JP3947409B2 - 媒体ホッパ機構 - Google Patents

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高弘 天田
克之 ▲柳▼澤
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光永 熊谷
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は媒体を収納するホッパに媒体を取り込み収納するとともにホッパから媒体を繰り出す媒体ホッパ機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、媒体ホッパ機構を備えた装置、例えば、券売機には、先入れ後出し機能を持ったものがある。例えば、A駅を始発駅としてB駅までの定期券を使用し、C駅までの乗車券を購入してD駅まで乗り次いで券売機により精算する場合、先ず券売機に定期券を挿入し、次に乗車券を挿入する。
【0003】
券売機は定期券、乗車券の磁気データを読んで、定期券、乗車券の順にホッパに一時的に取り込み、A駅からD駅までの金額からA駅からC駅までの金額を差し引き、精算金を表示し、乗客が精算金を精算すると、ホッパから乗車券、定期券の順に繰り出し、乗車券を廃券として廃券ボックスに取り込み、定期券を乗客に返却する。
【0004】
この場合、定期券、乗車券を一時的にホッパに取り込む際に順番がくるうと、定期券が廃券ボックスに取り込まれ、廃券が乗客に返却される恐れが生ずるので、先入れ後出し機能を有する媒体ホッパ機構では媒体を一時的にホッパに取り込む際には、順番がくるってはならない。
【0005】
媒体ホッパ機構は、媒体の繰り出し/取り込みを行うピッカローラに向かって移動自在なステージをホッパ内に有する。
【0006】
ピッカローラは、繰り出し/取り込み媒体に対し、摩擦力を作用させて媒体の繰り出し/取り込みを行う。媒体繰り出し時には、ステージに搭載された最上層の媒体にピッカローラを圧接させ、ピッカローラを正転させて媒体を繰り出す。
【0007】
媒体取り込み時には、ステージ、あるいはステージに搭載された最上層の媒体とピッカローラとの間に媒体取り込み間隙を設け、ピッカローラを逆転させて媒体を媒体取り込み間隙に取り込む。
【0008】
媒体を取り込んだ際に、媒体取り込み方向の正面にあるホッパの内壁に媒体の先端を当接させ、媒体面に作用する摩擦力により弓形に膨らみ変形させるので、ピッカローラのローラ本体に摩擦係数の小さい材料、例えば、プラスチックを用い、一部に摩擦係数の大きい材料、例えば、ゴムを用い、ゴム部分の摩擦力で弓形に膨らみ変形した媒体がプラスチックの部分ですべりを発生してもとの形状に戻るようにしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従来の媒体ホッパ機構にあっては、媒体取り込み時、媒体がホッパ内に取り込まれ、弓形に膨らみ変形してもとの形状に戻る際に、媒体の条件により、媒体の先端とホッパの内壁との間に強い反発力が作用して弾かれ、媒体の後端がホッパ内に収まらず、すでにホッパ内に収納されている媒体に対してずれた位置に間隙を持って収納され、後から取り込まれた媒体がその間隙から入り込んで先に取り込まれた媒体の下になる場合があり、媒体を取り込む順番がくるってホッパに収納されるという問題点があった。
【0010】
本発明は媒体が取り込まれた順番にホッパに収納される媒体ホッパ機構を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の媒体ホッパ機構においては、媒体取り込み方向の正面にあるホッパの内壁とピッカローラとの間に、媒体取り込み間隙より狭い第2の間隙を設けて媒体の膨らみ変形を防止する媒体変形防止部を備える。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。尚、各図面に共通な要素には同一符号を付す。
【0013】
図1は実施の形態による媒体ホッパ機構の断面図(媒体取り込み時)、図2は実施の形態による媒体ホッパ機構の断面図(媒体繰り出し時)である。ホッパ1の内部には、媒体の繰り出し/取り込みを行うピッカローラ2に対し、媒体3(一点鎖線で示す)を搭載して矢印A−B方向に移動自在なステージ4が設けてある。
【0014】
ピッカローラ2は、矢印A−B方向に直交する方向に延在する支軸6を中心に矢印C−D方向に回動するブラケット7に回転自在に設けてある。
【0015】
即ち、ブラケット7は本体7aと平行な腕7b,7c(7cは図示せず)とからなる断面コ状をしており、図示せぬサイドフレームに両端部を支持された支軸6に腕7a,7bを回動自在に支持されている。そして腕7a,7bにピッカローラ2の軸2aを回転自在に支持するとともに、媒体取り込み方向の正面にあるホッパ1の内壁1aとピッカローラ2との間に、媒体変形防止部としてのローラ5を回転自在に支持するローラ軸5aの両端を軸支している。
【0016】
リミッタ8は、図1に示すように、媒体取り込み時にピッカローラ2とステージ4に搭載された最上層の媒体3との間に媒体取り込み間隙Eを設けるとともにローラ5と最上層の媒体との間に媒体取り込み間隙Eより狭い第2の間隙Fを設ける位置にブラケット7を停止させる。
【0017】
尚、支軸6には図示せぬトーションスプリングが設けてあり、一端を図示せぬサイドフレームに引掛け、他端をブラケット7に引掛けてブラケット7を矢印D方向に付勢している。従って、通常、ブラケット7はトーションスプリングにより矢印D方向に付勢されて端部をリミッタ8に当接している。
【0018】
また、図示せぬサイドフレームには、発光素子9aと図示せぬ受光素子9bとからなる光センサ9が設けてあり、ステージ4に搭載された媒体3を繰り出すピッカローラ2の位置をブラケット7を検出して決めている。
【0019】
ステージ4には、図示せぬプーリに巻き掛けたベルトが固着してあり、原動プーリ側を駆動することにより矢印A−B方向に移動する。
【0020】
媒体ホッパ機構に隣接して媒体繰り出し時には媒体ホッパ機構から繰り出された媒体3を一枚ごとに分離し、媒体取り込み時にはステージ4に搭載された媒体3の最上層の媒体とピッカローラ2との間に設けられた媒体取り込み間隙Eに媒体を送り込む媒体分離機構が設けてある。
【0021】
媒体分離機構は、図示せぬサイドフレームに両端部を回転自在に支持された軸10aに固着された分離ローラ10と、図示せぬサイドフレームに両端部を支持された軸11aにワンウエイクラッチを介して設けられ、矢印G方向に回転自在なリバースローラ11とからなる。
【0022】
ピッカローラ2の軸2aと分離ローラ10の軸10aとの間には図示せぬギヤ列が設けてあり、同期して回転する。
【0023】
図3は図1に示した媒体ホッパ機構の制御ブロック図である。制御部12にはステージ4を移動させるステージ駆動モータ13と、ピッカローラ2を回転させる媒体繰り出しモータ14と、光センサ9とが接続されている。
【0024】
次に動作について説明する。媒体繰り出し時、制御部12はステージ駆動モータ13を正転させてステージ4を矢印A方向に移動させ、光センサ9によりブラケット7を検出している。
【0025】
ステージ4が矢印A方向に移動すると、先ず、ステージ4に搭載された媒体3がローラ5に当接してステージ4を矢印C方向に回動させ、次にピッカローラ2に当接して、図2に示す位置までブラケット7が回動すると、光センサ9の光路がブラケット7により遮断(オン)され、制御部12はステージ駆動モータ13を停止させる。
【0026】
次に制御部12は媒体繰り出しモータ13を正転する。媒体繰り出しモータ13が正転されることにより、ピッカローラ2及び分離ローラ10は、図2に示すように、矢印H方向に回転して最上層の媒体3を矢印I方向に一枚づつ繰り出す。このとき、リバースローラ11はワンウエイクラッチが軸11aに噛み合って回転しない。
【0027】
この間、制御部12はセンサ9がオフになると、ステージ駆動モータ13を正転にし、センサ9がオンになると、ステージ駆動モータ13を停止する動作を媒体繰り出し動作中、繰り返す。
【0028】
次に、媒体取り込み時、制御部12はステージ駆動モータ13を正転させてセンサ9がオンになるまでステージ4を矢印A方向に移動し、次にステージ駆動モータ13を逆転させて予め決められた移動量矢印B方向に移動させる。
【0029】
ステージ4が予め決められた移動量矢印B方向に移動すると、図1に示すように、ブラケット7はトーションスプリングにより矢印D方向に付勢されて端部をリミッタ8に当接し、ピッカローラ2とステージ4に搭載された最上層の媒体3との間に媒体取り込み間隙Eを設けるとともにローラ5と最上層の媒体との間に媒体取り込み間隙Eより狭い第2の間隙Fを設ける位置に停止する。
【0030】
次に制御部12は、媒体繰り出しモータ13を逆転する。媒体繰り出しモータ13が逆転されることにより、ピッカローラ2及び分離ローラ10は、図1に示すように、矢印J方向に回転し、媒体3を矢印K方向から取り込む。このとき、リバースローラ11はワンウエイクラッチが軸11aとの噛み合いが外れて矢印G方向に連れまわりしている。
【0031】
ピッカローラ2及び分離ローラ10により間隙E,Fに取り込まれた媒体の先端が媒体取り込み方向Kの正面にあるホッパ1の内壁1aに当接したあと、媒体3はさらにピッカローラ2との間に作用する摩擦力により弓形に変形しようとするが、ローラ5に当接して弓形に膨らむ変形を防止され、ピッカローラ2との間にすべりを発生させてそのままステージ4に落下する。
【0032】
従って、取り込まれた媒体3はすでにホッパ内に収納されている媒体3に対してずれて収納されることはなく、後から取り込まれる媒体が先に取り込まれた媒体3の下になる恐れはない。
【0033】
尚、本実施の形態では媒体変形防止部としてブラケットに回転自在に設けたローラとしたが、ブラケットの一部を用いてもよい。
【0034】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので以下に記載される効果を奏する。
【0035】
媒体取り込み方向の正面にあり、取り込まれた媒体の先端が当接するホッパの内壁とピッカローラとの間に、媒体取り込み間隙より狭い第2の間隙を設けて媒体の膨らみ変形を防止する媒体変形防止部を備えたことにより、媒体は膨らみ変形を防止され、ピッカローラとの間にすべりを発生させてそのままステージに落下するので、後から取り込まれる媒体が先に取り込まれた媒体の下になる恐れはなくなり、媒体が取り込まれた順番にホッパに収納される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態による媒体ホッパ機構の断面図(媒体取り込み時)である。
【図2】実施の形態による媒体ホッパ機構の断面図(媒体繰り出し時)である。
【図3】図1に示した媒体ホッパ機構の制御ブロック図である。
【符号の説明】
1 ホッパ
2 ピッカローラ
4 ステージ
5 媒体変形防止部
7 ブラケット
8 リミッタ

Claims (3)

  1. 回動可能なブラケットに設けられたピッカローラと、該ピッカローラに向かって移動自在なステージをホッパ内に有し、前記ピッカローラを回転させて、前記ステージ上に搭載された最上層の媒体と前記ピッカローラとの間の第1の間隙に媒体を取り込む媒体ホッパ機構において、
    前記ブラケットにあって、前記媒体取り込み方向の正面にある前記ホッパの内壁と前記ピッカローラとの間に配設された媒体変形防止部を設け
    前記媒体の取り込み時に、前記媒体変形防止部は、前記最上層の媒体との間に前記第1の間隙より狭い第2の間隙を保持して位置づけられ、
    前記ピッカローラを回転させて第1及び第2の間隙に媒体を取り込んだ後、前記媒体は前記媒体変形防止部に当接して前記最上層の媒体上に積載することを特徴とする媒体ホッパ機構。
  2. 回動可能なブラケットに設けられたピッカローラと、該ピッカローラに向かって移動自在なステージをホッパ内に有し、前記ピッカローラを回転させて、前記ステージ上に搭載された最上層の媒体と前記ピッカローラとの間の第1の間隙から媒体を繰り出し/取り込みを行う媒体ホッパ機構において、
    前記ブラケットにあって、前記媒体の取り込み方向の正面にある前記ホッパの内壁と前記ピッカローラとの間に配設された媒体変形防止部を設け、
    前記媒体変形防止部は、前記最上層の媒体との間に前記第 1 の間隙より狭い第2の間隙を保持して位置づけられ、
    前記ステージが移動することにより前記媒体変形防止部が前記第2の間隙を前記第1の間隙より広くした後、前記ピッカローラが前記最上層の媒体に当接し、該ピッカローラが回転して前記媒体を繰出すことを特徴とする媒体ホッパ機構。
  3. 前記媒体変形防止部は、前記ブラケットに回転自在に設けられたローラ、または前記ブラケットの一部であることを特徴とする請求項1または2記載の媒体ホッパ機構。
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