフト、0162a,0162b…ヘッドセンタベルトプレスローラアームシャフト、0163a,0163b…ヘッドセンターベルトプレスローラシャフト、0169…ヒンジ、0180a,0180b,0180c,0180d…ヘッドプレスローラ与圧スプリング、0181a,0181b…ラッチスプリング、0184a,0184b,0184c,0184d…バランススプリング、0185a,0185b…ヘッドプレス加圧スプリング、0186a,0186b…バランススプリング、0187a,0187b…ヘッドプレス加圧スプリング、0190…モータ出力ベルト、0191…下搬送ベルト、0192…上搬送ベルト、0195a,0195b,0195c,0195d,0195e…光センサー。

Claims (1)

  1. 媒体を搬送するための搬送面を構成する搬送機構を駆動する搬送モータと、搬送面を挟んで磁極面を上に向けた第1の磁気ヘッド及び磁極面を下に向けた第2の磁気ヘッドを隣接して配置し、各々の磁気ヘッドに媒体を圧接しながら回転可能なヘッドプレスローラを設け、前記ヘッドプレスローラの各々の回転軸を振子式アームに取り付け、前記各アームに対して、ヘッドプレスローラの圧接方向とは反対方向に回転させ開放するか、または、圧接方向に回転させて更に加圧するかの双方向に回転させるアクチュエータと、媒体からの磁気ヘッドによる読み書きデータにエラーが生じることにより、媒体が停止し搬送されてきたもとの方向に戻り再度当該磁気ヘッド方向に搬送するように搬送モータの起動停止、駆動方向を制御するとともに、媒体の走行位置を感知するセンサー及び媒体の磁気面を判断する磁気ヘッドからの信号を受けて、前記センサーが感知した媒体の走行位置と磁気ヘッドが判断した媒体の磁気面とに応じて、当該磁気面に磁気ヘッドによりデータの読み書きができるようにヘッドプレスローラの加圧又はヘッドプレスローラによる媒体への負荷の開放を、アクチュエータを介して制御する制御装置からなることを特徴とする適応加圧型4方向磁気カードリーダライタ。
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